説明

ガス遮断装置

【課題】季節毎の公平・高度な料金サービスを行うガス遮断装置を提供する。
【解決手段】ガス流量を検出する流量検出手段19と、その検出した流量を計測する流量計測手段20と、その計測流量が特定の流量区分に属するか否かを判定する流量区分判定手段21と、カレンダー手段22と、季節がいつからいつまでかを入力する季節期間入力手段23と、前記カレンダー手段22及び季節期間入力手段23から現在が入力された季節に合致するか否かを判定する季節内流量区分使用判定手段25と、前記流量区分判定手段21及び季節判定手段24から現在が入力された季節内でかつ特定の流量区分が使用されているか否かを判定する季節内流量区分使用判定手段25と、季節内に特定の流量区分がどれだけ使用されたかをカウントする季節内流量区分使用カウント手段26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継続使用時間での料金サービスを提供するガス遮断装置において、同じ流量区分2に属するガスストーブとガステーブルとを、現在が季節内に入っているか否かを判定することで、ガス料金サービスの提供を行う/行わないを自動的に実施する事により、公平・高度なガス料金サービス提供を目的としたガス遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のガス遮断装置は、図2に示すような構成になっていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図2において、1はガスメータで、ガス供給ラインに設けられる。2は流量検出部で、ガス供給管を流れるガス流量を検出する。3は流量演算部で、流量検出部2の検出出力によりガス流量を演算する。4は通常積算値演算部で、流量演算部3で演算されたガス流量を積算する。5は通常積算値記憶部で、演算されたガス流量積算値を記憶する。6は別のガスメータのガス流量演算出力部で、ガスメータ1の流量演算部3で演算されたガス流量及び他のガスメータ(図示せず)での流量演算出力6を予め定められた区分毎に積算する複数の第2の積算値演算部と、演算された区分毎のガス流量積算値を記憶する複数の第2の積算値記憶部とからなる。流量演算部3によって演算されたガス流量を予め定められた時間帯別に積算する時間帯別積算値演算部7及び演算された時間帯別積算値を記憶する時間帯別積算値記憶手段8と、予め定められた流量区分別及び入力ポート別に積算する流量区分別積算値演算部9及び演算された流量区分別積算値を記憶する流量区分別積算値を記憶する流量区分別積算値記憶部10と、予め定められた設定ガス量を越える超過ガス量を積算する超過量積算値演算部11及び演算された超過量積算値を記憶する超過量積算値記憶部12とがある。13、14、15、16は表示部で、各積算値を表示する。17は料金演算部、18は料金表示部で各記憶部5、8、10、12に記憶された積算量と各料金単価とからガス料金を計算し、料金表示部18で表示できるようにしている。
【0004】
次に従来例の構成の動作を説明する。時間帯別積算値演算部7では、例えば土曜日及び日曜日と、平日における22時から7時迄の時間帯を含む土日深夜時間帯と、それ以外の平日時間帯との2つの時間帯区分に分け、ガス使用量の積算値を演算し、時間帯別積算値記憶手段8に記憶保持される。次に流量区分別積算値演算部9は割安使用料金にするガス器具に取り付けた他のガスメータの流量演算出力6を積算記憶し、割安料金を算出する。消費者宅で使用されるガス器具がガスコンロとガスヒートポンプ(GHP)と給湯器の場合、使用されている時の流量区分は各消費者宅の使用ガス器具の組み合わせで決まっており、使用時間に応じて時間帯別のガス器具毎の使用量を把握することができる。一方、超過量積算値演算部11は、予め設定されているガス量設定値を越える超過ガス量のみ積算する。この超過ガス量についても通常料金に比較して割安料金を適用する等のことができる。
【特許文献1】特開2000−20592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記解決の構成では下記問題点がある。つまり、冬場におけるストーブの使用に対して割安料金を適用しようとする方法として、特定の流量区分で長時間ガスを使った場合に初めて料金サービスを提供するといった料金施策を行おうとした場合において、ガス消費量がほぼ同じガスストーブとガステーブルは同じ流量区分となるので区別がつかず、ストーブが使われない夏場でも、本来料金サービス提供を一時中断したくても中断できない、といった問題点がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するもので、冬場でのストーブの使用でのガス料金サービスを提供する事を可能とし、また夏場でのガステーブル使用でのガス料金サービス提供を阻止する事ができ、公平・高度な料金サービスが可能なガス遮断装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段で検出した流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段で計測した流量が特定の流量区分に属するか否かを判定する流量区分判定手段と、カレンダー手段と、季節がいつからいつまでかを入力する季節期間入力手段と、前記カレンダー手段及び季節期間入力手段から現在が前記季節に合致するか否かを判定する季節判定手段と、前記流量区分判定手段及び季節判定手段から現在が前記季節内でかつ特定の流量区分が使用されているか否かを判定する季節内流量区分使用判定手段と、前記季節内に特定の流量区分がどれだけ使用されたかをカウントする季節内流量区分使用カウント手段とを有する。
【0008】
この事により、夏場にガステーブルを使用しても特定の流量区分で長時間使用での料金サービスの提供を阻止する事ができ、より公平・高度な料金サービスを提供する事となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のガス遮断装置は、特定の流量区分と指定された季節に該当するガス使用量を積算することができるので、季節に応じて使用されるガス機器に対応したガス料金サービスの提供が可能となり、より公平・高度な料金サービスを提供する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、ガス流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段で検出した流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段で計測した流量が特定の流量区分に属するか否かを判定する流量区分判定手段と、カレンダー手段と、季節がいつからいつまでかを入力する季節期間入力手段と、前記カレンダー手段及び季節期間入力手段から現在が前記季節に合致するか否かを判定する季節判定手段と、前記流量区分判定手段及び季節判定手段から現在が前記季節内でかつ特定の流量区分が使用されているか否かを判定する季節内流量区分使用判定手段と、前記季節内に特定の流量区分がどれだけ使用されたかをカウントする季節内流量区分使用カウント手段とを有するもので、冬場のガスストーブの使用に対して割安な料金サービスを提供する場合に、ガス消費量が同じ流量区分に区分されるガステーブルとの区別を行うことが出来、夏場にガステーブルを使用しても流量区分での長時間使用での料金サービスの提供を阻止する事ができ、より公平・高度な料金サービスを提供する事となる。
【0011】
以下、本発明の実施例を図1を参照して説明する。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態のおけるガス遮断装置で、19は流量検出手段、20は流量計測手段、21は流量区分判定手段、22はカレンダー手段、23は季節期間入力手段、24は季節判定手段、25は季節内流量区分使用判定手段、26は季節内流量区分使用カウント手段である。
【0014】
次に本発明の動作、作用を説明する。流量検出手段19はガス流量を接点等の電気的信号に変換しており、流量計測手段20は前記電気的信号を受けガス流量がどの程度流れているかを計測しており、流量区分判定手段21は計測されたガス流量が複数に区分された流量区分のどの流量区分に属するか否かを判定している。一方、カレンダー手段22は常時カレンダーを計時しており、季節期間入力手段23は料金サービスを適用する季節がいつからいつまでかを入力して季節を指定するものでる。、季節判定手段24はカレンダー手段22及び季節期間入力手段23からの信号で現在が特定された季節内か否かを判定しており、季節内流量区分使用判定手段25は流量区分判定手段21及び季節判定手段24からの信号により現在が料金サービスを適用する季節内でかつ流量区分が使用されているか否かを判定しており、季節内流量区分使用カウント手段26は季節内流量区分使用判定手段25が料金サービスを適用するガスの使用が行われていると判定した場合に流量検出手段1からの流量信号をカウントしている。
【0015】
次に、冬場に使用されるガスストーブのガス使用量に対して割安料金を適用する場合について具体例を説明する。
【0016】
この場合、季節は冬場ということで、季節期間入力手段23により、季節として10月1日〜3月31日を設定し、流量区分は13個に区分された流量区分の内、ガスストーブのガス消費流量が区分2に該当すると仮定する。この条件において、流量区分判定手段21にて現在流れている流量が区分2であると判定し、またカレンダー手段22と季節期間入力手段23との比較により季節判定手段24が現在が指定された季節であると判定した場合、季節内流量区分使用判定手段25は流量検出手段1からの信号のカウント許可を季節内流量区分使用カウント手段26に出力し、季節内流量区分使用カウント手段26は季節内流量区分使用判定手段25からの許可信号がある時のみ流量検出手段1からの信号をカウントする。
【0017】
一方、流量区分判定手段21にて現在流れている流量が区分2でないと判定した場合、季節内流量区分使用判定手段25は流量検出手段1からの信号のカウント許可を季節内流量区分使用カウント手段26に出力せず、季節内流量区分使用カウント手段26流量検出手段1からの信号をカウントしない。
【0018】
また、流量区分判定手段21にて現在流れている流量が区分2であると判定した場合でも、カレンダー手段22と季節期間入力手段23との比較により季節判定手段24が現在が指定された季節ではないと判定した場合、季節内流量区分使用判定手段25は流量検出手段1からの信号のカウント許可を季節内流量区分使用カウント手段26に出力せず、季節内流量区分使用カウント手段26流量検出手段1からの信号をカウントしない。
【0019】
これにより、冬場でのガスストーブ使用でのガス料金サービスを提供する事が可能となり、また夏場でのガステーブル使用でのガス料金サービス提供を阻止する事ができ、公平・高度な料金サービスを提供する事となる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上のように、本発明にかかる季節内流量区分使用量カウント機能付きガス遮断装置は、例えば電力量を計測し使用量を積算する電力計や水道の使用量を計測する水道メータ等の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1のガス遮断装置の構成を示すブロック図
【図2】従来のガス遮断装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0022】
19 流量検出手段
20 流量計測手段
21 流量区分判定手段
22 カレンダー手段
23 季節期間入力手段
24 季節判定手段
25 季節内流量区分使用判定手段
26 季節内流量区分使用カウント手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量を検出する流量検出手段と、前記流量検出手段で検出した流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段で計測した流量が特定の流量区分に属するか否かを判定する流量区分判定手段と、カレンダー手段と、季節がいつからいつまでかを入力する季節期間入力手段と、前記カレンダー手段及び季節期間入力手段から現在が前記季節に合致するか否かを判定する季節判定手段と、前記流量区分判定手段及び季節判定手段から現在が前記季節内でかつ特定の流量区分が使用されているか否かを判定する季節内流量区分使用判定手段と、前記季節内に特定の流量区分がどれだけ使用されたかをカウントする季節内流量区分使用カウント手段とを有するガス遮断装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−47084(P2006−47084A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227825(P2004−227825)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(000222211)東洋ガスメーター株式会社 (34)
【Fターム(参考)】