説明

ガラス板梱包用パレット

【課題】搬送時のガラス板の割れの防止と押し込み時のガラス板の割れの防止を両立できるようにする。
【解決手段】ガラス板梱包用パレット1は、大型のガラス板10の梱包に用いられるパレットであり、ガラス板10が立てた状態で積層されながら載置される載置部22、および積層されたガラス板10を背面側から支持する背面板21を有する本体2と、載置部22上に配設された、ガラス板10の下端面を受ける受け部材3とを備えている。受け部材3は、緩衝材と、この緩衝材の上に積層された応力分散板とを含み、受け部材3におけるガラス板10の下端面と接する表面3aの対ガラス静摩擦係数は、0.50以上0.90以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板梱包用パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)のガラス基板には、厚さが例えば0.5〜0.7mmと薄いガラス板が用いられている。近年では、このFPDガラス基板用のガラス板のサイズが大型化してきており、例えば第7世代のガラス板の大きさは1870mm×2200mmである。
【0003】
このようなFPDガラス基板用のガラス板は、立てて積層した状態で搬送したり保管したりすることを可能とするために、専用のガラス板梱包用パレットを用いて梱包される。例えば、特許文献1には、図8に示すようなガラス板梱包用パレットが開示されている。
【0004】
図8に示すガラス板梱包用パレットは、ガラス板100が積層されながら載置される載置部12と、積層されたガラス板100を背面側から支持する背面板11とを有している。また、特許文献1に開示されたガラス板梱包用パレットでは、載置部12上に、ガラス板100の下端面を受ける受け部材として、ゴムシートや発泡樹脂シートからなる緩衝材13と、金属板14と、保護シート15とがこの順に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−143540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガラス板梱包用パレットへは、ガラス板が例えばロボットにより合紙を挟みながら積み込まれる。ガラス板をロボットにより受け部材上に載置しただけでは、ガラス板同士の間に隙間が形成されることがあるため、ガラス板の積み込みは、受け部材上に載置されたガラス板の下部を押し込み装置によって背面板側に押し込みながら行われる。これにより、ガラス板同士の間に形成される隙間が縮小される。そして、積み込みが終了した後は、梱包が行われ、ガラス板が背面板に固定される。その後、ガラス板は、ガラス板梱包用パレットごと搬送される。
【0007】
ところで、ガラス板の搬送時には、振動によってガラス板が動いてガラス板が割れることがある。これを防止するためには、ガラス板の下端面に接する受け部材の表面の静摩擦係数をなるべく高く設定することが好ましい。しかしながら、そのような高い静摩擦係数の表面の上にガラス板を載置した場合には、ガラス板の押し込み(上記のガラス板同士の間に形成される隙間を縮小する作業)に要する力が大きくなる。特に、第7世代以上のガラス板の場合には、ガラス板の自重も大きくなることからその押し込み力が大きくなりすぎ、ガラス板が割れるおそれがある。
【0008】
なお、特許文献1には、保護シート15の例として、厚紙、ゴムシート、および発泡樹脂シートが記載されているが、これらはどれも金属板14にガラス板100が直接接触して損傷するのを防ぐためのものであり、ガラス板を滑り易くしたり滑り難くしたりすることを意図したものではない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、大型のガラス板の梱包に用いられるパレットであって、搬送時のガラス板の割れの防止と押し込み時のガラス板の割れの防止を両立できるガラス板梱包用パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、大型のガラス板の梱包に用いられるパレットであって、前記ガラス板が立てた状態で積層されながら載置される載置部、および積層された前記ガラス板を背面側から支持する背面板を有する本体と、前記載置部上に配設された、前記ガラス板の下端面を受ける受け部材であって、緩衝材およびこの緩衝材の上に積層された応力分散板を含む受け部材と、を備え、前記受け部材における前記ガラス板の下端面と接する表面の対ガラス静摩擦係数は、0.50以上0.90以下である、ガラス板梱包用パレットを提供する。
【0011】
ここで、「大型のガラス板」とは、FPDガラス基板用の第7世代(1870mm×2200mm)のガラス板以上の大きさのガラス板のことをいう。
【0012】
また、「対ガラス静摩擦係数」とは、図7(a)に示すようなJIS K7125に準じた試験方法により計測される値である。具体的には、受け部材の表面層の上に、ガラス板を乗せ、さらにその上に200gの錘を乗せる。ガラス板としては、63mm×63mm、厚さ0.7のガラス板(例えば、AvanStrate社製NA32SG)を、図7(b)に示すように2つのコーナーを半径1.0mm程度に丸め、それらの間の辺を半径0.4mmの曲面となるように加工したものを用いる。そして、ガラス板の曲面加工した方の辺をロードセルと接続し、表面層をロードセルと反対方向に速度100mm/分で移動させる。ガラス板と表面層との相対位置ずれが生じた時のロードセルが検知する加重(N)をガラス板と錘の合計重量(N)で割ることにより得られた値が「対ガラス静摩擦係数」である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送時のガラス板の割れの防止と押し込み時のガラス板の割れの防止を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るガラス板梱包用パレットを前側から見た斜視図である。
【図2】図1のガラス板梱包用パレットを後側から見た斜視図である。
【図3】横棒および連結部材の分解斜視図である。
【図4】連結部材を横棒に固定する直前の状態を示す要部拡大図である。
【図5】締結部材が配置された部分の要部拡大図である。
【図6】受け部材の断面図である。
【図7】(a)は、受け部材の表面の対ガラス静摩擦係数を測定する方法を示す図であり、(b)はその測定に用いるガラス板を示す図である。
【図8】従来のガラス板梱包用パレットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0016】
図1および図2に、本発明の一実施形態に係るガラス板梱包用パレット1(以下、単に「パレット1」という。)を示す。このパレット1は、大型のガラス板10の梱包に用いられるものである。通常、ガラス板10は長手方向が水平方向となる姿勢でパレット1に積み込まれる。
【0017】
具体的に、パレット1は、基台部20ならびに基台部20上に設けられた載置部22および背面板21を有する本体2と、載置部22上に配設された受け部材3とを備えている。なお、図2では、ガラス板10や後述するロッド5等を省略している。
【0018】
本体2は、例えば鋼鉄等の金属からなる溶接構造体である。基台部20は、全体として略長方形板状をなしており、この基台部20には、端面に、フォークリフトの爪を挿入するための開口20aが設けられている。
【0019】
載置部22は、ガラス板10が立てた状態で積層されながら載置されるものである。本実施形態では、載置部22は、背面板21に向かって下向きに傾斜した姿勢となるように、複数のリブ22aで基台部20と結合されている。
【0020】
背面板21は、積層されたガラス板10を背面側から支持するものである。背面板21は、載置部22に垂直な姿勢、すなわち後傾姿勢となるように、基台部20に立設された支柱25で支えられている。より詳しくは、背面板21の背面には、鉛直方向に延びるリブ21aが所定間隔で配置されており、支柱25はこれらのリブ21aに連結されている。なお、図示は省略するが、背面板21の前面には、ガラス板10の損傷を防止するために、後述する緩衝材31と同様の緩衝材が取り付けられている。
【0021】
さらに、本実施形態では、背面板21の裏側であって支柱25の前方に、背面板21の後傾姿勢を利用して、後述する押え板4、一対の横棒6および連結部材7を収納するためのスペースSが形成されている。
【0022】
受け部材3は、ガラス板10の下端面を受けるものであり、ガラス板10の下端面と接する表面3aを有している。具体的に、受け部材3は、図6に示すように、載置部22上に積層された緩衝材31と、緩衝材31上に積層された応力分散板32と、応力分散板32上に積層された樹脂フィルム33とを含んでいる。そして、樹脂フィルム33の表面が受け部材3の表面3aを構成している。
【0023】
緩衝材31は、適度な復元力を有する弾性体であり、搬送時の振動を吸収する役割を果たす。緩衝材31は、ゴムで構成されていてもよいが、発泡樹脂で構成されていることが好ましい。このような発泡樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン、プロピレン−エチレン共重合体等が挙げられる。
【0024】
応力分散板32は、適度な剛性を有する板であり、ガラス板10の自重を緩衝材31に均一に分散させるとともに、載置部22の変形によりガラス板10に応力集中が起きることを抑制する役割を果たす。応力分散板32は、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成されていてもよいが、樹脂で構成されていることが好ましい。このような樹脂としては、ポリプロピレン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS等が挙げられる。中でも、ポリプロピレンを用いることが、剛性と強度のバランス、加工のし易さ、コスト、軽量化などの観点から特に好ましい。
【0025】
樹脂フィルム33は、搬送時に振動によってガラス板10が動くことを規制するとともに、積み込みの際のガラス板10の押し込み時にはガラス板10の動きを許容するものである。また、樹脂フィルム33は、ガラス板10の載置時にクッションとしても機能する。ここで、「樹脂フィルム」とは、高剛性の樹脂板とは異なるフレキシブルなものであって、内部に空隙を有しない非発泡な中実連続体をいう。なお、樹脂フィルム33の厚さは、0.5〜1.0mmが好ましく、0.7〜1.0mmがより好ましい。
【0026】
樹脂フィルム33としては、対ガラス静摩擦係数が0.50以上0.90以下の表面を有するものを用いることが好ましい。対ガラス静摩擦係数が0.50未満であると、搬送時に滑り止めとして十分に機能しなくなり、0.90を超えると、押し込み時にガラス板10が割れるおそれが高くなるからである。樹脂フィルム33の表面の対ガラス静摩擦係数は、より好ましくは0.52以上0.80以下であり、さらに好ましくは0.54以上0.70以下である。
【0027】
樹脂フィルム33を構成する材料としては、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等を用いることが可能である。中でも、熱可塑性ポリウレタンを用いることが、摩擦係数、耐久性、耐薬品性、クッション性の観点から特に好ましい。
【0028】
さらに、本実施形態のパレット1は、積層されたガラス板10を前面側から覆う、左右に分割された押え板4と、上下に離間する位置で押え板4を押さえることにより、ガラス板4を背面板21に固定する、一対の横棒6と、ガラス板10の中央に対応する位置で、一対の横棒6同士を連結する梯子状の連結部材7とを備えている。また、背面板21には、ガラス板10の脇を通って前方に延びるロッド5が左右に2本ずつ設けられており、これらのロッド5に一対の横棒6が係合している。そして、一対の横棒6は、ロッド5に取り付けられた締結部材8により押え板4に押圧されている。
【0029】
押え板4は、例えばアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS等の樹脂からなる、ハーモニカ状の中空構造を有する板(プラスチック製段ボール板)である。
【0030】
一対の横棒6は、図3に示すように、前後方向に扁平なフラットバーである。各横棒6の両端部には、下方に開口する係合溝61が設けられており、この係合溝61にロッド5が嵌り込むようになっている。
【0031】
締結部材8は、図5に示すように、ロッド5に固定されるレバー操作式のクランプ部81と、ナット部82とを有している。クランプ部81の一方の端部には外周面に雄ねじ部(図示せず)が形成されており、ナット部82は、その雄ねじ部に螺合することにより、ロッド5の軸方向に進退可能になっている。また、ナット部82には、等角度間隔で3本のハンドル82aが設けられている。
【0032】
締結部材8は、次のようにして使用する。まず、ガラス板10の上に押え板4を被せた後に、係合溝61にロッド5を嵌め込んで一対の横棒6をロッド5に係合させる。ついで、クランプ部81をロッド5に通し、締結部材8が横棒6に当接する位置でクランプ部81を固定する。その後、ハンドル82aによりナット部82を回転させることにより、ナット部82で横棒6を押え板4に押し付ける。これにより、ガラス板10が背面板21に固定される。
【0033】
図1に戻って、一対の横棒6のうち下側の横棒6には、ガラス板10の下部中央を押えるための上方に開口するコ字状の張り出し部60が設けられている。なお、張り出し部60の下側の横棒6からの張り出し量は、張り出し部60が受け部材3の表面3aに接しない程度に設定されている。
【0034】
連結部材7は、図3に示すように、左右一対の縦材7aと、一対の縦材7aの上端部同士および下端部同士を連結する上下一対の横材7bと、一対の横材7bの間で一対の縦材7aの中間部同士を連結する複数(図例では2つ)の中継材7cとを有している。これらの材7a〜7cの前後方向の厚みは、横棒6の厚みと同じに設定されている。また、縦材7aの中央には、連結部材7を操作するための取手75が設けられている。
【0035】
一対の横棒6には、連結部材7を固定するためのトグルクランプ9が設けられている。具体的には、図4に示すように、連結部材7の縦材7aの前面の上端部および下端部には、舌片状の固定片71が下方または上方に突出するように設けられている。一方、一対の横棒6には、固定片71を内側からガイドするガイド片62が設けられているとともに、ガイド片62にガイドされた固定片71を押さえることが可能な位置にトグルクランプ9が配置されている。そして、連結部材7を、固定片71の間にガイド片62が嵌り込むように、一対の横棒6の間に嵌め込んだ状態で、トグルクランプ9で固定片71を押さえることにより、連結部材7が固定片6に固定される。これにより、連結部材7の各材7a〜7cの後面が一対の横棒6の後面と面一となり、連結部材7によっても押え板4が押さえられる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のパレット1では、受け部材3の表面3aの対ガラス静摩擦係数が0.5以上0.9以下に設定されているので、搬送時のガラス板10の割れの防止と押し込み時のガラス板10の割れの防止を両立することができる。
【0037】
ここで、種々の材料について対ガラス静摩擦係数を測定してみると、その結果は以下のとおりであった。
・樹脂フィルムA 3.81
(熱可塑性ポリウレタンからなる樹脂フィルムで表面がツルツルのもの:鼎基化學社(台湾メーカー)製TPU(熱可塑性ポリウレタン)薄フィルムFT1029)
・樹脂フィルムB 0.60
(熱可塑性ポリウレタンからなる樹脂フィルムで表面がザラザラのもの:鼎基化學社(台湾メーカー)製TPU(熱可塑性ポリウレタン)薄フィルムFT1029X3)
・天然ゴムシート 1.26
・発泡樹脂シート 1.00
・厚紙 0.30
・ポリプロピレン板 0.43
・アクリル板 0.49
・木板 0.30
・鉄板 0.33
【0038】
実際に、樹脂フィルム33として対ガラス静摩擦係数の高い樹脂フィルムAを用いた場合には、ガラス板の押し込み時にガラス板の割れが発生した。これに対し、樹脂フィルム33として対ガラス静摩擦係数が適度な樹脂フィルムBを用いた場合には、ガラス板を押し込み時もガラス板を搬送する時もガラス板の割れが発生しなかった。なお、ポリプロピレン板や鉄板等では、対ガラス静摩擦係数が低すぎるため、実際に用いるまでもなく、それらでは搬送時にガラス板が割れることが想定される。また、天然ゴムシートでは使用中にゴムの屑が発生するという問題があり、発泡樹脂シートではガラス板の重さにより凹んでしまい、繰り返し使用できないという問題がある。
【0039】
また、本実施形態では、ガラス板10が押え板4によって面で押さえられるようになっているので、搬送時にガラス板10が動くことが全面的に規制される。これにより、ガラス板10の割れをより効果的に防止することができる。
【0040】
ここで、ガラス板10の固定を例えばベルトによって行った場合には、ガラス板10の中央が前方に膨らんでしまうことがある。このような膨らみはベルトによる固定を解除した後も残るため、ロボットによってガラス板10を吸着しようとしたときに、ガラス板10を吸着できないことがある。これに対し、本実施形態では、連結部材7によりガラス板10の中央を押えるようにしているので、ガラス板10の平面度を保つことができ、ロボットによる吸着を問題なく行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、ネジ式の締結部材8によりガラス板10の固定が行われるようになっているので、適切な力でガラス板10を固定することができる。しかも、各横棒6の両端部を背面板21側に押すことにより、ガラス板10に長手方向に亘って均一な押し付け力を付与することができ、バランスの良い固定が可能である。
【0042】
さらに、本実施形態では、トグルクランプ9によって連結部材7を一対の横棒6へ固定するようにしているので、連結部材7を容易に着脱することができる。
【0043】
また、背面板21の裏側には、押え板4、一対の横棒6および連結部材7を収納するためのスペースSが形成されているので、作業場にそれらの部材を保管する場所を確保する必要がなく、省スペース化を図ることができる。
【0044】
なお、前記実施形態では、受け部材3の表面3aが樹脂フィルム33の表面で構成されているが、樹脂フィルム33を省略し、分散板32の表面を対ガラス静摩擦係数が0.5以上0.9以下となるように粗面化して、この表面で受け部材3の表面3aを構成してもよい。ただし、樹脂フィルム33を用いる方が、クッション性、貼り替えることによる繰り返し使用が可能、補修用備品の保管し易さなどの点で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、FPDガラス基板用のガラス板を梱包するためのガラス板梱包用パレットに特に好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 ガラス板梱包用パレット
2 本体
21 背面板
22 載置部
3 受け部材
3a 表面
31 緩衝材
32 応力分散板
33 樹脂フィルム
4 押え板
5 ロッド
6 横棒
61 溝
7 連結部材
8 締結部材
81 クランプ部
82 ナット部
9 トグルクランプ
10 ガラス板
S スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型のガラス板の梱包に用いられるパレットであって、
前記ガラス板が立てた状態で積層されながら載置される載置部、および積層された前記ガラス板を背面側から支持する背面板を有する本体と、
前記載置部上に配設された、前記ガラス板の下端面を受ける受け部材であって、緩衝材およびこの緩衝材の上に積層された応力分散板を含む受け部材と、を備え、
前記受け部材における前記ガラス板の下端面と接する表面の対ガラス静摩擦係数は、0.50以上0.90以下である、ガラス板梱包用パレット。
【請求項2】
前記載置部は、前記背面板に向かって下向きに傾斜しており、前記背面板は、前記載置部に垂直である、請求項1に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項3】
前記受け部材は、前記応力分散板の上に積層された樹脂フィルムをさらに含み、この樹脂フィルムの表面で前記受け部材の前記表面が構成されている、請求項1または2に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項4】
前記樹脂フィルムは、熱可塑性ポリウレタンで構成されている、請求項3に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項5】
前記応力分散板は、樹脂で構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項6】
前記緩衝材は、発泡樹脂で構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項7】
積層された前記ガラス板を前面側から覆う、左右に分割された押え板と、
上下に離間する位置で前記押え板を押さえることにより、前記ガラス板を前記背面板に固定する、一対の横棒と、
前記ガラス板の中央に対応する位置で、前記一対の横棒同士を連結する梯子状の連結部材と、をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項8】
前記一対の横棒のうち下側の横棒には、前記ガラス板の下部中央を押えるための張り出し部が設けられている、請求項7に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項9】
前記連結部材は、トグルクランプにより前記一対の横棒に固定される、請求項7または8に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項10】
前記一対の横棒のそれぞれの両端部には、係合溝が設けられており、
前記背面板には、前記ガラス板の脇を通って前方に延び、前記係合溝に嵌り込むロッドが設けられており、
前記ロッドに取り付けられ、前記一対の横棒を前記押え板に押圧する締結部材をさらに備える、請求項7〜9のいずれか一項に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項11】
前記締結部材は、前記ロッドに固定されるクランプ部と、前記クランプ部に螺合して前記ロッドの軸方向に進退可能なナット部とを有する、請求項10に記載のガラス板梱包用パレット。
【請求項12】
前記背面板の裏側には、前記押え板、前記一対の横棒および前記連結部材を収納するためのスペースが形成されている、請求項7〜11のいずれか一項に記載のガラス板梱包用パレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−280426(P2010−280426A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136939(P2009−136939)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(508271425)安瀚視特股▲ふん▼有限公司 (10)
【出願人】(598055910)AvanStrate株式会社 (81)
【Fターム(参考)】