説明

キッチンユニット

【課題】カウンタの手前側に、カウンタの幅方向に長い作業スペースが確保できる、コンパクトで使いやすいキッチンユニットを提供する。
【解決手段】シンク開口1を有したシンクカウンタ21と調理器カウンタ22とを連設したキッチンユニット20において、調理器カウンタ21は、奥側に左右1列に配置した複数の加熱調理器5と、手前側に配置した作業スペース6とを備え、シンクカウンタ21は、調理器カウンタ22に近接する手前コーナー部に補助スペース6aを備えており、作業スペース6と補助スペース6aとで、連続する連成作業スペース3を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンク開口を有したシンクカウンタと調理器カウンタとを連設したキッチンユニットの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キッチンユニットのカウンタには、シンクに隣接して調理用の作業スペースを設けているものが多い。特に、シンクカウンタと調理器カウンタとを一体としたキッチンカウンタでは、並列配置、L字配置のいずれにおいても、作業スペースがシンクと調理器との間に設けられていることが一般的である。このようなキッチンカウンタは、スペースの十分にあるキッチンでは見映えもよく使い勝手はよい。
【0003】
ところが近年では、大家族から小家族への変化に応じて、大きなキッチンから、小さくても使いやすいキッチンへと嗜好が変化しつつあり、そのような嗜好を配慮して、また住宅事情も考慮して、コンパクトで作業のしやすいキッチンカウンタが種々提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、キッチンカウンタの幅サイズを短くして、加熱調理器を奥に左右1列に並べることによって、その手前側にスペースを形成させたものが記載されている。
【0005】
この種のものでは、調理器の手前スペースを、フライパンや鍋などの調理器具などを載置するスペースとして利用することができる。
【0006】
また、上記文献のものでは、加熱調理器の左右には、幅狭で奥行方向に長いスペースが設けられている。つまり、加熱調理器を三方より囲むように作業スペースが形成されている。
【特許文献1】特開平10−174629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記左右のスペースは調理器カウンタの手前スペースに連なるものの、カウンタの手前で幅方向に連続するスペースを形成していないため、全体の作業スペースは、カウンタの幅方向に沿って移動する作業者にとって便利なスペースとは、決していえない。
【0008】
さらに、上述するように、近年ではキッチンユニットのコンパクト化の傾向があり、コンパクト化を目的とするキッチンユニットでは、加熱調理器の左右にスペースをとることはできない。
【0009】
また、調理機器カウンタの手前と左右のスペースは、調理器具の載置場所としては最適であるが、そのスペースは加熱調理器の近傍であるため熱気が伝わりやすく、まな板を置いて加熱前の食材を切ったり、刺身などの生ものを皿に盛り付けたりする場所としてはふさわしくない。
【0010】
そのような生ものを取り扱うには、加熱調理器より離れたシンクカウンタを利用するほうが適しているが、シンクカウンタ側に作業スペースを形成したものは、いまのところ提案されていない。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的とするところは、カウンタの手前側に、カウンタの幅方向に長い作業スペースが確保できる、コンパクトで使いやすいキッチンユニットを提供することにある。
【0012】
なお近年、対面式、アイランド式キッチンユニットの出現により、キッチンスペースがオープン化されリビングと半一体化あるいは一体化され、キッチンユニットは設備ではなくリビング家具としての位置付けも一般化している。そのような観点からも、リビングでじゃまにならず美観を損なわないようにするために、キッチンユニットのコンパクト化が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のキッチンユニットは、シンク開口を有したシンクカウンタと調理器カウンタとを連設したキッチンユニットにおいて、調理器カウンタは、奥側に左右1列に配置した複数の加熱調理器と、手前側に配置した作業スペースとを備え、シンクカウンタは、調理器カウンタに近接する手前コーナー部に補助スペースを備えており、作業スペースと、補助スペースとで、連続する連成作業スペースを形成していることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載のキッチンユニットは、補助スペースは、上記手前コーナー部に補助板を着脱可能に載置して構成されている。
【0015】
請求項3に記載のキッチンユニットは、作業スペースと、補助スペースとは奥行サイズを略同一にしてある。
【0016】
請求項4では、加熱調理器は少なくとも電気加熱調理器を含んでいる
【0017】
請求項5では、調理器カウンタには加熱調理器用の取付開口が開設されており、加熱調理器は所定個数ごとのモジュールユニット単位で上記取付開口に組替可能に据付されている。
【0018】
請求項6では、下引き換気装置が加熱調理器の近傍に立設されている。
【0019】
請求項7では、シンクカウンタ、調理器カウンタの少なくとも一方の奥側に、上面を載置領域とした載置段部が立設されている。
【0020】
請求項8では、シンクカウンタと上記調理器カウンタとを一体としてキッチンカウンタを形成しており、キッチンカウンタの周縁部には、カウンタ面より突出した堰が形成されている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載のキッチンユニットによれば、シンクカウンタが調理器カウンタに近接する手前コーナー部に補助スペースを備えて、作業スペースと、補助スペースとで、連続する連成作業スペースを形成しているため、キッチンユニット20の前方側で幅方向に移動する作業者に対して、カウンタ面の手前領域で幅方向に長く連続する作業スペースを提供できる。特に、シンクカウンタと調理器カウンタが左右に並設したものにおいては、直線的なスペースが確保できるため、きわめて使いやすい作業領域となり得る。
【0022】
また、シンクカウンタの一部を作業領域として使用できるため、新たなスペースを確保するためにカウンタを左右方向に広げる必要はなく、キッチンユニットのコンパクト化(幅狭化)に寄与でき、コンパクトなユニットによって料理時の移動距離も短くなり、動線効率も向上する。さらに、ユニットをコンパクトに形成できるため、リビングの中央などに配置した場合でもじゃまにならず、美観も損なわない。
【0023】
特に補助スペースは加熱調理器より離れた位置にあるため、生ものの盛り付けや長時間を必要とする盛り付け作業に利用できる。
【0024】
さらに、加熱調理器が調理器カウンタの奥側に左右1列に配置されているため、加熱調理器の使用の有無にかかわらず、幅方向に長い作業スペースが確保でき、横長の連成作業スペース確保することができる。
【0025】
請求項2に記載のキッチンユニットによれば、補助スペースが手前コーナー部に補助板を着脱可能に載置して構成されているため、必要なときのみ作業スペースを拡大することができる。
【0026】
請求項3に記載のキッチンユニットによれば、作業スペースと補助スペースとは奥行サイズを略同一にしてあるので、横長の矩形スペースが形成でき、作業者にとって使いやすい。
【0027】
請求項4に記載のキッチンユニットによれば、加熱調理器として電気式加熱調理器を使用しているため、特にIH調理器を採用した場合には、調理器カウンタの全体を平坦に形成できるため、加熱調理をしていないときに調理器カウンタ全体を段差のない広範囲な作業スペースとして使用でき、そのため作業テーブルの移動位置にかかわらず、横長の連成スペースを形成できる。また、IH調理器を手前側に設置した場合でも、そのIH調理器を使用しないときには、手前側に段差のない作業スペースが確保できる。
【0028】
請求項5に記載のキッチンユニットによれば、加熱調理器がモジュールユニットごとに組替設置が可能であるため、ユーザの好みやキッチンユニットの設置場所に応じて、電気式加熱調理器とガス加熱調理器とを組み合わせて設置することができる。
【0029】
請求項6に記載のキッチンユニットによれば、下引き換気装置が加熱調理器の奥に立設されているため、加熱調理器の上方に換気設備(レンジフード)を壁付けする必要がなく、加熱調理器の上方空間を他の用途に利用できる。また、キッチンユニットをリビングに配置するアイランド式のものに適用すれば、下引き換気装置による効果は大きい。
【0030】
請求項7に記載のキッチンユニットによれば、シンクカウンタ、調理器カウンタの少なくとも一方の奥側に上面を載置領域とした載置段部が立設されているため、載置領域を、対面式キッチンにおいて料理を盛り付けた皿や椀などを差し渡すためスペースとして利用できる。もちろん、キッチンユニットを壁付け式キッチンに適用してもよく、その場合には調味料などの載置場として利用できる。
【0031】
また、同キッチンユニットによれば、載置段部には給水管や下引き用の換気設備など種々の設備を収容できるため、美観を損なうことなく種々の設備機器を一体化することができ、そのため、このキッチンユニットをアイランド式のキッチンユニットとして利用すれば、特に効果は大きい。
【0032】
請求項8に記載のキッチンユニットによれば、シンクカウンタと調理器カウンタとを一体としたキッチンカウンタの周縁部に、カウンタ面より突出した堰が周設されているため、キッチンカウンタよりも外方への水分の飛散を防止することができる。加熱調理器を電磁誘導加熱式(IH)調理器とした場合、調理器カウンタを含むカウンタ全体を水洗いすることができ、特にそのような場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、本発明の一例であるキッチンユニットの斜視図である。以下では、この図1を参照しながら同キッチンユニット20を構成する各部について説明し、特にシンクカウンタ21の構成、形状については、図2に示した概略平面図も参照しながら説明する。
【0035】
このキッチンユニット20は、収納空間を有したキャビネット体Bの上方に、シンクカウンタ21と調理器カウンタ22とを一体として連設したキッチンカウンタAを固着して構成されている。なお、シンクカウンタ21と調理器カウンタ22とは、個別にキャビネット体に設置したものを連設したものでもよい。また図例では、シンクカウンタ21と調理器カウンタ22とを左右に並設しているが、L字形に配置したものでもよい。
【0036】
キッチンカウンタAは、人造大理石などの樹脂またはステンレスなどの金属で一体に製され、シンクカウンタ21にはシンク(開口)1が設けられ、調理器カウンタ22には複数の加熱調理器5が据付されている。なおキッチンカウンタは、カウンタに予め設けた開口にステンレス製のシンク1を嵌めこんで形成されたものでもよい。
【0037】
シンクカウンタ21に形成された開口1は、手前側の平面視矩形の開口部1aと、その開口部1aの幅サイズよりも長い奥側の平面視矩形の開口部1bとを組み合わせて1つの開口をなしたもので、手前側の矩形開口部1aの右側に位置するシンクカウンタ21の手前コーナー部には、矩形の小さなスペース6aがカウンタ面の一部として形成されている(平面視形状は図2を参照)。このスペース6aは、図示するように、調理器カウンタ22の手前に形成されている作業スペース6に連続しており、これら作業スペース6と補助スペース6aとによって、連成作業スペース3が形成されている。
【0038】
補助スペース6aは、奥行サイズを作業スペース6の奥行と略同一サイズとし、幅サイズを、そのテーブル左側に、水洗い作業などが十分に可能な矩形開口部1aが形成できる程度のサイズとすることが望ましい。つまり、手前側の開口部1aは、フライパンや鍋などを置ける程度の幅サイズとすることが望ましい。なお、補助スペース6aは矩形に限らず、略矩形、三角形、台形など種々の形状が想定できる。
【0039】
補助スペース6aおよび作業スペース6の奥行サイズは、シンク1や補助スペース6aでの作業性、および作業スペース6での(例えば、加熱調理器5にフライパンを載置した際、フライパンの柄がカウンタの前方に突き出さないことなどを考慮した)作業性等から、20〜40cm程度とすることが好ましく、より好ましくは30cm前後としてもよい。
【0040】
このように2つのスペース6、6aにより形成された連成作業スペース3は、フライパンや鍋などの調理器具の載置場として、あるいは多人数の料理の盛り付けの作業場として利用できる。特に補助スペース6aは加熱調理器より離れた位置にあるため、生ものの盛り付けや長時間を必要とする盛り付け作業など、加熱調理中の熱気を避ける必要のある作業に利用できる。
【0041】
このような連成作業スペース3を設けたキッチンユニット20によれば、キッチンユニット20の前方側の通路でカウンタの幅方向に移動する作業者に対して、カウンタ面の手前領域で幅方向に長く連続する作業スペースを提供できる。特に、シンクカウンタ21と調理器カウンタ22が左右に並設したものにおいては、直線的なスペースが確保できるため、きわめて使いやすい作業領域となり得る。
【0042】
また、シンクカウンタ21の一部を作業領域として使用しているため、作業スペースを補充するためにカウンタを左右方向に広げる必要はなく、キッチンユニットのコンパクト化(幅狭化)に寄与でき、またコンパクトなユニットによって料理時の移動距離も短くなり、動線効率も向上する。さらに、ユニットをコンパクトに形成できるため、リビングの中央などに配置した場合でもじゃまにならず、美観も損なわない。
【0043】
また、開口1の左右側壁1c、1cの上面は、損傷、変形防止および水切れ性を考慮してテーパ面2に形成されている。もちろん、手前壁1dの上面も同様にテーパ面に形成してもよい。また、開口1の後方には水栓金具4が取り付けられている。
【0044】
一方、調理器カウンタ21では、加熱調理器5が作業スペース6の後方に左右1列に配置され、さらにその後方には下引き換気装置7が立設されている。また、下引き換気装置7は、横長の吸引口7aを有しており、その吸引口7aから調理時の油煙や蒸気を、キャビネット体Bに内装した吸引手段(不図示)で吸い込んで下方に引き、戸外に排出する。
【0045】
加熱調理器5は、図示するように、2口モジュールと1口モジュールとを組み合わせて据付されたもので、取り付けた状態でカウンタ面を段差なく形成するために、操作部(不図示)とともにパネル化して一体化した電磁誘導加熱(IH)式のものを使用することが望ましい。なお、他の電気式加熱調理器やガス加熱調理器を使用してもよい。加熱調理器5のモジュールユニットの組替据付については、図2,3で後述する。
【0046】
また、キッチンカウンタAの周縁部には、カウンタ面より上方に突出した堰10が周設されている。この堰10により、キッチンカウンタAの内方から外方への水分の飛散を防止することができる。加熱調理器5をIH調理器5aで構成した場合、調理器カウンタ22を含むカウンタ全体を水洗いすることができ、堰10は特にそのような場合に有効である。なお堰10は、損傷、変形防止および水切れ性のために内方上端角部をテーパ面としている。
【0047】
また、キャビネット体Bには、シンクカウンタ21の下方では包丁収納スペース31や調理器具収納スペース32が設けられ、調理器カウンタ22の下方ではグリル33や食器洗浄器34、引き出し35などが設けられている。このように、種々の設備や空間をコンパクトなキッチンユニット20に収容、配置している。また、補助スペース6aの下方には、その空間を生かした小物収納スペース36が設けられている。
【0048】
図2は、加熱調理器5が設置される前の状態を示すキッチンカウンタAの概略平面図である。図3(a)〜(c)は、下引き換気装置7の配置例およびモジュールユニット5Aの組替例を示す概略平面図である。
【0049】
キッチンカウンタAには、複数の加熱調理器5を設置するための取付開口8が開設されており、取付開口8の内方には、取付単位である加熱調理器モジュールユニット5Aを個別に据付できるように、取付桟9が設けられている(図2参照)。
【0050】
図例のように3個の加熱調理器5を設置する場合には、2個の加熱調理器5をセット化した2口モジュールユニット5Aと、1個の加熱調理器5よりなる1口モジュールユニット5Aとを組み合わせるか、あるいは1口モジュールユニット5Aを3つ組み合わせてもよい。また、電気式加熱調理器5aとガス加熱調理器5bとを適宜、組み合わせることもできる(図5参照)。なお、ガス加熱調理器5bは、カウンタ面の水洗いをしやすくするために、カウンタ面よりも少し高くなるように据付されることが望ましい。
【0051】
このように、加熱調理器5はモジュールユニット5Aごとに組替据付が可能であるため、ユーザの好みやキッチンユニット20の設置場所に応じて、電気式加熱調理器5aとガス加熱調理器5bとを適宜、組み合わせて設置することができる。
【0052】
また下引き換気装置7は、種々のサイズのものを、加熱調理器5の近傍位置に設置することができる。例えば、対面式のキッチンユニットとして使用する場合には、使い勝手のために受渡し空間Sを確保できるような幅サイズの下引き換気装置7を設置してもよいし、奥より側方に連ねたL字形のものを設置してもよい(図5(b)、(c)参照)。
【0053】
この下引き換気装置7によれば、加熱調理器5の上方に換気設備(レンジフード)を壁付けする必要がないため、従来のレンジフードによる上方での圧迫感が解消でき、また上方空間を他の用途に利用することもできる。特に、下引き換気装置を設けたキッチンユニット20をリビングに配置するアイランド式のものに適用すれば、キッチンユニット20を中央に配置しても、油煙や蒸気を室内に漂わせることなく素早く換気でき、効果はきわめて大きい。
【0054】
次に、本発明の他例であるキッチンユニットについて説明する。
【0055】
図4は同キッチンユニットの斜視図である。同キッチンユニット20Aは、対面式キッチンに適したものとして使用できる。
【0056】
このキッチンユニット20Aは、キッチンカウンタAの奥側に、載置段部11を立設させたものである。
【0057】
この載置段部11は、キッチンカウンタAの奥側に立設され、左右に連続するシンク後方壁面13と調理器後方壁面14とが形成され、段部上面には載置領域12が形成されている。
【0058】
シンク後方壁面13はシンク開口1内の後方壁面1eより上方に連設され、その壁面13に水栓金具4が水平方向に突出するように取り付けられている。また、調理器後方壁面14は加熱調理器5の後方に立ち上がり形成され、その壁面14に換気用の吸引口15が設けられている。
【0059】
載置領域12は、対面式キッチンにおいて、料理を盛り付けた皿や椀などを差し渡すためスペースとして利用できる。もちろん、同キッチンユニット20Aを壁付け式キッチンに適用してもよく、その場合には調味料などの載置場として利用できる。なお図例のものでは、載置領域12の上面への水はねを防止するために、シンク側では載置領域12を手前に少し突出させている。
【0060】
また載置段部11は、上記水栓金具4に連結された給水管(不図示)や、上記吸引口15に対応した換気設備(不図示)を内装しており、機能壁として種々の用途に使用される。
【0061】
載置段部11には、このような種々の設備を収容できるため、美観を損なうことなく種々の設備機器を一体化することができ、そのため、アイランド式のキッチンユニットとして利用すれば、特に効果は大きい。
【0062】
また、連成作業スペース3が設けられているため、図1の例のものと同様の効果があるとともに、載置領域12が連成作業スペース3と平行に、キッチンユニット20Aの幅方向に沿って設けられているため、連成作業スペース3から載置領域12への、あるいはその逆の食器類の移動は非常にしやすい。
【0063】
なお図4において、他の構成部分については図1の例と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
図5は、本発明のさらに他例であるキッチンユニットの概略側面図である。
【0065】
同キッチンユニット20Bは、調理器カウンタ22には、奥に並べた加熱調理器5の後方に下引き換気装置を備えず、その代わりに、換気設備17を有したウォールキャビネット16が壁Wの上方に取り付けられている。なお、ウォールキャビネット16には収納空間(不図示)が設けられている。
【0066】
このキッチンユニット20Bでは、作業スペース6を手前に設けて加熱調理器5を奥に配置した構成であるため、加熱調理器5の設置位置に合わせた位置に換気設備17を配置でき、従来のキッチンに見られる前方に突出した換気設備による圧迫感を排除することができる。
【0067】
図6は、本発明のさらに他例であるキッチンユニットの斜視図である。図7は同キッチンユニットの概略平面図で、(a)は補助スペースを構成する補助テーブルの設置前、(b)は補助テーブルの設置後の状態を示している。
【0068】
同キッチンユニット20Cは、シンクユニット21に平面視矩形の開口1を有しており、その開口1の手前コーナー部に支持部2Aが形成され、その上に、補助テーブル(補助板)6bが着脱可能に載置されて構成されている。なお、他の構成については図1の例と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
補助テーブル6bは、奥行サイズを作業スペース6の奥行と略同一サイズとし、幅サイズを、そのテーブル左側に水洗い作業などが十分に可能な矩形開口部1aが形成できる程度のサイズとすることが望ましい。なお、奥行サイズはシンク1や補助テーブル6bでの作業性、および作業スペース6での作業性等から、20〜40cm程度とすることが好ましく、より好ましくは30cm前後としてもよい。
【0070】
支持部2Aは、キッチンカウンタAと一体的に成形してもよいが、支持板などを後付けしてもよい。また支持部2Aは、補助テーブル6bを載置したときに作業スペース6との間に段差ができないような高さ位置に形成することが望ましい。
【0071】
また、補助テーブル6aは矩形に限らず、略矩形、台形など種々の形状としてもよい。支持部2Aを図例のものとすれば、安定性を考慮して、三角形の補助テーブルとしてもよい。
【0072】
本例においては、支持部2Aに載置された補助テーブル6bが補助スペースを構成し、この補助スペースと隣接する作業スペース6とにより連成作業スペース3が形成されている。補助テーブル6bは着脱可能であるため、必要なときに載置して作業スペースを拡大することができ、不要なときは取り外してシンク開口1の空間を拡大することができる。また、補助テーブル6bを載置しているときでも、その下方には空間が形成されるため、食器類をその空間に置くことができる。
【0073】
なお、同キッチンユニット20Cの他の構成部分は図1に示した発明例と同様であるため、図1のものと同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一例であるキッチンユニットの概略斜視図である。
【図2】加熱調理器が設置される前の状態を示す概略平面図である。
【図3】(a)〜(c)は下引き換気装置の配置例およびモジュールユニットの組替例を示す概略平面図である。
【図4】本発明の他例であるキッチンユニットの概略斜視図である。
【図5】本発明のさらに他例であるキッチンユニットの概略側面図である。
【図6】本発明のさらに他例であるキッチンユニットの概略斜視図である。
【図7】同キッチンユニットの概略平面図で、(a)は補助テーブルの設置前、(b)は補助テーブルの設置後の状態を示している。
【符号の説明】
【0075】
20、20A、20B、20C キッチンユニット
A キッチンカウンタ
21 シンクカウンタ
22 調理器カウンタ
1 シンク開口
2 テーパ面
2A 支持部
3 連成作業スペース
5 加熱調理器
5A モジュールユニット
6 作業スペース
6a 補助スペース
6b 補助テーブル(補助板)
7 下引き換気装置
8 取付開口
9 取付桟
10 堰
11 載置段部
12 作業領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク開口を有したシンクカウンタと調理器カウンタとを連設したキッチンユニットにおいて、
上記調理器カウンタは、奥側に左右1列に配置した複数の加熱調理器と、手前側に配置した作業スペースとを備え、
上記シンクカウンタは、上記調理器カウンタに近接する手前コーナー部に補助スペースを備えており、
上記作業スペースと、上記補助スペースとで、連続する連成作業スペースを形成していることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項2】
請求項1において、
上記補助スペースは、上記手前コーナー部に補助板を着脱可能に載置して構成されているキッチンユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記作業スペースと、上記補助スペースとは奥行サイズを略同一にしてあるキッチンユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
上記加熱調理器は、少なくとも電気加熱調理器を含んでいるキッチンユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
上記調理器カウンタには、加熱調理器用の取付開口が開設されており、
上記加熱調理器は、所定個数ごとのモジュールユニット単位で上記取付開口に組替可能に据付されているキッチンユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、
下引き換気装置が上記加熱調理器の近傍に立設されているキッチンユニット。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項において、
上記シンクカウンタ、上記調理器カウンタの少なくとも一方の奥側には、上面を載置領域とした載置段部が立設されているキッチンユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
上記シンクカウンタと上記調理器カウンタとを一体としてキッチンカウンタを形成しており、
上記キッチンカウンタの周縁部には、カウンタ面より突出した堰が形成されているキッチンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−237505(P2008−237505A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81642(P2007−81642)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】