説明

ガスタービン制御のための可変抽気方法

【課題】空気分離部を備えたガス化混合発電システムの一部を構成するガスタービンエンジンの負荷を制御する方法を提供する。
【解決手段】(1)タービン圧縮機104により圧縮された圧縮空気を抽気するステップと、(2)前記抽気された圧縮空気を前記空気分離部204に供給するステップと、(3)前記ガスタービンエンジン100の所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機104から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ガスタービンエンジンの動作を制御する方法に関する。より詳細には、本発明は、これに限定されるものではないが、ガス化混合発電システムの一部を構成するガスタービンエンジンの動作を、タービン圧縮機からの圧縮空気の抽気量を変更することにより制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新のガス化混合(以後、「IGCC」と呼ぶ。)発電システムでは、空気分離部を使用して、酸素をガス化部に供給し、そこでガスタービンで燃料として使用される部分燃焼ガスを生成する。圧縮空気は一般的に、メイン空気圧縮機から、および/またはガスタービン圧縮機の排気から抽気して空気分離部に供給される。最新のものでは、タービン圧縮機の排気から抽気される圧縮空気の量は、圧縮機の流れに対してほぼ一定であり、空気分離部の外的要因の要件にのみ基づいている。
【0003】
このようなシステムにおいて、ガスタービンの動作目標は、所望の負荷レベルを満たしながらも、効率を最大にすることにある。これは、ガスタービン部が、周囲条件が変化しても、最大負荷レベルを超えることなく所望の最大レベルの負荷で、しかもタービンの動作限界を超えない範囲で動作できるようにすることを含む。動作限界とは、例えば、タービンまたは燃焼器の部材内の最大許容温度を含む。これらの温度を超過することは、タービン部材の破損や、或いは排気レベルの増加の原因となりうる。他の動作限界として、最大圧縮機圧力比が含まれる。この限界値を超過すると、部材内の流れが急変し、タービンに多大な損傷が生じる可能性がある。さらに、タービンは、燃焼されたガスがタービンから排出される際の燃焼ガスの最大流速を示す最大マッハ数を持っている場合がある。この最大流速を超えた場合、タービンの部材が損傷する可能性がある。
【0004】
したがって、動作要件を満たしながらも効率を向上させるガスタービンの動作制御は、産業界においてとても大きな目標である。タービン作業者は上述の目的を満たすため、いくつかの既知の方法を用いてタービンの負荷を制御または制限している。これらの既知の方法は、インレットブリードヒート(inlet bleed heat)、圧縮機の入口案内羽根、および/またはタービン燃料供給の操作も含む。
【0005】
インレットブリードヒートは、タービン作業者がタービン圧縮機の排出空気を抽気し、この抽気した空気を再び圧縮機の圧縮機給気口に戻して再循環させることを可能にする。圧縮機の流れの一部が吸気口で再利用されることから、この方法は、タービンを通過して広がる圧縮機を通る流量を削減し、タービン出力を削減する。このガスタービン負荷の制御方法はまた、高温の圧縮機排出空気の一部が温度の低い周囲空気と混合することにより、高温の圧縮機吸気口の吸気温度を上げる可能性がある。この温度の上昇は、空気密度を下げるため、ガスタービンへの質量流も下げることになる。このアプローチを用いると、変化する周囲条件を通して(動作限界を遵守しながらも)、最大レベル負荷で動作することを可能にするが、ガスタービンの熱効率を下げ、コストも上がる。
【0006】
ガスタービンを通過する質量流を削減する他の一般的な方法としてタービン圧縮機への空気流を制御する入口案内羽根の閉鎖があるが、この方法は、タービン負荷を制御または制限するために用いることができる。入口案内羽根を閉鎖すると圧縮機への空気の通路が制限されるため、圧縮機に流入する空気の量は減少する。このアプローチはまた、変化する周囲条件を通して(動作限界を遵守しながら)、ガスタービン部が最大レベルの負荷で動作することを可能にするが、圧縮機をその最適設定ポイントから離れて動作させるため、ガスタービンの熱効率は下がる。
【0007】
最後に、タービン負荷は、燃焼器への燃料流を削減することにより制御または制限することができる。これは、タービンの燃焼温度とガスタービンエンジンの出力を下げることになる。周囲温度が下がった場合、この処置は、タービンを最大レベル負荷に保つことを可能にする。しかしながら、当該技術分野で既知のように、燃焼温度の削減は、ガスタービンエンジンの効率を下げる。
【0008】
これらの既知の制御方法はこのようにガスタービンエンジンの効率に不利な影響を及ぼす。さらに、これらの制御方法には、IGCC発電システムの一部を構成する特定のコンポーネントにシステムをより効率的に動作することを可能にする利点を提供するものはない。このため、IGCC発電システムで使用されるガスタービンの負荷を制御するより効率的な方法が必要とされている。
【特許文献1】米国特許第6,945,030号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
このように本発明は、空気分離部を備えたガス化混合発電システムの一部を構成するガスタービンエンジンの負荷を制御する方法において、前記方法は、(1)タービン圧縮機により圧縮された圧縮空気を抽気するステップと、(2)前記抽気された圧縮空気を前記空気分離部に供給するステップと、(3)前記ガスタービンエンジンの所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップとを含むことを特徴とする方法を説明する。
【0010】
いくつかの実施の形態では、前記方法は更に、前記空気分離部にメイン空気圧縮機からの圧縮空気を供給するステップを含んでも良い。前記タービン圧縮機から吸気される前記圧縮空気の前記量に基づいて、前記空気圧縮機により前記空気分離部に供給される前記圧縮空気の量を変更しても良い。圧縮空気の組み合わせ供給は、前記空気分離部に前記メイン空気圧縮機により供給される前記圧縮空気の量と、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を含んでも良い。前記圧縮空気の組み合わせ供給は、前記空気分離部が必要とする圧縮空気の供給の合計を満たす圧縮空気の供給であっても良い。
【0011】
いくつかの実施の形態では、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量に基づいて前記空気分離部に前記メイン空気圧縮機により供給する前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量が増加すると、前記メイン空気圧縮機により前記空気分離部に供給される前記圧縮空気の量を減少するステップを含んでも良い。前記空気分離部に前記メイン空気圧縮機により供給される前記圧縮空気の減少量は、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の増加量とほぼ同量で良い。前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量に基づいて前記空気分離部に前記メイン空気圧縮機により供給する前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量が減少すると、前記メイン空気圧縮機により前記空気分離部に供給される前記圧縮空気の量を増加するステップを含んでも良い。前記空気分離部に前記メイン空気圧縮機により供給される前記圧縮空気の増加量は、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の減少量とほぼ同量で良い。
【0012】
いくつかの実施の形態では、更に、前記方法は、周囲温度に基づいてタービン圧縮機から抽気される圧縮空気の量を変更するステップを含んでも良い。前記周囲温度に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記周囲温度が減少すると前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を増加するステップを含んでも良い。前記周囲温度に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記周囲温度が増加すると前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を減少するステップを含んでも良い。
【0013】
いくつかの実施の形態は、前記ガスタービンエンジンの所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップは、(1)前記ガスタービンエンジンの実負荷を測定するステップと、(2)前記ガスタービンの前記実負荷と前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷を比較するステップとを含んでも良い。前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量は、前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷に対する前記ガスタービンの前記実負荷との前記比較に基づいて変化する。更に、前記方法は、前記ガスタービンの前記実負荷が前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷を上回る場合、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を増加するステップを含んでも良い。更に、前記方法は、前記ガスタービンの前記実負荷が前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷を下回ると測定された場合、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を減少するステップを含んでも良い。
【0014】
更にここでは、ガス化混合発電システムの一部を構成するガスタービンエンジンの負荷を制御するシステムにおいて、(1)空気を圧縮するタービン圧縮機を有した空気分離部と、(2)タービン圧縮機から圧縮空気を抽気する手段と、前記抽気された圧縮空気を前記空気分離部に供給する手段と、(3)前記ガスタービンエンジンの所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更する手段とを含むことを特徴とするシステムを開示する。
【0015】
前記システムは更に、前記ガスタービンエンジンの実負荷を測定する手段を含んでも良い。前記ガスタービンエンジンの所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更する手段は、前記ガスタービンの前記実負荷と前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷を比較する手段と、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を、前記ガスタービンエンジンの前記所望の負荷に対する前記ガスタービンの前記実負荷の前記比較に基づいて変化する手段とを含んでも良い。前記ガスタービンエンジンの所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量を変更する手段は、PIDコントローラを含んでも良い。
【0016】
前記システムは更に、前記空気分離部にメイン空気圧縮機からの圧縮空気を供給するメイン空気圧縮機を含んでも良い。前記システムは更に、前記メイン空気圧縮機により前記空気分離部に供給される前記圧縮空気の量を変更する手段を含んでも良い。前記メイン空気圧縮機により供給される前記圧縮空気の量は、前記タービン圧縮機から抽気される前記圧縮空気の量に基づいて変更されても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、それぞれの図面において、同様の構成には同様の番号が付されている。図1は、本発明のいくつかの実施の形態で使用可能な典型的なガスタービンエンジン100の概略図である。ガスタービンエンジン100は、直列に連結されたタービン圧縮機104、燃焼器106、タービン108を含んでも良い。タービン圧縮機104とタービン108とは、さらにタービン108と連結され発電機(図示されてない)を駆動する、軸110により連結されても良い。ここに図示され説明されるガスタービンエンジン100は一例に過ぎないが、いくつかの実施の形態では、ガスタービンエンジン100は、ゼネラルエレクトリック社から市販されている7FBエンジンでも良い。したがって、ガスタービンエンジン100は、図1に示され説明されるガスタービンエンジンに限定されることはなく、むしろガスタービンエンジン100は如何なるガスタービンエンジンでも良い。例えば、ある代替の実施の形態では、ガスタービンエンジン100は、発電機(図示されてない)とタービン圧縮機104とをそれぞれ別個に駆動する2本の軸を有する多軸型ガスタービンエンジンでも良い。
【0018】
動作時に、空気(矢印112で示される)は、ガスタービンエンジン100へタービン圧縮機104を介して流入して、圧縮されても良い。圧縮された空気はさらに、燃焼器106へ導かれ、燃料と混合され、点火されても良い。燃焼器106からの膨張する高温ガスは、回転するタービン108を駆動し、排気デフューザ114を介してガスタービンエンジン100から(矢印113で示されるように)排出されても良い。さらに、いくつかの実施の形態では、タービンエンジン100からの排気ガスは、蒸気を発生して蒸気タービン(図示されてない)を駆動する熱回収蒸気発生器(図示されてない)に供給されても良い。
【0019】
図2は、本発明の特定の実施の形態で使用可能な典型的なガス化混合(「IGCC」)発電システム200の概略図である。当業者には、最新の用途はIGCC発電システム200との使用に限定さることはなく、ガスタービンエンジンを含むその他のシステムにも利用可能であることは明らかである。IGCC発電システム200は、上述のガスタービンエンジン100を組み入れても良い。IGCC発電システム200はさらに、メイン空気圧縮機202と、メイン空気圧縮機202およびタービン圧縮機104と流体連通した空気分離部204と、空気分離部204と流体連通したガス化部206と、ガス化部206と流体連通した燃焼器106と、タービン108とを含んでも良い。図2の矢印は流れの方向を示す。
【0020】
一般的な動作では、当該技術分野で既知の一つ以上の圧縮機を有するメイン圧縮機202は、周囲空気を圧縮するようになっている(流れは矢印207で示される)。メイン圧縮機202からの圧縮空気は空気分離部204に導かれるようになっている。タービン圧縮機104から圧縮空気が抽気され、空気分離部204へ送られるようになっている。タービン圧縮機104からの圧縮空気の抽気は、タービン圧縮機104からの圧縮空気を管へ集配して、こうして抽気された圧縮空気を空気分離部204へ導いて行われる。管には、蝶形弁、或いはその他の類似した弁(図示されてない)が配設されており、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量を制御するようになっている。当業者には、タービン圧縮機104からある量の圧縮空気を抽気して、空気分離部204へ供給するためにこの他の方法およびシステムを用いても良いことは明らかである。このように、空気分離部204は、その機能のために必要な圧縮空気の供給をメイン圧縮機202からと、タービン圧縮機104から抽気された圧縮空気から受けることができる。
【0021】
次に空気分離部204は、当該技術分野で既知の方法により供給された圧縮空気を用いてガス化部206用に酸素を生成しても良い。より詳細には、空気分離部204は、圧縮空気を酸素流(その流れは経路208で示される)と、「処理ガス」とも呼ばれるガス副生成物とに分離しても良い。空気分離部204により生成される処理ガスは窒素を含み、本明細書では「窒素処理ガス」と呼ばれる。窒素処理ガスはさらに、酸素、アルゴなどのその他のガスを含んでも良い。いくつかの実施の形態で、窒素処理ガスは、約95%から約100%の間の窒素を含んでも良い。
【0022】
空気分離部204からの酸素流は、ガスタービンエンジン100で燃料として使用される、本明細書で「合成ガス」と呼ぶ、部分燃焼ガスを生成するためにガス化部206へ送られる。いくつかの既知のIGCCでは、窒素処理ガス流、すなわち空気分離部204の副生成物の少なくとも一部は、大気へ放出されても良い(その流れは経路210で示される)。いくつかの既知のIGCCでは、タービン108の排気制御を容易にするため、その他の窒素ガス流の一部は窒素ブースト圧縮機208へ供給され(その流れは経路211で示される)、その後燃焼器106に供給される。
【0023】
ガス化部206は、燃料(その流れは経路212により示される)、空気分離部204から供給される酸素(その流れは経路208により示される)、蒸気(その流れは経路213により示される)、および/または、石灰石(図示されてない)の混合体を、当該技術分野で既知の燃料としてガスタービンエンジン100により用いられる合成ガスに変換して出力する。いくつかの既知のIGCCシステムにおいて、ガス化部206は、多くの種類の燃料を使用することができるが、ガス化部206は、粉炭、石油コークス、残油、油乳剤、タールサンド、および/またはその他の類似した燃料を用いても良い。いくつかの既知のIGCCシステムにおいて、ガス化部206により生成される合成ガスは、二酸化炭素、硫黄、またはその他の不要な汚染物質を含む場合がある。当該技術分野で既知のように、ガス化部206により生成される合成ガス(その流れは経路214により示される)は、酸除去システムとしても知られている浄化器216で浄化され、その燃焼のために燃焼器106に送られる前に、それらの汚染物質の一部または全てを除去しても良い。
【0024】
ガスタービンエンジン100からの出力は、電力供給網(図示されてない)に電力を供給する発電機(図示されてない)を駆動しても良い。ガスタービンエンジン100からの排気ガスは、蒸気を生成して蒸気タービン(図示されてない)を駆動する熱回収蒸気発生器(図示されてない)に供給されても良い。蒸気タービンにより生成された出力は、電力供給網に電力を供給する発電機(図示されてない)を駆動しても良い。いくつかの既知のIGCCシステムでは、熱回収蒸気発生器からの蒸気はまた、ガス化部206に送られて、合成ガスが生成されるようになっている。
【0025】
本発明の実施の形態の一部では、タービン圧縮機104から抽気され、空気分離部204へ供給される圧縮空気の量は、IGCC電力システム200のタービン100の負荷を制御するための手段として、および/または、タービン100の動作限界に合わせるための手段として変化しても良い。例えば、図3は、典型的なタービン100の制御および動作などの効果を示している。図3は、周囲条件の変化に応じて、タービンの最大負荷を効率的に保つ(超過しない)ようにタービン圧縮機からの圧縮空気の抽気のレベルが変化する、ガスタービンエンジン100の典型的な動作を示すグラフを含む。図3(a)は、周囲温度(Tamb)に対する抽気率(すなわち、タービン圧縮機104から抽気され、空気分離部204に供給される圧縮空気の割合)を示す典型的な効果を示す図である。図3(b)は、抽気率が変化する際の、周囲温度に対する圧縮機マージンを示す典型的な効果を示す図である。圧縮機マージンは、タービン圧縮機104の測定圧力比と、タービン圧縮機104でサージが発生している場合を除く、圧縮機が所定の流速で動作可能な最大圧力比との差分を反映することができる。最小圧縮機動作限界線302は、ガスタービンエンジン100の動作時にシステムオペレータにより許容される最小許容可能圧縮機マージンを反映することができる。図3(c)は、抽気率が変動する際の周囲温度に対するタービン出力(すなわち負荷)を示す典型的な効果を示す図である。最大ベース負荷レベル線303は、タービン100の最大許容可能負荷を反映することができる。
【0026】
図3(a)、図3(b)、図3(c)に示されるように、これらの場合では、周囲温度が下がると抽気率が上昇し、タービン100の最大ベース負荷レベルおよびその他の動作限界が超えられることはない。以下に説明するグラフは典型的なデータのみを含み、最新のアプリケーションの本方法および本システムを用いた一般的なガスタービンの動作を説明することのみを目的としたものであることに留意されたい。これらのグラフに関連するポイント、範囲およびデータは、別の条件下のシステムでは実質的に異なる場合がある。図3(a)に示すように、周囲温度が約華氏70度(摂氏21度)で、抽気率はほぼ5%(ポイント304)となる。周囲温度が約華氏50度(摂氏10度)に下がると、抽気率は約7%(ポイント306)に上昇する。図3(b)に示すように、約華氏70度(摂氏21度)で動作限界線(「OLL」)および約5%の抽気率に対する圧縮比マージンは約0.3となる(ポイント308)。約華氏50度(摂氏10度)のOLLおよび約7%の抽気率に対する圧縮機比マージンは約0.45となる(ポイント310)。図3(c)に示されるように、変化する周囲条件を通して、約華氏70度(摂氏21度)(ポイント312)と華氏50度(摂氏10度)(ポイント314)の両方で最大ベース負荷レベルが保たれる(すなわち、温度が華氏70度から華氏50度(摂氏21度から摂氏10度)に下がってもタービン100の負荷は最大ベース負荷レベル線303に留まる)。
【0027】
図3(a)、図3(b)、図3(c)が示す効果は、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量を可変とする動作上の利点を明らかにしている。第1に、タービン圧縮機からの圧縮空気の可変抽気は、タービン100の動作時に動作限界を遵守することを可能にする付加的な可変制御を実現できる。図3を参照して説明したように、周囲温度が華氏70度から華氏50度(摂氏21度から摂氏10度)に下がっても、最大ベース負荷レベル(ポイント312および314)は保たれ、許容可能な圧縮機マージンは保たれている(ポイント308および310から明らかなように、レベルは実際0.30から0.45に下がっている)。さらに、可変抽気は、変化する周囲条件を通して、タービン100の最大ベース負荷レベルを可能にしている。当該技術分野で既知のように、その他の動作要因が一定に留まるとした場合、周囲温度の降下はタービン出力の増加につながる。このため、図3の例からさらに、タービン100が既に最大ベース負荷レベルで機能している際に、周囲温度が華氏70度から華氏50度(摂氏21度から摂氏10度)に下がる場合、タービン作業者は、タービン100を最大ベース負荷レベル(を超えないように)に保つため、適当な制御処置を開始する必要が生じる。当該技術分野で既知のように、これらの制御措置は、流入熱の抽出(すなわち、タービン圧縮機104の排出空気を抽気し、抽気した空気を圧縮機吸気口へ戻して再循環させる)、入り口案内羽根の閉鎖、および/またはタービン供給燃料の削減(すなわち、タービン流入温度の削減)を含んでも良い。上述したように、しかしながら、これらの制御処置は、ガスタービン100の熱効率を下げ、タービン圧縮機104からの抽気率を上げるほど有効ではない。図3(a)、図3(b)、図3(c)に示されるように、抽気レベルが変化することにより、変化する周囲条件を通して、ガスタービン100がその最大ベース負荷レベルを超えることを首尾良く防止している。
【0028】
第2は、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の供給の増加分が、空気分離部204に供給するためにメイン圧縮機202から必要とされる圧縮空気の量を、同等の分量だけ削減することができる。これは、メイン圧縮機202の使用量の削減となり、このコンポーネントのエネルギー消費の削減は、システムの全体的な効率を高めることになる。さらに、メイン圧縮機202の使用量の削減は、これに関連する保守費用の削減にもなる。このように、タービン100の負荷を制御する従来の方法とは異なり、空気分離部204への圧縮空気の抽気レベルを変更することは、タービン圧縮機104から空気分離部204へ送られる圧縮空気の供給を増加して、制御処置を効率的に使用することになる(すなわち、メイン圧縮機202の出力要件を下げ、そのコンポーネントのエネルギー消費を削減する)。
【0029】
一方で、上述の例において、周囲温度が華氏50度(摂氏10度)に下がり、タービン圧縮機104からの抽気率が一定、すなわち、華氏70度(摂氏21度)で約4%のレベル、に留まった場合、タービン100のオペレータは、タービン出力を制限するため、インレットブリードヒート、入口案内羽根の閉鎖、および/またはタービン燃料供給の削減などの動作を開始する必要があった。さらに、全体的なシステムは、タービン圧縮機104からの抽気された圧縮空気の量の差分を4%から7%の抽気レベルの範囲にメイン圧縮機202で埋め合わせる必要があり、これはシステム全体の効率をさらに下げることになった。
【0030】
図3(a)、図3(b)、図3(c)に示されるように、周囲温度が上がると概して抽気率は下がるため、タービン出力は最大ベース負荷レベル線303に保たれる(すなわち、抽気率が下がらず、その他の動作要因も一定に留まった場合、周囲温度が上昇するとタービン出力が下がる。)。周囲温度が上昇し続けると、あるポイントで、抽気された圧縮空気の比率がさらに下がったとしても、タービン100はもはや動作限界(圧縮機の動作限界線302など)を遵守しながら最大ベース負荷レベル線303の負荷要件を満たすことができなくなる。図3において、これは約華氏80度(摂氏27度)で発生しているが、異なる条件で異なるシステムの場合は、この他の温度で発生する場合もある。このようなポイントでは、動作タービン100の動作限界を超えずに、最大ベース負荷レベル線303が保たれるように抽気率が下がることはもはやない。このポイントまで、変化する周囲条件を通して、タービン出力(すなわち負荷)は効率的に所望の最大レベルに制御される。
【0031】
図4(a)および図4(b)の二つのグラフは、変化する周囲条件を通して、燃焼器から排出されるガスの最大許容温度を超えることなく、タービン100が一定の負荷で動作するように、燃焼器106内の温度がどのように変化するのかを示している。これらのグラフで、「Tfire」は、燃焼器106内の第1段階ノズルから排出されるガスの温度を表し、「T3.9」は、燃焼器から排出されるガス106の温度を表している。ここに示されるように、周囲温度が下がると、最大T3.9線402で示される最大許容温度T3.9が超えられることのないようにTfireは下がる。最初に、周囲温度が約華氏100度から華氏60度(摂氏38度から摂氏16度)に下がると、Tfireは最大Tfire線404により示される最大許容可能温度Tfireに対応する温度に保たれる。さらに、周囲温度が華氏100度から華氏60度(摂氏38度から摂氏16度)に下がると、T3.9温度は最大T3.9線のポイント406に到達するまで上昇する。周囲温度が華氏60度(摂氏16度)からさらに(同時に上述のように一定の負荷に保ちながら)下がると、最大T3.9線402を超えないようにTfireは下がる。例えば、周囲温度が華氏40度(摂氏4度)の場合、T3.9温度が最大T3.9線402(ポイント410)を超えないように、Tfireは最大Tfire線404(ポイント408)を下回るレベルまで下がる。
【0032】
可変抽気(すなわち、空気分離部204に供給するためにタービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量が可変)を用いると、最大T3.9線402および最大Tfire線404などの動作限界を遵守しながら、確実にシステム効率を最大とすることができる。タービン負荷レベルの制限のため、例えば、燃料流を下げるとした場合、TfireおよびT3.9の温度はそれぞれの限界値まで最大化されない。一方で、高いシステム温度とシステム効率向上との両方の直接的な関係から、最大Tfire/T3.9温度に保つために抽気を可変とした場合はより効率的である。このため、最大Tfire/T3.9温度を保ちながら最大負荷レベルを超えないように周囲温度が下がると抽気が上昇する。
【0033】
図5(a)および図5(b)の二つのグラフは、変化する周囲条件を通して、タービン100から排出される流動体の最大速度を超えることなく、タービン100が一定の負荷で作動するように、入口案内羽根の設定がどのように変化するのかを示している。このグラフで、「IGV」は入口案内羽根の設定(すなわち、角度)を表し、「Axial Exit MN」は、タービンマッハ数とも呼ばれるタービン100から排出される際の流動体の速度を表す。図示されるように、周囲温度が約華氏80度(摂氏27度)を下回ると、最大マッハ数線502で示される流動体の最大許容可能排出速度が超えられないように入口案内羽根の角度は下がる(すなわち、入口案内羽根はさらに「閉」となる)。例えば、華氏60度から華氏40度(摂氏16度から摂氏4度)で、IGV角度は約83度(ポイント504を参照)から約81度(ポイント506を参照)に下がり、流動体の排出速度は最大マッハ数線502以下に保たれる(ポイント508および510を参照)。
【0034】
可変抽気を用いると、最大マッハ数線502などの動作限界を確実に遵守しながら、入口案内羽根設定操作などのその他の従来の制御手段を超えて、システムの効率性を最大とすることが可能になる。例えば、タービン圧縮機104から吸気される圧縮空気の割合を高めることにより、タービン104を通して拡張する利用可能な圧縮機流の量を下げ、タービンから排出される流動体の速度を下げることが可能となる。このように、周囲温度が下がると、入口案内羽根の操作を介してタービン圧縮機104への空気流を下げる必要が、タービン圧縮機104からの吸気のレベルを変更する(この場合、増加)ことにより減少する。とりわけ、抽気される空気の量を増加して空気分離部204に供給して、メイン空気圧縮機202の需要を減らし、全体的なシステム効率を向上することから、既に説明したように、タービン100から排出される際の流動体の最大許容速度などの動作限界を保つように抽気を変化することは、入口案内羽根を閉鎖することよりもより効果的である。
【0035】
したがって、IGCC発電システム200の動作時に、空気分離部204に供給するためにタービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量を変化することにより、タービン100の負荷を制御し、タービン100の動作限界を、システムの効率性が最大となるように保つことができる。さらに、タービン圧縮機104から抽気した圧縮空気の供給を増やすことにより、メイン空気圧縮機202のエネルギー消費を削減し、IGCCシステム200の全体的な効率を向上することができる。このタービン100の制御方法は、図6から図8に示す制御処理を含むが、これに限定されない複数の方法により実現することができる。
【0036】
図6は、タービン100の排気温度(「Texh」)を設定するために用いることが可能な典型的な制御処理を説明するフロー図である。ブロック602で、タービン圧縮機104を介した圧力比が測定される。ブロック604で、圧力比の測定値を用いて、部分負荷条件(すなわち、ベース負荷の約96%を下回る動作条件)のTexhが算出される。算出された部分負荷Texhはさらに、スイッチ608の状態に応じて「最小選択」ブロック606に送られる。タービン100が部分負荷条件で動作していると判断されると、スイッチ608は閉じ、算出された部分負荷Texhは通過して最小選択ブロック606に送られるようになる。一方、タービン100が部分負荷条件で作動していないと判断されると、スイッチ606は開状態となり、算出された部分負荷Texhは最小選択ブロック606には送られない。
【0037】
ブロック610で、測定された圧縮機圧力比602と、燃焼器106の最大許容可能排気温度を表す既知の燃焼器排気温度限界612に基づいて別のTexh設定ポイント算出が行われる。ブロック610で算出されたTexhは最小選択ブロック606に入力される。最小選択ブロック606はこれら二つの入力、すなわち、ブロック604(スイッチ608が閉位置とする)およびブロック610から、最小Texh設定ポイントを選択するように機能する。
【0038】
第2最小選択、最小選択ブロック613は、最小選択ブロック606およびブロック614からの入力から最小の方の、算出されたTexh設定ポイントを選択する。ブロック614で、ブロック602で測定された圧縮機比および既知のタービン吸気温度の最大値616(すなわち、タービン入口で許容可能な最大温度)からTexh設定ポイントが算出される。これらの二つの入力の最小の方が最小選択ブロック613で選択され、その結果がTexh設定ポイント618となる。
【0039】
図7は、タービン100の入口案内羽根の角度を決定する、入口案内羽根の設定ポイントの算出に用いることが可能な典型的な制御処理を示すフロー図である。ブロック702で、目標とするタービン排気流速度が、Texh704の測定値、タービン排気706の圧力の測定値、および既知の最大許容タービン排気流速度707に基づいて算出される。ブロック702で算出された目標タービン排気流速度は、測定された周囲温度710、測定された周囲空気圧712、測定された燃料流速714とともにブロック708に入力される。これらの情報により、目標とする入口案内羽根設定ポイントが当該技術分野で既知の方法で算出される。
【0040】
ブロック708で算出された値は最小選択ブロック716に入力される。最小選択ブロック716は入口案内羽根設定ポイントの値を、1)ブロック708で算出された入口案内羽根設定ポイント、当該技術分野で既知の方法で算出された部分負荷入口案内羽根設定ポイント718、および既知の最大許容入口案内羽根設定ポイント720から選択する。こうして最小選択ブロック716で決定された最小値は、入口案内羽根設定ポイント722として選択される。
【0041】
図8は、タービン圧縮機104の抽気設定ポイント(すなわち、抽気され、空気分離部204に供給されるタービン圧縮機104からの圧縮空気の量または比)を算出する典型的な制御処理を示すフロー図である。ブロック802で、測定されたタービン負荷804と目標とするタービン負荷806の間の差分が算出される。タービン負荷は、プレシジョンパワーアナライザ、積算電力計、またはその他の類似の機器およびシステムを含む、当該技術分野で既知の機器およびシステムにより測定される。測定されたタービン負荷804は、プログラマブル論理コントローラまたはその他の類似の機器、コントローラおよびシステムを含む当該技術分野の当業者には既知の機器、コントローラ、およびシステムにより目標タービン負荷806(および算出された差分)と比較される。算出された差分は負荷PIDコントローラ808またはその他の類似の機器に入力され、抽気設定ポイント810、すなわちタービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量が算出される。抽気設定ポイント810は、タービン圧縮機104内、またはタービン圧縮機104と空気分離部204の間の配管内の蝶型弁などの弁に用いられ、所望の量の圧縮空気がタービン圧縮機104から抽気されるようになる。タービン圧縮機104から抽気された圧縮空気は空気分離部204に配管および弁を介して上述のように供給される。
【0042】
上述のようにタービン圧縮機104から可変の量の圧縮空気を抽気して抽気した圧縮空気を空気分離部204に供給して、タービン負荷を制御する全体的な処理は、当該技術分野の当業者には既知のコンピュータ化したプラント運転システムにより実現され、制御されても良い。この運転システムは、適当な高出力個体スイッチ装置を備えても良い。この運転システムは、コンピュータでも良い。しかしながら、これは運用の範囲内の適当な高出力制御システムの典型的な例に過ぎない。例えば、これに限定されないが、運転システムは、シリコン制御整流器(SCR)、サイリスタ、MOS制御サイリスタ(MCT)、および絶縁ゲートバイポーラトランジスタの少なくとも一つを含んでも良い。運転システムはまた、全体的な、システムレベル制御を行うメインプロセッサ部、すなわち中央プロセッサ部と、中央プロセッサ部の制御下で、各種の特定の機能、その他の処理およびそれらの組み合わせを行う独立の専用処理部を有したASICなどの単一の専用集積回路として実現しても良い。当業者には、運転システムはまた、PLD、PAL、PLAなどの個別素子回路またはプログラマブル論理装置を含む、論理回路または配線電子回路などの各種の独立した専用の、またはプログラム可能な集積回路またはその他の電子回路、或いは機器を用いて実現可能であることは明らかである。運転システムはまた、単独で、または一つ以上の周辺データおよび信号処理装置と連結した、適当にプログラムされた、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラなどの汎用コンピュータ、または、CPUまたはMPUなどのその他のプロセッサ装置を用いて実現しても良い。一般的に、論理フロー図200を実現することが可能な有限状態機械を搭載した機器または類似の機器を運転システムとして用いることもできる。図示されるように、最大データ/信号処理用の機能および速度には分散処理アーキテクチャが好ましい。当業者には明らかなように、運転システムはさらに、弁の動作(すなわち、開弁、閉弁、またはその他の設定)およびその他のIGCC発電システムの機械的システムを制御し、システムの制御に関する情報を中継するセンサから入力しても良い。
【0043】
一般的に、測定されたタービン負荷が目標タービン負荷を上回る場合、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量は増加しても良い。同様に、測定されたタービン負荷が目標タービン負荷を下回る場合、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量は減少しても良い。さらに、タービン圧縮機104から抽気された圧縮空気の量が上昇すると、メイン空気圧縮機202による圧縮空気の供給はほぼ同等の分量だけ減少することができる(これにより、空気分離部204により受け取られる供給の合計はほぼ同等に留まる)。一方で、タービン圧縮機104から抽気される圧縮空気の量が減少すると、メイン空気圧縮機202による圧縮空気の供給はほぼ同等の分量だけ増加することができる。
【0044】
上述のように、当業者には、タービン負荷を効率的に制御するために抽気レベルを変更するその他の制御処理、方法およびシステムを利用可能であることは明らかである。本発明の好ましい実施の形態について説明をしたが、添付の特許請求の範囲およびその相当物により定義される本出願の精神と範囲を逸脱しない限りにおいて、多くの変形および修正態様が可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の特定の実施の形態で使用可能な典型的なタービンの概略図である。
【図2】図2は、本発明の特定の実施の形態で使用可能な典型的なガス化混合(「IGCC」)発電システムの概略図である。
【図3】図3(a)、図3(b)、図3(c)はそれぞれ、変化する周囲条件を通して、タービンの最大負荷を効率的に保つように、タービン圧縮機から抽気される圧縮空気のレベルを変更させる、典型的なIGCC発電システムの効果を説明するグラフである。
【図4】図4(a)および図4(b)の二つのグラフはそれぞれ、変化する周囲条件を通して、燃焼器から排出されるガスの最大許容温度を超えることなく、タービン100が一定の負荷で動作するように、燃焼器106内の温度がどのように変化する可能性があるのかを示すグラフである。
【図5】図5(a)および図5(b)の二つのグラフはそれぞれ、変化する周囲条件を通して、最大排出マッハ数を超えることなく、タービン100が一定の負荷で動作するように、入口案内羽根の設定がどのように変化する可能性があるのかを示すグラフである。
【図6】図6は、タービンの排気温度を設定するために用いることが可能な典型的な制御処理を説明するフロー図である。
【図7】図7は、タービンの入口案内羽根の設定ポイント(すなわち、入口案内羽根の角度)の算出に用いることが可能な典型的な制御処理を説明するフロー図である。
【図8】図8は、タービン圧縮機の抽気設定ポイント(すなわち、抽気され、空気分離部に供給されるタービン圧縮機からの圧縮空気の量または比)を算出する典型的な制御処理を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気分離部(204)を備えたガス化混合発電システム(200)の一部を構成するガスタービンエンジン(100)の負荷を制御する方法において、前記方法は、
タービン圧縮機(104)により圧縮された圧縮空気を抽気するステップと、
前記抽気された圧縮空気を前記空気分離部(204)に供給するステップと、
前記ガスタービンエンジン(100)の所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、前記空気分離部(204)にメイン空気圧縮機(202)からの圧縮空気を供給するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記タービン圧縮機(104)から吸気される前記圧縮空気の前記量に基づいて、前記空気圧縮機(202)により前記空気分離部(204)に供給される前記圧縮空気の量を変更するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮空気の組み合わせ供給が、前記空気分離部(204)に前記メイン空気圧縮機(202)により供給される前記圧縮空気の量と、前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量を含み、
前記圧縮空気の組み合わせ供給は、前記空気分離部(204)が必要とする圧縮空気の供給の合計を満たす圧縮空気の供給であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量に基づいて前記空気分離部(204)に前記メイン空気圧縮機(202)により供給する前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量が増加すると、前記メイン空気圧縮機(202)により前記空気分離部(204)に供給される前記圧縮空気の量を減少するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量に基づいて前記空気分離部(204)に前記メイン空気圧縮機(202)により供給する前記圧縮空気の量を変更するステップは、前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量が減少すると、前記メイン空気圧縮機(202)により前記空気分離部(204)に供給される前記圧縮空気の量を増加するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ガスタービンエンジン(100)の所望の負荷に基づいて前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量を変更するステップは、
前記ガスタービンエンジン(100)の実負荷を測定するステップと、
前記ガスタービンの前記実負荷と前記ガスタービンエンジン(100)の前記所望の負荷を比較するステップとを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量は、前記ガスタービンエンジン(100)の前記所望の負荷に対する前記ガスタービンの前記実負荷の前記比較に基づいて変化することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
更に、前記ガスタービンの前記実負荷が前記ガスタービンエンジン(100)の前記所望の負荷を上回る場合、前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量を増加するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
更に、前記ガスタービンの前記実負荷が前記ガスタービンエンジン(100)の前記所望の負荷を下回ると測定された場合、前記タービン圧縮機(104)から抽気される前記圧縮空気の量を減少するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−231949(P2007−231949A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48862(P2007−48862)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY