説明

キースイッチ構造

【課題】ホルダの位置精度に優れ、リンク部材の剛性が高いキースイッチ構造を提供する。
【解決手段】バックプレート170には図1に示すように穴172が設けられ、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152が成形される際、金型内において穴開け加工済みのバックプレート170を配置し、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152を穴172の位置にあわせて成形する。いわゆるインサート成形でバックプレート170の穴172に樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152を形成することによって、第1ホルダ150および第2ホルダ152の取付け位置精度の高い構造とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキースイッチ構造に関し、特に薄型の要求の強い可搬型のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のキーボードに用いられるキースイッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可搬型のパーソナルコンピュータ等に用いられるキーボードにおいては、キートップのどの部分を押下してもキートップが傾くことなく下降する所謂操作性を確保するようにしている。そのために従来のキースイッチ構造においては、キートップの下部にリンク機構を備えている。キートップの下部にリンク機構を備えたキースイッチ構造が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のキースイッチ構造は、キートップ210、第1のリンク部材220、第2のリンク部材230、ホルダ250、メンブレン260、バックプレート270、弾性部材240で構成されている。
【0004】
上記のキースイッチ構造は図8、9に示すように2つのリンク部材220、230をX字型に組み合わせたリンク機構によりキートップ210が水平状態を維持しながら下降する構成を備えたキースイッチ構造とされている。
【0005】
すなわち第1のリンク部材220の第1支持突起224がキートップ210裏側の回転支持部214で回転可能に支持され、同様に第2のリンク部材230の第1支持突起234がホルダ250の回転支持部254で回転可能に支持されるとき、それぞれのリンク部材の他端に設けられた第2支持突起222、232はそれぞれホルダ250とキートップ210とに設けられたスライド支持部256、212にスライド可能に支持される。
【0006】
キートップ210が押下されるとX字型に組み合わされたリンク部材は第2支持突起222、232をスライド移動させながら弾性部材240が潰れる方向に変形すると共にメンブレン260に向けて変形する。これによりキートップ210が水平状態を維持しながら下降する。
【0007】
このときホルダ250に設けられた突起252がメンブレン260の穴262およびバックプレート270の穴272を貫通し、先端を溶着されるなどの方法でバックプレート270に対して位置決めと固定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4341733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、バックプレート270とホルダ250の加工精度や、両者を溶着する際の精度が悪い場合、バックプレート270とホルダ250の間に隙間が生まれ、第1のリンク部材220の第2支持突起222(スライド部)が上下すなわちキートップの押下方向に動いてしまい、押下時にキートップ210が水平状態を維持できずワブル感の原因となる可能性もあった。
【0010】
また、ホルダ250が回転支持部254、スライド支持部256を含んで一体となる一個の部品として成形されている場合、キートップ210の中央直下には弾性部材240が配置される都合上、リンク部材220がホルダ250を周囲から囲むような形状となるため、どうしてもリンク部材の一部に薄肉部が存在し、キートップ210の押下時に荷重が加わった際にはその薄肉部に力が集中しワブル感の原因となっていた。
【0011】
またバックプレート270を切起して第2支持突起222を嵌合する場合でも、加工精度が低い場合はリンク部材(第2支持突起222、第1支持突起234)が正しく配置されないためワブル感の原因となっていた。
【0012】
上記特許文献1において開示された構造は、前述のように加工精度によってはリンク部材の位置精度が低くなり、あるいはリンク部材に存在する薄肉部に力が集中するため、操作時に剛性の不足を感じる所謂ワブル感の原因となる虞がある。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、ホルダの位置精度に優れ、リンク部材の剛性が高いキースイッチ構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのため本発明は、板状のキートップと、前記キートップを押下可能に支持するリンク機構と、接点部を有するメンブレンシートと、前記メンブレンシートが貼合され、前記リンク機構を支持するバックプレートと、前記バックプレート上にインサート成型され、前記リンク機構を支持する複数のホルダ部材と、前記キートップと前記メンブレンシートとの間に設けられ、前記キートップの押下により圧縮され前記接点部を押圧し導通させる弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記構成としたので、ホルダの位置精度に優れ、リンク部材の剛性が高いキースイッチ構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るキースイッチ構造を示す側面図である。
【図2】図1に示すキースイッチ構造を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示すキースイッチ構造を示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すキースイッチ構造を裏側から示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るキースイッチ構造の一部を示す拡大平面図および断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るキースイッチ構造の一部を示す拡大平面図および断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係るキースイッチ構造の一部を示す拡大平面図および断面図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係るキースイッチ構造を示す断面図である。
【図9】従来のキースイッチ構造を示す側面図である。
【図10】従来のキースイッチ構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施例>
【0018】
以下、図面を参照して本発明によるキースイッチ構造の実施の形態について説明する。 図1は第1の実施の形態を示す断面図で、図2〜4は第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【0019】
本実施の形態のキースイッチ構造は、キートップ110、第1リンク部材120、第2リンク部材130、弾性部材140、第1ホルダ150、第2ホルダ152、メンブレンシート160、及びバックプレート170により構成されている。
【0020】
バックプレート170は金属製あるいは硬質の樹脂製など、ある程度の硬度と剛性を備えた素材で形成された板材であり、メンブレンシート160は図示しないスペーサシートを挟んで配線パターンが印刷された2枚のシート、すなわち図示しない上部シートと下部シートとが貼合された構成とされており、バックプレート170の表面に貼付される柔軟な素材で形成されている。
【0021】
バックプレート170には図1に示すように穴172が設けられ、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152が成形される際、金型内に穴開け加工済みのバックプレート170を配置し、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152を穴172の位置にあわせて成形する。いわゆるインサート成形でバックプレート170の穴172に樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152を形成することによって、第1ホルダ150および第2ホルダ152の取付け位置精度の高い構造とされている。
【0022】
穴172は図1に示すように、単純な直管状の穴ではなく段差やテーパなどが設けられ取付け面裏側が拡大された形状とされていてもよい。この場合、拡大された穴172内にもインサート成型時に樹脂が充填されるので第1ホルダ150、第2ホルダ152にはフランジ154、156が形成される。
【0023】
すなわち穴172の形状をメンブレンシート160と反対側が大きく開口した、図1に示すような穴172とすることで、第1ホルダ150および第2ホルダ152は穴172を通してフランジ154、156と一体に形成されるので、直管状の穴と比較してより強固に固定可能な構成となる。
【0024】
また図8、9に示す従来例のように一体型のホルダ250ではリンク部材が干渉しないように周囲を避けて配置する必要上、設計の自由度が低くなり部材に薄肉部が生じる原因ともなるが、第1ホルダ150と第2ホルダ152に分割することで各リンク部材の形状や配置箇所の自由度が高い。
【0025】
図1に示すようにメンブレンシート160は内部に接点部166を備えている。この接点部166上においてキートップ110との間に弾性部材140が接着剤などで固定されている。弾性部材140はゴム等を素材として略カップ状に形成され、上部中央に嵌合穴142を有し、内面の中央部には接点押下部144がメンブレンシート160に向けて突出形成されている。
【0026】
キートップ110が押下されることによりキートップ110はメンブレンシート160(バックプレート170)に向けて平行を保ちながら移動し、キートップ110の裏面に設けられ嵌合穴142に嵌合する突起118が位置決め固定された弾性部材140の上部を押圧するので、弾性部材140は圧縮変形すると共に、内部に形成されている接点押下部144がメンブレンシート160の接点部166に当接してこれを押圧する。
【0027】
接点部166はメンブレンシート160の、図示しないスペーサシートを挟んで貼合された図示しない上部シートと下部シートの、対向するそれぞれの箇所に電気接点が配置されており、メンブレンシート160が厚さ方向に押圧されると、上部シートと下部シートに設けられ対向するふたつの電気接点が接触して電気的に接続し、スイッチとして閉成状態となる。
【0028】
キートップ110の押下を解除すると、各構成部品は弾性部材140とメンブレンシート160との復元力(弾性)によって元の状態に戻り、メンブレンシート160の接点部166が離れ、電気的接触が絶たれるためスイッチは開放状態となる。
【0029】
キートップ110の裏側(メンブレンシート160に対向する側)には、第1リンク部材120の一端に設けられた回転軸124を回転可能に支持する回転支持部112と、第2リンク部材130の一端に設けられたスライド突起132を回転可能にかつ水平方向(メンブレンシート160の表面に沿った方向)に平行移動(運動)可能に支持するスライド支持部114とが設けられている。
【0030】
略四辺形の枠形状とされた第1リンク部材120には、対向する2辺の中央付近に外側へ突出した回転軸128が設けられ、他の2辺の一方の端にはキートップ110の裏側に設けられた回転支持部112に回転可能に保持される回転軸124が設けられている。また他方の端にはバックプレート170の穴172に一体的に設けられた第2ホルダ152に回転可能かつ水平方向に平行移動(運動)可能に支持されるスライド突起122が設けられている。
【0031】
第1リンク部材120は、第2リンク部材130と同一平面上で重なるように嵌め合わされ、第2リンク部材130の内側に第1リンク部材120が嵌り込む入れ子構造となる。このとき第1リンク部材120の回転軸128は第2リンク部材の対向する位置に設けられた軸穴136に嵌り込み、図3に示すように回転軸128を軸として互いに回転可能に組み合わされる。
【0032】
第1ホルダ150、第2ホルダ152の位置に合わせてメンブレンシート160に設けられた穴162、164がそれぞれ第1ホルダ150、第2ホルダ152をクリアし、バックプレート170上にメンブレンシート160が貼付される。
【0033】
リンク部材等は以下のように組み立てられる。すなわち第1リンク部材120の回転軸128を第2リンク部材130の軸穴136に嵌合することにより、第1リンク部材120と第2リンク部材130とを回転自在にX字状に組合わされ、また、第1リンク部材120の回転軸124をキートップ110裏側の回転支持部112に挿入されると共に、第2リンク部材130のスライド突起132をキートップ110裏側のスライド支持部114に回転可能かつ水平方向(メンブレンシート160の表面に沿った方向)に平行移動可能に挿入される。
【0034】
X字状に組み合わされた第1リンク部材120と第2リンク部材130はバックプレート170上に設けられた穴172にインサート成型されている第1ホルダ150と第2ホルダ152とで位置決めされる。すなわち第1リンク部材120に設けられたスライド突起122は第2ホルダ152に挿入され、回転可能かつ水平方向(メンブレンシート160の表面に沿った方向)に平行移動可能に保持される。
【0035】
第2リンク部材130に設けられた回転軸134は第1ホルダ150に挿入され、回転可能に保持される。
【0036】
これによりキートップ110が押下された際、回転可能に支持された回転軸124、134はバックプレート170に対する位置は変わらず、その場所で回転するのみであるのに対して、スライド突起122、132はキートップ110が押下されるに従ってメンブレンシート160上およびキートップ110裏側を移動する。
【0037】
このとき第2ホルダ152の位置精度が悪い場合、例えばメンブレンシート160から浮き上がっていればスライド突起122は移動方向がキートップ110の押下方向にぶれる可能性があり、これがワブル感の原因となっている。
【0038】
本願発明においては、第2ホルダ152は剛性の高いバックプレート170にインサート成形され一体化されているので位置精度悪化の原因が少なく、ワブル感を低減可能な構成とされている。また第1ホルダ150もまたバックプレート170にインサート成形されているので、第2ホルダ152に対する位置精度に優れた構成とされている。
【0039】
さらに第1ホルダ150、第2ホルダ152をそれぞれ独立した部品としてバックプレート170にインサート成形しており、第1リンク部材120がクリアする必要のある空間が小さいので部材の肉厚に余裕ができ、キートップ110が押下された際の力の集中に際してもワブル感を低減可能な構成とされている。
【0040】
<第2実施形態>
【0041】
図5(A)は第2の実施の形態に係るキースイッチ構造の一部分を拡大して示す平面図であり、図5(B)は当該箇所の断面図である。
【0042】
本実施の形態のキースイッチ構造は、バックプレート170に設けられた穴172を中心として、打ち出し加工による凸部174を設けた構成とされている。
【0043】
すなわち、穴172を中心としてキートップ110側に凸となる凸部174をバックプレート170に設けることにより、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152は、凸部174の上にインサート成形されることとなる。このため、第1ホルダ150および第2ホルダ152を成形する樹脂が凸部174の内側に形成された空間176にも充填される。
【0044】
これにより、インサート成形された樹脂製の第1ホルダ150と第2ホルダ152は、空間176に充填され形成されたフランジ部分の樹脂と、穴172を通して一体として固定される。
【0045】
すなわち本実施形態では図1に示す第1実施形態で形成されているフランジ154、156に比較して空間176の容積はバックプレート170の厚さに制限されないため、
【0046】
第1実施形態のフランジ154、156よりも大きな樹脂製のフランジを形成することが可能な構成とされている。
【0047】
図5(A)に示す平面図では凸部174は円柱形状とされているが、これに限定せず平面視で三角柱、四角柱など種々の形状を備えた凸部174とされていてもよく、また複数の穴172を一個の凸部174に設ける構成とされていてもよい。
【0048】
<第3実施形態>
【0049】
図6(A)は第3の実施の形態に係るキースイッチ構造の一部分を拡大して示す平面図であり、図6(B)は当該箇所の断面図である。
【0050】
本実施の形態のキースイッチ構造は、バックプレート170に設けられた穴172を中心として、座ぐり加工による拡大部172Bを設けた構成とされている。
【0051】
すなわち、穴172を中心として第1ホルダ150と第2ホルダ152の取付け面裏側の穴径を拡大する拡大部172Bをバックプレート170に設けることにより、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152は、拡大部172Bに形成されたフランジ154、156と一体にインサート成形されることとなる。
【0052】
すなわち本実施形態では図1に示す第1実施形態で形成されているフランジ154、156に比較して、座ぐり加工された拡大部172Bに形成されているため、より大きな樹脂製のフランジ154、156として形成することが可能な構成とされている。このとき、拡大部172Bの大きさを稼ぐためにバックプレート170の厚さをより厚く設定してもよい。
【0053】
<第4実施形態>
【0054】
図7(A)は第4の実施の形態に係るキースイッチ構造の一部分を拡大して示す平面図であり、図7(B)は当該箇所の断面図である。
【0055】
本実施の形態のキースイッチ構造は、バックプレート170に設けられた穴172を中心として、絞り加工による凸部174を設けた構成とされている。
【0056】
すなわち、穴172を中心としてキートップ110側に凸となる凸部174をバックプレート170に設けることにより、樹脂製の第1ホルダ150および第2ホルダ152は、凸部174の上にインサート成形されることとなる。このため、第1ホルダ150および第2ホルダ152を成形する樹脂が凸部174の内側に形成された空間176にも充填される。
【0057】
これにより、インサート成形された樹脂製の第1ホルダ150と第2ホルダ152は、空間176に充填され形成されたフランジ部分の樹脂と、穴172を通して一体として固定される。
【0058】
すなわち本実施形態では図1に示す第1実施形態で形成されているフランジ154、156に比較して空間176の容積はバックプレート170の厚さに制限されないため、第1実施形態のフランジ154、156よりも大きな樹脂製のフランジを形成することが可能な構成とされている。
【0059】
また、凸部174は絞り加工による成型であるため、打ち出し加工や切削加工に比較して空間176に角や鋭利な箇所を少なくでき、フランジ部分に応力が集中しにくい構成とされている。
【0060】
図7(A)に示す平面図では凸部174は半球形状とされているが、これに限定せず台形状、ピラミッド状など種々の形状を備えた凸部174とされていてもよく、また複数の穴172を一個の凸部174に設ける構成とされていてもよい。
【0061】
<第5実施形態>
【0062】
図8は第5の実施の形態に係るキースイッチ構造の一部分を示す断面図である。
【0063】
本実施の形態のキースイッチ構造は、透明樹脂など光透過性を備えた素材で形成されたバックプレート170に、不透明な樹脂からなる第1ホルダ150と第2ホルダ152とをインサート成形した構成とされている。
【0064】
バックプレート170にはLEDなどの光源180が埋設されており、メンブレンシート160と電気的に接続され、給電されることで発光する。光源180は透明なバックプレート170を導光部材として、キートップ110をバックプレート170側から照明する。このとき、メンブレンシート160や弾性部材140もまた透明な素材で形成された導光部材とされていれば尚よい。
【0065】
図8に示すようにキートップ110には透明な自照窓190が設けられ、バックプレート170を透過してキートップ110を照明する光源180の光をさらに透過する構造とされている。これによりキートップ110の上からは自照窓190を通して光源180の光が透過して見える。
【0066】
このときる第1ホルダ150と第2ホルダ152とは、透明なバックプレート170に不透明な樹脂でインサート形成されている。このため光源180から発せられた光が第1ホルダ150と第2ホルダ152とで散乱され、光量が低下する事態を防止可能な構成とされている。
【0067】
<第6実施形態>
【0068】
本実施の形態のキースイッチ構造は、第5実施形態において、透明なバックプレート170上に、キートップ110側に凸となる複数の凸部を配列形成した構成とされている。
【0069】
透明なバックプレート170の上に凸部を配列することにより、その凸部が光源180から導かれる光を反射し、キートップ110側からは発光するドットとして視認可能となる。
【0070】
すなわち、透明なバックプレート170の上に設けられた凸部の配列が光源180の光を反射することでキートップ110を内側から照明する。これにより自照窓190を透過する光量を増加可能な構成とされている。
【0071】
なお、バックプレート170に設けられる凸部は、バックプレート170を形成する透明な樹脂板に予め設けられていても、第1ホルダ150と第2ホルダ152とをインサート成形中、同時に設けられても、あるいはインサート成形後に新たに設けられてもよい。
【0072】
<まとめ>
【0073】
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。例えば本発明はキースイッチ構造に関するものであるが、これ以外にもリンク部材を用いた可動部品の構造に応用することもできる。
【0074】
すなわち、板状の部材上にリンク部材を保持する際に、リンク部材を保持する保持手段を板状の部材に固定する固定構造として種々の構造に本発明を応用することができる。
【符号の説明】
【0075】
110 キートップ
112 回転支持部
114 スライド支持部
118 突起
120 リンク部材
122 スライド突起
124 回転軸
128 回転軸
130 リンク部材
132 スライド突起
134 回転軸
136 軸穴
140 弾性部材
142 嵌合穴
144 接点押下部
150 第1ホルダ
152 第2ホルダ
154 フランジ
160 メンブレンシート
162 穴
166 接点部
170 バックプレート
172B 拡大部
172 穴
174 凸部
176 空間
180 光源
190 自照窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のキートップと、
前記キートップを押下可能に支持するリンク機構と、
接点部を有するメンブレンシートと、
前記メンブレンシートと貼合され、前記リンク機構を支持する
バックプレートと、
前記バックプレート上にインサート成型され、前記リンク機構を支持する複数のホルダ部材と、
前記キートップと前記メンブレンシートとの間に設けられ、前記キートップの押下により圧縮され前記接点部を押圧し導通させる弾性部材と、
を備えたことを特徴とするキースイッチ構造。
【請求項2】
前記リンク機構は、
第1のリンク部材と第2のリンク部材とを互いに回転可能にX状に組み、
前記第1のリンク部材の一端を前記キートップに回転可能に支持すると共に、
前記第2のリンク部材の一端を前記キートップ裏面に沿って移動可能に支持し、
前記第1のリンク部材の他端を、前記バックプレートと一体に成形された第1のホルダ部材にメンブレンシート表面に沿って移動可能に支持すると共に、
前記第2のリンク部材の他端を、前記バックプレートと一体に成形された第2のホルダ部材に回転可能に支持することを特徴とする請求項1に記載のキースイッチ構造。
【請求項3】
前記第1ホルダ部材及び第2ホルダ部材を、前記バックプレート上において前記キートップ側に凸となるよう打出し成形した箇所に設けられた穴にインサート成型したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキースイッチ構造。
【請求項4】
前記第1ホルダ部材及び第2ホルダ部材を、前記バックプレート上において前記メンブレンシート側から反対側へ径が拡大するように座ぐり加工した穴にインサート成型したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキースイッチ構造。
【請求項5】
前記第1ホルダ部材及び第2ホルダ部材を、前記バックプレート上において前記キートップ側に凸となるよう絞り加工した箇所に設けられた穴にインサート成型したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキースイッチ構造。
【請求項6】
樹脂製の前記第1ホルダ部材及び第2ホルダ部材を金属製の前記バックプレートにインサート成型したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のキースイッチ構造。
【請求項7】
透明な樹脂板で成型された前記バックプレートを照らす光源を備え、不透明な樹脂製の前記第1ホルダ部材及び第2ホルダ部材を前記バックプレートにインサート成型したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のキースイッチ構造。
【請求項8】
前記バックプレートの前記キートップと対向する面に複数の半球状の凸部を配列したことを特徴とする請求項7に記載のキースイッチ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−238535(P2012−238535A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108063(P2011−108063)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】