説明

キレート剤

本明細書中に記載の式の化合物であって、式中、Rは、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択され、RおよびRは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から独立して選択され、Rは、水素、メチル、エチル、親水性部分、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている。本発明の化合物は、標的分子への化学選択的結合を可能にする二官能性キレート剤として有用であるかもしれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キレート剤に関する。本発明は、特に標的分子への選択的結合のための一連の二官能性キレート剤に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性核種の非共有結合では、放射性マーカーと標的分子を結びつけるために二官能性キレート剤(BFCA)が使用される。これらのBFCAの中では、1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)はよく研究されている大環状錯体リガンドであり、これは、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)とは対照的に、二価および三価金属両方の極めて安定性の高い錯体を形成することが示されている。2、3このリガンドを金属キレーターとして含有する放射性医薬品は、治療および画像診断における幅広い利用が見出されている4、5(非特許文献1および非特許文献2)。
【0003】
DOTA−ペプチドは一般に、溶液中で、または保護されていないDOTAを使用してもしくはより便利にはDOTAの4つのカルボン酸基の多重活性化による副反応を克服するために保護されたDOTA誘導体を使用して、樹脂結合ペプチドの遊離アミンにDOTA残基を結合する固体担体上で合成される。従って、多数のDOTA誘導体が開発されており、モノ結合体(monoconjugate)の選択的形成が可能である。例えば、3基保護の市販のDOTA−トリス(tert−ブチル)エステルおよび対応するベンジル保護アナログDOTA−トリス(ベンジル)エステル、イソチオシアネート官能基化p−NCS−Bz−DOTAだけでなく、保護されていないさらなるカルボン酸基を含むDOTAGA(tBu)10が広く用いられているBFCAである。他のアプローチでは、DOTA部分を側鎖に含む誘導体化アミノ酸が用いられた11、またはDOTA部分は樹脂結合ペプチドのN末端上で段階的に合成された12。これら全ての方法の主な制限は、DOTA残基の求電子性の結合である。この手順は、選択的反応用のその他のN−またはS−求核基を許容しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Heppeler,A.;Froidevaux,S.;Eberle,A.N.;Maecke,H.R.Receptor targeting for tumor localisation and therapy with radiopeptides.Current Medicinal Chemistry 2000,7,971−994.
【非特許文献2】Milenic,D.E.;Brady,E.D.;Brechbiel,M.W.Antibody−targeted radiation cancer therapy.Nature Reviews Drug Discovery 2004,3,488−498.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多官能性化合物の部位選択的官能基化を可能にする化学選択的アプローチが依然として求められている。しかし、そのような方法は、DOTA−結合放射性医薬品の合成にとって強力なツールとなるであろうし、新たな合成戦略や、錯構造、例えば我々が最近開発した、4−[18F]フルオロベンズアルデヒドを使用して18Fの標識に成功した多量体のアミノオキシ官能基化RGD誘導体13の合成が可能となる。14最近の発表では、Hovinenが、ナルトレキソンおよび2−デオキシ−D−リボースと接合したDOTAのトリスtert−ブチルエステルの誘導体化によるアミノオキシ官能基化キレートの合成を報告している。15しかし、報告された手順は高価な出発材料を必要とし、ペプチドのような多官能性化合物への適用性は未だ明らかでない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式:
【0007】
【化1】

の化合物を提供し、
式中、Rは、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択され、RおよびRは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から独立して選択され、Rは、水素、メチル、エチル、親水性部分、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている。
【0008】
がアルキルであるならば、好ましくは、このアルキルは、長さが1、2、3、4、5、または6個の炭素原子である。好ましくは、Rは、アリールまたはヘテロアリール基である。より好ましくは、Rは、1つまたは2つの環を有する5員〜9員のアリールまたはヘテロアリール基である。より好ましくは、Rは、6員のアリールまたはヘテロアリール基である。さらにより好ましくは、Rはフェニル基である。最も好ましくは、フェニル基は、パラ位がカルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている。
【0009】
好ましくは、Rは、カルボニル基または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている。
【0010】
本発明の一実施形態において、Rは、カルボニル基で置換されている。好ましくは、このカルボニル基はケト基である。好ましくは、このケト基はメチルケトンである。ケト基の利点は、ケト基が高い反応性を持つ基ではないため、化合物に長期間の安定性を与えることである。これにより、これを長期間保存できるようになる。著しく長い期間にわたって化合物を保管しようとする際に、反応性の高い基は問題となる。さらに、ケト基は、ペプチドのような多官能性化合物への化学選択的結合を可能にする。別の利点は、ケト基は合成プロセスにおいてさらなる保護を必要としないことである。
【0011】
本発明の別の実施形態において、付加環化反応に参加するのに適した官能基は、アルキン基またはアジド基である。好ましくは、このアルキン基はエチニル基である。
【0012】
一実施形態において、R、R、およびRは、水素およびカルボキシル保護基から独立して選択され、Rは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択される。好ましくは、R、R、およびRは同一である、または別のカルボキシル保護基である。好ましくは、Rは、水素またはメチルである。より好ましくは、R、R、およびRは、t−ブチルであり、Rは、Hまたはメチルである。
【0013】
カルボニル保護基が存在するならば、それらは好ましくはベンジル、フルオレニルメチル、およびt−ブチルから選択される。
【0014】
一実施形態において、RまたはRのどちらかは親水性部分である。好ましくは、RおよびRは両方とも親水性部分である。Rおよび/またはRが親水性部分の場合、化合物は好ましくは、ガリウム68と錯体形成するために使用される。好ましくは、親水性部分は糖である。親水性部分、特に糖を化合物に結合させる利点は、それらが化合物の薬物動態特性を向上させることである。
【0015】
本発明の別の態様において、式:
【0016】
【化2】

の化合物が提供され、
式中、基GからGの2つ〜4つは、CH(CO)−Rであり、任意の残りの基GからGはCHCOであり、Rは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは上記で定めた通りであり、Rは上記で定めた通りである。これによって化合物が複数の標的分子に結合できるようになり、それぞれのR基の位置に1つが結合する。
【0017】
本発明は、上述のような化合物および誘導体化された標的分子を有する結合体も提供し、Rがカルボニル基またはアミノオキシ基で置換されている場合は、標的分子は、相補的なアミノオキシ部分またはカルボニル部分を含むように誘導体化されており、化合物と標的分子はオキシム結合で結合されており、Rが付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている場合は、標的分子は、付加環化反応用の相補基を含むように誘導体化されており、化合物と標的分子は、付加環化反応のヘテロ環生成物によって結合される。Rがカルボニル基またはアミノオキシ基で置換されている場合、Rは好ましくはカルボニル基で置換されている。
【0018】
この結合体の一実施形態において、化合物および標的分子は、1,2,3−トリアゾール基によって結合されている。
【0019】
本発明は、上述の化合物または上述の結合体と錯体を形成する放射性核種を有するキレートも提供する。好ましくは、放射性核種は、アクチニウム225、ビスマス212、ビスマス213、鉛203、銅64、銅67、ガリウム66、ガリウム67、ガリウム68、ルテチウム177、インジウム111、インジウム113、イットリウム86およびイットリウム90、ジスプロシウム162、ジスプロシウム165、ジスプロシウム167、ホルミウム166、プラセオジミウム142、プラセオジミウム143、プロメチウム149、およびテルビウム149から選択される。
【0020】
本発明は、本発明に従う化合物の合成の方法も提供し、この合成は、2置換のアリール、ヘテロアリール、アルキル、または組み合わせR、L−CH(CO)−R−Xとシクレンとの反応であって、ここでRおよびRは上記と同じ意味を有し、Lは脱離基であり、Xは、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基である、またはそのような官能基の保護形態である、アルキル化;ならびに、LCHCORを使用するシクレンの他の窒素原子のアルキル化であって、ここでRは、上記で定めたようなR、R、またはRであり、Lは脱離基である、アルキル化、を有する。好ましくは、合成は、2置換のアリールまたはヘテロアリール、R、L−CH(CO)−R−Xとシクレンとの反応を有する。
【0021】
シクレンを出発材料として使用する利点は、他の化合物、例えば非常に高価なDOTAトリスtert−ブチルエステルと比較して、シクレンが比較的安価であることである。
【0022】
合成の方法は、さらなるRを含む基をシクレンと反応させるステップを伴い、シクレンの窒素原子の2〜4つはL−CH(CO)−R−Xと反応し、Rは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは上記と同じ意味を持ち、シクレンの任意の残りの窒素原子は、LCHCORを用いてアルキル化され、Rは、上記で定めたようなR、R、またはRである。
【0023】
本発明は、本発明の化合物と誘導体化標的分子を一緒に反応させることによって、本発明の結合体を合成する方法も提供する。この合成は、結合体と放射性核種との錯体形成でキレートを形成する前に行われてよい。あるいは、化合物と誘導体化標的分子を一緒に反応させる前に、本発明の化合物と放射性核種との錯体形成によってキレートを合成することが可能である。結合体と放射性核種の錯体形成の前に化合物と誘導体化標的分子を一緒に反応させることの利点は、放射性核種の操作に必要な注意を要さずに、最初にキレート剤がさらに操作(例、標的投与用に精製され処方される)されてよいことである。さらに、結合体は、使用のために異なる場所へ輸送される前に、中心となる場所において大量生産され得る。もう1つの利点は、化合物と放射性核種の錯体形成に使用される条件が非常に厳しいものであってよく、そうでなければ化合物に影響を与えかねないこれらの厳しい条件の前に最終的な結合体が形成されることである。
【0024】
この方法の一実施形態において、遷移金属触媒の存在下で、化合物と標的分子が付加環化反応によって結合する。好ましくは、金属触媒は銅またはロジウムに基づいている。
【0025】
本発明は、治療または診断において使用するためのキレートも提供する。
【0026】
さらに、本発明は、過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療用の薬剤の調製におけるキレートの使用を提供する。
【0027】
さらに、本発明は、過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療に使用するためのキレートを提供する。
【0028】
好ましくは、上記の使用における状態は癌である。好ましくは、癌はホルモン応答性である。
【0029】
本発明は、対象における過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断または治療の方法も提供し、この方法は、それぞれ診断上または治療上効果的な量の本発明に従うキレートの対象への投与を有する。
【0030】
本発明は、本発明に従う結合体の合成における、本発明に従う化合物の使用を提供する。
【0031】
さらに、本発明は、本発明に従うキレートの合成における、本発明に従う結合体の使用を提供する。
【0032】
本発明は、結合体またはキレートも提供し、標的分子はペプチドである。
【0033】
本発明は、1つ以上のジスルフィド架橋を有する標的分子への二官能性キレート剤の金属触媒による接合に続いて、二官能性キレート剤から金属触媒を脱キレート化する方法を提供し、この方法は、硫化ナトリウムを使用した金属イオンの除去および、続いて行われる、ジスルフィド架橋を再構築するための、NHおよびアセトニトリルと水を有する溶媒での処理から成る。好ましくは、二官能性キレート剤は、本発明の化合物である。
【0034】
一実施例において、接合反応は、付加環化反応を伴う。
【0035】
好ましくは、金属触媒は銅またはロジウムに基づいている。
【0036】
最後に、本発明は、上述のように、複数のR基を持つ化合物と、R基を介して化合物に結合する2つ以上の標的分子とを有する結合体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
ここで、一例にすぎないが、添付の図面を参照してより詳しく本発明を説明する。
【図1】4−アセチルフェニル−DOTA誘導体1および2、ならびにエチニルDOTA誘導体3の構造を示す。
【図2】オキシムライゲーションによって得られた粗製DOTA結合体19のHPLCトレースを示す。
【図3】1,3−双極付加環化と、続く脱保護(ステップ2、スキーム5)後に得られた粗製DOTA結合体24のHPLCトレースを示す。
【図4】AR42J腫瘍を有するヌードマウス(n=5、競合試験ではn=3)の30分および60分p.i.の[68Ga]19の生体内分布を示す。データは、g組織当たりの%注射用量(%iD/g)で与えられ、平均値±SDである。
【図5】AR42J腫瘍を有するヌードマウス(n=5)の30分および60分p.i.の[68Ga]19に見られた腫瘍対非腫瘍比を示す。データは、平均値±SDである。
【図6】tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(1)のHPLCトレースを示す。勾配:10→80%、30分間。
【図7】2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)酢酸(2)のHPLCトレースを示す。勾配:10→60%、30分間。
【図8】(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−エチニル)フェニル)アセテート(3)のHPLCトレースを示す。勾配:10→100%、30分間。
【図9】メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(11)のHPLCトレースを示す。勾配:10→80%、30分間。
【図10】DOTA−Tyr−オクトレオテート誘導体19のHPLCトレースを示す。勾配:10→60%、30分間。
【図11】DOTA−Tyr−オクトレオテート誘導体24のHPLCトレースを示す。勾配:10→60%、60分間。
【図12】1,3−双極付加環化によって得られた粗製DOTA結合体26のHPLCトレースを示す。勾配:10→60%、60分間。
【図13a】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(5)のNMRスペクトルを示す。
【図13b】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(5)のNMRスペクトルを示す。
【図14a】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(6)のNMRスペクトルを示す。
【図14b】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(6)のNMRスペクトルを示す。
【図15a】メチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(7)のNMRスペクトルを示す。
【図15b】メチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(7)のNMRスペクトルを示す。
【図16a】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(8)のNMRスペクトルを示す。
【図16b】tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(8)のNMRスペクトルを示す。
【図17a】メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(9)のNMRスペクトルを示す。
【図17b】メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(9)のNMRスペクトルを示す。
【図18a】tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(10)のNMRスペクトルを示す。
【図18b】tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(10)のNMRスペクトルを示す。
【図19a】メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(11)のNMRスペクトルを示す。
【図19b】メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(11)のNMRスペクトルを示す。
【図20a】2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)酢酸(2)のNMRスペクトルを示す。
【図20b】2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)酢酸(2)のNMRスペクトルを示す。
【図21a】tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(1)のNMRスペクトルを示す。
【図21b】tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)アセテート(1)のNMRスペクトルを示す。
【図22a】メチル(4−ヨードフェニル)アセテート(13)のNMRスペクトルを示す。
【図22b】メチル(4−ヨードフェニル)アセテート(13)のNMRスペクトルを示す。
【図23a】メチル2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(14)のNMRスペクトルを示す。
【図23b】メチル2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(14)のNMRスペクトルを示す。
【図24a】メチル2−ブロモ−2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(15)のNMRスペクトルを示す。
【図24b−1】メチル2−ブロモ−2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(15)のNMRスペクトルを示す。
【図24b−2】メチル2−ブロモ−2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(15)のNMRスペクトルを示す。
【図25】(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−2−(4−エチニル)フェニル)アセテート(16)のNMRスペクトルを示す。
【図26a】(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−エチニル)フェニル)アセテート(3)のNMRスペクトルを示す。
【図26b】(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−エチニル)フェニル)アセテート(3)のNMRスペクトルを示す。
【図27a】N−(3−アジドプロピル)スクシンアミド(21)のNMRスペクトルを示す。
【図27b】N−(3−アジドプロピル)スクシンアミド(21)のNMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
高度に官能基化された生体分子への化学選択的結合を可能にする新規な二官能性ポリ(アミノカルボキシレート)キレート剤の便利な合成が説明される。周知のキレーター1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)に基づいて、1当量のパラ位官能基化アルキル2−ブロモフェニルアセテートと3当量の市販のアルキル2−ブロモアセテートで1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(シクレン)をアルキル化することによって、さらなる官能基を有する新規な二官能性キレート剤を合成した。得られた化合物は、さらなるカルボニルおよびアルキン官能基をそれぞれ有し、保護されていない適切な官能基化生体分子の迅速な部位特異的標識を可能にする。これは、化学選択的オキシムライゲーションおよび1,3−双極付加環化(クリック化学)による、我々の新たなDOTA誘導体のソマトスタチンアナログTyr−オクトレオテートへの結合によって示された。マウスにおける初期生体内分布試験では、放射性金属化ペプチドを用いるin vivo画像解析に対する、説明されたDOTA接合の適合性が示された。
【0039】
故に、我々の目標は、幅広い種類の官能基の存在下で化学選択的結合を可能にする新規なDOTA誘導体を開発することであった。その結果、我々の方法を便利に、また広く用いられているが非常に高価なDOTA−トリス(tert−ブチル)エステルの一般的な代替法とするために、安価な市販材料からわずかな合成ステップで容易に入手できる構造に焦点を当てた。さらに、対応する多官能性化合物が入手しやすいことは、我々の検討において重要な側面であった。オキシムライゲーション16、17だけでなくHuisgen 1,3−双極付加環化18、19はよく研究されており、化学選択的カップリング用の強力な反応であって、我々の目的に要求される全てのものを満たしている。オキシムライゲーションは、オキシム結合の形成のもとのアミノオキシ成分とアルデヒドまたはメチルケトン20間の高度に選択的な反応を意味し、in vitroおよびin vivoの両方で適度に安定であることが知られている。この反応は、N末端のシステインを除くあらゆる遊離アミノ酸側鎖を許容することが示され、例えば、template assembled synthetic protein21、22、放射性標識ペプチド結合体23、24、環状ペプチド25、およびタンパク質アナログ26、27の合成における幅広い利用が見られた。トリアゾールの形成のためのアジドとアルキンの化学選択的Huisgen 1,3−双極付加環化が、非常に有用な“クリック”反応として最近再認識され28〜30、医薬品化学における各種の開発における用途が見出されている。31〜36DOTA結合体合成のための様々な手法をユーザーに提供するために、我々は、上述の両反応タイプ用の適切なDOTA誘導体に焦点を当てた。
【0040】
故にこの報告では、我々は、化合物2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)酢酸(1)および2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−アセチルフェニル)酢酸tert−ブチルエステル(2)それぞれの、アミノオキシ官能基化化合物とのオキシムライゲーションのためのカルボニル成分としての合成と、アジド官能基化化合物との“クリック”反応のための2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−(4−トリメチルシリルエチニル)酢酸メチルエステル(3)の合成を提示する(図1)。加えて、これらの誘導体を、それらのメチルケトン−およびアルキン−官能基を介して生体分子に結合させるために、化合物2および3は、1つの異なって官能基化されたカルボキシル基によるさらなる選択的修飾を可能にするであろう。両クラスの誘導体は、腫瘍診断および内部放射線療法の目的のために十分に確立された標的分子であるソマトスタチンアナログである、適切なN−末端が修飾された保護されていないTyr−オクトレオテートと高度に選択的に反応することを証明した。37〜40それぞれの生体分子の受容体親和性に影響を与えない新しい放射性リガンドの合成に対する、前述の異なる化学選択的接合アプローチの適用性を示すために、Tyr−オクトレオテートアナログの1つを68Gaで標識し、AR42J腫瘍を有するヌードマウスにおいて初期生体内分布試験で評価した。
【0041】
実験手順
一般的事項。トリチルクロリドポリスチロール(TCP)樹脂(0.94mmol/g)をPepChem(Tuebingen、ドイツ)より購入した。カップリング試薬およびアミノ酸誘導体をNovabiochem、Neosystem、およびIRIS Biotech GmbH、Merck Biosciences、Perseptive Biosystems GmbH、およびNeosystemより購入した。無水溶媒をFlukaより購入した。その他全ての試薬および溶媒を、Merck、Aldrich、およびFlukaより購入し、そのまま使用した。無水溶媒を移すのに、標準的なシリンジ法を用いた。アルミバックプレート(Merckシリカゲル60F254)で薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。254nmでのUV吸収によって、またはモリブデン酸セリウムアンモニウム(CAM)で呈色させて化合物を可視化した。シリカゲル60(Merck、230〜400メッシュ)(分離される材料1gに対しておよそ50g)で、指示された溶出剤を使用してフラッシュクロマトグラフィーを実施した。クロマトグラフィー用の溶媒を使用前に蒸留した。クロマトグラフィー用の溶出溶媒系は、体積/体積比として報告する。Omnicrom YMCカラム(4.6mm×250mm、5μmC18、1mL/分)を使用して、非ペプチド化合物は254nmで、ペプチド化合物は220nmで検出しRP−HPLC解析を行った。溶出剤は、水(0.1%TFA)からアセトニトリル(0.1%TFA)(30分間)の直線的勾配とした。分析RP−HPLCの保持時間(R)は分で示し、勾配はアセトニトリルの割合で記載する。NMR:Bruker AC−250、AV−360、AV−500、およびDMX500。Hおよび13CのNMRスペクトルを周辺温度で記録した。スペクトルを、それらのそれぞれの溶媒シグナル(CDClH 7.26ppm、13C 77.0ppm、MeOH−dH 3.31ppm、13C 49.05ppm)にキャリブレーションした。化学シフト(δ)は、100万分の1(ppm)で報告し、カップリング定数(J値)はヘルツ(Hz)で与える。多重度を説明するために以下の略号を使用した:s、シングル、d、ダブレット、t、トリプレット、q、カルテット、dd、ダブレットのダブレット、dt、トリプレットのダブレット、m、マルチプレット、b、ブロード。MS:Finnigan MAT8200(EI)、Finnigan LCQ(ESI)。Bruker Ultraflex TOF/TOFでペプチド配列解析を行った。
【0042】
メチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(5)。アルゴン雰囲気下、メチル2−ブロモアセテート(3.55mL、37.5mmol、1.0当量)、Pd(OAc)(252mg、1.13mmol、3mol%)、P(o−トリル)(1.02g、3.35mmol、9mol%)およびKCO(26.0g、0.19mmol、5.0当量)を含むTHF(120mL)の懸濁液に、4−アセチルフェニルボロン酸(7.38g、45.0mmol、1.2当量)を含むTHF/HO(120mL/1.7mL)の溶液を1時間にわたり滴下しながら加えた。室温で18時間攪拌後、混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(250mL)に取り、次いで飽和NHCl水溶液(150mL)、飽和NaHCO水溶液(150mL)および食塩水で洗浄した。MgSOで乾燥させた後、有機層を短いシリカゲルカラムで濾過して濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:8)で、5(4.73g、66%)を黄白色の固体として得た。R=0.13(EtOAc/ヘキサン,1:4);mp 44−44°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.91(d,J=8.3 Hz,2H),7.36(d,J=8.3 Hz,2H),3.69(s,3H),3.68(s,2H),2.57(s,3H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.5,171.1,139.2,136.0,129.4(2C),128.5(2C),52.1,40.9,26.5;HRMS(EI) C1112の理論値 192.07864;実測値 192.07863。
【0043】
メチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(7)。5(3.00g、15.6mmol、1.0当量)を含む無水CCl(300mL)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(3.36g、18.9mmol、1.2当量)およびBr(2滴)を加えた。混合物を還流するまで加熱し、500Wのハロゲンランプで10分間照射し、還流しながらさらに50分間攪拌した。室温まで冷却した後反応溶液を濾過し、溶媒を濃縮し、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:4)で精製して、7(3.75g、89%)を黄白色の油として得た。R=0.18(EtOAc/ヘキサン,1:4);H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.94(d,J=8.4 Hz,2H),7.63(d,J=8.4 Hz,2H),5.38(s,1H),3.79(s,3H),2.59(s,3H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.1,168.2,140.4,137.5,128.9,128.6,53.5,45.3,26.6;HRMS(EI) C111181BrOの理論値 271.98712;実測値 271.98716,HRMS(EI) C111179BrOの理論値 269.98917;実測値 269.98863。
【0044】
(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−2−(4−アセチルフェニル)アセテート(9)。室温の1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(762mg、4.43mmol、1.2当量)およびKCO(1.27g、9.22mmol、2.5当量)を含むDMF(100mL)の懸濁液に、7(1.00g、3.69mmol、1.0当量)を含むDMF(60mL)の溶液を10時間にわたって滴下しながら加えた。混合物を濾過して減圧下で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配MeOH/CHCl 1:7→7:1、1%NEt)で9(829mg、62%)を黄白色の固体として得た。R=0.10(MeOH/CHCl,3:1,1% NEt);mp 32−35°C;H NMR(500 MHz,MeOH−d) δ 8.04(d,J=8.2 Hz,2H),7.45(d,J=8.2 Hz,2H),5.02(s,1H),3.77(s,3H),3.37−3.30(m,2H),3.24−3.10(m,4H),3.09−3.01(m,4H),3.00−2.94(m,4H),2.63(m,5H);13C NMR(125 MHz,MeOH−d) δ 199.8,174.1,139.6,138.4,131.2(2 C),129.8(2 C),66.5,53.2,48.0(2 C),46.3(2 C),43.8(2 C),43.8(2 C),26.8;MS(ESI) C1930の理論値 362.2;実測値 363.2 [M+H]
【0045】
(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−アセチル−フェニル)アセテート(11)。室温の9(723mg、1.99mmol、1.0当量)およびKCO(1.24g、8.98mmol、4.5当量)を含むDMF(50mL)の懸濁液に、tert−ブチル2−ブロモアセテート(0.97mL、6.58mmol、3.3当量)を含むDMF(50mL)の溶液を30分間にわたって加えた。4時間の攪拌後、混合物を濾過して減圧下で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl 1:10→7:1、1%NEt)で、11(83mg、83%)を黄白色の固体として得た。99%純度;RP−HPLC(10→80%) R=17.4;R=0.83(MeOH/CHCl,3:1,1% NEt);mp 73−75°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.95(d,J=8.3 Hz,2H),7.16(d,J=8.1 Hz,2H),4.75(s,1H),3.69(s,3H),3.59(d,J=17.4 Hz,1H),3.42(d,J=17.5 Hz,1H),3.39(d,J=17.4 Hz,1H),3.24−3.05(m,3H),3.02−2.68(m,6H),2.59(s,3H),2.57−2.42(m,4H),2.35−2.25(m,2H),2.25−2.15(m,2H),2.14−2.05(m,2H),1.48(s,9H),1.45(s,18H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.4,174.5,173.6,173.1,172.9,136.9,136.7,130.2(2C),128.3(2C),82.5,82.2,82.1,77.2,64.8,55.9,55.7,55.5,52.7,52.4,52.3,48.5,48.0,47.9,47.8,44.6,27.9(3C),27.8(3C),27.7(3C),26.6;HRMS(EI) C2236の理論値 404.27875;実測値 404.27951。
【0046】
(R/S)−2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−アセチルフェニル)酢酸・1/2AcOH(2)。室温の11(26.0mg、31.7μmol、1.0当量)を含むTHF(5mL)の溶液に、LiOH(1.75mg、72.9μmol、2.3当量)を含む水(150μL)の溶液を加え、混合物を18時間攪拌した。減圧下で濃縮後、粗生成物を分取RP−HPLC(20→60%、30分間)で精製し、酢酸を凍結乾燥して除き、2(9.0mg、38%、回収された11に関して66%)を無色の固体として得た。94%純度;RP−HPLC(10→60%) R=25.7;mp 68−72°C;H NMR(500 MHz,MeOH−d) δ 8.06(d,J=8.2 Hz,2H),7.63(d,J=8.1 Hz,2H),5.12(s,1H),4.04−3.34(m,8H),3.34−3.18(m,4H),3.15−2.66(m,10H),2.63(s,3H),1.99(s,1/2×3H(AcOH)),1.53(s,9H),1.52(s,18H);13C NMR(125 MHz,MeOH−d) δ 199.7,175.2,172.7,170.4(br,3C),138.8(2C),132.7(2C),129.8(2C),84.1(br,3C),69.9,56.5,52.9−51.0(br,8C),20.5(9C),26.8,20.8;MS(ESI) C3658の理論値 690.4;実測値 691.4 [M+H],713.4 [M+Na],729.3 [M+K]
【0047】
メチル(4−ヨードフェニル)アセテート(13)。(4−ヨードフェニル)酢酸(12)(15.0g、57.0mmol)を含む無水メタノール(50mL)の溶液に、SOCl(20.7mL、285mmol、5当量)を0℃で滴下しながら加えた。室温で1時間攪拌後、減圧下で溶媒を除去し、残渣をEtO(400mL)に溶解した。次いで、有機層を飽和NaHCO水溶液(400mL)、飽和NHCl水溶液(400mL)、および食塩水(400mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で濃縮し13(14.7g、93%)を得た。R=0.57(EtOAc/ヘキサン,1:4);H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.65(d,J=8.3 Hz,2H),7.03(d,J=8.3 Hz,2H),3.69(s,3H),3.56(s,3H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 171.3,137.6,133.5,131.2,92.5,52.0,40.5。
【0048】
1−アジド−3−アミノプロパン(20)。文献の手順(56)を若干変更した:1−ブロモ−3−アミノプロパン臭化水素酸塩(5.47g、25.0mmol、1.0当量)およびアジ化ナトリウム(3.25g、50.0mmol、2.0当量)を含む20mLの水溶液を、80℃で24時間加熱した。反応混合物を氷浴で冷却後、ジエチルエーテル(30mL)を加えた。温度を10℃未満に保ちながら、KOHペレットの添加によってpHを14に調節した。有機層の分離後、ジエチルエーテルで水分をさらに抽出した。集めた有機層をMgSOで乾燥させ、真空中で注意深く濃縮した。残った油は、21.0mmol(84%)の20と、およそ等モル量のジエチルエーテルを含み(プロトンNMRの積分に基づく)、それ以上精製せずに使用した。分光分析データは、文献20と同一であった。
【0049】
3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパン酸(21)。20(501mg、5.00mmol、1.1当量)およびNEt(693μL、5.00mmol、1.1当量)を含む10mLのアセトンの溶液に、無水コハク酸(460mg、4.55mmol、1.0当量)を含む5mLのアセトンの溶液を、室温で15分間にわたって加えた。反応混合物を室温でさらに15時間攪拌した。真空中で濃縮後、残渣を希釈HCl水溶液(20mL)と酢酸エチル(20mL)の間に区分化して分離し、水層を酢酸エチルでさらに抽出した(2×10mL)。集めた有機層の濃縮後、21(653mg、3.27mmol、71%)を白色固体として得た。H NMR(360 MHz,MeOH−d) δ 3.34(t,J=6.8 Hz,2H),3.24(t,J=6.8 Hz,2H),2.59(dt,J=6.5 Hz,1.1 Hz,2H),2.44(dt,J=6.7 Hz,1.3 Hz,2H),1.74(q,J=6.8 Hz,2H);13C NMR(90 MHz,MeOH−d) δ 176.2,174.7,50.0,37.7,31.5,30.2,29.7;MS(ESI) C1112の理論値 200.1;実測値 201.1(M+H)。
【0050】
ペプチド合成
標準的なFmocストラテジー(57〜60)に従い、TCP−樹脂を用いてペプチド合成を行った。
【0051】
TCP樹脂へのN−Fmoc−アミノ酸の結合。一般的手順I。
【0052】
無水DCM(10mL)で20分間膨潤させた後、TCP樹脂(2.00g、理論上0.96mmol/g、1.92mmol)を、Fmoc保護アミノ酸(1.2当量、2.3mmol)を含む無水DCM(19mL)溶液およびDIPEA(980μL、3当量、5.8mmol)で、室温にて2時間処理した。MeOH(2mL)およびDIPEA(0.4mL)を加えてフリー部位にキャップをし、反応混合物を15分間振盪した。樹脂をNMP(3×10mL)、DCM(5×10mL)、およびMeOH(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、樹脂結合N−Fmocアミノ酸を得た。
【0053】
Fmocの脱保護。一般的手順II。
【0054】
Fmoc保護樹脂を、20%ピペリジンを含むNMPの溶液10mLで処理し(3×10分間)、NMPで洗浄した(5×10mL)。
【0055】
TBTU/HOBtとのカップリング。一般的手順III。
【0056】
Fmocアミノ酸(2.5当量)、TBTU(2.5当量)、HOBt(2.5当量)、およびDIPEA(7当量)をNMPに溶解して0.2mmol/L溶液を得、これを樹脂に加えた。反応混合物を室温にて90分間振盪し、NMPで洗浄した(5×10mL)。
【0057】
トリフルオロ酢酸での切断と脱保護。一般的手順IV。
【0058】
樹脂をDCMで洗浄し(3×10mL)、TFA、HO、およびトリイソプロピルシラン(90:5:5、v/v/v、20mL)の混合物で3回×10分間処理した。濾過による樹脂の除去後、濾液を集め、さらに90分間攪拌した。溶媒を減圧下で濃縮し、EtOでペプチドを沈殿させた。
【0059】
直鎖ペプチドのジスルフィド環化。一般的手順V。
【0060】
直鎖ペプチドを高希釈(c=1mM)で水に溶解し、濃縮NaHCO水溶液を加えてpHを7〜8に調節した。次に、30%のH水溶液(3当量)を、激しく攪拌しながら滴下して加えた。30分後に反応を停止させ、凍結乾燥によって溶媒を除去した。
【0061】
シクロ[2,7]−AoxAc−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(18)およびシクロ[2,7]−3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパノイル−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(23)の合成。直鎖ペプチド配列、H−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OHを、一般的手順I〜IIIと同様の方法で固相上に合成した。手順IVに従って、サンプルを樹脂から切断し、ペプチド配列をMALDI−TOFペプチド配列解析で確認した。MS(MALDI) C49661012の理論値 1050.43;実測値 1051.40 [M+H].さらなる手順では、樹脂を2つの部分に分けた:
1)シクロ[2,7]−AoxAc−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(18):(Boc−アミノオキシ)酢酸を、一般的手順I〜IIIと同様の手法で上記の樹脂結合ペプチドの一部にカップリングさせ、直鎖ペプチドを、手順IVに従って樹脂から切断した。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。ステップIVおよびVで使用する全ての溶媒の品質に十分注意しなくてはならない(HPLC品質)。小バッチの粗生成物を精製し、半分取(semipreparative)RP−HPLC(20→50%、30分間)による精製後にアミノオキシ官能基化Tyr−オクトレオテート18を無色の固体として得た。97%純度;RP−HPLC(10→60%) R=17.3;MS(ESI) C51671114の理論値 1121.43;実測値 1122.5 [M+H],562.1 [(2M+2H)/2]2+
2)シクロ[2,7]−3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパノイル−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH(23)。21を、一般的手順I〜IIIと同様の手法で上記の樹脂結合ペプチドの一部にカップリングさせ、直鎖ペプチドを手順IVに従って樹脂から切断した。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。ジスルフィド環化を一般的手順Vに従って行った。半分取RP−HPLC(20→60%、30分間)による精製後に、ペプチドを無色の固体として得た。96%純度;RP−HPLC(10→50%) R=25.0;MS(ESI) C56741414の理論値 1230.50;実測値 1231.6 [M+H],1253.6 [M+Na],1269.3 [M+K]
【0062】
3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパノイル−Tyr−Glu−Trp−Lys(25)の合成:直鎖ペプチドを、一般的手順I〜IIIと同様の手法にて固相上で合成し、手順IVに従って樹脂から切断した。半分取RP−HPLC(20→50%、30分間)による精製後に、ペプチドを無色の固体として得た。97%純度;RP−HPLC(10→60%,30分) R=16.8;MS(ESI) C38501010の理論値 806.37;実測値 807.6 [M+H],829.5 [M+Na]
【0063】
DOTA−Tyr−Glu−Trp−Lys誘導体26の合成。室温の3(3.1mg、4.1μmol、1.0当量)を含むTHF(0.2mL)の溶液に、LiOH(0.3mg、14μmol、3.4当量)を含む水(30μL)の溶液を加え、混合物を18時間攪拌した。次に、水(0.2mL)、ペプチド22(3.8mg、4.1μmol、1.0当量)、0.1M CuSO水溶液(49μL、4.9μmol、1.2当量)および銅粉末(10mg)を加え、混合物を18時間攪拌した。この後、銅粉末を濾別し、NaS(NaS・9HO、12mg、49μmol、12.0当量)を加えて溶解した銅塩を沈殿させた。混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。tert−ブチルエステルを、TFA/TIPS/HO混合物(95:5:5、v/v/v、1mL)で2時間処理することで切断した。その後、溶液を減圧下で濃縮し、半分取RP−HPLC(20→50%、30分間)で粗生成物を直接精製して、凍結乾燥後に23(3.22mg、51%)を無色の粉末として得た。95%純度;RP−HPLC(10→60%) R=12.6;MS(ESI) C62821418の理論値 1310.59;実測値 656.9 [(M+2H)/2],667.9 [(M+H+Na)/2],1311.8 [M+H],1333.6 [M+Na],1349.5 [M+K]
【0064】
tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)アセテート(6)。アルゴン雰囲気下のtert−ブチル2−ブロモアセテート(6.80mL、46.4mmol、1.0当量)、Pd(OAc)(336mg、1.50mmol、3mol%)、P(o−トリル)(1.36g、4.46mmol、10mol%)、およびKCO(34.6g、0.25mmol、5.4当量)を含むTHF(160mL)の懸濁液に、4−アセチルフェニルボロン酸(4)(9.84g、60.0mmol、1.3当量)を含むTHF/HO(160mL/2.2mL)の溶液を1時間にわたり滴下しながら加えた。室温で18時間攪拌後、混合物を濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をEtOAc(250mL)に取り、次に飽和NHCl水溶液(150mL)、飽和NaHCO水溶液(150mL)および食塩水で洗浄した。MgSOで乾燥させた後、有機層を、シリカゲルを通して濾過し濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:8)で、6(6.78g、63%)を黄白色の固体として得た。R=0.27(EtOAc/ヘキサン,1:4);mp 50−52°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.92(d,J=8.2 Hz,2H),7.37(d,J=8.1 Hz,2H),3.58(s,2H),2.59(s,3H),1.43(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.7,170.0,140.1,135.8,129.4(2C),128.5(2C),81.2,42.6,28.0,26.5;HRMS(EI) C1418の理論値 234.12559;実測値 234.12532。
【0065】
tert−ブチル2−(4−アセチルフェニル)−2−ブロモアセテート(8)。6(2.84g、12.1mmol、1.0当量)を含む無水CCl(250mL)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(2.58g、14.5mmol、1.2当量)およびBr(2滴)を加えた。混合物を還流するまで加熱し、500Wのハロゲンランプで10分間照射し、還流しながらさらに50分間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液を濾過し、溶媒を濃縮し、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:10)で精製して、8(3.34g、88%)を黄白色の固体として得た。R=0.27(EtOAc/ヘキサン,1:4);mp 54−56°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.93(d,J=8.4 Hz,2H),7.62(d,J=8.3 Hz,2H),5.27(s,1H),2.59(s,3H),1.45(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.2,166.6,141.1,137.3,128.8(2C),128.6(2C),83.5,47.1,27.6,26.6;MS(EI) m/z(%) 314(<1) [M(81Br)],312(<1) [M(79Br)],241(10) [M(81Br)−OtBu],239(8) [M(79Br)−OtBu];HRMS(EI) C1081BrO [M(81Br)−OtBu]の理論値 240.96872;実測値 240.96833,HRMS(EI) C1079BrO [M(79Br)−OtBu]の理論値 238.97076;実測値 238.97074。
【0066】
(R/S)−tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−2−(4−アセチルフェニル)アセテート(10)。室温の1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(331mg、1.92mmol、1.2当量)とKCO(552mg、3.99mmol、2.5当量)を含むDMFの懸濁液に、8(500mg、1.60mmol、1.0当量)を含むDMF(50mL)の溶液を10時間にわたって滴下しながら加えた。混合物を濾過し減圧下で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配MeOH/CHCl 1:7→7:1、1%NEt)で、10(488mg、75%)を黄白色の固体として得た。R=0.10(MeOH/CHCl,3:1,1% NEt);mp 33−36°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.91(d,J=8.4 Hz,2H),7.43(d,J=8.2 Hz,2H),4.62(s,1H),2.90−2.67(m,11H),2.64−2.44(m,10H),1.47(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.4,170.7,142.3,136.4,129.3,128.3,81.9,67.8,49.3,47.7,45.9,45.8,28.1,26.5;HRMS(EI) C2236の理論値 404.27875;実測値 404.27951。
【0067】
(R/S)−tert−ブチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−アセチルフェニル)アセテート(1)。室温の10(700mg、1.73mmol、1.0当量)およびKCO(1.08mg、7.79mmol、4.5当量)を含むDMF(50mL)の懸濁液に、tert−ブチル2−ブロモアセテート(0.84mL、5.71mmol、3.3当量)を含むDMF(20mL)の溶液を30分間にわたって加えた。4時間の攪拌後、混合物を濾過し減圧下で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl 9:1、1%TEA)で、11(930mg、72%)を黄白色の固体として得た。99%純度;RP−HPLC(10→100%) R=22.0;R=0.83(MeOH/CHCl,3:1,1% NEt);mp 70−71°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.94(d,J=8.3 Hz,2H),7.11(d,J=8.2 Hz,2H),4.66(s,1H),3.60(d,J=17.3 Hz,1H),3.45(d,J=17.6 Hz,1H),3.38(d,J=17.5 Hz,1H),3.22−3.05(m,3H),2.98−2.70(m,6H),2.61(s,3H),2.61−2.48(m,2H),2.46−2.38(m,1H),2.36−2.24(m,2H),2.22−2.04(m,5H),1.49(s,9H),1.48(s,9H),1.46(s,9H),1.39(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 197.6,173.4,173.1,173.0,172.9,137.2,136.6,130.3(2C),128.1(2C),82.9,82.2,82.1,82.0,65.4,56.0,55.8,55.5,52.7,52.4,52.1,48.5,48.1,48.0,47.9,44.5,27.9(3C),27.8(6C),27.7(3C),26.6;MS(EI) m/z(%) 746.0(9) [M],645.1(47) [M−COtBu];HRMS(EI) C3557 [M−COtBu]の理論値 645.42273;実測値 645.42257。
【0068】

メチル2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(14)。0℃のメチル(4−ヨードフェニル)アセテート(13)(12.8g、45mmol、1.0当量)、トリメチルシリル−アセチレン(9.30mL、67.5mmol、1.5当量)およびTEA(14.9mL、108mmol、2.4当量)を含む無水CHCN(120mL)の溶液に、Pd(PPh(3.6g、3.15mmol、0.07当量)およびCuI(6.00g、31.5mmol、0.7当量)を加えた。0℃で30分間、および室温で3時間攪拌後、EtOAc/ヘキサン(1:1)を溶出剤として使用してシリカの短いカラムに通して混合物を濾過した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配EtOAc/ヘキサン1:80→1:20)で精製して、14(10.3g、93%)を黄白色の結晶として得た。R=0.27(EtOAc/ヘキサン,1:10);mp 55−58°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.42(d,J=8.4 Hz,2H),7.21(d,J=8.5 Hz,2H),3.68(s,3H),3.61(s,2H),0.25(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 171.4,134.3,132.0(2C),129.1(2C),122.0,104.7,94.2,52.0,41.0,−0.0(3C);HRMS(EI) C1418Siの理論値 246.10761;実測値 246.10744。
【0069】
メチル2−ブロモ−2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(15)。−78℃の14(2.07g、8.40mmol、1.0当量)を含む無水THF(20mL)の溶液に、LDA(THF/n−ヘプタン/エチルベンゼン中の2M溶液、5.04mL、10.1mmol、1.2当量)を加えて、溶液を1時間攪拌した。この後、N−ブロモスクシンイミド(1.79g、10.1mmol、1.2当量)を含む無水THF(20mL)の懸濁液を加え、18時間にわたって混合物を室温まで温めた。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCCl(30mL)に懸濁し、濾過し、蒸発させた。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配EtOAc/ヘキサン1:80→1:20、1%NEt)による精製で、15(1.28g、47%、回収された14に関して92%)を得た。R=0.42(EtOAc/ヘキサン,1:10);mp 82−84°C;H NMR(360 MHz,CDCl) δ 7.47(d,J=8.7 Hz,2H),7.44(d,J=8.7 Hz,2H),5.32(s,1H),3.77(s,3H),0.25(s,9H);13C NMR(90 MHz,CDCl) δ 168.3,135.7,132.2(2C),128.5(2C),124.2,104.1,95.8,53.3,45.8,45.8,−0.1(3C);HRMS(EI) C141781BrOSiの理論値 326.01608;実測値 326.01622。
【0070】
(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)]−2−(4−(2−(トリメチルシリル)エチニル)フェニル)アセテート(16)。室温の1,4,7,10−テトラアザシクロデカン(シクレン)(548mg、3.18mmol、1.2当量)およびKCO(439mg、3.18mmol、1.2当量)を含むDMF(60mL)の懸濁液に、15(862mg、2.65mmol、1.0当量)を含むDMF(50mL)の溶液を10時間にわたって滴下しながら加えた。混合物を濾過し減圧下で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配MeOH/CHCl 1:9→9:1、1%NEt)で、16(590mg、53%)を黄白色の固体として得た。R=0.10(MeOH/CHCl,3:1,1% NEt);mp 70−75°C;H NMR(500 MHz,MeOH−d) δ 7.49(d,J=8.2 Hz,2H),7.30(d,J=8.3 Hz,2H),4.90(s,1H),3.78(s,3H),3.21−3.01(m,6H),3.01−2.82(m,8H),2.71−2.62(m,2H),0.23(s,9H);13C NMR(125 MHz,MeOH−d) δ 174.2,135.6,133.2(2C),130.8(2C),124.9,105.4,95.9,67.2,53.0,48.4(2C),47.0(2C),44.9(2C),44.4(2C),−0.0(3C);MS(ESI) C2236Siの理論値 416.3;実測値 417.4 [(M+H)],439.4 [(M+Na)]
【0071】
(R/S)−メチル2−[1−(1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)−4,7,10−トリス(tert−ブチルアセテート)]−2−(4−エチニル)フェニル)アセテート(3)。室温の16(530mg、1.27mmol、1.0当量)およびKCO(634mg、4.57mmol、3.6当量)を含むDMF(50mL)の懸濁液に、tert−ブチル2−ブロモアセテート(615μL、4.19mmol、3.3当量)を含むDMF(20mL)の溶液を30分間にわたって加えた。4時間の攪拌後、混合物を濾過して減圧下で濃縮し、残渣をTHF(20mL)に溶解した。その後、フッ化テトラブチルアンモニウム(481mg、1.52mmol、1.2当量)を加え、15分間の攪拌後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl 1:10、1%NEt)で精製して、3(508mg、85%)を黄白色の固体として得た。99%純度;RP−HPLC(10→100%) R=20.0;R=0.28(MeOH/CHCl,1:9,1% NEt);mp 63−68°C;H NMR(500 MHz,MeOH−d) δ 7.48(d,J=8.2 Hz,2H),7.20(d,J=8.0 Hz,2H),4.83(s,1H),3.75(d,J=17.2 Hz,1H),3.74(s,3H),3.55(s,1H),3.54(d,J=17.5 Hz,1H),3.51(d,J=17.6 Hz,1H),3.26−3.21(m,1H),3.18−3.05(m,4H),2.99−2.92(m,3H),2.89(d,J=17.6 Hz,1H),2.87(d,J=17.6 Hz,1H),2.74−2.63(m,2H),2.33(d,J=11.5 Hz,1H),2.28−2.12(m,4H),2.12−2.05(m,2H),1.54(s,9H),1.52(s,18H);13C NMR(125 MHz,MeOH−d) δ 176.3,175.4,175.1,174.7,134.1,132.8,131.7,123.8,83.8,83.5,83.1,79.7,66.4,59.61,59.59,59.57,57.1,56.8,56.7,54.2,53.9,53.7,53.2,45.9,28.5,28.4,28.3,24.8;HRMS(EI) C3758の理論値 686.42546;実測値 686.42532。
【0072】

化学選択的オキシムライゲーション。DOTA−Tyr−オクトレオタート誘導体19の合成。1(3.3mg、4.5μmol、1.0当量)を、10NのHCl水溶液を含むジオキサン(50/50、v/v、2mL)中で18時間脱保護した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCN/HO(1:1、v/v、0.2mL、HPLCグレード)にpH4(TFA、HPLCグレード)で溶解し、18(6.1mg、4.5μmol、1.0当量)を加えた。18時間攪拌後、溶媒を濃縮して、半分取RP−HPLC(20→50%、30分間)で粗生成物を直接精製して、凍結乾燥後に19(6.1mg、73%)を無色の粉末として得た。97%純度;RP−HPLC(10→60%) R=18.1;MS(ESI) C75991522の理論値 1625.7;実測値 1626.6 [M+H],1664.6 [M+K]
【0073】
化学選択的1,3−双極付加環化。(“クリック”化学)。DOTA−Tyr−オクトレオタート誘導体24の合成。室温の3(3.1mg、4.1μmol、1.0当量)を含むTHF(0.2mL)の溶液に、LiOH(0.33mg、14μmol、3.4当量)を含むHO(30μL)の溶液を加え、混合物を18時間攪拌した。次いで、HO(0.2mL)、ペプチド25(5.5mg、4.1μmol、1.0当量)、0.1M CuSO水溶液(49μL、4.9μmol、1.2当量)および銅粉末(10mg)を加えて、混合物を18時間攪拌した。この後、銅粉末を濾別し、減圧下で溶媒を除去し、TFA/TIPS/HOの混合物(95:5:5、v/v、1mL)で2時間処理することによってtert−ブチルエステルを切断した。溶媒を再度除去し、残渣をTHF/HO(1:1、v/v、1mL)に取り、NaS(NaS・9HO、12mg、49μmol、12.0当量)を加えて銅塩を沈殿させた。混合物を濾過し、半分取RP−HPLC(20→50%、30分間)で粗生成物を直接精製して、凍結乾燥後に直鎖状の24(3.0mg、37%)を無色の粉末として得た。CHCN/HO/DMSO(1:1:0.1、4mL)中で48時間攪拌することによって、直鎖状ペプチドを定量的収率で再環化した。CHCN/HO(1:2、v/v、10mL、pH1〜3(TFA))から蒸発および凍結乾燥させた後、24(3.0mg、25から37%)を白色粉末として分離した。97%純度;RP−HPLC(10→60%) R=16.1;MS(ESI) C801061822の理論値 1734.7;実測値 868.8 [(M+2H)/2],1735.5 [M+H]
【0074】
19の68Ga−標識。68GaClを、インハウスの“OBNINSK” 68Ge/68Gaジェネレーター(1.48GBq、Chemotrade Chemiehandelsgesellschaft GmbH、ライプチヒ、ドイツ)から、0.1NのHClで溶出した。68Ga標識については、最初にジェネレーター溶出液を最終量がおよそ200μLになるように真空中で濃縮した。通常は行わないものの、この実験的研究に使用された古いジェネレーターによってもたらされた比較的少ない68Ga放射活性を完全に活用できるようにするためにはこの濃縮ステップが必要であった。次に、68Ga活性を230μLの0.1N NaOAc(pH=4.5)で希釈し、80μLの1N NaOHを加えることによってpH3.5に緩衝した。2.2μLの0.7mMペプチド19ストック溶液(1.5nmol(3μg)のペプチドに相当する)を加えた後、反応混合物を15分間95℃に加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を2mLの水で希釈した。未反応の68Ga活性を除去するために、標識ペプチド[68Ga]19をSep−Pak C−18カートリッジ上に固定化し、10mLの水で洗浄し、2mLのエタノールで溶出した。マウス注射用のエタノールを含まない溶液を得るために、溶媒を真空中で蒸発させ、最終的な放射能濃度が38μCi/100μLとなるように生成物を2mLのPBSに再溶解した。Sykam勾配HPLCシステム(Sykam GmbH、フルスランフェルドブルック、ドイツ)およびUVIS200フォトメーター(Linear(商標)Instrument Cooperation、リーノ−、米国)を使用して、Nucleosil 100C18(5μm、125×4.0mm)カラムで品質管理用の分析HPLCを行った。放射活性測定については、UVフォトメーターのアウトレットをNa(Tl)ウェルタイプシンチレーションカウンターAce Mate(商標)925−Scint(EG&G Ortec、ミュンヘン、ドイツ)に接続した。使用した溶出剤は、HO(0.1%TFA、溶媒A)およびCHCN(0.1%TFA、溶媒B)で、勾配は:0〜2分間が0%B、2〜9分間が0〜40%B、9〜15分間が40%Bとした。1mL/分の一定流量でペプチドを溶出した。UV検出波長は220nmであった。R([68Ga]19)=15.3分;K’ = 8.13。
【0075】
動物実験。その高いsst−ソマトスタチン受容体発現のため、ラット膵臓腫瘍細胞株AR42Jを腫瘍モデルとして使用した。55腫瘍増殖を確立するため、1mM EDTAを含むPBSを用いて細胞を培養フラスコの表面から剥がし、遠心分離して、無血清培地(RPMI−1640、Biochrom、ベルリン、ドイツ)に再懸濁した。細胞懸濁液の濃度は3.7×10個/血清100μLであった。ヌードマウス(雌、6〜8週)の脇腹に、100μLの細胞懸濁液を皮下注射した。腫瘍移植の10日後に、全てのマウスは触知可能な充実性腫瘤を示し(腫瘍重量は0.7〜1.4g)、これらを実験に使用した。
【0076】
生体内分布試験では、38μCiの[68Ga]19(0.15μgのペプチドに相当する)を含む100μLのPBSを、マウスの尾静脈に静脈内注射した。放射性リガンドの非特異的な組織内蓄積を、過剰量のcold competitor(20μg Tyr−オクトレオチド/マウス)の同時注入よって判定した。放射性リガンド注射後の異なる時点(30分および60分p.i.)において、マウス(時間点につきn=5;60分p.i.におけるブロッキング試験用にn=3)を屠殺し、解剖した。目的とする臓器を取り出し、重量を測定し、γカウンター(Wallach、トゥルク、フィンランド)でカウントした。データは、g組織当たりの%注射用量(%iD/g)で表す。
【0077】
結果
オキシムライゲーションを介したアミノオキシ官能基化ペプチドへの化学選択的結合のためのカルボニル−置換DOTA誘導体の開発。我々の合成戦略を計画する上で、アミノオキシ基は、tert−ブチルオキシカルボニル保護アミノオキシ官能基化アミノ酸成分として容易にペプチドに組み込まれうることから、我々は、カルボニル官能基をDOTA部分に結合させることを決定した。カルボニル官能基として、アルデヒドよりも、その有意に高い安定性からメチルケトンが好ましかった。この手順は、アルデヒドを使用する場合には不可欠であろうさらなる保護および脱保護のステップを回避し、最終化合物をより長期間にわたって容易に保存できるようにする。さらに、我々のアイディアは、我々の新しいDOTA誘導体の潜在的な応用範囲を拡大するものであった。これまでは、モノ結合体の選択的形成を可能にする誘導体に主に焦点が当てられていたが、選択的に変換され得る2つの異なる官能基を提供する新規なDOTA誘導体の開発は、例えば、ホモ−およびヘテロオリゴマーの選択的合成41または薬物動態の向上42をもたらすことが示されている、糖のようなさらなる基の結合などの新たな機会をもたらすものとなるだろう。従って我々は、2つの異なる保護基戦略を策定した:i)塩基に不安定な1つの保護基での直交保護(orthogonal protection)であり、1つのカルボン酸基の選択的脱保護と誘導体化を可能にするもの、およびii)モノ結合体のみが望ましい場合に1ステップの脱保護を提供する、酸に不安定な基での完全な保護である。
【0078】
我々の合成は、4−アセチルフェニルボロン酸(4)から始まり、これを鈴木クロスカップリング反応においてメチル2−ブロモアセテートおよびtert−ブチル2−ブロモアセテートとそれぞれ反応させて、対応する2−(4−アセチルフェニル)置換アセテート5および6を良好な収率で形成させた(スキーム1)。43
【0079】
【化3】

スキーム1.カルボニル置換DOTA誘導体1および2の合成。
試薬と条件:(a)BrCHCOR、Pd(OAc)/P(o−Tol)、KCO、THF/HO、18時間、5:66%、6:63%、(b)NBS、Br、hv、CCl、1時間、7:89%、8:88%、(c)1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、KCO、DMF、10時間、9:62%、10:75%、(d)BrCHCOt−Bu KCO、DMF、4時間、11:83%、1:72%、(e)LiOH、THF/HO、18時間、38%(回収された11に関して66%)。
【0080】
触媒量の臭素の存在下、N−ブロモスクシンイミドを使用したラジカル条件下でのα臭素化と、光照射による開始によって、α−ブロモエステル7および8を高収率(それぞれ89%および88%)で得た。後者の化合物を、KCOの存在下、シクレンを含むDMFの溶液にゆっくりと加えて、対応するモノアルキル化シクレン付加化合物9および10を62%および75%の収率で得た。続くtert−ブチル2−ブロモアセテートでのペルアルキル化で、テトラエステル11および1(それぞれ83%および72%の収率)が得られた。驚いたことに、LiOHを用いたメチルエステル11の鹸化の間に、tert−ブチルエステルの部分的な脱保護が観察された。しかし、この副反応が主反応よりもゆっくりと進行することから、生成物のさらなる切断を防ぐために、約50%の変換で反応を止めた場合、良好な収率で所望の遊離酸2を得ることができる。このようにして、HPLCによる精製後に2を38%の収率(回収された11に基づいて66%)で得た。LiIを使用した試行的鹸化では、複数の生成物からなる分離不能な混合物がもたらされ、炭酸塩を使用した場合、鹸化は起こらなかった。
【0081】
Huisgen 1,3−双極付加環化を介したアジド官能基化ペプチドへの化学選択的結合のためのアルキン置換DOTA誘導体の開発。Huisgen付加環化18,19を介したペプチドへの結合を可能にする適切なDOTA誘導体のデザインでは、例えば、アジド酸の導入44〜46によって、または固相上でのジアゾ転移47によって、アジド官能基化ペプチドが利用できることから、我々は、アルキン官能基をDOTA誘導体に結合させることに決めた。カルボニル置換誘導体の合成における有意義な経験を経て、アルキンの組み込みのための中核的残基として、我々は2−ブロモ−2−フェニル酢酸を再度選択し、上述のものと類似の合成経路が可能となった。
【0082】
市販の4−ヨードフェニル酢酸(12)を、メチルエステル13(93%収率)としてまず保護し、その後、Pd(PPh/CuIを触媒として用いて、トリメチルシリル−アセチレンでの薗頭カップリングを行い、4−アルキニルフェニルアセテート14を93%の収率で得た(スキーム2)。
【0083】
【化4】

スキーム2.アルキン官能基化DOTA誘導体の合成。
試薬と条件:(a)SOCl、MeOH、1時間、93%、(b)HC≡C−TMS、Pd(PPh/CuI、NEt、CHCN、3時間、93%、(c)1)LDA、THF、1時間、2)NBS、THF、18時間、47%(回収された14に関して92%)、(d)1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、KCO、DMF、10時間、53%、(e)1)BrCHCOt−Bu KCO、DMF、4時間、2)TBAF、THF、15分間、85%。
【0084】
残念なことに、7および8について上述したようなラジカル条件下での14のα臭素化は、NBSおよびBr/hvを開始剤としたもの両方で失敗した。これは、三重結合の存在によって生じた副反応に起因する可能性が高い。従って我々は、求電子的に臭化物を導入することによってこの問題を回避した。この目的のために、我々は、Evansら48が説明しているものと類似の手法でエステル14をホウ素エノラートに変換し、LDAおよびBuBOTfで処理して、その後NBSを求電子的臭素化試薬として加えた。しかし、α−ブロモエステル15の収率はむしろ不良であった(39%)。反応をさらに最適化する試みにおいて、我々は、LDAでの脱プロトン化によって得られる14のリチウムエノラートがNBSと直接反応すれば、変換が非常にクリーンに進行することを見出した。このようにして15を47%の収率で得ることができ、未反応の14が49%の収率で一緒に回収された。この結果は、反応中の1当量の14のリチウムエノラートで形成された生成物の迅速な脱プロトン化につながる、α−ブロモエステル15の14に対する著しく高い酸性度によって説明される。たとえエノラートを著しく過剰なNBSに加えても、収率をそれ以上上げることはできなかった。しかし、回収された出発材料14に基づくと、収率はほぼ定量的であった。上述のものと類似の方法で、α−ブロモエステル15でのシクレンのモノアルキル化を行い、16を53%の収率で得た。続くtert−ブチル2−ブロモアセテートでのペルアルキル化およびTBAFを用いたTMS保護基の切断によって、テトラエステル3を得た(2ステップで85%の収率)。2の合成で述べたように、我々は、3中のメチルエステルの選択的な鹸化も試みた。しかし、我々にとっても大きな驚きであったが、1当量のLiOHの存在下では、3中のtert−ブチルエステルの切断はさらに迅速に進行し、我々は、切断されたtert−ブチルエステルおよびメチルエステルの1つを有する対応する化合物を主生成物として見出した。1つのtert−ブチル基を持たない位置異性体の中の所望の生成物は、わずかな量でしか検出できなかった。
【0085】
DOTAケトン誘導体1を使用した、オキシムライゲーションを介したDOTA−Tyr−オクトレオタート結合体19の化学選択的合成。これらの新規な官能基化キレーターを手にして、我々は、N−末端アミノオキシへだけでなく、Tyr−オクトレオタートに基づくアルキン官能基化ソマトスタチンアナログへの化学選択的結合を詳細に調べた。
【0086】
我々の初期の実験では、オキシムライゲーションにtert−ブチル保護DOTAケトン1を直接使用したが、反応は非常にクリーンに進行したものの、得られた結合体のオキシム結合は、tert−ブチル基の完全な脱保護に必要な強力な酸性条件下では安定ではなかった。従って我々は、ライゲーションの前にin situで1を脱保護しなくてはならなかった。比較的穏やかな方法(ギ酸49または50%TFA/HO)を使用すると脱保護は失敗し、Fmocペプチド化学で使用される標準的な脱保護用混合物であるTFA/TIPS/HO(95/2.5/2.5、v/v/v)混合物50を用いると、1中のケトンの還元がもたらされた。10NのHCl水溶液を含むジオキサン(50/50、v/v)で処理した場合、定量的切断が実現された(スキーム3)。次に、得られた脱保護されたキレーター17を、pH4(TFA)においてCHCN/HO混合物中で等モル量のアミノオキシ官能基化Tyrオクトレオタート18と反応させて、純度85%(HPLC解析による)で所望の結合体19を得た(スキーム3)(図2)。遊離アミノオキシ官能基が生じるあらゆる反応は、カルボニル官能基化された不純物との副反応を防ぐために高い溶媒純度(HPLCグレード)が必要とされることを強調する必要がある。分取HPLCで最終生成物をさらに精製して、収率73%、純度97%で19を得た。
【0087】
【化5】

スキーム3.DOTA誘導体1およびアミノオキシ官能基化Tyr−オクトレオタート18の化学選択的オキシムライゲーション。
試薬と条件:(a)10N HCl/ジオキサン(1:1、v/v)、18時間、(b)CHCN/HO(1:1、v/v、HPLCグレード)pH4(TFA、HPLCグレード)、18時間、73%(2ステップ)。
【0088】
DOTAアルキン誘導体3を使用したHuisgen 1,3−双極付加環化を介したDOTA−Tyr−オクトレオタート結合体24の化学選択的合成。Tyr−オクトレオタートのアジド官能基化に関して、我々は、固相上での3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパン酸21での単純なN末端伸長法を選択した。複数の生物活性ペプチドにおいては、BFCAと標的分子との間にスペーサーを使用するのが非常に重要であること、および、我々のグループにおけるこれまでの経験を踏まえ、21をリンカーとして選択した。1−ブロモ−3−アミノプロパンから出発する21の2ステップの合成は安価で、収率が高く、スケールアップが容易で、クロマトグラフィーを必要としない(スキーム4)。
【0089】
【化6】

スキーム4.3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパン酸21の合成。
試薬と条件:(a)NaN、HO、80℃、24時間、84%、(b)無水コハク酸、NEt、アセトン、15時間、71%。
【0090】
付加環化の前に、メチルエステル3をin situで鹸化し(上述のように、このステップはtert−ブチルエステルの切断と一緒に進行する)、得られる遊離酸22の混合物を、Cu/CuSOを触媒系として使用して、THF/HO混合物中でアジド官能基化Tyr−オクトレオタート23と反応させた(スキーム5)。次に、粗生成物混合物をTFA/TIPS/HO(95/2.5/2.5、v/v/v)混合物50を使用して直接脱保護し、良好な純度(HPLC解析によると69%、図3)で粗生成物24を得た(スキーム5)。しかし、ESI法による質量分析では、24が非常に安定した銅錯体として得られたことが示され、これは、酸性溶出剤を使用したHPLC精製中でも安定であることが証明された。しかしながら、銅塩は硫化ナトリウムでの沈殿によって容易に除去することができた。このステップの結果として、分子内ジスルフィド架橋の開裂が生じ、ペプチドをHPLC精製後に再環化しなくてはならなかった。定量的収率で環化が行われ、所望の結合体24を37%の収率で23から、97%の純度で得た。
【0091】
【化7】

スキーム5.DOTA誘導体3およびアジド官能基化Tyr−オクトレオタート23の化学選択的1,3−双極付加環化。
試薬と条件:(a)LiOH、THF/HO、18時間、(b)1)Cu/CuSO、THF/HO、18時間、2)TFA/TIPS/HO(95:5:5、v/v)、2時間、3)NaS、THF/HO、4)DMSO、NH、CHCN/HO、48時間、37%(5ステップ)。
【0092】
我々の手順を確認するために、システインを含まないアジド官能基化サンプルペプチド3−(3−アジドプロピルカルバモイル)プロパノイル−Tyr−Glu−Trp−Lys(25、サポート情報を参照)で反応を繰り返した。類似の方法で、付加環化によって銅錯体生成物の形成がもたらされたが、この場合は、副反応なしで金属イオンを除去することができた。tert−ブチルエステルの脱保護によって、HPLC解析によると76%の純度の粗生成物が得られた。HPLC精製後、対応する結合体26を51%の収率で得た。
【0093】
放射性標識。通常は、さらなる処理を行わずに、ペプチド標識に68Ge/68Gaジェネレーター溶出液が直接使用される。しかしこの研究では溶出液を蒸発乾固させ、68Ga放射能を少量の反応バッファー(0.1N NaOAc、pH3.5)に再溶解し、これを放射性金属化反応に使用した。ジェネレーターはほぼ消耗していたが、この手順によって、効率的な放射性金属導入に必要なペプチド前駆体の量の低減が可能となり、故に、比較的高い比放射能の[68Ga]19がもたらされた(マウスへの注射の時点において570Ci/mmol)。[68Ga]19は、55.7%の放射化学的収率で得られた。[68Ga]19の放射化学的純度は91.4%であった。
【0094】
生体内分布試験。AR42J腫瘍を有するヌードマウスの30分および60分p.i.における[68Ga]19の生体内分布データを図4に示す。両時間点において、放射性リガンドの血中濃度は比較的高かった(30分および60分p.i.において、それぞれ2.37±0.35および1.71±0.17%iD/g)。観察期間中に腎臓内蓄積は急速に低下し(20.0±2.4から11.9±1.9%iD/g)、これは[68Ga]19の腎クリアランスを示していたが、その他の排泄器官、すなわち肝臓および腸管におけるトレーサー蓄積は、長時間にわたってゆっくりとしか低下せず、これはおそらく排出と関係のない非特異的蓄積に起因するものである。sst発現組織では、腫瘍と他のsst陽性臓器との強い相違が観察された。膵臓、副腎、および胃におけるトレーサー蓄積が30〜60分p.i.の間に有意に低下した一方、腫瘍内蓄積はこの期間ほぼ一定のままであった(30および60分p.i.においてそれぞれ7.73±1.52および7.46±1.30)。このことと、他の臓器内の非特異的なトレーサー蓄積の全体的な低下が、30〜60分p.i.の間の腫瘍/臓器比の上昇につながった(図5)。過剰量の未標識競合物質(20μg Tyr3−オクトレオチド/マウス)の同時注入による競合試験(60分p.i.)において、腫瘍内蓄積が主に受容体を介していることが示された。これらの条件下で、腫瘍内蓄積は2.68±0.36%iD/gに低下した。
【0095】
考察
DOTA(1,4,7,10−テトラキス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン)およびその誘導体は、様々な二価および三価の金属イオンと非常に安定した錯体を形成できることから、医療分野における画像技術用のキレーターの重要なクラスとして浮上した。キレーターが接合した標的生体分子の便利な合成のために、直交保護されたカルボキシ基を有する、種々の適当なプロキレーター説明されている。しかし、これまでのところ、標的分子内のアミンまたはカルボキシル官能基を介するもの以外の結合を可能にするプロキレーターの合成に関する報告は1つしかない。15オキシムライゲーションまたはクリック化学を介する化学選択的結合を可能にするBFCAの開発における我々のアプローチは、新規なキレーター1、2、および3の合成をもたらした。この合成における最初の重要なステップは、シクレンのモノアルキル化である。文献では、2当量または5当量のシクレンが使用され、定量的収率がアルキル化剤の量に基づいて計算される、複数の類似のモノアルキル化の例が存在する。金属を保護基として使用する試みも存在する。51一連のもののうちシクレンが最も高価な試薬であることから、我々の合成においては、おおよそ等モル量のアルキル化剤を使用し、化合物16、9、および10について、それぞれシクレンに基づいて53、62、および75%の間で満足のいく収率を得た。粗生成物をさらに直接アルキル化することができたが、得られた化合物のアルキル化酢酸エステル残基の性質のみが異なっているもっと後の段階における分離よりも、高度にアルキル化された生成物および未反応のシクレンから粗生成物を分離するほうが容易であったため、フラッシュクロマトグラフーを使用してこの段階でこの中間体の精製を行った。通常は、拡散バンドのためにシリカでのシクレン誘導体の分離は時として非常に困難であること、分取RP−HPLCによる精製が優れた代替手段であることにも留意するべきである。α−ブロモエステル7、8、および15の合成は複雑ではなく、生成物が良好な収率で得られた。
【0096】
驚くべきことに、3および11中のメチルエステルの最終的な鹸化は、複数の条件下においてtert−ブチルエステルの加水分解ももたらした。3については、2を単一生成物として得るために、約50%の変換で反応を停止することが可能であった。残念ながら、アルキン誘導体11の場合は、tert−ブチルエステルの切断はさらに速く進行した。従って、我々は、遊離酸22の混合物との化学選択的1,2,3トリアゾール形成を行い、次いでTFAでの処理によって残りのtert−ブチル基を切断した。クリック反応28、29、31〜36について、我々は、過剰量の銅金属と一緒に1.2当量の硫酸銅を使用し、これによって、触媒活性のCu種のin situ生成がもたらされた。わずか1mol%のCuII塩が用いられている報告52があるものの、1当量のCuIIが、DOTA誘導体22によって直ちに錯体化される事実を考えると、我々は過剰量のCuII塩を使用しなくてはならなかった。しかし、文献では多くの異なる手順が存在し52、我々の目的にとって触媒量の最適化は不可欠ではなかった。
【0097】
モデルペプチド25を使用すると、1,2,3−トリアゾール誘導体へのクリーンな変換が観察された。金属を含まない化合物を入手するために硫化ナトリウムでの沈殿が不可欠であること、および、その後に24中の開裂したジスルフィド架橋の再環化が必要であることに直面したため、Tyr−オクトレオタートの場合にみられるようなジスルフィド架橋を含む標的分子には、この手法でのキレーターの化学選択的導入は推奨できなかった。しかし、システインを含まない標的部分にとっては、我々のアルキン誘導体化キレーターは、モデルペプチド25との反応によって示されたように、高度に化学選択的なBFCAの結合に対するもう1つの優れた代替法を提供する。ごく最近、Linと共同研究者らは、Cu−触媒による1,2,3−トリアゾール形成による部位特異的タンパク質修飾を示した。53この手法を適用し、アルキン官能基化DOTA誘導体22を使用すると、タンパク質の部位特異的DOTA標識が可能となるであろう。
【0098】
我々の新しいメチルケトン官能基化キレーター17の、保護されていないN末端アミノオキシ官能基化Tyr−オクトレオタートとのオキシムライゲーションは、円滑に、副生成物もなく進行し、これにより、メチルケトンとヒドロキシルアミンの化学選択的縮合のもう1つの例が追加された。しかし、ベンズアルドキシムのみをもたらす、18をベンズアルデヒドとアセトフェノンに同時に曝露する競合実験で我々が証明したように、アミノオキシ基とのケトンの反応速度はアルデヒドと比較すると非常に遅い。4時間の反応時間の後、等モル量のメチルケトン17を使用すると、変換は約60%であり、一晩放置すると終了まで進んだ。従って、我々は、アミノオキシ官能基化生体分子のライゲーションに適した、実験台上で安定な新規なDOTA誘導体の化学選択的結合を示すことに成功した。最近提示されたアミノオキシ官能基化DOTA誘導体15と比較すると、SPPS用の適切なアミノオキシ官能基化成分が市販されていることから(例、Boc−Ams(Fmoc)−OHおよびFmoc−Dpr(Boc−Aoa)−OH)、我々の逆アプローチによって、ペプチド配列中のあらゆる位置における我々のキレーターの導入が可能になる。
【0099】
68Ga]19が、30分および60分p.i.において特異的かつ高い腫瘍内蓄積を示したことが、AR42J腫瘍を有するヌードマウスにおける最初のin vivo評価で示され、これはsst受容体親和性が、用いられるライゲーション化学によってほとんど影響を受けないままであることを示唆する。[68Ga]19について見出された腫瘍内蓄積および腫瘍対臓器比が、同じ腫瘍モデルにおける“参照”リガンド[68Ga]DOTATOC(DOTA−Tyr−オクトレオチド)および[68Ga]DOTATATE(DOTA−Tyr−オクトレオタート)54について報告されたものほど高くなかったが、この研究で提示されたDOTAカップリング手法に基づく放射性金属化オクトレオタートアナログを、恐らくは最適化の後に、in vivoのsstイメージングにも用いてよい。この文脈では、[68Ga]19は、それらの受容体結合能に挑戦することなく、新規な受容体結合放射性ペプチドの合成に対する、オキシムライゲーションを介したDOTA接合化学の一般的適用性の原理の証明に役立ち得る。
【0100】
結論
本書で説明した新規なアルキンおよびケト官能基化DOTA誘導体によって、多官能性化合物との容易で化学選択的な接合が可能となる。さらに、遊離カルボキシルおよびカルボニル部分を有する二官能性誘導体が報告され、これは、ヘテロダイマーのような高級化合物のさらなる誘導および合成にとって有用なツールであってよい。我々の新たな修飾キレーターに関して、我々は、BFCAの最終的な適用を考慮して、複雑な保護基化学を回避する経済的で単純な手順を開発した。これにより、標識化合物がわずかな合成ステップで簡単に入手できるようになる。アルキンだけでなくメチルケトン官能基化DOTA誘導体も、対応する接合反応において適切なN末端修飾Tyr−オクトレオタートと高度に選択的に反応することが証明された。さらに、AR42J腫瘍を有するヌードマウスにおける[68Ga]19の薬物動態は、診断的および治療的in vivo応用のための新たな放射性金属化ペプチドリガンドの合成に対する、化学選択的BFC接合アプローチの適合性を示す。
【0101】
参考文献
【0102】
【数1】

【0103】
【数2】

【0104】
【数3】

【0105】
【数4】

【0106】
【数5】

【0107】
【数6】

【0108】
【数7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化8】

の化合物であって、
式中、Rは、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択され、RおよびRは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から独立して選択され、Rは、水素、メチル、エチル、親水性部分、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている、化合物。
【請求項2】
前記カルボニル基はケト基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記ケト基はメチルケトンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
付加環化反応に参加するのに適した前記官能基は、アルキン基またはアジド基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記アルキン基はエチニル基である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
は、1つまたは2つの環を有する5員〜9員のアリールまたはヘテロアリール基である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、6員のアリールまたはヘテロアリール基である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
はフェニル基である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記フェニル基は、パラ位が前記カルボニル基または付加環化反応に参加するのに適した前記官能基で置換されている、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
は、長さがC1からC6のアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
、R、およびRは、同じ、または別のカルボキシル保護基である、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
は、水素またはメチルである、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
前記カルボニル保護基が存在する場合、それらは、ベンジル、フルオレニルメチル、およびt−ブチルから選択される、請求項1〜請求項12のいずれか一項にに記載の化合物。
【請求項14】
、R、およびRはt−ブチルであり、Rは水素またはメチルである、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
前記親水性部分は糖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】

【化9】

の化合物であって、
式中、前記基GからGの2つ〜4つは、CH(CO)−Rであり、任意の残りの基GからGはCHCOであり、Rは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはこれらの基の組み合わせであり、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されており、Rは、水素、メチル、エチル、カルボキシル保護基、および親水性部分から選択される、化合物。
【請求項17】
請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の化合物と誘導体化標的分子とを有する結合体であって、Rがカルボニル基またはアミノオキシ基で置換されている場合は、前記標的分子は、相補的なアミノオキシ部分またはカルボニル部分を含むように誘導体化されており、前記化合物と標的分子はオキシム結合で結合されており、Rが付加環化反応に参加するのに適した官能基で置換されている場合は、前記標的分子は、前記付加環化反応用の相補基を含むように誘導体化されており、前記化合物と前記標的分子は、前記付加環化反応のヘテロ環生成物によって結合されている、結合体。
【請求項18】
前記化合物と標的分子は、1,2,3−トリアゾール基によって結合されている、請求項17に記載の結合体。
【請求項19】
請求項1〜請求項16のいずれかに記載の化合物または請求項17もしくは請求項18に記載の結合体と錯体を形成する放射性核種を有するキレート。
【請求項20】
前記放射性核種は、アクチニウム225、ビスマス212、ビスマス213、鉛203、銅64、銅67、ガリウム66、ガリウム67、ガリウム68、ルテチウム177、インジウム111、インジウム113、イットリウム86およびイットリウム90、ジスプロシウム162、ジスプロシウム165、ジスプロシウム167、ホルミウム166、プラセオジミウム142、プラセオジミウム143、プロメチウム149、およびテルビウム149から選択される、請求項19に記載のキレート。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物の合成の方法であって、前記合成は、2置換のアリール、ヘテロアリール、アルキル、または組み合わせL−CH(CO)−R−Xとシクレンとの反応であって、ここでRおよびRは請求項1に記載のものと同じ意味を持ち、Lは脱離基であり、Xは、カルボニル基、アミノオキシ基、または付加環化反応に参加するのに適した官能基である、またはそのような官能基の保護された形態である、反応;ならびに、LCHCORを使用する前記シクレンのその他の窒素原子のアルキル化であって、ここでRは、請求項1で定めたようなR、R、またはRであり、Lは脱離基である、アルキル化、を有する方法。
【請求項22】
シクレンの前記窒素原子の2つ〜4つは、L−CH(CO)−R−Xと反応し、Rは、水素、メチル、エチル、およびカルボキシル保護基から選択され、Rは請求項1に記載のものと同じ意味を持ち、前記シクレンの残りの窒素原子は、LCHCORを使用してアルキル化され、Rは、請求項1で定めたようなRまたはRである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記結合体の放射性核種との任意の錯体形成の前に、前記化合物および前記誘導体化標的分子は一緒に反応する、請求項17に記載の結合体の合成方法。
【請求項24】
前記化合物と標的分子は、遷移金属触媒の存在下で付加環化反応によって結合する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記金属触媒は銅またはロジウムに基づいている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
治療または診断において使用するための、請求項19に記載のキレート。
【請求項27】
過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療用の薬剤の調製における、請求項19に記載のキレートの使用。
【請求項28】
過剰増殖性および/または腫瘍の状態の診断および/または治療に使用するための、請求項19に記載のキレート。
【請求項29】
前記状態は癌である、請求項27に記載の使用または請求項28に記載のキレート。
【請求項30】
前記癌はホルモン応答性である、請求項29に記載の使用またはキレート。
【請求項31】
対象における過剰増殖性および/または腫瘍性の状態の診断または治療の方法であって、前記方法は、それぞれ診断上または治療上効果的な量の請求項19または請求項20に記載のキレートの前記対象への投与から成る、方法。
【請求項32】
請求項17または請求項18に記載の結合体の合成における、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
請求項19または20に記載のキレートの合成における、請求項17または請求項18に記載の結合体の使用。
【請求項34】
前記標的分子はペプチドである、請求項17または請求項18に記載の結合体または請求項19または請求項20に記載のキレート。
【請求項35】
1つ以上のジスルフィド架橋を有する標的分子への二官能性キレート剤の金属触媒による接合の後に、二官能性キレート剤から金属触媒を脱キレートする方法であって、前記方法は、硫化ナトリウムを使用した金属イオンの除去と、それに続く、前記ジスルフィド架橋を再構築するための、NHならびにアセトニトリルおよび水を有する溶媒での処理とから成る、方法。
【請求項36】
前記接合反応は、付加環化反応を伴う、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記二官能性キレート剤は、請求項1に記載の化合物である、請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記金属触媒は銅またはロジウムに基づいている、請求項35〜請求項37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
請求項16に記載の化合物と、前記R基を介して前記化合物に結合する2つ以上の標的分子とを有する結合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18a】
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【図18b】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21a】
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【図21b】
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【図22a】
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【図22b】
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【図23a】
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【図23b】
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【図24a】
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【図24b】
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【図25a】
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【図26a】
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【図26b】
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【図27a】
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【図27b】
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【公表番号】特表2010−511687(P2010−511687A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539809(P2009−539809)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004733
【国際公開番号】WO2008/068516
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(508258792)
【Fターム(参考)】