カード読取装置及び電子機器
【課題】消費電力を少なくすることができるようにする。
【解決手段】カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。この場合、操作者がカード置き台にカードを載置すると、電源装置がデータ読取部に電力を供給するので、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、消費電力を少なくすることができる。
【解決手段】カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。この場合、操作者がカード置き台にカードを載置すると、電源装置がデータ読取部に電力を供給するので、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、消費電力を少なくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード読取装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ストライプに各種のデータが記録された磁気カード、ICチップに各種のデータが記録されたICカード等のカードが提供され、該カードに記録されたデータは、カード読取装置によって読み取られるようになっている。
【0003】
ところで、非接触式のカードにおいては、データ読取部にカードを接触させることなく、データが読み取られる。そのために、前記カード読取装置は、カード検出回路を備え、該カード検出回路においてカードが検出されると、データ読取部によるデータの読取りを行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−223619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のカード読取装置においては、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要があるので、消費電力を少なくすることができない。
【0005】
本発明は、前記従来のカード読取装置の問題点を解決して、消費電力を少なくすることができるカード読取装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明のカード読取装置においては、カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カード読取装置においては、カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。
【0008】
この場合、操作者がカード置き台にカードを載置すると、電源装置がデータ読取部に電力を供給するので、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、消費電力を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の断面図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の外観図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるギヤユニットの概念図である。
【0011】
図において、11は電子機器としてのカード読取装置であり、該カード読取装置11は、上端に開口を備えた箱状体から成るベース13、及び上端に開口を備えた逆箱状体から成り、前記ベース13を覆うカバー12を備える。該カバー12は、図示されないカードを載置するためのカード置き台として機能するとともに、ベース13の上端の所定の箇所に形成された揺動中心としてのカバー支点20を中心にして揺動自在に支持される。
【0012】
前記ベース13の開口の上縁eg1は、カバー支点20が形成された箇所が最も高くされ、カバー支点20から離れるほど低くなるように傾斜させられる。そして、前記カバー支点20の近傍において、カバー12とベース13との間に付勢部材としての板ばね21が配設され、該板ばね21は所定の付勢力でカバー12を持ち上げ、カバー12の上面、すなわち、カードの載置面Saをほぼ水平に維持する。したがって、前記上縁eg1とカバー12の下面、すなわち、底面Sbとの間に、カバー12が、所定の角度だけ揺動することができるように揺動代が形成される。
【0013】
また、前記ベース13内に電力発生装置u1が配設される。該電力発生装置u1は、弧状の形状を有し、カバー12の底面Sbに取り付けられ、底面Sbから垂下させられたギヤ14、円形の形状を有し、ベース13内において回転自在に配設されたギヤ15〜18、発電機19等を有する。
【0014】
前記ギヤ14は、プレートから成り、内周面に図示されない歯が形成される。該歯は、カバー支点20を中心とする円の一部を構成する弧を描くように形成される。また、前記ギヤ16、17は同一軸上において相対的に回転自在に配設されてギヤユニットを構成し、ギヤ18は発電機19の軸に取り付けられる。前記ギヤ15〜18は、各外周面に図示されない歯が形成され、ギヤ15、17はほぼ同じ径を有し、ギヤ16、18は、ギヤ15、17の径より大きく、ほぼ同じ径を有する。そして、ギヤ14とギヤ15とが噛合させられ、ギヤ15とギヤ16とが噛合させられ、ギヤ17とギヤ18とが噛合させられる。
【0015】
ところで、前記ギヤ16、17から成るギヤユニットは、ワンウェイクラッチの構造を有し、図1に示されるように、ギヤ16を反時計回り(第1の回転方向)に回転させると、ギア16がロックされ、ギヤ17に回転が伝達されるが、ギヤ16を停止させた状態でギヤ17を反時計回りに回転させると、フリーになり、ギヤ16に回転は伝達されない。また、ギヤ16を時計回り(第2の回転方向)に回転させたときも、ギヤユニットはフリーになり、ギヤ17に回転は伝達されない。
【0016】
そのために、前記ギヤ17は、第1の回転体24、該第1の回転体24内において相対的に回転自在に配設された第2の回転体25、及び第1、第2の回転体24、25間に配設された複数の係止具26を備え、前記第2の回転体25は、ギヤ16と一体的に形成され、同一軸上に配設される。前記第1の回転体24の内周面には、円周方向に複数の三角形の形状を有する係止溝kが形成され、該各係止溝kは、第2の回転体25の外周面に対して直角に延びる第1の面m1、及び第2の回転体25の外周面に対して接線方向に延びる第2の面m2を有する。また、前記係止具26は、第2の回転体25の円周方向において等ピッチで、かつ、第2の回転体25に対して揺動自在に配設され、先端に、前記係止溝kと対応する三角形の形状を有する係止部26aを備える。
【0017】
そして、前記第2の回転体25を図3における反時計回りに回転させると、前記各係止具26が立ち上げられ、係止部26aと係止溝kとが係止させられ、ギヤユニットがロックされ、第1の回転体24が図3における反時計回りに回転させられる。これに対して、第2の回転体25を停止させた状態で第1の回転体24を図3における反時計回りに回転させると、前記各係止具26が接線方向に向けられ、係止部26aと係止溝kとの係止が解除され、ギヤユニットはフリーになり、第2の回転体25は回転しない。また、該第2の回転体25が図3における時計回りに回転すると、前記各係止具26が接線方向に向けられ、係止部26aと係止溝kとの係止が解除され、ギヤユニットはフリーになり、第1の回転体24に回転は伝達されない。
【0018】
操作者によって前記カバー12が下方に押下され、回動させられると、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印a方向に回動させられ、ギヤ15を矢印b方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印c方向に回転させられ、ギヤユニットがロックされ、ギヤ17が矢印d方向に回転させられる。その結果、ギヤ18が矢印e方向に回転させられ、発電機19において発電が行われる。
【0019】
前記カバー12の押下をやめると、板ばね21の付勢力によってカバー12が持ち上げられ、逆方向に回動させられ、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印f方向に回動させられ、ギヤ15が矢印g方向に回転させられる。それに伴って、ギヤ16が矢印h方向に回転させられるが、ギヤユニットがフリーになるので、ギヤ17に回転は伝達されない。
【0020】
次に、前記構成のカード読取装置11の動作について説明する。
【0021】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第2の図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第3の図である。
【0022】
まず、図4に示された状態のカード読取装置11において、カバー12に図示されないカードが載置されると、カバー12が押下され、回動させられて図5に示される状態になる。このとき、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印a方向に回動させられ、ギヤ15を矢印b方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印c方向に回転させられ、ギヤユニットがロックされ、ギヤ17が矢印d方向に回転させられる。その結果、ギヤ18が矢印e方向に回転させられ、発電機19において発電が行われる。
【0023】
なお、カバー12を押下したまま、所定の位置に置くと、ギヤ17は慣性によって回転を続けようとするが、ギヤ15の停止に伴ってギヤ16及び第2の回転体25が停止させられる。このとき、ギヤユニットはフリーになるので、第1の回転体24はしばらくの間、回転を続け、ギヤ18も回転を続ける。したがって、カバー12を押下したままの状態で、しばらくの間、発電が行われる。
【0024】
また、カバー12の押下をやめると、板ばね21の付勢力によってカバー12が持ち上げられ、逆方向に回動させられ、カバー12は図6に示される状態になる。これに伴って、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印f方向に回転させられ、ギヤ15を矢印g方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印h方向に回転させられるが、ギヤユニットがフリーになり、ギヤ17に回転は伝達されない。そして、第1の回転体24が回転を続けている間、ギヤ18も回転を続ける。したがって、カバー12の押下をやめても、しばらくの間、発電を行うことができる。
【0025】
次に、前記カード読取装置11、及びカード読取装置11に接続されたプリンタから成る複合機について説明する。
【0026】
図7は本発明の第1の実施の形態における複合機を説明するブロック図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【0027】
図7に示されるように、カード読取装置11は、電源装置としての電力発生部31、データ処理部としてのデータ読取部32及び通信部33を有し、前記電力発生部31は、操作者が前記カバー12にカードcd(本実施の形態においては、非接触ICカード)を載置するのに伴って、前記データ読取部32に電力を供給する。そのために、前記電力発生部31は、カードcdが載置されるのに伴って、カバー12が押下されると、発電機19において発生させられた電力を、データ読取部32及び通信部33に供給する。
【0028】
また、前記データ読取部32は、カードcdの図示されないICチップに記録されたデータ(カードデータ)を読み取り、該データ、すなわち、読取データを通信部33に送る。なお、必要に応じて、前記データ読取部32をデータ読取・書込部として機能させ、データの読取りのほかに書込みを行うことができる。また、34は、電力発生部31から発生させられた電力をデータ読取部32及び通信部33に送るための配線(電力線)、35は読取データを通信部33に送るための配線である。
【0029】
そして、41は、配線(通信線)48を介してカード読取装置11と接続され、カード読取装置11から受信した読取データに基づいて印刷を行う外部装置としてのプリンタであり、該プリンタ41は、ネットワーク47を介して印刷用のデータ、すなわち、印刷データを受信するとともに、カード読取装置11から受信した読取データ(読取情報)に適合する印刷データがある場合に印刷を行う。
【0030】
また、プリンタ41は、プリンタ41の全体の制御を行う制御部としての主制御回路45、ネットワーク47を介して印刷指示及び印刷データを受信するネットワーク回路42、配線48を介してカード読取装置11から読取データを受信し、主制御回路45に送る通信制御回路43、プリンタ41の電源である電源部44、及び印刷部46を有する。前記主制御回路45は、ネットワーク回路42を介して受信した印刷データ、及び通信制御回路43から受信した読取データに基づいて画像を形成し、印刷部46に印刷の指示を送り、印刷部46は、主制御回路45の指示に従って印刷を行う。
【0031】
また、図8において、11はカード読取装置、31は電力発生部、32はデータ読取部、33は通信部である。前記データ読取部32及び通信部33は、電力発生部31によって発生させられた電力を受けて動作する。
【0032】
前記電力発生部31は、発電機19、該発電機19において発生させられた電力を整流し、直流電圧を発生させる整流回路55、並びに図示されないキャパシタ及び逆流防止ダイオードから成り、直流電圧を一定の電圧にする平滑回路56を備える。
【0033】
また、前記データ読取部32は、無線通信を行うためのアンテナ51、送受信回路(無線用回路)52、及び制御回路53を備え、前記送受信回路52は、前記アンテナ51を使用し、制御回路53の指示に従ってカードcdとの間で送受信を行う。
【0034】
前記制御回路53は、データ読取部32の全体の制御を行うとともに、送受信回路52にデータを送信したり、送受信回路52から読取データを受信したりする。
【0035】
次に、前記構成の複合機の動作について説明する。
【0036】
前記発電機19において電力が発生させられると、整流回路55は交流電圧を整流し、直流電圧を発生させる。該直流電圧は、発電機19の回転速度に依存しており、一定の値を採らない。そこで、平滑回路56は、整流回路55によって発生させられた直流電圧を一定の電圧にし、データ読取部32に電力を供給する。
【0037】
そして、データ読取部32に電力が供給されると、制御回路53は、送受信回路52に対してカードcdに記録されたデータを読み取るように指示を送る。前記送受信回路52は、制御回路53から指示を受けると、アンテナ51を介してカードのデータを受信し、読取データを制御回路53に送信する。該制御回路53は、通信部33を介して読取データをプリンタ41に送信する。
【0038】
該プリンタ41において、通信制御回路43は、カード読取装置11から読取データを受信すると、読取データを主制御回路45に送る。また、ネットワーク回路42は、ネットワーク47を介して印刷指示を受信すると、該印刷指示を主制御回路45に送信する。
【0039】
該主制御回路45は、前記読取データ及び印刷指示を受信すると、受信した印刷指示に読取データの符号と一致する符号があるかどうかを判断し、一致する符号がある場合、印刷部46に印刷の指示を送る。
【0040】
このように、本実施の形態においては、操作者がカバー12にカードcdを載置する際に、カバー12が押下されると、電力発生部31において発電機19による発電が行われ、発生させられた電力がデータ読取部32に供給されるので、カードcdを検出するために図示されない電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、カードcdに記録されたデータを読み取るために必要になる消費電力を少なくすることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0042】
図9は本発明の第2の実施の形態における複合機を説明するブロック図、図10は本発明の第2の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における電源切替部を説明するブロック図である。
【0043】
この場合、カード読取装置71は、カードcdを載置するために、図示されないカード置き台を備える。該カード置き台は、第1の実施の形態におけるカバー12(図1参照。)とは異なり、カード読取装置71の筐体等によって形成され、カード読取装置71の本体に対して固定される。
【0044】
そして、前記カード読取装置71は、データ読取部32、通信部33、電力供給部72、カードcdがカバー12に載置されたことを検出するためのカード検出要素としてのスイッチ75、外部装置としてのプリンタ41との間を接続する配線(電源線)81の状態、スイッチ75及び制御回路53の状態によって、電力供給部72から供給された電力と、プリンタ41から供給された電力とを切り換える電源切替部73、並びにデータ読取部32によって読み取られた読取データを記録する記憶装置としての不揮発性メモリ77を備える。前記電力供給部72によって第1の電源装置が、電源切替部73によって第2の電源装置が構成される。電力供給部72及び電源切替部73は、操作者が前記カード置き台にカードcdを載置するのに伴って、前記データ読取部32に電力を供給する。
【0045】
なお、前記スイッチ75は、機械的に作動させられ、カード置き台にカードcdが載置されるとオンにされ、カードcdを検出したことを表す信号を電源切替部73に送信する。また、前記スイッチ75は、カバー12からカードcdが除去されるとオフにされる。
【0046】
前記データ読取部32は、カードcdからデータを読取データとして読み取ると、該読取データを、配線(信号線)83を介して不揮発性メモリ77に記録し、記録が終了すると、読取データの読取り及び読取データの記録が終了した旨を、配線(信号線)85を介して通信部33及び電源切替部73に通知する。前記通信部33は、読取データの読取り及び読取データの記録が終了した旨の通知を受けると、配線(電源制御線)82を介してプリンタ41に電源をオンに(投入)するための指示、すなわち、電源投入指示を送る。
【0047】
前記プリンタ41において、前記電源部44は、電源投入指示を受けると、プリンタ41の電源をオンにし、配線(電源線)81を介して、カード読取装置71に電力を供給する。
【0048】
なお、84は、通信部33が不揮発性メモリ77に記録された読取データを読み出すための配線(信号線)である。プリンタ41の電源がオンにされた後、通信制御回路43は、カード読取装置71において、通信部33によって読み出された読取データを配線48を介して受信する。また、86は、電源切替部73から通信部33、データ読取部32及び不揮発性メモリ77に電力を供給するための配線(電源線)である。
【0049】
前記カード読取装置71において、制御回路53は、配線83、85の制御を行う。また、電力供給部72は、充放電制御回路91及び電池としての、かつ、充放電要素としての二次電池92から成り、前記充放電制御回路91は、電源切替部73から電力を供給されて二次電池92を充電したり、二次電池92を放電させて電源切替部73に電力を供給したりして、二次電池92の充放電を制御する。すなわち、前記充放電制御回路91は、二次電池92の充放電の際の電圧及び電流を監視し、制御を行ったり、充電と放電との切替えを行ったり、過充電及び過放電を防止したりする。
【0050】
また、電源切替部73において、95は、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力を、配線86に出力するかどうかを選択するためのリレー、96はリレー制御回路であり、該リレー制御回路96は、タイマ回路97からの制御信号及びプリンタ41からの電力の供給状態によって、リレー95をオン・オフさせる。
【0051】
すなわち、前記リレー制御回路96は、プリンタ41からの電力が供給されている場合、リレー95をオンにし、短絡させ、プリンタ41からの電力が供給されていない場合、タイマ回路97からの指示に従って、リレー95をオンにし、短絡させたり、オフにし、開放したりする。
【0052】
前記タイマ回路97は、スイッチ75がオンになると、リレー制御回路96をオンにするとともに、タイマ回路97に内蔵された図示されないタイマによる計時を開始し、所定の時間が経過して計時が終了(タイムアウト)すると、リレー制御回路96をオフにする。また、制御回路53からの通知に従って、カード読取終了検出回路98が、カード読取装置71によるカードcdの読取りが終了したことを検出し、検出信号をタイマ回路97に送信した場合も、タイマ回路97はリレー制御回路96をオフにする。
【0053】
そして、リレー95がオンになると、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力が配線86に出力され、通信部33、不揮発性メモリ77及びデータ読取部32に供給され、リレー95がオフになると、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力の配線86への出力が停止させられる。
【0054】
次に、前記構成の複合機の動作について説明する。
【0055】
図12は本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示すタイムチャートである。
【0056】
まず、タイミングT0において、プリンタ41の電源はオフに(遮断)されていて、このとき、電力供給部72において、充放電制御回路91は、二次電池92を放電させることによって、二次電池92の電力を電源切替部73に供給し、該電源切替部73は、電力供給部72から電力を供給されるが、リレー95はオフにされているので、電力の出力はしない。また、電源切替部73にはダイオード99が配設されているので、電力供給部72から供給された電力が配線81を介してプリンタ41に供給されることはない。
【0057】
次に、タイミングT1において、カード置き台にカードcdが載置され、スイッチ75がオンにされると、電源切替部73がオンになり、該電源切替部73において、タイマ回路97が、前記タイマによる計時を開始するとともに、リレー制御回路96をオンにする。そして、該リレー制御回路96は、リレー95をオンにし、電力供給部72から供給された電力を、配線86に出力し、データ読取部32に供給する。その後、カード置き台からカードcdが除去されると、スイッチ75はオフになるが、タイマによる計時は継続される。
【0058】
前記データ読取部32において、電源切替部73から電力が供給されると、制御回路53は、送受信回路52に対してデータを読み取るように指示を出し、送受信回路52は、アンテナ51を介してカードcdのデータを読み取り、制御回路53に送る。該制御回路53は、読取データを不揮発性メモリ77に記録する。
【0059】
次に、タイミングT2において、制御回路53は、配線85を介して通信部33及び電源切替部73に、カードcdの読取り及び不揮発性メモリ77への書込みが終了した旨を通知する。通信部33は、カードcdの読取り及び不揮発性メモリ77への書込みが終了した旨の通知を受けると、プリンタ41に配線82を介して電源を投入するための指示を送信し、電源切替部73において、カード読取終了検出回路98は、タイマ回路97にタイマクリア信号を送信する。タイマ回路97は、タイマクリア信号を受信すると、通信部33が電源を投入するための指示を送るのに必要な時間が経過した後、タイマによる計時を停止させ、計時された時間をクリアし、リレー制御回路96をオフにする。その結果、リレー95はオフになり、送受信回路52、制御回路53及び不揮発性メモリ77への電力の供給が停止させられる。
【0060】
次に、タイミングT3において、プリンタ41からの電力の供給が開始されると、リレー制御回路96は、リレー95をオンにし、プリンタ41から供給された電力を送受信回路52、制御回路53及び不揮発性メモリ77に供給する。前記プリンタ41の電力は、電力供給部72に供給され、該電力供給部72において、充放電制御回路91は二次電池92への充電を行う。
【0061】
前記プリンタ41は、配線48を介して不揮発性メモリ77内の読取データを受信し、該読取データに基づいて印刷を行う。
【0062】
このように、操作者がカバー12にカードcdを載置するのに伴って、電力供給部72から電力がデータ読取部32に供給されるので、カードcdを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、カードcdに記録されたデータを読み取るために必要になる消費電力を少なくすることができる。また、カードcdからのデータの読取り、及び不揮発性メモリ77へ読取データの書込みが終了すると、カード読取装置71への電力の供給が停止されるようになっているので、消費電力を一層少なくすることができる。また、その間、プリンタ41の電源をオフにしておくことができるので、消費される電力を更に少なくすることができる。
【0063】
本実施の形態においては、プリンタ41の電源部44からカード読取装置71に電力が供給されるようになっているが、USBの電源部からカード読取装置71に電力を供給することもできる。
【0064】
また、前記各実施の形態においては、カード読取装置11、71とプリンタ41とを接続した複合機について説明しているが、カードの読取りが必要なパーソナルコンピュータとカード読取装置11、71とを接続することができる。
【0065】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるギヤユニットの概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第1の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第2の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第3の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における複合機を説明するブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における複合機を説明するブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における電源切替部を説明するブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0067】
11、71 カード読取装置
12 カバー
31 電力発生部
32 データ読取装置
72 電力供給部
73 電源切替部
cd カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード読取装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ストライプに各種のデータが記録された磁気カード、ICチップに各種のデータが記録されたICカード等のカードが提供され、該カードに記録されたデータは、カード読取装置によって読み取られるようになっている。
【0003】
ところで、非接触式のカードにおいては、データ読取部にカードを接触させることなく、データが読み取られる。そのために、前記カード読取装置は、カード検出回路を備え、該カード検出回路においてカードが検出されると、データ読取部によるデータの読取りを行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−223619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のカード読取装置においては、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要があるので、消費電力を少なくすることができない。
【0005】
本発明は、前記従来のカード読取装置の問題点を解決して、消費電力を少なくすることができるカード読取装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明のカード読取装置においては、カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カード読取装置においては、カード置き台と、該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有する。
【0008】
この場合、操作者がカード置き台にカードを載置すると、電源装置がデータ読取部に電力を供給するので、カードを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、消費電力を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の断面図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の外観図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるギヤユニットの概念図である。
【0011】
図において、11は電子機器としてのカード読取装置であり、該カード読取装置11は、上端に開口を備えた箱状体から成るベース13、及び上端に開口を備えた逆箱状体から成り、前記ベース13を覆うカバー12を備える。該カバー12は、図示されないカードを載置するためのカード置き台として機能するとともに、ベース13の上端の所定の箇所に形成された揺動中心としてのカバー支点20を中心にして揺動自在に支持される。
【0012】
前記ベース13の開口の上縁eg1は、カバー支点20が形成された箇所が最も高くされ、カバー支点20から離れるほど低くなるように傾斜させられる。そして、前記カバー支点20の近傍において、カバー12とベース13との間に付勢部材としての板ばね21が配設され、該板ばね21は所定の付勢力でカバー12を持ち上げ、カバー12の上面、すなわち、カードの載置面Saをほぼ水平に維持する。したがって、前記上縁eg1とカバー12の下面、すなわち、底面Sbとの間に、カバー12が、所定の角度だけ揺動することができるように揺動代が形成される。
【0013】
また、前記ベース13内に電力発生装置u1が配設される。該電力発生装置u1は、弧状の形状を有し、カバー12の底面Sbに取り付けられ、底面Sbから垂下させられたギヤ14、円形の形状を有し、ベース13内において回転自在に配設されたギヤ15〜18、発電機19等を有する。
【0014】
前記ギヤ14は、プレートから成り、内周面に図示されない歯が形成される。該歯は、カバー支点20を中心とする円の一部を構成する弧を描くように形成される。また、前記ギヤ16、17は同一軸上において相対的に回転自在に配設されてギヤユニットを構成し、ギヤ18は発電機19の軸に取り付けられる。前記ギヤ15〜18は、各外周面に図示されない歯が形成され、ギヤ15、17はほぼ同じ径を有し、ギヤ16、18は、ギヤ15、17の径より大きく、ほぼ同じ径を有する。そして、ギヤ14とギヤ15とが噛合させられ、ギヤ15とギヤ16とが噛合させられ、ギヤ17とギヤ18とが噛合させられる。
【0015】
ところで、前記ギヤ16、17から成るギヤユニットは、ワンウェイクラッチの構造を有し、図1に示されるように、ギヤ16を反時計回り(第1の回転方向)に回転させると、ギア16がロックされ、ギヤ17に回転が伝達されるが、ギヤ16を停止させた状態でギヤ17を反時計回りに回転させると、フリーになり、ギヤ16に回転は伝達されない。また、ギヤ16を時計回り(第2の回転方向)に回転させたときも、ギヤユニットはフリーになり、ギヤ17に回転は伝達されない。
【0016】
そのために、前記ギヤ17は、第1の回転体24、該第1の回転体24内において相対的に回転自在に配設された第2の回転体25、及び第1、第2の回転体24、25間に配設された複数の係止具26を備え、前記第2の回転体25は、ギヤ16と一体的に形成され、同一軸上に配設される。前記第1の回転体24の内周面には、円周方向に複数の三角形の形状を有する係止溝kが形成され、該各係止溝kは、第2の回転体25の外周面に対して直角に延びる第1の面m1、及び第2の回転体25の外周面に対して接線方向に延びる第2の面m2を有する。また、前記係止具26は、第2の回転体25の円周方向において等ピッチで、かつ、第2の回転体25に対して揺動自在に配設され、先端に、前記係止溝kと対応する三角形の形状を有する係止部26aを備える。
【0017】
そして、前記第2の回転体25を図3における反時計回りに回転させると、前記各係止具26が立ち上げられ、係止部26aと係止溝kとが係止させられ、ギヤユニットがロックされ、第1の回転体24が図3における反時計回りに回転させられる。これに対して、第2の回転体25を停止させた状態で第1の回転体24を図3における反時計回りに回転させると、前記各係止具26が接線方向に向けられ、係止部26aと係止溝kとの係止が解除され、ギヤユニットはフリーになり、第2の回転体25は回転しない。また、該第2の回転体25が図3における時計回りに回転すると、前記各係止具26が接線方向に向けられ、係止部26aと係止溝kとの係止が解除され、ギヤユニットはフリーになり、第1の回転体24に回転は伝達されない。
【0018】
操作者によって前記カバー12が下方に押下され、回動させられると、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印a方向に回動させられ、ギヤ15を矢印b方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印c方向に回転させられ、ギヤユニットがロックされ、ギヤ17が矢印d方向に回転させられる。その結果、ギヤ18が矢印e方向に回転させられ、発電機19において発電が行われる。
【0019】
前記カバー12の押下をやめると、板ばね21の付勢力によってカバー12が持ち上げられ、逆方向に回動させられ、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印f方向に回動させられ、ギヤ15が矢印g方向に回転させられる。それに伴って、ギヤ16が矢印h方向に回転させられるが、ギヤユニットがフリーになるので、ギヤ17に回転は伝達されない。
【0020】
次に、前記構成のカード読取装置11の動作について説明する。
【0021】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第2の図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第3の図である。
【0022】
まず、図4に示された状態のカード読取装置11において、カバー12に図示されないカードが載置されると、カバー12が押下され、回動させられて図5に示される状態になる。このとき、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印a方向に回動させられ、ギヤ15を矢印b方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印c方向に回転させられ、ギヤユニットがロックされ、ギヤ17が矢印d方向に回転させられる。その結果、ギヤ18が矢印e方向に回転させられ、発電機19において発電が行われる。
【0023】
なお、カバー12を押下したまま、所定の位置に置くと、ギヤ17は慣性によって回転を続けようとするが、ギヤ15の停止に伴ってギヤ16及び第2の回転体25が停止させられる。このとき、ギヤユニットはフリーになるので、第1の回転体24はしばらくの間、回転を続け、ギヤ18も回転を続ける。したがって、カバー12を押下したままの状態で、しばらくの間、発電が行われる。
【0024】
また、カバー12の押下をやめると、板ばね21の付勢力によってカバー12が持ち上げられ、逆方向に回動させられ、カバー12は図6に示される状態になる。これに伴って、ギヤ14がカバー支点20を中心に矢印f方向に回転させられ、ギヤ15を矢印g方向に回転させる。それに伴って、ギヤ16が矢印h方向に回転させられるが、ギヤユニットがフリーになり、ギヤ17に回転は伝達されない。そして、第1の回転体24が回転を続けている間、ギヤ18も回転を続ける。したがって、カバー12の押下をやめても、しばらくの間、発電を行うことができる。
【0025】
次に、前記カード読取装置11、及びカード読取装置11に接続されたプリンタから成る複合機について説明する。
【0026】
図7は本発明の第1の実施の形態における複合機を説明するブロック図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【0027】
図7に示されるように、カード読取装置11は、電源装置としての電力発生部31、データ処理部としてのデータ読取部32及び通信部33を有し、前記電力発生部31は、操作者が前記カバー12にカードcd(本実施の形態においては、非接触ICカード)を載置するのに伴って、前記データ読取部32に電力を供給する。そのために、前記電力発生部31は、カードcdが載置されるのに伴って、カバー12が押下されると、発電機19において発生させられた電力を、データ読取部32及び通信部33に供給する。
【0028】
また、前記データ読取部32は、カードcdの図示されないICチップに記録されたデータ(カードデータ)を読み取り、該データ、すなわち、読取データを通信部33に送る。なお、必要に応じて、前記データ読取部32をデータ読取・書込部として機能させ、データの読取りのほかに書込みを行うことができる。また、34は、電力発生部31から発生させられた電力をデータ読取部32及び通信部33に送るための配線(電力線)、35は読取データを通信部33に送るための配線である。
【0029】
そして、41は、配線(通信線)48を介してカード読取装置11と接続され、カード読取装置11から受信した読取データに基づいて印刷を行う外部装置としてのプリンタであり、該プリンタ41は、ネットワーク47を介して印刷用のデータ、すなわち、印刷データを受信するとともに、カード読取装置11から受信した読取データ(読取情報)に適合する印刷データがある場合に印刷を行う。
【0030】
また、プリンタ41は、プリンタ41の全体の制御を行う制御部としての主制御回路45、ネットワーク47を介して印刷指示及び印刷データを受信するネットワーク回路42、配線48を介してカード読取装置11から読取データを受信し、主制御回路45に送る通信制御回路43、プリンタ41の電源である電源部44、及び印刷部46を有する。前記主制御回路45は、ネットワーク回路42を介して受信した印刷データ、及び通信制御回路43から受信した読取データに基づいて画像を形成し、印刷部46に印刷の指示を送り、印刷部46は、主制御回路45の指示に従って印刷を行う。
【0031】
また、図8において、11はカード読取装置、31は電力発生部、32はデータ読取部、33は通信部である。前記データ読取部32及び通信部33は、電力発生部31によって発生させられた電力を受けて動作する。
【0032】
前記電力発生部31は、発電機19、該発電機19において発生させられた電力を整流し、直流電圧を発生させる整流回路55、並びに図示されないキャパシタ及び逆流防止ダイオードから成り、直流電圧を一定の電圧にする平滑回路56を備える。
【0033】
また、前記データ読取部32は、無線通信を行うためのアンテナ51、送受信回路(無線用回路)52、及び制御回路53を備え、前記送受信回路52は、前記アンテナ51を使用し、制御回路53の指示に従ってカードcdとの間で送受信を行う。
【0034】
前記制御回路53は、データ読取部32の全体の制御を行うとともに、送受信回路52にデータを送信したり、送受信回路52から読取データを受信したりする。
【0035】
次に、前記構成の複合機の動作について説明する。
【0036】
前記発電機19において電力が発生させられると、整流回路55は交流電圧を整流し、直流電圧を発生させる。該直流電圧は、発電機19の回転速度に依存しており、一定の値を採らない。そこで、平滑回路56は、整流回路55によって発生させられた直流電圧を一定の電圧にし、データ読取部32に電力を供給する。
【0037】
そして、データ読取部32に電力が供給されると、制御回路53は、送受信回路52に対してカードcdに記録されたデータを読み取るように指示を送る。前記送受信回路52は、制御回路53から指示を受けると、アンテナ51を介してカードのデータを受信し、読取データを制御回路53に送信する。該制御回路53は、通信部33を介して読取データをプリンタ41に送信する。
【0038】
該プリンタ41において、通信制御回路43は、カード読取装置11から読取データを受信すると、読取データを主制御回路45に送る。また、ネットワーク回路42は、ネットワーク47を介して印刷指示を受信すると、該印刷指示を主制御回路45に送信する。
【0039】
該主制御回路45は、前記読取データ及び印刷指示を受信すると、受信した印刷指示に読取データの符号と一致する符号があるかどうかを判断し、一致する符号がある場合、印刷部46に印刷の指示を送る。
【0040】
このように、本実施の形態においては、操作者がカバー12にカードcdを載置する際に、カバー12が押下されると、電力発生部31において発電機19による発電が行われ、発生させられた電力がデータ読取部32に供給されるので、カードcdを検出するために図示されない電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、カードcdに記録されたデータを読み取るために必要になる消費電力を少なくすることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0042】
図9は本発明の第2の実施の形態における複合機を説明するブロック図、図10は本発明の第2の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における電源切替部を説明するブロック図である。
【0043】
この場合、カード読取装置71は、カードcdを載置するために、図示されないカード置き台を備える。該カード置き台は、第1の実施の形態におけるカバー12(図1参照。)とは異なり、カード読取装置71の筐体等によって形成され、カード読取装置71の本体に対して固定される。
【0044】
そして、前記カード読取装置71は、データ読取部32、通信部33、電力供給部72、カードcdがカバー12に載置されたことを検出するためのカード検出要素としてのスイッチ75、外部装置としてのプリンタ41との間を接続する配線(電源線)81の状態、スイッチ75及び制御回路53の状態によって、電力供給部72から供給された電力と、プリンタ41から供給された電力とを切り換える電源切替部73、並びにデータ読取部32によって読み取られた読取データを記録する記憶装置としての不揮発性メモリ77を備える。前記電力供給部72によって第1の電源装置が、電源切替部73によって第2の電源装置が構成される。電力供給部72及び電源切替部73は、操作者が前記カード置き台にカードcdを載置するのに伴って、前記データ読取部32に電力を供給する。
【0045】
なお、前記スイッチ75は、機械的に作動させられ、カード置き台にカードcdが載置されるとオンにされ、カードcdを検出したことを表す信号を電源切替部73に送信する。また、前記スイッチ75は、カバー12からカードcdが除去されるとオフにされる。
【0046】
前記データ読取部32は、カードcdからデータを読取データとして読み取ると、該読取データを、配線(信号線)83を介して不揮発性メモリ77に記録し、記録が終了すると、読取データの読取り及び読取データの記録が終了した旨を、配線(信号線)85を介して通信部33及び電源切替部73に通知する。前記通信部33は、読取データの読取り及び読取データの記録が終了した旨の通知を受けると、配線(電源制御線)82を介してプリンタ41に電源をオンに(投入)するための指示、すなわち、電源投入指示を送る。
【0047】
前記プリンタ41において、前記電源部44は、電源投入指示を受けると、プリンタ41の電源をオンにし、配線(電源線)81を介して、カード読取装置71に電力を供給する。
【0048】
なお、84は、通信部33が不揮発性メモリ77に記録された読取データを読み出すための配線(信号線)である。プリンタ41の電源がオンにされた後、通信制御回路43は、カード読取装置71において、通信部33によって読み出された読取データを配線48を介して受信する。また、86は、電源切替部73から通信部33、データ読取部32及び不揮発性メモリ77に電力を供給するための配線(電源線)である。
【0049】
前記カード読取装置71において、制御回路53は、配線83、85の制御を行う。また、電力供給部72は、充放電制御回路91及び電池としての、かつ、充放電要素としての二次電池92から成り、前記充放電制御回路91は、電源切替部73から電力を供給されて二次電池92を充電したり、二次電池92を放電させて電源切替部73に電力を供給したりして、二次電池92の充放電を制御する。すなわち、前記充放電制御回路91は、二次電池92の充放電の際の電圧及び電流を監視し、制御を行ったり、充電と放電との切替えを行ったり、過充電及び過放電を防止したりする。
【0050】
また、電源切替部73において、95は、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力を、配線86に出力するかどうかを選択するためのリレー、96はリレー制御回路であり、該リレー制御回路96は、タイマ回路97からの制御信号及びプリンタ41からの電力の供給状態によって、リレー95をオン・オフさせる。
【0051】
すなわち、前記リレー制御回路96は、プリンタ41からの電力が供給されている場合、リレー95をオンにし、短絡させ、プリンタ41からの電力が供給されていない場合、タイマ回路97からの指示に従って、リレー95をオンにし、短絡させたり、オフにし、開放したりする。
【0052】
前記タイマ回路97は、スイッチ75がオンになると、リレー制御回路96をオンにするとともに、タイマ回路97に内蔵された図示されないタイマによる計時を開始し、所定の時間が経過して計時が終了(タイムアウト)すると、リレー制御回路96をオフにする。また、制御回路53からの通知に従って、カード読取終了検出回路98が、カード読取装置71によるカードcdの読取りが終了したことを検出し、検出信号をタイマ回路97に送信した場合も、タイマ回路97はリレー制御回路96をオフにする。
【0053】
そして、リレー95がオンになると、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力が配線86に出力され、通信部33、不揮発性メモリ77及びデータ読取部32に供給され、リレー95がオフになると、プリンタ41から供給された電力、又は電力供給部72から供給された電力の配線86への出力が停止させられる。
【0054】
次に、前記構成の複合機の動作について説明する。
【0055】
図12は本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示すタイムチャートである。
【0056】
まず、タイミングT0において、プリンタ41の電源はオフに(遮断)されていて、このとき、電力供給部72において、充放電制御回路91は、二次電池92を放電させることによって、二次電池92の電力を電源切替部73に供給し、該電源切替部73は、電力供給部72から電力を供給されるが、リレー95はオフにされているので、電力の出力はしない。また、電源切替部73にはダイオード99が配設されているので、電力供給部72から供給された電力が配線81を介してプリンタ41に供給されることはない。
【0057】
次に、タイミングT1において、カード置き台にカードcdが載置され、スイッチ75がオンにされると、電源切替部73がオンになり、該電源切替部73において、タイマ回路97が、前記タイマによる計時を開始するとともに、リレー制御回路96をオンにする。そして、該リレー制御回路96は、リレー95をオンにし、電力供給部72から供給された電力を、配線86に出力し、データ読取部32に供給する。その後、カード置き台からカードcdが除去されると、スイッチ75はオフになるが、タイマによる計時は継続される。
【0058】
前記データ読取部32において、電源切替部73から電力が供給されると、制御回路53は、送受信回路52に対してデータを読み取るように指示を出し、送受信回路52は、アンテナ51を介してカードcdのデータを読み取り、制御回路53に送る。該制御回路53は、読取データを不揮発性メモリ77に記録する。
【0059】
次に、タイミングT2において、制御回路53は、配線85を介して通信部33及び電源切替部73に、カードcdの読取り及び不揮発性メモリ77への書込みが終了した旨を通知する。通信部33は、カードcdの読取り及び不揮発性メモリ77への書込みが終了した旨の通知を受けると、プリンタ41に配線82を介して電源を投入するための指示を送信し、電源切替部73において、カード読取終了検出回路98は、タイマ回路97にタイマクリア信号を送信する。タイマ回路97は、タイマクリア信号を受信すると、通信部33が電源を投入するための指示を送るのに必要な時間が経過した後、タイマによる計時を停止させ、計時された時間をクリアし、リレー制御回路96をオフにする。その結果、リレー95はオフになり、送受信回路52、制御回路53及び不揮発性メモリ77への電力の供給が停止させられる。
【0060】
次に、タイミングT3において、プリンタ41からの電力の供給が開始されると、リレー制御回路96は、リレー95をオンにし、プリンタ41から供給された電力を送受信回路52、制御回路53及び不揮発性メモリ77に供給する。前記プリンタ41の電力は、電力供給部72に供給され、該電力供給部72において、充放電制御回路91は二次電池92への充電を行う。
【0061】
前記プリンタ41は、配線48を介して不揮発性メモリ77内の読取データを受信し、該読取データに基づいて印刷を行う。
【0062】
このように、操作者がカバー12にカードcdを載置するのに伴って、電力供給部72から電力がデータ読取部32に供給されるので、カードcdを検出するために電源を常時オンにしておく必要がない。したがって、カードcdに記録されたデータを読み取るために必要になる消費電力を少なくすることができる。また、カードcdからのデータの読取り、及び不揮発性メモリ77へ読取データの書込みが終了すると、カード読取装置71への電力の供給が停止されるようになっているので、消費電力を一層少なくすることができる。また、その間、プリンタ41の電源をオフにしておくことができるので、消費される電力を更に少なくすることができる。
【0063】
本実施の形態においては、プリンタ41の電源部44からカード読取装置71に電力が供給されるようになっているが、USBの電源部からカード読取装置71に電力を供給することもできる。
【0064】
また、前記各実施の形態においては、カード読取装置11、71とプリンタ41とを接続した複合機について説明しているが、カードの読取りが必要なパーソナルコンピュータとカード読取装置11、71とを接続することができる。
【0065】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるギヤユニットの概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第1の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第2の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置の動作を示す第3の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における複合機を説明するブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における複合機を説明するブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるカード読取装置を説明するブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における電源切替部を説明するブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における複合機の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0067】
11、71 カード読取装置
12 カバー
31 電力発生部
32 データ読取装置
72 電力供給部
73 電源切替部
cd カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)カード置き台と、
(b)該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、
(c)操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有することを特徴とするカード読取装置。
【請求項2】
(a)前記カード置き台は、装置本体に対して揺動自在に配設され、
(b)前記電源装置は、カード置き台の回動に伴って電力を発生させ、前記データ読取部に供給する請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項3】
前記電源装置は、充放電要素の放電に伴って前記データ読取部に電力を供給する請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項4】
(a)前記電源装置及び外部装置と接続され、前記電源装置から供給された電力、及び外部装置から供給された電力を切り替えるための電源切替部と、
(b)データ読取部によるデータの読取り、及び読取データの記録が終了した後に、前記電源切替部によって、前記電源装置から供給された電力を、外部装置から供給された電力に切り替える請求項3に記載のカード読取装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のカード読取装置が搭載された電子機器。
【請求項1】
(a)カード置き台と、
(b)該カード置き台に載置されたカードのデータを読み取るデータ読取部と、
(c)操作者が前記カード置き台にカードを載置するのに伴って、前記データ読取部に電力を供給する電源装置とを有することを特徴とするカード読取装置。
【請求項2】
(a)前記カード置き台は、装置本体に対して揺動自在に配設され、
(b)前記電源装置は、カード置き台の回動に伴って電力を発生させ、前記データ読取部に供給する請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項3】
前記電源装置は、充放電要素の放電に伴って前記データ読取部に電力を供給する請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項4】
(a)前記電源装置及び外部装置と接続され、前記電源装置から供給された電力、及び外部装置から供給された電力を切り替えるための電源切替部と、
(b)データ読取部によるデータの読取り、及び読取データの記録が終了した後に、前記電源切替部によって、前記電源装置から供給された電力を、外部装置から供給された電力に切り替える請求項3に記載のカード読取装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のカード読取装置が搭載された電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−301348(P2009−301348A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155629(P2008−155629)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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