説明

ガスケットアセンブリ

ガスケットアセンブリは複数のキャリアを含む。各キャリアは少なくとも1つの非シーリング孔と少なくとも1つのシーリング孔とを有する。シーリング孔は、シーリング孔の周囲に沿って延在しかつキャリアに取付けられるシーリングを有する。複数のキャリアはキャリアのスタックを含み、スタックの各キャリアは少なくとも1つの他のキャリアと接触する。キャリアの非シーリング孔は対応するシーリング孔と揃えられて、各シーリングが他のキャリアの対応する揃えられた非シーリング孔を通って延在し、スタックの第1の外表面に第1のシーリング面と、スタックの第2の外表面に第2のシーリング面とを与える。スタックのキャリアは互いに結合されてガスケットアセンブリを形成する。シーリングは自走車両の用途で一般的に用いられるエラストマーを含む、各種の材料を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
技術分野
本発明は一般にガスケットアセンブリに関する。より特定的には、複数のガスケットキャリアを含むガスケットアセンブリに関し、さらに特定的には1つのアセンブリにおいて複数のシーリング材を組込んだものに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術
現在のシーリングの用途では、異なる流体組成を有する異なる流体を異なる流体通路に密封することがしばしば求められ、このシーリングのためには異なるシーリング材が必要である。流体通路は時には互いに非常に近接しているので、異なるシーリング組成を有する複数の異なるシーリングを組込んだ単一のガスケットアセンブリで複数の流体通路にシーリングを行なうことが望ましい。これは自走車両の用途で頻繁に見られることである。このような一例としてかつ自走車両において、吸気通路をシリンダヘッドにシーリングするためのガスケットアセンブリが含まれ、エンジンオイル、エンジン冷却剤および空気/燃料通路をシーリングするためのシールジョイントを要することもあり、それにより単一のガスケットアセンブリにおいて耐エンジンオイル、耐エンジン冷却剤、および耐空気/燃料のシーリングを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
単一のガスケットアセンブリにおいて複数のシーリング材からなる複数のシーリングを得る1つの手段は、たとえば異なるゴムやエラストマー材のような異なるシーリング材を単一のガスケットキャリアに同時に成形することであった。しかし、異なるエラストマー材は異なる処理条件(すなわち、時間、温度および周囲の雰囲気)、異なるプライマーや他の接着促進剤の使用、異なるキャリア材の使用、および他の異なる事項を必要とし、それにより同時成形を、程度の差はあっても、不可能にするまたは非常に難しくする。
【0004】
したがって従来のガスケットアセンブリの制限に対処する改良されたガスケットアセンブリ、特にここに記載されているような自走車両の用途に適するものを開発することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明はガスケットアセンブリであって、ガスケットキャリアに対してシーリングの同時成形をする必要なく、複数種類のシーリングを単一のガスケットアセンブリに組込むことを可能にする。本発明はさらに複数のキャリアを用いることによって、1種類のシーリングのガスケットアセンブリを含む。
【0006】
本発明のガスケットアセンブリは複数のキャリアを含む。各キャリアは少なくとも1つの非シーリング孔および少なくとも1つのシーリング孔を有する。シーリング孔は、シーリング孔の周囲に沿って延在し、かつキャリアに取付けられるシーリングを有する。複数のキャリアはキャリアのスタックを含み、スタックにある各キャリアは少なくとも1つの他のキャリアと接触する。キャリアの非シーリング孔はシーリング孔に対応して揃えられ、各シーリングは他のキャリアにある揃えられて対応する非シーリング孔を通って延在し、スタックの第1の外表面に第1のシーリング面を形成し、かつスタックの第2の外表面
に第2のシーリング面を形成する。スタックにあるキャリアは互いに結合されてガスケットアセンブリを形成してもよい。シーリングは自走車両の用途に一般に用いられるようなエラストマーを含むさまざまな材料を含み得る。
【0007】
本発明のガスケットアセンブリは特に自走車両の用途で使用するのに有利であり、エンジン冷却剤、エンジンオイルおよび混合気のような異なる車両流体に耐性を有する、異なるエラストマー材からなるシーリングを有するガスケットアセンブリが望まれる。
【0008】
本発明のシーリングに応じて同時成形を用いることはできるが、本発明のガスケットアセンブリは同時成形や同様の方法を要することなく複数のシーリング材を組込むことができるので特に有利であると考えられ、このような方法を用いて実現できないようなガスケットアセンブリを形成するために用いることができる。たとえば、異なるシーリング材では異なるプライマーを用いたり、互いに相容れないまたは単一の同時成形部分に適用するのに望ましくない異なる洗浄、取扱い、もしくは処理条件を必要とするもしれない。
【0009】
本発明のガスケットアセンブリは、スタックにあるキャリアをそれぞれ単一のキャリアを用いた場合よりも一般的に薄くすることによって使用することもできる。厚さを薄くすることにより、他では不可能であった標準のキャリア製造技術を用いてキャリアをより簡単に製造できるという利点がある。
【0010】
本発明のこのような特徴や他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面と関連して考えるとより容易に理解でき、図面において類似した表示は類似したエレメントを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施例の詳細な説明
図1−図6は本発明のガスケットアセンブリ10を示す。ガスケットアセンブリ10は、シールジョイントの嵌め合うエレメント間で密封するためのガスケットを必要とするすべての用途に用いることができる。多くのシールジョイント用途に広く適用できるが、本発明のガスケットアセンブリ10は特に多様な自走車両の用途に適すると考えられる。特に、ガスケットアセンブリ10は吸気通路ガスケットに有用である。ガスケットアセンブリ10は、複数種類のシーリング材を単一のガスケット体に組込むために今まで用いられていた同時成形および他の技術を必要とすることなく、複数の種類のシーリング材を単一のガスケットで用いることを可能にする点で特に有利である。これは特にガスケットアセンブリ10で使用するのに望まれるシーリング材の種類が、相容れない材料や処理を用いることを要する場合、またはガスケットアセンブリの製造コストに影響する特殊な処理を必要とする場合、または材料を単一のキャリアに成形するのに望ましくないもしくは不可能にする他の事項を提示する場合に特に有用である。
【0012】
ガスケットアセンブリ10は少なくとも第1のキャリア12および第2のキャリア14を含む。次に説明するように、本発明の範囲内においてさらなるキャリアを用いてもよい。第1のキャリア12および第2のキャリア14を含むキャリアは、どのような所望のガスケットキャリア材から形成されてもよい。このような材料は金属、熱可塑性や熱硬化性の材料などのエンジニアリングプラスチック材、エラストマー、複合材などを含む。第1のキャリア12および第2のキャリア14のようなキャリアは、所望のガスケット形状を有することができ、図1および図2に示されるような平板、または所望の数の湾曲した、階段のある、もしくは他の形状を含み得る。キャリアがどのような形状であっても、第1のキャリア12および第2のキャリア14のようなキャリアの各々は、積み重ねられた、またはネスト状の配置を取るように適合され、それぞれのキャリアの上面および底面が互いに接触する。第1のキャリア12および第2のキャリア14のようなキャリアは同じ材
料から作られてもよいし、異なる材料から作られてもよい。キャリア材を選択する要素としては、同じまたは異なる材料から作るべきか否かも含めて、動作環境(すなわち流体または化学的曝露、汚れや他の異物への曝露、動作温度)、スタック内でのキャリアの位置(すなわち、流体、異物などの曝露が最小である内側部材であるのか、流体、異物などの曝露が著しい外側部材であるのか)、シールジョイントのエレメントを成す材料(すなわち化学相互作用およびガルヴァニック作用)、隣接するキャリアに用いられる材料(すなわち、化学相互作用、ガルヴァニック相互作用など)、およびキャリアで使用するために選択されたシーリング材(すなわち接着強度および互換性、ポテンシャルガルヴァニック活性など)を挙げることができる。シーリング孔および非シーリング孔は適するどのような大きさおよび形状であってもよい。ここでは一般的に円筒形として示されるが、密封されるべき通路の形およびシーリング面に応じて、長方形、正方形、楕円形、卵形、三角形、または多角形や不規則な形状であってもよい。しかし、規定されたかつ連続するまたは閉じた周囲を有するよう、一般的に閉じた形をなす。孔径は密封するべき開口および通路の種類に応じて変わり得る。たとえば、吸気通路のガスケットアセンブリでは、冷却剤の通路は空燃通路と異なる大きさおよび/または形を有し、さらに空燃通路はオイルの通路および開口と異なる大きさおよび形状を有する。したがって、このような通路および開口に伴うガスケットアセンブリ10の孔の大きさは互いに異なる。
【0013】
図1−図4を参照して、第1のキャリア12は外表面16およびキャリア合わせ面18を有する。第1のキャリア12は少なくとも1つの非シーリング孔20および少なくとも1つのシーリング孔22を有する。第1のキャリア12はさらに少なくとも1つの第1のシーリング24を含み、これは第1のキャリア12に取付けられ、シーリング孔22の周囲26に沿って延在する。非シーリング孔20は関連するシーリングを有さない孔である。非シーリング孔20の主な目的は、他のキャリアに関連するシーリングに対して開口を与えることである。非シーリング孔20の位置および大きさは、他のキャリアのシーリング孔に伴うシーリングが中を通ることができるように定められる。典型的には、非シーリング孔20は他のキャリアの対応するシーリングよりもやや大きく、ガスケットアセンブリ10を組立てるためにシーリングが支障なく孔20を通るようにし、さらにこのようなシーリング40といずれかの孔20との間に適切な空間が存在するような大きさに定められ、それによりガスケットアセンブリ10の使用の際に必要ならシーリングが圧縮されて横方向に広がって十分に所望の程度の密封を得ることを可能にし、これはこのようなシーリング40の上シーリング面46および下シーリング面47に所望のシーリング圧力を与えることを含む(図6参照)。シーリング24は好ましくはシーリング孔22の側壁30に取付けられる。代替的には、シーリング24を外表面16および合わせ面18の一方もしくは両方に取付ける、または側壁30、外表面16および合わせ面18のいずれかの組合せに取付けることができる。シーリング24の取り付けは、キャリア12およびシーリング24用に選択された材料に従い変わり得る周知の成形方法を用いてシーリングをキャリア12に成形することにより、または接着剤もしくは熱的結合を用いてシーリング24をキャリア12に接続することにより、または他の周知の取り付け方法および手段であって、キャリア12などと接続する特徴を有する、シーリング24の機械的留め具、滑り変形または圧縮継手の使用を含めたものによって行なうことができる。第1のキャリアはここでは少なくとも1つの非シーリング孔12および少なくとも1つのシーリング孔22を有するよう記載されているが、第1のキャリア12は所望のガスケット構造を実施するのに必要な任意の数のシーリング孔22および非シーリング孔を有することは理解されるであろう。
【0014】
図1−図4を再度参照して、第2のキャリア14は同様に外表面32およびキャリア合わせ面34を有する。第2のキャリア14は少なくとも1つの非シーリング孔36および少なくとも1つのシーリング孔38を有する。第2のキャリア14はさらに少なくとも1つの第2のシーリング40を含み、これは第2のキャリア14に取付けられて、シーリン
グ孔38の周囲42に沿って延在する。前述のように、非シーリング孔36は関連するシーリングを有さない孔である。非シーリング孔36の主要な目的は、キャリア12のような他のキャリアに伴うシーリングが通るための開口または通路を提供することである。非シーリング孔36の位置および大きさは、シーリング孔36に伴う他のキャリアのシーリングが中を通ることができるように定められる。典型的には、非シーリング孔36は他のキャリアの対応するシーリングよりもやや大きく、ガスケットアセンブリ10を組立てるためにシーリング24が支障なく非シーリング孔36を通るようにし、さらにこのようなシーリング24といずれかの孔36との間に適切な空間が存在するような大きさに定められ、それによりガスケットアセンブリ10の使用の際に必要ならシーリングが圧縮されて横方向に広がって十分に所望の程度の密封を得ることを可能にし、これはこのようなシーリングの上シーリング面28および下シーリング面29に所望のシーリング圧力を与えることを含む(図6参照)。シーリング40は好ましくはシーリング孔38の側壁44に取付けられる。代替的には、シーリング40を外表面32および合わせ面34の一方もしくは両方に取付ける、または側壁44、外表面32および合わせ面34のいずれかの組合せに取付けることができる。シーリング40の取り付けは、キャリア14およびシーリング40用に選択された材料に従い変わり得る周知の成形方法を用いてシーリングをキャリアに成形することにより、または接着剤もしくは熱的結合を用いてシーリング40をキャリア14に接続することにより、または他の周知の取り付け方法および手段であって、キャリアなどと接続する特徴を有する、シーリング40の機械的留め具、滑り変形または圧縮継手の使用を含めたものによって行なうことができる。第2のキャリアはここでは少なくとも1つの非シーリング孔36および少なくとも1つのシーリング孔38を有するよう記載されているが、第1のキャリア12は所望のガスケット構造を実施するのに必要な任意の数のシーリング孔38および非シーリング孔36を有することは理解されるであろう。
【0015】
図1−図4を再度参照して、第1のキャリア12および第2のキャリア14の合わせ面18および34はそれぞれ互いに接触し、第1のキャリア12の少なくとも1つの非シーリング孔20は第2のキャリア14の少なくとも1つのシーリング孔38と対応して揃えられ、同様に第2のキャリア14の少なくとも1つの非シーリング孔36は第1のキャリア12の少なくとも1つのシーリング孔22に対応して揃えられている。シーリング24および40はそれぞれ対応する非シーリング孔36および20を延在するよう適合され、第1のキャリア12の外表面16において、上シーリング面28および46を含む第1のシーリング面48と、前記第2のキャリアの外表面において、下シーリング面29および47を含む第2のシーリング面50とを形成する。第1のシーリング面48を含む表面28および46は、ガスケットアセンブリ10が一部をなすシールジョイント51の嵌め合うエレメント49の設計および構成に応じて、一般に同一面上にあってもなくてもよい。同様に第2のシーリング面50を含む表面29および47は、ガスケットアセンブリ10が一部をなすシールジョイントの嵌め合うエレメントの設計および構成に応じて、一般に同一面上にあってもなくてもよい。
【0016】
ここで用いられるシーリング24および40は、シールジョイントの嵌め合うエレメントとシーリングをなすのに適するどのような材料であってもよく、含浸紙、コルク、フェルトを含む布、金属、複合物および各種のエラストマーを挙げることができる。自走車両に用いられる多くの種類のシールジョイントに本発明を適用することに関して、シーリング24および40は好ましくは各種のエラストマー材を含む。各シーリング24およびシーリング40に用いられるエラストマー材の種類はシールジョイントの性質ならびにガスケットアセンブリ10およびシーリング24、40に対する使用要件に依存する。一般に、エラストマーのシーリングは、シーリングが用いられるシールジョイントの通路に密封される流体に対する耐性によって分類することができる。シーリング24、40が時間が経ってもシーリングの完全性を保つためには、シーリング24、40は対応する通路内を流れる流体に対して耐性を持っていなければならない。本発明を自走車両に適用する場合
、耐性の一般的なカテゴリとしては、エンジン冷却剤への耐性、エンジンオイルへの耐性、オートマチックトランスミッション用液体への耐性、パワーステアリング用流体への耐性、HVAC冷媒への耐性および空燃への耐性を挙げることができる。これらの流体は周知であるさまざまな異なった化学化合物および混合物を表わすので、ここでは詳細に記載しない。自走車両における現在のシーリング用途の複雑性について、流体が互いに非常に近接しているエンジン、シリンダヘッド、吸気通路、および他のコンポーネントの通路内を頻繁に流れる用途において、間にあるシールジョイントでは、2つ以上の流体に対応する通路および開口に伴って単一のガスケットアセンブリを密封するのが望ましく、異なる化学的耐性を必要とし、それゆえ好ましくは異なるシーリング材を必要とする。したがってシーリング24およびシーリング40は、さらに2つ以上のキャリアを使用する場合または2つ以上の種類のシーリング材を1つのキャリアに組込む場合は追加のシーリングは、耐エンジン冷却剤のエラストマー、耐燃料のエラストマー、耐エンジンオイルのエラストマー、耐オートマチックトランスミッション用液体のエラストマー、耐パワーステアリング用流体のエラストマー、および耐冷媒のエラストマーからなる群から、設計要件に従い選択することができる。本発明に従い、各種の群の部材は、これらの流体に周知の耐性を有するエラストマー材を含む。たとえば、耐空燃のエラストマーは各種の過フッ化炭化水素および他のエラストマーやゴムを含み、たとえばビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンエラストマー(FKM)、テトラフルオロエチレン/プロピレンエラストマー(FEPM)、エピクロルヒドリンエラストマー(ECO)、水素添加アクリロニトリルブタジエン共重合体エラストマー(HNBR)ならびにメチルおよびビニル基を有するフルオロシリコーン(VMQ)(燃料蒸気のみ)を挙げることができる。耐オイルのエラストマーは各種の過フッ化炭化水素エラストマーおよび他のエラストマーを含み、たとえばポリクロロプレン(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エラストマー(NBR)、HNBR、アルキリアクリル酸共重合体エラストマー(ACM)、エチレンアクリル酸(AEM)、FKMおよびFEPMを挙げることができる。寿命の長い冷却液を含む冷却剤に耐性を有するエラストマーは各種の過フッ化炭化水素および他のエラストマーやゴムを含み、たとえばエチレンプロピレン二量体、または三量体であって、ジエン(EPDM)、VMQ、NBR、HNBR、FKM(過酸化物硬化のみ)およびFEPMを有するものを挙げることができる。耐オートマチックトランスミッション用液体のエラストマーは各種の過フッ化炭化水素エラストマーおよび他のエラストマーを含み、たとえばFKM、FEPM、HNBR、ACM、AEMおよびエチレン酢酸ビニル(EVA)を挙げることができる。耐冷媒のエラストマーは各種のエラストマーを含み、たとえばHNBRおよびEPDMを挙げることができる。耐パワーステアリング用流体のエラストマーは各種のエラストマーを含み、たとえばHNBRおよびNBRを挙げることができる。
【0017】
ガスケットアセンブリ10は好ましくは第1のキャリア12と第2のキャリア14とを結合するための手段を含むことができる。これはキャリアを結合するための一時的または恒久的手段を含むことができる。恒久的手段は、相対する表面の一方もしくは両方に与えられる、またはキャリアの間もしくはその周囲に延在するさらなる部材への各種の接着材、キャリアを通るリベットや他の留め具、キャリアの間またはその周囲に沿った溶接、熱的結合もしくはろう付け、またはキャリアを互いに結合するための他の周知の手段を含むことができる。
【0018】
図1−図6を再度参照して、本発明は第1のキャリア12および第2のキャリア14について図示および記載されているが、本発明は所望の数のキャリアを含むことができ、また対応する数の異なる種類のシーリングを含んでもよいことは理解されるであろう。さらに、2つのキャリアを使用する場合でも、各キャリアは2つ以上の種類のシーリングを組込んでもよいことは理解されるであろう。したがって、本発明はガスケットアセンブリ10であって、複数のキャリア12、14(たとえば、2−n個のキャリアであって、nはキャリアの個数)を含み、各キャリアは少なくとも1つの非シーリング孔(すなわち非シ
ーリング孔20、36)および少なくとも1つのシーリング孔(すなわちシーリング孔22、38)を有し、シーリング(すなわちシーリング24、40)がシーリング孔の周囲(すなわち周囲26、42)に沿って延在してキャリアに取付けられる。複数のキャリアはキャリアのスタック52を含み、スタック52の各キャリアは少なくとも1つの他のキャリアと接触し、キャリアの非シーリング孔はシーリング孔に対応して揃えられ、各シーリングは他のキャリアの対応する揃えられた非シーリング孔を通って延在し、スタック52の第1の外表面54に第1のシーリング面48とスタック52の第2の外表面56に第2のシーリング面50とを与える。所与のキャリアに対して複数の種類のシーリングを組込むことについて、図5を参照して、第1のエラストマー材を表わすシーリング24と、第1のエラストマー材と異なる第2のエラストマー材を表わし、上シーリング面28′および下シーリング面29′を有するシーリング24′とは、複数の異なる種類のシーリングが1つのキャリアに取入れることができるということを示すためにある。さらに、この概念はスタック52の1つ以上のキャリア、またはすべてのキャリアに展開することができる。こうして複数の異なる種類のシーリングを各キャリアスタックに取入れることができる。
【0019】
本発明の利点は、単一のシールジョイントによって、ここに記載される流体の組合せの一部のように、新たな組合せの流体の通過を容易にすると考えられ、それにより自走車両や他の用途において新しい種類のシールジョイントを可能にする。これは、冷却のような処理のために、現在知られておりかつ行なわれているもの以外の部分に流体を通すことを促進し得る。
【0020】
本発明のさまざまな変更および変形が上記の教示に照らして可能である。したがって、特許請求の範囲内において、本発明は特定的に記載されているような態様以外で行なうことができることは理解される。本発明は請求項によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のガスケットアセンブリのエレメントの分解斜視図である。
【図2】本発明のガスケットアセンブリの組立てられたエレメントの斜視図である。
【図3A】図1の線3A−3Aに沿った断面図である。
【図3B】図1の線3B−3Bに沿った断面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った断面図である。
【図5】本発明のガスケットおよびシーリングされるべき関連するエレメントの分解略断面図である。
【図6】本発明のガスケットおよびシールジョイントを形成するために結合される関連するエレメントの略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケットアセンブリであって、
外表面と、キャリア合わせ面と、少なくとも1つの非シーリング孔と、少なくとも1つのシーリング孔と、少なくとも1つの第1のシーリングとを有する第1のキャリアを備え、第1のシーリングは前記第1のキャリアに取付けられかつシーリング孔の周囲に沿って延在し、さらに
外表面と、キャリア合わせ面と、少なくとも1つの非シーリング孔と、少なくとも1つのシーリング孔と、少なくとも1つの第2のシーリングとを有する第2のキャリアを備え、第2のシーリングは前記第2のキャリアに取付けられかつシーリング孔の周囲に沿って延在し、前記第1のキャリアおよび前記第2のキャリアの合わせられる面は互いに接触し、前記第1のキャリアの少なくとも1つの非シーリング孔は前記第2のキャリアの少なくとも1つのシーリング孔に対応して揃えられ、前記第2のキャリアの少なくとも1つの非シーリング孔は前記第1のキャリアの少なくとも1つのシーリング孔に対応して揃えられ、各シーリングはそれぞれの対応する非シーリング孔を延在するよう適合され、前記第1のキャリアの外表面において第1のシーリング面と前記第2のキャリアの外表面において第2のシーリング面とを与える、ガスケットアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも1つの第1のシーリングおよび少なくとも1つの第2のシーリングはそれぞれエラストマー材から形成される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも1つの第1のシーリングは、前記第1のキャリアの少なくとも1つのシーリング孔の側壁に取付けられ、少なくとも1つの第2のシーリングは前記第2のキャリアの少なくとも1つのシーリング孔の側壁に取付けられる、請求項1に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも1つの第1のシーリングおよび少なくとも1つの第2のシーリングは異なるエラストマー材を含む、請求項2に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項5】
少なくとも1つの第1のシーリングおよび少なくとも1つの第2のシーリングは同じエラストマー材を含む、請求項2に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項6】
ガスケットアセンブリは自走車両のガスケットアセンブリである、請求項4に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項7】
第1のシーリングのエラストマー材および第2のシーリングのエラストマー材は、耐エンジン冷却剤のエラストマー、耐燃料のエラストマー、耐エンジンオイルのエラストマー、耐オートマチックトランスミッション用液体のエラストマー、耐冷媒のエラストマー、および耐パワーステアリング用流体のエラストマーからなる群から選択される、請求項6に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項8】
第1および第2のエラストマー材はFKM,FEPM,ECO,HNBR,VMQ,CR,NBR,ACM,AEM,EVAおよびEPDMからなる群から選択される、請求項6に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項9】
第1のキャリアを第2のキャリアに結合するための手段をさらに備える、請求項1に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項10】
複数のキャリアを備えるガスケットアセンブリであって、各キャリアは少なくとも1つの非シーリング孔および少なくとも1つのシーリング孔を有し、シーリング孔の周囲に沿
って延在しかつキャリアに取付けられるシーリングを有し、複数のキャリアはキャリアのスタックを含み、前記キャリアの各々は前記キャリアの少なくとも他の1つと接触し、キャリアの非シーリング孔はシーリング孔と対応して揃えられ、各シーリングは他のキャリアにおける対応して揃えられる非シーリング孔を通って延在し、スタックの第1の外表面において第1のシーリング面とスタックの第2の外表面において第2のシーリング面とを与える、ガスケットアセンブリ。
【請求項11】
各シーリングはエラストマー材から形成される、請求項1に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項12】
シーリングはシーリング孔の側壁に取付けられる、請求項1に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項13】
各キャリアのシーリングは、他のキャリアと異なるエラストマー材を含む、請求項11に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項14】
各キャリアのシーリングは同じエラストマー材を含む、請求項11に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項15】
ガスケットアセンブリは自走車両のガスケットアセンブリである、請求項13に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項16】
第1のシーリングのエラストマー材および第2のシーリングのエラストマー材は、耐エンジン冷却剤のエラストマー、耐燃料のエラストマー、耐エンジンオイルのエラストマー、耐オートマチックトランスミッション用液体のエラストマー、耐冷媒のエラストマー、および耐パワーステアリング用流体のエラストマーからなる群から選択される、請求項15に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項17】
第1および第2のエラストマー材はFKM,FEPM,ECO,HNBR,VMQ,CR,NBR,ACM,AEM,EVAおよびEPDMからなる群から選択される、請求項16に記載のガスケットアセンブリ。
【請求項18】
スタックを形成するために複数のキャリアを一緒に結合するための手段をさらに備える、請求項10に記載のガスケットアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−519944(P2008−519944A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540340(P2007−540340)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/038244
【国際公開番号】WO2006/052432
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】