説明

キラルなブレンステッド酸による不斉合成用触媒および当該触媒を用いた不斉合成方法

ランタノイド系列元素などの金属を用いることなく且つ容易に合成できる不斉合成用の触媒として使用可能な化合物を提供すること、この化合物を用いた不斉合成方法を提供することおよび該不斉合成方法により得られたキラルな化合物を提供することである。
本発明は、不斉合成においてキラルなブレンステッド酸を触媒として用いるものであり、このキラルなブレンステッド酸としては下記一般式(1)又は下記一般式(3)で表されるものである。また、本発明は、当該触媒を用いる不斉合成方法を提供することであり、当該触媒を用いる不斉合成から得られるキラルな化合物を提供することである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、不斉合成に用いる触媒であり、当該触媒を用いた不斉合成の方法である。そして、本発明の方法により得られるキラルな化合物は、医薬および農薬などに用いる化合物並びにそれらの合成中間体として有用なものである。
【背景技術】
キラルなビナフトール−リン酸誘導体の金属塩によりディールス−アルダー環化反応が知られている(例えば、特開2000−336097参照)が、金属塩でないキラルなビナフトール−リン酸誘導体による即ちキラルなブレンステッド酸を用いる不斉合成法は知られていなかった。また、キラルな尿素誘導体を用いて不斉マンニッヒ型反応を行いキラルな化合物の合成を行っている(例えば、Anna G. Wenzel,外1名,「Asymmetric Catalytic Mannich Reactions Catalyzed by Urea Derivatives: Enantioselective Synthesis of β−Aryl−β−Amino Acids」,Journal of The American Chemical Society,124,12964−5(2002)参照)。
【発明の開示】
従来の不斉マンニッヒ型反応および不斉アザ ディールス−アルダー反応などの不斉合成方法は、生成物に対し高い光学純度を与えるものもあるが、これら反応において、ランタノイド系列元素などの金属を用いることが必須である。このことから、ランタノイド系列元素などの金属を用いることなく且つ容易に合成できる不斉合成触媒として使用可能な化合物を提供することおよび該化合物を用いた不斉合成方法を提供することおよび該不斉合成方法により得られたキラルな化合物を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するため、実用的な反応条件で使用でき且つ高い光学純度を与える不斉合成触媒の開発につき鋭意検討した。この結果、キラルなブレンステッド酸を触媒として用いることにより、高い光学純度の化合物を合成できることを見出し本発明を完成させた。このキラルなブレンステッド酸は、キラルなビナフトール−リン酸誘導体であり、例えば下記式(1)または下記式(3)で示されるキラルなビナフトール−リン酸誘導体である。また、キラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法である。

上記式(1)中、R、R、R、およびRは各々独立していてもよい水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;モノハロゲノメチル基;ジハロゲノメチル基;トリハロゲノメチル基;ニトリル基;ホルミル基;−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基;炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または下記式(2)を表す。

式(2)中のA、A、およびAは各々独立していてもよい炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基で1〜4置換されたフェニル基を表す。

式(3)中、RおよびRは各々独立していてもよい水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;モノハロゲノメチル基;ジハロゲノメチル基;トリハロゲノメチル基;ニトリル基;ホルミル基;−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基;炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。
本発明は、式(1)または式(3)を触媒として用いる不斉合成方法である。
本発明は、キラルなブレンステッド酸、キラルなビナフトール−リン酸誘導体、または式(1)若しくは式(3)を触媒として用いる不斉合成方法により得たキラルな化合物である。
本発明は、キラルなブレンステッド酸、キラルなビナフトール−リン酸誘導体、または式(1)若しくは式(3)の化合物を触媒として用いてイミン誘導体とエノール誘導体とからキラルなアミノ化合物を得る製造方法である。
本発明は、上記の製造方法により得たキラルなアミノ化合物である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉マンニッヒ型反応である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉ヒドロホスホリル化反応である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アザ ディールス−アルダー反応である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アリル反応である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉ストレッカー型反応である。
本発明は、式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アミノアルキル化反応である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明を以下詳細に説明する。なお、iso−を「i−」と、tert−を「t−」などと略し、「n−」は基本的に省略した。
○キラルなブレンステッド酸誘導体
本発明の不斉合成方法に適用することが出来るキラルなブレンステッド酸誘導体としては、上記式(1)で示されるキラルなビナフトール−リン酸誘導体、即ちR体のビナフトール−リン酸誘導体またはS体のビナフトール−リン酸誘導体が例示できる。このことから、式(1)は、R体またはS体を表すものである。この誘導体は、R体またはS体の1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールから合成することができる。例えば、特開昭47−30617号、特開2000−336097号、および米国特許3848030号などに記載の合成方法を参考にして、式(1)を合成することができる。また、これらを参考にして式(3)を合成することができる。
式(1)の合成は、例えばR体またはS体の1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールの水酸基を保護した後、3位、3’位、6位、および/または6’位のハロゲン誘導体を得た後、クロスカップリング反応等により置換基を導入し、オキシ塩化リン等と反応させてリン酸化するものである。このハロゲン誘導体のハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が好ましく、更に臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
このハロゲン誘導体におけるハロゲン原子が結合している位置は、3位、3,3’位、6位、3,6’位、6,6’位、3,3’,6位、3,6,6’位、または3,3’,6,6’位などが例示でき、好ましくは3,3’位、3,6’位、6,6’位、3,3’,6位、または3,3’,6,6’位などであり、更に3,3’位、3,3’,6位、または3,3’,6,6’位などが好ましい。このハロゲン原子の結合位置は、式(1)の置換基の結合位置にも適用できるものである。また、この結合位置は、式(3)の置換基の結合位置にも基本的に適用できるものである。
○式(1)の置換基について
式(1)のR、R、R、およびRは、各々独立していてもよい水素原子であり、R、R、R、およびRが全て水素原子になることはなく、更にRおよび/またはRが水素原子になることは好ましくない。このことから、式(1)のR、R、R、およびRは各々独立していてもよい水素原子(R、R、R、およびRが全て水素原子になることはなく);ハロゲン原子;ニトロ基;モノハロゲノメチル基;ジハロゲノメチル基;トリハロゲノメチル基;ニトリル基;ホルミル基;−COA;−COOA;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基;炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または下記式(2)を表すものが好ましい。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が例示でき、複数種が同時に結合していてもよく、好ましくはフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、更に好ましくは塩素原子または臭素原子である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合するモノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、またはトリハロゲノメチル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が例示でき、好ましくはフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、更に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。また、ハロゲン原子が多く結合したものが好ましい。即ち、トリフルオロメチル基やトリクロロメチル基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合する−COAのAは、炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示すものであり、好ましくはメチル基またはエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合する−COOAのAは、炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示すものであり、メチル基、エチル基、またはプロピル基がよく、更にエチル基が好ましい。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合する炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基としては、炭素数2〜18が好ましく、更に好ましくは炭素数4〜16である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、オクチル基、i−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、およびヘキサデシル基などが例示できる。好ましくは、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、またはオクチル基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合する炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基としては、炭素数3〜18が好ましく、更に好ましくは炭素数4〜16である。具体的には、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、およびヘキサデセニル基などが例示できる。好ましくは、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、またはオクテニル基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合する炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜18のものが好ましく、更に好ましくは炭素数4〜16のものである。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、i−ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、i−オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、およびヘキサデシルオキシ基などが例示できる。好ましくは、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、またはオクチルオキシ基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRに結合するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フェナントリル基、およびアントリル基などが例示でき、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、または2−ナフチル基である。
式(1)のR、R、R、および/またはRとしてアリール基により1〜2置換されたアリール基が例示できる。このアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、およびアントリル基などが例示でき、好ましくは、フェニル基またはナフチル基であり、アリール基に結合するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、およびアントリル基などが例示でき、好ましくは、フェニル基またはナフチル基である。
この具体例として、ビフェニル基、ナフチルフェニル基、フェニルナフチル基、およびナフチルナフチル基などが例示できる。
式(1)のR、R、R、および/またはRとしては、ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基が例示できる。
このアリール基に結合するアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、更に好ましくは炭素数1〜6である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基などが例示できる。このアリール基としては、トリル基、キシリル基、メシチル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、およびメチルアントリル基などが例示できる。そして好ましくは、トリル基、キシリル基、メシチル基、またはメチルナフチル基である。
このアリール基に結合するアルケニル基としては、炭素数3〜18が好ましく、更に好ましくは炭素数4〜16である。具体的には、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、およびヘキサデセニル基などが例示できる。好ましくは、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、またはオクテニル基である。
このアリール基に結合するアルコキシ基としては、炭素数1〜12が好ましく、更に好ましくは炭素数1〜6である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、i−ヘキシルオキシ基などが例示できる。好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、またはプロポキシ基である。
このアリール基に結合する置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、および−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたものであり、更にニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、およびニトリル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたものが好ましい。このアリール基の具体例として、p−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、o−ニトロフェニル基、2,4−ジニトロフェニル基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、m−ブロモフェニル基、o−ブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチルフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−トリクロロメチルフェニル基、m−トリクロロメチルフェニル基、o−トリクロロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ジ(トリクロロメチル)フェニル基、p−シアノフェニル基、m−シアノフェニル基、o−シアノフェニル基、などがフェニル基に結合したものが誘導体として例示できる。また、1−ナフチル基および2−ナフチル基についても同様の置換基を有するものが例示できる。
式(1)のR、R、R、および/またはRとしてニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基が例示できる。
この1〜4置換されていてもよいアリール基としては、上記記載の置換基を有するアリール基を用いることができ、好ましいものも同様である。置換基を有するアリール基により1〜2置換されたアリール基において好ましくは1置換されたものである。
式(1)中、R、R、R、および/またはRにおける炭素数3〜8のシクロアルキル基として好ましくは、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基などが例示できる。好ましくは、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基である。
式(1)中、R、R、R、および/またはRにおける式(2)としては、トリフェニルシリル基、トリメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、およびジフェニルメチルシリル基などが例示できる。好ましくは、トリフェニルシリル基、トリメチルシリル基、またはジフェニルメチルシリル基である。
式(1)におけるR、R、R、およびRについて例示してきたが、キラルなブレンステッド酸にニトロ基やトリフルオロメチル基などのような電子求引性を有する基が結合していることが、本発明の不斉合成方法のために好ましい。このような電子求引性基としては、ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)、および−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す)などが例示でき、更にニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、またはホルミル基が好ましく例示できる。尚、このモノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、またはトリハロゲノメチル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が例示でき、好ましくはフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、更に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。また、−COAのAは、炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示すものであり、好ましくはメチル基またはエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。また、−COOAとしては、炭素数1〜6個のアルキル基が結合したエステル基でも良く、好ましくはエチルエステル基である。
本発明における式(1)のR、R、R、およびRとしては、電子求引性を有する基が結合しているアリール基が好ましく、更に電子求引性を有する基が結合しているフェニル基が好ましく、特にニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、またはホルミル基が結合したフェニル基が好ましいものである。これらの電子求引性基は複数結合していてもよい。ニトロ基やトリフルオロメチル基などのような電子求引性を有するアリール基がRおよびRに結合していることが好ましい。なお、アリール基に結合する電子求引性基は、電子求引性を示す位置に結合していることが好ましい。
式(1)における置換基が結合するものは、R、R、R、およびRであるが、RおよびRが好ましい。
本発明における式(3)のRおよびRとしては、式(1)で例示したものを用いることができる。
本発明において不斉合成触媒としては式(1)で示される化合物を用いる方が好ましい。
不斉合成に用いる式(1)または式(3)に代表されるキラルなブレンステッド酸は、酸触媒として用いることができるものであれば塩となっていてもよい。
本発明において用いられるキラルなビナフトール−リン酸誘導体を下記に例示した。なお、下記に例示した化合物はR体またはS体のものであるが、表示を省略した。即ち、(R)−3,3’−ビス(4−ニトロフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、および(S)−3,3’−ビス(4−ニトロフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を3,3’−ビス(4−ニトロフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸として表示した。
キラルなビナフトール−リン酸誘導体としては、3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジエチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−プロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジイソプロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−t−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−ペンチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−ヘキシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジシクロヘキシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−ヘプチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−ノニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジ−デシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−メチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、6,6’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ジオクテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、6,6’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−22’−ジイルリン酸、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、6,6’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(トリフェニルシリル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(メシチル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−ビフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(2−ナフチル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−4−イル))−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−ナフタレン−2−イル−フェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−トリクロロメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス[3,5−ジ(トリクロロメチル)フェニル]−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−ニトロフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(3,5−ジニトロフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−シアノフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、6,6’−ジブロモ−3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸などが例示できる。
式(1)で示される化合物の3,3’位の置換基は、式(3)のものとして適用できるものもある。例えば、3,3’−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−トリクロロメチルフェニル)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス[3,5−ジ(トリクロロメチル)フェニル]−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(4−ニトロフェニル)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、3,3’−ビス(3,5−ジニトロフェニル)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸などが例示できる。
○不斉反応への適用例
本発明は、ブレンステッド酸を触媒として用いる合成反応に適用することができる。即ち、キラルなブレンステッド酸を触媒として用いることによりキラルな化合物の反応生成物を得ることができる。本発明を適用できる反応としては、不斉マンニッヒ型反応、不斉アザ ディールス−アルダー反応、不斉アリル反応、不斉ヒドロホスホリル化反応、不斉ストレッカー型反応、および芳香族化合物の不斉アミノアルキル化反応等が挙げられる。しかし、キラルなビナフトール−リン酸誘導体である式(1)または式(3)を触媒として用いてキラルな化合物が得られるものであれば、これらの反応例に限られるものではない。
本発明の反応により得られる生成物の絶対配置は、キラルなブレンステッド酸の絶対配置に依存する。即ち、R体の−ブレンステッド酸を用いた場合、これに対応した不斉炭素を有する生成物を与え、そしてS体の−ブレンステッド酸を用いた場合、これに対応した不斉炭素を有する生成物を与える。R体の式(1)を用いた場合、これに対応した不斉炭素を有する生成物を与え、そしてS体の式(1)を用いた場合、これに対応した不斉炭素を有する生成物を与える。なお、生成物の絶対配置については、R体の−ブレンステッド酸の場合がR体を与えるということではなく、合成原料により生成物の絶対配置は異なる。なお、式(3)についても同様である。
本発明の触媒を用いて不斉合成反応を実施するとき、反応系内を脱水する目的で、必要に応じてモレキューラシーブ3A、4A、5Aに代表されるA型ゼオライト、モレキュラシーブ13X、Y型、L型等様々なゼオライトを使用しても良い。
○不斉マンニッヒ型反応
本発明を適用して行う不斉マンニッヒ型反応としては、下記の式(4)で表されるエノール誘導体と下記式(5)で表されるイミン誘導体とから下記式(6)で表されるアミノ化合物を得るものが例示できる。

式(4)中のRは、水素原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個のアルキル基を有していてもよいアリール基を示し、Rは、水素原子または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ異なってもよい炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基で1〜4置換されたフェニル基を表す。

式(5)中のRは水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基を示し、R10は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基を示す。

式(6)中のR〜Rは式(4)と同様なものであり、RとR10は式(5)と同様なものである。
本発明を不斉マンニッヒ型反応に適用するときの式(1)または式(3)の使用量については、あらゆる量比で使用可能であるが、余りにも過剰量の使用は経済的でなく、余りにも少量では不斉合成反応が進行しない場合があり好ましくない。このことから、本発明を不斉マンニッヒ型反応に適用するときのキラルなブレンステッド酸である式(1)または式(3)の使用割合は、式(5)で表されるイミン誘導体に対して0.01モル%以上であり、90モル%以下である。このことから、式(1)または式(3)の使用割合は、0.01〜90モル%が好ましく、更に0.1〜60モル%が好ましく、特に1〜50モル%が好ましく、更に3〜30モル%が特に好ましい。
本発明を他の不斉合成に適用するときのキラルなブレンステッド酸の割合は、この不斉マンニッヒ型反応に適用した割合を適用することができる。
本発明における不斉マンニッヒ型反応に適用可能なイミン類としては、あらゆるイミン類が適用可能であり、具体的には、式(5)が挙げられる。
具体的にイミン類化合物としては、式(5)のRが水酸基で、そしてR10が水素原子である化合物などが挙げられる。
本発明における不斉マンニッヒ型反応に適用可能なエノール類としては、あらゆるエノール類が適用可能であり、具体的には、式(4)が挙げられる。
式(4)のRは、水素原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個のアルキル基を有していてもよいアリール基であり、好ましくは炭素数1〜6個のアルキル基またはアリール基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(4)のRは、水素原子または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜6個のアルキル基、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(4)のRは、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、またはプロピル基である。
式(4)のRは、それぞれ異なってもよい炭素数1〜4個の分岐を有してもよいアルキル基またはフェニル基であり、好ましくはそれぞれ異なってもよい炭素数1〜4個の分岐を有してもよいアルキル基あり、更に好ましくは炭素数1〜3個の分岐を有してもよいアルキル基である。
具体的にエノール類化合物として、式(4)のRおよびRがメチル基でRがメトキシ基でRがメチル基のもの、RおよびRがメチル基でRがメトキシ基でRがt−ブチル基とメチル基のもの、RおよびRがメチル基でRがi−プロポキシ基でRがメチル基のもの、RおよびRが水素原子でRがメトキシ基でRがメチル基のものなどが挙げられる。
式(4)は、カルボン酸エステル、ケトン類、またはアルデヒド類と下記式(7)で例示できるシリルクロライドなどとから得ることができる。

式(7)中のRは、式(4)のRと同様なものである。
例えばシクロヘキサノンのシリルエノールエーテル体である1−シクロヘキセニルオキシ−[((1−ナフチル)フェニル)メチル]ジメチルシランは、シクロヘキサノンを低温(例えば−78℃)でリチウムジイソプロピルアミドにて処理してリチウムエノラートを発生させ、これを[((1−ナフチル)フェニル)メチル]ジメチルシリルクロリドで捕捉すればよい。同様な方法により、アセトンやベンゾフェノン等の活性水素を有するケトンからも、対応するシリルエノールエーテルに誘導することができる。また、酢酸ベンジルのシリルケテンアセタール体は、酢酸ベンジルを低温(例えば−78℃)でリチウムジイソプロピルアミドにて処理してリチウムエノラートを発生させ、これを[((1−ナフチル)フェニル)メチル]ジメチルシリルクロリドで捕捉すればよい。同様に活性水素を有するカルボン酸エステルからも、対応するシリルケテンアセタールに誘導することができる。
本発明の式(4)を得るために適用可能なケトン類としては、ほとんどのケトンが適用可能であり、アセトフェノン、(4−メチルフェニル)アセトフェノン、(3−メチルフェニル)アセトフェノン、(2−メチルフェニル)アセトフェノン、(4−エチルフェニル)アセトフェノン、(3−エチルフェニル)アセトフェノン、(2−エチルフェニル)アセトフェノン、(4−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、(3−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、(2−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(3−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(2−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−ブタン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)−ブタン−1−オン、1−(3−メチルフェニル)−ブタン−1−オン、1−(2−メチルフェニル)−ブタン−1−オン、1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(3−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(2−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−フェニル−ペンタン−1−オン、1−フェニル−ヘキサン−1−オン、1−フェニル−ヘプタン−1−オン、1−フェニル−オクタン−1−オン、1−フェニル−ノナン−1−オン、1−フェニル−デカン−1−オン、1−フェニル−ウンデカン−1−オン、1−フェニル−ドデカン−1−オン、1−フェニル−トリデカン−1−オン、1−フェニル−テトラデカン−1−オン、1−フェニル−ペンタデカン−1−オン、1−フェニル−ヘキサデカン−1−オン、メチル−t−ブチルケトン、エチル グリオキシレート、エチル フェニルグリオキシレート、メチル フェニルグリオキシレート、エチル i−プロピルグリオキシレート、エチル フェニルエテニルグリオキシレート、エチル シクロヘキシルグリオキシレートなどが例示できる。
本発明の式(4)を得るために適用可能なアルデヒド類としては、ほとんどのアルデヒドが適用可能であり、ギ酸エチル、メトキシカルボニルアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール、イソブタナール、ペンタナール、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、ナフチル−2−アルデヒド、2−フルフラール、桂皮アルデヒド、3−フェニルプロパナール、2−ベンジルオキシアセトアルデヒド等が例示でき、さらにアルデヒド類似化合物としてベンジルイミン、フェニルチオアミド等が例示できる。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用するに当たっては、式(5)で代表されるイミン類と式(4)で代表されるケトン類またはエノール類とを等モル量で反応させることが多いが、1モルのイミン類に対してケトン類またはエノール類を0.1〜10モルで使用しても良く、好ましくは1〜5モルであり、更に好ましくは1〜4モルである。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用するに当たっては、溶媒として反応に不活性な溶媒であれば、ほとんどのものが適用可能である。具体的には、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、および1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化溶媒、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、およびメシチレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられ、好ましくは芳香族系溶媒である。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用するに当たって反応温度としては、反応に用いる化合物により異なるが、通常、−100℃〜50℃の範囲で実施可能であり、−80℃〜0℃が好ましく、更に−78℃〜−40℃が好ましい。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用するに当たって、反応に用いる式(4)と式(5)との濃度は、溶媒に溶解できれば特に限定はない。なお、溶解できないほど高濃度であっても、反応に支障がなければ本不斉合成方法を適用することができる。通常は、溶媒に対し0.1質量%〜50質量%の範囲である。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用するに当たっての反応時間は、反応に用いる化合物の種類およびキラルなブレンステッド酸触媒の種類により異なるが、通常は1〜96時間で行うことができる。
本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応に適用した後の処理は、一般的な精製方法を用いることができる。具体例としては、炭酸水素ナトリウム水溶液を適量反応液中に添加し、次い酢酸エチルエステルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、ろ液を濃縮することにより生成物を得る方法等である。この生成物の精製に当たっては、分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、蒸留、または再結晶等の一般的な方法を用いることができる。
以上、本発明を不斉マンニッヒ型反応に適用したものについて説明したが、先に述べたように不斉アザ ディールス−アルダー反応、不斉アリル化反応、不斉ヒドロホスホリル化反応、不斉ストレッカー型反応、および不斉芳香族化合物のアミノアルキル化反応などにも、本発明を適用することができる。
本発明をこれらの不斉反応に適用するにあたり、各反応条件は、不斉マンニッヒ型反応において記載した条件を準用することができる。即ち、各種不斉反応における酸触媒量を考慮し、不斉マンニッヒ型反応において記載した条件を適用すればよい。
○不斉アザ ディールス−アルダー反応
本発明を適用して行う不斉アザ ディールス−アルダー反応としては、式(5)と下記式(8)とから下記式(9)を得るものが例示できる。
不斉アザ ディールス−アルダー反応に用いる式(5)としては、不斉マンニッヒ型反応に適用したものと同様なものを用いることが出来る。

式(8)中のRは式(4)のRと同様なものを用いることができ、R11は炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基を示す。好ましくはメチル基またはエチル基である。

式(9)中のRとR10は式(5)と同様なものである。
○不斉アリル反応
本発明を適用して行う不斉アリル反応としては、下記の式(10)と下記式(11)とから下記式(12)を得るものが例示できる。

式(10)中のR12は炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基または置換基を有するアリール基を示し、R13は水酸基などの置換基を有していてもよいアリール基を示す。

式(11)中のB1は、トリアルキルスタニル基またはトリアルキルシリル基を示し、このアルキル基としては炭素数1〜6個の分岐を有していても良いものである。

式(12)中のR12とR13は式(10)と同様なものである。
式(10)中のR12は炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基または置換基を有するアリール基を示し、好ましくはメチル基、エチル基、またはフェニル基などが例示でき、R13は水酸基などの置換基を有していてもよいアリール基を示し、好ましくはフェニル基や水酸基を有するフェニル基が例示でき、特に好ましくは2−ハイドロキシフェニル基である。
式(11)中のB1は、トリアルキルスタニル基またはトリアルキルシリル基を示し、このアルキル基としては炭素数1〜6個の分岐を有していても良いものであり、好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(12)中のR12とR13は式(10)と同様なものである。
○不斉ヒドロホスホリル化反応
本発明を適用して行う不斉ヒドロホスホリル化反応としては、式(10)と下記式(13)とから式(14)を得るものが例示できる。

式(13)中のR14は炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基を示す。

式(14)中のR12とR13は式(10)と同様なものであり、R14は式(13)と同様のものである。
式(13)中のR14は炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基を示し、好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(14)中のR12とR13は式(10)と同様なものであり、R14は式(13)と同様のものである。
○不斉ストレッカー型反応
本発明を適用して行う不斉ストレッカー型反応としては、式(10)と下記式(15)とから式(16)を得るものが例示できる。

式(15)中のB2は、水素原子、トリアルキルスタニル基、またはトリアルキルシリル基を示し、このアルキル基としては炭素数1〜6個の分岐を有していても良いものである。

式(16)中のR12とR13は式(10)と同様なものである。
式(15)中のB2は、水素原子、トリアルキルスタニル基、またはトリアルキルシリル基を示し、このアルキル基としては炭素数1〜6個の分岐を有していても良いものであり、好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(16)中のR12とR13は式(10)と同様なものである。
○芳香族化合物の不斉アミノアルキル化反応
本発明を適用して行う芳香族化合物の不斉アミノアルキル化反応としては、式(10)と下記式(17)とから式(18)を得るものが例示できる。

式(17)中のR15は、複数結合していてもよく、複数結合しているときは、それぞれ異なっていてもよく、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基を示す。

式(18)中のR12とR13は式(10)と同様なものであり、R15は式(17)と同様なものである。
式(17)中のR15は、複数結合していてもよく、複数結合しているときは、それぞれ異なっていてもよく、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基を示す。そして、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、またはプロピル基が好ましく、炭素数1〜6個の分岐を有してもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましいものである。
式(18)中のR12とR13は式(10)と同様なものであり、R15は式(17)と同様なものである。
本発明は、ブレンステッド酸を触媒として用いる合成反応に適用して、キラルな化合物を得ることができる。このとき、金属塩または金属錯体を用いないものであることから、環境への負荷が少ないものである。更に、本発明を適用した不斉合成の条件についても、ブレンステッド酸を触媒として用いる合成反応の条件をほぼそのまま流用することができる。
本発明を適用して得られたキラルな化合物は、香料、医薬、および農薬などに用いる化合物並びにそれらの合成中間体として有用なものである。
・式(1)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、R、R、R、およびRは、各々独立していてもよい水素原子(R、R、R、およびRが同時に水素原子になることはなく);アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。更に、RまたはRに水素原子が結合することは好ましくない。
・式(3)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(3)中、RおよびRは、各々独立していてもよい水素原子(RおよびRが同時に水素原子になることはなく);アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。更に、RまたはRに水素原子が結合することは好ましくない。
・式(1)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、RおよびRは、各々独立していてもよい水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基、炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基、炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基、アリール基であり、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(3)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(1)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、RおよびRは、各々独立していてもよい水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基であり、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(3)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(1)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、RおよびRは、各々独立していてもよい、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、1〜20の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基、またはアリール基であり、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(3)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;または式(2)を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(1)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、RおよびRは、各々独立していてもよい水素原子またはハロゲン原子であり、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;またはニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・式(3)で示されるキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法で、この式(1)中、RおよびRは、各々独立していてもよい;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;またはニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA、−COOA、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基を表す。なお、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示す。
・芳香族系溶媒中でキラルなブレンステッド酸を触媒として用いる不斉合成方法。
・芳香族系溶媒中で式(1)または式(3)を触媒として用いる不斉合成方法。
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。Mはモル濃度(mol/リットル)を示す。合成操作は、反応系内を窒素ガス置換し、試薬や溶媒などは脱水して用いた。
<合成例1>
○(R)−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA06)の合成
(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール((R)−BINOLと称する)、ヨウ化メチル、および炭酸カリウムとをアセトン中30時間還流して、GA06を得た。
<合成例2>
○(R)−3,3’−diiodo−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA12)の合成
三口ナスフラスコにジエチルエーテル(200ml)およびN,N,N’,N’−tetramethylethylenediamine(TMEDA;26.2mmol.)を加え撹拌した。n−Butyllithium(n−BuLi;48.9mmol.)を室温で20分間以上かけ滴下した。その後、合成例1で得たGA06(19.1mmol.)を添加し終夜撹拌した。この反応液を−78℃に冷却し、ヨウ素(71.2mmol.)をテトラヒドロフラン(24ml)に溶解したものを滴下し、1時間撹拌した。その後、室温に昇温し、更に12時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、水を加えて2時間撹拌し反応を停止させた。この溶液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液をチオ硫酸ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA12(10.6mmol、収率55%)を得た。
Rf=0.3(Hexane:CHCl=6:1)。
H−NMR(400MHz、CDCl)δ=8.53(s,2H),7.80(d,2H,J=7.7Hz),7.41(m,2H),7.27(m,2H),7.07(d,2H,J=8.6Hz),3.42(s,6H)。
<合成例3>
○(R)−3,3’−diphenyl−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA03)の合成
三口ナスフラスコに合成例2で得たGA12(7.1mmol.)、Nickel(II)acetylacetonate(Ni(ACAC)、0.73mmol.)、およびベンゼン(40ml)を入れ、これに別途調製したPhenylMgBrを室温で10分間以上かけて滴下し、更に30分間撹拌した。その後、12時間加熱還流した。この反応液は、0℃に冷却し、1M塩酸を加えて1時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮してカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA03を得た。
<合成例4>
○(R)−3,3’−diphenyl−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA04)の合成
二口ナスフラスコに合成例3で得たGA03(1.91mmol.)およびピリジン(7.8ml)を入れ、この溶液に塩化ホスホリル(2.69mmol.)を室温で7分間かけて滴下し、更に2時間撹拌した。その後、1時間加熱還流した。この反応液は、室温まで冷却し、蒸留水(1.6ml)を滴下し、1.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、ピリジンを減圧留去し、6M塩酸(15ml)を滴下し、更に2時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却し、ろ過、ろ液を水で洗浄し乾燥した。メタノールで再結晶しGA04を得た。
<合成例5>
○(R)−3,3’−dibromo−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA07)の合成
三口ナスフラスコに合成例1で得たGA06(12.6mmol.)およびジエチルエーテル200mlを入れ、これにn−BuLi(37.4mmol.)およびTMEDA(30mmol.)を室温で加え、3時間撹拌した。この反応液を−78℃に冷却し、臭素(177mmol.)をジエチルエーテル50mlに溶かしたものを滴下し、4時間撹拌した。その後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで3回抽出し、抽出液は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液から溶媒を減圧下留去し、カラムクロマトグラフィー(Hexane:Ethyl acetate(AcOEt)=5:1)で精製してGA07を得た。
<合成例6>
○(R)−3,3’−dibromo−1,1’−binaphthol(GA08)の合成
三口ナスフラスコに合成例5で得たGA07(5.77mmol.)およびジクロロメタン(55ml)を入れ、これを0℃に冷却した。この溶液に、7.9gのBoron tribromide(BBr、5.47mmol.)を20mlのジクロロメタンに溶解したものを滴下した。滴下後、室温まで昇温し、更に5時間撹拌した。そして、0℃に冷却し、水を加えて反応を停止させた。この溶液をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体をカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA08(5.39mmol.、収率93%)を得た。
Rf=0.2(Hexane:CHCl=2:1)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.24(s,2H),7.80(d,2H,J=8.1Hz),7.37(dd,2H,J=8.2,8.1Hz),7.29(dd,2H,J=8.2,8.4Hz),7.09(d,2H,J=8.4Hz),5.54(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=148.01,132.75,129.72,127.56,127.38,124.84,124.62,114.62,112.25。
<合成例7>
○(R)−3,3’−dibromo−2,2’−bis(triphenylsiloxy)−1,1’−binaphthyl(GA09)の合成
二口ナスフラスコに合成例6で得たGA08(1.89mmol.)およびDMFを入れ、これにImidazole(5.29mmol.)およびTriphenylsilyl chloride(5.79mmol.)を加え、室温で5時間撹拌した。5時間後TLCでGA08の消失を確認した。そして、この溶液を0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を滴下して反応を停止させた。この反応液を酢酸エチルエステルで3回抽出し、合わせた抽出液を1M塩酸、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。ここで得られた固体はカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA09(1.87mmol.、収率99%)を得た。
Rf=0.4(Hexane:CHCl=2:1)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.65(s,2H),7.46(d,2H,J=7.5Hz),7.41−7.35(m,4H),7.28−7.24(m,20H),7.18−7.02(m,20H),6.82(d,2H,J=8.6Hz)。
<合成例8>
○(R)−3,3’−bis(triphenylsilyl)−1,1’−binaphthol(GA10)の合成
三口ナスフラスコに合成例7で得たGA09(2.69mmol.)およびテトラヒドロフラン(40ml)を入れ、0℃冷却した。この溶液にt−Butyllithium(t−BuLi;5.47mmol.)を10分間以上かけ滴下した。滴下後、室温まで昇温し、更に1.5時間撹拌した。そして、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。この反応液をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA10(2.69mmol.、quant.)を得た。
Rf=0.4(Hexane:CHCl=2:1)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.91(s,2H),7.72−7.23(m,38H),5.29(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=156.51,142.08,136.40,136.31,135.19,134.77,134.28,129.78,129.51,129.23,129.07,128.18,127.82,127.70,123.91,123.85,123.68,110.66,96.14。
<合成例9>
○(R)−3,3’−bis(triphenylsilyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA11)の合成
二口ナスフラスコに合成例8で得たGA10(0.94mmol.)およびテトラヒドロフラン(8ml)を入れ、−20℃まで冷却した。ここにn−BuLi(2.0mmol.)を5分間かけ滴下した。反応液は、室温まで昇温し、更に2時間撹拌した。この反応液に塩化ホスホリル(1.1mmol.)をテトラヒドロフラン(3.5ml)に希釈したものを15分間かけて滴下し、更に室温で1時間撹拌した。その後、蒸留水(0.4ml)およびトリエチルアミンを加えて、5時間加熱還流した。反応液は室温まで冷却し、溶媒を減圧留去し、6M塩酸(12ml)を加えて、5時間加熱還流した。反応液は、0℃まで冷却し、ろ過し、ろ液は水で洗浄し乾燥した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーを用い、Hexane:Toluene=1:1で原料を分離し、その後、トルエンで溶出してGA11(0.54mmol.、収率57%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.15(d,2H,J=9.0Hz),7.82(d,2H,J=8.2Hz),7.66−7.60(m,12H),7.47−7.14(m,24H)。
<合成例10>
○(R)−3,3’−dimesityl−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA13)の合成
三口ナスフラスコに合成例2で得たGA12(7.1mmol.)、Ni(ACAC)(0.73mmol.)、およびベンゼン(40ml)を入れ、別途調製したMesitylMgBrを室温で10分間以上かけてこの溶液に滴下し、更に30分間撹拌した。その後、12時間加熱還流した。この反応液は、0℃に冷却し1M塩酸を加えて1時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮してカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA13(5.03mmol.、収率71%)を得た。
Rf=0.3(Hexane:CHCl=6:1)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.85(d,2H,J=8.1Hz),7.69(s,2H),7.41−7.37(m,2H),7.26(s,4H),6.97(s,4H),3.10(s,6H),2.35(s,6H),2.18(s,6H),2.13(s,6H)。
<合成例11>
○(R)−3,3’−dimesityl−1,1’−binaphthol(GA14)の合成
合成例10で得たGA13に対して合成例6と同様の脱保護基操作を行いGA14(収率95%)を得た。
Rf=0.3(Hexane:CHCl=2:1)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.84(d,2H,J=8.1Hz),7.72(s,2H),7.36−7.23(m,6H),6.98(s,4H),5.00(s,4H),2.31(s,6H),2.13(s,6H),2.06(s,6H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=149.97,137.71,137.10,137.04,133.39,132.88,130.62,129.43,129.40,128.49,128.41,128.21,126.78,124.51,123.82,112.94,21.11,20.50,20.41。
<合成例12>
○(R)−3,3’−dimesityl−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA15)の合成
二口ナスフラスコに合成例11で得たGA14(1.91mmol.)およびピリジン(7.8ml)を入れ、これに塩化ホスホリル(2.69mmol.)を室温で7分間かけて滴下し、更に2時間撹拌した。その後、1時間加熱還流した。反応液は、室温まで冷却し、蒸留水(1.6ml)を滴下し、1.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、ピリジンを減圧留去し、6M塩酸(15ml)を滴下し、更に2時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却し、ろ過、ろ液を水で洗浄し乾燥した。メタノールで再結晶しGA15(1.30mmol.、収率68%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.89(d,2H,J=8.1Hz),7.73(s,2H),7.48−7.44(t,2H,J=7.3Hz),7.36(d,2H,J=8.6Hz),7.29(d,2H,J=7.5Hz),6.76(s,2H),6.68(s,2H),2.13(s,6H),2.00(s,6H),1.96(s,6H)。
<合成例13>
○(R)−3,3’−bis(dihydroxyborane)−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GA16)の合成
三口ナスフラスコにジエチルエーテル(300ml)およびTMEDA(55.1mmol.)を入れ、この溶液にn−BuLi(56.2mmol.)を室温で5分間以上かけ滴下し、更に合成例1で得たGA06(19.1mmol.)を添加し、3時間撹拌した。この反応液を−78℃に冷却した後、(EtO)B(117.5mmol.)を10分間以上かけ滴下し、その後、室温に昇温し終夜撹拌した。この反応液を0℃に冷却し、1M塩酸を加え2時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体をトルエンで2回再結晶し、GA16(12.0mmol.、収率63%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.62(s,2H),7.99(d,2H,J=8.1Hz),7.44(t,2H,J=7.6Hz),7.32(t,2H,J=7.6Hz),7.16(d,2H,J=8.2Hz),6.12(brs,4H),3.31(s,6H)。
<合成例14>
○(R)−3,3’−Bis(4−biphenyl)−1,1’−binaphthol(GA18)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に4−bromobiphenyl(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体を合成例6と同様の操作で脱保護した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーを用い、初めにHexane:CHCl=4:1で4−bromobiphenylを分離し、Hexane:CHCl=1:1でGA18(4.30mmol.、収率86%)を分離精製した。
Rf=0.5。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.08(s,2H),7.93(d,2H,J=7.9Hz),7.84−7.81(m,4H),7.72−7.70(m,4H),7.67−7.65(m,4H),7.47−7.22(m,4H),5.40(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=150.23,140.74,140.58,136.41,132.92,131.39,130.24,130.00,129.50,128.80,128.48,127.42,127.40,127.18,127.12,124.40,124.25,112.30。
<合成例15>
○(R)−3,3’−bis(4−biphenyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA19)の合成
合成例14で得たGA18に対して合成例12と同様の操作を行い、固形分を得た。この固形分についてn−ヘキサンとジクロロメタンとで再結晶し、GA19(1.59mmol.、収率84%)を分離精製した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(brs,2H),8.07(s,2H),7.97(d,2H,J=8.1Hz),7.88(d,2H,J=8.1Hz),7.62−7.29(m,20H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=141.32,140.41,139.67,136.88,133.70,132.23,131.26,130.83,130.45,128.73,128.31,127.28,126.99,126.81,126.52,126.26,126.05,125.48,123.14。
<合成例16>
○(R)−3,3’−bis(2−naphthyl)−1,1’−binaphthol(GA28)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に2−bromonaphthalene(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体を合成例6と同様の操作で脱保護した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーを用い、初めにHexane:CHCl=4:1で2−bromonaphthaleneを分離し、Hexane:CHCl=2:1でGA28(3.26mmol.、収率82%)を分離精製した。
Rf=0.4。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.21(s,2H),8.13(s,2H),7.96−7.86(m,10H),7.53−7.47(m,4H),7.43−7.28(m,6H),5.46(brs,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=150.30,135.00,133.45,133.03,132.76,131.69,130.63,129.53,128.50,128.20,127.92,127.67,127.43,126.27,126.23,124.40,124.32,112.48。
<合成例17>
○(R)−3,3’−bis(2−naphthyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA29)の合成
合成例16で得たGA28に対して合成例12と同様の方法で操作して固形分を得た。得られた固形分はエタノールで再結晶しGA29(1.75mmol.、収率72%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.03(s,4H),7.97(d,2H,J=8.4Hz),7.69(d,2H,J=8.1Hz),7.59(d,2H,J=7.3Hz),7.47(d,8H,J=8.1Hz),7.33−7.19(m,6H),6.53(brs,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=146.09,142.52,141.30,140.53,135.51,134.26,133.01,132.40,132.25,131.31,131.04,128.77,128.39,128.29,127.35,127.14,126.19,125.56,125.39,124.91,123.27。
<合成例18>
○p−bromo−iodobenzene(GA31)の合成
三口ナスフラスコにp−ジブロモベンゼンとジエチルエーテル(135ml)を入れ、−78℃に冷却し、t−BuLi(89.60mmol.)を滴下し、30分間撹拌した。この反応液にテトラヒドロフラン(15ml)に溶かしたヨウ素(44.90mmol.)を15分間かけ滴下し、30分間撹拌した後、室温に昇温し、更に4時間撹拌した。この反応液を0℃に冷却し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。この反応液を酢酸エチルエステルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体をエタノールから再結晶しGA31(36.70mmol.、収率82%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.56−7.53(m,2H),7.26−7.21(m,2H)。
<合成例19>
○2,4,6−trimethylboronic acid(GA33)の合成
三口ナスフラスコにマグネシウム(60.27mmol.)とテトラヒドロフラン(30ml)を加え撹拌した。この溶液にブロモメシチレン(13.07mmol.)を加え、加熱した。その後、ブロモメシチレン(32.02mmol.)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶かし滴下した。この反応液を4.5時間加熱還流した。その後、−78℃に冷却し、(EtO)B(111.66mmol.)を15分間かけ滴下し、その後、室温に昇温し、更に5時間撹拌した。そして0℃に冷却、1M塩酸を加えて2時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体をベンゼンから再結晶しGA33(26.10mmol.、収率58%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=6.82(s,2H),4.73(brs,2H),2.33(s,6H),2.26(s,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=139.64,138.66,127.99,127.26,22.89,22.03,21.12。
<合成例20>
○4−Bromo−2’,4’,6’−trimethylbiphenyl(GA35)の合成
三口ナスフラスコに合成例19で得たGA33(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に合成例18で得たGA31(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーを用い、初めにHexane:CHCl=2:1で分離し、Hexane:CHCl=1:1で分離精製してGA35(11.50mmol.、収率86%)を得た。
Rf=0.6。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.52(d,2H,J=8.2Hz),7.00(d,2H,J=8.2Hz),6.92(s,2H),2.31(s,3H),1.98(s,6H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=139.95,137.66,136.89,135.74,131.56,131.07,128.13,120.60,20.99,20.68。
<合成例21>
○(R)−3,3’−bis[4−(2’,4’,6’−trimethylbiphenyl)]−1,1’−binaphthol(GA37)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に合成例20で得たGA35(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体を合成例6と同様の操作で脱保護した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA37(2.85mmol.、収率78%)を得た。
Rf=0.5(Hexane)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.12(s,2H),7.95(d,2H,J=8.2Hz),7.81(d,2H,J=8.4Hz),7.42−7.39(m,2H),7.36−7.32(m,2H),7.28−7.24(m,6H),6.97(s,4H),5.45(s,2H),2.34(s,6H),2.07(s,12H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=150.18,140.59,138.61,136.67,136.03,135.56,132.95,131.37,130.46,129.54,129.47,128.44,128.10,127.32,124.34,124.31,112.47,21.02,20.86。
<合成例22>
○(R)−3,3’−bis[4−(2’,4’,6’−trimethylbiphenyl)]−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA38)の合成法
二口ナスフラスコに合成例21で得たGA37(1.91mmol.)およびピリジン(7.8ml)を入れ、この溶液に塩化ホスホリル(2.69mmol.)を室温で7分間かけて滴下し、更に2時間撹拌した。その後、1時間加熱還流した。反応液は、室温まで冷却し、蒸留水(1.6ml)を滴下し、1.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、ピリジンを減圧留去し、6M塩酸(15ml)を滴下し、更に2時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却し、ろ過、ろ液を水で洗浄し乾燥した。エタノールで再結晶しGA38(1.75mmol.、収率87%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.35(brs,1H),8.07(s,2H),7.92(d,2H,J=8.1Hz),7.51−7.43(m,4H),7.33−7.24(m,4H),7.17(d,4H,J=8.1Hz),2.32(s,6H),1.98(s,12H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=142.15,139.97,138.73,136.31,135.95,135.72,134.11,132.19,131.19,130.95,130.06,128.95,128.22,127.90,127.03,126.08,125.88,125.35,123.07,20.97,20.71。
<合成例23>
○2−naphthylboronic acid(GA40)の合成法
三口ナスフラスコにマグネシウム(60.27mmol.)とテトラヒドロフラン(30ml)とを加え撹拌した。この溶液に2−ブロモナフタレン(13.07mmol.)を加え、加熱した。その後、2−ブロモナフタレン(32.02mmol.)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶かし滴下した。この反応液を4.5時間加熱還流した。その後、−78℃に冷却し、(EtO)B(111.66mmol.)を15分間かけ滴下し、その後、室温に昇温し、更に5時間撹拌した。そして0℃に冷却、1M塩酸を加えて2時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をベンゼンから再結晶しGA40(9mmol.、収率77%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.91(s,1H),8.35(d,1H,J=8.2Hz),8.11(d,1H,J=7.3Hz),8.01(d,1H,J=8.2Hz),7.96(d,1H,J=7.3Hz),7.64(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=137.89,135.88,132.91,130.68,129.12,127.89,127.67,127.37,126.05。
<合成例24>
○2−(4−Bromonaphthyl)naphthalene(GA42)の合成法
三口ナスフラスコに合成例23で得たGA40(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に合成例18で得たGA31(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。この反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体を合成例6と同様の操作で脱保護した。得られた固体はカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GA42(7.02mmol.、収率79%)を得た。
Rf=0.6(Hexane)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.01(s,1H),7.93−7.85(m,3H),7.77−7.68(m,1H),7.60−7.59(m,4H),7.57−7.48(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=140.03,137.29,133.59,132.71,131.95,128.97,128.62,128.18,127.66,126.47,126.17,125.72,125.13,121.64,106.35。
<合成例25>
○(R)−3,3’−bis(4−naphthalen−2−yl−phenyl)−1,1’−binaphthol(GA44)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4.98mmol.)、水酸化バリウム8水和物(14.9mmol.)、Pd(PPh(0.24mmol.)、脱気したジオキサン(33ml)、および蒸留水(11ml)を加え撹拌した。この溶液に合成例24で得たGA42(15.0mmol.)を加え、22時間加熱還流した。この反応液を室温に冷却し、ジオキサンを減圧留去し、1M塩酸を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出液を1M塩酸で2回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane:CHCl=2:1からHexane:CHCl=1:1)で分離精製したが、GA42が完全に除去できなかったため、中性アルミナカラムクロマトグラフィー(ベンゼンから酢酸エチル)で再度分離精製し、GA44(1.61mmol.、収率57%)を得た。
Rf=0.5。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,4H),7.96−7.23(m,18H),7.52−7.23(m,10H),5.44(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=150.28,140.44,138.02,136.52,133.68,132.96,132.69,131.42,130.25,130.12,129.53,128.49,128.22,127.65,127.46,127.42,126.32,125.99,125.80,125.47,124.43,124.27,112.31。
<合成例26>
○(R)−3,3’−bis(4−naphthalen−2−yl−phenyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GA45)の合成
二口ナスフラスコに合成例25で得たGA44(1.91mmol.)およびピリジン(7.8ml)を入れ、この溶液に塩化ホスホリル(2.69mmol.)を室温で7分間かけて滴下し、更に2時間撹拌した。その後、1時間加熱還流した。反応液は、室温まで冷却し、蒸留水(1.6ml)を滴下し、1.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、ピリジンを減圧留去し、6M塩酸(15ml)を滴下し、更に2時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却し、ろ過、ろ液を水で洗浄し乾燥した。この固体をToluene/Hexaneで再結晶しGA45(1.15mmol.、収率79%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.06(s,2H),7.95(d,4H,J=7.5Hz),7.90(d,4H,J=8.1Hz),7.85−7.81(m,6H),7.68−7.64(m,6H),7.48−7.45(m,6H),7.40(d,2H,J=8.8Hz),7.28(m,12H),7.15(brs,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=146.10,141.45,139.12,137.61,136.98,133.94,133.50,132.45,132.29,131.19,130.73,130.59,128.31,128.17,127.50,127.04,126.77,126.12,125.78,125.48,125.34,125.19,123.18。
<合成例27>
○(R)−2,2’−bis(methoxymethyloxy)−1,1’−binaphthyl(GB06)の合成
三口ナスフラスコにNaH(28.95mmol.)を入れ、無水ジエチルエーテルで2回洗浄した。ここに(R)−BINOL(12.62mmol.)およびDMF60mlを加え0℃で30分間撹拌した。次に、Methoxymethyl chrolide(MOMCl;31.89mmol.)を0℃で10分間かけて滴下し、室温まで昇温した後、更に1時間撹拌した。ここに水、1M塩酸を加えて数分間撹拌して反応を停止させた。酢酸エチルエステルで3回抽出し、抽出液は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。脱水後、ろ過し、ろ液から溶媒を減圧下留去することでGB06(12.59mmol.、quant.)を得た。
<合成例28>
○(R)−2,2’−bis(methoxymethyloxy)−3,3’−dibromo−1,1’−binaphthyl(GB07)の合成
三口ナスフラスコに合成例27で得たGB06(12.6mmol.)およびジエチルエーテル200mlを入れ、n−BuLi(37.4mmol.)を室温で加え3時間撹拌した。この反応液を0℃に冷却し、CFBr−CFBr(37.4mmol.)をTHF50mlに溶かしたものを滴下した。滴下後、室温まで昇温し、更に4時間撹拌した。その後、飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで3回抽出し、抽出液は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液から溶媒を減圧下留去し、カラムクロマトグラフィー(Hexane:AcOEt=5:1)で精製してGB07(12.13mmol.、収率96%)を得た。
<合成例29>
○GB08(式(19))の合成
三口ナスフラスコにp−ブロモアニソール(26.46mmol.)およびTHF20mlを入れ、−78℃まで冷却した。ここにn−BuLi(29.83mmol.)を12分間かけて滴下し、更に−78℃で1時間撹拌した。その後、この反応液にホウ酸トリエチル(29.45mmol.)を9分間かけて滴下し、−78℃で1.5時間撹拌した。撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を−78℃で加えて反応を停止させ、室温まで昇温後、水を100ml加えてジエチルエーテルで抽出した。抽出液は、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液中の溶媒を減圧下留去させて、水から結晶化することで式(19)で表されるGB08(7.57mmol.、収率28%)を得た。

<合成例30>
○(R)−3,3’−bis(p−methoxyphenyl)−1,1’−binaphthol(GB11)の合成
三口ナスフラスコにPd(PPh(0.083mmol.)およびDME6mlを入れた後、合成例28で得たGB07(2.52mmol.)をDME8mlに溶かしたものを加えた。更に合成例29で得たGB08(7.57mmol.)および4M炭酸ナトリウム水溶液2.4mlを加えた後、還流下で18時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、ろ過し、ろ液中から溶液を減圧下留去した。濃縮後ジクロロエタンを適量加え、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液中の溶媒を減圧下留去した。この乾固物とTHF10ml、濃塩酸0.4mlを二口ナスフラスコに入れ、50℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却後、0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。その後、ジエチルエーテルで3回抽出し、抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液中の溶媒を減圧下留去させ、カラムクロマトグラフィー(Hexane:AcOEt=4:1)で精製して、GB11(1.14mmol.,収率45%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=3.85(6H,S),5.35(2H,S),7.00(4H,d),7.18(2H,d),7.27(2H,dd),7.35(2H,dd),7.64(4H,d),7.87(2H,d),7.96(2H,s)
<合成例31>
○(R)−3,3’−bis(p−methoxyphenyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GB15)の合成
二口ナスフラスコに合成例30で得たGB11(1.02mmol.)およびピリジン1.4mlを入れ、これにPOCl(1.45mmol.)を3分間かけて滴下し、還流下で1.5時間撹拌した。この反応液を室温まで冷却し、水(150μl)を5分間かけて添加した。その後、還流下で2時間撹拌した後、室温まで冷却し、反応液中からピリジンを減圧下留去した。その後、6M塩酸(7ml)を10分間かけて添加し、還流下で2.5時間撹拌した。それを0℃まで冷却し、ろ過し、ろ取したものを水洗した。これをエタノールで結晶化することでGB15(0.37mmol.、収率37%)を得た。
<合成例32>
○(R)−3,3’−bis[4−(trifluoromethyl)phenyl]−1,1’−binaphthol(GB14)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(3.73mmol.)、水酸化バリウム8水和物(11.03mmol.)、Pd(PPh(0.14mmol.)、1,4−ジオキサン24ml、および水8mlを入れ撹拌した。この溶液に4−Bromobenzotrifluoride(12.14mmol.)を10分間かけて滴下した。この溶液を24時間還流した。その後、1,4−ジオキサンを減圧下留去し、ジクロロメタンを加え、1M塩酸と飽和塩化ナトリウム水溶液とで洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水した。三口ナスフラスコに上記生成物とジクロロメタン100mlとを入れ、0℃に冷却後、BBr(16.76mmol.、1Mジクロロメタン溶液)を滴下した。滴下終了後、室温で8.5時間撹拌した後、再び0℃に冷却し、水120mlを加えて反応を停止した。水と飽和塩化ナトリウム水溶液とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Hexane:AcOEt=5:1)で精製してGB14(2.29mmol.、収率61%)を得た。
<合成例33>
○(R)−3,3’−bis[4−(trifluoromethyl)phenyl]−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GB16)の合成
二口ナスフラスコに合成例32で得たGB14(1.02mmol.)およびピリジン1.4mlを入れ、ここにPOCl(1.45mmol.)を3分間かけて滴下し、1.5時間還流した。この反応液を室温まで冷却し、水(150μl)を5分間かけて添加した。その後、2時間還流した後、室温まで冷却し、反応液中からピリジンを減圧下留去した。その後、6M塩酸(7ml)を10分間かけて添加し、2.5時間還流した。これを冷却し、トリエチルアミンを含有したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6M塩酸でフリー体としてGB16を得た。
<合成例34>
○(R)−3,3’−bis(4−nitrophenyl)−1,1’−binaphthol(GC01)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4mmol.)、水酸化バリウム8水和物(12mmol.)、Pd(PPh(0.28mmol.)、1,4−ジオキサン24ml、および水8mlを入れ撹拌した。この溶液に1−Bromo−4−nitrobenzene(10mmol.)を滴下し、25時間還流した。その後、1,4−ジオキサンを減圧下留去し、ジクロロメタンを加え、1M塩酸と飽和塩化ナトリウム水溶液とで洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水した。三口ナスフラスコに上記生成物とジクロロメタン100mlとを入れ、0℃に冷却後、BBr(18mmol.、1モル濃度のジクロロメタン溶液)を滴下した。滴下終了後、室温で8.5時間撹拌した後、再び0℃に冷却し、水120mlを加えて反応を停止した。水と飽和塩化ナトリウム水溶液とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Hexane:AcOEt=5:1)で精製してGC01(収率82%)を得た。
<合成例35>
○(R)−3,3’−bis(4−nitrophenyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GC02)の合成
二口ナスフラスコにGC01(1mmol.)とピリジン1.4mlとを入れ、POCl(1.4mmol.)を3分間かけて滴下し、2時間室温で撹拌した。この反応液に水(150μl)を添加し、30分間更に撹拌した。その後、反応液中からピリジンを減圧下留去した。その後、6M塩酸(7ml)を添加し、2時間還流した。これを冷却し、トリエチルアミンを含有したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6M塩酸でフリー体とした。これを少量のジクロロメタンに溶解した後、n−ヘキサンを加えて沈殿させてGC02(収率62%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.01(d,2H,J=8.2Hz),7.97(s,2H),7.92(d,4H,J=8.1Hz),7.60−7.55(m,6H),7.46−7.21(m,4H)。
<合成例36>
○(R)−3,3’−diphenyl−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(GC03)の合成
三口ナスフラスコに合成例13で得たGA16(4mmol.)、Ni(PPhCl(0.32mmol.)およびジエチルエーテル(40ml)を入れ、ここに別途調製したPhenylMgBrを室温で滴下した。その後、26.5時間加熱還流した。この反応液は、0℃に冷却し1M塩酸を加えて1時間撹拌し、反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮してカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GC03(収率89%)を得た。
<合成例37>
○(R)−3,3’−diphenyl−1,1’−binaphthol(GC04)の合成
合成例36で得たGC03に対し、合成例6と同様の脱保護操作を行ってGC04を得た。
<合成例38>
○(R)−6,6’−dibromo−3,3’−diphenyl−1,1’−binaphthol(GC05)の合成
合成例37で得たGC04(1mmol.)をジクロロメタンに溶解しで−78℃に冷却し、これに臭素(2.1mmol.)を滴下し、2.5時間撹拌した。この反応液を室温にし、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。この溶液に、ジエチルエーテルで抽出し、抽出液は飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液から溶媒を減圧下留去しGC05(収率66%)を得た。
<合成例39>
○(R)−6,6’−dibromo−3,3’−diphenyl−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GC06)の合成
二口ナスフラスコに合成例38で得たGC05(1mmol.)とピリジン1.4mlとを入れ、POCl(1.4mmol.)を滴下し、2時間室温で撹拌した。この反応液に水と炭酸水素ナトリウムを加え、更に撹拌した。その後、反応液中からピリジンを減圧下留去し、6M塩酸(7ml)を添加し、2時間還流した。これを冷却し、トリエチルアミンを含有したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6M塩酸でフリー体とした。これを少量のジクロロメタンに溶解した後、n−ヘキサンを加えて沈殿させてGC06(収率57%)を得た。
<合成例40>
○シリルエノラートMK01(式(20))の合成
三口ナスフラスコ(200ml)に、テトラヒドロフラン(20ml)、ジイソプロピルアミン(30mmol.)を入れ0℃で撹拌した。その後、n−BuLi(30mmol.)を5分間かけて滴下し、30分間撹拌した。これを−78℃に冷却し、Hexamethylphosphoramide(HMPA;5.0ml)、イソ酪酸メチルエステル(30.1mmol.)を5分間かけて滴下した。これを30分間撹拌した後、−78℃でTrimethylsilyl chloride(TMSC1、35.4mmol.)を加えた。室温に昇温し1時間撹拌し、0℃に冷却して炭酸水素ナトリウムで反応を停止させた。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液から溶媒を除去した後、減圧蒸留(1600Pa、69〜71℃)して、下記式(20)で表されるシリルエノラートMK01を得た。

<合成例41>
○シリルエノラートMK02の合成
TMSC1の代わりにt−Butyldimethylsilyl chloride(TBSC1)を用いた以外は合成例40と同様に操作して、MK02を得た。
<合成例42>
○シリルエノラートMK03の合成
イソ酪酸メチルエステルの代わりにイソ酪酸イソプロピルエステルを用いた以外は合成例40と同様に操作して、MK03を得た。
<合成例43>
○シリルエノラートMK04の合成
イソ酪酸メチルエステルの代わりに酢酸メチルエステルを用いた以外は合成例40と同様に操作して、MK04を得た。
<合成例44>
○イミンMI01(式(21))の合成
下記式(21)で表されるイミンMI01は、Benzaldehydeと2−Aminophenolとから合成した。

<合成例45>
○(R)−3,3’−Bis[3,5−di(trifluoromethyl)phenyl]−1,1’−binaphthol(GC07)の合成
乾燥した三口(100ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,Pd(PPh(0.15mM,0.06eq.),ジメトキシエタン(15ml),3,5−Bis(trifluoromethyl)bromobenzene(7.54mM,3.0eq.)の順に加えて、10分間撹拌した。その後、エタノールで希釈した(R)−3,3’−Bis(dihydroxyborane)−2,2’−dimethoxy−1,1’−binaphthyl(2.56mM)と2規定炭酸ナトリウム水溶液(7.6mM,3.0eq.)とを加え、18.5時間加熱環流した。その後、室温まで冷却し、ジメトキシエタンを減圧留去した。そして、ジクロロメタンと1規定塩酸とで溶解し、ジクロロメタンを用いて3回抽出した。合わせたジクロロメタン抽出液を1規定塩酸、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られたものについてメトキシ基を除去した。脱保護したものをカラムクロマトグラフィーで精製しGC07(下記式(22),1.4g,2.01mM,79%)を得た。
[α]26:45.3(c1.06,CHCl).
IR(CHCl):3522,1622,1597,1502,1474,1462,1427,1377,1358,1335,1281,1236,1182,1140,1036,989,897,845cm−1
Rf=0.3(Hexane:CHCl=4:1).
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.24(s,4H),8.12(s,2H),8.00(d,2H,J=7.9Hz),7.91(s,2H),7.50−7.40(m,4H),7.24−7.22(m,2H),5.38(s,2H).
19F−NMR(376MHz,CDCl)δ=99.01(s).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=149.86,139.47,133.24,132.35,132.09,131.76,131.42,131.09,129.85,129.46,128.90,128.67,127.71,127.49,125.21,124.78,123.97,122.06,121.33,119.35,111.75.
Anal.Calcd for:C,60.86;H,2.55.
found:C,61.03;H,2.25.

<合成例46>
○(R)−3,3’−Bis[3,5−di(trifluoromethyl)phenyl]−1,1’−binaphthyl phosphate(GC08)の合成
GA14からGA15を得た方法と同様の操作で合成した。そして、得られた粗生成物はジクロロメタン/n−ヘキサンから再結晶したが不純物を含んでいた。このことから、これをエタノールに溶かし6規定塩酸で再沈澱させてGC08(下記式(23),0.9g,1.14mM,73%)を得た。
[α]26−197.5(c0.97,CHCl).
IR(CHCl):1620,1501,1474,1379,1325,1281,1246,1178,1140,1109,1084,1024,988,964,891,870,867cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=8.01(s,8H),7.61−7.58(m,4H),7.42−7.39(m,4H).
31P−NMR(400MHz,CDCl)δ=4.61.
19F−NMR(376MHz,CDCl)δ=96.63(s).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=143.57,143.48,138.55,132.29,132.00,131.94,131.61,131.39,131.27,131.11,131.08,130.94,129.86,128.65,127.56,127.20,127.06,126.77,124.49,122.49,122.47,121.77,121.54,119.06,96.12.
Anal.Calcd for:C,55.97;H,2.22.
found:C,55.96;H,2.13.

<合成例47>
○(R)−3,3’−bis(3,5−dinitrophenyl)−1,1’−binaphthyl phosphate(GC09)の合成
3,5−dinitrobromobenzeneを用いた以外は合成例45と同様に操作して3,5−dinitrophenyl基が結合したものを合成し,そして合成例46と同様に操作してリン酸エステル体GC09(式(24))を合成した。

<合成例48>
○(R)−3,3’−Bis(2,4,6−triisopropylphenyl)−2,2’−hydroxy−1,1’−dinaphthyl(GC10)の合成
乾燥した三口(200ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,GA07(5.0mM),Ni(PPhCl(0.51mM,0.1eq.),ジエチルエーテル(50ml)の順に加え撹拌した。別途調製した2,4,6−TriisopropylphenylMgBrを室温で7分間以上かけ滴下した。滴下後、更に10分間撹拌し、24時間加熱環流した。その後、0℃に冷却し1規定塩酸を加え撹拌し、反応を停止した。この反応液をジエチルエーテルで3回抽出した。ジエチルエーテル抽出液を合わせ、これを食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた粗生成物は精製することなく次の段階に用いた。
乾燥した三口(300ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,先程得られた粗生成物,ジクロロメタン(135ml)の順に加え。0℃で撹拌した。三臭化ホウ素(23.28mM,4.6eq.)をジクロロメタン(23ml)に希釈し15分間以上かけ滴下した。その後、室温に昇温し、16時間撹拌した。撹拌後、0℃に冷却し、水を加え反応を停止させた。この反応液についてジクロロメタンで3回抽出し、ジクロロメタン抽出液を合わせ、これを食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GC10(2.04mM,41%)を得た。
[α]2788.8(c3.03,THF),文献値[α]88.0(c3.00,THF).
Rf=0.2(Hexane:CHCl=6:1).
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.87(d,2H,J=8.2Hz),7.77(s,2H),7.40−7.12(m,10H),4.92(s,2H),2.99−2.91(m,2H),4.92(dd,1H,J=2.7,8.4Hz),4.44(d,1H,J=2.7Hz),3.89(s,3H),3.69(s,3H),0.89(s,9H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=150.63,149.12,147.80,147.74,133.46,130.63,130.37,129.10,129.04,128.227,126.61,124.52,123.76,121.22,121.15,113.11,34.35,30.89,30.84,24.31,24.29,24.07,24.01,23.92,23.73.
Anal.Calcd for:C,86.91;H,8.46
found:C,86.83;H,8.31.
<合成例49>
○(R)−3,3’−bis(2,4,6−triisopropylphenyl)−1,1’−binaphthyl−2,2’−diyl hydrogenphosphate(GC11)の合成
GC10について合成例12と同様の操作を行った。ここで得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製し、GC11(1.38mM,95%)を得た。
[α]26−59.4(c1.06,CHCl).
IR(CHCl)2964,2932,2870,1626,1607,1568,1491,1462,1412,1383,1362,1317,1246,1196,1151,1055,959,858,847cm−1
Rf=0.7(Hexane:CHCl=10:1).
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.88−7.84(m,2H),7.80(s,2H),7.45−7.41(m,2H),7.32−7.25(m,4H),7.02(s,2H),6.95(s,2H),2.94−2.82(m,4H),2.71−2.65(m,2H),1.23(d,12H,J=6.8Hz),1.13−1.10(m,12H),1.03(d,6H,J=6.8Hz),0.92(d,6H,J=6.8Hz).
31P NMR(400MHz,CDCl)δ=4.02.
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=148.06,147.56,147.47,147.33,142.69,142.22,132.92,132.67,131.92,130.50,128.02,127.20,125.76,125.64,124.85,122.48,120.84,119.95,34.14,30.91,30.72,26.33,24.93,24.15,24.02,23.50,23.31.
Anal.Calcd for:C,79.76;H,7.63
found:C,79.52;H,7.87.
<合成例50>
○(R)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−Octahydro−1,1’−bi−2−naphthol(CD01)の合成
オートクレーブに(R)−BINOL(70.52mM)、酸化白金(1.15mM)、酢酸(25ml)の順に加え、6.8気圧の水素雰囲気下、三日間室温で撹拌した。その後、水、ジクロロメタンを加え反応を停止した。この反応液をジクロロメタンで3回抽出し、ジクロロメタン抽出液は、水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮してCD01(70.74mM,quant.,下記式(25))を得た。
[α]2647.1(c1.04,CHCl).
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.06(d,2H,J=8.2Hz),6.82(d,2H,J=8.2Hz),4.60(s,2H),2.75(t,4H,J=6.2Hz),2.33−2.25(m,2H),2.19−2.12(m,2H),1.77−1.64(m,8H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=151.35,137.12,131.01,130.08,118.81,112.93,29.20,27.08,22.98,22.92.

<合成例51>
○(R)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−Octahydro−1,1’−bi−2−naphthyl phosphate(GD02)の合成
GC02の合成法と同様の操作してGD01からGD02を合成した。合成後,メタノールと水とから再沈澱しGD02(下記式(26),1.35mM,収率57%)を得た。
[α]25−239.7(c1.01,EtOH)
H NMR(400MHz,CDC)δ=7.11(d,2H,J=8.4Hz),7.06(d,2H,J=8.4Hz),4.82(brs,1H),2.86−2.63(m,6H),2.31−2.24(m,2H),1.82−1.77(m,6H),1.57−1.52(m,2H).
31P NMR(400MHz,CDCl)δ=2.04.
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=146.35,138.27,135.46,129.93,126.08,118.11,29.09,27.79,22.44,22.29.
Anal.Calcd for:C,67.41;H,5.94.
found:C,67.62;H,6.01.

<合成例52>
○(R)−3,3’−Dibromo−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−bi−2−naphthol(GD03)の合成
乾燥した三口(100ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,GD01(3.48mM)、ジクロロメタン(20ml)の順に加え撹拌した。次に臭素(8.53mM)を室温で16分間かけ滴下した。そして室温で16.5時間撹拌後(TLCでGD01が消失したことを確認)、0℃に冷却し、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた。この反応液をジクロロメタンで3回抽出し、ジクロロメタン抽出液を合わて、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮し、GD03(3.64mM,quant.)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.28(s,2H),5.11(s,2H),2.74−2.73(m,4H),2.32−2.26(m,2H),2.12−2.06(m,2H),1.76−1.61(m,8H).
<合成例53>
○(R)−3,3’−Dibromo−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−2,2’−methoxymethyl−1,1’−binaphthyl(GD04)の合成
乾燥した三口(200ml)ナスフラスコに窒素雰囲気下,水素化ナトリウム(24.10mM、ジエチルエーテルで洗浄)、DMF(40ml)の順に加え0℃で撹拌した。これにDMF(30ml)に溶解させたGD03(9.73mM)を加え20分間撹拌した。続いてMOMCl(25.02mM)を0℃で3分間かけ滴下した。室温に昇温し2時間後(TLCでGD03が消失したことを確認)、0℃に冷却し水、酢酸エチルエステル、1規定塩酸を加え反応を停止した。この反応液について酢酸エチルエステルで3回抽出し、酢酸エチルエステル抽出液を合わせて1規定塩酸、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮しGD04(9.88mM,quant.)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.32(s,2H),4.93(d,2H,J=5.7Hz),4.83(d,2H,J=5.7Hz),2.86(s,6H),2.76−2.71(m,4H),2.44−2.38(m,2H),2.14−2.09(m,2H),1.75−1.60(m,8H).
<合成例54>
○(R)−3,3’−Diphenyl−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−binaphthol(GD05)の合成
乾燥した三口(100ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,水酸化バリウム八水和物(12.02mM,3.0eq.),フェニルホウ酸(12.01mM,3.0eq.),Pd(PPh(0.25mM,0.06eq.),GD04(4.02mM),ジオキサン(27ml),蒸留水(9ml)の順に加え3時間加熱環流した。その後、室温に冷却しジオキサンを減圧留去し、ジクロロメタンと1規定塩酸とを加えた。この反応液をジクロロメタンで3回抽出し、ジクロロメタン抽出液を合わせ1規定塩酸、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体にエタノール(50ml)および濃塩酸(12ml)を加え10時間加熱環流した。還流後、反応液からエタノールを減圧留去後、ジクロロメタンで3回抽出した。ジクロロメタン抽出液を合わせ食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮して得られた固体はカラムクロマトグラフィーを用い分離精製しGD05(2.23mM,55%)を得た。
[α]25−19.0(c0.40,CHCl)、文献値[α]25−29.3(c0.41,CHCl).
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=15:1)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.61−7.58(m,4H),7.45−7.40(m,4H),7.34−7.29(m,2H),7.15(s,2H),4.91(s,2H),2.82−2.78(m,4H),2.44−2.38(m,2H),2.30−2.22(m,2H),1.76−1.74(m,8H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=147.92,137.78,136.44,131.59,130.08,129.09,128.26,126.97,125.92,120.04,29.37,27.28,23.18,23.16.
<合成例55>
○(R)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−Octahydro−3,3’−bisphenyl−1,1’−binaphthyl phosphate(GD06)の合成
GC02の合成法と同様の操作してGD05からGD06を合成した。得られた粗生成物はカラムクロマトグラフィーを用いて原料(溶媒ジクロロメタン)を除去し続いてメタノールを用いて分離精製しGD06(下記式(27),1.18mM,75%)を得た。
[α]25−211.3(c0.99,CHCl).
IR(CHCl)3009,2939,2862,1603,1501,145,1416,1275,1225,1215,1196,1157,1138,1020,955,908,858cm−1
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.40(d,4H,J=7.2Hz),7.13−7.01(m,8H),4.74(brs,1H),2.89−2.64(m,6H),2.37−2.30(m,2H),1.79−1.59(m,2H).
31P NMR(400MHz,CDCl)δ=0.33.
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=143.41,143.29,137.24,137.05,134.46,131.53,130.79,129.37,127.97,127.20,126.88,29.29,27.92,22.80,22.69.
Anal.Calcd for:C,75.58;H,5.75.
found:C,75.39;H,5.62.

<合成例56>
○(R)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−Octahydro−2,2’−methoxymethylnaphthol(GD07)の合成
GD04と同様に操作してGD01をMOM化しGD07(7.46mM,quant.)を得た(oil.)。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.04(d,2H,J=8.7Hz),6.98(d,2H,J=8.7Hz),5.02(dd,2H,J=1.3,6.6Hz),4.96(dd,2H,J=1.3,6.6Hz),3.29(s,6H),2.78−2.75(m,4H),2.34−2.26(m,2H),2.14−2.08(m,2H),1.74−1.64(m,8H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=151.97,136.61,130.76,128.69,126.93,112.58,94.67,55.64,29.52,27.37,23.30,23.20.
<合成例57>
○(R)−2,2’−Dihydroxy−3,3’−bis(4−nitrophenyl)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−dinaphthyl(GD09)の合成
乾燥した三口(200ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,GD07(2.68mM)、ジエチルエーテル(50ml)を入れ、室温で撹拌しながらn−ブチルリチウム(10.99mM)を8分間かけて滴下した。そして3時間後、別途調製した2−isopropyloxy−4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolane(12.83mM)、THF(18ml)溶液中に先程調製したものをcannulerを用いて−78℃で24分間かけて滴下した。そして室温に昇温し、16時間撹拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。ここで得られた粗生成物はカラムクロマトグラフィーを用い分離精製しGD08(0.6g,0.93mM,35%)を得た。
[α]2358.5(c1.02,CHCl).
IR(CHCl)2982,2936,1595,1462,1435,1389,1344,1331,1308,1271,1234,1211,1198,1144,1034,991,928,856cm−1
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=5:1)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.48(s,2H),4.95(dd,2H,J=1.3,6.2Hz),4.87(dd,2H,J=1.3,6.2Hz),2.83−2.74(m,4H),2.70(s,6H),2.53−2.45(m,2H),2.18−2.11(m,2H),1.72−1.60(m,8H),1.32(s,24H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=158.42,141.46,136.74,132.35,131.32,100.46,83.37,55.76,29.47,28.03,24.89,24.69,23.07,22.98.
Anal.Calcd for:C,68.15;H,8.26.
found:C,68.28;H,8.05.
GD08から(R)−2,2’−Dihydroxy−3,3’−bis(4−nitrophenyl)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−dinaphthyl(GD09,下記式(28),1.0g,1.91mM,97%)を合成した。
[α]25−170.1(c1.06,CHCl).
IR(CHCl)3520,3028,2939,2862,1597,1518,1462,1437,1394,1346,1325,1290,1234,1178,1134,1109,856cm−1
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=8:1)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.29−8.26(m,4H),7.81−7.79(m,4H),7.23(s,2H),4.92(s,2H),2.83−2.82(m,4H),2.42−2.36(m,2H),2.30−2.24(m,2H),1.80−1.76(m,8H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=148.21,146.44,144.57,138.29,132.03,131.07,129.85,123.89,123.30,119.37,29.28,27.39,22.94,22.92.
Anal.Calcd for:C,71.63;H,5.26;N,5.22
found:C,71.53;H,5.29;N,5.01.

<合成例58>
○(R)−3,3’−Bis(4−nitrophenyl)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−dinaphthyl phosphate(GD10)の合成
GD09からGC02の合成法と同様の操作してGD10を合成し、カラムクロマトグラフィーを用い原料を除去した。得られた固体をメタノールに溶かし、6規定塩酸に再沈澱させることで精製しGD10(下記式(29),0.4g,0.71mM,53%)を得た。
[α]24−238.5(c1.00,CHCl).
IR(CHCl)2943,2843,1603,1518,1435,1391,1263,1217,1194,1109,1022,955,899,854cm−1
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.09−8.08(m,4H),7.64−7.58(m,4H),7.21(s,2H),2.93−2.88(m,4H),2.75−2.72(m,2H),2.47−2.43(m,2H),1.80−1.82(m,8H).
31P NMR(400MHz,CDCl)δ=1.16.
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=146.70,143.13,142.21,142.10,139.33,136.20,130.77,130.05,129.27,126.79,123.18,29.34,28.02,22.55,22.40.
Anal.Calcd for:C,64.21;H,4.55;N,4.68
found:C,64.49;H,4.76;N,4.71.

<合成例59>
○(R)−3,3’−Bis(4−trifluoromethylphenyl)−2,2’−dihydroxy−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−dinaphthyl(GD11)の合成
GD05と同様の手順で合成しGD11(0.9g,1.60mM,80%)を得た。
[α]25−39.7(c1.03,CHCl).
IR(CHCl)3522,2937,2862,1618,1464,1439,1396,1325,1292,1236,1169,1132,1111,1069,1020,845cm−1
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.73(d,4H,J=8.2Hz),7.67(d,4H,J=8.2Hz),7.19(s,2H),4.88(s,2H),2.83−2.80(m,4H),2.43−2.35(m,2H),2.29−2.22(m,2H),1.79−1.73(m,8H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=148.25,141.56,137.57,132.05,130.83,129.52,129.18,128.87,125.66,125.15,125.11,124.81,122.96,119.63,29.21,27.22,22.92,22.90.
19F NMR(376MHz,CDCl)δ=99.30(s).
Anal.Calcd for:C,70.10;H,4.84.
found:C,70.36;H,4.89.
<合成例60>
○(R)−3,3’−Bis(4−trifluoromethylphenyl)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−octahydro−1,1’−dinaphthyl phosphate(GD12)の合成
GD11からGC02の合成法と同様の操作してGD12を合成し、カラムクロマトグラフィーを用い原料を除去した。得られた固体をメタノールに溶かし、6規定塩酸に再沈澱させることで精製しGD12(下記式(30),0.5g,0.80mM,66%)を得た。
[α]25−171.5(c1.02,CHCl).
IR(CHCl)2941,2864,1620,1435,1393,1325,1259,1192,1167,1128,1069,1022,957,901,845cm−1
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.54−7.46(m,8H),7.13(s,2H),2.87−2.86(m,4H),2.67−2.64(m,2H),2.39−2.34(m,2H),1.85−1.80(m,6H),1.68−1.60(m,2H).
31P NMR(400MHz,CDCl)δ=2.30.
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=142.55,140.43,138.55,135.89,131.17,130.26,129.65,129.34,129.03,126.79,125.60,124.98,124.95,122.89,29.19,27.83,22.50,22.34.
19F NMR(376MHz,CDCl)δ=99.20(s).
Anal.Calcd for:C,63.36;H,4.22.
found:C,63.61;H,4.09.

【実施例1】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA04を用いた不斉合成
二口ナスフラスコにMI01(0.15mmol.)、GA04(0.045mmol.)、およびEthylbenzene(1ml)を入れ、−80℃で撹拌した。そして、MK01(0.45mmol.)を滴下し、−80℃で30.5時間撹拌した(下記表1のEntry 1)。表1のEntry 2〜11についても、表1記載の条件を用いて同様の操作を行った。
その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、室温まで昇温した。この反応液をセライトろ過した後、酢酸エチルエステルで3回抽出した。酢酸エチルエステル層は、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液を濃縮し、分取TLC(Hexane:AcOEt=3:1)で精製して、下記式(31)で表されるMethyl 3−N−(2−hydroxyphenyl)amino−2,2−dimethyl−3−phenylpropionate(P01)を得た。
なお、表1のEntry 4は、MI01(0.15mmol.)に対しGA04を0.015mmol.、Entry 5は、GA04を0.09mmol.用いた。
各Entryで得たP01についてHPLCでOptical Purity(%ee)を求めた。これらの結果を表1に示す。
○P01の機器データなど
Rf=0.4(Hexane:AcOEt=3:1,2回展開)。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.29−7.19(m,5H),6.69−6.49(m,3H),6.39−6.37(m,1H),5.80(brs,1H),4.93(brs,1H),4.57(s,1H),3.68(s,3H),1.24(s,3H),1.21(s,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=177.72,144.26,138.97,135.54,128.34,127.92,127.41,121.02,117.92,114.25,113.91,64.58,52.23,47.35,24.36,20.01。
HPLC:tR=12.6min.,tR=19.8min.
Daicel Chiralpack AD−H
Hexane/i−Propanol=5/1
UV=244nm
Flow rate=0.5ml/min。


【実施例2】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA11を用いた不斉合成
GA04の代わりにGA11を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この結果を表2に示す。

【実施例3】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA15を用いた不斉合成
GA04の代わりにGA15を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この結果を表3に示す。

【実施例4】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA19を用いた不斉合成
GA04の代わりにGA19を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この結果を表4に示す。

【実施例5】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA29を用いた不斉合成
GA04の代わりにGA29を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この結果を表5に示す。

【実施例6】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA38を用いた不斉合成
GA04の代わりにGA38を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この結果を表6に示す。

【実施例7】
○キラルなブレンステッド酸触媒GA04を用いた不斉合成
−40℃に冷却した二口ナスフラスコにMI01(0.15mmol.)、GA04(0.045mmol.)、およびEthylbenzene(1ml)を入れ、撹拌した。そして、MK03(0.474mmol.)を滴下し、−40℃で17時間撹拌した。更に、室温で11時間撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ。この反応液をセライトろ過した後、酢酸エチルエステルで3回抽出した。酢酸エチルエステル層は、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液を濃縮し、分取TLC(Hexane:AcOEt=3:1)で精製して、i−propyl 3−N−(2−hydroxyphenyl)amino−2,2−dimethyl−3−phenylpropionate(P03)を得た。
この収率は8%で、33%eeであった。
Rf=0.3(Hexane:AcOEt=2:1)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ=7.31−7.20(m,5H),6.68−6.66(d,1H,J=7.7Hz),6.63−6.59(t,1H,J=7.7Hz),6.54−6.50(d,1H,J=7.7Hz),6.39−6.37(m,1H,J=7.7Hz),5.19(brs,1H),5.06−5.89(qq,1H,J=7.1,6.2Hz),4.91(brs,1H),4.53(s,1H),1.24−1.22(d,3H,J=7.1Hz),1.22(s,3H),1.17(s,3H),1.16−1.15(d,3H,J=6.2Hz)。
HPLC:tR=12.3min.,tR=18.0min.
Daicel Chiralpack AD−H
Hexane/i−PrOH=9/1
UV=244nm
Flow rate=0.5ml/min.
【実施例8】
○キラルなブレンステッド酸触媒GB15を用いた不斉合成
二口ナスフラスコにMI01(0.15mmol.)、GB15(0.045mmol.)、およびi−Propylbenzene(1ml)を入れ、−78℃で撹拌した。そして、MK01(0.471mmol.)を滴下し、−78℃で48時間撹拌した(下記表7のEntry 1)。表7のEntry 2〜4についても、表7記載の条件を用いて同様の操作を行った。
その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、室温まで昇温した。この反応液をセライトろ過した後、酢酸エチルエステルで3回抽出した。酢酸エチルエステル層は、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液を濃縮し、分取TLC(Hexane:AcOEt=3:1)で精製して、P01を得た。
各Entryで得たP01についてHPLCからOptical Purity(%ee)を求めた。これらの結果を表7に示す。

【実施例9】
○キラルなブレンステッド酸触媒GC02を用いた不斉合成
二口ナスフラスコにMI01(0.15mmol.)、GC02(0.045mmol.)、およびToluene(1ml)を入れ、−78℃で撹拌した。そした、MK01(0.45mmol.)を滴下し、−78℃で4時間撹拌した(TLCにてMI01の消失を確認。表8のEntry 1)。表8のEntry 2〜7についても、表8記載の条件を用いて同様の操作を行った。
その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、室温まで昇温した。この反応液をセライトを用いてろ過した後、酢酸エチルエステルで3回抽出した。酢酸エチルエステル層は、1M塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水後、ろ過し、ろ液を濃縮し、分取TLC(Hexane:AcOEt=3:1)で精製して、Methyl 3−N−(2−hydroxyphenyl)amino−2,2−dimethyl−3−phenylpropionate(P01)を得た。
各Entryで得たP01についてHPLCからOptical Purity(%ee)を求めた。これらの結果を表8に示す。

【実施例10】
○キラルなブレンステッド酸触媒GC02を用いた不斉合成
MI01とGC02との比率を代えた以外は実施例9と同様の操作を行った(なお、Entry 1は、実施例9のEntry 1と同一条件である)。この結果を表9に記載した。

【実施例11】
○キラルなブレンステッド酸触媒GC06を用いた不斉合成
GC02の代わりにGC06を用いた以外は実施例9と同様の操作を行った。この使用溶媒、反応温度および反応時間、並びに結果(%ee)を表10に記載した。

【実施例12】
○GC08、GC09およびGB15を用いた不斉合成
乾燥した二口(10ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,MI01(0.16mM)、キラルブレンステッド酸触媒としてGC08(0.016mM),およびトルエン(1ml)の順に加え、−78℃で10分間撹拌した。その後、MK01(0.24mM)を3分間かけ滴下した。TLCでMI01の消失を確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和フッ化カリウム水溶液を3分間かけ滴下し室温になるまで撹拌し、反応を停止させた。この反応液をセライト濾過し,酢酸エチルエステルで3回抽出した。酢酸エチルエステル抽出物を合わせ、1規定塩酸、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。そしてp−TLCで分離精製し、マンニッヒ付加体(P01)を得た。光学純度の決定は高速液体クロマトグラフを用いて決定した。
GC09およびGB15についても同様に不斉合成を行った。これらの結果を表11に記載した。

【実施例13】
○GD02、GD06、GD10およびGD12を用いた不斉合成
GC08の替わりにGD02を用いた以外は、実施例12と同様に操作し、不斉合成を行った。また、GD06、GD10およびGD12を用いたものについても同様に不斉合成を行った。これらの結果を表12に記載した。

【実施例14】
○GC02を用いた不斉合成:イミン化合物の検討
GC02を触媒として用い、表13に記載したイミン化合物(下記式(32))とMK01とを用いてマンニッヒ付加体の不斉合成を行った。この結果を表13に記載した。なお、不斉合成条件は、実施例12と同じである。


・Entry 1の化合物(4aa)
[α]250.2(c1.03,CHCl).
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.29−7.19(m,5H),6.69−6.49(m,3H),6.39−6.37(m,1H),5.80(brs,1H),4.93(brs,1H),4.57(s,1H),3.68(s,3H),1.24(s,3H),1.21(s,3H).
13C NMR(100MHz,CDCl)δ=177.7,144.3,139.0,135.5,128.3,127.9,127.4,121.0,117.9,114.3,113.9,64.6,52.2,47.4,24.4,20.0,
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=11.1min(3R),tR=16.0min(3S).
以下、Entry 2〜12の化合物について同様にして構造を決定した。
・Entry 2の化合物(4ga)
[α]24−15.4(c1.06,CHCl).
19F NMR(400MHz,CDCl)δ=−46.52.
MS m/z 317(M),217,216,215,214,120,109,
Anal.Calcd for:C,68.12;H,6.35;N,4.41.
found:C,68.04;H,6.50;N,4.40.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=10.5min(3R),tR=14.9min(3S).
・Entry 3の化合物(4ha)
[α]25−7.8(c0.99,CHCl).
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1, Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=10.2min(3R),tR=15.7min(3S).
・Entry 4の化合物(4ia)
[α]209.0(c1.15,CHCl).oil.
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,57.15;H,5.33;N,3.70.
found:C,57.37;H,5.08;N,3.32.
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=18.6min(3S),tR=22.0min(3R).
・Entry 5の化合物(4ja)
[α]24 22.9(c0.53,CHCl).amorphous.
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,62.78;H,5.85;N,8.13.
found:C,62.75;H,5.97;N,7.97.
HPLC:Daicel Chiralpak OD−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=38.2min(3S),tR=42.3min(3R).
・Entry 6の化合物(4ka)
[α]25−90.5(c1.07,CHCl).
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
HPLC:Daicel Chiralpak OD−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=18.6min(3S),tR=22.0min(3R).
・Entry 7の化合物(4la)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=11.5min(3R),tR=18.8min(3S).
・Entry 8の化合物(4ma)
[α]24 16.2(c0.99,CHCl).oil.
Anal.Calcd for:C,72.82;H,7.40;N,4.47.
found:C,72.98;H,7.54;N,4.53.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate 0.6ml/min,UV=244nm,
tR=8.3min(3R),tR=13.6min(3S).
・Entry 9の化合物(4na)
[α]24 8.9(c0.99,CHCl).oil.
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,69.28;H,7.04;N,4.25.
found:C,69.42;H,6.92;N,4.23.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate=0.7ml/min,UV=244nm,
tR=8.9min(3R),tR=16.8min(3S).
・Entry 10の化合物(4oa)
[α]24−52.2(c0.92,CHCl).amorphous.
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=5:1)
Anal.Calcd for:C,66.42;H,6.62;N,4.84.
found:C,66.66;H,6.52;N,4.91.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=22.9min(3R),tR=26.7min(3S).
・Entry 11の化合物(4pa)
[α]24−12.5(c1.06,CHCl).amorphous.
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:
C,62.93;H,6.27;N,4.59;S,10.50.
found:
C,62.96;H,6.39;N,4.51;S,10.66.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=10/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=20.1min(3R),tR=23.9min(3S).
・Entry 12の化合物(4qa)
[α]20 102.1(c0.95,CHCl).amorphous.
Anal.Calcd for:C,73.82;H,7.12;N,4.30.
found:C,73.95;H,7.27;N,4.09.
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=20.7min(3S),tR=24.6min(3R).
【実施例15】
○不斉マンニッヒ型反応における求核剤の検討
GC02を触媒として用い、表14に記載した求核剤(下記式(33))とMI01とを用いてマンニッヒ付加体の不斉合成を行った。この結果を表14に記載した。なお、不斉合成条件は、実施例12と同じである。


・Entry 5の化合物(4ae)
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/i−PrOH=10/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=39.6min(3R),tR=44.1min(3S).
・Entry 6の化合物(4ag)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=5:1)
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/i−PrOH=9/1,Flowrate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=23.4min(3R),tR=29.7min(3S).
【実施例16】
○ジアステレオ選択的マンニッヒ型反応の検討:求核剤の検討
GC02を触媒として用い、表15に記載した求核剤(下記式(34))とMI01とを用いてジアステレオ選択的マンニッヒ付加体(下記式(35)と下記式(36))の合成を行った。この結果を表15に記載した。なお、不斉合成条件は、実施例12と同じである。また、entry 1の求核剤はE/Z=87/13のものを、entry 2と3の求核剤はE/Z=91/9のものを、entry 4の求核剤はE/Z=96/4のものを使用した。


・Entry1 の化合物(4ai、syn/anti=87/13)
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,72.22;H,7.02;N,4.68.
found:C,72.37;H,7.29;N,4.56.
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/i−PrOH=30/1,Flow rate=0.55ml/min,UV=244nm,
tR=48.3min(2S,3R),tR=56.7min(2R,3S).
・Entry2 の化合物(4aj、syn/anti=93/7)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,76.77;H,6.71;N,3.73.
found:C,76.54;H,6.64;N,3.79.
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/i−PrOH=30/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=54.9min(2S,3R),tR=64.4min(2R,3S).
・Entry3 の化合物(4ak、syn/anti=100/0)
[α]25 27.8(c1.03,CHCl)(91%ee).
amorphous.
Anal.Calcd for:C,74.83;H,5.73;N,2.57.
found:C,74.54;H,5.61;N,2.37.
HPLC:Daicel Chiralpak AS−H,Hexane/EtOH=50/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=37.8min(2S,3R),tR=42.9min(2R,3S).
・Entry4 の化合物(4al、syn/anti=94/6)
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,65.80;H,7.78;N,3.49.
found:C,65.96;H,7.49;N,3.34.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/EtOH=25/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=11.1min(2S,3R),tR=17.4min(2R,3S).
【実施例17】
○ジアステレオ選択的マンニッヒ型反応の検討:イミン化合物の検討
GC02を触媒として用い、表16に記載したイミン化合物(上記式(32))と求核剤(下記式(37))とを用いてジアステレオ選択的マンニッヒ付加体(下記式(38)と下記式(39))の合成を行った。この結果を表16に記載した。なお、不斉合成条件は、実施例12と同じである。また、entry 1〜7の求核剤はE/Z=87/13のものを、entry 8〜11の求核剤はE/Z=87/13のものを、entry 12の求核剤はE/Z=91/9のものを、entry 13と14の求核剤はE/Z=96/4のものを使用した。


・Entry2 の化合物(4gi、syn/anti=91/9)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
19F NMR(376MHz,CDCl)δ=46.74(s,anti),46.29(s,syn).
Anal.Calcd for:C,68.12;H,6.35;N,4.41.
found:C,67.90;H,6.35;N,4.31.
HPLC:Daicel Chiralcel OJ−H,Hexane/i−PrOH=9/1,Flow rate=0.7ml/min,UV=244nm,
tR=43.2min(2S,3R),tR=56.2min(2R,3S).
・Entry3 の化合物(4hi、syn/anti=86/14)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,64.77;H,6.04;N,4.20.
found:C,64.56;H,5.81;N,4.19.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=30/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=62.4min(2S,3R),tR=73.8min(2R,3S).
・Entry4 の化合物(4mi、syn/anti=94/6)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,72.82;H,7.40;N,4.47.
found:C,72.75;H,7.75;N,4.35.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/EtOH=40/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=46.4min(2S,3R),tR=56.2min(2R,3S).
・Entry5 の化合物(4ni、syn/anti=92/8)
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,69.28;H,7.04;N,4.25.
found:C,69.11;H,6.73;N,4.09.
HPLC:Daicel Chiralcel OJ−H,Hexane/EtOH=5/1,Flow rate=0.8ml/min,UV=244nm,
tR=22.4min(2S,3R),tR=29.8min(2R,3S).
・Entry6 の化合物(4pi、syn/anti=94/6)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:
C,62.93;H,6.27;N,4.59;S,10.50.
found:
C,62.55;H,6.49;N,4.25;S,10.39.
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=40/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=69.7min(2S,3R),tR=80.7min(2R,3S).
・Entry7 の化合物(4qi、syn/anti=95/5)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,73.82;H,7.12;N,4.30.
found:C,73.43;H,6.97;N,4.15.
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=15/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=29.3min(2S,3R),tR=33.5min(2R,3S).
・Entry9 の化合物(4nj、syn/anti=93/7)
Rf=0.3(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,74.05;H,6.71;N,3.45.
found:C,74.22;H,6.87;N,3.25.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/i−PrOH=5/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=21.7min(2S,3R),tR=34.7min(2R,3S).
・Entry10 の化合物(4gj、syn/anti=87/13)
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=5:1)
Anal.Calcd for:C,73.26;H,6.15;N,3.56.
found:C,73.31;H,6.52;N,3.30.
HPLC:Daicel Chiralpak AD−H,Hexane/EtOH=10/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=23.4min(2S,3R),tR=27.0min(2R,3S).
・Entry11 の化合物(4qj、syn/anti=95/5)
Rf=0.4(Hexane:Ethyl acetate=3:1)
Anal.Calcd for:C,77.78;H,6.78;N,3.49.
found:C,77.66;H,6.56;N,3.19.
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=30/1,Flow rate=1.0ml/min,UV=244nm,
tR=30.6min(2S,3R),tR=58.2min(2R,3S).
・Entry13 の化合物(4nk、syn/anti=100/0)
[α]25 12.1(c0.91,CHCl,84%ee).oil.
Rf=0.2(Hexane:Ethyl acetate=5:1)
Anal.Calcd for:C,73.02;H,5.78;N,2.43.
found:C,73.29;H,5.76;N,2.33.
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=20/1,Flow rate=0.5ml/min,UV=244nm,
tR=20.8min(2R,3S),tR=23.7min(2S,3R).
【実施例18】
○不斉ヒドロホスホリル化反応
乾燥させた二口(10ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下,下記式(40)で表されるイミン化合物(表17にArの基を記載。例えばEntry 1ではN−2−ニトロベンジリデン−4−メトキシアニリンを使用)を0.118mM、キラルブレンステッド酸触媒としてGC11(0.035mM),およびトルエン(1ml)を室温下、10分間撹拌した。その後、ジイソプロピルホスファイト(0.173mM)を滴下し、24時間撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。この反応液を酢酸エチルエステルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。そしてp−TLCで分離精製(n−ヘキサン:酢酸エチルエステル)し、下記式(41)で表される化合物を得た(Entry 1:n−ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1,Rf=0.3。35.6mg,0.085mM,収率72%,77%ee)。光学純度の決定は高速液体クロマトグラフィーを用いて決定した。これらの結果を表17に記載した。



・Entry1 の化合物(PP01)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.98(d,1H,J=7.50Hz),7.71(d,1H,J=4.94Hz),7.54(t,1H,J=7.0Hz),7.40(d,1H,J=8.24Hz),6.73(d,2H,J=8.78Hz),6.62(d,2H,J=8.60Hz),6.05(dd,1H,J=8.78,17.39Hz),4.70〜4.75(m,2H),4.52〜4.57(m,1H),3.69(s,3H),1.31(d,3H,J=6.22Hz),1.27(d,3H,J=6.22Hz),1.22(d,3H,J=6.04Hz),0.90(d,3H,J=6.22Hz).
HPLC:Daicel Chiralcel OD−H,Hexane/i−PrOH=60/1,Flow rate=0.3ml/min,UV=254nm,
tR=47.8min(major),tR=52.2min(minor).
・Entry2 の化合物(PP02)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.40−7.44(m,2H),7.00(t,2H,J=8.60Hz),6.69(d,J=8.78Hz),6.51(d,J=8.78Hz),4.46−4.71(m,4H),3.68(s,3H),1.31(d,3H,J=6.22Hz),1.27(d,3H,J=6.04Hz),1.22(d,3H,J=6.22Hz),0.98(d,3H,J=6.22Hz).
・Entry3 の化合物(PP03)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.43−7.46(m,2H),7.30(t,2H,J=7.64Hz),7.24(t,1H,J=2.01,5.67Hz),6.78(dt,2H,J=2.38,4.39Hz),6.53(dt,2H,J=2.38,4.39Hz),4.43−4.71(m,4H),3.68(s,3H),1.31(d,2H,J=6.22Hz),1.25(d,2H,J=6.04Hz),1.22(d,2H,J=6.22Hz),0.92(d,2H,J=6.22Hz).
・Entry4 の化合物(PP04)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.31(s,1H),6.75(d,2H,J=8.78Hz),6.62(d,2H,J=8.78Hz),6.49(dd,1H,J=5.03,10.98Hz),6.34(s,1H),6.18−6.25(m,2H),4.70−4.76(m,2H),4.26(dt,J=6.96,13.18Hz),4.01(t,J=8.42Hz),3.74(s,3H),1.33−1.35(m,6H),1.28(d,3H,J=6.04Hz),1.25(d,3H,J=6.22Hz).
・Entry5 の化合物(PP05)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.36(d,1H,J=0.73Hz),6.73(d,2H,J=2.20Hz),6.72(d,2H,J=2.38Hz),6.34(t,2H,J=3.11,3.29Hz),4.68−6.80(m,2H),4.55−4.60(dd,1H,J=6.22,7.14Hz),4.26(t,1H,J=7.14Hz),3.71(s,3H),1.34(d,3H,J=6.22Hz),1.30(d,3H,J=6.22Hz),1.27(d,3H,J=6.22Hz),1.07(d,3H,J=6.04Hz).
・Entry6 の化合物(PP06)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.47(d,1H,J=2.38Hz),7.09−7.15(m,3H),6.65−6.81(m,2H),6.45−6.49(m,2H),4.84(dd,1H,J=7.32,16.84Hz),4.68−4.75(m,1H),4.59(t,1H,J=8.24,7.87Hz),4.34−4.41(m,1H),3.67(s,3H),2.49(s,3H),1.32(d,3H,J=6.04Hz),1.26(dd,6H,J=6.22,3.66Hz),0.79(d,3H,J=6.22Hz).
・Entry7 の化合物(PP07)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.44(dt,1H,J=2.47,1.50,3.66Hz),7.20(t,1H,J=8.24,5.49Hz),6.90(t,1H,J=7.60Hz),6.87(d,1H,J=8.42Hz),6.66(d,2H,J=6.59Hz),6.56(d,2H,J=6.77Hz),5.25(dd,1H,J=9.52,9.15Hz),4.75−4.80(m,1H),4.75(t,1H,J=8.97Hz),4.35−4.40(m,1H),3.90(s,3H),3.67(s,3H),1.32(d,3H,J=6.22Hz),1.27(d,3H,J=6.22Hz),1.20(d,3H,J=6.22Hz),0.80(d,3H,J=6.22Hz).
・Entry8 の化合物(PP08)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.33(d,2H,J=7.69Hz),7.28(d,2H,J=7.69Hz),7.20(dd,1H,J=7.32,6.77Hz),6.73(d,2H,J=8.97Hz),6.63(d,2H,J=8.78Hz),6.25(dd,1H,J=4.94,6.04,5.12Hz),4.71−4.79(m,1H),4.29(ddd,1H,J=6.8,8.8,12.4Hz),4.01(dd,1H,J=8.60,8.05Hz),3.73(s,3H),1.34(d,6H,J=6.22Hz),1.22−1.27(m,6H).
・Entry9 の化合物(PP09)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.32(dd,2H,J=2.19,6.04Hz),7.10(d,2H,J=8.05Hz),6.67(dd,2H,J=2.19,4.39Hz),6.53(dd,2H,J=2.19,4.57Hz),6.89(m,1H),4.44−4.61(m,3H),3.07(s,3H),2.30(s,3H),1.31(d,3H,J=6.22Hz),1.26(d,3H,J=6.04Hz),1.23(d,3H,J=6.22Hz),0.95(d,3H,J=6.22Hz).
【実施例19】
○不斉アザ ディールス−アルダー反応:溶媒の検討
乾燥した二口(10ml)ナス型フラスコに窒素雰囲気下、MI01(0.15mM)、GC11(0.1eq.)、表18に記載の溶媒(1.0ml)を加え、−78℃で10分間撹拌した。1−methoxy−3−trimetylsiloxy−1,3−butadiene(Danishefsky’diene,0.3mM)を2分間かけて滴下した。そして、TLCでMI01の呈色(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン検出)が減少したことを確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和フッ化カリウム水溶液の順に滴下した。そして、室温で更に30分間撹拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を1N塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾液を濃縮して得られた液体をp−TLCで精製し、1−(2−hydroxyphenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−one(PDA01)を得た。
各溶媒の結果を表18に記載した。
Rf=0.3(シリカゲル,クロロホルム/イソプロパノール=19/1)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.50(brs,1H),7.43(d,1H,J=7.6Hz),7.26−6.66(m,9H),5.30(dd,1H,J=6.7,7.1Hz),5.24(d,1H,J=7.6Hz),3.25(dd,1H,J=7.1,17.0Hz),2.87(dd,1H,J=6.7,17.0Hz).
HPLC:Daicel Chiralpack AD−H,n−ヘキサン/エタノール=10/1,flow rate=0.5ml/min
tR=28.6min(R),tR=33.8min(S)
R体とS体の絶対立体配置は、PDA01を1−(2−benzoloxyphenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−oneに誘導し、文献値と比較することで決定した。
・1−(3−methoxyphenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−one
Rf=0.3(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.68(dd,1H,J=7.9Hz,1.1Hz),7.34−7.18(m,6H),6.66−6.54(m,3H),5.29−5.26(m,2H),3.73(s,3H),3.30(dd,1H,J=16.4Hz,7.1Hz),2.78(ddd,1H,J=16.4Hz,2.9Hz,1.1Hz),
HPLC:Daicel Chiralpack AD−H,n−ヘキサン/エタノール=10/1,flow rate=0.5ml/min
tR=36.5min(R),tR=42.3min

【実施例20】
○不斉アザ ディールス−アルダー反応:イミン化合物の検討
表19のArが下記式(42)に結合したイミン化合物(例えば、Entry 1では2−hydroxyphenyl基が式(42)に結合したもの)、溶媒としてMesitylene、反応温度を−40℃、反応時間を19.5時間で行った以外は、実施例19と同様に操作し、式(43)で表されるキラル化合物を得た。これらの結果を表19に記載した。なお、実施例20のEntry 1は実施例19と同一である。


・Entry 2の化合物(PDA02;1−(3−methoxyphenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−one)
Rf=0.3(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.68(dd,1H,J=7.9Hz,1.1Hz),7.34−7.18(m,6H),6.66−6.54(m,3H),5.29−5.26(m,2H),3.73(s,3H),3.30(dd,1H,J=16.4Hz,7.1Hz),2.78(ddd,1H,J=16.4Hz,2.9Hz,1.1Hz),
HPLC:Daicel Chiralpack AD−H,n−ヘキサン/エタノール=10/1,flow rate=0.5ml/min
tR=36.5min(R),tR=42.3min
・Entry 3の化合物(PDA03;1−(4−methoxyphenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−one)
Rf=0.2(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1).
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.55(d,1H,J=7.6Hz),7.33−7.25(m,5H),6.96−6.94(m,2H),6.81−6.79(m,2H),5.23(d,1H,J=7.6Hz),5.18(dd,1H,J=8.0Hz,4.0Hz),3.76(s,3H),3.26(dd,1H,J=16.0Hz,8.0Hz,2.76(dd,1H,J=16.0Hz,8.0Hz).
HPLC:Daicel Chiralpack AD−H,n−ヘキサン/エタノール=5/1,flow rate=0.5ml/min
tR=36.3min(R),tR=41.4min.
・Entry 4の化合物(PDA04;1−(2−hydroxy−5−methyl−phenyl)−2−phenyl−1,2,3,4−tetrahydropyridin−4−one)
Rf=0.3(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.64(1H,brs),7.39(1H,d,J=8.0Hz),7.26−7.19(m,5H),6.80−6.70(m,3H),5.27(dd,1H,8.0Hz,4.0Hz),5.21(d,1H,J=8.0Hz),3.23(dd,1H,J=16.0Hz,8.0Hz),2.84(dd,1H,J=16.0Hz,4.0Hz),2.33(s,3H).
HPLC:Daicel Chiralpack AD−H,n−ヘキサン/エタノール=10/1,flow rate=0.5ml/min
tR=29.1min(R),tR=62.2min.
【産業上の利用可能性】
本発明の不斉合成用触媒を用いた不斉合成方法は高い光学純度を与える合成方法として使用することができる。また本発明の不斉合成方法を不斉マンニッヒ型反応等に適用することにより、医薬および農薬などに用いる化合物並びにそれらの合成中間体として有用な化合物を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キラルなブレンステッド酸を触媒として用いることを特徴とする不斉合成方法。
【請求項2】
請求の範囲第1項記載のキラルなブレンステッド酸がキラルなビナフトール−リン酸誘導体であることを特徴とする不斉合成方法。
【請求項3】
下記式(1)または下記式(3)で表される不斉合成用触媒。

(上記式(1)中、R、R、R、およびRは各々独立していてもよい水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;モノハロゲノメチル基;ジハロゲノメチル基;トリハロゲノメチル基;ニトリル基;ホルミル基;−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基;炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または下記式(2)を表す。)

(式(2)中のA、A、およびAは各々独立していてもよい炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6の分岐があってもよいアルキル基で1〜4置換されたフェニル基を表す。)

(式(3)中、RおよびRは各々独立していてもよい水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;モノハロゲノメチル基;ジハロゲノメチル基;トリハロゲノメチル基;ニトリル基;ホルミル基;−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し);炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基;炭素数3〜20の分岐があってもよいアルケニル基;炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基;アリール基;アリール基により1〜2置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐があってもよいアルケニル基、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルコキシ基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されたアリール基;ニトロ基、ハロゲン原子、モノハロゲノメチル基、ジハロゲノメチル基、トリハロゲノメチル基、ニトリル基、ホルミル基、−COA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、−COOA(Aは炭素数1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し)、および炭素数1〜20の分岐があってもよいアルキル基から選ばれる少なくとも1種以上のもので1〜4置換されていてもよいアリール基により1〜2置換されたアリール基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;または式(2)を表す。)
【請求項4】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)を触媒として用いる不斉合成方法。
【請求項5】
請求の範囲第1項記載のキラルなブレンステッド酸、請求の範囲第2項記載のキラルなビナフトール−リン酸誘導体、または請求の範囲第3項記載の式(1)若しくは式(3)を触媒として用いる不斉合成方法により得たキラルな化合物。
【請求項6】
請求の範囲第1項記載のキラルなブレンステッド酸、請求の範囲第2項記載のキラルなビナフトール−リン酸誘導体、または請求の範囲第3項記載の式(1)若しくは式(3)の化合物を触媒として用いてイミン誘導体とエノール誘導体とからキラルなアミノ化合物を得る製造方法。
【請求項7】
請求の範囲第5項記載の製造方法により得たキラルなアミノ化合物。
【請求項8】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉マンニッヒ型反応。
【請求項9】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉ヒドロホスホリル化反応。
【請求項10】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アザ ディールス−アルダー反応。
【請求項11】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アリル反応。
【請求項12】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉ストレッカー型反応。
【請求項13】
請求の範囲第3項記載の式(1)または式(3)の化合物を触媒として用いる不斉アミノアルキル化反応。

【国際公開番号】WO2004/096753
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505846(P2005−505846)
【国際出願番号】PCT/JP2004/005602
【国際出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】