説明

キッチン

【課題】コンロの使用経過段階を把握することができ、点け忘れ防止を喚起して使用者、特に高齢者及びその関係者等はコンロを安心して使用又は使用させることができるコンロの使用状態表示機能を有するキッチンを実現する。
【解決手段】コンロ3が使用中か否かを検知するセンサ10、12と、センサ10、12の検知によりコンロ3が使用中であるか否かを検知する報知部5とを備えており、検知部5をコンロとは離れた位置に設け、センサ10、12のガス又は電流を検知することによりコンロ3が使用中であることを検知した後に、所定の時間を経過しても、センサ10、12により、コンロ3が使用中でないことを検知しない場合に、コンロ3が点け忘れ状態であることを報知部6で報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロの使用状態表示機能を有するキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンにビルトインされる家庭用電気製品の使用状態を表示する表示装置をウォールキャビネットやトールキャビネットに設ける点は公知であり(特許文献1参照)、この特許文献1には、使用状態を表示するのではなく、ブザーを鳴らすようにしてもよいことが示唆されている。
【0003】
そして、消し忘れ防止機能付きコンロは、公知である(特許文献2、3参照)。又、コンロの摘みがガス燃焼位置であれば、電波を送信する送信器を設置したコンロは公知である(特許文献4参照)。さらに、バックガードにモニター付きスイッチ装置を設けた点は公知である(特許文献5参照)。
【特許文献1】特開平7−220187
【特許文献2】特開2001−65868
【特許文献3】特開2001−65869
【特許文献4】特開2002−364854
【特許文献5】特開2002−177070
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンロの使用状態(点火状態)を、使用時間の経過段階に応じて異なった態様で表示させ、所定時間以上の使用状態が経過すると、より警報的色彩の強い表示を、しかも若干離れたところからも分かるように的確に行うようにすれば、使用者、特に高齢者及びその関係者等は、コンロを安心して使用でき又は使用させることができる。
【0005】
ところで、上記背景技術で例示した特許文献で開示されているように、電気製品の使用状態を単に表示する技術や摘みの位置で使用状態を電波で送信する技術等はすでに知られているが、これらの技術は、使用時間の経過段階等を使用者に表示して知らせるということは考慮されずに、単に使用状態を表示するのみで、使用者への注意喚起という点では、十分とは言えない。
【0006】
また、コンロの使用時間が所定以上経過すると自動的に消火されて消し忘れを防止する技術は公知であるが、この技術も使用時間の経過段階の表示もなく、単に所定時間経過したということでいきなり消火するものであり、使用者へのきめ細かい使用状態の報知という点は欠けている。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、コンロの使用状態(点火状態)を、使用時間の経過段階に応じ異なった態様で若干離れたところからも分かるように的確に表示し、しかも所定時間以上の使用状態が経過すると、より警報的色彩の強い表示が行われ、点け忘れ防止を喚起し、使用者、特に高齢者及びその関係者等がコンロを安心して使用でき、又は使用させることができる、コンロの使用状態表示機能を有するキッチンを実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、コンロが使用中か否かを検知するセンサと、前記センサの検知によりコンロが使用中であるか否かを報知する報知部とを備えたキッチンであって、前記報知部をコンロとは離れた位置に設け、前記センサが、コンロが使用中であることを検知した後に、所定の時間を経過しても、前記センサが、コンロが使用中でないことを検知しない場合に、コンロが点け忘れ状態であることを前記報知部で報知することを特徴とするキッチンを提供する。
【0009】
前記報知部をキッチンキャビネットの幕板部に設けた構成としてもよい。
【0010】
前記報知部をレンジフードの表面部に設けた構成としてもよい。
【0011】
前記報知部をダイニング側との仕切部に設けた構成としてもよい。
【0012】
前記センサと前記報知部が無線で通信する構成としてもよい。
【0013】
前記キッチンは、人感知センサを備え、人を感知しない場合にコンロの消火を行うようにする構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るキッチンによれば、次のような顕著な効果が生じる。
(1)コンロの使用状態(点火状態)を、使用時間の経過段階に応じて異なった表示できめ細かく行うことができる。
(2)所定時間以上の使用状態が経過すると、より警報的色彩の強い表示を行い、点け忘れ防止を喚起することができる。
(3)報知器として、電灯をシンクキャビネットやレンジフード等に設けて、離れたところからもその報知状態が分かるようにして、より明確に使用状態を表示可能とする。
(4)検知部と報知器とを無線で結合することにより、報知器を移動させることが自由になり、報知器の配置が自由になる。
(5)人感知センサを設けることで、キッチン付近から使用者が離れると、自動的にコンロを消火し、点けっぱなしを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るコンロの使用状態表示機能を有するキッチンを実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
【0016】
本発明に係るキッチンの特徴は、コンロが使用中であるか否か検知し使用中の場合は点火中信号を出力するセンサと、コンロの使用経過時間に応じて報知を行う報知部とを備えており、この報知部は、この検知部とは離れた箇所に設けられ、検知部からの信号を入力してコンロの使用時間経過に応じて、使用状態を表示するとともに、点け忘れ防止のための注意を喚起する報知を行う。その具体的な構成を各実施例で説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(a)は、本発明に係るキッチンの実施例1の全体構成を説明する図である。この実施例1のキッチン1は、壁に面して設置される通常のキッチンであり、シンクキャビネット2、コンロ3及びレンジフード4等を備えている。コンロ3は、ガスコンロでもよいし、IHヒータでもよい。
【0018】
このキッチン1は、コンロ3が使用中であるか否かを検知するセンサを備えた検知部と、この検知部によりコンロ3を所定時間以上使用している場合にその状態を報知する報知部を備えている。図2は、検知部5と報知部6の構成を説明するブロック図であり、ガスコンロについては図2(a)で説明し、IHヒータについては図2(b)で説明する。
【0019】
ガスコンロの場合は、図2(a)において、ガスコンロ7の点火及び消火操作に基づき、開閉信号がガス管路8を開閉する電磁開閉弁9に送られ、電磁開閉弁9の開閉制御がされるように構成されている。
【0020】
このガスコンロ7の使用状態を検知する検知部5が設けられている。具体的には、この検知部5は、そのセンサとしてガスセンサ10を有し、このガスセンサ10は、ガス管路8中に設けられ、ガス管路8中のガスの流れを検知するガスフローセンサである。ガスセンサ10は、ガスコンロ7を使用している際にはガスの流れを検知し、その検出結果に基づき、検知部5は、「点火中検知信号」(コンロが点火中であることを検知する信号)を報知部6に出力する。
【0021】
コンロがIHヒータの場合は、図2(b)において、その使用状態を検知する検知部5は、そのセンサとして、IHヒータ11に電流を供給する電線に通電センサ12が付設されている。この通電センサ12は、IHヒータ11の点火中は電流を検知する。この通電センサ12の電流の検出結果に基づき、検知部5は、点火中検知信号を報知部6に出力する。
【0022】
報知部6は、報知制御部13と報知器14とから構成されている。報知制御部13は、例えば、マイコンから成り、検知部5から点火中検知信号を入力し、点火中検知信号を継続的に入力している経過時間(検知信号を入力し消火されない経過時間)に応じて段階的に、異なる報知制御信号を報知器14に送る機能を有するように構成されている。
【0023】
即ち、報知制御部13は、検知部5から点火中検知信号を入力すると、第1の報知信号を報知部に出力するが、その入力から続けて、予め設定された第1の所定時間、例えば5分以上、点火中検知信号を入力し続けると第2の報知信号を報知器14に出力する。さらに、予め設定された第2の所定時間、例えば10分以上点火中検知信号を入力し続けると第3の報知信号を報知部6に出力する。
【0024】
報知器14としては、照明表示を可能とする電灯(蛍光灯、LED等)若しくはブザー、又はこれらの組み合わせたものを利用する。例えば、電灯の場合は、第1の報知状態〜第3の報知状態のそれぞれにおいて電灯の点灯状態(点灯・点減、電灯の色、明るさ等)が異なるように切り替えられる。
【0025】
又、ブザーの場合は、第1の報知状態〜第3の報知状態のそれぞれにおいて報知音(低音・高温、音量等)を切り替えてもよい。さらには、第1の報知状態及び第2の報知状態では電灯を点灯し、第3の報知状態ではブザーを鳴らすような組み合わせとしてもよい。
【0026】
この実施例1では、報知器14は電灯を用いる。この電灯には点灯スイッチ15が付設されており、報知制御部13からの第1〜3の報知信号の種類により、点灯状態が切り替えられる。
【0027】
例えば、第1の報知信号を報知器14が入力すると、点灯スイッチ15により電灯は青色の点灯状態を開始する。さらに、第2の報知信号を報知器14が入力すると、点灯スイッチ15により電灯は赤色の点灯状態を開始する。さらに、第3の報知信号を報知器14が入力すると点灯スイッチ15により電灯は赤色の点減状態を開始する。
【0028】
実施例1では、電灯として蛍光灯を利用し、報知器14をシンクキャビネット2の幕板部16に蛍光灯を備えた幕板照明装置の構成とした。この幕板照明装置17の構造を図3(a)に示す。この幕板照明装置17は、2枚の棚板18により上下2段の照明灯設置空間19が形成され、さらにその下段に報知制御部13及び点灯スイッチ15を収納するボックス20を設置する最下段の設置空間21が形成されている。
【0029】
上下2段の照明灯設置空間19には、それぞれ蛍光灯22を設置する。この上下の蛍光灯22を、例えば、第1及び第2の報知信号に対応して、それぞれ青色、赤色に着色したカバーを付設することで、青色の照明を行う蛍光灯(以下、「青色電灯」という。)及び赤色の照明を行う蛍光灯(以下、「赤色電灯」という。)とする。さらに、赤色電灯は、点滅も可能な構成とする。
【0030】
上下2段の照明灯設置空間19及び最下段の設置空間21の前面には、それぞれ前面カバー23が取り付けられている。幕板照明装置17の側面には幕板サイドカバー25が取り付けられている。
【0031】
(実施例1の作用)
以上の構成から成る実施例1のキッチン1の作用を、図3(b)に示すフロー図を参照して、順次説明する。
【0032】
(イ)使用者がコンロ3(ガスコンロ7又はIHヒータ11)を点火すると、ガスコンロ7の場合は電磁弁9が開きガスセンサ10でガスを検出し、IHヒータ11の場合は通電センサ12で電流を検出し、いずれの場合でも、検知部5が点火中検知信号を報知制御部13に出力する。
【0033】
(ロ)報知制御部13は、点火中検知信号に応答して、第1の報知信号(青色電灯の点灯信号)を幕板照明装置17の点灯スイッチ15に送ると、点灯スイッチ15は、幕板照明装置17の青色電灯22を点灯するように動作する。
【0034】
(ハ)、(ニ)報知制御部13は、点火中検知信号を入力してからの経過時間Xが5分以上ではない場合には、使用者がコンロ3の「消火したか?」について、消火操作しないことを条件として青色電灯22の点灯が続き(図3(b)の(ニ)、(ホ)参照)、消火操作をした場合は青色電灯22は消灯される(図3(b)の(ニ)、(ヘ)参照)。
【0035】
(ハ)、(ト)報知制御部13は、点火中検知信号を入力してからの経過時間Xが5分以上となると、第2の報知信号(赤色電灯の点灯信号)を幕板照明装置17の点灯スイッチ15に送ると、点灯スイッチ15は、幕板照明装置17の青色電灯22を消灯して赤色電灯22を点灯するように切り替える。
【0036】
(チ)、(リ)報知制御部13は、赤色電灯22が点灯している状態において点火中検知信号を入力してからの経過時間Xが10分以上ではない場合は、使用者がコンロ3の「消火したか?」について、消火操作をしないことを条件として赤色電灯22の点灯が続き(図3(b)の(リ)、(ヌ)参照)、消火操作をした場合は赤色電灯22は消灯される(図3(b)の(リ)、(ヘ)参照)。
【0037】
(チ)、(ル)報知制御部13は、赤色電灯22が点灯している状態において点火中検知信号を入力してからの経過時間Xが10分以上となると、第3の報知信号(赤色電灯の点減信号)を幕板照明装置17の点灯スイッチ15に送り、点灯スイッチ15は、幕板照明装置17の赤色電灯22を点減するように切り替える。
【0038】
(ル)、(ヲ)報知制御部13は、赤色電灯22が点減している状態において使用者がコンロ3の「消火したか?」について、消火操作をしないことを条件として赤色電灯22の点減が続き、(図3(b)の(ヲ)、(ワ)参照)、消火操作をした場合は赤色電灯22の点減は消灯される(図3(b)の(ヲ)、(ヘ)参照)。
【0039】
(実施例1の変形例)
上記実施例1は、図1(a)に示す構造のキッチンであるが、実施例1の変形例として、図1(b)に示す対面式キッチン26についても同様に適用可能である。27は、レンジフードであり、ダイニングの側壁24に取り付けられている。なお、アイランド型キッチンについても同様に適用可能である。
【0040】
この対面式キッチン26の場合は、図2に示す実施例1と同様の検知部5及び報知部6を有し、図3(b)に示す実施例1と同様の作用を行うが、実施例1と異なり、キッチンキャビネットのダイニング側の幕板28に、実施例1と同様に、報知部6の報知器14である幕板照明装置17を付設するものである。
【実施例2】
【0041】
本発明に係るキッチンの実施例2を図4により説明する。この実施例2は、実施例1とほぼ同じ構成であるが、実施例1と異なる点は、報知器14である電灯30をレンジフード31の表面に設けた構成である。報知器14の電灯30を設けるレンジフード31は、実施例2では、図4(a)に示すような対面式キッチン32に適用したものであるが、図1(a)に示すような通常のキッチン1のレンジフード4に適用しても良い。
【0042】
実施例2の対面式キッチン32は、図4(a)、(b)に示すように、コンロ(レンジ)の上方にレンジフード31が設けられている。このレンジフード31は、ダイニングの側壁33に取り付けられている。なお、レンジフード31は、アイランド型キッチンの場合は天井から下方に突き出るように、天井に取り付けてもよい。
【0043】
実施例2の対面式キッチン32は、その検知部及び報知部の構成は、図2に示す実施例1とほぼ同様であり、その作用は図3(b)に示す実施例1と同様の作用を行う。
【0044】
なお、この実施例2では、対面式キッチン32のレンジフード31の下枠部29の表面に、電灯30が設けられている。この電灯30は、蛍光灯でもよいが、レンジフード31への設置スペース等の狭さを考慮すると、LED等が好ましい。電灯30が設けられる表面は、実施例2では図4(a)に示すようにダイニング側の面であるが、キッチン側又は側方の面であってもよい。
【実施例3】
【0045】
本発明に係るキッチンの実施例3を図5により説明する。この実施例3は、実施例1、2と基本的には同じ構成であるが、報知部の報知器は、対面式キッチン(アイランド型キッチン)のダイニング部との仕切部を利用し、その下方に電灯を設けて表示照明装置とした構成において実施例1、2とは異なるものである。
【0046】
図5(a)は、実施例3の全体構成を説明する図である。この対面式キッチン33ではダイニング側との簡単な仕切を行う仕切部として、カウンタの天板34上であってコンロ35のダイニング側の位置に、仕切用のガラスの衝立36が立設されている。この実施例3の報知器は、ガラスの衝立36に電灯(LED等)による照明光を導光して照明かつ表示も行う表示照明装置の構成としている。
【0047】
図5(b)は、実施例3の報知器を詳細に説明する図である。カウンタの天板34上に、支持台38がネジで固定されており、ガラスの衝立36の下端部がこの支持台38の支持溝39内に挿入されて立設される。この支持溝39の下方に、電灯37、点灯スイッチ15及び報知制御部13が支持台38及び天板34に形成される凹部40内に配置される。
【0048】
この電灯37でガラスの衝立36の下端面から上方に向けて照明することで、その照明光はガラスの衝立36内を上方に導光され、照明光が矢印のようにダイニング側に出光する。図5(c)に示すように、ガラスの衝立のダイニング側の表面に「DANGER」等の警告用の文字41を表記して、照明とともに表示も行い、使用者により注意を喚起する構成としている。
【0049】
なお、実施例2の対面式キッチンは、報知器である表示照明装置をガラスの衝立36を電灯で照明する構成とした点を特徴とするが、その検知部の構成及び報知部の構成等は図2に示す実施例1と基本的には同じであり、図3(b)に示す実施例1と同様の作用を行う。但し、実施例3のように、ガラスの衝立36を照明する構成とした場合は、第1の報知信号では、青色電灯の点灯(図3(b)中の(ロ))を省略してもよい。
【0050】
(実施例3の変形例)
図6は、実施例3の変形例を示す図である。この変形例は、実施例2と同じタイプの対面式キッチンであり、実施例3と同様に、コンロ35のダイニング側に表示照明装置のガラスの衝立42が立設されている、このガラスの衝立42は、実施例3よりも高い衝立とし、その上端がレンジフード27の下枠部29に固定されている。そして、このガラスの衝立42の下部のコンロ側の面には防熱プレート43が貼り付けられている。
【0051】
表示照明装置の電灯は、実施例3と同様にガラスの衝立42の下方に設けられている。そして、ガラスの衝立42の表面の防熱プレート43より上方の部分に、「DANGER」等の警告用の文字41が表示されている。これにより、電灯がつくと、この文字41が照明されて浮き出て見えることとなる。
【実施例4】
【0052】
図7及び図8は実施例4を説明する図であり、コンロ3がガスコンロである場合も、IHヒータである場合も含めて記載している。図7(a)に示すキッチン44は、そのレンジフード45の外観が若干異なるが、基本的には、その構成及びキッチン44のシンクキャビネット2に付設された報知部の報知器としての幕板照明装置17は、実施例1とほぼ同じである。
【0053】
この実施例4が実施例1と異なる特徴的な構成は、コンロ3が点火中であるか否かの検出を、図7(b)に示すように、レンジフード45に付設されたコンロセンサ46により行う構成とし、さらに、レンジフード45に人感知センサ47を設け、キッチン44の近辺における人の有無を検出する構成とした点である。
【0054】
コンロセンサ46は、雑ガスセンサ、赤外線センサ又は温度センサ等を利用し、レンジフード45の吸い込み口48又はその付近に設置する。この実施例4では、レンジフード45の下面にコンロセンサ46が設置されている。人感知センサ47は赤外線等の光センサ等を利用し、レンジフード45の下枠部29に付設される。
【0055】
図8(a)は、実施例4の検出部と報知部を説明するブロック図である。コンロセンサ46を有する検知部49は、報知部50の報知制御部(マイコン)51に接続されており、コンロセンサ46の検出結果に基づいて「点火中検知信号」を報知制御部51に出力する。検知部49の構成は、実施例1の図2(a)の報知部5と基本的には同じである。
【0056】
しかし、この実施例4の検知部49は、人感知センサ47を有し、人の感知信号を報知制御部51に出力する構成となっている。検知部49からの「点火中検知信号」が継続的に所定時間以上経過した場合であって、人の感知信号がない場合は、報知制御部51は、自動的にコンロ3を消火する信号を生成し、これをコンロ3の操作制御部52に出力し、コンロ3の自動消火を行うように構成されている。また、人を感知した後コンロの使用を検知し、コンロの使用を継続して検知している間に人を感知しなくなると、コンロの点け忘れと判断するようにしてもよい。
【0057】
(実施例4の作用)
以上の構成から成る実施例4のキッチンの作用を、図8(b)に示すフロー図を参照して説明する。この実施例4の作用は、図3(b)の実施例1のフロー図で示す作用とほとんど同じであり、同じ作用についてはその説明は省略する。しかし、実施例4では、実施例1と異なり、検知部49に人感知センサ47が加わった構成による作用において相違する。具体的には、図8(b)中の、(カ)及び(ヨ)に関する作用については実施例4に特有の作用である。
【0058】
即ち、実施例4でも実施例1と同様に、赤色電灯が点灯している状態において点火中検知信号を入力してからの経過時間Xが10分以上となると、報知制御部は第3の報知信号(赤色電灯点減信号)を幕板照明装置17の点灯スイッチ15に送り、幕板照明装置17の赤色電灯を点減するように切り替える。
【0059】
この場合、実施例4では、赤色電灯が点減している状態において、人感知センサ47により人が感知されている場合は、「消火したか?」について消火されないことを条件として、赤色電灯の点減が継続され(図8(b)中の(カ)、(ヲ)、(ワ)参照)、消火された場合は消灯する(図8(b)中の(カ)、(ヲ)、(ヘ)参照)。しかし、人感知センサ47により人感知されない場合は、コンロ3の操作制御部52が操作されて自動的に消火され消灯する((図8(b)中の(カ)、(ヨ)参照)。
【0060】
このような作用によって、コンロ3を10分以上点け放しの場合で、しかもキッチン近辺から人がいなくなった場合には、自動的にコンロ3が消火されて、点け放しの危険性や経済的損失を防止することができる。
【0061】
なお、実施例4では、赤色電灯が点減している状態において、人センサによる人感知の結果を採用したが、青色電灯が点灯又は赤色電灯が点灯している状態において、或いは報知器の点灯状態とは関係なく、人感知の検知結果を採用して自動的に消火する信号を生成するように、報知制御部51(マイコン)を予め設定又はソフトにより動作するような構成としてもよい。
【実施例5】
【0062】
図9は、本発明に係るキッチンの実施例5を説明する図である。この実施例5は、基本的には実施例1と同じであるが、報知部の送信側の報知制御部から、点火中検知信号を受信側の報知器に無線で送信する構成とした点を特徴とするものである。
【0063】
図9(a)は、実施例5のキッチン53の全体図である。報知器54は、内部に電灯を有しその裏面に磁石55が付設されている。図9(b)に示すように、金属製の報知器取付板56がキッチン53の上部キャビネット57にネジ止めされ、これに報知器54が磁石55により吸着されて着脱可能に取り付けられている。
【0064】
図10は、実施例5の検知部5と報知部6の構成を説明するブロック図である。図10(a)はガスコンロ7の場合であり、送信側では、実施例1と同じ構成のガスセンサ10を有する検知部5に接続された報知制御部13及び送信器58が、キッチン53の本体側に配置されている。図10(b)はIHヒータ11の場合であり、実施例1と同じ通電センサ12を有する検知部5に接続された報知制御部13及び送信器58がキッチン53の本体側に配置されている。
【0065】
図10(a)、(b)のいずれにおいても、報知制御部13で生成された点火中検知信号は、送信器58によって、電波で受信側に送信されるように構成されている。
【0066】
図10(a)、(b)において、報知部の受信側では、受信器59に点灯スイッチ15を介して電灯が接続され、さらに受信器59にブザー60がそれぞれ接続されている。この実施例5では、点灯スイッチ15に実施例1同様に青色電灯と赤色電灯を接続したが、電灯は、LED等でもよい。実施例5の作用は、報知制御部13から報知器54への信号が無線で伝送される点は異なるが、図3(b)により説明した実施例1の作用と同じである。
【0067】
なお、実施例5では、報知器54にブザー60を設けており、これにより、例えば、実施例1で説明したような第2の報知信号を受信した場合は赤色電灯を点灯し、さらに第3の報知信号を受信した場合には、赤色電灯の点減と共に、又は赤色電灯の点減に替え、ブザー60が鳴るような構成とすることもできる。
【実施例6】
【0068】
図11は、本発明に係るキッチンの実施例6を説明する図である。この実施例6のキッチン61は、実施例4と実施例5を合わせた構成であり、図11(a)、(b)に示すように、レンジフード45に、コンロセンサ46を設けると共に人感知センサ47を設ける構成である。この実施例6は、送信側にある報知制御部13から、報知信号を受信側にある報知器54に無線で送信する構成を特徴する。
【0069】
実施例5と同様に、実施例6においても、報知器54を着脱可能にキッチン61の上部キャビネット57に取り付けるように構成されている。この実施例6では、図11(c)に示すように、キッチン61の本体に設置される送信側では、コンロセンサ46を有する検知部と人感知センサ47が報知制御部13に接続され、報知制御部13が送信器58に接続されている。
【0070】
図11(c)は、受信側である報知器54の構成を説明する図であり、実施例5において説明した図10(c)に示す構成とほぼ同じであり、実施例6の作用は、無線により報知信号を送信する以外は、実施例4において図8(b)で説明した構成とほぼ同じである。なお、ブザー60を断続的にOFFさせる切用スイッチ(図示せず)を受信器59とブザー60との間に設ける構成としてもよい。
【0071】
以上、本発明に係るキッチンを実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。例えば、検知部はコンロと一体、別体であることを問わず、コンロの内部にあって、一体に構成されてもよいが、コンロの外部にあって別体に構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上、本発明に係るキッチンを説明したが、このような本発明における報知部はキッチンのコンロのみでなく、暖房機器等のその他の家庭用の機器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】(a)は本発明に係るキッチンの実施例1の全体構成を示す斜視図であり、(b)はその変形例を示す斜視図である。
【図2】実施例1の検知部及び報知部を示す図であり、(a)はガスコンロの場合であり、(b)はIHヒータの場合である。
【図3】(a)は実施例1の報知部の幕板照明装置の一例を示す分解斜視図であり、(b)は実施例1の動作を示すフロー図である。
【図4】(a)は本発明に係るキッチンの実施例2の全体構成を示す斜視図であり、(b)はレンジフードを示す斜視図である。
【図5】(a)は本発明に係るキッチンの実施例3の全体構成を示す斜視図であり、(b)、(c)は、その要部を説明する図である。
【図6】本発明に係るキッチンの実施例3の変形例の全体構成を示す斜視図である。
【図7】(a)は本発明に係るキッチンの実施例4の全体構成を示す斜視図であり、(b)は、その要部を説明する図である。
【図8】(a)は実施例4の報知部と検知部の構成を示すブロック図であり、(b)は実施例4の動作を示すフロー図である。
【図9】(a)は本発明に係るキッチンの実施例5の全体構成を示す斜視図であり、(b)は、その要部を説明する図である。
【図10】(a)、(b)は、実施例4の報知部と検知部の構成を示すブロック図である。
【図11】(a)は本発明に係るキッチンの実施例6の全体構成を示す斜視図であり、(b)は、その要部を説明する図であり、(c)は報知部と検知部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0074】
1、32、44、53、61 キッチン
2 シンクキャビネット
3、35 コンロ
4、27、31、45 レンジフード
5、49 検知部
6、50 報知部
7 ガスコンロ
8 ガス管路
9 電磁開閉弁
10 ガスセンサ
11 IHヒータ
12 通電センサ
13、51 報知制御部
14、54 報知器
15 点灯スイッチ
16 幕板部
17 幕板照明装置
18 棚板
19 照明灯設置空間
20 ボックス
21 最下段の設置空間
22 蛍光灯
23 前面カバー
24 ダイニングの側壁
25 幕板サイドカバー
26、32、33 対面式キッチン
28 ダイニング側の幕板
29 レンジフードの下枠部
30、37 電灯
34 天板
36、42 ガラスの衝立
38 支持台
39 支持溝
40 天板に形成される凹部
41 警告用の文字
43 防熱プレート
46 コンロセンサ
47 人感知センサ
48 吸い込み口
52 コンロの操作制御部
55 磁石
56 報知器取付板
57 上部キャビネット
58 送信器
59 受信器
60 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロが使用中か否かを検知するセンサと、前記センサの検知によりコンロが使用中であるか否かを報知する報知部とを備えたキッチンであって、前記報知部をコンロとは離れた位置に設け、前記センサが、コンロが使用中であることを検知した後に、所定の時間を経過しても、前記センサが、コンロが使用中でないことを検知しない場合に、コンロが点け忘れ状態であることを前記報知部で報知することを特徴とするキッチン。
【請求項2】
請求項1記載のキッチンであって、前記報知部をキッチンキャビネットの幕板部に設けたことを特徴とするキッチン。
【請求項3】
請求項1の記載のキッチンであって、前記報知部をレンジフードの表面部に設けたことを特徴とするキッチン。
【請求項4】
請求項1の記載のキッチンであって、前記報知部をダイニング側との仕切部に設けたことを特徴とするキッチン。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のキッチンであって、前記センサと前記報知部が無線で通信することを特徴とするキッチン。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のキッチンであって、人感知センサを備え、人を感知しない場合にコンロの消火を行うようにすることを特徴としたキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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