説明

キャビネット

【課題】本発明は、キャビネット内の空間を占拠しないディスプレイを備え、且つコストが低いキャビネットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るキャビネットは、本体と、本体の1つの側面に設置された開閉可能なドアと、1つの回転可視装置と、を備え、前記回転可視装置は1つのディスプレイと、前記ディスプレイを前記ドアに回転可能に装着する1つの回転部材と、を備え、前記回転部材は回転により、前記ディスプレイを連動して、前記ディスプレイを前記扉に対して所定の角度に回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットに関し、特に回転可視装置を備えたキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、キャビネット内には、一組のディスプレイとキーボード及びマウスが収容され、1つのCPU切替器を通じて該キャビネット内のサーバー及び他の電子部品に接続されている。そして、ユーザーは該一組のディスプレイとキーボード及びマウスを利用して、前記サーバー及び前記他の電子部品に対する点検を行う。しかし、これらの装置を共にキャビネット内に収容すれば、キャビネット内の空間の大部分が占拠され、キャビネット自身の体積も大きくなってしまう。また、もし体積の小さい集積型のCPU切替器を使用した場合、費用がかかる。また、前記キャビネット内の設備を点検する場合、キャビネットの扉を必ず開けなければならず、多くのキャビネットがある場合、時間を費やす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記課題を解決し、キャビネット内の空間を占拠しないディスプレイを備え、且つコストが低いキャビネットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係るキャビネットは、本体と、本体の1つの側面に設置された開閉可能な扉と、1つの回転可視装置と、を備え、前記回転可視装置は1つのディスプレイと、前記ディスプレイを前記扉に回転可能に装着する1つの回転部材と、を備え、前記回転部材の回転により、前記ディスプレイを連動させて、前記ディスプレイを前記扉に対して所定の角度に回転させる。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るキャビネットは、前記ディスプレイが外側に面しているため、前記キャビネットの外から、その内部を監視できると共に、手動又は電動によって前記ディスプレイを回転させて、前記キャビネット内のサーバー或いは他の電子部品に対する操作もできるため、非常に便利である。また、前記回転可視装置は、前記キャビネットの前記扉に設置されるため、前記キャビネット内の空間を占拠しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係るキャビネットの扉が閉じている状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すキャビネットの扉を開けた際の、回転可視装置の回転状態を示す図である。
【図3】図2に示す回転可視装置が回転していない状態を示す図である。
【図4】図2に示す回転可視装置内に設けられる制御回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1〜図3に示したように、本発明の実施形態に係るキャビネット100は、1つの直方体の本体10と、前記本体10の1つの側面に設置された1つの扉20と、前記扉20に回転可能に装着された1つの回転可視装置30と、を備える。また、前記本体10内には、様々な電子設備(図示せず)を備える。
【0008】
前記扉20は、上部22と、底部26と、前記上部22と底部26との間に位置する中空な中空部24と、を備える。前記上部22及び底部26は、それぞれ透明ガラス或いはプラスチック又は金属材料からなる板である。前記中空部24内には、前記回転可視装置30が設置される。
【0009】
前記回転可視装置30は、1つのディスプレイ32と、前記ディスプレイ32に接続され、且つ前記ディスプレイ32を前記中空部24内に回転可能に装着する回転部材31とを備える。前記回転部材31は、1つの連動軸34と、1つの駆動軸36と、1つの電動機38と、を備える。図1に示したように、前記ディスプレイ32の上部には、電源スイッチ322及びボタン324が設置される。
【0010】
前記回転可視装置30を前記キャビネット100に組み立てる際、先ず、前記回転可視装置30の前記ディスプレイ32を、前記キャビネット100の前記扉20の前記中空部24内に設置する。この時、前記回転可視装置30の前記連動軸34の2つの側端は、回転可能に前記ディスプレイ32の1つの側端及び前記扉20の前記中空部24の1つの側壁にそれぞれ連接される。前記電動機38の1つの側端は、前記中空部24のもう1つの側壁に設置され、前記電動機38の自由端は、前記駆動軸36の1つの側端に連接される。前記駆動軸36のもう1つの側端は、前記ディスプレイ32のもう1つの側端に連接される。この時、前記ディスプレイ32のモニター部分は、前記扉20の外側に面する(図1参照)。従って、ユーザーは前記扉20を開けずとも、前記キャビネット100の外で、前記ディスプレイ32を介して、前記キャビネット100内のサーバー或いは他の電子部品を監視できる。
【0011】
図4に示したように、前記ディスプレイ32内には、集積型制御回路が設けられ、該制御回路は、前記ディスプレイ32内に設置される1つの中央処理装置(CPU)と、1つの記憶ユニットと、を備える。ユーザーは、前記キャビネット100内の電子設備に対して修理などが必要な場合は、先ず、前記扉20を開けて、前記電源スイッチ322をオンにした後、該扉20を開けたまま前記ディスプレイ32の上部に設置されている前記ボタン324を押して、コマンドを前記中央処理装置に送信する。次いで、前記中央処理装置は受信したコマンドを処理した後、制御信号を前記電動機38に送信して、前記電動機38の起動及び制動をコントロールする。前記電動機38は、前記駆動軸36を連動させて、前記ディスプレイ32をコマンドが要求する角度に回転させる。例えば、前記ボタン324の押す回数が増えるごとに、前記ディスプレイ32は、30度、60度、120度、180度、360度まで回転する。従って、ユーザーは、前記ディスプレイ32を見ながら、サーバー或いは他の電子部品の修理などの操作を行うことができる。これらの操作に備えて、キーボード及びマウス(図示せず)は、キャビネット100内に置かれる。また、回転角度は、本実施形態に限定されない。
【0012】
また、前記記憶ユニットは、前記中央処理装置が毎回処理する信号を記録し、以後修理等で前記電源スイッチ322を再度オンにした際に、前記中央処理装置が新しいコマンドを受信しない場合、前記中央処理装置は自動的に前記記憶ユニットから前回の動作情報を読み取って処理した後、前記ディスプレイ32を前回の角度まで回転させる。
【0013】
本実施形態の前記駆動軸36は、前記ディスプレイ32と連接された側端と離れたもう1つの側端には歯車(図示せず)が設けられ、前記駆動軸36の歯車は、前記電動機38にも設置されている歯車(図示せず)と合わされ、前記駆動軸36を回転させることによって、前記連動軸34及び前記ディスプレイ32を連動させる。
【0014】
他の実施形態において、前記ディスプレイ32はタッチパネルであり、ユーザーは、前記タッチパネルを操作して、コマンドを前記電動機38に送信し、前記電動機38の起動及び制動をコントロールする。
【0015】
他の実施形態において、手動で前記駆動軸36を回転させた後、前記連動軸34及び前記ディスプレイ32を連動させて、前記ディスプレイ32の回転角度を調整しても良い。
【0016】
他の実施形態において、ユーザーが容易に前記ディスプレイ32の画面を閲覧できるように、前記ディスプレイ32内には、重力感知システムが設けられている。これにより、前記扉20を開けた際に、前記ディスプレイ32が前記扉20の内側に面するように回転しても、前記画面は自動的に鏡像反転した後、画面を修正する。
【0017】
本発明に係るキャビネット100は、前記ディスプレイ32が外側に面しているため、前記キャビネット100の外から、その内部を監視できると共に、手動又は電動によって前記ディスプレイ32を回転させて、前記キャビネット100内のサーバー或いは他の電子部品に対する操作もできるため、非常に便利である。また、前記回転可視装置は、前記キャビネット100の前記扉20に設置されるため、前記キャビネット100内の空間を占拠しない。
【0018】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種種の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0019】
100 キャビネット
10 本体
20 扉
22 上部
24 中空部
26 底部
30 回転可視装置
31 回転部材
32 ディスプレイ
322 電源スイッチ
324 ボタン
34 連動軸
36 駆動軸
38 電動機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、本体の1つの側面に設置された開閉可能な扉と、1つの回転可視装置と、を備えてなるキャビネットであって
前記回転可視装置は1つのディスプレイと、前記ディスプレイを前記扉に回転可能に装着する1つの回転部材と、を備え、前記回転部材の回転により、前記ディスプレイを連動させて、前記ディスプレイを前記扉に対して所定の角度に回転することを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記扉上には、1つの中空な中空部が設けられ、前記回転可視装置は前記中空部内に設置され、前記回転部材は、1つの連動軸と、1つの駆動軸と、1つの電動機と、を備え、前記連動軸の2つの側端は、回転可能に前記ディスプレイの1つの側端及び前記扉の前記中空部の1つの側壁にそれぞれ連接され、前記電動機の1つの側壁は、前記中空部のもう1つの側壁に設置され、前記電動機の自由端は、前記駆動軸の1つの側端に連接され、前記駆動軸のもう1つの側端は、前記ディスプレイのもう1つの側端に連接され、前記電動機は、前記駆動軸を回転して、前記連動軸及び前記ディスプレイを連動させることを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記ディスプレイ上には、電源スイッチ及び回転角度を調整するボタンが設置されていることを特徴とする請求項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記ディスプレイはタッチパネルであることを特徴とする請求項2に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記ディスプレイには制御回路が設けられ、前記制御回路は1つの中央処理装置を備え、前記中央処理装置は、電動機に制御信号を送信して、前記電動機の起動及び制動をコントロールすることを特徴とする請求項2に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記制御回路には、更に、1つの記憶ユニットが設けられ、前記記憶ユニットは、前記中央処理装置の処理情報を記録することを特徴とする請求項5に記載のキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252692(P2012−252692A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116381(P2012−116381)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】