説明

ガス遮断器

【課題】パッファピストンのバルブ構造において、バルブ可動用のばね部材を高温ガスから保護する構成とすることにより、高温ガスにばね部材が晒されてもバルブの可動性を損なわず、金属蒸気の発生を回避して、優れた遮断性能を持つ信頼性の高いガス遮断器を提供する。
【解決手段】コイルばね24の外周部を覆うようにして鋼製の円筒形ガイド41が設けられている。この円筒形ガイド41は、ばね受け25を軸としてコイルばね24の伸縮、すなわちバルブ板23の開閉動作と共に、軸方向に可動自在となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッファ室にて圧縮した絶縁性ガスをアーク接点間に吹き付けてアークを消弧するパッファ形ガス遮断器に係り、パッファピストンの圧縮板にばね式のバルブ板が取り付けられたガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大電流を通電する電力用の開閉器の分野では、消弧性ガスとしてSF6ガスを用いたガス絶縁開閉装置が主流となっている。そのうち、ガス遮断器は系統の短絡電流のような大電流を遮断することを要求されるため、パッファ形ガス遮断器が最も良く用いられている。
【0003】
パッファ形ガス遮断器とは、固定側及び可動側の接点を有する消弧室を形成し、パッファシリンダ内のSF6ガスを開路動作時にパッファシリンダで圧縮し、一対のアーク接点にノズルを介してSF6ガスを吹き付けてアークを消弧して電流遮断するものである。ここで、パッファ形ガス遮断器の基本構造について図5を参照して具体的に説明する。図5はパッファ形ガス遮断器の消弧室の代表的な構成を示している。
【0004】
パッファ形ガス遮断器の消弧室は、可動部6と固定部7とから構成される。これら可動部6及び固定部7は、SF6ガスを密封したガスタンク1内に絶縁筒17を介して、接離自在に対向して配置されている。このうち、可動部6は可動主接点2及び可動アーク接点4からなり、固定部7は固定主接点3及び固定アーク接点5からなる。
【0005】
可動部6には操作ロッド12が取り付けられている。操作ロッド12には可動主接点2及び可動アーク接点4と共に、ノズル8及びパッファシリンダ9が固着されており、操作装置13により一体的に駆動されるようになっている。可動主接点2及びノズル8はパッファシリンダ9の先端部に同軸状に取り付けられている。
【0006】
また、可動部6にはパッファピストン10が設けられている。パッファピストン10は前記パッファシリンダ9に摺動自在に挿入されており、これらの部材によりパッファ室11が形成される。なお、パッファピストン10は、支持絶縁筒14、シールド15及び可動支え16を介してガスタンク1に支持されている。
【0007】
以上の構成を有するパッファ形ガス遮断器において、閉路状態では主接点2、3同士とアーク接点4、5同士が接している。そして、開路動作時には消弧室の可動部6が開路動作方向(図5中の右方向)へ操作装置13によって駆動される。開路動作初期にはまず主接点2、3同士が離れ、電流をすべてアーク接点4、5側に移す。この後、アーク接点4、5を開くと、ここにアーク18が発生する。このとき、パッファ室11内のSF6ガスをパッファピストン10にて圧縮し、ノズル8がこれを案内してアーク18へ吹き付けることで、アーク18を消弧して電流遮断する。
【0008】
この時、大電流を遮断するには、高い圧力のSF6ガスを吹き付けつつ、高速でアーク接点4、5を開路する必要があり、そのためには操作装置13の出力を大きくしなくてはならない。また、大量のSF6ガスをアーク18に吹き付けなくてはならないので、パッファシリンダ9の断面積も大きなものが望ましい。その結果、消弧室や遮断器全体のサイズも大きくならざるを得なくなる。このような操作装置の大出力化や遮断器の寸法の増大はコスト的にも高くなり、経済的に不利な状況を招いていた。
【0009】
これらの問題を解決するためのパッファ形ガス遮断器として、大電流遮断時に発生するアークエネルギーによる圧力上昇を利用したものが知られている。これは、アーク18の熱エネルギーをパッファシリンダ9内に再度取込み、この熱エネルギーを利用してパッファシリンダ10内のSF6ガスを加熱し、圧力を上昇させてノズル8を介してSF6ガスをアーク接点4、5に吹き付け、電流を遮断するものである。図中19の矢印は、パッファ室11内から吹き付けられたガスが、再びパッファ室11内に取り込まれる時のガス流路を示している。
【0010】
この方式を採用したガス遮断器では、加熱するガス量が少ない、すなわち、パッファシリンダ9の容量が小さいものの方がより効果的にガス圧力を上昇させることができるので、消弧室や遮断器本体の小型化を進める上でも有利である。また、パッファシリンダ9の面積が小さいことから、開路操作時に発生する反力も低く抑えることが可能であって、開閉操作機構部の出力も小さくて済むといった利点がある。このように、アーク18の熱エネルギーをパッファ室11内のガス圧上昇に利用したガス遮断器は、小型化に優れており、近年急速に普及している。
【0011】
ところで、アークエネルギーによる圧力上昇を利用するパッファ形ガス遮断器の遮断原理は上述した通りであるが、実際のガス遮断器には、その運用方法により、次のような3つの動作責務が要求されている。すなわち、単独の開極動作(以下、「単独−O−動作」という)、閉極後直ちに開極する動作(以下、「−CO−動作」という)、遮断の数百ms後に「−CO−動作」を行う動作(以下、「O−θ−CO動作」という)である。
【0012】
このうち、「−CO−動作」を行う場合には、開極状態から閉極して直ちに開極することになるが、閉極動作初期には、パッファピストン9とパッファシリンダ10で形成されるパッファ室11内部には、ノズル8を通してしかガスが供給されていない。このように、ノズル8を通してのガス供給のみに依存した場合、「−CO−動作」のO動作開始までにパッファ室11内部のガス圧が初期状態まで回復できなくなる可能性がある。
【0013】
また、「O−θ−CO動作」を行う場合には、1回目のO動作の際に発生した比較的温度の高いガスが、CO動作開始時にアーク接点4、5間に残留しており、CO動作によってこのガスをパッファ室11内部に取り込む可能性がある。遮断後のガス温度は、遮断電流・定格電圧・消弧室の構造・遮断からの時間によって大きく変わるため、一概には言えないが、数百℃〜数千℃まで達している可能性がある。そのような高温のSF6ガスは、多くの電子・イオンを含み、遮断性能及び絶縁性能を低下すると言われており、高温ガスをパッファ室11内に多く取り込むことは好ましくない。
【0014】
以上述べたガス圧の回復不能や高温ガスの取込みを防止するための対策として、パッファピストンにばね式のバルブを取り付けたガス遮断器が提案されている(例えば、特許文献1、2)。このようなばね式のバルブを有するガス遮断器では、開極動作時にはバルブを閉じてパッファ室内部のガス機密を保ち、一方、閉極動作時にはバルブを開いて常温のガスをパッファ室内部に取り込むようになっている。
【0015】
図6〜図8に、パッファ形ガス遮断器におけるばね式のバルブ構造の代表的な一例を示す。ここで、図6は、閉極状態、開極動作時、及び開極状態においてバルブが閉じている状態の断面図を示しており、図7は、閉極動作時にバルブが開いた状態の断面図を示している。また、図8はバルブ構造の正面図を示している。
【0016】
まず、図6を用いてバルブ構造について説明する。図6に示すように、パッファピストン10の圧縮板21は円盤状であり、この円盤状の圧縮板21には、これを貫通してパッファ室11の内外を連通する複数個の連通穴22が、その周方向に設けられている。そして、圧縮板21のパッファ室11側には、連通穴22を塞ぐことの可能な円盤状のバルブ板23が同軸状に配置されている。
【0017】
バルブ板23は、コイルばね24とばね受け25を介してボルト26によりパッファピストン10の圧縮板21に取り付けられている。通常の場合、バルブ板23は、コイルばね24、ばね受け25、及びボルト26からなる一連の締結手段を複数個使用して固定されており、コイルばね24はバルブ板23が連通穴22を塞ぐ方向に付勢されている。また、操作ロッド12の外周部にはパッファ室11と連通するガス取込み穴27が形成されている。
【0018】
続いて、上記のバルブ構造の動作について説明する。まず、図6に示すように、開極動作時には、パッファ室11内の圧力がバルブ板23に対して図6中の矢印X方向に加わる。このため、バルブ板23はパッファピストン10の圧縮板21に密着してパッファ室11内部の気密を保持する。この開極動作途中では、パッファ室11内のガス圧力を増すので、操作ロッド12外周部のガス取込み穴27から、図中19で示されるガス流入路で高温ガスが取り込まれる。
【0019】
これに対して、閉極動作時には、パッファ室11の体積が増加するのに伴ってパッファ11室内の圧力が低下する。すると、パッファピストン10の圧縮板21において連通穴22の部分には図7中の矢印Y方向の差圧を生じることになる。その結果、コイルばね24に圧縮方向の力が加わる。コイルばね24が圧縮されると、図7に示すように、バルブ板23が図7中の矢印Y方向に移動し、パッファピストン10の圧縮板21から離れて連通穴22が開放され、ガス流入路30(図7に図示)が形成される。このため、パッファ室11内には、ガス流入路30を通して消弧室外部の常温のSF6ガスが供給される。
【0020】
最終的に、閉極動作が完了してパッファ室11内の圧力が初期状態まで回復すると、コイルばね24のばね力によってバルブ板23が再び元の位置に戻る。これにより、バルブ板23はパッファピストン10の圧縮板21の連通穴22を塞ぎ、次の開極動作のための待機状態となる。
【特許文献1】特開2000−164085号公報
【特許文献2】特開昭53−117758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上記の従来技術には、次のような問題点が指摘されていた。すなわち、遮断器の小型化、操作力の減少、遮断性能の向上を目指してパッファシリンダ9内の圧力を上げるためには、アーク接点4、5間に発するアークエネルギーの取り込み量を増やして、パッファシリンダ9内の圧力を上昇させれば良いが、この場合、パッファ室11内に大量の高温ガスを取り込む必要がある。
【0022】
高温ガスの取込みは操作ロッド12に設けられたガス取込み穴27を介して行われており、開極動作途中に取込み穴27がパッファピストン10の圧縮板21を通過する付近で、高温ガスがバルブ板23のばね24に直接吹き付けられる。この高温ガスは上述したように数百℃〜数千℃の高温に達している。
【0023】
従来例のパッファピストンのばね式バルブ構造ではコイルばね24が一般的に使用されるが、その線径は細く、熱容量が小さい。したがって、高温ガスに晒されたコイルばね24は高温ガスにより瞬時に溶融してしまい、さらには、バルブとしての機能を失うおそれがある。また、コイルばね24が溶融することで金属蒸気が発生する。この金属蒸気はパッファ室11からノズル8を介して遮断部極間に導かれるため、遮断性能を低下する要因となるので、この点からも、コイルばね24が高温ガスに晒されることは問題となっていた。
【0024】
本発明は、以上の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、パッファピストンのバルブ構造において、バルブ可動用のばね部材を高温ガスから保護する構成とすることにより、高温ガスにばね部材が晒されてもバルブの可動性を損なわず、金属蒸気の発生を回避して、優れた遮断性能を持つ信頼性の高いガス遮断器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁性ガスを封入した容器内には1対の接離可能な主接点と1対の接離可能なアーク接点とからなる遮断部が設けられ、前記アーク接点の可動側にはノズルとパッファシリンダが固定され、前記パッファシリンダ内には圧縮板を有するパッファピストンが摺動可能に取付けられてパッファ室が形成され、開極動作時には前記パッファ室内の絶縁性ガスを前記パッファピストンの前記圧縮板で圧縮すると共にアークの熱エネルギーにより発生する高温ガスを利用して前記ノズルをガイドとして前記絶縁性ガスを前記アーク接点間に吹き付けてアークを消弧するように構成されたパッファ形のガス遮断器において、前記パッファピストンの圧縮板には前記パッファ室の内外を連通する複数の連通穴が周方向に形成され、前記パッファピストンの圧縮板における前記パッファ室側の面には前記連通穴を閉塞するためのバルブ板が前記パッファ室内の圧力変化により移動可能に取り付けられ、前記バルブ板には前記連通穴を塞ぐように該バルブ板を保持するばね部材が設置され、前記ばね部材の外周には前記アークの熱エネルギーにより発生する高温ガスから該ばね部材を保護する円筒形ガイドが設けられたことを特徴とするものである。
【0026】
このような本発明では、バルブ板可動用のばね部材に円筒形ガイドを設けることにより、該ばね部材が高温ガスに晒されても、溶融することがなく、バルブとしての機能を確実に果たすことができる。また、溶融によるばね部材の金属蒸気も発生しないので、金属蒸気がノズルを介して遮断部極間に導かれることもない。したがって、金属蒸気を原因とした遮断性能の低下を防止でき、優れた遮断性能を維持することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、バルブ可動用のばね部材に円筒形ガイドを設けるといった極めて簡単な構成により、高温ガスにばね部材が晒されてもバルブの可動性を損なうことなく、金属蒸気の発生を防ぐことができ、これにより優れた遮断性能を持つ信頼性の高いガス遮断器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。なお、下記の実施形態は、図6〜図8に示した従来例と同じく、パッファピストンの圧縮板にばね式のバルブ板が取り付けられたガス遮断器に適用したものであり、図6〜図8に示した部材と同一の部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0029】
(1)第1の実施形態
[構成]
図1及び図2を用いて、本発明に係る第1の実施形態について述べる。図1は第1の実施形態のバルブ構造を示す断面図、図2は正面図である。ここで、図1は、開極動作途中において、アーク消弧過程でパッファ室内に高温ガスが取込まれる時のバルブ閉塞状態を示している。
【0030】
図1、図2に示すように、パッファピストン10の円盤状の圧縮板21には、閉極動作時にパッファ室11内部に常温のガスを取り込むための複数個の連通穴22が設けられており、パッファピストン11の圧縮板21のパッファ室11側の側面にはバルブ板23とコイルばね24とばね受け25、ボルト26が取付けられている点は、前述の従来例と同じである。
【0031】
第1の実施形態の構成上の特徴は、次の点である。すなわち、コイルばね24の外周部を覆うようにして鋼製の円筒形ガイド41が設けられている。この円筒形ガイド41は、ばね受け25を軸としてコイルばね24の伸縮、すなわちバルブ板23の開閉動作と共に、軸方向に可動自在となっている。
【0032】
[作用効果]
以上のような第1の実施形態では、コイルばね24の外周に設けられた円筒形ガイド41とばね受け25により、コイルばね24は常時覆われることになる。そのため、大電流遮断時に、数百℃〜数千℃の高温ガスがガス取込み穴27からパッファ室11内に取り込まれる際、この高温ガスにコイルばね24が直接晒されることがなく、コイルばね24の溶融を防止することができる。
【0033】
したがって、バルブ板23が連通穴22を開くように移動した後、閉極動作が完了してパッファ室11内の圧力が初期状態まで回復した場合、コイルばね24のばね力によってバルブ板23を確実に元の位置に保持することができる。このように、バルブ板23の開閉機能を維持することができるため、簡単な構成で高性能な遮断性能を実現することができる。
【0034】
さらに、第1の実施形態では円筒形ガイド41の構成材料として一般的に使用される一般鋼材やステンレス材の代わりに、耐熱鋼を使用することで、ガイド41表面の損耗量を減らすことができ、遮断性能低下の大きな要因となる金属蒸気を減少させる効果がある。
【0035】
(2)第2の実施形態
[構成]
図3及び図4を用いて、本発明に係る第2の実施形態について述べる。図3は第2の実施形態のバルブ構造を示す断面図、図4は正面図である。ここで、図3は、開極動作途中において、アーク消弧過程でパッファ室内に高温ガスが取込まれる時のバルブ閉塞状態を示している。
【0036】
図3、図4に示すように、第2の実施形態では、前記第1の実施形態における前記円筒形ガイド41に代えて、コイルばね24の外周に鋼製の帯状薄板を渦巻き状に成形した板状ばね42を設けたことを特徴としている。この板状ばね42は、コイルばね24の働きを兼ねている。
【0037】
[作用効果]
このような第2の実施形態では、バルブ板23の可動用ばね部材として、高温ガスによって溶融し易い形状の細い線径のコイルばね24ではなく、鋼製の帯状薄板を渦巻き状に成形した板状ばね42を使用することができる。そのため、高温ガスに接触する部分の面積が大きくなり、熱容量が大きく取れる。
【0038】
したがって、高温ガスによる板状ばね42の溶融をさらに確実に防止することができる。しかも、板状ばね42は、上記円筒形ガイド41の役割を果たしているので、円筒形ガイド41とコイルばね24の両者の機能を、一つの部品で構成しているといってよい。したがって、第2の実施形態によれば部品点数の削減に貢献することができる。
【0039】
(3)他の実施形態
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の材料や形状は適宜変更可能であり、例えば、円筒形ガイド41は、熱容量のより大きい銅材料で構成されてもよい。この構成によれば、円筒形ガイド41として熱容量の大きな銅材料を使用しているため、熱ガスの冷却効果が大きくなる。また、融点が高いため、パッファ室11内部の圧力を上昇させるために取込まれた高温ガスに晒された場合でも金属蒸気を発生し難く、高性能な遮断性能を維持することが可能となる。
【0040】
さらに、円筒形ガイド41を耐熱性の高い絶縁材料から形成した実施形態も包含する。このような実施形態によれば、高温ガスに晒されるガイド41表面の損耗量が少なくなる。また、溶融物が絶縁材料であることから、遮断性能を低下することなく、バルブの機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の断面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】本発明に係る第2の実施形態の断面図。
【図4】図3の正面図。
【図5】従来のガス遮断器の構成図。
【図6】従来のガス遮断器のパッファピストンのバルブ構造において、バルブが閉じた状態を示す断面図。
【図7】従来のガス遮断器のパッファピストンのバルブ構造において、バルブが開いた状態を示す断面図。
【図8】従来のガス遮断器のパッファピストンのバルブ構造の正面図。
【符号の説明】
【0042】
1…ガスタンク
2…可動主接点
3…固定主接点
4…可動アーク接点
5…固定アーク接点
6…可動部
7…固定部
8…ノズル
9…パッファシリンダ
10…パッファピストン
11…パッファ室
12…操作ロッド
13…操作装置
14…支持絶縁筒
15…シールド
16…可動支え
17…絶縁筒
18…アーク
19…ガス流路
21…圧縮板
22…連通穴
23…バルブ板
24…コイルばね
25…ばね受け
26…ボルト
27…ガス取込み穴
30…ガス流入路
41…円筒形ガイド
42…板状ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性ガスを封入した容器内には1対の接離可能な主接点と1対の接離可能なアーク接点とからなる遮断部が設けられ、前記アーク接点の可動側にはノズルとパッファシリンダが固定され、前記パッファシリンダ内には圧縮板を有するパッファピストンが摺動可能に取付けられてパッファ室が形成され、開極動作時には前記パッファ室内の絶縁性ガスを前記パッファピストンの前記圧縮板で圧縮すると共にアークの熱エネルギーにより発生する高温ガスを利用して前記ノズルをガイドとして前記絶縁性ガスを前記アーク接点間に吹き付けてアークを消弧するように構成されたパッファ形のガス遮断器において、
前記パッファピストンの圧縮板には前記パッファ室の内外を連通する複数の連通穴が周方向に形成され、
前記パッファピストンの圧縮板における前記パッファ室側の面には前記連通穴を閉塞するためのバルブ板が前記パッファ室内の圧力変化により移動可能に取り付けられ、
前記バルブ板には前記連通穴を塞ぐように該バルブ板を保持するばね部材が設置され、
前記ばね部材の外周には前記アークの熱エネルギーにより発生する高温ガスから該ばね部材を保護する円筒形ガイドが設けられたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項2】
前記円筒形ガイドが鋼にて形成されたことを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記円筒形ガイドが銅材料にて形成されたことを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記円筒形ガイドが絶縁物にて形成されたことを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記円筒形ガイドが鋼製の板状ばねによって形成され、
該板状ばねが前記ばね部材を兼ねるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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