説明

キナーゼ活性に対する蛍光アッセイ

本発明は、キナーゼ活性を決定するためのセンサーおよび方法を提供する。本発明は、キナーゼ認識モチーフを含有するペプチド内でキナーゼ活性を検出するためのセンサーを提供する。このセンサーは、金属結合アミノ酸、キナーゼ認識モチーフ内のリン酸化部位、βターン配列、および培体中に存在するMg2+を備える。本発明の金属結合アミノ酸は、Mg2+への結合に対してキレート化により増強された蛍光(CHEF)を示す。本発明に従うアミノ酸残基の蛍光は、Mg2+に結合した場合に、少なくとも約100%まで、好ましくは少なくとも約200%まで、より好ましくは少なくとも約300%まで増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許文書は、特許出願番号10/681,427(2004年10月8日出願)の一部継続であり、これは、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(政府により資金提供された研究または開発)
本出願の内容は、国立衛生研究所からの知見を部分的に用いて開発された(助成金申請番号GM64346)。政府は、本技術において一部の権利を有し得る。
【背景技術】
【0003】
(背景)
本発明は、蛍光読出しを用いて持続的にプロテインキナーゼ活性をモニタリングするためのセンサーを提供する。このセンサーは、プロテインキナーゼペプチド基質の最小限の摂動を必要とする。蛍光は、酵素活性に対応する反応の間、時間に対して応答する。本発明のセンサーは、インヒビターまたは基質の高スループットスクリーニング、細胞抽出物または酵素精製物における活性の検出、細胞中のキナーゼ活性の空間的局在化または時間的局在化、および複雑なシグナル伝達経路の解明において使用され得る。
【0004】
プロテインキナーゼは、細胞内の調節の全ての局面に関連する。プロテインキナーゼは、ペプチドまたはタンパク質の配列においてアデノシン三リン酸(ATP)からセリン残基、トレオニン残基、またはチロシン残基へのリン酸基の転移を触媒する。各キナーゼは、リン酸化される残基の周りのアミノ酸に対して特異的である。キナーゼ活性をアッセイするための従来の方法は、不連続的であり、32P標識されたATPを必要とし、特別な取り扱いを必要とする。多くの企業が、特殊化された蛍光キナーゼアッセイ系を市販しており、これらのアッセイ系の全ては不連続的であって、反応混合物をサンプリングする工程と、続いてその反応生成物を蛍光部分(例えば、Promega、Panvera、Calbiochem、Cell Signaling Technology、Molecular Devices、DiscoveRx、Upstate、PerkinElmer)で標識するためのさらなる取り扱いの工程とを必要とする。リアルタイムで行われ得る連続的な蛍光アッセイは、非常に有用なものである。現在のところ、このようなアッセイが可能なセンサーの例は、ほとんど存在しない。
【0005】
アプローチとしては、以下が挙げられる:リン酸化部位近くの環境感受性フルオロフォア(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)、リン酸化に対してコンフォメーション変化を受ける配列に隣接するFRET対(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12)、またはPETクエンチの中断を引き起こすリン酸と内部キレーターとの間のCa2+キレート化(非特許文献13)。これらのセンサーの大部分は、Lawrenceおよび共同研究者らによって報告されたプローブにおいて1.5〜2.5倍増加する注目すべき例外(非特許文献13;非特許文献14)を除いて、非常に小さな蛍光増加か、または場合によっては蛍光減少を有する。しかし、リン酸化残基に隣接したフルオロフォアまたは非常に大きなフルオロフォアを有するこれらの型のプローブは、特定のキナーゼとの反応によって、それらの認識を妨げ得る。
【非特許文献1】Wright,D.E.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1981,78,6048−6050
【非特許文献2】Mcllroy,B.K.ら、Anal.Biochem.1991,195,148−152
【非特許文献3】Higashi,H.ら、FEBS Lett.1997,414,55−60
【非特許文献4】Post,P.L.ら、J.Biol.Chem.1994,269,12880−12887
【非特許文献5】Nagai,Y.ら、Nat.Biotech.2000,18,313−316
【非特許文献6】Ohuchi,Y.ら、Analyst 2000,125,1905−1907
【非特許文献7】Zhang,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2001,98,14997−15002
【非特許文献8】Ting,A.Y.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2001,98,15003−15008
【非特許文献9】Hofmann,R.M.ら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11,3091−3094
【非特許文献10】Kurokawa,K.ら、J.Biol.Chem.2001,276,31305−31310
【非特許文献11】Sato,M.ら、Nat.Biotech.2002,20,287−294
【非特許文献12】Violin,J.D.ら、J.Cell Biol.2003,161,899−909
【非特許文献13】Chen,C.A.ら、J.Am.Chem.Soc.2002,124,3840−3841
【非特許文献14】Yeh,R.H.ら、J.Biol.Chem.2002,277,11527−11532
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本発明は、Mg2+への結合に対してキレート化により増強された蛍光(chelation−enhanced fluorescence)(CHEF)を示す式(I)の新規の金属結合アミノ酸残基を提供する。「Sox」と称される、一つの特に好ましいアミノ酸残基(III)が開示される。
【0007】
本発明はまた、本発明の金属結合アミノ酸残基(I)を含むペプチドを提供する。
【0008】
本発明はまた、金属結合アミノ酸残基(I)を含むペプチジルセンサーを提供する。これらのセンサーはまた、キナーゼの存在下でリン酸化され得るヒドロキシルアミノ酸を有するキナーゼ認識配列を含む。この金属結合アミノ酸残基(I)は、どちらかの側(N末端またはC末端)のヒドロキシルアミノ酸に位置し、そして好ましくは、βターンコンフォメーション(「βターン配列」)を想定し得る認識配列からペプチドによって分離されている。いくつかの場合において、このβターン配列は、ヒドロキシルアミノ酸から別のアミノ酸によって分離されている。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、キナーゼ認識モチーフを含有するペプチド内でキナーゼ活性を検出するためのセンサーを提供する。
【0010】
本発明に従うセンサーが、図1に説明される。このセンサーは、金属結合アミノ酸、キナーゼ認識モチーフ内のリン酸化部位、βターン配列、および培体中に存在するMg2+を備える。
【0011】
上記金属結合アミノ酸は、式(I):
【0012】
【化12】

のアミノ酸であって、ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である。
【0013】
本発明の金属結合アミノ酸は、Mg2+への結合に対してキレート化により増強された蛍光(CHEF)を示す。本発明に従うアミノ酸残基の蛍光は、Mg2+に結合した場合に、少なくとも約100%まで、好ましくは少なくとも約200%まで、より好ましくは少なくとも約300%まで増加する。
【0014】
好ましい実施形態において、上記金属結合アミノ酸は、式(II):
【0015】
【化13】

のアミノ酸であって、ここで、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり、R’’は、C1〜6アルキルであり;そしてR’’’は、水素またはC1〜6アルキルである。好ましくは、Xは、環系の5位に位置する。好ましくは、Xは、NR’’R’’’である。好ましくは、R’’とR’’’との両方は、両方ともC1〜6アルキルである。
【0016】
別の好ましい実施形態において、上記金属結合アミノ酸は、式(III):
【0017】
【化14】

のアミノ酸である。残基(III)は、本明細書中でSoxと称される。種々のキナーゼ認識モチーフにおいてSoxを含有する種々のプロテインキナーゼ基質の動態学的特性および蛍光特性は、下の表Iに示される。
【0018】
【表1】

リン酸化された残基は、星印(*)で印をつけられている。
およびVmaxの値は、基質および生成物の蛍光について適切に補正された、反応アッセイの初期傾きから得られた。報告された値は、別個のHanesプロットからの4つの値の平均である。
励起波長:360nm、発光波長:485nm。
アッセイ条件:20mM HEPES、pH7.4、10mM MgCl、0.3mM CaCl、1mM ATP、1mM DTT、0.5μg/mlホスファチジルセリン、0.1μg/mlジアシルグリセロール、0.7nM PKC30℃。
蛍光強度に対する生成物および基質の濃度の単位(単位/μM)から計算した。
アッセイ条件:20mM HEPES、pH7.4,10mM MgCl、1mM ATP、1mM DTT、40単位PKA,30℃。
単一ペプチドの溶液(10μM)から計算した。
【0019】
キャッピング基は、式(IV):
【0020】
【化15】

の基であり、ここで少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;R’’は、C1〜6アルキルであり;R’’’は、水素またはC1〜6アルキルであり;そしてnは、0、1、2、または3である。上記キャッピング基(IV)は、ペプチドのN末端に結合し、従ってアミノ保護基として役立つ。
【0021】
1つの実施形態において、ペプチドのN末端は、式(IV)のキャッピング基により保護されている。
【0022】
本発明に従うリン酸化部位としては、キナーゼ認識モチーフ内のヒドロキシル含有アミノ酸が挙げられる。例としては、天然に存在するヒドロキシル含有アミノ酸残基(例えば、セリン、トレオニンおよびチロシン)および天然には存在しないヒドロキシル含有アミノ酸残基が挙げられる。
【0023】
当該分野で公知のいずれのキナーゼ認識モチーフも、本発明に従って使用され得る。酸性残基を有する認識配列は、酸性条件下でのMg2+増加に対するリン酸化されていないペプチドの親和性と同様に、比較配列よりもリン酸化に対してより小さい(lessor)規模の蛍光増加を示し得る。本発明の金属結合アミノ酸を使用したリン酸化についてモニタリングされ得る認識モチーフの例は、表IIに示される:
【0024】
【表2】

リン酸化され得る他のペプチド(および対応するキナーゼ)の一覧は、PinnaおよびDonella−Deana、Biochemica et Biophysica Acta 1222:415−431(1994)の表Iに見出され、この全体は、本明細書中に参考として援用される。別のリストは、www.neb.com/neb/tech/tech_resource/protein_tools/substraye_recognition.htmlにおいてオンラインで見出され得る(2003年9月26日に存在したこのウェブサイトのコピーは、本出願と同時に提出された情報開示記載において提供され;そしてその全体が参考として援用される)。
【0025】
上記ヒドロキシルアミノ酸は、本発明の金属結合アミノ酸残基(I)からジペプチジルβターン配列によって分離されている。このβターン配列に加えて、別のアミノ酸もまた、金属結合アミノ酸残基(I)からヒドロキシルアミノ酸を分離させ得る。チロシンキナーゼ活性のプローブについて、このさらなるアミノ酸は、代表的にはより大きなチロシン側鎖に適応するために、βターン配列に隣接したセンサー中に含まれ得る。
【0026】
当該分野で公知のいずれのβターン配列もまた、本発明に従って使用され得る。L−アミノ酸とD−アミノ酸との両方が、βターン配列の部分であり得る。好ましくは、上記金属結合アミノ酸がリン酸化部位に対してC末端に位置している場合、上記βターン配列はPro−Glyである。好ましくは、上記金属結合アミノ酸がリン酸化部位に対してN末端に位置している場合、上記βターン配列はGly−Proである。Glyは、配列中にさらなる結合決定基を含むように特定の他のアミノ酸で置換され得る。
【0027】
1つの実施形態において、上記センサーは、配列(SID番号8):
【0028】
【化16】

を含み、ここでXは、式(I)のアミノ酸であり;XおよびXは、各々独立してβターン配列を一緒に形成するアミノ酸残基であり;そして、Xは、結合またはアミノ酸残基である。この実施形態において、Xは好ましくはSoxであり、XはProであり、そしてXはGlyである。
【0029】
別の実施形態において、上記センサーは、配列(SID番号9):
【0030】
【化17】

を含み、ここでXは、式(I)のアミノ酸であり;XおよびXは、各々独立してβターン配列を一緒に形成するアミノ酸残基であり;Xは、結合またはアミノ酸残基であり;Xは、ヒドロキシル含有アミノ酸である。この実施形態において、Xは、好ましくはキナーゼ認識モチーフ中のヒドロキシル残基であり、そして上記キナーゼ認識モチーフの残部はXに結合されている。
【0031】
別の実施形態において、上記センサーは、配列(SID番号10):
【0032】
【化18】

を含み、ここでXは、式(I)のアミノ酸であり;そしてXおよびXは、各々独立してβターン配列を一緒に形成するアミノ酸である。この実施形態において、Xは、好ましくはSoxであり、XはLeuであり、そしてXはProである。
【0033】
別の実施形態において、上記センサーは、配列(SID番号11):
【0034】
【化19】

を含み、ここでXは、式(I)のアミノ酸であり;XおよびXは、各々独立してβターン配列を一緒に形成するアミノ酸であり;Xは、結合またはアミノ酸残基であり;そしてXは、ヒドロキシル含有アミノ酸である。この実施形態において、Xは、好ましくはキナーゼ認識モチーフ中のヒドロキシル残基であり、そして上記キナーゼ認識モチーフの残部はXに結合されている。
【0035】
本発明のセンサーは、キナーゼ活性を検出するための方法において使用され得る。本発明の方法は、以下の工程を包含する:リン酸化部位を含むキナーゼ認識モチーフ、およびβターン配列の近くの式(I)の金属結合アミノ酸を備えるセンサーを提供する工程;上記センサーをMg2+、リン酸供給源、およびキナーゼを含むサンプルと接触させる工程;ならびにリン酸化ペプチド生成物の存在について分析する工程。
【0036】
本発明の方法は、インビトロでもインビボでも使用され得る。インビトロ適用について、この反応は、代表的にはMg2+およびリン酸供給源を含有する緩衝剤中で実施され得る。適切な緩衝剤としては、HEPESおよびTRISが挙げられる。好ましいMg2+供給源は、MgClである。好ましいリン酸供給源は、ATPである。
【0037】
セリン/トレオニンおよびチロシンのキナーゼが、本発明において使用され得る。例示的なキナーゼとしては、cAMP依存性プロテインキナーゼ、プロテインキナーゼC、Ca/カルモジュリン依存性キナーゼ、AMP活性化キナーゼ、s6キナーゼ、eIF−2 キナーゼ、p34cdc2プロテインキナーゼ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ、カゼインキナーゼ−2、カゼインキナーゼ−1、グリコゲンシンターゼキナーゼ−3、Tyr特異的プロテインキナーゼが挙げられる。
【0038】
インビトロ適用について、キナーゼの濃度は、約0.5nM〜約1μMの範囲であり得、代表的には約500nMを超えず、より好ましくは約250nMを超えない。センサーの濃度は変動し得るが、通常は約0.1μM〜10mMの間の範囲である。アデノシン5’−三リン酸(ATP)は、約10〜100mMのストック溶液中で好ましいリン酸の供給源である。大部分のキナーゼは、約10〜150μMの範囲において、ATPについてのK値を有するので、飽和濃度のATPを使用して基質についてのKおよびVmaxの値を達する。
【0039】
インビボ適用について、上記センサーが細胞に内部移行する場合、十分なキナーゼ、Mg2+およびリン酸供給源は、細胞質ゾル中に存在する。インビボでの感知について、細胞性の内部移行配列が、このセンサー設計中に含まれ得る。適切な細胞性の内部移行配列としては、ぺネトラチン、HIV−Tatドメインおよびポリアルギニン配列(Lindgren,M.ら、Trends Pharamol.Sci.2000,21,99−103;Wadia,J.S.ら、Curr Opin.Biotech.2002,13,52−56)が挙げられる。
【0040】
上記キナーゼが補因子に依存する適用について、補因子の供給源はまた、サンプル中に含まれ得る。例えば、PKCに関しては、Ca2+、リン脂質およびジアシルグリセロールの供給源が必要とされる。
【0041】
本発明のセンサーは、上記金属結合アミノ酸残基(I)が光退色をしない場合に、キナーゼ反応を連続的に測定するために使用され得る。
【0042】
従って、前述の詳細な説明は、限定よりも説明としてみなされることが意図され、本発明の精神および範囲を規定することが意図されるものが、全ての等価物を含む、以下の特許請求の範囲であることが理解されることが意図される。
【実施例】
【0043】
(ペプチド合成)
Fmoc−PAL−PEG−PS樹脂(0.22mmol当量)上の標準的なFmocアミノ酸保護化学(Fmoc amino acid protection chemistry)を用いて、ペプチドを合成した。Fmoc保護アミノ酸の上記樹脂へのカップリングを1−ベンゾトリアゾールイルオキシトリス(ピロリドン)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(1−benzotriazolyoxytris(pyrrolidino)phophonium hexafluorophosphate)(PyBOP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウラニウムヘキサフルオロホスフェート(O−(7−azabenzotrazol−1−yl)−1,1,3,3−tetramethyl uranium hexafluorophosphate)(HATU)およびDIEAを使用して行い、活性型エステルを生じた。この樹脂をジクロロメタン中で膨潤させ(5分)、次いで合成の前にDMFで膨潤させた(5分)。Sox、ホスホセリン、ホスホスレオニン、およびホスホチロシン以外の全てのアミノ酸を、以下の代表的な手順によって添加した:Fmoc基の除去(DMF中20%ピペリジン溶液、3×5分)、洗浄(DMF、5×1分)、カップリング(アミノ酸/PyBOP/DIEA、6:6:6、DMF中0.05M、45分)、リンス(DMF、2×1分;DCM、2×1分)。Sox残基をカップリングするために、各時間2当量で二重カップリングを使用した(Fmoc−Sox−OH/PyBOP/DIEA、2:2:2、DMF中0.15M、2×120分)。リン酸アミノ酸残基をカップリングするために、HATUを使用した(Fmoc−Xaa(PO(OBzl)OH)−OH/HATU/DIEA、3:3:3、DMF中0.05M、30分)。
【0044】
最後の残基を添加した後、そのペプチドをアセチルキャップ(acetyl−capped)し(ピリジン/無水酢酸、20:20、DMF中0.15M、30分)、最後の非ブロック(deblock)サイクル(DMF中20%ピペリジン、3×5分)を行って、形成されるいずれのSoxアリールエステルも切断した。トリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/水(リン酸化されていないペプチドについて、95:2.5:2.5、40ml/mg樹脂、およびリン酸化ペプチドについて、140ml/mg樹脂)で2.5時間切断する前に、この樹脂を高真空下で一晩乾燥させた。
【0045】
この結果生じた溶液を窒素の流れのもとで濃縮し、ペプチドを冷1:1 ジエチルエーテル:ヘキサン溶液の添加によって沈殿させた。このペレットを冷1:1 エーテル:ヘキサン(15mg樹脂について、3×1.5ml)で粉砕し、水中に再溶解し、濾過して一晩凍結乾燥した。ペプチドを分取用逆相HPLC(C18)によって精製し、分析用HPLC(C18)によって単一のピークを含む、正しい質量(ES−MS)の画分のみを分析実験のために使用した。
【0046】
【表3】

18;溶媒A=水、0.1% v/v TFA;溶媒B=MeCN、0.1% v/v TFA、5分、7%Bのあと30分にわたって10〜50%Bの直線勾配を続けた。
18;溶媒A=水、0.1% v/v TFA;溶媒B= MeCN、0.1% v/v TFA、5分、10%Bのあと30分にわたって15〜50%Bの直線勾配を続けた。
18;溶媒A=水、0.1% v/v TFA;溶媒B=MeCN、0.1% v/v TFA、5分、10%Bのあと30分にわたって20〜70%Bの直線勾配を続けた。
PE Biosystems Mariner質量分析計上でES−MSデータを収集した。
【0047】
(ストック溶液)
Zn2+に対するリン酸化ペプチドの親和性に起因して、調製の後に金属イオン不純物を除去する必要性を回避するために、最も高い純度で最も低い金属含有量を有する試薬を使用した。
【0048】
他に示さない限り、以下の溶液をアッセイの日の前に調製して、室温で保存した:
1)ペプチドのストック溶液を超純水(18MΩ)中で調製し、その濃度をUV/VISによって決定した(フルオロフォア単位の決定された吸光係数に基づいて、1mM NaEDTAを含む0.1M NaOH中、355nmにおいて5−(N,N−ジメチルスルホンアミド)−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン、ε=8247M−1 cm−1)。各々異なる体積のストック溶液を使用して調製された4つの別個の溶液からの値の平均をBeckman DU 7500 Spectrophotometerで読み取った。ペプチドのストック溶液を4℃で保存した。
【0049】
2)約3Mの塩化マグネシウムのストック溶液および約0.3Mの塩化カルシウムのストック溶液を、Alfa Aesar’s Puratronic等級塩から調製した。大部分の市販の塩は、重大な不純物としてZn2+を含み(Thompson,R.B.ら、J.Neurosci.Methods 2000,96,35−45)、Zn2+についてのリン酸化ペプチドの高い親和性の原因となるので使用するべきではない。Mg2+およびCa2+の濃度を、Eriochrome Black T(Aldrich)の存在下でのEDTA(Aldrich)の標準化溶液を用いた滴定によって決定した(Basset,J.ら、Vogel’s Textbook of Quantitative Inorganic Analysis;William Clowers:London、1978)。
【0050】
3)20mM HEPES pH7.4を、水酸化ナトリウム(99.998+%,Aldrich)溶液(1M)でpH7.4に調整したHEPES(SigmaUltra)から調製した。
【0051】
4)12.5mM MgClおよび0.38mM CaClを含む20mM HEPES pH7.4を、小体積のMgClおよびCaClのストック溶液を溶液3に添加することによって調製した。
【0052】
5)12.5mM MgClを含む20mM HEPES pH7.4を、溶液4に対する類似の方法で調製した。
【0053】
6)5mMジチオスレイトールを含む20mM HEPES pH7.4を、第1の脱気溶液3によって調製し、次いでジチオスレイトール(Biotechnology grade,Mallinckrodt)に添加した。この溶液を−80℃で保存した。
【0054】
7)100mM ATPを、超純水(18MΩ)中に溶解したアデノシン5’−三リン酸(二ナトリウム塩、Low Metals Grade、Calbiochem)で調製し、その溶液を−80℃で保存した。
【0055】
8)20mM HEPES pH7.4中の10μg/mlホスファチジルセリンおよび2μg/mlジアシルグリセロールを、10mg/mlブタ脳ホスファチジルセリン(Avanti PolarLipids,Inc.)および2mg/ml 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール(Avanti Polar Lipids,Inc.)のクロロホルム溶液の適切な体積を組み合わせることによって調製した。このクロロホルムをエバポレートして溶液3を添加した。この溶液を、3分間隔のボルテックスと、1分間の温水浴でのインキュベートとの間を交互にし、総時間を12分間とした。この溶液を−20℃で保存した。
【0056】
(アッセイ方法)
PKC:アッセイの日に、1μlアリコートのプロテインキナーゼCα(ヒト、組換え、Calbiochem)を、20μlの溶液4で希釈して氷上に保存した。代表的な反応は、溶液4(84μl)、溶液6(19μl)、溶液8(5μl)、溶液7(1μl)、および酵素のワーキングストック(1μl)を含んだ。適切な体積の基質のストック溶液を添加して、反応を始めた。
【0057】
PKA:アッセイの日に、1μlアリコートのcAMP依存性プロテインキナーゼ(触媒サブユニット、マウス、組換え、Calbiochem)を、10mM MgClおよび0.3mg/ml BSAを含有する80μlの50mM TRIS pH7.5で希釈して氷上で維持した。代表的な反応は、溶液5(90μl)、溶液6(20μl)、溶液7(1μl)、および適切な体積の基質のストック溶液を含んだ。酵素のワーキングストック(1μl)を添加して反応を始めた。
【0058】
(蛍光実験)
Jobin Yvon.からのFluoromax3で蛍光実験を行い、5nmの発光および励起のスリット幅を使用した。全ての実験について、360nmの励起波長を使用した。酵素アッセイを485nmにおける発光をモニタリングすることによって行った。
【0059】
(リン酸化ペプチドおよびリン酸化されていないペプチドのスペクトル比較)
図2は、酵素を含まない適切なアッセイ混合物中のリン酸化ペプチド(実線)およびリン酸化されていないペプチド(破線)の各々10μMの蛍光スペクトルを示す:(a)Ac−Sox−Pro−Gly−(p)Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1)、(b)Ac−Leu−Arg−Arg−Ala−(p)Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)、(c)Ac−Sox−Pro−Gly−(p)Thr−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号3)、(d)Ac−Sox−Pro−Gly−Ile−(p)Tyr−Ala−Ala−Pro−Phe−Ala−Lys−Lys−Lys−NH(SID番号4)。全てのペプチドは、474nmにおいて最大発光波長を有するAc−Leu−Arg−Arg−Ala−pSer−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)を除いて、485nmにおいて最大蛍光発光を有する。このことは、1:1複合体以外の複合体形成を示していると思われるが、最大発光波長は、10mM MgClを含むペプチド濃度の広い範囲にわたって一定である。
【0060】
(蛍光データからの速度定数の決定)
この反応についてのKおよびVmaxを解くために、蛍光強度の増加から生成物形成の初期速度を決定することが必要である。このセンサーを用いて、出発物質が消費されることに起因した蛍光強度の減少に対する補正が、初期傾きから生成物形成の速度を決定するために必要とされる。任意の所定の点での蛍光強度は、以下の式から決定され得る:
【0061】
【化20】

ここで、I(t)は、蛍光強度であり、S(t)は、基質の量(μM)であり、P(t)は、生成物の量(μM)であり、fは、基質1μMあたりの蛍光強度であり、そして、fは、生成物1μMあたりの蛍光強度である。任意の所定の点における基質および生成物の量は、以下の式によって関連付けられる:
【0062】
【化21】

ここで、Sは、基質の初期量である。(2)を(1)に代入し、再構成すると以下式を得る:
【0063】
【化22】


【0064】
この反応の初期速度は、時間が経つ間の生成物の量の変化であり、時間に関して(3)の微分をとると以下の式を得る:
【0065】
【化23】


【0066】
この反応の初期傾き(dI(t)/dt)を、基質代謝の最初の5%内で測定した。定数fおよびfを、PおよびSそれぞれの濃度に対する蛍光強度の直線の傾きから計算した。Hanesプロット([S]/V対V)の直線回帰を使用して、KおよびVmaxを見出した。
【0067】
(キナーゼ反応についてのHPLCおよびMSのデータ)
全ての反応を蛍光光度計において行い、40μlの0.1M NaEDTAストック溶液でクエンチし、次いで氷上で保存した。図3Aは、PKAによるAc−Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)(7.8μM)のリン酸化(18分後、30℃)を示す。図3Bは、PKAによるAc−Sox−Pro−Gly−Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1)(30μM)のリン酸化(12分後、30℃)を示す。このペプチドに対するHPLCピークの同一性を下の表3に示す。
【0068】
【表4】

C18;溶媒A=水、0.1% v/v TFA;溶媒B=MeCN、0.1% v/v TFA、10分、0%B、2分にわたる0〜10%Bの直線勾配の後、30分にわたる10〜50%Bび直線勾配を続けた。
18;溶媒A=水、0.1% v/v TFA;溶媒B=MeCN、0.1% v/v TFA、10分、15%Bに、30分にわたる15〜50%Bの直線勾配を続けた。
【0069】
(形成された生成物の量に関する蛍光およびHPLCのデータの比較)
【0070】
【化24】

(Hanesプロット)
図4は、PKCとのAc−Sox−Pro−Gly−Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1)の反応のHanesプロットである。fS,avg=1.1×105±0.3単位/μM、およびfP,avg=6.3×105±1.0単位/μMを使用して、KおよびVmaxの値を決定した。
【0071】
図5は、PKAとのAc−Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)の反応のHanesプロットである。fS,avg=2.5×10±0.1単位/μM、およびfP,avg=9.9×10±0.2単位/μMを使用して、KおよびVmaxの値を決定した。
【0072】
図6は、PKCとのAc−Sox−Pro−Gly−Thr−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号3)の反応のHanesプロットである。各実験の日に決定したF値およびF値を使用して、KおよびVmaxの値を決定した。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明に従うセンサーの2つの設計を示す。図1Aでは、金属結合アミノ酸は、リン酸化部位のN末端である。図1Bにおいて、金属結合アミノ酸は、リン酸化部位のC末端である。
【図2】図2は、酵素を含まない適切なアッセイ混合物中のリン酸化ペプチド(実線)およびリン酸化されていないペプチド(点線)の各10μMの蛍光スペクトルを示すグラフである:(a)Ac−Sox−Pro−Gly−(p)Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1);(b)Ac−Leu−Arg−Arg−Ala−(p)Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2);(c)Ac−Sox−Pro−Gly−(p)Thr−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号3);および(d)Ac−Sox−Pro−Gly−Ile−(p)Tyr−Ala−Ala−Pro−Phe−Ala−Lys−Lys−Lys−NH(SID番号4)。
【図3】図3Aは、PKAによる、18分後、30℃における、Ac−Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)(7.8μM)の反応の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の記録である。図3Bは、PKAによる、12分後、30℃における、Ac−Sox−Pro−Gly−Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1)(30μM)の反応のHPLC記録である。
【図4】図4は、PKCとのAc−Sox−Pro−Gly−Ser−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号1)の反応のHanesプロットである。
【図5】図5は、PKAとのAc−Leu−Arg−Arg−Ala−Ser−Leu−Pro−Sox−NH(SID番号2)の反応のHanesプロットである。
【図6】図6は、PKCとのAc−Sox−Pro−Gly−Thr−Phe−Arg−Arg−Arg−NH(SID番号3)のHanesプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I):
【化1】

のアミノ酸であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である、アミノ酸;および
(b)βターン配列
を含む、ペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のペプチドであって、キナーゼ認識配列をさらに含む、ペプチド。
【請求項3】
請求項1に記載のペプチドであって、金属結合アミノ酸が、式(II):
【化2】

のアミノ酸であり、
ここで、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;そして
R’’’は、水素またはC1〜6アルキルである、ペプチド。
【請求項4】
請求項1に記載のペプチドであって、前記金属結合アミノ酸が、式(III):
【化3】

のアミノ酸である、ペプチド。
【請求項5】
請求項1に記載のペプチドであって、該ペプチドは、配列(SID番号8):
【化4−1】

を含み、
ここで、Xは、式(I):
【化4−2】

のアミノ酸であり、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である、アミノ酸であって;そして
およびXは、各々独立して、βターン配列を一緒に形成するアミノ酸残基である、ペプチド。
【請求項6】
請求項5に記載のペプチドであって、配列−Sox−Pro−Gly−を含む、ペプチド。
【請求項7】
請求項1に記載のペプチドであって、該ペプチドは、配列(SID番号9):
【化5−1】

を含み、
ここで、Xは、式(I):
【化5−2】

のアミノ酸であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である、アミノ酸であって;
およびXは、各々独立して、βターン配列を一緒に形成するアミノ酸残基であり;
は、結合またはアミノ酸残基であり;そして
は、ペプチジルキナーゼ認識モチーフであって、該認識モチーフのヒドロキシルアミノ酸は、Xに結合している、ペプチド。
【請求項8】
請求項1に記載のペプチドであって、該ペプチドは、配列(SID番号10):
【化6−1】

を含み、
ここで、Xは、式(I):
【化6−2】

のアミノ酸であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である、アミノ酸であって;そして
およびXは、各々独立して、βターン配列を一緒に形成するアミノ酸である、ペプチド。
【請求項9】
請求項8に記載のペプチドであって、配列−Leu−Pro−Sox−を含む、ペプチド。
【請求項10】
請求項1に記載のペプチドであって、該ペプチドは、配列(SID番号11):
【化7−1】

を含み、
ここで、Xは、式(I):
【化7−2】

のアミノ酸であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3であるアミノ酸であって;
およびXは、各々独立して、βターン配列を一緒に形成するアミノ酸であり;
は、結合またはアミノ酸残基であり;そして
は、ペプチジルキナーゼ認識モチーフであって、該認識モチーフのヒドロキシルアミノ酸は、Xに結合している、ペプチド。
【請求項11】
キナーゼ活性を検出するための方法であって、該方法は、以下:
(a)(1)リン酸化部位を含むキナーゼ認識配列
(2)βターン配列;および
(3)式(I):
【化8】

のアミノ酸であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはアルキルであり;そして
nは、1、2、または3である、アミノ酸、
を含むペプチドを提供する工程;
(b)該ペプチドをMg2+、リン酸供給源、およびキナーゼを含有するサンプルと接触させる工程;ならびに
(c)リン酸化ペプチド生成物の存在について分析する工程、
を包含する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記アミノ酸が、式(II):
【化9】

のアミノ酸であり、
ここで、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;そして
R’’’は、水素またはC1〜6アルキルである、
方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記アミノ酸が、式(III):
【化10】

のアミノ酸である、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記ペプチドの蛍光が、Mg2+に結合した場合に少なくとも100%まで増加する、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、前記キナーゼに対する前記ペプチドのKが、マイクロモル範囲にある、方法。
【請求項16】
式(IV):
【化11】

のキャッピング基であって、
ここで、少なくとも1つのR基は、−SOXであり、Xは、−OR’’または−NR’’R’’’であり;
R’は、ヒドロキシ、アミノ、またはチオールであり;
R’’は、C1〜6アルキルであり;
R’’’は、水素またはC1〜6アルキルであり;そして
nは、0、1、2、または3である、キャッピング基。
【請求項17】
請求項16に記載のキャッピング基により、N末端が保護されている、ペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−532473(P2007−532473A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534248(P2006−534248)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/032733
【国際公開番号】WO2005/037859
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】