説明

ガス処理装置

本発明は、金属フォームをベースにした排気ガス処理のための装置に関する。適切な触媒コーティングを用いることにより、当該装置は、酸化触媒、3元触媒、NOx除去触媒、およびNH3スリップ触媒を含む、ディーゼルおよびガソリン・エンジン用触媒コンバータとして用いることができる。フォーム構造であるために、表面積大きく、混合率が高くなり、触媒性能を高めることができる。当該装置は、ディープ・ベッド濾過を採用しており、ディーゼルおよび直接噴射式ガソリンの両エンジンの粒子状物質を濾過するために並列に配置して用いることができる。本発明は、隔壁(5)によって隔てられた1を超える数のフォーム部(4a、4b)を用いるマルチプル・パス放射流概念を採用している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気管および排気管を備える空洞が画成されている金属外殻と、前記吸気管と排気管のあいだの連通流路に配置された金属フォーム(metal foam)の積層薄板からなる2つのフォーム部とを有する、金属フォームに基づくガス処理装置、とりわけ排気ガス後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象の金属フォーム材とその製造方法は、各々国際特許出願WO2004089564とWO2005037467に記載されている。この方法によると、金属フォームは、所望の長さと幅の薄板に形成される。
【0003】
前記装置に用いられる、つまり収容されるフォーム(foam)系のフィルタは、ディーゼルの粒子状物質濾過用途が周知であるが、それらの殆どはセラミック材をベースにしている。一般的には、良好な濾過性能を発揮することができるほど充分に小さい細孔を有するセラミック製フォーム(foam)は、密閉気孔の数が多いために圧力低下が比較的大きくなる。さらに、そのようなフォームは、すすがフィルタに集積するに従い濾過性能が低下して、ついには「噴出」動作、即ち負の性能を生じることが知られている。
【0004】
セラミック製フォームの別の欠点は、前記装置に用いられる、つまり収容される最終的なフィルタの造形について制限があることである。そのために、制限空間内において、自動車の用途にあっては求められる大きい濾過面積を確保することはきわめて困難である。
【0005】
排気管に流入し、筒状流路に入るとそこの穿孔を介して外向きに流れ、次いで内部の閉塞材により向きを変えられる、内燃機関の排気に用いられている金属製触媒担体が周知である。環状バッフルが、ガス流の向きを再度変え、穿孔を介してガス流を流路に戻らせるとともにガス透過性触媒の栓状部材を通過させ、次いで別の触媒の栓状部材を通過させることにより、ガス流に穿孔を介して筒状流路を出たり入ったりする蛇行流路を持続させる。排気ガスは、この流路を経由することにより排気管触媒コーティングおよび類似触媒の内側触媒コーティングと接触する。類似触媒の表面および排気管の内面は、触媒物質でコーティングされていてもよい。触媒接触したガスは、触媒コーティングと接触することにより汚染低減反応を起こし、洗浄排気ガスとして排出される。しかし、このエンジンは、本発明の主題の装置とは大きく異なっている。
【0006】
周知の先行技術において、提案されている材料は、通常その詳細な製造方法を特定することなく多孔性金属と呼ばれている。
【0007】
さらに、いくつかの周知の実施形態は、電気ヒータを用いてフィルタを加熱再生できるようにする必要があることを特徴とする。このために、少なくとも2つの円筒形フィルタ素子を用いる必要がある。フィルタ素子の材料および製造方法についての制限、並びに複数のフィルタ素子を必要とすることのために、フィルタ素子の厚さは、0.5〜20mmの範囲、好ましくは1mm以上に制限される。
【0008】
とりわけ好適に用いることができると提案されている100〜600μmの孔径の範囲は、きわめて小さい。同様に、濾過部の厚さは非常に小さい。その他に、「三次元トラップ効果」に単純に言及することは、実際の濾過機構についての理解が充分であることの証明にはならない。
【0009】
別の周知の先行技術においては、いわゆる「孔隙率勾配」原理および触媒によりコーティングされたフォーム材の使用からなる、基本的要件として考慮すべき2つの要素があるが、それらについては対処されていない。
【0010】
さらに別の周知の先行技術は、セラミック製フォームの使用に関するが、それは孔隙率勾配をもたらすことはない。
【0011】
発明の目的
本発明の目的は、上述した欠点を改良することであり、また、本発明の適用分野は、主としてガソリンおよびディーゼル・エンジンの排気ガスの後処理用の触媒基板の分野を目標とする。
【発明の概要】
【0012】
それ故に、本発明によると、請求項1に記載されているような装置が提案される。従って、本発明の目的は、先の序文において説明した種類の装置により達成されるが、当該装置は、前記フォーム部が、隔壁により分割されているとともに、外殻内に流入区画、外側区画および流出区画が画成されるよう各々が外殻の縦軸の周りに配置された金属フォームの複数の薄板層を有することを特徴とする。前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流を流入区画から外側区画へ、次いで外側区画から流出区画へと強制的に流すことにより、外殻の縦軸に対して半径方向の速度成分を持たせることができるよう前記吸気管および前記排気管に通じている。
【0013】
本発明の別の主要な実施形態によると、前記2つの主フォーム部に加えて、前記吸気管と排気管のあいだの連通流路に配置された金属フォームの積層薄板からなる2つの第2のフォーム部をさらに有する排気ガス後処理装置が提案される。前記装置は、前記2つの第2のフォーム部も、また、外殻内に内側区画、外側区画、流出区画および閉鎖区画が画成されるよう外殻の縦軸の周りに配置された金属フォームの複数の薄板層を有することを特徴とし、前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流を内側区画から外側区画と閉鎖区画を経由して流出区画へと強制的に流すことにより、外殻の縦軸に対して半径方向の速度成分を持たせることができるよう前記吸気管および前記排気管に通じている。
【0014】
本発明の有利な実施形態によると、前記装置の前記フォーム部は、金属フォームの薄板の同心円層からなっている。
【0015】
本発明の別の有利な実施形態によると、金属フォーム層の孔隙率は、向きにより異なる。
【0016】
本発明のさらに別の有利な実施形態によると、フォーム部は、穿孔管の周りに巻き付いている。
【0017】
本発明の特定の実施形態によると、前記穿孔管の各々の径は異なる。
【0018】
本発明のさらに特定の実施形態によると、穿孔管の孔は位置により大きさが異なる。
【0019】
本発明の好適な実施形態によると、金属フォーム層は、触媒活性を有する材料によりコーティングされている。
【0020】
本発明の別の好適な実施形態によると、金属フォーム層の触媒充填率は、向きにより異なる。
【0021】
本発明の特定の実施形態によると、前記隔壁は、その外径が穿孔管の径より大きく、また、外殻の径より小さいいずれかの値をとる円板形を有する。
【0022】
本発明のさらに特定の実施形態によると、前記隔壁は穿孔されている。
【0023】
本発明のさらに特定の実施形態によると、前記隔壁の孔は、位置により大きさが異なる。
【0024】
本発明の別の実施形態によると、前記穿孔管は、その一端を円板形隔壁により閉鎖し、また、その反対側の端部を円板形隔壁により閉鎖することにより、内側区画に流入したガス流が、外側区画と閉鎖区画を経由して排気管に通じる流出区画へと強制的に流されるようになっている。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態によると、各々のフォームの薄板は、筒形状に形成可能な好適な機械的特性を有する金属合金により作製されている。
【0026】
本発明は、また、各々が直列に配置された上述の装置を備える複数の組み合わせを有するエンジンの排気ガス後処理システムに関する。
【0027】
代替として、本発明は、各々が並列に配置された上述の装置を備える複数の組み合わせを有するエンジンの排気ガス後処理システムに関する。
【0028】
さらに代替として、本発明は、各々が直列と並列の両方式により配置された上述の装置を備える複数の組み合わせを有するエンジンの排気ガス後処理システムに関する。
【0029】
特定の実施形態によると、本発明によるシステムは、内面によって画成された空洞を備える導管をさらに有し、各々の組み合わせは、空洞に収容されている。
【0030】
金属フォームは、触媒をコーティングすることができる高比表面積を有する。さらに、フォーム構造は、ガスの混合およびガスと触媒表面とのあいだの物質移動速度を増進させる。触媒基板としての金属フォームの別の特性は、排気ガス中の粒子状物質を濾過できる能力であるが、このことは、ディーゼルおよび直接噴射式ガソリン機関の場合には重要である。上述の特性のために、金属フォームは、広く使用されているハニカム基板より有利な点を有する。一方で、金属フォームの流路抵抗は、その内部構造に大きく左右される。フォーム基板を用いたときの圧力低下を許容レベルにするためには、微細構造、たとえば孔径およびマクロ構造、たとえば外形の両方を最適化することが必要である。本発明は、そのような構造の最適化の課題についても対処している。
【0031】
圧力低下は、ガスの速度を下げることにより小さくすることができるが、断面積を大きくすることにより可能になる。排気ガス流が半径方向に横切って流れることができるようフォームを筒形状に形成した場合に断面積が大きくなる。このことは、本発明において対象とする金属フォームの場合には技術的に可能である。
【0032】
いくつかの適用例において、主な要請は、排気ガス後処理装置がきわめて高い背圧を負荷することによってエンジンを止めないようにすることである。高効率であるためにすすが堆積しているとともに、一般的に市街地走行中に遭遇する低い温度条件(100〜250℃)の下で作動している全てのフィルタにおいて背圧が高くなる。これを回避可能な1つの手段は、すすの集積が進行するに従って濾過性能が低減するフォームを用いることである。そのような装置は、エンジンにとって許容できる背圧レベルにおいて平衡を保つ(「ゼロ効率」を示す)傾向がある。
【0033】
適宜選択されたフォーム孔隙率を組み合わせて用いることにより、上述の目的を達成できるよう装置を設計することが可能である。
【0034】
用途によっては、金属フォームは、触媒活性を有するいずれの材料によりコーティングしてもよい。可能な適用例は、ディーゼルの酸化触媒、「3元」触媒、リーンNOx触媒・捕捉材、選択式NOx触媒低減材を含む。触媒のコーティングは、また、濾過装置の捕集したすすの酸化速度を高めるために用いてもよい。
【0035】
本発明の目的は、筒形状を用いることにより達成可能であるが、流れは、流れを案内する隔壁が用いられているために、横方向に数回強制的に通過させられる。特定の構成により、小さいガス速度、充分な濾過深度および許容背圧についてほぼ妥協するような方法で利用できる(普通は制限されている)容積を最大限使用できる。
【0036】
排気ガス流が半径方向に横切って流れることができるようフィルタを筒形状に形成した場合に濾過面積は大きくなる。このことは、本発明において対象とする金属フォームの場合には技術的に可能である。
【0037】
他の実施形態においては、第2のフォーム製の筒が、第1のフォーム部の金属支持体内に配置されている。隔壁は、流れが各々の流路抵抗に応じて主フォーム部と第2のフォーム部に分割できるように形成されている。この構成は、所定の使用可能な容積について流路面積をさらに増大させるとともに、さらなる圧力低下という利点をもたらすことができる。このことは、フォーム(foam)の全体的な厚さについて妥協することにより実行してもよい。その結果生じる濾過効率への有害な影響は、フォームの孔隙率を適切に選択することにより最小化できる。
【0038】
フォームの孔径は、400〜1800μのあいだで変動してもよい。各々のフォーム製の薄板の厚さは、最小の孔径においては約1.5mm、最大の孔径においては約4mmである。このフォームは、巻き付けることにより容易に円筒形構造に形成することができる。さらに、フォームは、自動車用に一般的に用いられている触媒活性を有する材料により容易にコーティングできる。
【0039】
本発明のさらなる特徴は、他の従属請求項に記載されている。
【0040】
表面濾過機構に基づき機能する、多くの市販ディーゼル用粒子状物質フィルタとは異なり、フォーム・フィルタは、ディープ・ベッド(deep−bed)濾過に基づき機能する。このことは、すすが表面ではなくフォーム構造内で捕捉されることを意味する。エンジン試験に基づく最近の経験によると、微細孔の高効率フィルタは、その出口側ではなくその入口付近により多くのすすを集積させる傾向にある。この不均一なすす分布は、捕集が進行したフィルタ領域が大きい非比例の圧力低下を引き起こすので好ましくない。他方では、種々のフォーム構造を組み合わせて用いることにより、より均一な分布を実現することが可能であるが、この場合、大きい細孔は入口付近に、それより漸次小さくなる細孔は出口付近に配置される。「孔隙率勾配」と呼ばれるこの構成は、ここで対象にしている金属フォームを用いることにより技術的に可能であるが、セラミック製フォームではそうはいかない。
【0041】
これまでに実施した実際の試験は、流れの方向が半径方向になるよう適切な形状に形成し、コーティングを施したフォーム・フィルタを用いることにより、圧力低下を許容レベルに抑えた中でディープ・ベッド系の粒子状物質濾過効率を80〜95%台にすることが可能であることを示した。支配的な拡散ベースの濾過機構のために、濾過効率は、粒子サイズが小さい(<20nm)とき最高になる(100%近く)。フィルタのすすの容量限界は、15g/Lを超えると評価されているが、それは、標準的な壁面流システムの場合のほぼ2倍である。このフィルタの低温(250〜450℃)における再生能力は、標準的なセラミック製触媒壁面流フィルタより優れていることが証明されている。触媒コーティングは、また、200℃台の温度における、COおよび炭化水素のほぼ100%の転換を達成可能である。同時に、孔径が600μ以下のフォームに基づくフィルタは、現実に考えられる如何なる運転条件の下にあっても捕集したすすを噴出する傾向は示さない。
【0042】
本発明による装置のいくつかの例示としての実施形態は、以下の発明を実施するための形態により詳細に説明されており、それらは、また、添付図面に示されているが、同一の番号は類似のまたは同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、2つのフォーム部4a、4bを有する装置を示しており、排気ガスは、流入区画7から外側区画8へ、次いで外側区画8から流出区画9へと流れる。
【0045】
図2は、2つのフォーム部4a、4bを有する装置を示しており、排気ガスは、内側区画7’から外側区画8’と閉鎖区画13を経由して流出区画9’へと強制的に流される。
【0046】
図3は、直列に取り付けられて共通の隔壁16を共有する2つのユニットを有する装置を示す。各々のユニットは、図1に示した実施形態に類似している。ユニットAは、ユニットBと共通の隔壁16を共有しているために、流出区画A9を経由してユニットAを出る流れは、ユニットBの流入区画B7に直接流入する。次いで、流れは、外側区画B8と流出区画B9を経由して排気管3へと強制的に流される。
【0047】
図3に示した実施形態に類似しているが、2を超える数のユニットを直列におよび/または並列に取り付けることにより別の実施形態を構成することも可能である。
【0048】
図1を参照して説明すると、参照符号1は、吸気管2と排気管3、および金属フォームの積層薄板により構成されて、前記吸気管2と排気管3のあいだの連通流路に配置された2つのフォーム部4a、4bを有する空洞が画成されている金属外殻を示す。
【0049】
図1において、フォーム部4a、4bは、好ましくは40%を超える孔隙率の穿孔管10a、10bの周りに巻き付けられた複数の金属フォームの薄板を有する。
【0050】
フォーム部4a、4bは、隔壁5によって隔てられ、また、外殻1の内部に流入区画7、外側区画8および流出区画9が画成されるように外殻1の縦軸6の周りに配置されており、前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流が流入区画7から外側区画8へ、次いで外側区画8から流出区画9へと強制的に流すことにより、外殻1の縦軸6に対して半径方向の速度成分を持たせることができるよう前記吸気管2および前記排気管3に通じている。フォーム層の孔隙率は、異なっていることが好ましい。圧力低下を最小にするために、穿孔管に近接する層の細孔は好ましくは大きく、外周に近接する層の細孔は好ましくは小さくなっているべきである。
【0051】
多くの適用例において、フォーム材は、触媒によりコーティングされている。コーティングする触媒の種類と量は、具体的な用途によって決まる。当該装置の重要な特徴は、異なるフォーム層に異なる種類および/または量の触媒をコーティングすることによって、1つのシステムに異なる触媒機能を組み合わせることができることである。さらに、フォームは、同時に、粒子状物質の濾過装置として作用するようになっていてもよい。
【0052】
図2に示した構成の変形例において、フォーム部4a、4b、12a、12bは、外殻1の内部に内側区画7、外側区画8、流出区画9および閉鎖区画13が画成されるよう外殻1の縦軸6の周りに配置されており、前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流を内側区画7から外側区画8と閉鎖区画13を経由して流出区画9へと強制的に流すことにより、外殻1の縦軸6に対して半径方向の速度成分を持たせることができるように前記吸気管2および前記排気管3に通じている。
【0053】
この構成は、濾過深度について妥協することにより、同一の総容積において、より大きい流路断面積を確保することができる。排気ガス流は、各々の流路抵抗に従って第1フォーム部と第2のフォーム部に分配される。主フォーム部と第2のフォーム部の内径と外径は、流れの好ましい分配が達成させるよう濾過および圧力低下についての要求を考慮して適切に決められる。フォーム孔隙率と触媒分布についても、図1の例について既に説明したのと同様な配慮が為されている。
【0054】
図3に示した構成の変形例においては、2つのユニットが、共通隔壁16を共有するようにして直列に取り付けられている。ユニットAは、隔壁A5により隔てられた2つのフォーム部A4a、A4bを有しており、前記フォーム部は、外殻1の内部に流入区画A7、外側区画A8および流出区画A9が画成されるよう外殻1の縦軸6の周りに配置されている。ユニットBは、隔壁B5により隔てられた2つのフォーム部B4a、B4bを有しており、前記フォーム部は、外殻1の内部に流入区画B7、外側区画B8および流出区画B9が画成されるよう外殻1の縦軸6の周りに配置されている。
【0055】
吸気管2を介してユニットAに流入するエンジンの排気ガス流については、内側区画A7から外側区画A8を経由して流出区画A9へと強制的に流すことにより、外殻1の縦軸6に対して半径方向の速度成分を持たせることができる。ユニットAは、ユニットBと共通隔壁16を共有するために、ユニットAを出る流れは、流出区画A9を経由してユニットBの流入区画B7に直接流入する。次いで、流れは、外側区画B8と流出区画B9を経由して排気管3へと強制的に流すことにより、外殻1の縦軸6に対して半径方向の速度成分を持たせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気管(2)および排気管(3)、並びに金属フォームの積層薄板からなり、前記吸気管(2)と排気管(3)とのあいだの連通流路に配置された2つのフォーム部(4a、4b)を備える空洞が画成されている金属外殻(1)を有する排気ガス後処理装置であって、前記フォーム部(4a、4b)は、隔壁(5)により隔てられているとともに、前記外殻(1)内に流入区画(7)、外側区画(8)および流出区画(9)が画成されるよう各々が前記外殻(1)の縦軸(6)の周りに配置された金属フォームの複数の薄板層を有し、前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流を前記流入区画(7)から前記外側区画(8)へ、次いで前記外側区画(8)から前記流出区画(9)へと強制的に流すことにより、前記外殻(1)の前記縦軸(6)に対して半径方向の速度成分を持たせることができるよう前記吸気管(2)と前記排気管(3)とに通じていることを特徴とする排気ガス後処理装置。
【請求項2】
前記2つの主フォーム部(4a、4b)に加え、金属フォームの積層薄板からなり、前記吸気管(2)と排気管(3)とのあいだの連通流路に配置された2つの第2のフォーム部(12a、12b)をさらに有する排気ガス後処理装置であって、前記2つの第2のフォーム部(12a、12b)も、また、前記外殻(1)内に内側区画(7’)、外側区画(8’)、流出区画(9’)および閉鎖区画(13)が画成されるよう前記外殻(1)の前記縦軸(6)の周りに配置された金属フォームの複数の薄板層を有し、前記区画は、使用時にエンジンの排気ガス流を前記内側区画(7’)から前記外側区画(8’)と前記閉鎖区画(13)を経由して前記流出区画(9’)へと強制的に流すことにより、前記外殻(1)の前記縦軸(6)に対して半径方向の速度成分を持たせることができるよう前記吸気管(2)と前記排気管(3)とに通じていることを特徴とする請求項1記載の排気ガス後処理装置。
【請求項3】
前記フォーム部(4a、4bおよび/または12a、12b)は、金属フォームの薄板の同心円層からなることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
金属フォーム層の孔隙率は、向きにより異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記フォーム部(4a、4bおよび12a、12b)は、穿孔管(10a、10bおよび15a、15b)の各々の周りに巻き付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記穿孔管(10a、15aおよび10b、15b)の各々の径は異なることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記穿孔管(10a、15aおよび10b、15b)の孔は位置により大きさが異なることを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
前記金属フォーム層は、触媒活性を有する材料によりコーティングされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記金属フォーム層の触媒充填率は、向きにより異なることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記隔壁(5)は、その外径が前記穿孔管(10a、15aおよび10b、15b)の径より大きく、また、前記外殻(1)の径より小さいいずれかの値をとる円板形を有することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記隔壁(5)は穿孔されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記隔壁(5)の孔は、位置により大きさが異なることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記穿孔管(15a)は、その一端を円板形隔壁(11)により閉鎖し、また、その反対側の端部を円板形隔壁(14)により閉鎖することにより、前記内側区画(7’)に流入したガス流が、前記外側区画(8’)と前記閉鎖区画(13)を経由して前記排気管(3)に通じる前記流出区画(9’)へと強制的に流されるようになっていることを特徴とする、請求項2に従属し、かつ請求項5〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
各々のフォームの薄板は、筒形状に形成可能な好適な機械的特性を有する金属合金により作製されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
各々が直列に配置された請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置を備える複数の組み合わせを有することを特徴とするエンジンの排気ガス後処理システム。
【請求項16】
各々が並列に配置された請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置を備える複数の組み合わせを有することを特徴とするエンジンの排気ガス後処理システム。
【請求項17】
各々が直列と並列の両方式により配置された請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置を備える複数の組み合わせを有することを特徴とするエンジンの排気ガス後処理システム。
【請求項18】
内面により画成された空洞を備える導管を有し、各々の組み合わせは前記空洞に収容されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−504466(P2010−504466A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528799(P2009−528799)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際出願番号】PCT/GR2007/000048
【国際公開番号】WO2008/035127
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509079455)アリストトル ユニバーシティ テッサロニキ−リサーチ コミッティー (2)
【出願人】(509080107)シーブイアールディー インコ リミテッド (1)
【出願人】(509224480)
【出願人】(309033415)
【Fターム(参考)】