説明

カード及びその製造方法

【課題】
本発明は、高意匠性を有するカードとして、ヘアライン加工を施した金属調の質感を有するカードとすることを課題とする。
【解決手段】
上記課題を解決するため、本発明では、単層からなるカード基材又は1層以上のコア基材と外装基材からなるカード基材と、カード基材上に、金属粒子及び樹脂を含む金属薄膜層を有し、該金属薄膜層上にフィルム状保護層を有するカードであって、該金属薄膜層が、平坦部と部分的に一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部を有し、該金属薄膜層に含まれる樹脂が、硬化性樹脂である、又は、フィルム状保護層のガラス転移点(Tg)より10℃以上高いを有する樹脂であることを特徴とするカードとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾性に優れたICカード、磁気カード等のカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICカード、磁気カード等のカードは、キャッシュカード、クレジットカード、ポイントカード、会員証カード、社員証、学生証、免許証、IDカード等、様々な分野に用いられている。
近年、用途が広がるに連れ、意匠性に優れたカードが求められており、特に金属調の高級感を持ったカードが注目されている。
【0003】
金属調の装飾を施したものとしては、引用文献1にあるような、カード基材上に金属薄膜層を設け、さらに樹脂層、絵柄層を形成してエンボス加工を施した装飾カードが知られている。
通常、金属薄膜層は鏡面状になっているが、より高級な質感をもつカードとして、表面に細かい線状のラインが入ったいわゆるヘアライン加工を施した金属調のカードが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−78533号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高意匠性を有するカードとして、ヘアライン加工を施した金属調の質感を有するカードとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、単層からなるカード基材又は1層以上のコア基材と外装基材からなるカード基材と、カード基材上に、金属粒子及び樹脂を含む金属薄膜層を有し、該金属薄膜層上にフィルム状保護層を有するカードであって、該金属薄膜層が、平坦部と部分的に一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部を有し、該金属薄膜層に含まれる樹脂が、硬化性樹脂である、又は、フィルム状保護層のガラス転移点(Tg)より10℃以上高いを有する樹脂であることを特徴とするカードとする。
【0007】
また、前記金属薄膜層の一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部が、カード全域に形成されていることを有することを特徴とする。
【0008】
また、剥離層を有し一定方向に並んだ線状の凹凸を有する転写基材又は一定方向に並んだ線状の凹凸を有する剥離性転写基材に、一定方向に並んだ線状の凹凸を有し金属粒子及び樹脂を含む金属薄膜層を印刷法により形成する工程、凹凸を形成した金属薄膜層を、単層からなるカード基材又は1層以上のコア基材と外装基材からなるカード基材に転写する工程、凹凸を形成した金属薄膜層を設けたカード基材の、金属薄膜層上にフィルム状保護層を形成する工程、を有し、該金属薄膜層に含まれる樹脂が、硬化性樹脂又は、フィルム状保護層のガラス転移点(Tg)より10℃以上高いを有する樹脂であることを特徴とするカードの製造方法とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヘアライン加工を施した金属調の質感を有するカードとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のカードの一例を示す概略図である。
【図2】本発明のカードの一例を示す断面図である。
【図3】本発明のカードの一例を示す断面図である。
【図4】本発明のカードの一例を示す断面図である。
【図5】本発明のカードの製法の一例を示す説明図である。
【図6】本発明のカードの製法の一例を示す説明図である。
【図7】比較例のカードの製法の一例を示す説明図である。
【図8】比較例のカードの製法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明のカードの一例を示す断面図である。図1において、コア基材2aと外装基材2bからなるカード基材2と、このカード基材2上に金属薄膜層3が形成され、金属薄膜層3上には保護層4が形成されている。金属薄膜層3には、細かい線状の凸部又は凹部が形成されている。
【0012】
本発明のカード基材としては、白色または光透過性の単層からなるカード基材、又は1層以上の白色または光透過性のコア基材と白色または光透過性の外装基材を積層したカード基材を用いることができる。
カード基材、コア基材、外装基材に用いる材料としては、塩化ビニル材料、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体材料、テレフタル酸とシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体材料、または前述の共重合体とポリカーボネート及び/又はポリアリレートとのポリマーアロイからなる非晶質ポリエステル材料、ポリエチレンテレフタレート材料、ポリブチレンテレフタレート材料、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)材料、紙材料、含浸紙材料等を用いることができる。
【0013】
本発明では、カード基材上に金属薄膜層を有する。
金属薄膜層は、金属粒子と硬化性樹脂を含む組成物を用いる。
金属粒子としては、例えばアルミニウム、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、金、銀やこれらの合金などがあげられる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができる。このような樹脂としては、ポリエステル系ポリオールやアクリル系ポリオールとポリイソシアネートからなるものやメラミン樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,アクリルモノマーに紫外線(UV)もしくは電子線硬化性の架橋剤からなる樹脂等を用いることができる。
金属薄膜層は詳細は後述するが印刷法により形成することができる。
【0014】
金属薄膜層は、平坦部と部分的に一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部が形成されており、平坦部と凸部又は凹部の光の反射の違いによりヘアライン加工が施された金属調の質感をだすことができる。
細かい線状の凸部又は凹部は一定方向に揃っている。また、カードの短辺または長辺の特定の辺に対する各々の線状凸部又は凹部の成す角度の標準偏差が15°以下、好ましくは5°以下であるとよい。ばらついているとヘアライン上の質感とはならずにマット調になってしまうが、この範囲であればヘアライン上の質感を有するものとなる。なお、線状凸部又は凹部が非直線形状となる場合は、自乗平均により導き出される近似直線を用いた標準偏差が上記範囲内に入っていることが好ましい。
線状凹凸は、カード全域に形成されていることがよい。具体的には、1cmあたりの線数は20〜100の範囲内であることが好ましい。
線状の凸部又は凹部が平坦部の1.2〜10倍又は0.1〜0.8倍の範囲内の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明の平坦部と凸部を有する金属薄膜層は、後述するように別途用意した転写箔に細かい線状の凹凸を有する金属薄膜層を形成して、その後カード基材上に転写し、さらにフィルム状保護層を転写形成することで形成することができる。
【0015】
本発明では金属薄膜層上にフィルム状保護層を設ける。
保護層としてフィルムを用いることで、コーティング膜等に比べ、耐久性が高いものとすることができる。
フィルム状保護層に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを用いることができる。例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂やそれらの共重合体、ポリマーアロイや、ポリエステル系ポリオールにイソシアネートを添加したアクリルUV樹脂等があげられるがこの限りでない。
また、これらの樹脂には添加剤を加えても良い。添加剤としては、ポリエチレンワックスやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ワックス等のワックス類、マイカ、タルク、シリカなどがあげられる。
保護層の厚みとしては、0.5μm〜5μm程度である。
【0016】
保護層の表面は平滑であってもよい。平滑であれば、下層の金属薄膜層のヘアライン上の凸部又は凹部を有しながら、表面光沢を有する、高意匠性のカードとすることができる。保護層の表面側の表面粗さRaは0.2μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば光沢を得ることができる。
【0017】
次に図5,6を参考にして本発明の製法について説明する。
まず、カード基材を用意する。
カード基材としては、前述のものを用いる。
カード基材への金属薄膜層の形成は、細かい線状の微細凹凸を形成した転写基材を有する転写箔を用いて、転写基材上に金属薄膜層を印刷法により形成し、その後金属薄膜層をカード基材に転写することで形成できる。
【0018】
転写箔は転写基材を有する。
転写箔の転写基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリカーボネート,ポリイミドを用いることができる。
特に後述する微細凹凸形状形成の点や経済性から、結晶性の2軸延伸PETフィルムを用いることが好ましい。
【0019】
転写基材上には剥離層を設けてもよいし転写基材自体が剥離性を有していても良い。
剥離層としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、繊維素系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂などを用いることができ、特に、透明性が高いポリメタクリル酸メチルを用いるのが好ましい。また、必要に応じてワックス等を使用することができる。また、剥離層の厚さとしては10μm以下が好ましく、さらには、1〜3μmが好ましい。
【0020】
図5(a)に示すように、転写基材には後に金属薄膜層の一定方向に揃った細かい線状の凹凸となる細かい線状の凹凸を設ける。
転写基材に形成する細かい線状の凹凸は、金属ブラシ等により削る方法や、ヘアライン上の目のついた金属等のローラー又はプレス板により熱成形する方法を用いることができる。線状の凹凸の深さは0.5〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度であるとよい。また線幅は5〜500μm程度、好ましくは9.5〜200μm程度であるとよい。
なお、ヘアライン調の細かい線状の凹凸の形成は、最終的なカードとしたときに所望の形状(線状の凸部形状又は凹部形状)となるよう、途中段階では適宜逆版を用いることができる。
【0021】
次に図5(b)に示すように、剥離層または剥離性転写基材上には金属薄膜層を設ける。
金属薄膜層は、前述のように金属粒子と樹脂を含む組成物からなる。
金属粒子としては例えば、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、金、銀やこれらの合金を用いることができる。
金属薄膜層に含まれる樹脂としては、フィルム状保護層に用いる樹脂よりもTgが10℃以上高い熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。
このような樹脂としては、アクリル樹脂,ポリエステル系ポリオールとポリイソシアネートからなるものや、メラミン樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,アクリルモノマーにUVもしくは電子線硬化性の架橋剤からなる樹脂等を用いることができる。
金属薄膜層は、金属粒子と樹脂と溶剤を含むインキを用いて、印刷法により形成することができる。印刷時に転写基材に形成された凹部又は凸部の形状に沿った形状となり、金属薄膜層に細かい線状の凹凸を形成できる。
インキに用いる溶剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、メチルエチルケトン,シクロヘキサノン,イソホロン,トルエン,キシレン,ミネラルスピリット,γ−ブチロラクトン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,ブチルセロソルブ,イソプロピルアルコールなどがあげられる。また、適宜添加剤を加えても良い。
金属薄膜層を印刷した後、必要に応じて、加熱、紫外線照射、電子線照射などの硬化処理を行っても良い。
金属薄膜層の膜厚は5nm〜500nm程度であることが好ましい。
【0022】
また、金属薄膜層は、磁気カードや接触式のICカードとする場合等機械に挿入して使う場合や、非接触式のICカードなど電磁的な通信を行う場合、低導電性であることが好ましい。また低導電性であると生産時の粉塵の付着や機械のスパークの発生を抑止することができる点でも好ましい。
具体的には、表面抵抗値が10Ω以上、好ましくは10Ω以上が適している。このようなものとしては、海島状の網点形状に印刷する方法などが挙げられる。
【0023】
金属薄膜層は、細かい線状の凹凸が形成された転写基材上に形成するため、転写基材の凹凸に追従するように膜厚のばらつきの少ない薄膜とすることができる。
また、金属薄膜層上には転写するための接着層を設ける。
【0024】
次に図5(c)、(d)に示すように、転写箔から金属薄膜層をカード基材に転写する。
転写方法としては、熱転写法を用いることができる。
熱転写としては、プレス板またはロールを用いて、線圧又は面圧により、80〜180℃、1.0〜50MPa、1〜30min程度の条件で行うことができる。
なお、この時、転写基材として、結晶性の樹脂基材、又は、単層からなるカード基材又は外装基材のガラス転移温度(Tg)より10℃以上ガラス転移温度の高い樹脂基材、を用いることが好ましい。
このようにすることで、熱転写時に、転写基材は軟化しないため、転写基材の凹凸形状に沿って形成されている金属薄膜層の凹凸形状が崩れることなくカード基材に転写することができる。
【0025】
次に図6(e)に示すように転写基材を剥離する。なお、剥離層を用いる場合、図示しないが剥離層は転写された金属薄膜層側に残る。
【0026】
そして、転写された金属薄膜層上にフィルム状保護層を設ける。
フィルム状保護層は転写により形成することができ、剥離層が形成された支持体または剥離性支持体上にフィルム状保護層、接着層を形成した転写箔を用意し、カード基材に転写することにより形成できる。
接着層はグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などの公知の印刷手法を用いることができるがこれに限られるものではない。
【0027】
フィルム状保護層のカード基材への転写は、転写箔をカード基材に貼り合わせ、プレスにより熱圧を加えその後、剥離することにより形成できる。転写方法は熱転写方法を用いることができ、接着剤はそれぞれに適したものを用いることができる。また、このプレス時に同時に表面の平滑化を行っても良い。プレスの条件としては、100〜160℃、1.0〜3.0MPa、1〜30min程度で行うことができる。
【0028】
保護フィルムの転写工程で熱圧を加えるため、カード基材に転写形成された金属薄膜層の凹凸が潰されて平坦化する可能性があるが、金属薄膜層は硬化性樹脂又は保護フィルムに用いる樹脂よりガラス転移点の高い樹脂を含むため、金属薄膜層の凹凸が潰されることなく、保護フィルムを転写した後も線状の凹凸を有する金属薄膜層とすることができる。
【0029】
なお、図7、8に示すように、カード基材上に金属薄膜層を設け、エンボス法等で表面に凹凸を形成する場合、エンボス版の凹凸形状は金属薄膜層の表面側のみに形成される。そして、フィルム状保護層を転写形成した時、図8(d)、(e)に示すように表面側の凸部がつぶされて平坦化するため、凹凸形状が消えてしまう。
【0030】
本発明のカードには、接触及び/又は非接触のIC機能を持たせても良い。
非接触のICカードとする場合は、複数のコアカード基材を用いて、アンテナとICを有するインレットを挟み込んだ構成をもちいることができる。
接触式のICカードとする場合は、反射層や保護層を設けたカード基材の最表面に接触端子付きICをザグリ加工により形成した開口部に埋設配置したものを用いることができる。
【0031】
また、本発明のカードには、磁気機能を持たせても良い。
磁気カードとする場合には、単層からなるカード基材又は、外装基材に磁気テープを埋設配置したものを用いることができる。磁気テープの埋設は、例えば磁気テープを仮貼りした後に熱圧などにより埋設する公知の手法を用いることができる。
なお、磁気読み取りの点から磁気層上にくる層の膜厚は総厚で10μm以下であることが良い。
【0032】
磁気ストライプを配置した場合は、隠蔽層を形成することができる。隠蔽層としては公知の材料を用いて形成することができる。
【0033】
また本発明のカードには、絵柄層を形成しても良い。絵柄層は最上層や各層の層間に適宜設けることができる。
絵柄層の形成方法としては、公知の印刷手法を用いて形成することができる。
【0034】
本発明のカードは、一枚ごとに枚葉で作製しても良いし、多面付けしたシート基材を用いて、最後に打ち抜き・切り出し加工等によりカードサイズに個片化してもよい。
打ち抜き・切り出し加工としては、雄雌金型、刃物などを用いて行うことができる。
【0035】
また、最後に、印字加工、エンボス加工等の後加工を施しても良い。これらの加工は公知の方法を用いて行うことができる。
【実施例】
【0036】
<実施例1>
厚み0.6mmのポリ塩化ビニル樹脂材料(三菱樹脂株式会社製、Tg65〜70℃)からなるセンターコア基材と、表裏に厚み0.1mmのポリ塩化ビニル樹脂材料(三菱樹脂株式会社製、Tg65〜70℃)からなる外装基材を用い、一方の外装基材上に磁気テープ(DIC株式会社製DS−705)を仮貼りした後に150℃でプレスすることにより一体化してカード基材を得た。
一方、転写箔として、厚み25μmの結晶性の二軸延伸PETフィルム(東レ株式会社製)からなる転写基材に金属ブラシによりヘアライン加工を行う。転写基材に形成した凹凸形状は、線幅50〜200μm、深さ/高さ3〜8μm、1cmあたりの線数80とした。なおカード短辺と各々の凹凸形状の線のなす角度の標準偏差5°であった。
転写基材に剥離層として、TP253Bカード用ワニス(東洋インキ株式会社製)を1μmグラビア印刷法により塗布形成した。
【0037】
次に、金属薄膜層形成用のインキとして、以下の組成からなるものを用い、グラビア印刷法により、膜厚2〜3μmになるように形成した。
【0038】
(インキ組成)
○樹脂25重量部
ダイヤナールレジンBR−80(三菱レイヨン、アクリル樹脂Tg115℃)
○金属粒子20重量部
Metalure(ECKART−WERKE社製、加熱残分10%、微小アルミニウム箔の厚さ0.01〜0.08μm、平均粒径6〜16μm)
○溶剤55重量部
メチルエチルケトン:トルエン=1:1
【0039】
次に、この転写箔を用いてSn蒸着層をカード基材に、ラミネートプレスにより120℃、2.0Mpa、20分の条件で熱転写した。
その後、保護層としてV223カード下ワニス(東洋インキ製造株式会社製、Tg75〜80℃)をカード基材のSn蒸着層上にグラビア印刷により塗工し、ラミネートプレスにより120℃、2.0Mpa、20分の条件で熱転写した。
【0040】
<実施例2>
金属薄膜層形成用のインキを以下の硬化性樹脂インキに変えた以外は実施例1と同様に作成した。
(インキ組成)
○インキ
FUN−COAT UVメタミラー(十条ケミカル;UV硬化ミラーインキ)
【0041】
<比較例1>
実施例1と同様のカード基材に、ヘアラインを形成しないでSn蒸着層を転写形成し、その後、ヘアライン加工を施した金属板をプレスすることにより、Sn蒸着層にヘアライン形状を形成した。
その後、保護層としてV223カード下ワニス(東洋インキ製造株式会社製、Tg75〜80℃)をカード基材のSn蒸着層上にグラビア印刷により塗工し、ラミネートプレスにより120℃、2.0Mpa、20分の条件で熱転写した。
【0042】
実施例1,2と比較例1の表面状態を目視にて確認したところ、実施例1はヘアライン模様のある、高級感ある金属色調を認識できたが、比較例1は、平坦な模様のない金属色調が認識された。
【符号の説明】
【0043】
1・・・・カード
2・・・・カード基材
2a・・・コア基材
2b・・・外装基材
3・・・・反射層
3a・・・平坦部
3b・・・凸部又は凹部
4・・・・フィルム状保護層
5・・・・アンテナ基材
6・・・・ICチップ(ICモジュール)
7・・・・アンテナ
8・・・・磁気層
9・・・・転写基材
10・・・エンボス版


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層からなるカード基材又は1層以上のコア基材と外装基材からなるカード基材と、カード基材上に、金属粒子及び樹脂を含む金属薄膜層を有し、該金属薄膜層上にフィルム状保護層を有するカードであって、
該金属薄膜層が、平坦部と部分的に一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部を有し、
該金属薄膜層に含まれる樹脂が、硬化性樹脂である、又は、フィルム状保護層のガラス転移点(Tg)より10℃以上高いを有する樹脂であることを特徴とするカード。
【請求項2】
前記金属薄膜層の一定方向に並んだ線状の凸部又は凹部が、カード全域に形成されていることを有することを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項3】
剥離層を有し一定方向に並んだ線状の凹凸を有する転写基材又は一定方向に並んだ線状の凹凸を有する剥離性転写基材に、一定方向に並んだ線状の凹凸を有し金属粒子及び樹脂を含む金属薄膜層を印刷法により形成する工程、
凹凸を形成した金属薄膜層を、単層からなるカード基材又は1層以上のコア基材と外装基材からなるカード基材に転写する工程、
凹凸を形成した金属薄膜層を設けたカード基材の、金属薄膜層上にフィルム状保護層を形成する工程、
を有し、
該金属薄膜層に含まれる樹脂が、硬化性樹脂又は、フィルム状保護層のガラス転移点(Tg)より10℃以上高いを有する樹脂であることを特徴とするカードの製造方法。









【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−250480(P2012−250480A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125598(P2011−125598)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】