説明

ガイドを有するインク送給系及び固体インクプリンタ

【課題】限りあるプリンタ内スペース中により多数の固体インクスティックを装填可能にする。
【解決手段】固体インクプリンタ202用の固体インクスティック206を液化部230に送り、液化部230にて液化されたインクを用いて媒体上に像を形成するプリンタ202に、液化部230にスティック206を送るインク供給系204のシュート208に湾曲を付ける。シュート208は、スティック206の入口を提供する装填部224から、液化部230に面して配置された送出部まで、所定経路210に沿って進むようスティック206を案内する。湾曲区間207を含むシュート208により、従って少なくとも部分的に湾曲している経路212に沿ってスティック206を進めるようにしているため、直線状のシュートを用いた場合より多数のスティック206をプリンタ202内に装填できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体インクスティック乃至ペレットを加熱して得られる液化インクを1個又は複数個のプリントヘッドに供給する高速プリンタ、特にその種のプリンタにて使用されるインク送給系のガイドの構成上及び機能上の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
固体インクプリンタとして知られるプリンタは、狭義のプリンタとしてだけでなく多機能機等としても実現することができ、しかもレーザ方式や液体インクジェット方式の高速乃至大出力文書複製装置に比べて数多くの利点がある画像形成装置である。そうした利点の中には、例えば、単位時間当たり文書複製枚数即ち文書作成スループットが高いこと、可視像転写プロセスの実行に必要な機械部品の点数が少ないこと、交換が必要な消耗品が少ないこと、シャープな像が得られること、包装ゴミが少なく環境に優しいこと等が含まれる。
【0003】
図1に、固体インクを使用する画像形成装置の一例として固体インクプリンタの一般的な構成100を模式的に示す。この図に示すプリンタ100には、室温下で固体状態を保つ固体インクスティックを受け入れそれを順繰りに先送りする固体インク送給系即ち装填装置たるインクローダ110が設けられているので、ユーザは、スティックを随時そのインクローダ110に入れるだけでインクを補充することができる。また、複数の色を使用する場合はインクローダ110も色別に設ける。即ち、白黒プリンタならブラックインクだけでよいが、カラープリンタなら例えばブラック、シアン、イエロー及びマゼンタ各色のインクが要るのが普通であるので、各色毎にインクローダ110を設け、各色用インクローダ110にその色のスティックを装填してその内部のスティック送給路沿いに送給するようにする。
【0004】
このプリンタ100には、固体インクスティックを液化させるインク液化器の一例として、スティックを加熱しその融点に比べて十分に高い温度まで昇温させるインクヒータ120が設けられている。このヒータ120内にはスティック先端と接触するよう設けられたメルトプレートがあるので、ヒータ稼働時には、そのメルトプレートの表面を昇温させることによって、スティックのうちメルトプレートとの接触部分を熔融、液化させることができる。液化させたインクはプリントヘッド130に供給する。供給先となるヘッド130の個数は1個でも複数個でもよく、また供給の手段としては重力を利用してもよいしポンピングを実施してもよいしその双方を併用してもよい。各ヘッド130は、供給される液化インクからインク滴を生成しそれを回転式プリントドラム140上に被着させることによって、個々の画素を現像する。この動作は、ドラム140上に所望画像が再現されるよう、プリンタコントローラ180が生成する制御信号190に応じて行う。そして、シートフィーダ160から供給される紙その他の媒体170を加圧ローラ150の働きでドラム140に押しつけることにより、ドラム140上のインク画像をその媒体170上に転写させる。なお、この画像転写プロセスを実行する際には、画像転写直後にインクが完全に固化するよう、インク温度を綿密に制御するのが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした固体インクプリンタによれば、他種画像複製装置を使用したのでは享受できない利点を享受することができる。しかしながら、従来の固体インク印刷技術には、高速大量印刷時に若干問題となりうる点が残されていた。それは、装填容量が大きなインクローダを設け、またその余地が発生したとき随時固体インクスティックを装填、補充できるようそのインクローダを構成しておかないと、大量印刷が行えないことである。
【0006】
そのため、固体インクプリンタ用のインクローダ(インクチャック、スティックリザーバ等とも呼ばれる)では、従来、複数個の固体インクスティックを数珠繋ぎに装填できるように直線状のチャネル乃至シュートを設け、それらのスティックのうち先頭に位置するものから順にその液化器により液化させる構成を採るのが普通であった。この構成では、シュート内のスティックのうち末尾に位置するものの後端をバネ付のプッシュブロック等によって先頭方向に付勢し、先頭に位置するスティックの先端を液化器に当接させる。こうした固体インクプリンタで高速印刷を行うには、できるだけ多数のスティックを装填しておけるようにすること、従ってスティックを蓄える場所となるシュートを長くすることが望ましいが、プリンタ内スペースには限りがあるのでまっすぐ延びた長いシュートを容れるのは難しい。その結果、プリンタ内に収容できるスティックの個数がそのプリンタの実体寸法により制限されてしまい、そのプリンタの対角線に沿ってシュートを配置したときに装填できるスティックの個数が上限となっていた。
【0007】
本発明は、従来技術又はそれに類する技術に係るインク及びインクローダにおける上述の問題点乃至制約点に鑑み、固体インクプリンタにてより好適に使用できる固体インク送給系を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに、本発明の一実施形態は、(1)固体インクスティックをその液化部にて液化し、それにより得られたインクを用いて媒体上に像を形成する固体インクプリンタにて、そのプリンタ用の固体インクスティックを液化部に送るのに使用されるインク送給系であって、(2)固体インクスティックの入口を提供する装填部から液化部に面して配置された送出部まで所定経路に沿って進むよう固体インクスティックを案内するガイドを備え、(3)上記所定経路が、湾曲している区間を含むものである。
【0009】
また、本発明の他の実施形態は、(1)固体インクスティックを液化する液化部と、そのプリンタ用の固体インクスティックを液化部に送るインク送給系と、を備え、液化により得られたインクを用い媒体上に像を形成する固体インクプリンタであって、(2)上記インク送給系が、固体インクスティックの入口を提供する装填部から液化部に面して配置された送出部まで所定経路に沿って進むよう固体インクスティックを案内するガイドを備え、(3)上記所定経路が、湾曲している区間を含むものである。
【0010】
そして、本発明の更に他の実施形態は、(1)固体インクスティックを受け入れそのプリンタの液化部に送る装填装置を備える固体インクプリンタにて使用される固体インクスティックであって、(2)その本体の長軸が、装填装置の湾曲に応じた湾曲を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装填部にて装填される固体インクスティックを湾曲したシュートによって液化部に送り、そこで得られた液化インクを例えば1個又は複数個のプリントヘッドに送給するようにしたため、プリンタ内に装填できるスティックの個数が多くなる。また、本発明はこれ以外にも様々な特徴事項がある。それらはそれ単独で或いは様々に組み合わせて使用することができる。それによって、コスト低減、インク装填容量増大、ジャミング及びカミング頻度の低減等を実現して、従来のインク送給系に代わる新たなインク送給系、或いは従来のインク送給系に付加して大容量化/送給補助に使用できるインク送給系を実現し、プリンタの性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態に係るインク送給系に関し別紙図面を参照して説明する。本件技術分野において熟練を積んだ方々(いわゆる当業者)であれば、以下の説明から、上述のものもそれ以外のものも含め、本発明の特徴をより好適に理解することができよう。
【0013】
また、本願における「プリンタ」とは、複製装置一般のことである。従って、狭義のプリンタの他、ファクシミリ機、複写機、いわゆる多機能機等もこれに包含される。更に、「印刷ジョブ」とは、複製対象となる1個又は複数個の事物の電子的表現物を含む情報等のことである。そして、インクの「案内」「移送」「送給」「供給」とは、装填部から液化部まで或いは更にプリントヘッドまでインクを届けることを指している。インクの「案内」「移送」「送給」「供給」経路上には、本発明に係るプリンタの実施にとり肝要でないものも含め、種々の連結手段、管路、マニホルド、ヒータ等を付加することができる。
【0014】
更に、固体インクプリンタの全体構成は前述した通りである。以下の説明は、改良型の固体インクスティック、そのスティックを送給できる改良型のインク送給系、並びにその送給系が実装された新たな固体インクプリンタに関するものである。
【0015】
図2に本発明の一実施形態に係るインク送給系204を備えた固体インクプリンタ202を示す。本プリンタ202は固体インクスティック206をブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの四色使用する多色プリンタであり、各色に対応して設けられた合計4本のシュート208を有している。また、その内部に収容できるスティック206の個数を多くするため、各シュート208には湾曲区間207が設けられている。その区間207は例えばある1本の軸を中心とする円弧に沿って延びる単純弧形状としてもよいし、別々の軸を中心とする複数本の円弧をつないだ線に沿って延びる複合弧形状としてもよいが、何れにせよスティック206を端から端まで滞りなく移送できる立体的形状にする必要がある。また、複合弧形状とするなら、区間207の全長に占める個々の円弧の割合を任意に定めることができ、従ってその全体形状を柔軟に設計できる。但し、これら単純弧や複合弧は区間207の湾曲形状の一例に過ぎず、これに類する他の非直線的形状を使用することもできるので、本願では使用できる種々の形状全てを「湾曲」という表現で代表させることとする。
【0016】
また、本プリンタ202では、図示の通りフレーム203によりインク送給系204を支持する構成を採っており、その頂部近傍には装填部224が、また底部近傍には液化部230が、それぞれ配置されている。送給系204は装填部224から液化部230へと一群の固体インクスティック206を送るシステムであり、複数本(図示例では4本)のシュート208をスティック送給用に有している。各シュート208は、それぞれ対応する色、例えばブラック、シアン、マゼンタ及びイエローのうち何れかの色のスティック206用に使用される。
【0017】
更に、このインク送給系204即ちインクローダには図示の通り縦長開口209が形成されている。オペレータは、この開口209を介し、各シュート208におけるスティック206の進み具合をチェックすることができる。また、この開口209を設けることで重量を減らし素材コストを抑えることができる。更に、各シュート208沿いには押圧部材228が配置されている。この部材228はスティック206を押さえつけドライブベルト216に好適に接触させる。
【0018】
図3及び図4に、本プリンタ202におけるインク送給系204の構成をより詳細に示す。送給系204は複数個の副送給系から構成されており、各副送給系はそれぞれ少なくともスティック装填口を提供する装填部224、スティック送給用のシュート208及びスティック液化用の液化部230を有している。具体的には、図中の送給系204は各色当たり1個ずつ合計4個の副送給系を有しており、そのうち1個はブラック用の副送給系260として使用されている。
【0019】
図示の通り、このインク送給系204にはその他にもシアン、イエロー及びマゼンタの各色用副送給系262、264及び266が互いに平行に配設されている。なお、ここで述べた色の順序は一例であり、副送給系の順序は機種毎に或いはプリンタ毎に任意に設計乃至設定することができる。また、各副送給系は、そのスティック装填口の開口形状が、対応する色のスティック206しか装填できない鍵化開口形状(排他開口形状)になっているが、その点を除けばほぼ同様の部材からなり同様に動作する同様の構成であるので、以下の記述ではブラック用副送給系260のみ詳しく説明し他の副送給系については説明を省略する。
【0020】
ブラック用副送給系260には、ブラックインクのスティック206を案内するガイド部材としてシュート208が設けられている。そのシュート208は、複数個のスティック206を装填できるよう、またそれらを所定経路210に沿って装填部224から液化部230へと送ることができるよう、構成されている。更に、シュート208のスティック装填口の開口形状は、そのシュート208に対応するある一色のスティック206(ブラック用の副送給系260ならブラックインクのスティック206)しか通せないよう設計乃至設定されている。また、副送給系260に設けられている部材のうち、担当する色のスティック206を液化部方向に付勢するのに使用される駆動部材であるドライブベルト216は、副送給系260内に装填された複数個のスティック206それぞれに様々な場所で当接するよう、副送給系260内スティック送給経路210に沿って且つその経路210の大半乃至主要部分に亘って引き回されている。稼働時には、シュート208内には例えば数個のスティック206が装填される。
【0021】
シュート208は様々な形状にすることができるが、図5及び図6に示す例ではシュート208のうち装填部224に連なる部分が直線区間268となっている。この区間268は図示の通りほぼ水平に延びており、また本プリンタ202の頂部にシュート端256がありそこにスティック装填口を設ける構成を採るので、シュート208内にスティック206を入れる作業は簡単である。例えば、そのスティック装填口(鍵化開口)が横向きに開口しているならスティック206を横方向から差し入れるだけでよいし、上向きに開口しているのならスティック206を上から入れて横に動かすだけでよい。また、スティック送給経路210上で湾曲区間207並びに直線区間268(及び270)が占める割合は適宜設定できるので、どちらが多くを占めるようにしてもよいし、何れか一方が大部分を示すようにしてもよい。更には、経路210全体を湾曲区間207で占めてもよいし、曲率半径が様々な複数個の弧をつないだ曲線に沿って、或いはその長手方向に沿って曲率半径が漸増又は漸減していく曲線に沿って、経路210又はその湾曲区間207を設けてもよい。
【0022】
また、本プリンタ202の内部スペースを有効活用するため、直線状のシュートに入れられる個数よりも多くのスティック206が入るようにシュート208を非直線状の形状にしてある。即ち、図示例における各シュート208は、上述の直線区間268に加えて、当該直線区間268の先端から下方へと曲がっていく湾曲区間207や、当該湾曲区間207の下端からほぼ下向きに液化部230まで延びる2個目の直線区間270を有している。なお、区間270を液化部230の上方に設けまたそれをほぼまっすぐ上下に延びる形状・配置にするのは、シュート208を通って送られてきたスティック206が区間270内では重力で移動し、液化部230に達するようにするためである。
【0023】
各シュートは例えば鉛直面272に沿って設けてもよいが、図示例におけるシュート208は鉛直面272に対して非平行な複数枚の平面を通って、即ち鉛直線272から逸れている面274に沿って、設けられている。従って、シュート208は、下方に移動するにつれて徐々に、図示の通り鉛直面272から逸れていく。図中のφは、傾斜面274の向き即ちシュート長軸方向(スティック進行方向)274の鉛直面272に対する偏角φである。この偏角φは、シュート208内により多数の固体インクスティック206を装填できるように設定する。
【0024】
図7に、本プリンタ202のインク送給系204に設けられたドライブベルト216をより詳細に示す。このベルト216は、少なくともその一部分がシュート208に倣って走行するよう配備する必要がある。その際、シュート208の湾曲区間207だけでなく、第1直線区間268や第2直線区間270にも沿わせる方がよい。ベルト216を駆動する手段としては、図示例ではモータトランスミッションアセンブリ222が設けられている。このアセンブリ222が稼働するとドライブプーリ218が回転し、そのプーリ218に架かっているベルト216が走行する。
【0025】
ドライブベルト216としては例えば円形断面のシームレスベルトを用い、ドライブプーリ218の他に例えば装填口付近に設けた1個又は複数個のアイドラプーリ220にも架けて、シュート208沿いに走行させるとよい。また、押圧部材228は例えばピンチローラであり、スティック206をベルト216方向に押しつけるようバネ等によって付勢されている。これによって、ベルト216に対してスティック206の外面212を十分強く摩擦させることができ、ひいてはスティック206がベルト216から脱線して転落することを防止することができる。
【0026】
更に、本プリンタ202のインク送給系204においては、様々なセンサやインジケータ、例えばスティック206の存否を検知するセンサが、シュート208内の随所に設けられている。そのうち装填口センサアセンブリ276は例えば装填部224の近傍に設けられており、その出力から、そのシュート208内にスティック206を追加できるか否かを知ることができる。また、インク不足センサアセンブリ278は例えば液化部230より若干手前に配置されており、その出力から、そのシュート208におけるスティック206の残数又は残寸がある下限値以下になったか否かを知ることができる。
【0027】
更に、インク切れセンサアセンブリ280は例えば液化部230のすぐそばに配置されており、その出力から、そのシュート208内にスティック206があるか否かを知ることができる。これらのセンサアセンブリ276、278及び280は様々な形態で実現することができるが、例えば図示の通りシュート208の壁材内にその枢軸をおくフラグを用いるとよい。このフラグは、面前にスティック206がないときには図中実線で示す第1のポジション282を採り、あるときには図中破線で示す第2のポジション284を採るので、フラグのポジション(姿勢)が282か284かを検知、判別するセンサ又はスイッチを併用することで、マイクロスイッチ、フォトインタラプタ等としてセンサアセンブリ276、278及び280を実現することができる。なお、こうしたフラグ機構に付加又は代替して別種のセンシングデバイス、例えば接近検知スイッチや反射式乃至往復反射式光学センサを設けてもよい。
【0028】
図7Aに、インク不足センサアセンブリ278を例にこれらのセンサの他の実施形態を示す。図示されているセンサ278はシュート208の壁面に実装されており、またシュート208の壁面上又は壁心に配置された枢軸を中心に枢動する遮蔽板(フラグ)の動きをセンサ279により検知するスイッチとして構成されている。具体的には、スティック206が面前に到来すると遮蔽板のポジションが第1のポジション282(破線)から第2のポジション284(実線)へと変化するので、センサ279によって遮蔽板のポジションが282かそれとも284かを判別することで、スティック206の有無を判別できる。
【0029】
図8に、本プリンタ202のインク送給系204のうち液化部230近傍の部分を示す。図示の通り、液化部230はスティック206のうち先頭のものを受け止めるよう構成されており、ドライブプーリ218及びドライブベルト216はそのスティック206から若干離れた位置を占めるように配置されている。ベルト216との間に間隔があるので、液化部230内のスティック206を液化部230内の液化器に押しつける力はベルト停止中は重力だけとなるが、ベルト稼働中は後続のスティック206による後押しの力も加わる。即ち、ベルト216と接触する後続のスティック206が存在している状態でベルト216を稼働させると、当該後続のスティック206が押し下げられ前方のスティック206を後押しする。
【0030】
或いは、ドライブプーリ218をより低い位置に設け、液化部230内のスティック206がそのプーリ218と接触するようにしてもよい。そうした構成では、ベルト216からスティック206に大きな力を加えることができるので、液化器に対するスティック206の接触圧も高くなる。
【0031】
図9に、図2〜図8に示したプリンタ202にて使用するスティック206を詳細に示す。この図に示すスティック206は、例えば想定外プリンタ機種への装填や他色スティックとの混同を防ぐことができるよう鍵化断面形状(排他断面形状)を有している。即ち、そのスティック装填口の開口形状やスティック用通路228の断面形状が相応の鍵化開口形状(排他開口形状)であるインク送給系204乃至副送給系には装填できるが、それ以外の系には装填することができないよう、このスティック206の表面には1個又は複数個の特徴的な鍵化凹凸286が縦方向に設けられている。このスティック206の表面には、更に、横方向に延びる1個又は複数個の被案内用凹凸288も形成されている。この凹凸288は、そのシュート208内でそのスティック206を支持しつつ、シュート208内におけるスティック206の不要な動きを制限し所定経路210に沿って案内するのに、使用される。なお、これら誤装填防止用鍵化凹凸286や被案内用凹凸288は、装填方向に応じその目的機能を達成するよう設定、形成することができるので、装填方向が横方向等の場合でも、それに適した凹凸を形成し利用することができる。
【0032】
図示の通り、スティック206の底面には二対の平坦部290、一対の湾曲部292及び溝250が形成されている。そのうち平坦部290はシュート208の直線区間268及び270にて、また湾曲部292は同じく湾曲区間207にて、それぞれ所定のスティック送給経路210沿いにスティック206を動かせるようにするために設けられた部分であり、平坦部290はスティック206の両端に一対ずつありまた湾曲部292は中央にある。対をなす平坦部290同士或いは湾曲部292同士の間には隙間があり、その隙間に形成されている一連の溝250も、同様に、直線的な部分と湾曲している部分とを有している。
【0033】
図10に、本プリンタ202のインク送給系204に装填されたスティック206のうち、直線区間268又は270沿いでドライブベルト216に載っているものを示す。図示の通り、スティック206は全体としてその頂面が凸、底面が凹というように長軸294に対し湾曲しているので、この直線部分では、スティック206の底面のうち平坦部290がベルト216に接触する。より具体的には、溝250のうち左右の平坦部290で挟まれている部分にベルト216が嵌り込んでいるので、ベルト216を駆動することでこのスティック206を先送りすることができる。
【0034】
図11に、本プリンタ202のインク送給系204に装填されたスティック206のうち、湾曲区間207沿いでドライブベルト216に載っているものを示す。図示の状態でベルト216に接触するのはスティック206の底面上の湾曲部292である。より厳密には、溝250のうち左右の湾曲部292に挟まれている部分にベルト216が嵌る。
【0035】
図12に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Aのインク送給系204Aを示す。この送給系204Aは図2〜図8に示した送給系204と類似した構成であるが、送給する固体インクスティック206Aの溝250A即ちスティック側ベルトガイドがその中心からずれた位置にあり、その溝250Aに嵌めることができるよう、シュート端256Aの鍵化突起258Aもシュート208Aの中心からずれた位置にある点で相違している。このように中心以外に溝を配置してもよい。
【0036】
図13に、本発明の更に他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Bのインク送給系204Bを示す。この送給系204Bにて使用するドライブベルト216Bは方形断面のフラットベルトであり、その表面には歯291Bが形成されている。シュート208Bに装填された固体インクスティック206Bをこの歯291Bと接触させることができるので、ベルト216Bが平坦でもスティック206Bを好適に前進させることができる。
【0037】
図14に、本発明の更に他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Cのインク送給系204Cを示す。この送給系204Cは図2〜図8に示した送給系204と類似した構成であるが、そのシュート208Cの断面形状が略D字状乃至半円形である点で相違している。固体インクスティックとしてはこの形のシュート208Cに装填できる略半円形のもの206Cを使用する。
【0038】
図15に、本発明の更に他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Dのインク送給系204Dを示す。この送給系204Dは図2〜図8に示した送給系204と類似した構成であるが、そのシュート208Dの断面形状が略三角形である点で相違している。固体インクスティックとしてはこの形のシュート208Dに装填できる略三角形のもの206Dを使用する。
【0039】
図16に、本発明の更に他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Eのインク送給系204Eを示す。この送給系204Eは図2〜図8に示した送給系204と類似した構成であるが、そのシュート208Eの断面形状が略六角形である点で相違している。固体インクスティックとしてはこの形のシュート208Eに装填できる略六角形のもの206Eを使用する。
【0040】
図17に、本発明の更に他の実施形態に係る固体インクプリンタ202Fのインク送給系204Fを示す。この送給系204Fは図2〜図8に示した送給系204と類似した構成であるが、そのシュート208Fの断面形状が略五角形である点で相違している。固体インクスティックとしてはこの形のシュート208Fに装填できる略五角形のもの206Fを使用する。
【0041】
以上述べた各実施形態においては、シュート壁が固体インクスティックの外面にぴったりと寄り添うようシュートが形成されているが、スティックの全周面がどこかのシュート断面でシュート壁によってぐるりと囲まれるようにする必要はなく、またシュートの全長に亘りシュート壁が続くようにする必要もない。例えば、シュート壁のうち一面又は数面を全面的に又は部分的に開放させてもよい。即ち、固体インクスティックをそのシュートで好適に支持、案内等することができ、また固体インクスティックの装填や送給を好適に補助できるような形状、構成であればよいので、シュートは様々な形状、構成にすることができる。
【0042】
図18に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ302の構成を示す。このプリンタ302は固体インクスティック306用のインク送給系304を備えており、この送給系304によって液化部に送られたスティック306は、そこに設けられている液化器308によって液化されて液化インク310となり、プリントドラム314を介して媒体312例えば紙片上に被着し像315を形成する。また、送給系304は、所定経路318に沿ってスティック306を案内するガイドを有している。図示例におけるガイドはシュート316という形態を採って実現されており、その内部に形成される通路に複数個のスティック306を装填できるように構成されている。また、このシュート316にはスティック306を装填する際の入口を提供する装填部320が設けられており、シュート316は、この装填部320から所定経路318沿いに液化器方向へとスティック306を案内するよう、構成されている。
【0043】
シュート316には更に送出部322も形成されている。送出部322が液化器308に面するように配置されており、装填部320が送出部322よりも上方に位置しているので、装填部320に差し込まれた固体インクスティック306は、重力の作用だけで、シュート316内を滑落して送出部322に到達するに至る。
【0044】
なお、例えばプリンタ頂部作業面324付近に位置する装填部320から液化器方向に重力の作用で固体インクスティック306を滑落させることができる限り、シュート316は様々な形状にすることができる。例えば図示例におけるシュート316は直線区間及び湾曲区間を有している。その湾曲区間は原点326を中心とする曲率半径Rの弧に沿って端から端まで滑らかに延びている。シュート316に対する原点326の位置関係は任意に設定でき、また例えば曲率半径Rをシュート316の全長に亘り一定に保つようにしてもよいが、図示例の場合、シュート316の長軸方向に沿って曲率半径Rを徐々に変化させている。変化のさせ方を工夫することで、図示の通り、シュート316のうち液化器308近傍の部分をほぼ鉛直且つ直線状にすることができる。
【0045】
図19に示すように、シュート316内にはスティック用通路328が形成されている。そのサイズや形状は、シュート316内スティック306がその通路328内を所定経路318沿いに円滑に下降していくよう、設計、設定されている。また、シュート316内にスティック306が斜めに装填されることやそれによるスティック306のジャミングを防ぐため、シュート316内通路328の内法332は、スティック306の外形330とほぼ同じ形状及びサイズにしておく。
【0046】
例えば、図示例ではスティック306として略長方形断面のものを想定しているので、シュート316のスティック用通路328も略長方形断面にする。また、その開口サイズは、装填されたスティック306が重力でシュート316内を滑落していけるようにスティック306のサイズよりやや広くする。即ち、図示の通りスティック306の長さをBL、厚みをBH、横幅をBWとすると、スティック用通路328におけるシュート316の天井高CHはスティック厚BHよりやや大きくする必要があり、横幅CWもスティック幅BWよりやや広くする必要がある。
【0047】
また、シュート316内のスティック用通路328をスティック306がより確実に重力で滑落していけるようにするため、図示例では通路328の内底面334を水平面に対してある角度αだけ傾けている。この傾斜角αは、スティック306とシュート内底面334との間で発生する摩擦力に対し重力の前進方向分力が優り、スティック306が装填部320から送出部324へと所定経路318沿いに進んでいくように設定されている。また、潤滑テープ等の低摩擦面体を貼る等してシュート内底面334或いはシュート316全体の摩擦を減らすこともできる。潤滑テープとしては、例えばテフロン製のものを使用できる。なお、「テフロン」は登録商標である(商標権者:イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー)。
【0048】
図20に、本プリンタ302のインク送給系304を構成するシュート316のうち装填部320近傍の部分と、そのシュート316に装填しうる固体インクスティック306の形状を、より詳細に示す。本プリンタ302では、スティック306を間違ったシュート316に装填してしまうことを防ぐため、スティック306及びシュート316の形状を、互いにかみ合う鍵化形状(排他形状)にしてある。即ち、図示例では、スティック306の外面にボス即ち凸部336を、またシュート316の内面にそれとかみ合うリセス即ち凹部338を設けることによって、シュート316に装填できるスティック306を、そのシュート316の鍵化開口形状にかみ合う鍵化断面形状を有するスティック306だけ、即ち適正なスティックだけにしている。とりわけカラープリンタの場合、各色固体インクスティックを別の色用のシュートに装填してはならないので、この鍵化機能が重宝である。
【0049】
また、図18に示した通り、本プリンタ302はカラープリンタであり4本のシュート316、即ち順にブラック用、シアン用、マゼンタ用及びイエロー用のシュート340、342、344及び346を有している。これらのシュート340、342、344及び346のスティック用通路328の断面は何れも鍵化形状であるので、そのシュート316に装填できるのはそのシュート316向けの(例えば対応する色の)スティック306だけである。即ち、その通路328を鍵化断面にすることによって、各シュート316に装填できるスティック306の種類例えば色を限定している。なお、本発明に係るプリンタを、本プリンタ302と同じくシュート内スティック送給が専ら重力により行われる白黒乃至単色プリンタとして実現することもできる。
【0050】
図21に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ402のインク送給系404の構成を示す。この送給系404は図18〜図20に示したプリンタ302の送給系304とは若干異なっている。その違いはシュート416にある。但し、この図に示す送給系404のシュート416も、点426を中心とし曲率半径をRRとする曲線に沿って湾曲している点や、その曲率半径RRが当該曲線に沿って一定又は漸増している点では、図18〜図20に示した送給系304のシュート316と同様である。
【0051】
図示されているシュート416の特徴は反転型通路を形成していることにある。即ち、このシュート416はその下部が上部の下方に潜り込む形状になっている。こうしたシュート形状を採ることはプリンタ内スペースを節約するのに役立つ。また、図示例のようにシュート416がほぼ単一の平面に沿って向きを変えていく形状に限らず、互いに非平行な複数個の平面を横切っていくようにシュート416を形成してもよい。従って、例えば、シュート416をスパイラル状やヘリカル状にしてもよい。
【0052】
シュート416のサイズや形状はこれ以外にも様々な形状にすることができ、またそのスティック用通路428の断面も方形や三角形や五角形等様々な形状にすることができる。特に、シュート416内通路428のサイズ及び形状は、そのシュート416に装填する固体インクスティック406のサイズ及び形状に近いサイズ及び同様の形状にするのが望ましい。そうしたサイズ及び形状であれば、装填部420から液化器408に面する送出部422へと、そのスティック406を重力により円滑に滑落させることができる。
【0053】
図22に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ502のインク送給系504、特にそのシュート516の構成を示す。このシュート516のうち、装填部520から変曲部578に至る上部の区間は湾曲区間574になっており、変曲部578から液化器508に面する送出部522に至る下部の区間は直線区間576になっている。変曲部578は湾曲区間574と直線区間576をつないでいる。また、湾曲区間574は、原点580を中心とした曲率半径RRの曲線に沿って湾曲している。直線区間576は図示例では鉛直方向に延びているが、傾斜を付けてもかまわない。
【0054】
本プリンタ502では略直方体の固体インクスティックも使用できるが、図示した例における固体インクスティック506は湾曲形状を有している。即ち、シュート516の湾曲区間574や変曲部578の中を所定経路518に沿ってより円滑に移動させるには、スティック506を湾曲形状にした方がよい。
【0055】
図23に、本プリンタ502で使用する固体インクスティック506の形状をより詳細に示す。このスティック506の幅はCBW、厚みはCBTであり、後者は原点582を中心として描いた円弧の曲率半径RR1と、同じく点582を中心として描いた円弧の曲率半径RR2とにより決まっている。曲率半径RR1及びRR2は、本プリンタ502のインク送給系504を構成するシュート516の湾曲区間574及び直線区間576の形状に応じて、適当な値に決めるとよい。
【0056】
図24に、本プリンタ502で使用できる別の固体インクスティック506Aの形状を示す。看取できるように、このスティック506Aには、シュート516側の溝(図示せず)に嵌るよう凸部584Aが設けられており、スティック506Aはこれを利用してシュート516による案内を受ける。
【0057】
図25に、本プリンタ502のシュート516内で所定経路518に沿ってより好適に案内させうるよう構成された固体インクスティック506Bの形状を示す。各スティック506Bの一端には突起586B、他端には溝588Bがあり、前方にいるスティック506Bの溝588Bに後方にいるスティック506Bの突起586Bが嵌りうるように構成されている。従って、図22に示したインク送給系504のシュート516内で、これら突起586B及び溝588Bを利用しスティック506Bを好適に案内することができる。
【0058】
図26に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ602のインク送給系604、特にそのシュート616の構成を示す。このシュート616は図22に示したプリンタ502のシュート516と類似した構成であるが、シュート616が直線区間を2個(674及び676)有する点で相違している。即ち、固体インクスティック606を送給するためのシュート616が、鉛直面に対して角度αααをなす第1直線区間674と、鉛直面に対して角度ββをなす第2直線区間676とを有している。図中、θは第1直線区間674と第2直線区間676の交差角である。
【0059】
図27に、本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタ702のインク送給系704、特にそのシュート716の構成を示す。このシュート716は第1直線区間774、第2直線区間776及び変曲部784を有しており、固体インクスティック706はそれらの区間内を前進していく。そのうち第1直線区間774は装填部720からそれより下方の変曲部784まで延びており、変曲部784はそこから更に下方に延びて第1直線区間774を第2直線区間776につないでおり、第2直線区間776は更に下方に延びて送出部722に達している。第1直線区間774は鉛直面に対して角度ααααを、また第2直線区間776は角度βββをなしており、角度θθをなすよう変曲部784を介してつながっている。その変曲部784は、原点726を中心とする曲率半径RRの曲線に沿って延びている。
【0060】
以上、本発明に係るインク送給系、プリンタ及び方法について例示説明を行った。それらに対しては本願による開示に基づき様々な変形を施しまた様々な改良を施すことも可能であり、そうした変形乃至改良のうちいわゆる当業者であれば本願の記載に基づき容易になしうるものも、本発明の技術的範囲に属し特許権による保護を受けうるものと認められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】従来における高速固体インクプリンタの概略を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る固体インクプリンタに設けられ、固体インクスティックをそのプリンタのプリントヘッド(液化器)に送るのに使用されるインク送給系を示す一部切欠斜視図である。
【図3】図2に示したインク送給系を詳示する一部切欠斜視図である。
【図4】図2に示したインク送給系についての別の一部切欠斜視図である。
【図5】図2に示したインク送給系のうち固体インクスティック用のガイドを示す斜視図である。
【図6】図5に示したガイドを別の角度から描いた斜視図である。
【図7】図5に示したガイドを、固体インクスティックを液化器方向に送る駆動機構を含めて示した斜視図である。
【図7A】図7に示した駆動機構のうちセンサ部分を示す平面図である。
【図8】図7に示した駆動機構のうち液化器近傍部分を詳示する斜視図である。
【図9】図5に示したガイドによってそのインク送給系の液化器に送られる固体インクスティックを示す斜視図である。
【図10】図5に示したガイドの駆動部材直線区間にて、図9に示した固体インクスティックが採る状態を示す側面図である。
【図11】図5に示したガイドの駆動部材湾曲区間にて、図9に示した固体インクスティックが採る状態を示す側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特に駆動部材がシュート及びスティックの中心からずれた位置にある実施形態を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特に駆動部材がフラットで歯が付いている実施形態を示す斜視図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特にシュートがD字状断面を有する実施形態を示す断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特にシュートが三角形断面を有する実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特にシュートが六角形断面を有する実施形態を示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系及びそれにより送給される固体インクスティック、特にシュートが五角形断面を有する実施形態を示す断面図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタに設けられ、固体インクスティックをそのプリンタの液化器に送るのに使用されるインク送給系を示す一部切欠斜視図である。
【図19】図18に示したインク送給系におけるシュートの構成を示す斜視図である。
【図20】図18に示したシュートのうち固体インクスティックを受け入れる装填部及びそこに装填される固体インクスティックの形状を示す斜視図である。
【図21】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系、特にその一部分が他の部分の下方に延びたシュートを示す側面図である。
【図22】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系、特に直線区間及び湾曲区間があるシュートを示す側面図である。
【図23】図22に示したシュートにより送給される固体インクスティックを示す側面図である。
【図24】図22に示したシュートにより送給される固体インクスティックの別例形状、特に被案内用凸部を有するものを示す斜視図である。
【図25】図22に示したシュートにより送給される固体インクスティックの別例形状、特に縦列案内用凹凸を有するものを示す平面図である。
【図26】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系、特に2個の直線区間からなるシュートを示す側面図である。
【図27】本発明の他の実施形態に係る固体インクプリンタのインク送給系、特に2個の直線区間及び1個の湾曲区間からなるシュートを示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
202,202A,202B,202C,202D,202E,202F,302,402,502,602,702 固体インクプリンタ、204,204A,204B,204C,204D,204E,204F,304,404,504,604,704 インク送給系、206,206A,206B,206C,206D,206E,206F,306,406,506,506A,506B,606,706 固体インクスティック、207,574,784 湾曲区間、208,208A,208C,208D,208E,208F,260,262,264,266,316,340,342,344,346,416,516,616,716 シュート(副送給系)、210,318,518 スティック送給経路、224,320,420,520,720 装填部、230 液化部、268,270,576,674,676,774,776 直線区間、294 スティック長軸(スティック中心線)、308,408,508 液化器、310 液化インク、312 媒体、315 像、322,422,522,722 送出部、326,426,580,726 シュート湾曲の中心、578 変曲部、582 スティック湾曲の中心、R,RR シュート湾曲の曲率半径、RR1,RR2 スティック湾曲の曲率半径。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体インクスティックをその液化部にて液化し、それにより得られたインクを用いて媒体上に像を形成する固体インクプリンタにて、そのプリンタ用の固体インクスティックを液化部に送るのに使用されるインク送給系であって、
固体インクスティックの入口を提供する装填部から液化部に面して配置された送出部まで所定経路に沿って進むよう固体インクスティックを案内するガイドを備え、
上記所定経路が、湾曲している区間を含むインク送給系。
【請求項2】
請求項1記載のインク送給系であって、上記所定経路が、直線状の区間を含むインク送給系。
【請求項3】
固体インクスティックを液化する液化部と、そのプリンタ用の固体インクスティックを液化部に送るインク送給系と、を備え、液化により得られたインクを用い媒体上に像を形成する固体インクプリンタであって、
上記インク送給系が、固体インクスティックの入口を提供する装填部から液化部に面して配置された送出部まで所定経路に沿って進むよう固体インクスティックを案内するガイドを備え、
上記所定経路が、湾曲している区間を含む固体インクプリンタ。
【請求項4】
固体インクスティックを受け入れそのプリンタの液化部に送る装填装置を備える固体インクプリンタにて使用される固体インクスティックであって、その本体の長軸が、装填装置の湾曲に応じた湾曲を有する固体インクスティック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−126659(P2008−126659A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296233(P2007−296233)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】