説明

ガス拡散層、これの製造方法、及びこの方法により製造されたガス拡散層を含む燃料電池

【課題】中空部を形成して、燃料及び副産物の移動を円滑にし燃料電池の性能を向上させることができるガス拡散層とその製造方法を提供する。
【解決手段】作動温度が100℃以下である燃料電池用セルのガス拡散層30内部に上下方向に中空された中空部を、特定パターンを有する枠を利用するか、マイクロニードル21またはマイクロレンズ22を利用して形成することで、ガス拡散層内部の拡散抵抗を下げ、前記中空部を通じて燃料及び反応物が容易に移動でき、燃料分圧が低い状況でも反応が円滑に起こり、燃料電池の性能を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス拡散層に中空部を形成して、燃料及び副産物の移動を円滑にすることができ、燃料電池の性能を向上させることができるガス拡散層、これの製造方法、及び前記方法により製造されたガス拡散層を含む燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(Fuel Cell)は、酸化により生じる化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電池であって、水素、酸素のように、地球上に豊かに存在する物質から電気エネルギーを発生させる、新しい親環境的未来型エネルギー技術である。
【0003】
燃料電池は、空気極(Cathode)に酸素が供給されて、燃料極(Anode)に水素が供給され、水の電気分解逆反応形態に電気化学反応が進行されて、電気、熱、及び水が発生し、公害を誘発することなく、高効率で電気エネルギーを生産する。
【0004】
このような燃料電池は、従来の熱機関において限界として作用しているカルノーサイクル(Carnot Cycle)の制限から自由であるため、40%以上の効率を上げることができ、上述のように、排出される物質が水だけであるため、公害の恐れもなく、従来の熱機関とは異なり、機械的に運動する部分が不要であるため、小型化が可能で且つ騒音がないなど、様々な長所を有している。したがって、燃料電池に係わる各種技術及び研究が活発に進行されている。
【0005】
燃料電池は、その電解質の種類によって、リン酸燃料電池(PAFC、Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩燃料電池(MCFC、Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物燃料電池(SOFC、Solid Oxide Fuel Cell)、高分子電解質燃料電池(PEMFC、Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)、メタノール燃料電池(DMFC、Direct Methanol Fuel Cell)、アルカリ燃料電池(AFC、Alkaline Fuel Cell)など、6種類程度が実用化または計画中にある。各燃料電池の特徴を下記の表に要約した。
【0006】
【表1】

【0007】
上記の表から分かるように、各燃料電池は、その出力範囲及び主要用途などが様々であって、目的に応じ、適合した燃料電池を選択することができる。この中でも、高分子電解質燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べ、著しく低い温度で作動が可能であり、高い効率及び電流密度が得られるだけではなく、製作が容易であるという長所があって、輸送用動力源、即ち新概念の自動車のような手段に利用できるという点で、その効用が極めて大きいと言える。
【0008】
前記高分子電解質燃料電池の作動原理を示した概念図であって、空気極に酸素が供給されて、燃料極に水素が供給される。この時の反応は、下記の式に従う。
燃料極(Anode)反応:H→2H+2e
空気極(Cathode)反応:1/2O+2H+2e→H
【0009】
上記のような特徴を有する高分子電解質燃料電池は、前記燃料極を通じて供給される燃料(水素及び酸素)が触媒層に円滑に移動できなければならず、触媒層と電解質層の反応から生じた電流が円滑に移動できなければならない。
【0010】
したがって、前記燃料極のガス拡散層(Gas Diffusion Layer, GDL)は、電気伝導性のよいグラファイトからなって電流を伝達し、内部の気孔を通じて燃料及び副産物(水分)を伝達する。
【0011】
図1は、現在ガス拡散層として広く利用される炭素布(Carbon cloth)の微細構造を(a)に示して、炭素紙(Carbon Paper)の微細構造を(b)に示した。
【0012】
前記図1に示されたように、ガス拡散層は、内部の気孔を通じて燃料及び反応物が移動されるが、その移動経路が不規則的になっており、燃料の拡散のための移動抵抗が高くて、触媒層へ円滑に移動できない問題点がある。
【0013】
また、均一な燃料電池の性能を期待し難く、特に、高電流領域では、大きな損失が発生する問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、特定パターンを有する枠でガス拡散層を製造するか、マイクロニードルまたはマイクロレンズを利用して、中空部が形成されたガス拡散層を製造することにより、燃料及び反応物が円滑に移動でき、燃料電池の性能を向上させて、均一な性能が期待できるガス拡散層、これの製造方法、及び前記方法により製造されたガス拡散層を含む燃料電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の燃料電池用セルは、電解質層と、前記電解質層の両側面に接触形成される触媒層、ガス拡散層とからなり、水素と接触される燃料極及び酸素または空気と接触される空気極からなって、前記電解質層を通じてカチオンが伝達されるか、作動温度が100℃以下である燃料電池用セルにおいて、前記燃料電池用セルは、前記ガス拡散層30内部に、上下方向に中空された中空部が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記中空部は、複数形成されることを特徴とし、前記中空部は、所定角度傾いて形成されることを特徴として、前記燃料電池用セルは、前記中空部同士が連通することを特徴とする。
【0017】
一方、本発明のガス拡散層の製造方法は、燃料電池のガス拡散層を製造する方法において、前記ガス拡散層の製造方法は、a)ガス拡散層の内部に、上下方向に連通する中空部が形成されるように、前記中空部に対応する形態の枠を製造する段階と、b)前記枠にガス拡散層の材料を入れて乾燥し、ガス拡散層を製造する段階と、c)前記枠を除去する段階と、を含んで形成されることを特徴とする。
【0018】
また、前記a)段階は、a−1)枠を形成する板材を製造する段階と、a−2)前記板材の上面に酸化膜を形成する段階と、a−3)前記酸化膜の上面に減光剤(PR;Photoresist)を塗布する段階と、a−4)前記減光剤が塗布された板材の上に特定パターンを有するマスクを形成して、紫外線を照射し、減光剤にパターンを形成する段階と、a−5)エッチングして、前記酸化膜にパターンを形成する段階と、a−6)前記減光剤を除去する段階と、a−7)エッチングして板材にパターンを形成する段階と、a−8)前記酸化膜の除去段階と、を含めて形成することを特徴とし、前記a−4)段階において、光の照射角度を調節して、前記中空部が一定角度傾くように形成されることを特徴とする。
【0019】
また、前記b)段階において、前記ガス拡散層の材料は、パウダー、繊維(Fiber)、またはスラリーの形態であることを特徴とする。
【0020】
一方、本発明の他のガス拡散層の製造方法は、燃料電池の燃料極または空気極を形成するガス拡散層の製造方法において、i)一定厚さを有するガス拡散層を製造する段階と、ii)第1の乾燥段階と、iii)前記ガス拡散層の一側面に複数個の突出部が形成された中空部を利用して、複数の中空部を形成する段階と、iv)第2の乾燥段階と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記中空部形成部材は、マイクロニードル(Micro Needle)またはマイクロレンズ(Micro Lens)であることを特徴とする。
【0022】
一方、本発明のガス拡散層は、上述の方法により製造されることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の燃料電池は、前記ガス拡散層を含んで形成されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[実施例]
以下、上述のような特徴を有する本発明のガス拡散層、これの製造方法、及び前記製造方法により製造されたガス拡散層を含む燃料電池を、図面を参照し詳細に説明する。
【0025】
本発明のガス拡散層30は、様々な方法を通じて中空部31を形成することにより、物質の拡散抵抗を下げ、円滑に移動できるようにして、以下、中空部31を形成する具体的な方法について説明する。
【0026】
図2は、本発明によるガス拡散層の製造方法のブロック図であって、本発明のガス拡散層30の製造方法は、 燃料電池の 燃料極を形成するガス拡散層を製造する方法において、前記ガス拡散層の製造方法は、a)枠10の製造段階Saと、b)ガス拡散層30の製造段階Sbと、c)枠10の除去段階Scと、を含んで形成されることを特徴とする。
【0027】
前記枠10の製造段階Saにおいて、前記枠10は、前記ガス拡散層30の内部に、上下方向に連通する中空部31が形成されるように、前記中空部31に対応する形態を有して、前記枠10は、様々な方法により形成できる。
【0028】
図3は、本発明によるガス拡散層30の製造を示した概略図であって、製作された枠10にガス拡散層30を製造し、上下方向に連通する中空部31が形成されたガス拡散層30を形成して、前記枠10を除去することにより、ガス拡散層30を製造することができる。
【0029】
前記中空部31の直径及び数は、ガス拡散層30の強度を低下させない範囲内で行わなければならない。
【0030】
図4は、本発明によるガス拡散層30を示した斜視図であって、本発明のガス拡散層の製造方法は、中空部31が一定角度傾くように形成することができる。前記図4に示された形態は、中空部31の左・右一対が対称に形成された例を示して、本発明のガス拡散層30は、多様に形成できる。
【0031】
前記ガス拡散層30の材料は、パウダー、繊維、またはスラリー形態のものが利用可能であり、前記ガス拡散層30の製造段階Sbにおいて、必要に応じて温度及び圧力が加えられる。
【0032】
図5は、本発明によるガス拡散層30の製造方法において、枠10の製造段階を示したブロック図であり、図6は、前記図5に示したブロック図の各段階を説明した概略図であって、前記枠10を製造する具体的な方法を提示する。
【0033】
前記枠10の製造段階Saは、a−1)前記枠10を形成する板材11を製造する段階Sa−1と、a−2)前記板材11の上面に酸化膜12を形成する段階Sa−2と、a−3)前記酸化膜12の上面に減光剤13を塗布する段階Sa−3と、
a−4)特定パターンを有するマスクを形成して、紫外線を照射し、減光剤13にパターンを形成する段階Sa-4と、a−5)前記酸化膜12にパターンを形成する段階Sa−5と、a−6)前記減光剤13を除去する段階Sa−6と、a−7)板材11にパターンを形成する段階Sa−7と、a−8)前記酸化膜12の除去段階Sa−8と、を含めて形成することを特徴とする。
【0034】
前記板材11としては、シリコンウェハーが、前記酸化膜12としては、SiOが、前記減光剤13としては、Su−8が利用でき、条件に応じて多様に利用できることは自明である。
【0035】
さらに、前記減光剤13は、紫外線により溶けられる陽性減光液及び紫外線により硬化される陰性減光液のいずれも使用できる。
【0036】
前記減光剤13のパターン形成段階Sa−4において、前記マスクは、特定パターンを有するように形成され、前記紫外線を一部領域のみを通過するようにすることにより、前記減光剤13、酸化膜12、及び板材11に特定パターンが形成されるようにする。
【0037】
また、前記減光剤13のパターン形成段階Sa−4において、光の照射方向を調節して、一定角度傾いたパターンを形成することができる。
【0038】
一方、中空部31の形成されたガス拡散層30を製造する他の方法として、図7を参照して説明すると、 燃料電池の燃料極を形成するガス拡散層の製造方法において、i)一定厚さを有するガス拡散層30を製造する段階Siと、ii)第1の乾燥段階Siiと、iii)前記ガス拡散層30の一側面に複数個の突出部が形成された中空部形成部材20を利用して、複数の中空部31を形成する段階Siiiと、iv)第2の乾燥段階Sivと、を含むことを特徴とする。
【0039】
前記ガス拡散層30の製造段階Siは、繊維、スラリー、またはパウダーの形態の材料を利用してガス拡散層30を製造する段階であって、この際、必要に応じて圧力が加えられ得る。
【0040】
前記ii)第1の乾燥段階Siiは、スラリーが一定強度を有するように乾燥する段階であって、前記中空部形成部材20により中空部31が容易に形成できるように、150〜200℃の温度で行うことが好ましい。
【0041】
前記iii)中空部31の形成段階Siiiにおいて、前記中空部形成部材20は、前記図8に示されたようなマイクロニードル21が利用でき、前記マイクロニードル21だけではなく、一側に複数個の突出部が形成され、ガス拡散層30の内部に中空部31を形成できるものであれば、制限なく利用可能である。
【0042】
図9は、本発明によるガス拡散層30の中空部31の形成前と形成後を示した写真であって、前記図9に示されたように、本発明のガス拡散層の製造方法は、前記ガス拡散層30に複数の整列された中空部31を形成して、既存の多孔性材質が有する利点と共に、燃料及び副産物がさらに円滑に移動できるようにする。
【0043】
図10は、本発明による中空部形成部材20の例を示した断面図であって、前記図10(a)のように、半球状の突出部を有するマイクロレンズ22が利用でき、前記図10(b)のように、突出部の形状が異なっているマイクロニードル21が利用できる。
【0044】
図11は、本発明による燃料電池用セル100の概略図であって、本発明の燃料電池用セル100は、 電解質層50と、前記電解質層50の両側面に接触形成される触媒層40、ガス拡散層30とからなり、水素と接触される燃料極60及び酸素または空気と接触される空気極70からなって、前記電解質層50を通じてカチオンが伝達されるか、作動温度が100℃以下である燃料電池用セル100において、前記燃料電池用セル100は、前記ガス拡散層30の内部に、上下方向に中空された中空部31が形成されることを特徴とする。
【0045】
燃料電池用セル100のうち、電解質層50を通じてカチオンが伝達されるか、作動温度が100℃以下である種類は、現在、直接メタノール燃料電池または高分子電解質燃料電池が挙げられて、本発明の燃料電池用セル100は、100℃以下の条件によって、液状の水が存在し、前記中空部31を通じて円滑に排出され得る。
【0046】
前記中空部31は、様々な形態に形成でき、前記図11の(a)に示したように、上下方向に複数形成できて、所定角度傾いて形成されるか、それぞれの中空部31が連結されて、相互連通するように形成できる。
【0047】
上述のように、本発明の燃料電池用セル100は、前記燃料極60を通じて燃料が円滑に供給されるようにするだけではなく、前記空気極70及び燃料極60に形成される水分の除去をさらに円滑にして、その効率をさらに高めることができるようになる。
【0048】
(実施例1)
[ガス拡散層の製造]
炭素繊維を230℃温度の空気雰囲気で安定化させて、1250〜1300℃の窒素雰囲気で炭素含有率90%以上に炭素化(Carbonization)させた後、炭素化された炭素繊維を、炭素繊維重量を基準に、バインダー(Polyvinyl alcohol)10wt%、分散剤0.01wt%、水22wt%を混ぜてスラリー化する。
【0049】
スラリー化された炭素繊維に、フェノール樹脂(Phenolicresin)11wt%とソルベント15wt%とを添加した後、150℃に加熱して、スラリーを175℃に昇温した後、500kpaで加圧し、ガス拡散層30を製造する。
【0050】
製造されたガス拡散層30を常温で20時間乾燥した後、マイクロニードル21を利用して中空部31を形成し、2000℃の窒素雰囲気で20時間乾燥して、ガス拡散層30を製造した。
【0051】
本発明を詳細にまたは特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0052】
[発明の効果]
本発明のガス拡散層、これの製造方法、及び前記方法により製造されたガス拡散層を含む燃料電池は、特定パターンを有する枠を利用するか、マイクロニードル、またはマイクロレンズを利用して、ガス拡散層に中空部を形成することにより、ガス拡散層内部の拡散抵抗を下げ、前記中空部を通じて燃料及び反応物が容易に移動でき、燃料分圧が低い状況でも反応が円滑に起こり、均一な燃料電池の性能を期待できるだけではなく、性能を向上させることができるという長所がある。

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】一般的なガス拡散層を示した写真である。
【図2】本発明によるガス拡散層の製造方法のブロック図である。
【図3】本発明によるガス拡散層の製造を示した概略図である。
【図4】本発明によるガス拡散層を示した斜視図である。
【図5】本発明によるガス拡散層の製造方法において、枠の製造段階を示したブロック図である。
【図6】図5に示したブロック図の各段階を説明した概略図である。
【図7】本発明によるガス拡散層の製造方法の他のブロック図である。
【図8】本発明によるガス拡散層の製造方法のマイクロニードルを示した写真である。
【図9】本発明によるガス拡散層の中空部の形成前・形成後を示した写真である。
【図10】本発明による中空部形成部材の例を示した断面図である。
【図11】本発明による燃料電池用セルの概略図である。
【符号の説明】
【0054】
Sa〜Sc、Si〜Siv、Sa−1〜Sa−8 本発明における気体酸化物の製造方法の各段階
10 枠
11 板材
12 酸化膜
13 減光剤
20 中空部形成部材
21 マイクロニードル
22 マイクロレンズ
23 突出部
30 ガス拡散層
31 中空部
40 触媒層
50 電解質層
60 燃料極
70 空気極
100 燃料電池用セル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層50と、前記電解質層50の両側面に接触形成される触媒層40、ガス拡散層30とからなり、水素と接触される燃料極60及び酸素または空気と接触される空気極70からなって、前記電解質層50を通じてカチオンが伝達されるか、作動温度が100℃以下である燃料電池用セル100において、
前記燃料電池用セル100は、前記ガス拡散層30の内部に、上下方向に中空された中空部31が形成されることを特徴とする燃料電池用セル。

【請求項2】
前記中空部31は、複数形成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用セル。

【請求項3】
前記中空部31は、所定角度傾いて形成されることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池用セル。

【請求項4】
前記燃料電池用セル100は、前記中空部31同士が連通することを特徴とする、請求項2または3に記載の燃料電池用セル。

【請求項5】
燃料電池のガス拡散層を製造する方法において、
前記ガス拡散層の製造方法は、
a)ガス拡散層30の内部に、上下方向に連通する中空部31が形成されるように、前記中空部31に対応する形態の枠10を製造する段階Saと、
b)前記枠10にガス拡散層30の材料を入れて乾燥し、ガス拡散層30を製造する段階Sbと、
c)前記枠10を除去する段階Scと、を含んで形成されることを特徴とするガス拡散層の製造方法。

【請求項6】
前記a)段階は、
a−1)枠10を形成する板材11を製造する段階Sa−1と、
a−2)前記板材11の上面に酸化膜12を形成する段階Sa−2と、
a−3)前記酸化膜12の上面に減光剤13(PR;Photoresist)を塗布する段階Sa−3と、
a−4)前記減光剤13が塗布された板材11の上に特定パターンを有するマスクを形成して、紫外線を照射し、減光剤13にパターンを形成する段階Sa−4と、
a−5)エッチングして、前記酸化膜12にパターンを形成する段階Sa−5と、
a−6)前記減光剤13を除去する段階Sa−6と、
a−7)エッチングして板材11にパターンを形成する段階Sa−7と、
a−8)前記酸化膜12の除去段階Sa−8と、を含めて形成することを特徴とする、請求項5に記載のガス拡散層の製造方法。

【請求項7】
前記a−4)段階において、光の照射角度を調節して、前記中空部31が一定角度傾くように形成されることを特徴とする、請求項6に記載のガス拡散層の製造方法。

【請求項8】
前記b)段階において、
前記ガス拡散層30の材料は、パウダー、繊維(Fiber)、またはスラリーの形態であることを特徴とする、請求項7に記載のガス拡散層の製造方法。

【請求項9】
燃料電池の燃料極または空気極を形成するガス拡散層の製造方法において、
i)一定厚さを有するガス拡散層30を製造する段階Siと、
ii)第1の乾燥段階Siiと、
iii)前記ガス拡散層30の一側面に複数個の突出部が形成された中空部31を利用して、複数の中空部31を形成する段階Siiiと、
iv)第2の乾燥段階Sivと、を含むことを特徴とする、ガス拡散層の製造方法。

【請求項10】
前記中空部形成部材20は、マイクロニードル21(Micro Needle)またはマイクロレンズ22(Micro Lens)であることを特徴とする、請求項9に記載のガス拡散層の製造方法。

【請求項11】
請求項5乃至10のいずれか一つの項に記載の方法により製造されたガス拡散層。

【請求項12】
請求項11に記載のガス拡散層30を含む燃料電池。


【図2】
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【図7】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−32692(P2009−32692A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−189248(P2008−189248)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】