キャビネット
【課題】便器使用者の首筋に風を吹き付けることができ、トイレ室内にコンパクトに設置できるキャビネットを提供する。
【解決手段】前方に便器6が設置される前板5と、この前板5の側方に設けられ収納室を開閉する扉11,12を備えたトイレ内のキャビネット3において、前板5と扉11との間に、便器6を使用する人に向かって風を吹き出す吹出口9,9を縦長に設けて構成する。
【解決手段】前方に便器6が設置される前板5と、この前板5の側方に設けられ収納室を開閉する扉11,12を備えたトイレ内のキャビネット3において、前板5と扉11との間に、便器6を使用する人に向かって風を吹き出す吹出口9,9を縦長に設けて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、トイレ内に設置されたキャビネットの下端側に室内暖房温風吹出口が設けられて、この室内暖房温風吹出口から温風が便器使用者の足元に向かって吹き出されるように構成したものが存在する。
【特許文献1】特開2000−27265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているキャビネットでは、足元に温風を吹き出す構成であり、使用者の身体の広い範囲に風を当てることができる構造のものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、使用者に良好に風を当てて快感が得られるキャビネットを提供するものであり、その請求項1は、収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことである。
【0005】
また、請求項2は、前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことである。
【0006】
また、請求項3は、前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことである。
【0007】
また、請求項4は、前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることである。
【0008】
また、請求項5は、前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことにより、縦長の吹出口から広い範囲に亘って風を吹き出して、身体の広い範囲に風を当てることができ、快適性を向上させることができるものとなる。
【0010】
また、前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことにより、目立ち難い位置に吹出口を設けることができて、キャビネットの意匠性を確保することができるものとなる。
【0011】
前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことにより、吹出口を縦長に設けてキャビネットの前板と扉との間にコンパクトに配置させることができ、吹出口から風を便器使用者の首筋等に向けて吹き出し、良好な快感が得られるものとなる。
【0012】
また、前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることにより、送風装置のないキャビネットに対してもキャビネットの前板と扉との間に縦長状の送風ボックスをコンパクトに配置させることができ、送風ボックスに扉を開閉可能に取り付けて、扉をトイレ室内の間口いっぱいにすっきりと配置させることができるものとなる。
【0013】
また、前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることにより、身体の広い範囲に風を当てることができるとともに、足元側にも風を吹き出させて、例えば温風を吹き出すことにより、足元を良好に温めることができるものとなる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、トイレ室内に設置されたキャビネットの斜視構成図であり、図2は、このキャビネットの横断面要部拡大構成図である。
キャビネット3は、トイレ室内の正面壁1に当接状に、左右の側面壁2,2の間口いっぱいに隙間なく設置されており、このキャビネット3の中央の一対の仕切りフレーム4,4の前面には前板5が固定状に設けられ、この仕切りフレーム4,4と前板5に囲まれてタンク室7が形成されており、このタンク室7内にはロータンクが収納されるものであり、前板5の前方には、便器6が設置されるものである。
仕切りフレーム4の外側面には、縦長箱状の送風ボックス8がビス等で固定されており、この送風ボックス8の前面上部部位には、縦方向に間隔をおいて複数の吹出口9,9,9が設けられている。
【0015】
この縦長箱状の送風ボックス8の前部側面には、ヒンジ10を介して前方側へ開閉可能に扉11が設けられており、この扉11の先端部側には、一部を扉11の内側に重ね合わせてビス等で固定された間口調整板12が設けられている。この間口調整板12の扉11に対する重ね代を調整することで、間口調整板12の端部を側面壁2に対し隙間なく配置させることができるように構成されている。この扉11と間口調整板12の裏側には、収納室14が形成されており、この収納室14内に掃除道具等を収納できるものである。
【0016】
本例では、間口調整板12の上部部位に略縦長状に吸気口13が開口されており、この吸気口13の裏側にはフィルター13aが設けられてゴミ等を除去できるように構成されている。なお、このフィルター13aは、扉11とともに間口調整板12を開けることにより良好に交換できるものである。
なお、図3は、収納室14の上部に設けられたシロッコファン16の配置状態の正面構成図であり、収納室14内の上面側には、図4の側面断面概略構成図で示すように、底側を仕切板15で仕切られた空間内にシロッコファン16が設けられており、シロッコファン16の底側に下向きに開口18が形成され、シロッコファン16が回転することで吸気口13及び開口18から空気を吸い込み、ダクト17を通して送風ボックス8の入口8aに送風し、吹出口9から風を前方側へ吹き出させることができるように構成されている。
【0017】
シロッコファン16及びダクト17は、収納室14の上部にコンパクトに設けておき、収納室14の空間が狭くならないように構成されている。なお、シロッコファン16の開口18には、例えば交換可能に芳香剤を入れるケース19を設けておき、吹出口9から吹き出される風に香りを付与できるように構成しておくことができる。
【0018】
なお、図4で示すように、送風ボックス8の前面8cの上部に縦方向に複数の吹出口9,9,9が形成されているが、各吹出口9から吹き出される風の向きを調整できるように、吹出口9の前面側に、軸21を中心として上下方向に回動できる風向フィン20が上下に複数設けられており、この風向フィン20を上向きに調整することで、便器6上に着座している使用者の首筋に向けて良好に風を吹き出させることができるものである。
前記送風ボックス8とシロッコファン16とダクト17と風向フィン20で送風装置が構成されている。
【0019】
なお、送風ボックス8内には風量調整間仕切り25が傾斜状に設けられており、この風量調整間仕切り25は、背面8b側の上端から前面8c側に向かって下端側が傾斜して設けられたものであり、この風量調整間仕切り25により、シロッコファン16から送られる風の風圧が下方側で弱くなることが防がれて、複数の吹出口9から均等な風圧の風が吹き出されるように構成されている。
【0020】
なお、吹出口9,9は、図1に示すように、便器6の便蓋6aを開けた時にも、便蓋6aで閉ざされることのない位置に設けられており、便蓋6aを開けた状態でも吹出口9,9から吹き出される風が便器使用者の首筋に吹き付けられるように構成されている。
なお、吹出口9と吸気口13間の横方向寸法は30mm以上に設定されている。即ち、吹出口9と吸気口13を30mm以上離して配置することで、吹出流と吸気流とを完全に分離することができて、吹出口9から吹き出される吹出流を吸気口13から吸い込まないように設定されている。吹出流を吸気口13から吸い込んでしまうと、吹出口9からの風量が低下したりするためである。
【0021】
なお、本例では、吸気口13は間口調整板12の上部部位に設けられたものを例示しているが、吸気口13はキャビネット3の上面に横設される手洗い鉢23を備えたカウンター22の下面側等に形成させたものであっても良く、更には、吸気口13を形成させることなく扉11あるいは間口調整板12の上端あるいは下端側の僅かな隙間から空気を吸い込むように構成しても良い。
なお、シロッコファン16の開口18側を、図示しない暖房装置や冷房装置のダクトに組み込むことにより、吹出口9からは温風あるいは冷風を吹き出させることもできるものである。
【0022】
なお、図1のように、側面壁2に設置されるリモコン24に設けられる送風スイッチ24aをオンすることで、光通信によりキャビネット3内部に設けられた受信部で受信して、シロッコファン16が回転されるように構成しておくことができるものである。
【0023】
なお、図5は、変更例を示すキャビネットの横断面要部拡大構成図であり、図5では、ファン16を送風ボックス8内にコンパクトに設けたものであり、ファン16は送風ボックス8内に垂直面内で回転可能に設けられており、ファン16の回転により、送風ボックス8に開口された入口8aから収納室14内の空気を吸い込んで、吹出口9から風を便器6に着座している使用者の首筋に向けて良好に吹き出すことができるものであり、このように、ファン16を送風ボックス8内に設けておけば、収納室14を広く確保することができ、ダクト17が不要となり、コンパクトな送風装置としてキャビネット3に組み込むことができるものとなる。
【0024】
次に、図6の斜視構成図で示すキャビネット3は、下部に吸気口13,13が形成されたものであり、この場合は、図7の概略配置説明図で示すように、キャビネット3の収納室14の底側のキャビネット下枠3aを利用して、このキャビネット下枠3a内にシロッコファン16を設け、このシロッコファン16の下面側に吸気口13と連通する開口18を開口させておき、シロッコファン16の回転により、吸気口13および開口18から空気を吸い込み、送風ボックス8内に空気を送り込んで吹出口9から風を吹き出させるように構成することができ、キャビネット下枠3aと送風ボックス8の下部を連通させることで良好に風路を形成させることができ、また、キャビネット下枠3aのシロッコファン16の側方には、断面三角形状の水返し突起27を設けておき、更に底側に水抜き孔28を形成させておけば、誤って吹出口9から水が送風ボックス8内に浸入したような場合にも、良好に水抜き孔28から水を抜くことができ、また水返し突起27により、水がシロッコファン16側へ浸入することを良好に防ぐことができるものとなる。
【0025】
なお、更には、開口18にヒーター26を設けておき、このヒーター26をONすることで、吹出口9から温風を吹き出すことができるように構成することもでき、温風を吹き出させてトイレの除湿、防カビも行えるものである。
なお、吹出口9は、キャビネットの送風ボックス8の上端側から下端側に至る全域に設けられていても良く、そのような構成では、便器上の人に向かって風を良好に吹き出させることができるとともに、足元側にも風を吹き出させて、例えば温風を吹き出すことにより足元を良好に温めることができるものとなる。
【0026】
更には、図8の横断面要部拡大構成図で示すように、風向きファン20を左右方向に回動させて、吹出口9から吹き出される風向きを左右方向に調整できるように構成しておくこともできる。
この場合は、例えば、送風ボックス8内に、縦方向に透光材からなる固定筒体29を設け、この固定筒体29の内側に、透光材からなる回動筒体30を回動可能に設け、固定筒体29の前面側に縦方向に複数の吹出口9を形成させておき、この複数の吹出口9と整合する吹出口30aを回動筒体30にも形成させておき、回動筒体30を回動させて、吹出口30aが吹出口9に整合された状態で、回動筒体30内に送られてくるシロッコファン16からの風を、良好に吹出口9から前方側へ吹き出すことができ、この際に、風向きフィン20を軸21を中心として左右方向に調整して、吹出口9から吹き出される風の向きを良好に調整できるものである。
【0027】
なお、図8では、回動筒体30の内周面に反射材31が設け、その前方の回動筒体30内には縦方向にランプ32を設けておくことができ、このランプ32からの光を反射材31で反射させて、吹出口9付近から前方側へ光が照射されるように構成しておくことができ、風とともに光による演出効果等が期待できるものである。
【0028】
上記実施例では、縦長箱状の送風ボックス8をキャビネット3の仕切りフレーム4に固定させて、更に送風ボックス8にヒンジ10を介して扉11を開閉可能に取り付けることができるものであるため、コンパクトな設置状態が得られるものであり、送風装置を設けないキャビネット3においては、仕切りフレーム4にヒンジ10を介して扉11を取り付けることができ、送風装置の有るものと無いもので共通のキャビネット部材を使用することができるものである。
【0029】
即ち、図9の横断面要部拡大構成図に示すように、送風装置を設けないキャビネット3においては、キャビネットの仕切りフレーム4にヒンジ10を介して扉11が開閉可能に設置されるものである。この場合は、扉11に対する間口調整板12の重ね代は少なくなり、間口調整板12の先端が隙間なく側面壁2に配置されるものである。
【0030】
なお、上記実施例では、トイレ室内に設置されたキャビネットを例示しているが、キッチン、洗面室などの水廻り空間に設置されるキャビネットについても上記構造を採用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】トイレ室内に設置されたキャビネットの斜視構成図である。
【図2】キャビネットの横方向断面の要部拡大構成図である。
【図3】収納室の上部に配置されたシロッコファンの配置状態の正面配置構成図である。
【図4】送風ボックスの部分の縦断面における概略配置構成図である。
【図5】送風ボックス内にファンを設けた変更例のキャビネットの横方向断面要部拡大構成図平である。
【図6】吸気口を下部に設けたキャビネットの斜視構成図である。
【図7】図6のキャビネットにおけるファンと吹出口の配置構成を示す概略配置説明図である。
【図8】左右方向に風向きを変えることのできる変更例の横方向断面要部拡大構成図である。
【図9】送風装置を設けないキャビネットの横方向断面要部拡大構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 正面壁
2 側面壁
3 キャビネット
4 仕切りフレーム
5 前板
6 便器
6a 便蓋
7 タンク室
8 送風ボックス
8a 入口
9 吹出口
10 ヒンジ
11 扉
12 間口調整板
13 吸気口
13a フィルター
14 収納室
16 シロッコファン
17 ダクト
18 開口
19 芳香剤ケース
20 風向フィン
21 軸
22 カウンター
23 手洗い鉢
24 リモコン
24a 送風スイッチ
25 風量調整間仕切り
26 ヒーター
27 水返し突起
28 水抜き孔
29 固定筒体
30 回動筒体
30a 吹出口
31 反射材
32 ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、トイレ内に設置されたキャビネットの下端側に室内暖房温風吹出口が設けられて、この室内暖房温風吹出口から温風が便器使用者の足元に向かって吹き出されるように構成したものが存在する。
【特許文献1】特開2000−27265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているキャビネットでは、足元に温風を吹き出す構成であり、使用者の身体の広い範囲に風を当てることができる構造のものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、使用者に良好に風を当てて快感が得られるキャビネットを提供するものであり、その請求項1は、収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことである。
【0005】
また、請求項2は、前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことである。
【0006】
また、請求項3は、前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことである。
【0007】
また、請求項4は、前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることである。
【0008】
また、請求項5は、前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことにより、縦長の吹出口から広い範囲に亘って風を吹き出して、身体の広い範囲に風を当てることができ、快適性を向上させることができるものとなる。
【0010】
また、前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことにより、目立ち難い位置に吹出口を設けることができて、キャビネットの意匠性を確保することができるものとなる。
【0011】
前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことにより、吹出口を縦長に設けてキャビネットの前板と扉との間にコンパクトに配置させることができ、吹出口から風を便器使用者の首筋等に向けて吹き出し、良好な快感が得られるものとなる。
【0012】
また、前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることにより、送風装置のないキャビネットに対してもキャビネットの前板と扉との間に縦長状の送風ボックスをコンパクトに配置させることができ、送風ボックスに扉を開閉可能に取り付けて、扉をトイレ室内の間口いっぱいにすっきりと配置させることができるものとなる。
【0013】
また、前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることにより、身体の広い範囲に風を当てることができるとともに、足元側にも風を吹き出させて、例えば温風を吹き出すことにより、足元を良好に温めることができるものとなる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、トイレ室内に設置されたキャビネットの斜視構成図であり、図2は、このキャビネットの横断面要部拡大構成図である。
キャビネット3は、トイレ室内の正面壁1に当接状に、左右の側面壁2,2の間口いっぱいに隙間なく設置されており、このキャビネット3の中央の一対の仕切りフレーム4,4の前面には前板5が固定状に設けられ、この仕切りフレーム4,4と前板5に囲まれてタンク室7が形成されており、このタンク室7内にはロータンクが収納されるものであり、前板5の前方には、便器6が設置されるものである。
仕切りフレーム4の外側面には、縦長箱状の送風ボックス8がビス等で固定されており、この送風ボックス8の前面上部部位には、縦方向に間隔をおいて複数の吹出口9,9,9が設けられている。
【0015】
この縦長箱状の送風ボックス8の前部側面には、ヒンジ10を介して前方側へ開閉可能に扉11が設けられており、この扉11の先端部側には、一部を扉11の内側に重ね合わせてビス等で固定された間口調整板12が設けられている。この間口調整板12の扉11に対する重ね代を調整することで、間口調整板12の端部を側面壁2に対し隙間なく配置させることができるように構成されている。この扉11と間口調整板12の裏側には、収納室14が形成されており、この収納室14内に掃除道具等を収納できるものである。
【0016】
本例では、間口調整板12の上部部位に略縦長状に吸気口13が開口されており、この吸気口13の裏側にはフィルター13aが設けられてゴミ等を除去できるように構成されている。なお、このフィルター13aは、扉11とともに間口調整板12を開けることにより良好に交換できるものである。
なお、図3は、収納室14の上部に設けられたシロッコファン16の配置状態の正面構成図であり、収納室14内の上面側には、図4の側面断面概略構成図で示すように、底側を仕切板15で仕切られた空間内にシロッコファン16が設けられており、シロッコファン16の底側に下向きに開口18が形成され、シロッコファン16が回転することで吸気口13及び開口18から空気を吸い込み、ダクト17を通して送風ボックス8の入口8aに送風し、吹出口9から風を前方側へ吹き出させることができるように構成されている。
【0017】
シロッコファン16及びダクト17は、収納室14の上部にコンパクトに設けておき、収納室14の空間が狭くならないように構成されている。なお、シロッコファン16の開口18には、例えば交換可能に芳香剤を入れるケース19を設けておき、吹出口9から吹き出される風に香りを付与できるように構成しておくことができる。
【0018】
なお、図4で示すように、送風ボックス8の前面8cの上部に縦方向に複数の吹出口9,9,9が形成されているが、各吹出口9から吹き出される風の向きを調整できるように、吹出口9の前面側に、軸21を中心として上下方向に回動できる風向フィン20が上下に複数設けられており、この風向フィン20を上向きに調整することで、便器6上に着座している使用者の首筋に向けて良好に風を吹き出させることができるものである。
前記送風ボックス8とシロッコファン16とダクト17と風向フィン20で送風装置が構成されている。
【0019】
なお、送風ボックス8内には風量調整間仕切り25が傾斜状に設けられており、この風量調整間仕切り25は、背面8b側の上端から前面8c側に向かって下端側が傾斜して設けられたものであり、この風量調整間仕切り25により、シロッコファン16から送られる風の風圧が下方側で弱くなることが防がれて、複数の吹出口9から均等な風圧の風が吹き出されるように構成されている。
【0020】
なお、吹出口9,9は、図1に示すように、便器6の便蓋6aを開けた時にも、便蓋6aで閉ざされることのない位置に設けられており、便蓋6aを開けた状態でも吹出口9,9から吹き出される風が便器使用者の首筋に吹き付けられるように構成されている。
なお、吹出口9と吸気口13間の横方向寸法は30mm以上に設定されている。即ち、吹出口9と吸気口13を30mm以上離して配置することで、吹出流と吸気流とを完全に分離することができて、吹出口9から吹き出される吹出流を吸気口13から吸い込まないように設定されている。吹出流を吸気口13から吸い込んでしまうと、吹出口9からの風量が低下したりするためである。
【0021】
なお、本例では、吸気口13は間口調整板12の上部部位に設けられたものを例示しているが、吸気口13はキャビネット3の上面に横設される手洗い鉢23を備えたカウンター22の下面側等に形成させたものであっても良く、更には、吸気口13を形成させることなく扉11あるいは間口調整板12の上端あるいは下端側の僅かな隙間から空気を吸い込むように構成しても良い。
なお、シロッコファン16の開口18側を、図示しない暖房装置や冷房装置のダクトに組み込むことにより、吹出口9からは温風あるいは冷風を吹き出させることもできるものである。
【0022】
なお、図1のように、側面壁2に設置されるリモコン24に設けられる送風スイッチ24aをオンすることで、光通信によりキャビネット3内部に設けられた受信部で受信して、シロッコファン16が回転されるように構成しておくことができるものである。
【0023】
なお、図5は、変更例を示すキャビネットの横断面要部拡大構成図であり、図5では、ファン16を送風ボックス8内にコンパクトに設けたものであり、ファン16は送風ボックス8内に垂直面内で回転可能に設けられており、ファン16の回転により、送風ボックス8に開口された入口8aから収納室14内の空気を吸い込んで、吹出口9から風を便器6に着座している使用者の首筋に向けて良好に吹き出すことができるものであり、このように、ファン16を送風ボックス8内に設けておけば、収納室14を広く確保することができ、ダクト17が不要となり、コンパクトな送風装置としてキャビネット3に組み込むことができるものとなる。
【0024】
次に、図6の斜視構成図で示すキャビネット3は、下部に吸気口13,13が形成されたものであり、この場合は、図7の概略配置説明図で示すように、キャビネット3の収納室14の底側のキャビネット下枠3aを利用して、このキャビネット下枠3a内にシロッコファン16を設け、このシロッコファン16の下面側に吸気口13と連通する開口18を開口させておき、シロッコファン16の回転により、吸気口13および開口18から空気を吸い込み、送風ボックス8内に空気を送り込んで吹出口9から風を吹き出させるように構成することができ、キャビネット下枠3aと送風ボックス8の下部を連通させることで良好に風路を形成させることができ、また、キャビネット下枠3aのシロッコファン16の側方には、断面三角形状の水返し突起27を設けておき、更に底側に水抜き孔28を形成させておけば、誤って吹出口9から水が送風ボックス8内に浸入したような場合にも、良好に水抜き孔28から水を抜くことができ、また水返し突起27により、水がシロッコファン16側へ浸入することを良好に防ぐことができるものとなる。
【0025】
なお、更には、開口18にヒーター26を設けておき、このヒーター26をONすることで、吹出口9から温風を吹き出すことができるように構成することもでき、温風を吹き出させてトイレの除湿、防カビも行えるものである。
なお、吹出口9は、キャビネットの送風ボックス8の上端側から下端側に至る全域に設けられていても良く、そのような構成では、便器上の人に向かって風を良好に吹き出させることができるとともに、足元側にも風を吹き出させて、例えば温風を吹き出すことにより足元を良好に温めることができるものとなる。
【0026】
更には、図8の横断面要部拡大構成図で示すように、風向きファン20を左右方向に回動させて、吹出口9から吹き出される風向きを左右方向に調整できるように構成しておくこともできる。
この場合は、例えば、送風ボックス8内に、縦方向に透光材からなる固定筒体29を設け、この固定筒体29の内側に、透光材からなる回動筒体30を回動可能に設け、固定筒体29の前面側に縦方向に複数の吹出口9を形成させておき、この複数の吹出口9と整合する吹出口30aを回動筒体30にも形成させておき、回動筒体30を回動させて、吹出口30aが吹出口9に整合された状態で、回動筒体30内に送られてくるシロッコファン16からの風を、良好に吹出口9から前方側へ吹き出すことができ、この際に、風向きフィン20を軸21を中心として左右方向に調整して、吹出口9から吹き出される風の向きを良好に調整できるものである。
【0027】
なお、図8では、回動筒体30の内周面に反射材31が設け、その前方の回動筒体30内には縦方向にランプ32を設けておくことができ、このランプ32からの光を反射材31で反射させて、吹出口9付近から前方側へ光が照射されるように構成しておくことができ、風とともに光による演出効果等が期待できるものである。
【0028】
上記実施例では、縦長箱状の送風ボックス8をキャビネット3の仕切りフレーム4に固定させて、更に送風ボックス8にヒンジ10を介して扉11を開閉可能に取り付けることができるものであるため、コンパクトな設置状態が得られるものであり、送風装置を設けないキャビネット3においては、仕切りフレーム4にヒンジ10を介して扉11を取り付けることができ、送風装置の有るものと無いもので共通のキャビネット部材を使用することができるものである。
【0029】
即ち、図9の横断面要部拡大構成図に示すように、送風装置を設けないキャビネット3においては、キャビネットの仕切りフレーム4にヒンジ10を介して扉11が開閉可能に設置されるものである。この場合は、扉11に対する間口調整板12の重ね代は少なくなり、間口調整板12の先端が隙間なく側面壁2に配置されるものである。
【0030】
なお、上記実施例では、トイレ室内に設置されたキャビネットを例示しているが、キッチン、洗面室などの水廻り空間に設置されるキャビネットについても上記構造を採用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】トイレ室内に設置されたキャビネットの斜視構成図である。
【図2】キャビネットの横方向断面の要部拡大構成図である。
【図3】収納室の上部に配置されたシロッコファンの配置状態の正面配置構成図である。
【図4】送風ボックスの部分の縦断面における概略配置構成図である。
【図5】送風ボックス内にファンを設けた変更例のキャビネットの横方向断面要部拡大構成図平である。
【図6】吸気口を下部に設けたキャビネットの斜視構成図である。
【図7】図6のキャビネットにおけるファンと吹出口の配置構成を示す概略配置説明図である。
【図8】左右方向に風向きを変えることのできる変更例の横方向断面要部拡大構成図である。
【図9】送風装置を設けないキャビネットの横方向断面要部拡大構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 正面壁
2 側面壁
3 キャビネット
4 仕切りフレーム
5 前板
6 便器
6a 便蓋
7 タンク室
8 送風ボックス
8a 入口
9 吹出口
10 ヒンジ
11 扉
12 間口調整板
13 吸気口
13a フィルター
14 収納室
16 シロッコファン
17 ダクト
18 開口
19 芳香剤ケース
20 風向フィン
21 軸
22 カウンター
23 手洗い鉢
24 リモコン
24a 送風スイッチ
25 風量調整間仕切り
26 ヒーター
27 水返し突起
28 水抜き孔
29 固定筒体
30 回動筒体
30a 吹出口
31 反射材
32 ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことを特徴とするキャビネット。
【請求項4】
前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のキャビネット。
【請求項1】
収納室を備えた水廻り空間のキャビネットにおいて、風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記収納室を開閉する扉、あるいはキャビネットの前板の横に、前記吹出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前方に便器が設置される前板と、該前板の側方に設けられ収納室を開閉する扉を備えたトイレ内のキャビネットにおいて、前記前板と前記扉との間に、前記便器上の人に向かって風を吹き出す吹出口を縦長に設けたことを特徴とするキャビネット。
【請求項4】
前記吹出口を有する縦長形状の送風ボックスが前記前板と前記扉との間に配置され、該送風ボックスに前記扉が開閉可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記吹出口がキャビネットの上端側から下端側に至る全域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載のキャビネット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2008−168084(P2008−168084A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6464(P2007−6464)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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