説明

カード状媒体処理装置およびカード状媒体処理装置の制御方法

【課題】カード状媒体が挿入されたことを検出するための検出手段の異常を検出することが可能となるカード状媒体処理装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】カード状媒体処理装置は、カード状媒体が挿入されたことを検出する第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第1判断ステップS1と、第1検出手段よりもカード状媒体の挿入方向における奥側に配置されカード状媒体が挿入されたことを検出する第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第2判断ステップS6と、第1判断ステップS1でカード状媒体の挿入が検出されずに第2判断ステップS6でカード状媒体の挿入が検出されるときに、第1検出手段に異常が生じているとして所定の処理を行う処理ステップS9とを備える制御方法によって制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード状媒体が挿入されたことを検出するための複数の検出手段を備えるカード状媒体処理装置およびカード状媒体処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録された磁気データを読み取るカードリーダとして、ユーザがカードを手動で操作する手動式のカードリーダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカードリーダは、カードの短手幅よりも浅く形成された溝状のカード通路に沿ってカードを移動させながらカードの磁気データの再生等を行ういわゆるスワイプ式のカードリーダである。
【0003】
この特許文献1に記載のカードリーダでは、カード通路の一端がカードの第1出入口となっており、カード通路の他端がカードの第2出入口となっている。また、このカードリーダでは、第1出入口の近傍にカードの挿入を検出する第1センサが配置され、第2出入口の近傍にカードの挿入を検出する第2センサが配置されている。さらに、このカードリーダでは、カード通路を挟んで、第1磁気ヘッドと第2磁気ヘッドとが対向するように配置されている。このカードリーダでは、第1センサでカードの挿入が検出されると、第1磁気ヘッドがオンの状態となって第1磁気ヘッドによる磁気データの再生等が可能になり、第2センサでカードの挿入が検出されると、第2磁気ヘッドがオンの状態になって第2磁気ヘッドによる磁気データの再生等が可能になる。
【0004】
なお、従来、手動式のカードリーダとして、カードリーダ内部にカードを挿入する際、あるいは、カードリーダからカードを引き抜く際に磁気データの再生等を行ういわゆるディップ式のカードリーダも知られている(たとえば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載のカードリーダは、カードの挿入を検出するためのセンサとして、カード走行路の入口側に配置されるセンサと、カード走行路の奥側に配置されるセンサとの2個のセンサを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−102492号公報
【特許文献2】特開2003−271909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のカードリーダでは、第1センサでカードの挿入が検出されると、第1磁気ヘッドによる磁気データの再生等が可能になり、第2センサでカードの挿入が検出されると、第2磁気ヘッドによる磁気データの再生等が可能になる。そのため、このカードリーダでは、第1センサや第2センサに故障等の異常が生じると、第1磁気ヘッドや第2磁気ヘッドによる磁気データの再生等を行うことができない。したがって、第1センサや第2センサに異常が生じた場合には、第1センサや第2センサを速やかに交換する必要がある。しかしながら、このカードリーダには、第1センサや第2センサに異常が生じたことを検出する機能がない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、カード状媒体が挿入されたことを検出するための検出手段の異常を検出することが可能なカード状媒体処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、カード状媒体が挿入されたことを検出するための検出手段の異常を検出することが可能となるカード状媒体処理装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のカード状媒体処理装置は、カード状媒体が挿入されたことを検出するための複数の検出手段と、複数の検出手段からの出力信号が入力される制御手段とを備えるとともに、複数の検出手段として、第1検出手段と、第1検出手段よりもカード状媒体の挿入方向における奥側に配置される第2検出手段とを備え、制御手段は、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出されるときに、第1検出手段に異常が生じていると判断することを特徴とする。
【0009】
本発明のカード状媒体処理装置では、制御手段は、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第1検出手段よりもカード状媒体の挿入方向における奥側に配置される第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出されるときに、第1検出手段に異常が生じていると判断している。そのため、本発明では、制御手段の判断結果に基づいて、第1検出手段の異常を検出することが可能になる。
【0010】
本発明において、制御手段は、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象がn回(nは、2以上の整数)発生したときに、第1検出手段に異常が生じていると判断することが好ましい。このように構成すると、第1検出手段に異常が生じていないにもかかわらず、何らかの原因によってたまたま第1検出手段でカード状媒体が検出できなかった場合には、制御手段は、第1検出手段に異常が生じていないと判断する。したがって、第1検出手段の異常を適切に検出することが可能になる。また、このように構成すると、第1検出手段が故障しかけている場合等、第1検出手段に異常が生じ始めている場合に、第1検出手段を交換しなくても、第1検出手段でカード状媒体の挿入を検出できることがある。したがって、第1検出手段の交換時期を延ばすことが可能になる。
【0011】
また、この場合には、制御手段は、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象がn回連続で発生したときに、第1検出手段に異常が生じていると判断することが好ましい。このように構成すると、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象が連続して発生した回数を記憶しておけば良い。したがって、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象が発生した回数をカウントする際の制御が比較的容易になる。
【0012】
本発明において、制御手段は、第1検出手段に異常が生じていると判断したときに、カード状媒体処理装置が搭載される上位装置を制御する上位制御手段に異常発生信号を発信することが好ましい。このように構成すると、上位装置は、第1検出手段に異常が生じていることを認識することができる。したがって、上位装置は、必要に応じて、所定の処理を行うことが可能になる。
【0013】
本発明において、たとえば、カード状媒体処理装置は、カード状媒体が挿入されるカード挿入口と、カード挿入口に繋がるように形成されカード状媒体が通過するカード通過路とを備え、第1検出手段は、カード挿入口からカード状媒体が挿入されたことを検出し、第2検出手段は、カード状媒体の挿入方向側の端部が挿入方向におけるカード通過路の奥端側へ到達してカード状媒体が所定の位置に停止したことを検出する。
【0014】
本発明において、たとえば、カード状媒体処理装置は、カード状媒体をカード状媒体処理装置のユーザが手動で操作する手動式のカード状媒体処理装置である。
【0015】
本発明において、第1検出手段は、カード状媒体が接触する接触部材と、接触部材の変位を検出するセンサとを備える機械式の検出手段であることが好ましい。このように構成すると、発光素子と受光素子との間をカード状媒体が遮ることでカード状媒体を検出する光学式の検出手段では検出が困難な透明なカード状媒体や角が丸くなっているカード状媒体等の規格外のカード状媒体であっても、第1検出手段で適切に検出することが可能になる。一方、第1検出手段が接触部材を備える場合には、カード状媒体との接触によって接触部材が摩耗するため、第1検出手段に異常が生じやすくなるが、本発明では、制御手段の判断結果に基づいて、第1検出手段の異常を検出することが可能になる。
【0016】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカード状媒体処理装置の制御方法は、カード状媒体が挿入されたことを検出する第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第1判断ステップと、第1検出手段よりもカード状媒体の挿入方向における奥側に配置されカード状媒体が挿入されたことを検出する第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第2判断ステップと、第1判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されずに第2判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されるときに、第1検出手段に異常が生じているとして所定の処理を行う処理ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のカード状媒体処理装置の制御方法では、処理ステップにおいて、第1判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されずに第2判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されるときに、第1検出手段に異常が生じているとして所定の処理を行っている。そのため、本発明では、処理ステップでの処理に基づいて、第1検出手段の異常を検出することが可能になる。
【0018】
本発明において、カード状媒体処理装置の制御方法は、第1判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されずに第2判断ステップでカード状媒体の挿入が検出される現象がn回(nは、2以上の整数)連続で発生しているか否かを判断する第3判断ステップを備え、第3判断ステップにおいて、第1判断ステップでカード状媒体の挿入が検出されずに第2判断ステップでカード状媒体の挿入が検出される現象がn回連続で発生したと判断されたときに、処理ステップで所定の処理を行うことが好ましい。
【0019】
このように構成すると、第1検出手段に異常が生じていないにもかかわらず、何らかの原因によってたまたま第1検出手段でカード状媒体が検出できなかった場合には、処理ステップで所定の処理が行われず、第1検出手段の異常は検出されない。したがって、第1検出手段の異常を適切に検出することが可能になる。また、このように構成すると、第1検出手段が故障しかけている場合等、第1検出手段に異常が生じ始めている場合に、第1検出手段を交換しなくても、第1検出手段でカード状媒体の挿入を検出できることがある。したがって、第1検出手段の交換時期を延ばすことが可能になる。さらに、このように構成すると、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象が連続して発生した回数を記憶しておけば良い。したがって、第1検出手段でカード状媒体の挿入が検出されずに第2検出手段でカード状媒体の挿入が検出される現象が発生した回数をカウントする際の制御が比較的容易になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明のカード状媒体処理装置では、カード状媒体が挿入されたことを検出するための第1検出手段の異常を検出することが可能になる。また、本発明のカード状媒体処理装置の制御方法によれば、カード状媒体が挿入されたことを検出するための第1検出手段の異常を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカード状媒体処理装置の概略構成を説明するための平面図である。
【図2】図1のE−E方向からカード状媒体処理装置の概略構成を説明するための側面図である。
【図3】図1に示すカード状媒体処理装置のフロント検出機構の概略構成を説明するための側面図である。
【図4】図1に示すカード状媒体処理装置の制御部に関連する構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示すカード状媒体処理装置におけるカード状媒体の挿入時の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(カード状媒体処理装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード状媒体処理装置1の概略構成を説明するための平面図である。図2は、図1のE−E方向からカード状媒体処理装置1の概略構成を説明するための側面図である。図3は、図1に示すカード状媒体処理装置1のフロント検出機構11の概略構成を説明するための側面図である。図4は、図1に示すカード状媒体処理装置1の制御部13に関連する構成を示すブロック図である。
【0024】
本形態のカード状媒体処理装置1は、カード状媒体であるカード2をユーザが手動で操作して、カード2に記録されたデータの再生やカード2へのデータの記録を行うためのカードリーダである。具体的には、カード状媒体処理装置1は、ユーザが手動で装置内部にカード2を挿入し、また、装置内部からカード2を引き抜くことで、カード2に記録されたデータの再生やカード2へのデータの記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダである。以下では、本形態のカード状媒体処理装置1を「カードリーダ1」とする。なお、本形態のカードリーダ1は、所定の上位装置に搭載されて使用される。
【0025】
カードリーダ1は、図1〜図3に示すように、カード2に記録されたデータの再生やカード2へのデータの記録を行う磁気ヘッド3およびIC接点4を備えている。カードリーダ1の内部には、図2に示すように、カード挿入口5から挿入されるカード2が通過するカード通過路6が直線状に形成されている。また、カードリーダ1は、内部に挿入されたカード2の引抜きを防止するためのレバー部材8と、レバー部材8を駆動するソレノイド9とを備えている。さらに、カードリーダ1は、図2〜図4に示すように、カード2が内部に挿入されたことを検出するためのフロント検出機構11およびリア検出機構12と、カードリーダ1を制御するための制御部13とを備えている。
【0026】
本形態では、図1等に示すX1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が引き抜かれる。すなわち、X1方向は、カード2の挿入方向である。また、X1方向側は、カード2の挿入方向における奥側であり、X2方向側は、カード2の挿入方向における手前側である。したがって、以下では、X1方向側を「奥」側、X2方向側を「手前」側とする。
【0027】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の表面には、磁気データが記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成されている。また、カード2の表面には、ICチップ(図示省略)が固定されている。なお、カード2には、ICチップが固定されずに磁気ストライプが形成されても良いし、磁気ストライプが形成されずにICチップが固定されても良い。また、カード2に、通信用のアンテナが内蔵されても良いし、カード2の表面に、感熱方式によって印字が行われる印字部が形成されても良い。さらに、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0028】
カードリーダ1の手前端側の一部分は、図1に示すように、ユーザによるカード2の挿入およびカード2の引抜きが可能となるように切り欠かれた切欠部15となっており、カードリーダ1の奥端側に挿入されたカード2の一部は切欠部15において露出する。また、図2に示すように、カード通過路6の手前端がカード挿入口5となっている。すなわち、カード通過路6は、カード挿入口5に繋がるように形成されている。磁気ヘッド3は、カードリーダ1の手前端側に配置されている。また、磁気ヘッド3は、図2におけるカード通過路6の下側に配置されている。
【0029】
IC接点4は、カードリーダ1の奥端側に配置されている。また、IC接点4は、図2におけるカード通過路6の上側に配置されている。このIC接点4は、接点保持部材16に固定されている。接点保持部材16の奥端側には、図2に示すように、カード2の先端(奥側端)が係合するカード係合部16aが形成されている。また、接点保持部材16は、リンク機構17に連結されており、図2の左右方向にスライドしながら図2の上下方向に移動する。具体的には、接点保持部材16は、図2の二点鎖線で示すように、奥側に移動すると下降し、図2の実線で示すように、手前側に移動すると上昇する。また、接点保持部材16は、引張りコイルバネ18によって手前側に付勢されている。
【0030】
本形態では、カードリーダ1の奥側へ挿入されたカード2の先端が接点保持部材16のカード係合部16aに係合すると、カード2のICチップにIC接点4が接触するように、接点保持部材16は奥側にスライドしながら下降する。また、奥側に挿入されたカード2が手前側に引かれると、カード2の表面からIC接点4が離れるように、引張りコイルバネ18の付勢力で、接点保持部材16は手前側にスライドしながら上昇する。
【0031】
レバー部材8は、図2の二点鎖線で示すカード通過路6を閉鎖する閉位置、および、図2の実線で示すカード通過路6を開放する開位置へ回動可能に構成されており、挿入されたカード2の引抜きを閉位置で防止する機能を果たしている。具体的には、レバー部材8は、カード2のICチップとIC接点4とが接触してデータのやりとりを行っている際のカード2の引抜きを防止する機能を果たしている。
【0032】
このレバー部材8は、ソレノイド9のプランジャ9aに固定される連結ピン19を介してソレノイド9に連結されており、レバー部材8の奥端側に配置される回動中心軸20を中心に回動する。具体的には、レバー部材8は、プランジャ9aが突出すると、回動中心軸20を中心に図2の時計方向に回動して、カード通過路6を開放し、プランジャ9aが引っ込むと、回動中心軸20を中心に図2の反時計方向に回動して、カード通過路6を閉鎖する。
【0033】
フロント検出機構11は、カードリーダ1の手前端側に配置されている。このフロント検出機構11は、カード挿入口5からカード2が挿入されたことを検出する機能を果たしている。図3に示すように、フロント検出機構11は、フロントセンサ22とセンサ板23とを備えている。
【0034】
フロントセンサ22は、図示を省略する発光素子と受光素子とを備える光学式のセンサである。このフロントセンサ22は、センサ板23の変位を検出する。センサ板23は、たとえば、金属製の薄板で形成された板バネであり、カード2に接触するカード接触部23aと、フロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部23bとを備えている。センサ板23の奥端側は、カード通過路6を構成するカードリーダ1の本体フレームに固定されている。
【0035】
カード挿入口5からカード2が挿入されていないときには、図3の実線で示すように、カード接触部23aの一部はカード通過路6の中に突出している。この状態では、遮光部23bは、フロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮っていない。一方、カード挿入口5からカード2が挿入されて、カード2の表面がカード接触部23aに接触すると、図3の二点鎖線で示すように、センサ板23が撓んで、図3の下側へ遮光部23bが移動し、フロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮る。このように、遮光部23bがフロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮ることで、カード挿入口5からカード2が挿入されたことが検出される。
【0036】
リア検出機構12は、カードリーダ1の奥端側に配置されている。このリア検出機構12は、カードリーダ1の奥端側までカード2が挿入されたことを検出する機能を果たしている。すなわち、リア検出機構12は、カード2の先端がカード通過路6の奥端側に到達してカード2が停止したことを検出する機能を果たしている。具体的には、リア検出機構12は、カード2の先端が接点保持部材16のカード係合部16aに係合して、カード2のICチップにIC接点4が接触した状態でカード2が停止したことを検出する機能を果たしている。
【0037】
図2に示すように、リア検出機構12は、リアセンサ24とセンサ板25とを備えている。リアセンサ24は、フロントセンサ22と同様に、図示を省略する発光素子と受光素子とを備える光学式のセンサである。このリアセンサ24は、センサ板25の変位を検出する。センサ板25は、センサ板23と同様に、たとえば、金属製の薄板で形成された板バネであり、カード2に接触するカード接触部25aと、リアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部25bとを備えている。センサ板25の手前端側は、カード通過路6を構成するカードリーダ1の本体フレームに固定されている。
【0038】
カード2の先端がカード通過路6の奥端側に到達していないときには、図2の実線で示すように、カード接触部25aの一部はカード通過路6の中に突出している。この状態では、遮光部25bは、リアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮っていない。一方、カード2の先端がカード通過路6の奥端側に到達して、カード2の表面がカード接触部25aに接触すると、図2の二点鎖線で示すように、センサ板25が撓んで、図2の下側へ遮光部25bが移動し、リアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮る。このように、遮光部25bがリアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮ることで、カード2の先端がカード通過路6の奥端側に到達してカード2が停止したことが検出される。
【0039】
なお、本形態のセンサ板23は、カード2が接触する接触部材であり、フロントセンサ22は、接触部材であるセンサ板23の変位を検出するセンサである。また、本形態のフロント検出機構11は、接触部材であるセンサ板23と、接触部材の変位を検出するセンサであるフロントセンサ22とを備える機械式の検出手段である。また、本形態のリア検出機構12は、フロント検出機構11と同様に、カード2が接触するセンサ板25を備える機械式の検出手段である。また、本形態のフロント検出機構11は、第1検出手段であり、リア検出機構12は、第1検出手段であるフロント検出機構11よりも奥側に配置される第2検出手段である。
【0040】
制御部13には、図4に示すように、磁気ヘッド3、IC接点4およびソレノイド9が接続されている。また、制御部13には、フロントセンサ22とリアセンサ24とが接続されており、フロントセンサ22からの出力信号とリアセンサ24からの出力信号とが入力される。さらに、制御部13には、カードリーダ1が搭載される上位装置を制御する上位制御部28が接続されている。なお、本形態の制御部13は、カードリーダ1を制御する制御手段であり、上位制御部28は、上位装置を制御する上位制御手段である。
【0041】
(カード状媒体処理装置の制御方法)
図5は、図1に示すカード状媒体処理装置1におけるカード状媒体2の挿入時の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【0042】
以上のように構成されたカードリーダ1の、カード2の挿入時の制御方法の一例を以下に説明する。図5に示すフローのように、まず、制御部13は、フロントセンサ22からの出力信号に基づいて、フロント検出機構11で、カード挿入口5からのカード2の挿入が検出されたか否かを判断する(ステップS1)。
【0043】
ステップS1で、カード挿入口5からのカード2の挿入が検出されると、制御部13は、磁気ヘッド3によるカード2に記録された磁気データの読取を開始する(ステップS2)。その後、制御部13は、リアセンサ24からの出力信号に基づいて、リア検出機構12で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出されたか否かを判断する(ステップS3)。
【0044】
ステップS3で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出されると、制御部13は、磁気ヘッド3によるカード2の磁気データの読取を終了し(ステップS4)、カードリーダ1にカード2が正常挿入されたことを知らせるカード2の正常挿入信号を上位制御部28へ発信する(ステップS5)。上位制御部28に正常挿入信号が入力されると、上位制御部28は、たとえば、IC接点4によるデータの再生記録指令信号等を制御部13へ発信する。あるいは、上位制御部28に正常挿入信号が入力されると、上位制御部28は、たとえば、磁気ヘッド3で読み取られた磁気データを読み出し、また、上位装置を制御して、カードリーダ1からカード2を引き抜くようにユーザに促す表示を所定の表示部等に表示させる。
【0045】
また、ステップS1で、カード挿入口5からのカード2の挿入が検出されない場合には、制御部13は、リアセンサ24からの出力信号に基づいて、リア検出機構12で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出されたか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出されない場合には、ステップS1へ戻る。
【0046】
ここで、ステップS6で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出された場合には、フロント検出機構11に異常が生じている可能性がある。たとえば、この場合には、カード挿入口5からカード2が挿入されたにもかかわらず、カード接触部23aの摩耗によって、遮光部23bの移動量が小さくなり、遮光部23bがフロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮らなくなっているといった状況が考えられる。このように、フロント検出機構11に異常が生じている場合には、センサ板23を交換する等のメンテナンスをしないとカードリーダ1が適切に動作しなくなる。
【0047】
一方で、ステップS6で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出された場合であっても、たとえば、カード接触部23aの摩耗量がそれほど多くない場合には、再度、カード2を挿入しなおせば、遮光部23bがフロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮る可能性もある。あるいは、ステップS6で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出された場合であっても、フロント検出機構11に異常が生じていないにもかかわらず、何らかの原因によってたまたまフロント検出機構11でカード2の挿入が検出できなかった可能性もある。
【0048】
そこで、本形態では、ステップS6で、カードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出されると、制御部13は、ステップS1でカード挿入口5からのカード2の挿入が検出されずに、かつ、ステップS6でカードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出される現象がn回連続で発生したか否かを判断し(ステップS7)、ステップS7で、この現象がn回連続で発生していない場合には、制御部13は、カードリーダ1へカード2が再挿入されるのを待機するため、カード2の引抜きを待って、カード2が引き抜かれると、ステップS1に戻る。すなわち、ステップS7で、この現象がn回連続で発生していない場合には、制御部13は、リアセンサ24からの出力信号に基づいて、リア検出機構12でカード2の引抜きが検出されたか否かを判断し(ステップS8)、カード2が引き抜かれると、ステップS1に戻る。なお、nは、2以上の整数である。
【0049】
また、ステップS7において、上述の現象がn回連続で発生している場合には、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていると判断し、フロント検出機構11に異常が発生していることを知らせる異常発生信号を上位制御部28へ発信する(ステップS9)。上位制御部28に異常発生信号が入力されると、上位制御部28は、たとえば、上位装置を制御して、カードリーダ1が使用不可であることをユーザに知らせる表示を所定の表示部等に表示させる。あるいは、上位制御部28は、たとえば、上位装置を制御して、フロント検出機構11のメンテナンスが必要であることをユーザに知らせる表示を所定の表示部等に表示させる。
【0050】
なお、本形態のステップS1は、第1検出手段であるフロント検出機構11でカード2の挿入が検出されたか否かを判断する第1判断ステップであり、ステップS6は、第2検出手段であるリア検出機構12でカード2の挿入が検出されたか否かを判断する第2判断ステップであり、ステップS9は、ステップS1でカード2の挿入が検出されずにステップS6でカード2の挿入が検出されるときに、フロント検出機構11に異常が生じているとして所定の処理を行う処理ステップである。また、本形態のステップS7は、ステップS1でカード2の挿入が検出されずにステップS6でカード2の挿入が検出される現象がn回連続で発生しているか否かを判断する第3判断ステップである。
【0051】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ステップS7において、フロント検出機構11でカード挿入口5からのカード2の挿入が検出されずに、かつ、リア検出機構12でカードリーダ1の奥端側へのカード2の挿入が検出される現象がn回連続で発生している場合に、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていると判断し、ステップS9で、異常発生信号を上位制御部28へ発信している。そのため、本形態では、上位制御部28へ発信される異常発生信号に基づいて、フロント検出機構11の異常を検出することが可能になる。たとえば、フロントセンサ22の断線等の電気的な不具合に起因するフロント検出機構11の異常を検出することが可能になる。また、電気的な不具合がない場合であっても、カード接触部23aの摩耗等に起因するフロント検出機構11の異常を検出することが可能になる。さらに、遮光部23bの損傷や劣化に起因するフロント検出機構11の異常や、フロントセンサ22にゴミが付着すること等で発生するフロント検出機構11の異常を検出することが可能になる。また、本形態では、異常発生信号に基づいて、上位制御部28はフロント検出機構11に異常が生じていることを認識することができるため、必要に応じて、上位装置の表示部に所定の表示を行う等の所定の処理を行うことが可能になる。
【0052】
また、本形態では、ステップS7において、上述の現象がn回連続で発生している場合に、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていると判断している。そのため、フロント検出機構11に異常が生じていないにもかかわらず、何らかの原因によってたまたまフロント検出機構11でカード2の挿入が検出できない場合には、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていないと判断する。したがって、本形態では、フロント検出機構11の異常を適切に検出することが可能になる。また、たとえば、カード接触部23aの摩耗量がそれほど多くなく、カードリーダ1へカード2が再挿入されれば、フロント検出機構11でカード2の挿入が検出されるような場合には、センサ板23を交換しなくても、フロント検出機構11でカード2の挿入を検出できる。したがって、このような場合には、センサ板23の交換時期を延ばすことが可能になる。
【0053】
さらに、本形態では、ステップS7において、上述の現象がn回連続で発生している場合に、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていると判断しているため、制御部13は、上述の現象が連続して発生した回数を記憶しておけば良い。したがって、本形態では、上述の現象が発生した回数をカウントする際の制御が比較的容易になる。
【0054】
本形態では、フロント検出機構11は、カード2が接触するセンサ板23を備える機械式の検出手段である。そのため、発光素子と受光素子との間をカード2が遮ることでカード2を検出する光学式の検出手段では検出が困難な透明なカード2や角が丸くなっているカード2の規格外のカード2であっても、フロント検出機構11で適切に検出することが可能になる。一方、カード2に接触するセンサ板23は、カード2との接触によって摩耗するため、フロント検出機構11に異常が生じやすくなるが、本形態では、上述のように、フロント検出機構11の異常を適切に検出することが可能になる。
【0055】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0056】
上述した形態では、カードリーダ1は、カード2が内部に挿入されたことを検出するためのフロント検出機構11およびリア検出機構12の2個の検出機構を備えている。この他にもたとえば、カードリーダ1は、カード2が内部に挿入されたことを検出するための3個以上の検出機構を備えていても良い。
【0057】
たとえば、カードリーダ1は、手前側から奥側に向かってこの順番で配置される第1検出機構、第2検出機構および第3検出機構の3個の検出機構を備えていても良い。この場合には、第1検出機構および第2検出機構に異常が生じていることを検出することが可能になる。すなわち、第1検出機構でカード2の挿入が検出されずに、かつ、第2検出機構および/または第3検出機構でカード2の挿入が検出される場合には、制御部13は、第1検出機構に異常が生じていると判断することが可能になるため、第1検出機構の異常を検出することが可能になる。また、第2検出機構でカード2の挿入が検出されずに、かつ、第3検出機構でカード2の挿入が検出される場合には、制御部13は、第2検出機構に異常が生じていると判断することが可能になるため、第2検出機構の異常を検出することが可能になる。
【0058】
また、たとえば、カードリーダ1は、手前側から奥側に向かってこの順番で配置される第1検出機構、第2検出機構、第3検出機構および第4検出機構の4個の検出機構を備えていても良い。この場合には、カードリーダ1が3個の検出機構を備えている場合と同様に、第1検出機構、第2検出機構および第3検出機構に異常が生じていることを検出することが可能になる。なお、カードリーダ1が3個以上の検出機構を備えている場合には、制御部13は、異常が発生した検出機構を特定することが可能となる異常発生信号を上位制御部28へ発信する。
【0059】
上述した形態では、フロント検出機構11は、カードリーダ1の手前端側に配置され、リア検出機構12は、カードリーダ1の奥端側に配置されている。この他にもたとえば、フロント検出機構11が配置されずに、フロント検出機構11と同様の構成を備える検出機構がカード2の挿入方向におけるカードリーダ1の中間位置に配置されても良い。また、リア検出機構12が配置されずに、リア検出機構12と同様の構成を備える検出機構がカード2の挿入方向におけるカードリーダ1の中間位置に配置されても良い。
【0060】
上述した形態では、フロント検出機構11でカード2の挿入が検出されずに、かつ、リア検出機構12でカード2の挿入が検出される現象がn回連続で発生している場合に、制御部13は、フロント検出機構11に異常が生じていると判断している。この他にもたとえば、制御部13は、この現象が1回発生した場合に、フロント検出機構11に異常が生じていると判断しても良い。また、上述した形態では、制御部13は、この現象がn回連続で発生したときに、フロント検出機構11に異常が生じていると判断しているが、制御部13は、この現象が連続でなくても合計でn回発生したときに、フロント検出機構11に異常が生じていると判断しても良い。
【0061】
上述した形態では、フロント検出機構11およびリア検出機構12は、機械式の検出手段である。この他にもたとえば、フロント検出機構11および/またはリア検出機構12は、発光素子と受光素子との間をカード2が遮ることでカード2を検出する光学式の検出手段であっても良い。また、上述した形態では、フロントセンサ22およびリアセンサ24は、光学式のセンサであるが、フロントセンサ22および/またはリアセンサ24は、マイクロスイッチ等の機械式のセンサであっても良い。なお、フロント検出機構11が光学式の検出手段である場合には、光学式のセンサにゴミが付着すること等で発生するフロント検出機構11の異常を検出することが可能になる。
【0062】
上述した形態では、カード2の表面がカード接触部23aに接触すると図3の下側へ遮光部23bが移動して、フロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮るように、フロント検出機構11が構成されている。この他にもたとえば、カード2の端面がカード接触部23aに接触すると図3の紙面垂直方向へ遮光部23bが移動して、フロントセンサ22の発光素子と受光素子との間を遮るように、フロント検出機構11が構成されても良い。同様に、上述した形態では、カード2の表面がカード接触部25aに接触すると図2の下側へ遮光部25bが移動して、リアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮るように、リア検出機構12が構成されているが、カード2の端面がカード接触部25aに接触すると図2の紙面垂直方向あるいは奥方向へ遮光部25bが移動して、リアセンサ24の発光素子と受光素子との間を遮るように、リア検出機構12が構成されても良い。
【0063】
上述した形態では、カードリーダ1は、いわゆるディップ式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、いわゆるスワイプ式のカードリーダであっても良い。また、上述した形態では、カードリーダ1は、手動式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、カード2を搬送する搬送ローラとこの搬送ローラを駆動する駆動機構とを備えるカード搬送式のカードリーダであっても良い。
【0064】
上述した形態では、カードリーダ1は、塩化ビニール製のカード2、PET製のカード2あるいは紙製のカード2等を取り扱うためのカード用のカードリーダである。この他にもたとえば、本発明の構成が適用されるカードリーダは、パスポート等のカード2以外のカード状媒体を取り扱うためのカードリーダであっても良い。
【0065】
上述した形態では、カードリーダ1は、所定の上位装置に搭載されて使用されている。この他にもたとえば、カードリーダ1は、いわゆるスタンドアローン型のカードリーダ(すなわち、上位装置に搭載されずに使用されるカードリーダ)であっても良い。この場合には、フロント検出機構11に異常が生じていると制御部13が判断すると、制御部13は、たとえば、カードリーダ1を制御して、カードリーダ1が備える所定の表示部等にカードリーダ1が使用不可であることをユーザに知らせる表示を表示させる。
【符号の説明】
【0066】
1 カードリーダ(カード状媒体処理装置)
2 カード(カード状媒体)
5 カード挿入口
6 カード通過路
11 フロント検出機構(第1検出手段、検出手段)
12 リア検出機構(第2検出手段、検出手段)
13 制御部(制御手段)
22 フロントセンサ(センサ)
23 センサ板(接触部材)
28 上位制御部(上位制御手段)
X1 カード状媒体の挿入方向
S1 第1判断ステップ
S6 第2判断ステップ
S7 第3判断ステップ
S9 処理ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状媒体が挿入されたことを検出するための複数の検出手段と、複数の前記検出手段からの出力信号が入力される制御手段とを備えるとともに、
複数の前記検出手段として、第1検出手段と、前記第1検出手段よりも前記カード状媒体の挿入方向における奥側に配置される第2検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されるときに、前記第1検出手段に異常が生じていると判断することを特徴とするカード状媒体処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出される現象がn回(nは、2以上の整数)発生したときに、前記第1検出手段に異常が生じていると判断することを特徴とする請求項1記載のカード状媒体処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出される現象がn回連続で発生したときに、前記第1検出手段に異常が生じていると判断することを特徴とする請求項2記載のカード状媒体処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1検出手段に異常が生じていると判断したときに、前記カード状媒体処理装置が搭載される上位装置を制御する上位制御手段に異常発生信号を発信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカード状媒体処理装置。
【請求項5】
前記カード状媒体が挿入されるカード挿入口と、前記カード挿入口に繋がるように形成され前記カード状媒体が通過するカード通過路とを備え、
前記第1検出手段は、前記カード挿入口から前記カード状媒体が挿入されたことを検出し、
前記第2検出手段は、前記カード状媒体の前記挿入方向側の端部が前記挿入方向における前記カード通過路の奥端側へ到達して前記カード状媒体が所定の位置に停止したことを検出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカード状媒体処理装置。
【請求項6】
前記カード状媒体を前記カード状媒体処理装置のユーザが手動で操作する手動式のカード状媒体処理装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカード状媒体処理装置。
【請求項7】
前記第1検出手段は、前記カード状媒体が接触する接触部材と、前記接触部材の変位を検出するセンサとを備える機械式の検出手段であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカード状媒体処理装置。
【請求項8】
カード状媒体が挿入されたことを検出する第1検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第1判断ステップと、前記第1検出手段よりも前記カード状媒体の挿入方向における奥側に配置され前記カード状媒体が挿入されたことを検出する第2検出手段で前記カード状媒体の挿入が検出されたか否かを判断する第2判断ステップと、前記第1判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出されるときに、前記第1検出手段に異常が生じているとして所定の処理を行う処理ステップとを備えることを特徴とするカード状媒体処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記第1判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出される現象がn回(nは、2以上の整数)連続で発生しているか否かを判断する第3判断ステップを備え、
前記第3判断ステップにおいて、前記第1判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出されずに前記第2判断ステップで前記カード状媒体の挿入が検出される現象がn回連続で発生したと判断されたときに、前記処理ステップで所定の処理を行うことを特徴とする請求項8記載のカード状媒体処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−113209(P2011−113209A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267789(P2009−267789)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】