説明

ガイドレールの製造方法及びガイドレール

本発明は、少なくとも2つの離間するガイド面(1、2)であって、対応する側で連接膜(3)を介して連接されたガイド面を具備する種類のガイドレールの製造方法に関する。第1工程は、ガイド面が、連接膜の所定部分回りでの仮想的な折りたたみ動作を通じて、所望の最終位置に比較してより離れて離間する形態においてガイドレールを製造することであり、次の工程は、前記ガイド面を所望の最終位置に向けて移動させることである。その上で、ガイドレールが供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1に、少なくとも2つの離間したガイド面であって、対応する側において連接膜を介して連接されたガイド面を具備する種類のガイドレールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の種類の最先端のガイドレールは、押し出し加工を使ってアルミニウムから製造される。しかし、(車のオープントップ構造の用途の中の)多くの用途おいてアルミニウムから製造されたガイドレールでは、使用するための最適な形状を得られないということがデメリットである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の種類のガイドレールの改善された製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明によると該製造方法は、少なくとも2つの下記工程、
− ガイド面が、連接膜の所定部分回りでの仮想的な回転を通じて、該ガイド面の所望の最終位置に比較して、より離れて離間する形態において、ガイドレールを製造する工程と、
− ガイド面を、所望の最終位置に向けて移動させる工程と、
を備えることを特徴とする。
【0005】
ガイド面が、前記一体蝶番回りでの連接膜の仮想的なの折りたたみ動作を通じて、所望の最終位置に比較してより離れて離間する形態において、ガイドレールが、連接膜内の一体蝶番と共にプラスチック材料から製造され、連接膜は、所望の最終位置に向けてガイド面を移動させて一体蝶番回りで折りたたまれることが好ましい。
【0006】
結果として、ガイドレールをその全部品(多くの場合複雑な形状である)と共に製造することがより容易になるように、ガイドレールは、初期に「折りたたみ式オープン (folded open) 」位置(例えば、両ガイド面及び連接膜などのガイドレールの全部品が概ね一つの平面上に配置される位置)においてに製造される。その後、ガイドレールは、その最終位置に向けて折りたたまれ又はつぶされて使用できる状態になる。
【0007】
本発明による方法は、また、ガイド面がその最終位置に達する前にそのようなスライド部材の導入が生じるため、ガイドレールにおけるスライドシュー(slide shoe)のようなスライド部材の導入が促進されるというメリットを有する。
【0008】
本発明での方法は、折りたたんだ後の最終位置でガイド面を固定する工程をさらに備えることが好ましい。そのような固定はガイドレールが再びその初期(「オープン」)位置に戻ってしまうことを防ぐ。
【0009】
例えば、折りたたんだ後の最終位置でガイド面を固定する工程は、一体蝶番の両側の連接膜において共働する固定手段を備えうる。
【0010】
1つの実施形態での固定手段は、ガイド面の最終位置において一直線に並ぶ孔であり、そして、例えば、ねじのような固定手段を収容するための孔を具備する。ねじ(又は複数のねじ)を使用することで、ガイドレールは、使用上所望の最終位置において保持される。しかし、そのようなねじ(又は他の固定手段)は、同時にガイドレールを(例えば車の屋根のような)外部の構成部品に取り付けるために使用してもよい。
【0011】
別の解決方法例として、固定手段は、ガイド面の最終位置で共働するスナップ部材を具備してもよい。
【0012】
本発明による方法は、また、外部部品に連接できる一体式接続手段を備える。例えば、外部部品とは、(ドライブケーブルのガイド機能などの)特別な機能を供給するためにガイドレールに取り付けられた部材を含む。
【0013】
好ましくは、ガイドレールの製造は射出成形によって行われる。その製造の初期段階においてガイドレールが「折りたたみ式オープン」状態なので、複雑な形状であってもガイドレールの製造に、射出成形工程を使用できる。
【0014】
最後に、本方法の実施形態では、ガイド面の最終位置において互いに係合する一体蝶番の両側の連接膜部に、嵌め合い形状を提供する工程を備えることが可能である。前記嵌め合い形状はガイドレールを安定させるのに役立つ。
【0015】
さらに、本発明による方法は、陽極酸化処理(anodizing)又はフライス加工などの、ガイドレールがアルミニウムから作られる時に必要な工数がもはや必要ではないという優位点を有する。結果として得られるガイドレールは通常、より強固であり騒がしい雑音の発生がより少ない。
【0016】
別の実施形態において、ガイド面は、初期には分離した部品として製造され、後で連接される。これらの部品の連接に関する詳細は、一体蝶番を使用する方法に対して関連する実施形態から推論できる。
【0017】
第二に、本発明は、少なくとも2つの離間するガイド面であって、対応する側で連接膜を介して連接されたガイド面を具備する種類のガイドレールに関する。本発明によると当該ガイドレールは、プラスチック材料から製造され、連接膜は、ガイドレールの長手方向に延在する一体蝶番を具備することを特徴とする。
【0018】
そして、連接膜は、一体蝶番の両側において共働する固定手段を備えることが好ましい。該固定手段は、例えば、(複数の)ねじのなどの固定部材を収容する孔であってもよい。
【0019】
また一方、他の実施形態において前記固定手段は、共働するスナップ部材を具備する。
【0020】
前記ガイドレールは、例えば駆動ケーブルのガイドチャンネルを形成する部品のような外部部品に接続できる一体式連接手段をさらに備えることも可能である。
【0021】
最後に、特定の実施形態において、一体蝶番の両側の連接膜は、ガイド面の最終位置において互いに係合する嵌め合い形状を有する。前述のように、これはガイドレールの(ガイド面の最終位置における)安定度を増す。
【0022】
本発明は、図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】初期形状による本発明に対するガイドレールの断面図である。
【図2】最終形状における図1のガイドレールの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
初めに、図2を参照すると、ガイドレールは、第1ガイド面1と、間隙を介した第2ガイド面2と、を具備する。ガイド面1及び2は連接膜3を介して連接している。
【0025】
前記ガイドレールは、ガイド面1及び2の間の(図示されていない)ガイド部材をガイドレールの長手方向にスライド又は回転するように案内するために使用される。
【0026】
図2に示されるガイドレールは、下記の様式(図1参照)、すなわち、ガイド面1及び2が、前記一体蝶番4回りでの前記連接膜3の仮想的な折りたたみ動作を通じて、(図2で示すような)所望の最終位置に比較して、より離れて離間する形態において、連接膜の間の一体蝶番と共にプラスチック材料からガイドレールを製造する第1工程と(ここで示される特定の実施形態では、ガイド面1及び2と連接膜とがほぼ一直線に並ぶ形態である。しかし、これらの部品が一直線に並ばず、角度を含むことも可能である。)、続いて、ガイド面1及び2を所望の(図2で示す)最終位置に向けて移動させて一体蝶番4回りで連接膜3を(図1の矢印5に従って)折りたたむ第2工程と、において製造される。
【0027】
ガイドレールの製造は(図示されていない型を使った)射出成形によって行うことが好ましい。
【0028】
上記の折りたたむ第2工程の後、ガイド面は最終位置において安定する。図示された実施形態における孔6及び7は、一体蝶番の両側の連接膜に備えられ、該孔6及び7は、ガイド面の最終位置(図2)において一直線に並び、また、ねじ8(図2に概要的に示す)のような固定部材を収容するためのものである。複数対の孔をガイドレールの長手方向に備えてもよい。
【0029】
前記孔6及び7は、ガイドレールの(例えば射出成形時のような)初期の製造時に備えられてもよい。
【0030】
ガイド面の最終位置において互いに係合する一体蝶番の両側の連接膜3所定部分は、図2に示すその最終位置において安定し、かつ強固なガイドレールの姿勢を得るために(例えば9及び10、又は11及び12のような)嵌め合い形状を備える。
【0031】
さらに、ガイドレールは、(例えばケーブルガイド14を受ける孔13のように)外部パーツに接続できる一体式接続手段を備えてもよい。
【0032】
本発明は前述された実施形態に限られるものではなく、添付の請求項の範囲で説明されるように本発明の範囲内で幅広く変更されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 第1ガイド面
2 第2ガイド面
3 連接膜
4 一体蝶番
6 第1孔
7 第2孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの離間したガイド面であって、対応する側において連接膜を介して連接されたガイド面を具備する種類のガイドレールの製造方法において、
該製造方法が少なくとも次の工程、
− 前記ガイド面が、連接膜の所定部分回りでの仮想的な回転動作を通じて、前記ガイド面の所望の最終位置に比較して、より離れて離間する形態で該ガイドレールを製造する工程と、
− 前記ガイド面を所望の最終位置に向けて移動させる工程と、
を備えることを特徴とするガイドレールの製造方法。
【請求項2】
前記ガイドレールが、前記連接膜の間の一体蝶番と共にプラスチック材料から、所定の形態であって、前記ガイド面が、前記一体蝶番回りでの前記連接膜の仮想的な折りたたみ動作を通じて、所望の最終位置に比較してより離れて離間する形態において、製造され、
前記連接膜は、前記ガイド面を所望の最終位置に向けて移動させるために、前期一体蝶番回りで折りたたまれることを特徴とする請求項1に記載のガイドレールの製造方法。
【請求項3】
折りたたみ後の最終位置において前記ガイド面を安定させる工程を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載のガイドレール製造方法。
【請求項4】
折りたたみ後の最終位置において前記ガイド面を安定させる工程が、前記一体蝶番の両側の前記連接膜において共働する固定手段を設ける工程を備えることを特徴とする請求項3に記載のガイドレール製造方法。
【請求項5】
前記固定手段が、前記ガイド面の最終位置おいて一直線に並び、そして固定部材を収容するための孔を具備することを特徴とする請求項4に記載のガイドレール製造方法。
【請求項6】
前記固定手段が、前記ガイド面の最終位置において共働するスナップ部材を具備することを特徴とする請求項4に記載のガイドレール製造方法。
【請求項7】
外部部品に接続可能な一体接続手段を設ける工程を、さらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のガイドレール製造方法。
【請求項8】
前記ガイドレールの製造が、射出成形によって行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のガイドレール製造方法。
【請求項9】
前記ガイド面の最終位置において前記一体蝶番の両側に互いに係合する連接膜に、嵌め合い形状を設ける工程をさらに備えることを特徴とする請求項2と組み合わせて請求項1から8のいずれかの一項に記載のガイドレール製造方法。
【請求項10】
前記ガイド面が初めは別々に製造されて、後で連接されることを特徴とする請求項1に記載のガイドレール製造方法。
【請求項11】
少なくとも2つの離間するガイド面であって、対応する側で連接膜を介して連接されたガイド面を具備する種類のガイドレールにおいて、
当該ガイドレールが、プラスチック材料から製造され、
前記連接膜が、該ガイドレールの長手方向に延在する一体蝶番を備えることを特徴とするガイドレール。
【請求項12】
前記連接膜が、前記一体蝶番の両側において共働する固定手段を備えることを特徴とする請求項11に記載のガイドレール。
【請求項13】
前記固定手段が、ねじのような固定部材を収容するための孔を具備することを特徴とする請求項12に記載のガイドレール。
【請求項14】
前記固定手段が、共働するスナップ部材を具備することを特徴とする請求項12に記載のガイドレール。
【請求項15】
外部部品に連接できる一体式接続手段をさらに備えることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載のガイドレール。
【請求項16】
前記一体蝶番の両側の前記連接膜の一部が、ガイド面の最終位置において互いに係合する嵌め合い形状を有することを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載のガイドレール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−505295(P2011−505295A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536328(P2010−536328)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063228
【国際公開番号】WO2009/071116
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(503036818)イナルファ・ルーフ・システムズ・グループ・ベーフェー (32)
【Fターム(参考)】