説明

ガス吸着フィルタ及びガス吸着装置

【課題】通気性をもち圧力損失が低いながらも、1パスの吸着性能が高く、且つ吸着剤の充填量が多くできることで高寿命のガス吸着フィルタ及びガス吸着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔2を規則的に配列するように設けた成形フィルタ3を、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べてなり、各成形フィルタ3を間隔4を設けて配置していることを特徴とするガス吸着フィルタ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気中のガス成分を吸着するケミカルフィルタなどガス吸着フィルタ及びガス吸着フィルタを搭載したガス吸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工場や精密電子部品製造工場のクリーンルームにおける製造過程に使用されるケミカルフィルタに代表されるように、微量のガス状不純物を除去して高清浄度空気を保ち、かつ長寿命であるガス吸着フィルタが求められている。この種のガス吸着フィルタとして、特許文献1、2および3に記載されるような形状のガス吸着フィルタが提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のガス吸着フィルタは細孔をもたせ表面積を増大させた粒子状の吸着剤を収納ケースに充填したものであり、空気の流入口と流出口に多孔板が設けられている。この多孔板は空気を通過させるための穴が開いており、この目の大きさは吸着剤が収納ケースから落ちない程度のものである。
【0004】
特許文献2に記載のガス吸着フィルタは、粒状吸着剤とプラスチック粉末の混合物を加熱し、加熱した混合物をゴムの型を用いて圧縮して、壁面断面形状が涙滴形状のハニカムになるように成型したものである。
【特許文献1】特開平09−220425号公報
【特許文献2】特許第2523059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス吸着フィルタにはガスの捕集効率がある値まで低下するまでの時間、すなわち寿命という特性があり、ガスをいかに効率よく多く吸着できるかを表す。長寿命化のためにはガスとの接触効率を高め、吸着剤のフィルタ内への充填量を増やす必要があるが、充填量を多くすると圧力損失が大きくなり、フィルタに通風する際には、通風のための消費電力が大きくなることや騒音が大きくなるといった問題が生じる。そのため、超寿命でありながら、圧力損失が低いフィルタが求められている。
【0006】
従来の技術において、特許文献1のようなフィルタはガスの捕集効率を上げるために吸着剤を隙間なく充填するため、圧力損失が高いという課題がある。
【0007】
また、特許文献2のようなフィルタは、ハニカム状であり通気性があって圧力損失が低くすることができる。しかしながら、ハニカム形状とするために吸着剤の充填量を増やすことができず、ガスの吸着容量が低くなってしまい、長寿命のフィルタを得ることが難しい。また、製造上、ハニカムのセル密度は1平方インチあたり1〜50程度であり、押し出し成形で得られるハニカムと比べるとかなり小さく、結果あまり大きい表面積を得ることができない。また、壁厚も1mm程度であり、通風面積に対する開口面積の比率、つまり開口率をあまり大きくはできないため、セルを通過する際に、セル内部での通過風速が大きくなり、1パスの吸着性能が低下してしまうという課題がある。
【0008】
本発明では、このような従来の課題を解決するものであり、通気性をもち圧力損失が低いながらも、1パスの吸着性能が高い高性能のガス吸着フィルタ及びガス吸着装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガス吸着フィルタは上記目的を達成するために、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔を規則的に配列するように設けた成形フィルタを、ガスが通過する厚み方向に間隔を設けて複数枚並べたものである。これによって得られる成形フィルタは、通気孔によって低圧力損失のものが得られる。さらにこの成形フィルタをガスが通過する厚み方向に間隔を設けて複数枚並べてなるガス吸着フィルタは、成形フィルタ同士で挟まれた空間によって圧力変化による気流変化が発生し、吸着剤とガスとの接触確率が向上するため、1パス吸着能力の高いガス吸着フィルタが得られる。
【0010】
また、本発明のガス吸着フィルタは上記目的を達成するために、複数枚並べた成形フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタに設けた個数の内、少なくとも90%以上の貫通孔において、前記貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔の中心を結ぶ線が、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔の貫通方向に対して平行でないことを特徴とするものである。これによって前段の成形フィルタの貫通孔から流出したガスは、後段の成形フィルタの貫通孔に流入するまでに流れに乱れを起こし、吸着剤とガスとの接触確率が向上するため、1パス吸着能力の高いガス吸着フィルタが得られる。また、成形フィルタ同士の間に設ける間隔が1mm以上4mm以下であり、これによってガス流に乱れが起こっても圧損向上を抑えることができ、低圧力損失のガス吸着フィルタが得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔を規則的に配列するように設けた成形フィルタを、ガスが通過する厚み方向に間隔を設けて複数枚並べてガス吸着フィルタとすることで、通気性をもち圧力損失が低いながらも、1パスの吸着性能が高く、高性能のガス吸着フィルタ及びガス吸着装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明は、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔を規則的に配列するように設けた成形フィルタを、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べたガス吸着フィルタであって、各成形フィルタを間隔を設けて配置することを特徴とするものである。本発明では粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に無数の貫通孔を設けることで圧力損失が小さい成形フィルタを製造することができる。また、各成形フィルタを間隔を設けて配置することで、フィルタの内部分とフィルタ間の空間部分で大きな圧力差が生じ、乱流を生じることでガスと吸着剤の接触確立を向上させることができ、1パスの吸着性能を向上させることができる。
【0013】
なお、貫通孔を設ける手段としては幾つかの方法が考えられ、例えば針状突起を多数有する型枠に粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを充填し、加熱成形後に型枠を抜き取るという方法が考えられる。しかし、この方法では無数に密集して立てられた針状突起に粒状吸着剤を均一に充填することは困難であり、生産効率を考えると好ましいとは言えない。
【0014】
また、加熱成形した板状成形体に穴抜き加工を施すという方法が考えられる。これは例えばパンチングメタルを製造するように、複数のパンチを有する機械を用いて板状成形体の端部から連続的に穴抜き加工を施すというものであるが、この方法では穴抜き加工した断面の粒状吸着剤が破損し、粉落ちの原因になってしまうだけでなく、穴抜きした欠片がロスとなり、材料を効率的に利用できない。また、加工する板状成形体の厚みの制限も大きく、あまり分厚い成形体には加工が困難である。
【0015】
そこで本発明では、貫通孔を設ける手段として、複数の先端の尖った針状の突起を有する型を用いて、これを板状成形体に突き刺して貫通孔を設ける方法を用いることにした。こうすることで一本の針状突起に対して一個の通風孔を形成するため、針状突起を任意に配置することでその配置に対応した通風孔が容易に形成できるという作用を有する。なお、板状成形体は、型枠に粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを充填し、加熱成形後、加熱された状態で複数の針状突起を有する型を突き刺して貫通孔を設けることが好ましい。こうすることで突き刺した針状突起によって加熱状態の板状成形体は容易に押し広げられ、貫通孔を設けることができるという作用を有する。
【0016】
また、板状成形体を加熱成形すると同時に複数の針状突起を有する型を突き刺して貫通孔を設ける方法を用いても良い。こうすることで一度の工程で貫通孔を設けた成形フィルタを作製することができ、生産性を大幅に向上させることができるという作用を有する。なお、このとき型枠及び針状突起を有する型を同時に加熱しておくことで、熱可塑性樹脂は型枠及び針状突起の熱によって直に熱せられるため、加熱時間を大幅に短縮することができるという作用を有する。
【0017】
また本発明では、成形フィルタが粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂のみで構成されていることを特徴としている。通常、表面を介して吸着性能を発現する粒状吸着剤の表面を粒状熱可塑性樹脂が被覆してしまうと、ガス成分の粒状吸着剤表面への到達や粒状吸着剤からのガス成分の放出が妨げられるので機能性を発現できなくなってしまう。
【0018】
そこで、粒状吸着剤を成形あるいはフィルタ化するような場合、粒状吸着剤の表面を覆わないように最小限の接着面積で固定化することが求められる。しかし、こうした場合は粒状吸着剤との接着面積が少なくなるので接着強度が弱くなり、振動や衝撃によって粒状吸着剤が脱落することが多い。
【0019】
本発明では、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合して加熱成形することで、熱可塑性樹脂が架橋の役割を果たし、板状成形体の粒状吸着剤同士が点接着されるため、粒状熱可塑性樹脂による吸着剤の被覆を最小限に抑えつつ、振動や衝撃にも強い成形フィルタを提供することができるという作用を有する。なお、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミドイミドなどが挙げられる。
【0020】
また、本発明の請求項2記載の発明は、複数枚並べた成形フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタに設けた個数の内、少なくとも90%以上の貫通孔において、前記貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔の中心を結ぶ線が、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔の貫通方向に対して平行でないことを特徴とするものである。例えば、全く同じ配列パターンの貫通孔をもつ複数枚の成形フィルタを、それぞれの貫通孔がわずかなズレもなく揃った状態で間隔を設けて配置したとする。このとき、請求項1に記載のようにフィルタの内部分とフィルタ間の空間部分で大きな圧力差が生じ、乱流を生じることでガスと吸着剤の接触確立を向上させることができるが、貫通孔の中心部になればなるほど気流の直進性は高く、圧力変化に左右されずにフィルタを通過する確立が高くなる。そこで本発明では、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことでより乱流を生じさせることが可能であり、1パスの吸着性能を向上させることができる。
【0021】
また、本発明の請求項3記載の発明は、成形フィルタに設けた貫通孔の孔径及び配列パターンが同一である成形フィルタを複数枚並べたガス吸着フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタの貫通孔の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔と完全一致しないように配置することを特徴とするものであり、例えば貫通孔の孔径及び配列パターンが同一である成形フィルタであっても、表裏を逆にしたり、回転させたりすることで配列パターンをずらすことができるようにすればよく、またフィルタに角度を持たせて配置するなどの方法を用いてもよい。こうすることで、1種類の配列パターンの成形フィルタのみでn枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0022】
また、本発明の請求項4記載の発明は、成形フィルタに設けた貫通孔の配列パターンが異なる成形フィルタを交互に並べることを特徴とするものであり、特に配列パターンをずらすための方策を講じなくとも2種類の成形フィルタを交互に並べるだけでn枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0023】
また、本発明の請求項5記載の発明は、成形フィルタの厚み方向に対してガスの通風方向に角度を持たせるように貫通孔を設けることを特徴とするものであり、1種類の配列パターンの成形フィルタのみでn枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0024】
また、成形フィルタの厚み方向に対してガスの通風方向に角度を持たせるように貫通孔を設けることで貫通孔の距離を長くとることができ、1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0025】
また、本発明の請求項6記載の発明は、成形フィルタに設けた貫通孔の配列パターンが60度の千鳥配列であることを特徴とするものである。貫通孔の配列パターンについてはフィルタの仕様に合わせて任意に様々な配列パターンを選ぶことができるが、最も最密に配列するには、1つの孔を中心に60度間隔で等距離の位置に6つの孔を配置する60度の千鳥配列が好ましく、こうすることで正六角形が縦横に配列したハニカム構造に近い形状となる。この配列であれば隣り合う貫通孔同士のピッチが一定となるので、強度、性能を両立できるという作用を有する。
【0026】
また、本発明の請求項7記載の発明は、貫通孔の配列パターンのピッチ(P)が孔径(D)に対してD<P<2Dの範囲であることを特徴とするものである。ピッチと孔径の大きさによって開口率と壁厚が決定するため、フィルタの強度と吸着性能に大きく影響する。こうすることでフィルタの強度、性能を両立できるという作用を有する。
【0027】
また、本発明の請求項8記載の発明は、成形フィルタ同士の間に設ける間隔が1mm以上4mm以下であることを特徴とするものである。ケミカルフィルタなどガス吸着フィルタ及びガス吸着フィルタを搭載したガス吸着装置などにおいては設置する条件や、材料コストから収納できる体積が限られていることがほとんどである。本発明においては、吸着剤を充填できる部分に敢えて空間を設けることを特長としているが、成形フィルタ同士の間に設ける間隔を1mm以上4mm以下の範囲にすることで低圧力損失と高い吸着性能を両立することが可能である。1mm以下の間隔では急激に圧力損失が向上してしまい、また、4mm以上間隔を設けてもほとんど圧力損失に変化はなく、逆に充填できる吸着剤の重量が減少してしまい、吸着能力が低下してしまう。
【0028】
また、本発明の請求項9記載の発明は、成形フィルタ間の間隔が均一になるように間隔保持材を成形フィルタの間に設けることを特徴とするものであり、例えば成形フィルタの間にフレーム枠やスペーサを挟んだりすることで容易に成形フィルタ間の間隔を均一に保持することが可能である。こうすることで安定した圧力損失と吸着性能を持ったガス吸着フィルタを提供することができる。
【0029】
また、本発明の請求項10記載の発明は、間隔保持材が、ガスが容易に通過でき、且つガスの流れに乱流を起こすような三次元構造を有するシート状の基材であることを特徴とするものであり、こうすることで、成形フィルタ間の間隔を均一に保持することが可能であると同時により乱流を引き起こすことで吸着剤とガスとの接触効率を高め、1パス吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0030】
また、本発明の請求項11記載の発明は、間隔保持材がガス吸着作用を有することを特徴とするものであり、例えば三次元構造を有するシート状の基材に吸着剤を担持したものなどが挙げられる。こうすることで成形フィルタ間の間隔を均一に保持することが可能であると同時に吸着性能としては減少要因であった成形フィルタ間の間隔部分においても吸着性能を発揮することができ、1パス吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0031】
また、本発明の請求項12記載の発明は、間隔保持材が発泡ウレタンであることを特徴とするものである。発泡ウレタンは空隙率が高いにも関わらず、形状保持性が高く、低圧力損失な間隔保持材として最適である。また、発泡ウレタンに吸着剤を担持することも容易であり、1パス吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0032】
また、本発明の請求項13記載のガス吸着装置は、吸込み口と吹出し口を有する筐体内に請求項1乃至11いずれか記載のガス吸着フィルタと送風手段を備えたことを特徴とするものであり、通気性をもち圧力損失が低いながらも、1パスの吸着性能が高い、高性能のガス吸着フィルタを搭載したガス吸着装置を提供することができる。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
(実施の形態1)
本発明によるガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図を図1に示す。図1に示すようにガス吸着フィルタ1は、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔2を規則的に配列するように設けた成形フィルタ3を、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べてなり、各成形フィルタ3を間隔4を設けて配置している。
【0035】
粒状吸着剤としては破砕炭や造粒炭などの粒状活性炭やイオン交換樹脂などが挙げられ、強度があり、熱可塑性樹脂との接着性が確保できるものであることが好ましい。なお、粒状吸着剤の種類は脱臭の対象となるガスの性質に合わせて選ぶことができ、1種類あるいは2種類以上の粒状吸着剤を組み合わせても良い。また、粒状吸着剤の粒子径としては100μm〜1000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは250μm〜500μmの範囲である。こうすることで、樹脂膜による吸着剤の埋没を防ぎ、吸着性能の低下を抑制する作用を有する。
【0036】
また、粒状熱可塑性樹脂としてはホットメルトと呼ばれる樹脂粒子が好ましく、その材質としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミドイミドなどが挙げられる。また、粒状熱可塑性樹脂の粒子径としては、粒状吸着剤の粒子径に対する粒状熱可塑性樹脂の粒子径比が0.1〜1の範囲であることが好ましい。こうすることで接着強度を十分に保持しつつ、吸着性能の高いガス吸着フィルタを形成することが可能であるという作用を有する。また、粒状吸着剤に対する熱可塑性樹脂の混合重量比は5%〜30%であることが好ましく、より好ましくは10%〜20%の範囲である。混合重量比が5%以下では接着強度が弱く、フィルタを形成することは困難であり、また混合重量比が30%以上では強度は高くなるが、樹脂成分が多くなりすぎて吸着剤表面の大部分を覆ってしまい、吸着性能が低下してしまう。粒状吸着剤に対する粒状熱可塑性樹脂の重量混合比を前記範囲にすることで高い強度を持ったフィルタが成型可能であり、且つ高い吸着性能を持たせることができるという作用を有する。
【0037】
成形フィルタ3の厚みは成形性、フィルタ強度、吸着性能を考慮して1mm〜15mm程度が好ましく、ガス吸着フィルタ全体の厚みを考慮すれば5mm〜10mm程度がより好ましい。並べる成形フィルタ3の枚数としてはいかなる枚数でもよいが、吸着性能やガス吸着フィルタ全体の厚みを考慮すれば3〜10枚程度が好ましい。フィルタ同士の間隔4は貫通孔の径やピッチによって最適な値は変動するが、概ね1mm〜4mmの間であることが好ましい。1mm以下の間隔では急激に圧力損失が向上してしまい、また、4mm以上間隔を設けてもほとんど圧力損失に変化はなく、逆に充填できる吸着剤の重量が減少してしまい、吸着能力が低下してしまうためである。1mm以上4mm以下の範囲にすることで低圧力損失と高い吸着性能を両立することが可能である。
【0038】
また、フィルタの拡大図に示すように、本実施の形態において、n枚目の成形フィルタ3に設けた貫通孔2において、前記貫通孔2と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタ3に設けた貫通孔2のそれぞれの孔の中心を結ぶ中心線5が、n枚目の成形フィルタ3に設けた貫通孔2の貫通方向6に対して平行にならないようにずらして配置してある。n枚目の成形フィルタ3に設けた貫通孔2に対して、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタ3に設けた貫通孔2の位置を意図的にずらすことでより乱流を生じさせることが可能であり、1パスの吸着性能を向上させることができる。貫通孔2をずらす方法としては例えば図2または図3に示すような方法が挙げられる。なお、図2及び図3は複数枚並べた成形フィルタの一部を正面から見たときの概略図であり、n枚目の成型フィルタに設けた貫通孔(n)7を実線、n+1枚目の成型フィルタに設けた貫通孔(n+1)8を点線で表している。すなわち、成形フィルタに設けた貫通孔の孔径及び配列パターンが同一である成形フィルタを複数枚並べたガス吸着フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタの貫通孔(n)7の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔(n+1)8と完全一致しないように配置しており、例えば図2に示すようにn+1枚目の成型フィルタの表裏を逆にして重ねるか、あるいは180度回転させて重ねればよく、また図3に示すようにn+1枚目の成型フィルタを90度回転させて重ねることで容易に配列パターンをずらすことができる。こうすることで、1種類の配列パターンの成形フィルタのみでn枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。なお、貫通孔の配列パターンはn枚目の成形フィルタの貫通孔(n)7の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔(n+1)8と完全一致しないように配置することができればいかなるものでも効果に差はないが、本実施の形態のように貫通孔の配列パターンを全て60度の千鳥配列にすることで隣り合う貫通孔同士のピッチが一定となるので、強度、性能を両立できるという作用を有する。
【0039】
また、貫通孔2をずらす別の方法としては例えば図4に示すような方法が挙げられる。なお、図4は複数枚並べた成形フィルタの一部を正面から見たときの概略図であり、n枚目の成型フィルタに設けた貫通孔(n)7を実線、n+1枚目の成型フィルタに設けた貫通孔(n+1)8を点線で表している。すなわち、成形フィルタに設けた貫通孔の配列パターンが異なる成形フィルタを交互に並べたガス吸着フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタの貫通孔(n)7の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔(n+1)8と一部を除いて完全一致しないように配置しており、例えば図4に示すようにn枚目の成形フィルタのピッチに対してn+1枚目の成形フィルタのピッチを広くしたものを並べることで容易に配列パターンをずらすことができる。こうすることで、2種類の配列パターンの成形フィルタを単純に交互に並べるだけでn枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。なお、本実施の形態のように貫通孔の配列パターンが全て60度の千鳥配列であり、且つn枚目の成形フィルタのピッチに対してn+1枚目の成形フィルタのピッチを広くした場合、2枚のフィルタを重ねることで干渉紋が生じ、そのピッチ幅の組み合わせによってまれにn枚目とn+1枚目の貫通孔が完全一致する部分が生まれる。ピッチの組み合わせによってその数は変動するが、n枚目の成形フィルタのピッチをP(n)、n+1枚目の成形フィルタのピッチをP(n+1)としたとき、P(n)=2P(n+1)あるいは3P(n)=2P(n+1)のような特殊な組み合わせを除けば数%で、フィルタ全体の貫通孔の数から考えれば極めて微小であり、吸着性能にはなんら影響はないと考えられる。
【0040】
(実施の形態2)
本発明による別のガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図を図5に示す。図1と同じ構成、作用は、同一番号を付し、説明は省略する。
【0041】
図5に示すようにガス吸着フィルタ1は、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔2をフィルタの厚み方向に対してガスの通風方向に角度を持たせるように規則的に配列するように設けた成形フィルタ3を、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べてなり、各成形フィルタ3を間隔4を設けて配置している。こうすることで成形フィルタに設けた貫通孔の孔径及び配列パターンが同一である成形フィルタを単純に並べたガス吸着フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタの貫通孔(n)7の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔(n+1)8と完全一致しないように配置しており、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔を意図的にずらすことができ、少ない構成部材で1パスの吸着性能を向上させることができるという作用を有する。なお、貫通孔の角度としては成形フィルタの厚み、孔径、配列パターン、ピッチによって最適な角度が決まるが、n枚目の成形フィルタの貫通孔とn+1枚目の成形フィルタの貫通孔が同一線上にならない範囲であることが望ましい。
【0042】
(実施の形態3)
本発明による別のガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図を図6に示す。図1と同じ構成、作用は、同一番号を付し、説明は省略する。
【0043】
図6に示すようにガス吸着フィルタ1は、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔2を規則的に配列するように設けた成形フィルタ3を、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べてなり、各成形フィルタ3を間隔4を設けて、且つ成形フィルタ3同士の間隔が均一になるように間隔保持材9を成形フィルタの間に設けて配置している。
【0044】
間隔保持材9としては例えば成形フィルタの間にフレーム枠やスペーサを挟んだりすることで容易に成形フィルタ間の間隔を均一に保持することが可能であり、こうすることで安定した圧力損失と吸着性能を持ったガス吸着フィルタを提供することができるが、本実施の形態では、間隔保持材として例えば発泡ウレタンのような空隙率が高いにも関わらず、形状保持性が高く、低圧力損失な間隔保持材を用いることで、ガスが容易に通過でき、且つガスの流れに乱流を起こすことが可能であり、成形フィルタ間の間隔を均一に保持することが可能であると同時により乱流を引き起こすことで吸着剤とガスとの接触効率を高め、1パス吸着性能を向上させることができるという作用を有する。更に、三次元構造を有するシート状の基材に吸着剤を担持することでフィルタ間の間隔を均一に保持することが可能であると同時に吸着性能としては減少要因であった成形フィルタ間の間隔部分においても吸着性能を発揮することができ、1パス吸着性能を向上させることができるという作用を有する。
【0045】
(実施の形態4)
本発明によるガス吸着装置の概略図を図7に示す。図1と同じ構成、作用は、同一番号を付し、説明は省略する。図7に示すようにガス吸着装置10は、粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔2を規則的に配列するように設けた成形フィルタ3を、ガスが通過する厚み方向に各成形フィルタ3を間隔4を設けて複数枚並べてなるガス吸着フィルタ1と送風手段11を吸い込み口12と吹き出し口13を有する筐体14の内部に備えてなり、送風手段11によって吸い込み口12から筐体14に導入されたガスをガス吸着フィルタ1によって吸着除去し、吹き出し口13から清浄空気を放出するものである。これによって通気性をもち圧力損失が低いながらも、1パスの吸着性能が高く、高性能のガス吸着装置を提供することができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0047】
(実施例1)
横102mm、縦53mm、厚み12mmの樹脂製プレートに、孔径φ1.2mm、ピッチ2.4mmで60度千鳥配列の配列パターンで無数の貫通孔を設けた樹脂成形プレートを3枚作製した。これら3枚の樹脂成形プレートをそれぞれの貫通孔が揃うように隙間なく重ね、専用のダクトに設置し、プレートの通過風速を0.5m/sとしたときの圧力損失を測定した。続けて、3枚重ねた樹脂成形プレートの内、真ん中の樹脂成形プレートのみをプレートと平行に少しずつずらし、3枚の樹脂成形プレートに設けた貫通孔に重なり部分ができた状態で同様に圧力損失を測定した。プレートのずれは0.4mm、0.8mm、1.2mmの3点での測定とし、1.2mmのときに最も貫通孔の重なり部分が大きい。これらの測定結果を比較例1とした。
【0048】
次に、3枚の樹脂成形プレート同士を一定の間隔を設け、その状態で比較例と同様に真ん中のプレートをずらしたときの圧力損失の変化を測定した。プレート同士の間に設ける間隔として、1mm、2mm、4mm、6mmの4条件で測定を行い、これらの測定結果を実施例1とした。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示すように、3枚プレートを隙間なく重ねた比較例1では、プレートのずれが大きくなるにつれて圧力損失が急激に増加することがわかる。一方、実施例1ではプレート同士の間の隙間をたった1mm設けるだけで、貫通孔にずれが生じても圧力損失の増加は劇的に抑えられることがわかる。さらに間隔を増やすごとにその抑制効果は向上するが、4mmの間隔で貫通孔のずれによる圧力損失の上昇はほとんどなくなり、それ以上の間隔を設けても圧力損失抑制に効果はみられなかった。この結果から、複数枚の成形フィルタを並べたガス吸着フィルタにおいて、乱流を引き起こすようにそれぞれの貫通孔が重なり合うように成形フィルタを並べても、成形フィルタ同士の間隔を1mm〜4mm設けることでほとんど圧力損失を増加させることなく吸着性能の高いガス吸着フィルタを提供することができる。
【0051】
(実施例2)
ガスを吸着するための粒子状吸着剤としての粒子の大きさが0.32mm以上1.6mm以下の範囲で分布を持つ活性炭粒子と粒子状熱可塑性樹脂として大きさが0.08mm以上0.16mm以下の範囲で分布を持つポリアミド粒子とを、活性炭重量80に対し水を重量40で一旦混合し活性炭と水をなじませた後、ポリアミド粒子を10で混合する。これを容器内に前記混合材料を深さが等しくまた、平面になるようにならして入れ、130℃のオーブンで加熱する。材料表面を観察し、ポリアミド粒子が溶解して、白い粒子が見えなくなった時点を加熱終了とし、板状成形体を作製する。
【0052】
貫通孔を設けるために複数の針状突起が規則的に配列した針金型を用いる。針状突起として鋼線の直径が1.13mmであり、先端を尖らせた針を用意し、これを針の中心間距離であるピッチが2.2mm且つ、中心間を結んだ線がそれぞれ60度で交わるような60度千鳥配列の配列パターンで配置し、固定する。針はそれぞれが平行に林立するように並べ、針金型とする。また、それぞれの針が貫通するパンチング板を林立する針に通して設置する。
【0053】
この針金型と、針を貫通させて針金型上に設置したパンチング板を130℃のオーブンで加熱する。
【0054】
加熱成形した板状成形体に、加熱した針金型を刺して、混合材料に貫通孔を開け、パンチング板で押さえながら、針金型を抜いて成形フィルタを作製する。
【0055】
こうして得られる成形フィルタについて、縦40mm、横40mm、厚みが約8mm〜9mmのものを複数枚作成し、4枚を隙間がないように重ね合わせて35mmの厚みになるように調整し、数箇所の貫通孔にピンを貫通させて4枚全ての貫通孔が揃うようにしたガス吸着フィルタ比較例2とした。同様に、縦40mm、横40mm、厚みが約10mm〜11mmのものを複数枚作成し、3枚をフィルタ同士の間隔が1.5mmになるように並べ、隙間を含めた合計の厚みが35mmになるように調整し、さらに真ん中の成形フィルタのみを貫通孔の配列が90度傾くように回転させた状態で固定し、3枚の成形フィルタの貫通孔に重なり部分ができるようにしたガス吸着フィルタを実施例2とした。
【0056】
こうして得られたガス吸着フィルタのガス吸着性能の評価として、フィルタの通過風速を0.5m/sとして通過する気中のトルエン20ppmガスのトルエン除去率を測定した。結果を図7に示す。
【0057】
図7に示すように、比較例2では初期のトルエンの1パス除去率が86%程度であるのに対し、実施例2では92%と1パス除去率が約6%向上していることがわかる。35mmというフィルタの厚みの内、比較例2ではその全てにおいて活性炭で占められているのに対し、実施例2ではフィルタとフィルタの間に3mm分の隙間が存在し、32mm分の厚みにしか活性炭が占めていない。それにもかかわらず1パス除去性能に6%もの優位性を示しており、貫通孔をずらすことによって乱流を発生させ、吸着剤とガスとの接触確立を向上させることでガス吸着フィルタの1パス除去率を向上させることができることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔を規則的に配列するように設けた成形フィルタを、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べることで圧力損失が小さくまたガス除去寿命が長いガス吸着フィルタを提供できる。また、複数枚並べた成形フィルタのそれぞれ設けた貫通孔を意識的にずらすことによって乱流を引き起こし、吸着剤とガスとの接触確立を向上させることで1パス除去性能の高いガス吸着フィルタを提供でき、クリーンルームなどの有害ガスの除去などの用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施の形態1のガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図
【図2】実施の形態1の成形フィルタの一部を正面から見たときの概略図
【図3】実施の形態1の別の成形フィルタの一部を正面から見たときの概略図
【図4】実施の形態1の別の成形フィルタの一部を正面から見たときの概略図
【図5】実施の形態2のガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図
【図6】実施の形態3のガス吸着フィルタの概略図及びフィルタの拡大部分の概略図
【図7】実施の形態4のガス吸着装置の概略図
【図8】トルエンガス試験の試験時間に対する除去率変化を表したグラフ
【符号の説明】
【0060】
1 ガス吸着フィルタ
2 貫通孔
3 成形フィルタ
4 間隔
5 中心線
6 貫通方向
7 貫通孔(n)
8 貫通孔(n+1)
9 間隔保持材
10 ガス吸着装置
11 送風手段
12 吸い込み口
13 吹き出し口
14 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状吸着剤と粒状熱可塑性樹脂を混合したものを加熱成形した板状成形体に、複数の円形の貫通孔を規則的に配列するように設けた成形フィルタを、ガスが通過する厚み方向に複数枚並べたガス吸着フィルタであって、各成形フィルタを間隔を設けて配置することを特徴とするガス吸着フィルタ。
【請求項2】
複数枚並べた成形フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔の個数の内、少なくとも90%以上の貫通孔において、前記貫通孔と、それに最も近いn+1枚目の成形フィルタに設けた貫通孔のそれぞれの孔の中心を結ぶ線が、n枚目の成形フィルタに設けた貫通孔の貫通方向に対して平行でないことを特徴とする請求項1記載のガス吸着フィルタ。
【請求項3】
成形フィルタに設けた貫通孔の孔径及び配列パターンが同一である成形フィルタを複数枚並べたガス吸着フィルタにおいて、n枚目の成形フィルタの貫通孔の投影面が、n+1枚目の成形フィルタの貫通孔と完全一致しないように配置することを特徴とする請求項1または2記載のガス吸着フィルタ。
【請求項4】
成形フィルタに設けた貫通孔の配列パターンが異なる成形フィルタを交互に並べることを特徴とする請求項1または2記載のガス吸着フィルタ。
【請求項5】
成形フィルタの厚み方向に対してガスの通風方向に角度を持たせるように貫通孔を設けることを特徴とする請求項1または2記載のガス吸着フィルタ。
【請求項6】
成形フィルタに設けた貫通孔の配列パターンが60度の千鳥配列であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のガス吸着フィルタ。
【請求項7】
貫通孔の配列パターンのピッチ(P)が孔径(D)に対してD<P<2Dの範囲であることを特徴とする請求項6記載のガス吸着フィルタ。
【請求項8】
成形フィルタ同士の間に設ける間隔が1mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のガス吸着フィルタ。
【請求項9】
成形フィルタ間の間隔が均一になるように間隔保持材を成形フィルタの間に設けることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のガス吸着フィルタ。
【請求項10】
間隔保持材が、ガスが容易に通過でき、且つガスの流れに乱流を起こすような三次元構造を有するシート状の基材であることを特徴とする請求項9記載のガス吸着フィルタ。
【請求項11】
間隔保持材がガス吸着作用を有することを特徴とする請求項9または10記載のガス吸着フィルタ。
【請求項12】
間隔保持材が発泡ウレタンであることを特徴とする請求項9乃至11いずれか記載のガス吸着フィルタ。
【請求項13】
吸込み口と吹出し口を有する筐体内に請求項1乃至12いずれか記載のガス吸着フィルタと送風手段を備えたガス吸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−167324(P2010−167324A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9512(P2009−9512)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】