説明

キャップ位置決めボトル

【課題】キャップのネジ山がボトルに設けたストッパー部に乗り上げる等の位置決め不良を防止して確実な位置決めを可能にするキャップ位置決めボトルを提供する。
【解決手段】ボトル本体10における口部12のネジ山12aの下端部に、キャップ14のネジ山14aに係止して前記キャップ14を前記口部12に対して位置決めする係止用突起部20を設け、前記立ち上がり部18には、係止用突起部20の前記口部12の中心軸12cを挟んだ反対側に、キャップ14の内周面に当接して該キャップ14を当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部20にキャップ14の内周面を当接させる緩み防止用突起部22を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャップ位置決めボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブロー成形法により製造したボトル(容器)において、液体、粉体及び粒状体等の内容物の注出を容易に行うため、口部に注出口(注ぎ口)のあるキャップを嵌合や螺合によって取り付ける(キャッピング)ものがある。
【0003】
このようなボトルにおいて、オーバル形状のボトル(容器)やボトルの特定方向から内容物を注出する必要があるものでは、ボトルに対してキャップの方向を位置決めしてキャッピングすることが必要である。
【0004】
このように、ボトル本体に対して所定の方向にキャップを位置決めする位置決めボトルに関して、特許第4320984号公報(:特許文献1)には、ボトル本体の口部にネジ山が設けられて、その口部のネジ山の最下端に位置する終端部の下方には、キャップに形成されたネジ山の開始端部の先端が当接する係止用突起部を設けたボトルが開示されている。
【0005】
また、キャップ位置決めボトルに関して、実開昭61−22743号公報(:特許文献2)には、ボトル本体の口部に形成されたネジの最下端(終端部)の下方にそのネジ終端部との間に間隔を置いて突起部を設け、ネジ終端と突起部との間にキャップの最下端のネジ開始端部を挟み付けて、キャップの緩みを防止するようにしたプラスチック容器が開示されている。
【0006】
また、キャップ位置決めボトルに関して、特許第4151755号公報(:特許文献3)には、口部の周囲に一条の凸ネジ条を形成し、キャップの内周壁に一条の凹ネジ条を形成し、凸ネジ条及び凹ネジ条それぞれ同士螺合の開始位置の反対側の終端部に制止部を設け、これら凹ネジ条の始端部及び凸ネジ条の始端部それぞれが、上記の各制止部に同時に係止されることにより、口部に対するキャップの螺合停止位置を位置決めするようにしたチューブ容器が開示されている。
【0007】
しかしながら、上記従来の位置決め構造では、キャップの確実な位置決めができない不具合が生じる場合がある。
【0008】
上記位置決めボトルに関し、図4に従来例を示す。図4に示すボトルは、ボトルの口部aに注出キャップbが設けられた例であって、該キャップbを該口部aに対して位置決めする位置決め構造を有するキャップ位置決めボトルである。注出キャップbには、軸中心部に注ぎ出し用の樋状部cが延在しその周囲に筒状に外壁部dが形成されている。その外壁部dの内周壁面にネジ山d1が形成されている。また、口部aが筒状に上方に突出して立ち上がり、該口部aの外周にネジ山a1が形成されている。それぞれのネジ山a1、d1同士を螺合させて該口部aにキャップbを取り付ける構造である。
【0009】
位置決め構造には、口部aに設けられたネジ山a1の最下端の下方に係止用突起部eが設けられている。図4(b)に示すように、正常状態では、キャップbが口部aにねじ込まれたときに、係止用突起部eがキャップbのネジ山d1における開始端部の先端が当接することによってキャップbを口部aに対して位置決めする。
【0010】
この種の構造のボトルでは、ボトル(口部a)とキャップbのネジ構造が1条ネジであるため、キャップbのストッパーの機能を果たすネジ山d1開始端部が口部aの片側のみになる。この構造では、ボトルとキャップbのネジ山a1、d1同士にガタツキ(がた付き)が発生し易い。また、高トルクでキャップbを増し締めした場合に、図4(c)に示すように、キャップがやや楕円状に変形し、また、ネジのガタツキによって傾きに繋がり、充分な位置決め効果が得られる所定の係代が確保できない。
【0011】
したがって、ネジ先頭がネジストッパー(係止用突起部e)を乗り越えてしまい、所定の位置で止まらないオーバーラン現象が発生する場合があった。
【0012】
具体的な製造工程において、ボトルにキャップを機械的に締め付ける場合に、上記のオーバーラン減少は不良の発生、キャップの締め直しという、作業負荷になる不具合が生じる場合がある。例えば、図4の従来の位置決めボトルにおいて、上記係止用突起部eのネジ山への係り代1.3mmに設計されている場合、ネジ部(ネジ山a1、d1)の成形バラツキでボトルは径方向でR=0.6mm、キャップはR=0.4mmの公差(直径として)があり、係り代が上記設計の1.3mmから最大で0.5mm減り0.8mmとなることが想定され、更にキャップがキャッパーで掴まれることによる変形(真円から楕円)になることにより、図4(c)に示すように、設計等で設定された所定の係り代が確保されずにキャップbが定位置で係止せずにオーバーラン減少が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第4320984号公報
【特許文献2】実開昭61−22743号公報
【特許文献3】特許第4151755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、前述の従来技術では、係止用突起部にネジ山開始端が当たってネジのガタツキやオーバーラン等の問題に対処する技術が未提案であるという課題がある。
【0015】
本発明は、上記の問題に対処すべく、キャップのネジ山がボトルに設けたストッパー部に乗り上げる等の位置決め不良を防止して確実な位置決めを可能にするキャップ位置決めボトルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、内容物を収容するボトル本体から突出して立ち上がる口部にキャップを取り付けるボトルであって、該口部の外周とキャップの内周とにそれぞれネジ山を形成しそれらネジ山同士を螺合させて該口部にキャップを取り付けると共に、該キャップを該口部に対して位置決めする位置決め構造を有するキャップ位置決めボトルにおいて、
前記位置決め構造は、前記ボトル本体の口部の立ち上がり部であって、該口部のネジ山の下端部または下方に、前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする係止用突起部を設けたものであり、
前記立ち上がり部には、該係止用突起部の前記口部の中心軸を挟んだ反対側に、キャップの内周面に当接して該キャップを当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部にキャップの内周面を当接させる緩み防止用突起部を設けたことを特徴とするキャップ位置決めボトルである。
【0017】
本発明において、前記ボトル本体の口部の立ち上がり部には、係止用突起部より下方位置に、前記キャップの該口部に対する螺合開放方向への回転を規制するラチェット構造を設け、該ラチェット構造と該係止用突起部とが前記口部の周方向に異なる位置に設けられていることが好適である。
【0018】
本発明において、緩み防止用突起部の形成位置は、係止用突起部が前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする位置から前記口部の周方向に手前の位置に設けたものであり、前記緩み防止用突起部の口部外周から突出する高さが、該口部のネジ山基部近傍の最小径とキャップのネジ山基部近傍の最大径の差より大きく、かつ、キャップのネジ山基部またはネジ山非形成部に接する高さであることが好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のキャップ位置決めボトルによれば、前記位置決め構造が、前記ボトル本体の口部の立ち上がり部に、前記ボトル側のネジ山の下端部または下方に前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする係止用突起部を設けたものであり、前記立ち上がり部には、該係止用突起部のボトル本体の中心軸を挟んだ反対側に、キャップの内周面に当接して該キャップを当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部にキャップの内周面を当接させる緩み防止用突起部を設けものであるので、キャップを口部に螺合して締め付ける閉蓋時に、緩み防止用突起部によってキャップを係止用突起部の逆側に押圧して、その結果、キャップ内周が係止用突起部に確実に押し付けられるようにする。したがって、閉蓋時にキャップが口部に対していわゆるガタつくのを防止でき、キャップが変形してもネジ山が係止用突起部から外れるのを確実に防止できる。
【0020】
例えば、閉蓋時におけるキャップの回転が阻止されるように複数の突起を備えたキャップ付きボトル(後述する図3に示すラチェット構造を有する場合等)の場合は、キャップを嵌合するときに高トルクによる巻き締めが必要である。この際に、ボトルとキャップのネジ部の公差寸法範囲内でのガタツキが発生して、所定の嵌合代を確保できない場合はオーバーランするが、ストッパーの反対側に突起を設けることで所定の嵌合代を確保でき、位置決めを確実に行うことができる。
【0021】
また、本発明において、前記ボトル本体の口部の立ち上がり部には、係止用突起部より下方位置に、ラチェット構造を設け、ラチェット構造と該係止用突起部とが前記口部の周方向に異なる位置に設けられていることによって、キャップ巻き締め時にキャップのガタツキ(キャップの傾き等)をラチェット構造によって防止でき、より位置決め効果を発揮することができる。また、成型時にラチェット構造と係止用突起部が成型時に干渉せず、成形が容易である。
【0022】
また、本発明において、緩み防止用突起部の形成位置が、係止用突起部が前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする位置から前記口部の周方向に手前の位置(半回転から1/4回転等手前の位置)に設けたものであるので、キャップの締め開始からのトルク抵抗を極力少なくすることができ、キャップの締め切り不足を防止できる。
また、前記緩み防止用突起部の口部外周から突出する高さが、該口部のネジ山基部近傍の最小径とキャップのネジ山基部近傍の最大径の差より大きく、かつ、キャップのネジ山基部またはネジ山非形成部に接する高さにすることによって、緩み防止用突起部が確実にキャップ内壁に当たって押圧し、例えキャップが変形してもキャップの傾きやガタツキを矯正し、その結果、キャップ内周のネジ山が係止用突起部に確実に当たるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るキャップ位置決めボトルのボトル口部付近及びキャップの縦断説明図である。
【図2】図1のボトル口部の説明図であって、(a)が上方からの視図、(b)が(a)のB−B線に沿う縦断面図、(c)が側面図、(d)が斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るキャップ位置決めボトルのボトル口部の説明図であって、(a)が上方からの視図、(b)が(a)のB−B線に沿う縦断面図、(c)が側面図、(d)が斜視図である。
【図4】従来の位置決めボトルに取り付けたキャップの説明図であって、(a)が縦断面図、(b)、(c)が(a)のB−B線に沿う横断面図で、(b)が正常係止状態を示し、(c)が異常係止状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1〜図2は本発明に係る第1の実施形態の説明図、図3が第2の実施形態の説明図である。図中、同様の部材に同一の符号を付す。
【0026】
図1〜図2に示すように、第1の実施形態に係るキャップ位置決めボトルは、液体洗剤等の流動体からなる内容物を収容するボトル本体10(肩部より上方を示す)から突出して立ち上がる中空(符号「12b」で示す)筒状の口部12にキャップ14を取り付けるボトルである。キャップ14には、開口を下方に向けて計量キャップ16が螺合して着脱自在に設けられている。計量キャップ16は開口を上方に向けてキャップ14から注ぎ出した内容物を計量するものである。
【0027】
そして、該口部12の外周とキャップ14の内周とにそれぞれネジ山12a、14aを形成し、それらネジ山12a、14a同士を螺合させて該口部12にキャップ14を取り付ける構造であると共に、該キャップ14を該口部12に対して位置決めする位置決め構造を有するキャップ位置決めボトルである。
【0028】
キャップ14には、軸中心部に注ぎ出し用の樋状部14bが延在しその周囲に筒状に外壁部14cが形成されている。その外壁部14cの内周壁面にネジ山14aが形成されている。また、ボトル本体10には、口部12が筒状に上方に突出して立ち上がり、該口部12の外周にネジ山12aが形成されている。
【0029】
第1の実施形態に係る前記位置決め構造は、前記ボトル本体10の口部12の立ち上がり部(ネジ山12a形成箇所の最下端近く)18の筒状部分であって、該口部12のネジ山12aの下端部(または下方)に、前記キャップ14のネジ山14aに係止して前記キャップ14を前記口部12に対して位置決めする係止用突起部20を設けたものである。前記立ち上がり部18は、ボトル本体10の肩部から突出する口部12の途中から上方部が段状に細径になった部分であり、キャップ14を螺着したときに、該キャップ14の外周面が、前記立ち上がり部18より下方の口部12外周面とほぼ面一に形成されている。
【0030】
ここで、図1〜図2に示すように、前記立ち上がり部18には、該係止用突起部20の前記口部12の中心軸(符号「12c」で示す)を挟んだ反対側に、キャップ14の内周面に当接して該キャップ14を当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部20にキャップ14の内周面を当接させる緩み防止用突起部22を設けている。
【0031】
前記係止用突起部20は、口部12のネジ山12a(1条)の最下端部に連続して形成されており、その突出高さはほぼネジ山12aと同様である。
【0032】
前記緩み防止用突起部22は、図2(a)の横断面で示すように、前記係止用突起部20が前記キャップ14のネジ山14aに係止して前記キャップ14を前記口部12に対して位置決めする位置から前記口部12の周方向に略半回転手前の位置(口部12において係止用突起部20から周方向にほぼ180度回転した位置)に突出成形して設けたものである。また、前記緩み防止用突起部22の口部12外周から突出する高さが、該口部12のネジ山12a基部近傍の最小径とキャップ14のネジ山14a基部近傍の最大径の差より大きく、かつ、キャップ14のネジ山14a基部またはネジ山14a非形成部に接する高さである。
【0033】
なお、口部12ネジ山12aは1条であり、該ネジ山12aの形成箇所の下方に緩み防止用突起部22が舌状または台形状に外径方向に突出形成されている。キャップ14のネジ山14aも一条である。これらネジ山12a、14aは1条として成形のし易さを果たしているが、その他、多条でもよい。
【0034】
また、ボトル本体10およびキャップ14はポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂成型品であり、口部12の係止用突起部20及び緩み防止用突起部22の必要な剛性が得られる材質であることが好ましい。
【0035】
第1の実施形態に係るキャップ位置決めボトルによれば、前記位置決め構造が、前記ボトル本体10の口部12の立ち上がり部18に、前記ボトル側のネジ山12aの下端部または下方に前記キャップ14のネジ山14aに係止して前記キャップ14を前記口部12に対して位置決めする係止用突起部20を設けたものであり、前記立ち上がり部18には、該係止用突起部20のボトル本体10の中心軸を挟んだ反対側に、キャップ14の内周面に当接して該キャップ14を当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部20にキャップ14の内周面を当接させる緩み防止用突起部22を設けものである。
【0036】
したがって、キャップ14を口部12に螺合して締め付ける閉蓋時に、緩み防止用突起部22によってキャップを係止用突起部20の逆側に押圧して、その結果、キャップ14内周が係止用突起部20に確実に押し付けられるようにできる。よって、閉蓋時にキャップ14が口部12に対していわゆるガタつくのを防止でき、キャップ14が変形してもネジ山14aが係止用突起部20から外れるのを確実に防止できる。
【0037】
また、係止用突起部20の反対側に緩み防止用突起部22を設けて、緩み防止用突起部22の高さはネジ山よりもガタツキの分高くすることで、ボトルの係止用突起部20にキャップ14のネジ山14aの係り易く(懸り易く)なる。さらに、緩み防止用突起部22の口部12への取り付け高さを立ち上がり部18の下端とすることでキャップ14のネジ谷(ネジ山非形成箇所)がと該緩み防止用突起部22との摩擦でキャップ14が閉まりにくくなることを防止できる。
【0038】
また、前記緩み防止用突起部22の口部12外周から突出する高さが、該口部12のネジ山12a基部近傍の最小径とキャップ14のネジ山14a基部近傍の最大径の差より大きく、かつ、キャップ14のネジ山14a基部またはネジ山14a非形成部に接する高さであることによって、緩み防止用突起部22が確実にキャップ14内壁に当たって押圧し、例えキャップ14が変形してもキャップ14の傾きやガタツキを矯正し、その結果、キャップ14内周のネジ山14aが係止用突起部20に確実に当たるようにできる。
【0039】
例えば、第1の実施形態において、ボトル本体10とキャップ14の寸法関係をボトルネジ山径48.7±0.3mm、ネジ谷径45.2±0.3mm、キャップネジ山径45.7±0.2mm、ネジ谷径49.2±0.2mmとした。
【0040】
この場合、緩み防止用突起部22の口元部12のネジ山の非形成面からの高さをネジ山12a高さ1.75mmよりガタ分(この場合、0.25mm)高く、2.0mmにすることで係止用突起部20にキャップ14のネジ山14a端部が係りやすくなる。緩み用突起部22の取り付けの高さの方向とし最下端部とすることで、キャップのネジ谷と突起との摩擦でキャップが締まりにくくなることを確実に防止できた。
【0041】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。
【0042】
第2の実施形態に係るキャップ位置決めボトルは、図3に示すように、ボトル本体10における口部12の立ち上がり部18の外周であって、係止用突起部20より下方位置に、前記キャップ14の該口部12に対する螺合開放方向への回転を規制するラチェット構造24を設け、該ラチェット構造24と該係止用突起部20とが前記口部12の周方向に異なる位置に設けられている。ラチェット構造24は、回転方向へ進むと広がる楔形状または三角山形状に形成され単数または複数の凸部である。
実施形態では、図3(a)に示すように、ラチェット構造24は口部12に係止用突起部20及び緩み防止用突起部22から右回転方向でほぼ45度上流側の手前の位置に形成されている。
【0043】
このように、緩み防止用突起部22の形成位置は、係止用突起部20が前記キャップ14のネジ山14aに係止して前記キャップ14を前記口部12に対して位置決めする位置から前記口部12の周方向に手前の位置に設けたものであり、キャップ14の締め切りとなる手前とすることで、キャップ14の締め開始からのトルク抵抗を極力少なくすることができ、キャップ14の締め切り不足を防止できる。
【0044】
例えば、閉蓋時におけるキャップ14の回転が阻止されるように複数の突起を備えたキャップ付きボトルの場合(図3に示すラチェット構造24を有する場合)は、キャップ14を嵌合するときに高トルクによる巻き締めが必要であるが、ボトル10とキャップ14の各ネジ部12a、14aの交差寸法範囲内でのガタツキが発生することにより、所定の嵌合代を確保できない場合はオーバーランするが、ストッパーの反対側に突起を設けることで所定の嵌合代を確保でき、位置決めを確実に行うことができる。
【0045】
また、前記ボトル本体10の口部12の立ち上がり部18には、係止用突起部20より下方位置に、ラチェット構造24を設け、ラチェット構造24と該係止用突起部20とが前記口部12の周方向に異なる位置に設けられていることによって、キャップ14巻き締め時にキャップ14のガタツキ(キャップ14の傾き)をラチェット構造24によって防止でき、より位置決め効果を発揮することができ、成型時にラチェット構造24と係止用突起部20が成型時に干渉せず、成形が容易である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のキャップ位置決めボトルは、洗剤や柔軟剤等の各種液体をボトル内に収容した液体製品に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 ボトル本体
12 口部
12a 口部のネジ山
14 キャップ
14a キャップのネジ山
14c キャップの外壁部
18 口部の立ち上がり部
20 係止用突起部
22 緩み防止用突起部
24 ラチェット構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容するボトル本体から突出して立ち上がる口部にキャップを取り付けるボトルであって、該口部の外周とキャップの内周とにそれぞれネジ山を形成しそれらネジ山同士を螺合させて該口部にキャップを取り付けると共に、該キャップを該口部に対して位置決めする位置決め構造を有するキャップ位置決めボトルにおいて、
前記位置決め構造は、前記ボトル本体の口部の立ち上がり部であって、該口部のネジ山の下端部または下方に、前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする係止用突起部を設けたものであり、
前記立ち上がり部には、該係止用突起部の前記口部の中心軸を挟んだ反対側に、キャップの内周面に当接して該キャップを当該反対側の外側方向に押圧することによって、前記係止用突起部にキャップの内周面を当接させる緩み防止用突起部を設けたことを特徴とするキャップ位置決めボトル。
【請求項2】
前記ボトル本体の口部の立ち上がり部には、係止用突起部より下方位置に、前記キャップの該口部に対する螺合開放方向への回転を規制するラチェット構造を設け、該ラチェット構造と該係止用突起部とが前記口部の周方向に異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ位置決めボトル。
【請求項3】
緩み防止用突起部の形成位置は、係止用突起部が前記キャップのネジ山に係止して前記キャップを前記口部に対して位置決めする位置から前記口部の周方向に手前の位置に設けたものであり、前記緩み防止用突起部の口部外周から突出する高さが、該口部のネジ山基部近傍の最小径とキャップにおけるネジ山基部近傍の最大径の差より大きく、かつ、キャップのネジ山基部またはネジ山非形成部に接する高さであることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップ位置決めボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−218747(P2012−218747A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83758(P2011−83758)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】