説明

ガス処理のためのカートリッジ

反応性材料との反応によるガス処理のためのカートリッジであって、少なくとも部分的に該反応性材料が充填されている閉じた蜂の巣状セルの凝集した集合体を含み、該蜂の巣状セルは該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な一部の壁面を有し、前記壁面部分は該ガスと接触することを意図するカートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ガス処理のためのカートリッジに関する。また、その使用及びそれを製造するための方法にも関する。
さらに詳細には、本発明は、ガスの処理が該ガスをカートリッジに含有されている材料と反応させることによって行われるカートリッジに関する。例えば、該処理は、ガスを例えば石灰と接触及び反応させることにより該ガスに含有されるCO2を吸収する臭気吸収剤、例えば重炭酸ナトリウムとの反応によって空気を脱臭するか、又は該ガスを吸湿性材料と反応させることによってガスを脱湿する。
特に家庭用、さらには工業用の脱湿は大きく成長している市場である。例えば、輸送される製品を湿気に関して調節するための手段の使用を必要とするいくつかの輸送用コンテナは、1年間当たり2億個よりも多く見積もられる。
【0002】
空気を脱湿する単純な手段は、それを高度な吸湿性材料と接触させることである。従って、シリカゲル、クレイ、及び塩化マグネシウム又は塩化カルシウムを用いることが知られている。塩化カルシウムの場合、無水CaCl2からその水和形態への転化は非常に大量の吸収される水を伴い、1kgの塩化カルシウムを平衡状態で14kg以下の水を吸収することができる。この生成物は経済的にも非常に有用である。しかし、これは水を吸収した後に液体となる欠点を有し、それを如何にして制限するかという問題を生じる。このために、塩化カルシウムは一般的に開いたトレーに置かれる。この解決策は、工業用環境下又は家庭用の使用のいずれにおいても、該トレーがひっくり返った場合に塩化カルシウムを調節された材料の上にこぼす危険性のために許容されない。これは、一方で塩化カルシウム六水和物が非常に粘着性で洗浄するのが困難であり、他方でそれが高度に腐食性であることで調節される材料に損害を与え得るためである。
【0003】
本出願人名義の仏国特許第2,819,990号明細書は、気体浸透性であるが液体不浸透性のエンベロープ、例えばポリエチレン不織布製のものに塩化カルシウムを置くことを提案している。しかし、この解決策は脆弱な製品、例えば果実及び野菜を包装するのに有効ではあるが、より低い注意で扱われる製品の工業的輸送には完全に不適当である。これは、半浸透性エンベロープがその使用中に損害を受けると、その全ての中身がそこから漏れ出してその環境を汚染するためである。さらに、該エンベロープは硬質でないために扱うのがさらに困難である。最後に、該エンベロープの一部では、該吸湿性材料が空気と接触する面積が減少した緻密な塊に集まる。これは脱湿の有効性を減少させる。
また、無水塩化カルシウム又は塩化カルシウム水和物をクレイ又は不活性吸収性材料(おがくず又は木材チップ)と混合して、脱湿気から生じる液相を吸収し且つ漏液を予防することが知られている。この混合物はしばしば乾燥性塊の吸収性を制限する。
【0004】
概して、本発明の目的は、ガスを単純で高価でない材料と反応させることによって該ガスを処理するための手段であって、工業用環境下で容易に用いることができ且つ該ガスと該材料の大きな接触面積を促進させる手段を提供することである。
従って、本発明は、反応性材料との反応によるガス処理のためのカートリッジであって、少なくとも部分的に反応性材料が充填されている閉じた蜂の巣状セルの凝集した集合体を含み、該蜂の巣状セルは該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な一部の壁面を有し、前記壁面部分は該気体と接触することを意図するカートリッジに関する。
【0005】
“カートリッジ”という用語は、圧力の不存在下で、明確で再現性のある形状を有する十分な剛性を有する容器を意味すると理解される。特に、該剛性は、蜂の巣状セルに明確で再現性のある形状を与えるのに十分であり、それらを気体処理用材料で満たすのを容易にしなければならない。該カートリッジは、その特定の使用に好適な任意の形状、すなわち平面又は曲面を有する球形又は平行六面形を有し得る。実際には、有利には平行六面形であり、該形状は多くの使用及び配置に適する。また、複数のカートリッジを容易に重ねることもできる。カートリッジの寸法は、特に脱湿されるガスの体積及び該カートリッジが置かれる有効体積に依存する。該カートリッジは工業的使用に特に好適であるため、5〜150cm(好ましくは10〜50cm)の幅、15〜300cm(好ましくは30〜75cm)の長さ、及び1〜5cm(好ましくは1〜3cm)の厚みで変化する外寸を有する平行六面形カートリッジが、取扱性、剛性及び処理有効性の間に良好な両立を与えることが観察される。2〜10個又は好ましくは3〜5個のそのようなカートリッジの群を緻密な様式で重ね、処理容量を増加させてもよい。このために、該カートリッジは重ねられた時にわずかに間隔があいたままにするのに好適な手段を有するのが有利である。カートリッジ間で処理されるガスの循環を改善し、且つ反応性材料との接触面積を増加させる。
【0006】
本発明では、該反応性材料を閉じた蜂の巣状セル、より簡潔に言えば蜂の巣状構造の凝集した集合体に入れる。従って、この材料はカートリッジの唯一の部品ではなく、多数の独立した部分集合体に分割される。そのような分割は、一方で該カートリッジの壁面が局所的に損害を受けた場合に、該反応性材料の一部のみがそこから流れ得るという利点を有する。他方では、該分割はガスと反応性材料との接触面積を、該カートリッジの位置に関係なく、特に垂直方向に増加させる。従って、この分割は最大反応性容量を該材料から引き出すことができる。該反応性材料は、好ましくは単独で該蜂の巣状の孔に導入される。しかし、他の反応物との混合物、又は任意の他の有用な組成物として導入してもよい。さらに、セルは凝集した単位を形成し、すなわちそれらは機械的に孤立していない。好ましくは、それらは少なくとも1種の近接するセル又は該カートリッジの共通部分に固定され、唯一の機械的部分の部分集合体を形成し、カートリッジが損傷を受けたときにセルがそこから分離する危険性を制限する。該蜂の巣状セルはそれらが全ての方向に壁面を有しており、且つそこへ入れられる反応性材料をそこから逃さないという意味で閉じている。該蜂の巣状セルは有利には隣接しており、すなわち、それらの壁面の一部は隣接するセルの一部と接触している。それらの壁面の一部はさらに好ましくは共通しており、いかなる壁面の二面も2つの異なる近接するセルに属する。該蜂の巣状セルは、反応性材料の良好な分割を得るために大きすぎではいけなく、壁面において過度に大きな体積を失わず且つ該反応性材料を該セルに容易に導入することができるために小さすぎてもいけない。実際には、蜂の巣状の孔の最も大きな内寸が5〜50mm、好ましくは10〜30mmであることが推奨される。最も小さな寸法は、数ミリメートル以上でなければならない。有利には3〜20mmである。
【0007】
本発明のカートリッジでは、蜂の巣状セルがそれらの壁面の“半浸透性”部分、すなわち、ガスに浸透性であり且つ反応性材料に不浸透性な部分を有するのが本質的である。より正確には、一方でこの壁面部分は処理されるガスに浸透性でなければならず、それによって蜂の巣状の孔に浸透して反応性材料と接触することができる。他方で、特にこれらの生成物が該カートリッジの環境に不快なときにはもちろん該反応性材料を有効に含有するだけでなく、好ましくは該反応の生成物も含有しなければならない。従って、半浸透性壁面は該反応の生成物に不浸透性でもある。“反応”という用語は、該ガス及び該反応性材料の間で起こり得る化学的又は物理的現象の全てを意味すると理解される。従って、例えば該処理が反応性材料として塩化カルシウムによる脱湿であるとき、該半浸透性壁面は有利にはガス中の湿気の吸収の結果としてセル内に形成しやすい液体に実質的に不浸透性であり、それらは該カートリッジからこぼれない。従って、半浸透性壁面は有利には水溶液に不浸透性である。該壁面の全ては同一の材料からなり、全体的に半浸透性となり得る。しかし、実際には該カートリッジはそれによって正しい剛性を容易に有する。さらに有利には、該カートリッジが半浸透性壁面部分及び該壁面の残部とは異なる材料を含み、これらは不浸透性であり且つ剛性を与える。半浸透性材料は該セルの他の構成材料とよく接着し、閉じたセルが得られなければならない。一般的に該半浸透性材料の該セル壁面残部への直接的な良好の接着を得るのが困難である場合、本発明のカートリッジの有利な変形では、該蜂の巣状セルの壁面が異なる材料に基づく少なくとも2部分を含む。この変形では、有利にはカートリッジの面の少なくとも一方に配置される第二の材料が、例えば該半浸透性部分を該蜂の巣状構造に結合又は溶接することによって接着を促進する効果を有する。従って、第二の材料として、中間物として用いられ且つ両材料に対して良好な接着を有する接着剤を選択する必要がある。この変形は、半浸透性材料が小さな領域、例えば図1及び2で説明されているような壁面残部の区画(厚み)に接着する必要があるときに特に推奨される。
【0008】
半浸透性壁部分を製造するために、種々の材料が反応性材料及び反応生成物の性質に依存して用いられ得る。液体反応生成物を与えない微粉固形物状態の反応性材料の単純な場合、低密度の不織布又はメッシュ又は孔が各粉末の微細粒子を含有するのに十分堅固である単純な繊維が好適であり得る。該反応性材料が液状の反応生成物を製造する場合、“通気性”微細繊維、例えば商品名GORE-TEX(登録商標)で販売されている製品又は微細繊維に基づく不織布、例えば商品名TYVEK(登録商標)で販売されているもの、又はポリエチレン微細繊維に基づく不織布のタイプのもの、又は任意の他のタイプの選択透過性膜を用いることが推奨される。このときの気体浸透性は、ISO 5636/3標準(1.5kPa圧力差;10cm2供試体面積)で測定すると有利には少なくとも100mL/分である。該不透性は、好ましくはSuler試験(AATCC 127、DIN EN 20534、60cm/分の充填速度)における結果が少なくとも50cmに等しいようなものである。この試験は、第一の液滴が平らな供試体の一面に現れる前にもう一面に適用することのできる液体カラムの最大の高さを測定する。
【0009】
本発明のカートリッジでは、半浸透性フィルムが、好ましくは壁面の無い開いた蜂の巣状セル部分状に配置され、該壁面はフィルム切片によって形成される。該フィルム切片は、例えば溶接又は結合によって、又は機械的な手段によって開口部の縁に固定され得る。しかし、本発明のカートリッジの有利な変形では、該蜂の巣状セルが開いた壁面部分を有し、該凝集した集合体は半透明性材料からなる閉じたエンベロープに配置され、該開いた壁面部分を覆う。この変形では、セルの凝集した集合体の外寸及びエンベロープの内寸が一致し、エンベロープの該開いた壁面部分への十分な締付けを得て、それによって良好な密閉を得ることが本質的である。従って、エンベロープを蜂の巣状構造に固定することは不必要である。該反応性材料が該蜂の巣状構造に配置されるとき、後者は例えば薄い臨時の担体に沈着され、これはエンベロープへの導入後に除去される。
【0010】
脱湿されるガス及び吸湿性材料の間に十分な接触面積があることを保証するために、ガスに浸透性であり且つ反応性材料に不浸透性な壁面部分が十分でなければならない。この部分は各孔の壁面の少なくとも20%、好ましくは30%、及びさらに好ましくは少なくとも50%であることが推奨される。さらに、該カートリッジが平行六面形であるとき、この部分は壁面残部の区画によって占められる表面部分は除き、該カートリッジの大きな面の一方の面積の少なくとも50%、有利には75%及びさらに好ましくは100%に等しく、ガス交換のための面積を最大化させる。該セルの壁面の残部は、必要な機械的且つ化学的特性を有する任意の材料からなり得る。例えば金属、プラスチック又はさらに厚紙が上手く用いられ得る。
【0011】
本発明のカートリッジの一つの有利な実施態様では、蜂の巣状セルの壁面の少なくとも一部が硬質なプラスチックからなる。該プラスチックの引張弾性率は、好ましくは少なくとも500Mpaである。ポリカーボネート、ポリアミド、ポリカプロラクトン、フルオロポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル(PVC)が、例えば処理、ガス及び反応性材料の化学的性質に依存して優れた結果を与えた。ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル(PVC)が好ましい。また、国際特許出願WO 2005/041257号明細書に記載されているような発泡プラスチック、特に発泡ポリエチレンを使用するのが有利であり、その内容を本記載に参照として組み込む。
【0012】
本発明のカートリッジは、迅速に取り扱われたときに優れた強度を有し、及びガス及び反応性材料の間の大きな接触面積による向上した有効性を有する。好ましくは、部品の運動を伴う機械的装置、例えばモーター又はファンを含まない。該蜂の巣状構造によって提供される反応性材料の分割により、本発明のカートリッジは任意の位置に配置することができる。特に、フレームの様式で壁面に容易に吊るす又は繋ぐことができ、その短い側面は該壁面に垂直である。それを垂直に保つように設計された特定の担体を備えるか、又は平行に配置された複数のカートリッジを収容する装置に挿入され得る。その使い易さ及びその低コストを組み合わせたこれらの質は、本発明のカートリッジを、大量の空気を脱湿するために、例えば平行に配置された大きなカートリッジからなる装置に空気を通すことにより空調設備に、及び特に閉じた空間(例えばキャビネット、引き出し、容器又は家庭用又は業務用冷蔵庫)又は閉じた施設(例えば閉じた部屋、貯蔵庫、湿った部屋、ボート又はキャラバン)を脱湿するのに特に有用にする。
【0013】
該カートリッジは、制御された雰囲気を必要とする材料の工業的輸送に特に好適である。
従って、本発明はまた、輸送用コンテナの調節のための本発明のカートリッジの使用に関する。“コンテナ”という用語は、10m3より大きく、典型的には60m3より大きい体積を有する大容量の囲いを意味すると理解される。該コンテナは道路、海上又は鉄道の輸送が意図され得る。
本発明のカートリッジは、任意のタイプのガスを処理することができ、例えば水蒸気、二酸化炭素、酸性燃焼ガス(HCl、HF、SO2、H2S、NOx)、果実及び野菜の成熟から生じるガス(エチレン、水蒸気、二酸化炭素)、チーズの発酵、果実及び野菜の成熟、人間の活動(キッチン、トイレなど)から生じる臭いガスである。
従って、本発明はまた、本発明のカートリッジと接触させることによるガスの処理方法に関する。
【0014】
本発明のこの方法の第一の変形では、該処理が生物学的又は工業的活性又は化学反応から生じるガス、特に空気の脱臭であり、該反応性材料は、重炭酸ナトリウム、活性炭、モルキュラーシーブ、例えばゼオライト、海藻、砂糖、紙繊維、植物繊維、微細シリカなどの芳香性又は脱臭性材料である。重炭酸ナトリウム、特に少なくとも90%の粒子が500μm、好ましくは130μm未満の直径を有するような粒子サイズの重炭酸ナトリウムが推奨される。
本発明の方法の第二の有利な実施態様では、該処理が処理されたガスのCO2含有量を減らすことからなり、反応性材料は苛性ソーダ、苛性カリ、又は有利には石灰である。
第三の有利な実施態様では、該処理が植物由来の製品、例えば果実及び野菜によって排出される成熟ガスのエチレン含有量を減少させることからなり、該反応性材料は固体酸化剤、例えば過マンガン酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過硫酸ナトリウム、鉄酸塩などである。過マンガン酸カリウムが好ましい。該方法のこの変形は、果実及び野菜の成熟を調節するのに推奨される。
【0015】
最後に、特に有利な第四の変形では、該処理が脱湿であり、該反応性材料が吸湿性材料である。この変形では、該吸湿性材料は好ましくはシリカゲル、モルキュラーシーブ、例えばゼオライト、クレイ、例えば海泡石又はベントナイト、苛性ソーダ、苛性カリ、塩化マグネシウム及び塩化カルシウムから選択され、後者が特に好ましい。無水CaCl2のCaCl2・6H2Oへの転化は、その最初の質量の約97%に到達する水の吸収を伴い、CaCl2・2H2OからCaCl2・6H2Oへのその転化は、その最初の質量の約50%に到達する水の吸収を伴う。しかし、CaCl2・6H2Oはその最大乾燥有効性に到達しない液体であり、該溶液自体が高度に吸湿性である。これは、液体でもあり得る塩化カルシウムの任意の水和形態が、その平衡組成物に到達するまで、すなわち周囲雰囲気と平衡になるまで吸湿性能力を有することができるためである。ある条件下(25℃;95%相対湿度)では、1kgの塩化カルシウムは平衡状態で14kg以下の水を吸収することができる。該反応性材料のガスとの接触面積を増加させる本発明の分配により、該方法のこの変形は、該塩化カルシウムから最大乾燥能力を引き出すことを可能にする。さらに、該方法のこの変形の有効性は、空気が非常に高い湿度を有するとき(脱湿前)に最も特に顕著であり、該カートリッジの使用は該封入物の相対湿度を99%以下に保持し、それによっていかなる凝縮をも回避することを可能にする。この変形は輸送用コンテナを脱湿するのに特に好適である。
【0016】
適切な場合には、いくつかの変形は、反応物の混合物又は複数の機能を有する反応物を該蜂の巣状構造に導入することにより組合され得る。
最後に、本発明は本発明のカートリッジを製造するための方法であって:
類似のプラスチックシートを冷却用チャンバーに連続的に押出し、該シートの各面に区画を配置し;
各区画を加圧された冷却用流体の注入及び真空に交互に付し、任意の一枚のシートの二面に配置された2つの区画は、それらの一方の場合には該加圧流体の作用に曝され、もう一つの場合には真空の作用に曝され、逆に次の反復の間にはシートを変形させてそれらを二つ一組で共に溶接して、それぞれ2つの開いた対向する壁面部分を有する連続的な蜂の巣状セルの凝集した集合体を形成し;
反応性材料を蜂の巣状セルに配置し;及び
該セルの開いた壁面部分を、該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性なフィルムで閉じる方法に関する。
【0017】
本方法では、蜂の巣状構造が押出ダイによって連続的に製造される。従って、非常に大きな寸法の蜂の巣状構造を得ることができる。各ストリップのいずれかの側面にある領域の加圧及び減圧は、一方で蜂の巣状の孔を形成し、他方でそれらを共に溶接することを保証し、その温度が制御されている該流体は冷却用流体として作用する2つのストリップの間で導入される。これは、隣接するストリップに対する一つのストリップの適用後に、それらを共に溶接することによって固定することができる。
蜂の巣状孔の形状は変化させることができ、これは2つの隣接するストリップ間に連続的に適用される種々のパラメーター、例えば押出速度又は圧力及び真空レベルを改良することによって、同一のダイを用い、操作中でさえ、規則的又は不規則的な多角形の形状にされるか、又は楕円形、円形又は卵形にされ得る。
【0018】
該反応性材料を該蜂の巣状構造に配置するとき、後者は例えば該セルの開いた部分が閉じるまで薄い一時的な担体上に沈着される。
製造方法の推奨される変形では、例えばカートリッジの面の一方に配置されているセルの開いた壁面部分のフラクションは、反応性材料を蜂の巣状セルに配置する前に好ましくはフィルムによって閉じられ、充填を容易にする。このフィルムは有利には硬質で(好ましくは少なくとも500MPaの引張弾性率を有する)、不浸透性である。例えば、平行六面形カートリッジの場合、2つの大きな面の1つが充填前に硬質なフィルムで覆われており、他の面が充填後に半浸透性材料で覆われる。
【0019】
本発明の方法を実施するための装置に関する詳細は、国際特許出願WO 2005/014257で見出され得る。
本発明のカートリッジは、好ましくは本発明の方法によって得られるカートリッジに従う。
【0020】
図面を用いて本発明を説明する。
図1は、湿気調節のため、特に輸送用コンテナのための本発明のカートリッジであって、ストリップ(1)の周期的な溶接(5)によって形成された蜂の巣状セルの凝集した集合体を含むカートリッジを示している。該集合体はフレーム(3)によって囲まれ、大きな後方の側面を覆う半浸透性フィルム(2)を有する。塩化カルシウムペレット又は顆粒又は粉塵又はフレーク(4)を該蜂の巣状の孔に入れる。前方の大きな側面を覆い且つ該セルを閉じるフィルム(2)に類似するフィルムは示されていない。
【0021】
図2は、本発明のカートリッジを製造するための方法を示している。図面で示されているのは、蜂の巣状構造(8)を製造する押出ダイ(7)である。接着剤(6)、(6')は、蜂の巣状構造の底部及び頂部の面に沈着させる。その少なくとも一方が半浸透性であるポリエチレンフィルム(2)及び(2')を、125℃に近い温度で接着剤に適用する。塩化カルシウム(4)は、フィルム(2)及び(2')の適用の間にセルに配置する。変形として、接着剤(6)及び(6')は、示されているロールによって適用される以外に共押出することができる。頂部の面に沈着された接着剤(6)はまた、塩化カルシウムがセルに配置された後に沈着させることもできる。
【0022】
以下の実施例を用いて本発明を説明する。
7種の硬質PVCストリップ(1)の集合体を、7種のスロットを備えたダイによって押出し、各ストリップは幅1cm及び厚み約100μmである。WO 2005/014257に記載されているように、該ストリップを冷却し、変形させ、及び圧縮手段及び真空手段を備えたチャンバーにそれらを通すことによって共に周期的に溶接する。連続的な押出物は、それぞれ寸法20×4×1.1cmを有し、それぞれ20×4cmの2つの開いた面を有する6種の蜂の巣状構造に切り分けた。蜂の巣状セルは、蜂の巣状構造の100cm2当たり10gの量で、3mmに篩い分けした工業銘柄の無水塩化カルシウムのフレークを充填させた。
【0023】
該6種の構造はそれらの20×1.1cmの面によって取り付け、50g/m2の密度及び25×27cmの寸法を有するTYVEK(登録商標)ポリエチレン製のエンベロープに配置した。
続いて、そのように形成されたカートリッジを、90%の湿度及び25℃の温度の環境チャンバーに96時間置いた。その質量を1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間、73時間及び96時間後に測定し、質量吸収をそこから導き出した。該質量吸収の結果は、CaCl2・2H2Oの割合で表して以下の表に与える:

【0024】
調整中、乾燥している液体の漏れはエンベロープの外壁では観察されなかったことに注目すべきである。該結果は、本発明のカートリッジの優れた脱湿能力を説明している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】湿気調節のため、特に輸送用コンテナのための本発明のカートリッジを示す図。
【図2】本発明のカートリッジを製造するための方法を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性材料(4)との反応によるガス処理のためのカートリッジであって、少なくとも部分的に該反応性材料(4)が充填されている閉じた蜂の巣状セルの凝集した集合体を含み、該蜂の巣状セルは該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な一部の壁面(2)を有し、前記壁面部分は該ガスと接触することを意図する、カートリッジ。
【請求項2】
該処理が脱臭であり、且つ該反応性材料が臭気を吸収する、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
該反応性材料が吸湿性であり、且つ該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な壁面部分及び該反応の生成物が液体に不浸透性である、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
該吸湿性材料が塩化カルシウムである、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な壁面部分がポリエチレン繊維からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
該ガスが空気である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
該蜂の巣状セルが、硬質プラスチックからなる壁面部分をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
該プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから選択される、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
該蜂の巣状セルが開いた壁面部分を有し、該凝集した集合体が該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性な材料からなる閉じたエンベロープに配置され、該開いた壁面部分を覆う、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
該蜂の巣状セルの壁面が、異なる材料に基づく少なくとも2つの部分を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
輸送用コンテナに含まれる空気の処理のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジの使用。
【請求項12】
ガスを請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジと接触させる、該ガスを処理する方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジを製造するための方法であって、
平行なプラスチックシートを冷却用チャンバーに連続的に押出し、該シートの各面に区画を配置し;
各区画を加圧された冷却用流体の注入及び真空に交互に付し、任意の一枚のシートの二面に配置された2つの区画は、それらの一方は該加圧流体の作用に曝され、もう一方は真空の作用に曝され、逆に次の反復の間にはシートを変形させてそれらを二つ一組で共に溶接し、それぞれ2つの開いた対向する壁面部分を有する連続的な蜂の巣状セルの凝集した集合体を形成し;
反応性材料を蜂の巣状セルに配置し;及び
該セルの開いた壁面部分を、該ガスに浸透性であり且つ該反応性材料に不浸透性なフィルムで閉じる、方法。
【請求項14】
該カートリッジの一面に配置されている該セルの開いた壁面部分のフラクションが、反応性材料が該蜂の巣状セルに配置される前に閉じられる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の方法によって得られる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−507630(P2009−507630A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530493(P2008−530493)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066204
【国際公開番号】WO2007/031475
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) (252)
【Fターム(参考)】