説明

キャビネットのカバー開閉構造

【課題】本発明は、作業が簡単であるキャビネットのカバー開閉構造を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造は、パネル2の四隅には、カバー2を支持するための支柱5が取り付けられ、支柱5にはカバーの端部が挿入可能な溝8を設け、溝8にはヒンジ受け9を、カバー3の端部にはヒンジ部9を形成し、カバー3がパネル2を施蓋している状態からカバー3を引き出し、ヒンジ部9がヒンジ受け9に勘合したとき、ヒンジ部10はヒンジ受け9内部で回転可能となり、カバー3が回動動作により開閉可能となることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面状のパネルに機器を取り付け、パネルの前面を、側面が形成されたカバーにより施蓋して成るキャビネットのカバー開閉構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、従来、平面状のパネル31に機器32を取り付け、前面をカバー33により施蓋する形状のキャビネット34は、カバー33は取り外し式が多く、ねじ止め等によりパネル31にカバー33を取り付けていた。ねじ35を緩めてカバー33は着脱されていた。
【非特許文献1】カワムララックカタログNo.10 2006年6月1日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術によれば、キャビネットへの機器の取り付けや配線、保守の際には、いつもカバーを取り外して作業を行わなくてはならず、外したカバーの置き場所を確保しなくてはならないという手間がかかっていた。また、カバーを外したときのねじの保管が煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は、作業が簡単であるキャビネットのカバー開閉構造を提供することを目的とし、その構造は、パネルの四隅には、カバーを支持するための支柱が取り付けられ、支柱にはカバーの端部を挿入可能な溝を設け、溝にはヒンジ受けを、カバーの端部にはヒンジ部を形成し、カバーがパネルを施蓋している状態からカバーを引き出し、ヒンジ部がヒンジ受けに勘合したとき、ヒンジ部はヒンジ受け内部で回転可能となり、カバーが回動動作により開閉可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造は、パネルの四隅には、カバーを支持するための支柱が取り付けられ、支柱にはカバーの端部を挿入可能な溝を設け、溝にはヒンジ受けを、カバーの端部にはヒンジ部を形成し、カバーがパネルを施蓋している状態からカバーを引き出し、ヒンジ部がヒンジ受けに勘合したとき、ヒンジ部はヒンジ受け内部で回転可能となり、カバーが回動動作により開閉可能となるため、キャビネットのカバー開閉のために工具の必要がなく、容易に着脱や開閉を行うことができる。また、どの支柱も同じ機構を設けているため、カバーを上側に開くことも下側に開くこともでき、キャビネットの設置場所が制限されない。カバーを外すことなく配線や保守の作業が行えるため、カバーやねじの紛失の心配がない。カバーは手前に引き出してから開閉するので、キャビネットの上下に配線がある場合も引っ掛けたりすることなく開閉することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
キャビネットのカバーの取り外し作業を簡素化するという目的を、最小の部品点数で、キャビネットの入出線に関わらず開閉できるようにした。
【実施例1】
【0007】
本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造の実施例を図1〜図6の添付図面に基いて説明する。
【0008】
本発明に係るキャビネット1は、平面状のパネル2と、パネル2の前面を施蓋するカバー3とから構成される。カバー3は、側面4を形成し箱状となっている。パネル2には、四隅に支柱5が立設される。立設された支柱5に対向する位置に、カバー3のコーナー部分には切り欠き6を設けている。
【0009】
支柱5にはカバー3の切り欠き6のエッジ7が挿入可能である溝8を設ける。溝8の一部にはヒンジ受け9を形成する。
【0010】
カバー3の切り欠き6のエッジ7には、ヒンジ受け9に対向するように、ヒンジ部10を形成する。ヒンジ部10は図1ではカバー3のパネル側10aと、パネル2の前面側10bとの二ヶ所設けている。
【0011】
カバー3をパネル2に取り付けるには、カバー3の切り欠き6のエッジ7を、パネル2に取り付けられた支柱5の溝8に挿入し、カバー3をパネル2に密着させる。このとき、カバー3の切り欠き6近傍のパネル側に設けられたヒンジ部10aが支柱5に係止し、カバー3がパネル2に固定される。
【0012】
カバー3をパネル2から取り外さず回動動作により開閉する場合には、カバー3を手前に引き出し、パネル側に設けたヒンジ部10aを支柱5に設けたヒンジ受け9に合わせる。図5に示すように、カバー3を上側に開けたい時には下側を、図6に示すように、カバー3を下側に開けたい時には上側を、支柱5から外し、ヒンジ部10はヒンジ受け9の内部では回転させカバー3を開閉するものである。
【0013】
支柱5に設けられた溝8は、カバー3に設けられたヒンジ部10より前面側を浅く形成し、カバーが自重等で容易に外れてしまうことを防止している。そのため、カバー3をパネル2に取り付けるときまたは取り外すときには、両手で支柱5を押し広げながらカバー3を移動させる。
【0014】
図4においては、ヒンジ受け9は略円形状で形成しているが、特に形状は限定せず、変形させることでストッパー機構を持たせることもできる。カバーを特定の角度に開けた状態で保持することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
上述したように、カバーは上側または下側をヒンジ構造とし、カバーを回動動作により開閉可能としているが、すべてのヒンジ部をヒンジ受けから抜き取ることでカバーをパネルから完全に取り外すことも可能である。キャビネットの上下どちらにもカバーを開けるスペースがない場合や、カバーが作業の邪魔になる場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造を示す説明図である。
【図2】本発明に係るキャビネットのカバー取り付け動作を示す説明図である。
【図3】本発明に係るキャビネットのカバー取り付け動作を示す説明図である。
【図4】本発明に係るキャビネットの支柱を示す説明図である。
【図5】本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造を示す説明図である。
【図6】本発明に係るキャビネットのカバー開閉構造を示す説明図である。
【図7】従来のキャビネットの取り付け構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0017】
1 キャビネット
2 パネル
3 カバー
4 側面
5 支柱
6 切り欠き
7 エッジ
8 溝
9 ヒンジ受け
10 ヒンジ部
10a パネル側ヒンジ部
10b 前面側ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状のパネルに機器を取り付け、前記パネルの前面を、側面が形成されたカバーにより施蓋して成るキャビネットのカバー開閉構造であって、前記パネルの四隅には前記カバーを支持するための支柱が取り付けられ、該支柱には前記カバーの端部を挿入可能な溝を設け、前記溝にはヒンジ受けを、前記カバーの端部にはヒンジ部を形成し、前記カバーが前記パネルを施蓋している状態から前記カバーを引き出し、前記ヒンジ部が前記ヒンジ受けに勘合したとき、前記ヒンジ部は前記ヒンジ受け内部で回転可能となり、前記カバーが回動動作により開閉可能となることを特徴とするキャビネットのカバー開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−60388(P2008−60388A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236288(P2006−236288)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】