説明

ガス除去フィルタ

【課題】通気性およびガス状不純物成分の吸着容量が高く、長寿命で使用環境を汚染しないガス除去フィルタが必要とされている。
【解決手段】本発明のガス除去フィルタは、一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維1群により形成されるセル9の空間に粒状吸着剤2を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有している構造となっている。通気性に優れる繊維1群によって粒状吸着剤充填部同士が間隔を有して保持されるため、寿命が長く通気性の高いガス除去フィルタを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状不純物成分を除去する空気清浄用のガス除去フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、空気清浄の分野においては、一般的な生活環境以外にも、半導体製造工場や精密電子製造工場のクリーンルームにおける半導体の製造過程に使用されるケミカルフィルタに代表されるように、極微量のガス状不純物成分を除去して高清浄度の空気を保ち、かつ長寿命のフィルタが必要とされている。この種のガス除去フィルタとしては、特許文献1および特許文献2に記載されるような形態のガス除去フィルタが提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のガス除去フィルタは、細孔を持たせて表面積を増大させた粒子状の吸着剤を収納ケースに充填したもので、空気の流入口と流出口に多孔板が設けられている。この多孔板は空気を通過させるための目が開いており、この目の大きさは吸着剤が収納ケースからこぼれ落ちないように吸着剤の粒子径よりも小さいものとなっている。
【0004】
また、特許文献2に記載のガス除去フィルタは、セル構造体に粒状吸着剤を充填したものである。この粒状吸着剤としては、セル構造体に充填した際に吸着剤自身が形成する隙間が大きく、圧力損失を過剰に増大させないように充填できる大きさのものが用いられている。
【特許文献1】特開平09−220425号公報
【特許文献2】特開2002−282624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス除去フィルタの寿命はガス状不純物成分を吸着できる量に依存する。そのため寿命を長くするためには吸着剤の充填量を多くする必要があるが、吸着剤の充填量を多くすると通気可能な部分の体積が少なくなり通気性が低下してしまうため、圧力損失が大きくなってしまう。圧力損失が大きくなると規定の風量を出すためには送風にかかる動力コストが増大してしまうため、圧力損失の低いガス除去フィルタが求められる。そのため、ガス除去フィルタの長寿命化においては、圧力損失を増大させないように、通気性を保ったまま吸着剤をいかに多くフィルタに担持させて寿命を延ばすかということが重要な課題となる。
【0006】
特許文献1のガス除去フィルタは収納ケースの中に吸着剤を隙間なく充填しているために空気が通過する通路が小さく通気性が低いという課題がある。また、特許文献2のガス除去フィルタはバインダを使用することなく吸着剤を保持するために、金属や無機繊維等の強度が高く通気性に乏しい基材を用いてセル構造体を形成しており、セル間が完全に仕切られてしまうために圧力損失が大きくなるという課題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、通気性が高く寿命が長いガス除去フィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明のガス除去フィルタは、一方向に向けて林立した繊維群により形成されるセル空間に粒状吸着剤を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有していることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項1記載のガス除去フィルタにおいて、林立した繊維の端点を結んで形成される平面の一方に、通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさの小さいシートが設けられ、もう一方の面に通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさが大きいシートを設けてあることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項1または2に記載のガス除去フィルタにおいて、規則的に林立する繊維群によって粒状吸着剤充填部が規則的に配置されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項1乃至3いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、繊維が屈曲することにより、粒状吸着剤充填部同士が通気に十分な間隔を保っていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項1乃至4いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、平行な平面層を一方向に向けて林立した繊維群が連結することにより、繊維の林立方向の厚みが一定であることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項1乃至5いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、繊維間の間隔が粒状吸着剤の粒子径よりも小さいことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項1乃至6いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、粒状吸着剤がホットメルト樹脂接着剤で繊維に固定されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項1乃至7いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、粒状吸着剤とホットメルト樹脂接着剤を混合したものを基材の中に充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定することを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項1乃至8いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、ホットメルト樹脂接着剤が繊維の表面にあらかじめ固定された基材の中に粒状吸着剤を充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定することを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項1乃至9いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に、通気性を有する目の細かいシートが設けられることを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項1乃至10いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが空気中の粉塵を捕集する機能を有することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項1乃至11いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、ガス除去フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが吸着能を有することを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項1乃至12いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、プリーツ状に形成されることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項13に記載のガス除去フィルタにおいて、濾材をプリーツ状に形成する際、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサーを挟むことを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項1乃至12いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、濾材を積層することを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項1乃至15いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、繊維に吸着官能基が存在することを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項1乃至16いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、粉末状吸着剤が繊維に担持されていることを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項1乃至17いずれかに記載のガス除去フィルタにおいて、ポリエステルあるいはポリアミドの繊維で濾材が形成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明のガス除去フィルタは、一方向に向けて林立した繊維群により形成されるセル空間に粒状吸着剤を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有しているため、通気性が高く寿命の長いガス除去フィルタを得ることができる。
【0027】
また、林立した繊維の端点を結んで形成される平面の一方に、通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさの小さいシートが設けられ、もう一方の面に通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさが大きいシートを設けてあるため、目の大きいシート側から粒状吸着剤を散布するだけで基材に粒状吸着剤を容易に充填することができるガス除去フィルタを得ることができる。
【0028】
また、規則的に林立する繊維群によって粒状吸着剤充填部が規則的に配置されているため、風速に偏りが無くフィルタのどの部分にも均一に風が流れるガス除去フィルタを得ることができる。
【0029】
また、繊維が屈曲することにより、粒状吸着剤充填部同士が通気に十分な間隔を保っているため、少ない繊維によって通気性空間を形成しているガス除去フィルタを得ることができる。
【0030】
また、平行な平面層を一方向に向けて林立した繊維群が連結することにより、繊維の林立方向の厚みが一定であるため、均一な厚みのガス除去フィルタを得ることができる。
【0031】
また、繊維間の間隔が粒状吸着剤の粒子径よりも小さいため、粒状吸着剤がセル間を移動してフィルタ内における吸着剤の偏りを生じて通気性および吸着捕集性能が低下したり、また、粒状吸着剤が下流側に流出して空気を汚染したりすることのないガス除去フィルタを得ることができる。
【0032】
また、粒状吸着剤がホットメルト樹脂接着剤で繊維に固定されているため、粒状吸着剤がフィルタの中で移動して偏りを生じたり、またフィルタから脱落することのないガス除去フィルタを得ることができる。
【0033】
また、粒状吸着剤とホットメルト樹脂接着剤を混合したものを基材の中に充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定しており、ガス状不純物成分の吸着捕集性能が高く粒状吸着剤がフィルタの中で移動したり、またフィルタから脱落することのないガス除去フィルタを簡単に得ることができる。
【0034】
また、ホットメルト樹脂接着剤が繊維の表面にあらかじめ固定された基材の中に粒状吸着剤を充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定しており、ガス状不純物成分の吸着捕集性能が高く粒状吸着剤がフィルタの中で移動したり、またフィルタから脱落することのないガス除去フィルタを簡単に得ることができる。
【0035】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に、通気性を有する目の細かいシートが設けられており、衝撃や振動などの外力を受けても繊維や吸着剤がフィルタから脱落したり、また、繊維や吸着剤が下流側に流出することのないガス除去フィルタを得ることができる。
【0036】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが空気中の粉塵を捕集する機能を有しており、ガス状不純物成分のみでなく空気中の粉塵も捕集することができるガス除去フィルタを得ることができる。
【0037】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートがシートが吸着能を有するため、より多量のガス状不純物成分を吸着できるガス除去フィルタを得ることができる。
【0038】
また、プリーツ状に形成されているため、より高い通気性とガス状不純物成分および空気中の粉塵の捕集性能をより高めたガス除去フィルタを得ることができる。
【0039】
また、濾材をプリーツ状に形成する際、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサーを挟むため、通気時にプリーツ形状が撓むことの無いガス除去フィルタを得ることができる。
【0040】
また、濾材を積層しているため、より高い寿命を有するガス除去フィルタを簡単に得ることができるとともに、三次元的な粒状吸着剤の分布を持たせたガス除去フィルタを得ることができる。
【0041】
また、繊維に吸着官能基が存在するため、基材と接触するガス状不純物成分を効率よく吸着し、かつガス状不純物成分の再放出を抑制することができるガス除去フィルタを得ることができる。
【0042】
また、粉末状吸着剤が繊維に担持されているため、基材と接触するガス状不純物成分を多量に吸着することができる。
【0043】
また、ポリエステルあるいはポリアミドの繊維で濾材が形成されるため、フィルタからガス状不純物成分の発生がなく、また塑性変形による破損のないガス除去フィルタを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
上記目的を達成するために本発明のガス除去フィルタは、一方向に向けて林立した繊維群により形成されるセル空間に粒状吸着剤を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有していることを特徴とするものである。繊維群は任意の長さを有しており、完全に平行ではなくとも繊維一本一本が間隔を保ちつつフィルタの厚み方向に向けて立体的に設けられており、各繊維間には通気可能な空間が存在している。
【0045】
また、粒状吸着剤を充填してあるセル空間では、粒状吸着剤を充填するための空間を確保するために繊維が存在していない。そのため、粒状吸着剤充填部の吸着剤充填密度は高く、かつ粒状吸着剤充填部同士の間には通気性の繊維群により形成された通気空間が存在することになる。通気時には粒状吸着剤充填部同士の隙間を縫うように空気が流れることができるため、高吸着容量を保ちつつも通気性の高いフィルタを提供することができる。
【0046】
また、林立した繊維の端点を結んで形成される平面の一方に、通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさの小さいシートが設けられ、もう一方の面に通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさが大きいシートを設けてあることを特徴とするものである。粒状吸着剤よりも目の大きさの大きいシート側から粒状吸着剤を散布すると、粒状吸着剤は粒子径よりも目の大きさの小さいシートを通過しないので、粒状吸着剤を両シート間に容易に充填できるという作用を有する。また、繊維群が林立する方向に積層した際に、粒状吸着剤が粒子径よりも目の小さいシートで挟まれる形になるため、バインダを用いなくても粒子の移動が起こりにくくする作用を有する。
【0047】
また、規則的に林立する繊維群によって粒状吸着剤充填部が規則的に配置されていることを特徴とするものである。粒状吸着剤の分布に偏りがある場合、粒状吸着剤の少ない部分では吸着容量が低下するとともに、空気が通りやすくなるためにガス状不純物成分が下流側に流出しやすくなる。規則的に粒状吸着剤を充填し、粒状吸着剤の分布の偏りをなくすことで、フィルタのあらゆる部分で均一な通気性と吸着捕集性能を得ることができ、ガス状不純物成分が下流側に流出しやすくなることを防ぐことができるという作用を有する。
【0048】
また、繊維が屈曲することにより、粒状吸着剤充填部同士が通気に十分な間隔を保っていることを特徴とするものである。屈曲した繊維を用いることにより、フィルタの弾力が増加し、衝撃や圧力に対して強くなるとともに、屈曲した繊維を組み合わせることにより繊維一本あたりの占有体積が増加するため、より少ない繊維数で強度と通気性のある空間を形成することができるという作用を有する。
【0049】
また、平行な平面層を繊維群が連結することにより、繊維の林立方向の厚みが一定であることを特徴とするものである。厚みが不均一であると厚みの小さい部分の破過が早く起きてしまい寿命の低下を招くため、厚みを均一にすることにより寿命を大きくするという作用を有する。
【0050】
また、繊維間の間隔が粒状吸着剤の粒子径よりも小さいことを特徴とするものである。粒状吸着剤は一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維と繊維の間に挟まれるように担持されており、空気はこの構造の中を通過する。そして粒状吸着剤は空気の力を受けるため、粒状吸着剤がセル間を移動してフィルタの通気性が損なわれたり、粒状吸着剤がフィルタの下流側に流出して空気を汚染するといったことが起こりうる。基材において一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維間の間隔を粒状吸着剤の粒子径よりも小さくすることで繊維が粒状吸着剤を挟む力が強くなり、粒状吸着剤の移動およびフィルタの下流側への流出を防ぐことができるという作用を有する。
【0051】
また、粒状吸着剤がホットメルト樹脂接着剤で繊維に固定されていることを特徴とするものである。具体的には粒状吸着剤とホットメルト樹脂接着剤を混合したものを基材の中に充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定する方法や、また、ホットメルト樹脂接着剤が繊維の表面にあらかじめ固定された基材の中に粒状吸着剤を充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定する方法などがあげられる。ホットメルト樹脂接着剤は常温では接着性のない固体だが、溶融温度(約70℃以上)になると溶けて接着性を有するようになる。そして溶けることで基材の繊維と粒状吸着剤とに粘着し、その後常温に戻すことによってホットメルト樹脂接着剤は固体に戻り、粒状吸着剤は固まったホットメルト樹脂接着剤によって基材の繊維に固定される。ホットメルト樹脂接着剤は加熱して溶けてもある程度の粘性を有し、物質に対する浸透性が小さい。そのため粒状吸着剤の表面を覆いこんだり、また、粒状吸着剤の有する細孔に入り込んで粒状吸着剤の吸着捕集性能を低下させることがない。また、特に常温の固体の状態ではガス状不純物成分を自ら放出することがないため、ガス除去フィルタの吸着捕集性能を損なうことがないという特徴を有する。ホットメルト樹脂接着剤を用いて粒状吸着剤を基材に固定することにより、フィルタの下流側に粒状吸着剤が流出することを防ぎ、また、フィルタから粒状吸着剤が脱落して空気や環境の汚染および取り扱い性の低下を引き起こしたりすることがなく、また、粒状吸着剤の持つ吸着捕集性能を最大限活用したガス除去フィルタを得ることができるという作用を有する。
【0052】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に、通気性を有する目の細かいシートが設けられることを特徴とするものである。繊維や吸着剤がフィルタから脱落することを防ぎ、また、繊維や吸着剤をフィルタの下流側に流出させないことは空気および使用環境の汚染を防ぐために重要である。通気性を有するが繊維や吸着剤の大きさよりも目の細かいシートをフィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けることにより、繊維や吸着剤がフィルタから脱落したり、また、繊維や吸着剤がフィルタの下流側に流出したりすることを防ぐことができるという作用を有する。
【0053】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが空気中の粉塵を捕集する機能を有することを特徴とするものである。例えばポリプロピレンをメルトブロー法で繊維状に吹き付けてシート化し、帯電処理を行って作成した静電濾材などをフィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けることにより、ガス状不純物成分のみでなく空気中の粉塵をも捕集することが可能なガス除去フィルタを得ることができるという作用を有する。
【0054】
また、フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが吸着能を有することを特徴とするものである。イオン交換不織布などの吸着能を有する繊維群をシートとして用いることにより、フィルタ全体の吸着容量を増加させて寿命を大きくするという作用を有する。
【0055】
また、プリーツ状に形成されることを特徴とするものである。一方向に立体的に設けられた繊維と繊維の間に挟まれるように吸着剤が担持されたガス除去フィルタを濾材として用い、この濾材をプリーツ状、すなわち蛇腹状に形成して空気を濾材のプリーツ面から通過させることによって濾過面積が増大して空気の通過速度が小さくなり、通気性およびガス状不純物成分や粉塵の捕集性能を高める作用を有する。
【0056】
また、濾材をプリーツ状に形成する際、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサーを挟むことを特徴とするものである。プリーツ形状は通風時に形状が変化しやすいため風速分布が不均一になりやすいが、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサーを挟むことにより、通風時でもプリーツ形状を一定に保ち風速分布を均一にする作用を有する。
【0057】
また、濾材を積層することを特徴とするものである。繊維が林立する方向を濾材の厚み方向とした場合、厚みが大きくなると繊維の長さが大きくなるため濾材の機械的強度が小さくなるという理由から濾材の厚みには上限がある。強度を保つことができる厚さの基材に吸着剤が担持された濾材を積層することにより、濾材の強度を保ちながら吸着剤の担持量を簡単に増やすことができるという作用を有する。また、平面であった濾材を積層するため、二次元的な粒状吸着剤の分布を三次元的にすることができ、ガス状不純物成分と吸着剤との接触をより効率的にするという作用を有する。
【0058】
また、繊維に吸着官能基が存在することを特徴とするものである。吸着官能基は化学吸着等によりガス状不純物成分を除去する作用を有する。化学吸着等によるガス吸着では、一度吸着したガス状不純物成分を再放出しにくいため、再放出の少ないフィルタを提供することができる。また、繊維一本一本が吸着能を有し基材としての役割と吸着剤としての役割を同時に果たすため、総吸着量が多く長寿命のフィルタを提供することができる。
【0059】
また、粉末状吸着剤が繊維に担持されていることを特徴とするものである。粉末状吸着剤は多量の細孔やガス吸着サイトを有するため、多量のガス状不純物成分を吸着する作用を有する。また、粉末状であるため繊維の内部にまで浸透することができ、より多くの吸着剤を担持することができる。そのため、非常に多くのガス状不純物成分を吸着する長寿命のフィルタを提供することができる。
【0060】
また、ポリエステルあるいはポリアミドなどの融点の高い繊維で濾材が形成されることを特徴とするものである。ポリエステルやポリアミドなどの繊維は融点が高いため、吸着剤を固定するためにホットメルト樹脂接着剤などを用いて加熱しても基材が溶けて機械的寸法を損なうことがない。また常温では揮発性のない樹脂のため基材からガス状不純物成分が発生せず、フィルタの吸着捕集性能を損なうことがない。またポリエステルやポリアミドなどの繊維は撓みやすく弾性が高いため、プリーツなどの折り曲げ加工を行ったり外部から衝撃を受けても破損することのないという作用を有する。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0062】
(実施の形態1)
一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維1群により仕切られ形成されるセル9の空間に粒状吸着剤2を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有しているガス除去フィルタの側面からみた断面図を図1に、また通気方向A3から見た場合を上面としたときの上面図を図2に示す。図1および図2に示すように、一方向に向けて林立する繊維1群によってセル9が形成され、このセル9に粒状吸着剤2を充填することにより粒状吸着剤充填部が形成されている。また、粒状吸着剤2を充填するセル9の空間以外の部分では、セル9を形成する繊維1群が粒状吸着剤2の粒子径よりも小さい間隔を保って林立することにより、粒状吸着剤2の通気空間への侵入を防止して通気空間を保持している。アンモニア、アルデヒド類などに代表される臭気などのガス状不純物成分は拡散して粒状吸着剤2で吸着、脱臭、浄化される。
【0063】
また、通気方向A3において上流側には粒状吸着剤2の粒子径よりも目の大きいシートA4を設け、下流側には通気性を有し粒状吸着剤2の粒子径よりも目の細かいシートB5を設けている。また、シートA4の通気方向A3からみてシートA4の上流側およびシートB5の下流側には粉末状吸着剤よりも目の小さいシートC6が設けてある。なお、図2においては構造をわかりやすくするためにシートA4、シートB5およびシートC6を省略している。
【0064】
また、図1および2には示していないが、繊維1およびシートA4およびシートB5には粉末状吸着剤が担持してある。また、通気方向は通気方向A3のみではなく、繊維1の林立方向に直交する通気方向B7でもよく、その場合シートC6は通気方向B7からみて上流側および下流側に設けることになる。
【0065】
図1および図2に示すようにガス除去フィルタはシートA4およびシートB5を備え、繊維1がシートA4およびシートB5に接続部分8で接続され、一方向(図1では通気方向A3)に向けて林立して立体的に設けられ、一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維1群が一体化した構造となっている。繊維1が林立する方向としては、基本的には基材の厚み方向であるが、厳密に一方向でなくとも、繊維1の片方の端点がシートA4に、他方の端点がシートB5に接続していればよい。シートA4およびシートB5は、通気性を有しており、一例としては繊維が絡み合ってメッシュを有する編物などがある。繊維1がシートA4およびシートB5に接続される方法として、接着剤で固定する方法、あるいは、シートA4およびシートB5を構成する繊維に繊維1を引っ掛けるように編み込む方法などが挙げられる。
【0066】
繊維1が林立する方向から見た場合、繊維1が形成するセル9の形状としては多角形や円形など、規則的に配列しやすい形状が挙げられる。また、図2においては粒状吸着剤2を充填した粒状吸着剤充填部が通気方向B7に対して一直線にならないように配置してあるため、空気は通気経路10に示すように通気空間を複雑に曲がりながら通過するので、粒状吸着剤2との接触が多くなり吸着されずにフィルタを通過するガス状不純物成分は少なくなっている。一方、粒状吸着剤充填部が通気方向において一列に並ぶと、通気経路10が直線になってしまうため、圧力損失は低下することができる反面、ガス状不純物成分が粒状吸着剤2と接しないままフィルタを通過する可能性がある。そのため、吸着速度を重視する場合は吸着剤充填部が一列にならないように配置できる形状のセル9が好ましい。また、繊維1群によって形成されるセル9同士の間隔は、0.5〜5mm程度であると粒状吸着剤2の担持量を損なうことなく十分な通気性が得られ好ましい。また、セル9の形状や間隔によって通気経路や粒状吸着剤充填部と通気性部分の体積比率が変化するため、必要とする吸着剤充填量や圧力損失を考慮して決定するのが好ましい。
【0067】
繊維1、シートA4およびシートB5としては有機繊維や無機繊維、樹脂等様々なものが挙げられるが、ガス状不純物成分や粒子状不純物成分を自身から発生せず、また、プリーツ加工を行ったり外部から衝撃を受けたりしても破損がないよう撓みやすく弾性が高いという理由で揮発性のない樹脂であることが望ましい。特にポリエステルやナイロンを繊維化したものを編みこんでシート状にしたものは揮発性がない、撓みやすく弾性が高い、過熱しても耐熱性が高くて機械的寸法が崩れにくいといった利点を有するため適している。また、繊維1、シートA4およびシートB5にグラフト重合などにより吸着官能基が導入されている、あるいはイオン交換繊維や活性炭繊維等が予め混在していると、総吸着容量が増加しかつ吸着効率を上げられ好ましい。
【0068】
担持する粒状吸着剤2は粒子状の形状をしており、様々な種類のものが挙げられるが主に活性炭やイオン交換樹脂、ゼオライトなどが挙げられ、粒子径は0.2〜10mm程度が望ましい。アンモニアなどのアルカリ性ガスの吸着捕集には燐酸などの酸を添着した添着活性炭やカチオン系イオン交換樹脂が、また、塩酸ガスや硫酸ガス、硝酸ガスやボロンといった酸性ガスの吸着捕集には炭酸カリウムなどを添着した添着活性炭やアニオン系イオン交換樹脂が、また、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートやトルエンといった有機ガスの吸着捕集には化学物質の添着を行わない無添着活性炭がよく用いられる。繊維1、シートA4およびシートB5に担持する粉末状吸着剤は粉末の形状をしており、様々な種類のものが挙げられるが主に上述した酸もしくはアルカリ成分を添着した添着活性炭や何も添着しない無添着炭やイオン交換樹脂、ゼオライトなどが挙げられ、平均粒径10μm以上500μm以下程度が望ましい。このような粉末状吸着剤を繊維1、シートA4およびシートB5に担持することにより吸着能を持たせることができる。担持方法としては、コロイダルシリカ等のバインダに粉末状吸着剤を分散させたスラリーに、繊維1、シートA4およびシートB5を浸漬させた後乾燥させるか、ホットメルト樹脂接着剤と粉末状吸着剤を混合した粉末を塗して加熱冷却するか、予め繊維1、シートA4およびシートB5に粉末状吸着剤を添加しておくことが望ましい。なお、本実施例では吸着容量を大きくするために粉末状吸着剤を用いているが、粉落ちの防止を重視する場合は、粉末状吸着剤を使用せず繊維1に前述の方法により吸着官能基を導入しておくと良い。
【0069】
通気性を有し、粉末状吸着剤の粒子径よりも目の細かいシートC6としては、具体的には繊維どうしを熱や樹脂バインダーを用いて結合してシート化した不織布などが用いられる。粉末状吸着剤を繊維1に固定したとしても、粉末状吸着剤が繊維1から脱落しないとは限らず、使用時に粉末状吸着剤が下流側に流出して空気を汚染したり、取り扱い時に粉末状吸着剤がフィルタから脱落して使用環境を汚染する可能性がある。シートC6をフィルタの上流面および下流面に設けることにより粒状吸着剤2および粉末状吸着剤のフィルタからの脱落を防止することができる。シートC6としては、スパンボンド法やサーマルボンド法により製造される繊維径1μm以上50μm以下の不織布で、通気口径5μm以上100μm以下のものを、使用する粉末状吸着剤等の粒径に合わせて適時用いると下流側の汚染を漏れなく防止でき好ましい。また、シートC6として粉塵を捕集する機能を有する集塵濾材、例えばポリプロピレンをメルトブロー法で繊維状に吹き付けてシート化し、帯電処理を行って作成した静電濾材やガラス繊維をすきこみバインダーで結合したガラス繊維濾材などを用いることにより、ガス状不純物成分のみでなく空気中の粉塵をも効率よく捕集することができ、家庭や事務所などの室内環境における空気清浄フィルタとして用いることができる。また、シート作製時にイオン交換繊維や活性炭繊維等を添加して吸着能を持たせるとフィルタの総吸着量が増加し、寿命を延ばすことができる。
【0070】
なお、本実施例のガス除去フィルタは上流面および下流面にシートC6を設けているが、粒状吸着剤2および粉末状吸着剤がフィルタから脱落しないように完全に繊維1に固定されているのであればシートC6を上流面、下流面のどちらか一方に設けるか、もしくはシートC6を設けなくとも同様の効果を有するガス除去フィルタが得られる。また、粉末状吸着剤を担持しない場合は目の大きさは粒状吸着剤2よりも小さいものでよい。
【0071】
また、粒状吸着剤2をホットメルト樹脂接着剤で繊維1に固定すると、フィルタが振動や衝撃を受けても粒状吸着剤2が脱落しないようになり好ましい。具体的には粒状吸着剤2とホットメルト樹脂接着剤を混合したものを充填した後に振動を加えて均一に分散してから加熱冷却する方法や、また、ホットメルト樹脂接着剤が繊維1の表面にあらかじめ固定された繊維群の中に粒状吸着剤2を充填した後に振動を加えて均一に分散してから加熱冷却する方法などを用いて粒状吸着剤2をホットメルト樹脂接着剤で繊維1に固定することができる。ホットメルト樹脂接着剤の粒子径は好ましくは10μm以上0.5mm以下であり、材質としては例えばポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂等が挙げられる。特にポリオレフィン系樹脂であるポリエチレンのホットメルト樹脂接着剤は溶融温度が低く、また加熱してもガス状不純物成分の発生がほとんどないという利点を有する。
【0072】
また、使用するホットメルト樹脂接着剤として、ポリオレフィン系やポリビニル系、ポリアミド系のものを代表として挙げたが、使用時の温度管理を厳密に行うことによってエチレン酢酸ビニル共重合樹脂系のものを用いても同様の効果を有するガス除去フィルタが得られる。
【0073】
(実施の形態2)
実施の形態1に記載されたガス除去フィルタをガス除去のフィルタ濾材11として用い、ガス除去のフィルタ濾材11をプリーツ状に形成し、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサー13を挟んであるガス除去フィルタの斜視図を図3に、上面図を図4に示す。なお、図3にはプリーツ形状をわかりやすくするためスペーサー13は示していない。プリーツ状に形成するためにはガス除去のフィルタ濾材11が撓みやすく、折り曲げた部分で破損が生じない必要があるため、繊維1の材質は樹脂であることが望ましい。また、図3および4には示していないが、ガス除去のフィルタ濾材11の通気方向12において上流側もしくは下流側、もしくは両方の面に通気性を有し粒状吸着剤2の粒子径よりも目の細かいシートC6を設けるとフィルタからの吸着剤の脱落がほぼないものにすることができる。ガス除去のフィルタ濾材11をプリーツ状に形成すると、プリーツ状に形成していない平面状のものと比較して濾過面積が増大して空気を通過させたときの流速が小さくなり、ガス状不純物成分の吸着捕集性能が向上するとともに圧力損失が低減して通気性が向上するという効果が得られる。またガス除去のフィルタ濾材11をプリーツ状にする場合、プリーツ深さが20mm以上でプリーツ間隔が2mm以上であるとプリーツの山と山の間に空気が通りやすくなり通気性と吸着捕集性能が向上しるため好ましい。また、ガス除去のフィルタ濾材11の厚みが1mm以上10mm以下であるとプリーツ状に折りたたむのが容易になり好ましい。
【0074】
また、濾材間に挟むスペーサーとしては、フィルタ濾材に用いた繊維群のように通気性に優れ弾力があり、厚みが均一であるものがそのまま使用できるが、厚みが2mm以上10mm以下であると通気性を損なうことなく濾材の間隔を一定に保つ効果が得られ好ましい。さらに、スペーサー自身にもイオン交換繊維や活性炭繊維等を添加する、あるいは活性炭やゼオライト等の粉末状吸着剤を担持して吸着能を持たせると吸着容量が増加し好ましい。
【0075】
(実施の形態3)
実施の形態1に記載されたガス除去フィルタをガス除去のフィルタ濾材11として用い、ガス除去のフィルタ濾材11を積層し、上流面および下流面に通気性を有し粒状吸着剤2の粒子径よりも目の細かいシートC6を設けたガス除去フィルタの斜視図を図5に、側面からみた断面図を図6に示す。なお図5では構造をわかりやすくするためにシートC6をガス除去のフィルタ濾材11の上流面および下流面から離しているが、実際には上流面および下流面に密接して設けられている。フィルタ濾材11の厚みは繊維1の長さに依存するため繊維1が長すぎると粒状吸着剤2の担持強度やフィルタ濾材11そのものの強度が低下するためその大きさには上限があり、また、粒状吸着剤2の担持量はフィルタ濾材11の厚みに依存するため粒状吸着剤2の担持量には上限がある。粒状吸着剤2が担持されたガス除去のフィルタ濾材11を積層することで濾材の強度を保ちながらより多くの粒状吸着剤2を担持させることが可能となり、より寿命の長いガス除去フィルタを得ることができる。また、積層することにより粒状吸着剤2よりも目の小さいシートB5でフィルタ濾材11の上面となるシートA4の面を塞ぐことになり自動的にフィルタ濾材11の上面を塞いで粒状吸着剤2の移動を塞ぐことができる構造となる。また、フィルタ濾材11を繊維1が林立する方向に積層することにより、シートA4およびシートB5が通気性を有していることから吸着剤充填部が通気可能な間隔を三次元的にも有する構造となるため、通気性に優れたガス除去フィルタとなる。
【0076】
なお、本実施例のガス除去フィルタは通気方向に対して垂直の方向にガス除去のフィルタ濾材11を積層しているが、通気方向に対して水平の方向にガス除去のフィルタ濾材11を積層しても同様の効果を有するガス除去フィルタが得られる。また、通気方向に対して水平の方向に積層する場合、通気方向から見て互いのガス除去のフィルタ濾材11の通気路が互い違いになるように、あるいは繊維1の林立方向が任意の角度を保って交差するように積層してもガス状不純物成分とガス除去のフィルタ濾材11との接触効率の良いガス除去フィルタが得られる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のガス除去フィルタは通気性および吸着容量が高く長寿命であり、ガス除去フィルタを搭載する空気清浄装置の送風にかかる動力コストを低減しつつガス状不純物成分の除去が長期間にわたって可能なフィルタなどとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1に記載のガス除去フィルタの側面断面図
【図2】同実施の形態1に記載のガス除去フィルタの上面図
【図3】同実施の形態2に記載のガス除去フィルタの斜視図
【図4】同実施の形態2に記載のガス除去フィルタの上面図
【図5】同実施の形態3に記載のガス除去フィルタの斜視図
【図6】同実施の形態3に記載のガス除去フィルタの側面断面図
【符号の説明】
【0079】
1 繊維
2 粒状吸着剤
3 通気方向A
4 シートA
5 シートB
6 シートC
7 通気方向B
8 接続部分
9 セル
10 通気経路
11 フィルタ濾材
12 通気方向
13 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に向けて林立した繊維群により形成されるセル空間に粒状吸着剤を充填して得られる粒状吸着剤充填部同士が、通気に十分な間隔を有していることを特徴とするガス除去フィルタ。
【請求項2】
林立した繊維の端点を結んで形成される平面の一方に、通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさの小さいシートが設けられ、もう一方の面に通気性があり粒状吸着剤よりも目の大きさが大きいシートを設けてあることを特徴とする請求項1に記載のガス除去フィルタ。
【請求項3】
規則的に林立する繊維群によって粒状吸着剤充填部が規則的に配置されていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のガス除去フィルタ。
【請求項4】
繊維が屈曲することにより、粒状吸着剤充填部同士が通気に十分な間隔を保っていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項5】
平行な平面層を一方向に向けて林立した繊維群が連結することにより、繊維の林立方向の厚みが一定であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項6】
繊維間の間隔が粒状吸着剤の粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項7】
粒状吸着剤がホットメルト樹脂接着剤で繊維に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項8】
粒状吸着剤とホットメルト樹脂接着剤を混合したものを基材の中に充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項9】
ホットメルト樹脂接着剤が繊維の表面にあらかじめ固定された基材の中に粒状吸着剤を充填し、加熱冷却して粒状吸着剤を基材に固定することを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項10】
ガス除去フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に、通気性を有する目の細かいシートが設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項11】
ガス除去フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが空気中の粉塵を捕集する機能を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項12】
ガス除去フィルタの上流面もしくは下流面、もしくは両方の面に設けられたシートが吸着能を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項13】
プリーツ状に形成されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項14】
濾材をプリーツ状に形成する際、濾材の間に一方向に向けて林立して立体的に設けられた繊維群からなるスペーサーを挟むことを特徴とする請求項13に記載のガス除去フィルタ。
【請求項15】
濾材を積層することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項16】
繊維に吸着官能基が存在することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項17】
粉末状吸着剤が繊維に担持されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のガス除去フィルタ。
【請求項18】
ポリエステルあるいはポリアミドの繊維で濾材が形成されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のガス除去フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−55247(P2008−55247A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231746(P2006−231746)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】