説明

キーボードおよび電子機器

【課題】より少ない数の部材でキーボードを構成する。
【解決手段】キーボード100は、キー101に対応する位置に接点が配置されるメンブレンスイッチ120と、メンブレンスイッチ120上に設けられ、少なくともキー101に対応する部分に開口部101aを有するスペーサ部材131と、スペーサ部材131上に設けられ、開口部131aでメンブレンスイッチ120と離間して対向する弾性部材133と、弾性部材133上のキー101に対応する部分に設けられるキー部材135とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードおよび電子機器に関し、特に、キーボードおよび該キーボードを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型のキーボードとして、メンブレンスイッチを用いたキーボードが広く用いられている。メンブレンスイッチは、2つの電極が互いに離間して対向するように配置される複数のシートを含む。メンブレンスイッチの電極が配置された部分が押下されると、2つの電極が接触し、信号が出力される。メンブレンスイッチを用いたキーボードでは、かかる電極が各キーに対応する位置に配置され、各キーの押下時に信号が出力される。
【0003】
このようなキーボードでは、入力性および操作性を確保するために、キートップが傾かないように支持するキートップガイド機構が設けられる。薄型のキーボードでは、キートップガイド機構として、例えばスライド機構またはパンタグラフ機構が用いられる(例えば、特許文献1の図8等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−75980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来のキーボードでは、部材数が多く、組み立てに手間がかかるという問題があった。例えば、特許文献1に記載されたパンタグラフ機構を用いたキーボードの場合、キートップの部材数がキー数と同じ、2つのフレームからなるパンタグラフの部材数がキー数の2倍、キートップとメンブレンスイッチとの間に介される弾性材であるカップの部材数がキー数と同じになり、これだけで部材数がキー数の4倍になる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より少ない数の部材でキーボードを構成することが可能な、新規かつ改良されたキーボードおよび電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、キーに対応する位置に接点が配置されるメンブレンスイッチと、上記メンブレンスイッチ上に設けられ、少なくとも上記キーに対応する部分に開口部を有するスペーサ部材と、上記スペーサ部材上に設けられ、上記開口部で上記メンブレンスイッチと離間して対向する弾性部材と、上記弾性部材上の上記キーに対応する部分に設けられるキー部材とを含むキーボードが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、キーボードを少数の単純な形状の部材で構成することができ、部材の加工およびキーボードの組み立てを容易にすることができる。
【0009】
上記弾性部材は、複数の上記キーに対応する領域にわたる平坦なシート状部材であってもよい。
【0010】
上記弾性部材は、単一のシート状部材であってもよい。
【0011】
上記スペーサ部材は、単一のプレート状部材であってもよい。
【0012】
上記スペーサ部材は、上記メンブレンスイッチ、上記開口部、および上記弾性部材によって囲繞される空間から空気を漏出させる切開部を有してもよい。
【0013】
上記メンブレンスイッチは、上記キー部材によって押下された上記弾性部材が上記開口部を通過して接触する部分に粗面を有してもよい。
【0014】
上記キーボードは、上記弾性部材および上記キー部材上に設けられ、上記キーに対応する凹凸を有するカバー部材をさらに含んでもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、キーに対応する位置に接点が配置されるメンブレンスイッチと、上記メンブレンスイッチ上に設けられ、少なくとも上記キーに対応する部分に開口部を有するスペーサ部材と、上記スペーサ部材上に設けられ、上記開口部で上記メンブレンスイッチと離間して対向する弾性部材と、上記弾性部材上の上記キーに対応する部分に設けられるキー部材とを含むキーボードを有する電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、より少ない数の部材でキーボードを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るキーボードの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るキーボードの構成を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシートアセンブリの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるシートアセンブリの構成を示す模式的な斜視図である。
【図5】本実施形態に係る電子機器の構成を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.関連技術の説明
2.一実施形態の説明
3.補足
【0020】
<1.関連技術の説明>
まず、本発明の実施形態の説明に必要な関連技術について説明する。上述のように、薄型のキーボードとして、メンブレンスイッチを用いたキーボードが広く用いられている。このようなキーボードでは、スライド機構またはパンタグラフ機構などの機械的なキートップガイド機構が設けられるが、部材数が多く、組み立てに手間がかかる。例えば、パンタグラフ機構を用いたキーボードの一例では、キー数が100である場合、部材数はその4倍の400を超える。
【0021】
また、上記のような機械的なキートップガイド機構を用いる場合、キーボードの薄型化には限界がある。例えば、上記のパンタグタフ機構を用いたキーボードの場合、メンブレンが設けられるバックプレートからキートップまでの厚さは2.8〜3.5mmになり、これ以上薄くすることは難しい。また、打鍵時にキートップがキートップガイド機構の他の部品に接触するために、打鍵音が大きい。さらに、メンブレンの表面を覆う部材が複数の分離した部材であるために、キーボード上方からの液体の浸入に弱い。
【0022】
これに対して、部材数が少なく、打鍵音が小さく、液体の浸入に強い薄型のキーボードとして、タッチパネルを用いたオンスクリーンキーボードが存在する。しかし、タッチパネルが高価であるために、オンスクリーンキーボードのコストは高い。また、タッチパネルは軽い接触でも反応してしまうために、手を置いた程度の接触でキー入力が発生して、誤操作の可能性が高くなる。さらに、タッチパネルの表面は平滑であるため、キー位置の識別は目視に頼らざるを得ず、ブラインドタッチによる入力が難しい。
【0023】
<2.一実施形態の説明>
次に、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、キーボードと、該キーボードを有するPC(Personal Computer)などの電子機器に係る。
【0024】
本実施形態に係るキーボード100の構成は、図1〜図4の各図面を参照して説明される。まず、図1および図2は、キーボード100の全体構成を示す図である。具体的には、図1は、本発明の一実施形態に係るキーボード100の断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るキーボード100の構成を示す模式的な斜視図である。次に、図3および図4は、キーボード100に含まれるシートアセンブリ130の構成をさらに詳細に示す図である。具体的には、図3は、本発明の一実施形態に係るシートアセンブリ130の断面図である。図4は、本発明の一実施形態にかかるシートアセンブリ130の構成を示す模式的な斜視図である。
【0025】
以上の各図を参照すると、キーボード100は、バックプレート110、メンブレンスイッチ120、シートアセンブリ130、およびトップラバー140を含み、シートアセンブリ130は、スペーサプレート131、ラバーシート133、およびキープレート135を含む。
【0026】
バックプレート110は、キーボード100の底部に設けられる。バックプレート110は、例えば平板状のアルミプレートなどの金属板でありうる。バックプレート110は、メンブレンスイッチ120、シートアセンブリ130、およびトップラバー140の各部材を支持する。
【0027】
メンブレンスイッチ120は、バックプレート110上に設けられる。メンブレンスイッチ120は、例えば2枚のフィルム状部材と、該フィルム状部材の内面に所定の間隔で対向するように設けられた一対の電極からなる接点とを含む。メンブレンスイッチ120の各接点は、キーボード100のキー101に対応する位置に配置され、各接点が接触した場合、キー101に対応する電気信号が出力される。メンブレンスイッチ120は、少なくとも上記の各接点の位置で、スペーサプレート131の開口部131aを介してラバーシート133に対向する。
【0028】
また、メンブレンスイッチ120は、スペーサプレート131の開口部131aを介してラバーシート133に対向する部分に、ざらざらした粗面120aを有してもよい。この部分は、キーボード100の打鍵時に、キープレート135によって押下されたラバーシート133が開口部131aを通過してメンブレンスイッチ120に接触する部分でもある。粗面120aを設けることによって、メンブレンスイッチ120に接触(接着)したラバーシート133を、ラバーシート133自身の弾性力によってスムーズに剥離させることができる。
【0029】
シートアセンブリ130は、スペーサプレート131、ラバーシート133、およびキープレート135が互いに接着された部材である。キーボード100の製造時には、シートアセンブリ130が予め組み立てられた後に、バックプレート110、メンブレンスイッチ120、シートアセンブリ130、およびトップラバー140が積層されてもよい。このようにキーボード100を構成することによって、例えばシートアセンブリ130またはトップラバー140を交換し、キーボード100の外観を変更したり、打鍵の感触やストロークを変更したりすることが容易になる。
【0030】
スペーサプレート131は、メンブレンスイッチ120上に設けられるスペーサ部材である。スペーサプレート131は、例えば平板状のポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)またはポリカーボネート(Polycarbonate)でありうる。スペーサプレート131は、少なくともキー101に対応する部分に開口部131aを有する。開口部131aは、キー101と1対1で対応していてもよいし、また、複数のキー101、例えば左右方向に配列された複数のキー101に対して1つの開口部131aが対応していてもよい。この場合、開口部131aの形状は左右方向の溝状でありうる。
【0031】
ここで、スペーサプレート131の開口部131aは、メンブレンスイッチ120とラバーシート133との間に空間を確保し、この空間によって、キー101が押下されたときのストロークが生じる。ストロークがあることによって、ユーザは、キーボード100の打鍵時に押下感を得ることができる。また、ストロークがあることによって、キーボード100の表面に手を置いた程度の荷重ではキー入力が発生せず、誤作動の可能性は低くなる。なお、スペーサプレート131の厚さを調整することによって、ストロークの大きさを調整することが可能である。例えば、スペーサプレート131をより厚くすれば、ストロークはより大きくなる。
【0032】
また、スペーサプレート131は、単一のプレート状部材であってもよい。この場合、スペーサプレート131は、1つのキーボード100に対して1つでよく、キーボード100の部材数をより少なくすることができる。なお、製造工程の便宜などのために、スペーサプレート131は複数のプレート状部材を組み合わせたものであってもよい。
【0033】
さらに、スペーサプレート131は、切開部131bを有してもよい。切開部131bは、メンブレンスイッチ120、開口部131a、およびラバーシート133によって囲繞される空間から空気を漏出させる。切開部131bによって、上記空間が気密空間になり、内部の空気が圧縮されてキー101の打鍵が困難になることを防ぐことができる。なお、図示されている例において、切開部131bは2つの開口部131aの間に設けられ、一方の開口部131aに対応するキー101が打鍵された場合に、他方の開口部131aに空気を漏出させる。切開部131bの形状はこれには限られず、例えば3以上の開口部131aの間に設けられてもよく、また開口部131aとスペーサプレート131の端部との間に設けられ、開口部131aに対応するキー101が打鍵された場合に、外部に空気を漏出させてもよい。
【0034】
ラバーシート133は、スペーサプレート131上に設けられる弾性部材である。ラバーシート133は、例えばシリコンゴムなどの弾性を有する素材で形成されうる。ラバーシート133は、スペーサプレート131の開口部131aの部分で、メンブレンスイッチ120と離間して対向する。
【0035】
ここで、ラバーシート133は、キーボード100の打鍵時に、ユーザによってトップラバー140を介して押下されたキープレート135に押圧されて下方に撓み、開口部131aを通過してメンブレンスイッチ120に接触する。このとき、メンブレンスイッチ120の接点部分が、ラバーシート133とバックプレート110との間に挟まれ、接点が接触して、各キーに対応する電気信号が出力される。キープレート135が解放されると、ラバーシート133は、自身の弾性力によってメンブレンスイッチ120から離隔し、キープレート135が押下される前の位置に復位する。
【0036】
また、ラバーシート133は、複数のキー101に対応する領域にわたる平坦なシート状部材であってもよい。ラバーシート133とメンブレンスイッチ120との間にはスペーサプレート131が介されているため、ラバーシート133は、単純な形状のシート状部材とし、複数のキー101に対応する領域にわたる部材とすることが可能である。関連技術として紹介した機械的なキートップガイド機構を用いるキーボードでは、ラバーシート133と同様の機能を実現するためにカップ状の弾性材が設けられるが、この弾性材は、キーに対して1つ設ける必要があり、また複雑な立体的形状を有する。これに対して、ラバーシート133は、1つの部材で複数のキー101をカバーすることが可能であり、また形状が単純である。複数のキー101に対応する領域にわたる平坦なシート状部材であるラバーシート133を用いれば、キーボード100の部材数をより少なくすることができ、また部材の加工を容易にすることができる。
【0037】
さらに、ラバーシート133は、単一のシート状部材であってもよい。この場合、ラバーシート133は、1つのキーボード100に対して1つでよく、キーボード100の部材数をさらに少なくすることができる。また、ラバーシート133を開口部がないシート状部材にすれば、メンブレンスイッチ120は、隙間なく一体になったラバーシート133によって覆われるため、キーボード100の上方からの液体の浸入を防ぐことができる。なお、ラバーシート133が複数のシート状部材を組み合わせたものである場合にも、キーボード100の上方からの液体の侵入を部分的に防ぐことができる。
【0038】
キープレート135は、ラバーシート133上の、キー101に対応する部分に設けられるキー部材である。キープレート135は、例えば板状のPETまたはポリカーボネートでありうる。キープレート135は、キー101と1対1で対応していてもよいし、また、複数のキー101、例えば4つのカーソルキーであるキー101に対して1つのキープレート135が対応していてもよい。キープレート135は、キーボード100の打鍵時に、ユーザにトップラバー140を介して押下され、ラバーシート133を押圧してメンブレンスイッチ120に接触させる。
【0039】
ここで、キープレート135の材質は、キーボード100の打鍵時にユーザが得る感触に影響する。例えば、キープレート135はアルミプレートなどの金属板である場合、ユーザはキーボード100の打鍵時に比較的固い感触を得ることができる。
【0040】
また、キープレート135の形状は、スペーサプレート131の開口部131aの形状に対応していてもよい。この場合、キープレート135は、キーボード100の打鍵時にラバーシート133を介して開口部131aに挿入される。従って、キープレート135の形状は、開口部131aの形状よりもわずかに小さい形状でありうる。円滑な打鍵を実現するために、この場合のキープレート135と開口部131aとの寸法の差は、例えば0.5mm程度でありうる。
【0041】
トップラバー140は、ラバーシート133およびキープレート135上に設けられ、キー101に対応する凹凸を有するカバー部材である。トップラバー140は、例えばシリコンゴムなどの弾性を有する素材で形成されうる。トップラバー140がキー101に対応する凹凸を有することによって、ユーザは触覚によってキー101の位置を認識することができ、ブラインドタッチによる入力も可能である。
【0042】
また、トップラバー140は、ラバーシート133およびキープレート135を覆う装飾的な部材でありうる。従って、トップラバー140は、バックプレート110、メンブレンスイッチ120、およびシートアセンブリ130の各部材のように、他の部材と密接に接合されていなくてもよい。それゆえ、トップラバー140は、他の部材から分離して容易に交換可能な部材でありうる。トップラバー140が容易に交換可能であることによって、例えばキーボード100の表面の色、またはキー101を示す文字のフォントなどのデザインを容易に変更することができる。
【0043】
以上で説明したキーボード100の部材は、いずれもシート状またはプレート状の薄い部材であるため、キーボード100の一例において、バックプレート110からトップラバー140までの厚さは1.94mm程度になり、関連技術として紹介したパンタグラフ構造を用いたキーボードに比べて大幅な薄型化が実現されている。
【0044】
また、キーボード100において、キープレート135以外の部材の数は、キー101の数に依存しない。例えば、スペーサプレート131およびラバーシート133は、いずれも単一の部材にすることが可能である。この場合、キープレート135をキー101と1対1で対応させたとしても、キーボード100の部材数はキー101の数にほぼ等しい。つまり、キーボード100のキー数が100であれば、部材数はキー数の100にほぼ等しく、関連技術として紹介したパンタグラフ構造を用いたキーボードの部材数の約1/4になる。
【0045】
さらに、キーボード100では、キー101の打鍵時に、ラバーシート133が押圧されてメンブレンスイッチ120に接触する。これによって、メンブレンスイッチ120に接触するのが比較的軟らかいラバーシート133であることによって、打鍵音が小さくなり、長時間の打鍵によるユーザの手の疲れや痛みが軽減されうる。また、ラバーシート133の素材を、異なる弾性を有する素材に変更することによって、キーボード100の打鍵時にユーザが得る感触を変更することができる。
【0046】
加えて、キーボード100の各部材は、例えばPETやシリコンゴムを用いることによって、透明な部材とすることが可能である。それゆえ、キーボード100は、例えばバックプレート110とメンブレンスイッチ120との間に光源を設置することによって、バックライトキーボードにすることができる。
【0047】
図5は、本実施形態に係る電子機器10の構成を示す模式的な斜視図である。電子機器10は、バックプレート110、メンブレンスイッチ120、シートアセンブリ130、およびトップラバー140を含むキーボード100を有する電子機器である。電子機器10は、例えば、図示されているようなノート型PC、デスクトップ型PCなどにUSB(Universal Serial Bus)などを用いて接続されるキーボード装置、および携帯電話などのモバイル機器でありうる。
【0048】
キーボード100に含まれるバックプレート110、メンブレンスイッチ120、シートアセンブリ130、およびトップラバー140は、例えば両面テープを用いて互いに接着され、バックプレート110が本体200に接着される。さらに、キーボード100を固定するために、キーボードベゼル300が装着されてもよい。また、メンブレンスイッチ120は、打鍵されたキー101に対応する電気信号を出力するために、本体200の内部の配線に電気的に接続される。
【0049】
なお、上述のように、キーボード100では、キー101の打鍵時の打鍵音が小さい。これは、多くの場合において利点であるが、ユーザによっては、キーの打鍵がされたか否かを確認するために、より大きい打鍵音が好まれる場合がある。そのような場合、本体200は、メンブレンスイッチ120から出力された電気信号に応じて、音声または振動を打鍵に対するフィードバックとして出力し、ユーザにより快適な操作感を提供してもよい。
【0050】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0051】
例えば、上記実施形態では、バックプレート、スペーサプレートをいずれも剛性を有する部材としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、バックプレートおよびスペーサプレートはいずれも可撓性を有する部材であってもよい。この場合、キーボード100は、巻いたり折り畳んだりすることが可能になる。さらに、キープレートも可撓性を有する部材であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 電子機器
100 キーボード
110 バックプレート
120 メンブレンスイッチ
120a 粗面
130 シートアセンブリ
131 スペーサプレート
131a 開口部
131b 切開部
133 ラバーシート
135 キープレート
140 トップラバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーに対応する位置に接点が配置されるメンブレンスイッチと、
前記メンブレンスイッチ上に設けられ、少なくとも前記キーに対応する部分に開口部を有するスペーサ部材と、
前記スペーサ部材上に設けられ、前記開口部で前記メンブレンスイッチと離間して対向する弾性部材と、
前記弾性部材上の前記キーに対応する部分に設けられるキー部材と、
を備えるキーボード。
【請求項2】
前記弾性部材は、複数の前記キーに対応する領域にわたる平坦なシート状部材である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】
前記弾性部材は、単一のシート状部材である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項4】
前記スペーサ部材は、単一のプレート状部材である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項5】
前記スペーサ部材は、前記メンブレンスイッチ、前記開口部、および前記弾性部材によって囲繞される空間から空気を漏出させる切開部を有する、請求項1に記載のキーボード。
【請求項6】
前記メンブレンスイッチは、前記キー部材によって押下された前記弾性部材が前記開口部を通過して接触する部分に粗面を有する、請求項1に記載のキーボード。
【請求項7】
前記弾性部材および前記キー部材上に設けられ、前記キーに対応する凹凸を有するカバー部材をさらに備える、請求項1に記載のキーボード。
【請求項8】
キーに対応する位置に接点が配置されるメンブレンスイッチと、
前記メンブレンスイッチ上に設けられ、少なくとも前記キーに対応する部分に開口部を有するスペーサ部材と、
前記スペーサ部材上に設けられ、前記開口部で前記メンブレンスイッチと離間して対向する弾性部材と、
前記弾性部材上の前記キーに対応する部分に設けられるキー部材と、
を含むキーボードを備える電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−129140(P2012−129140A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281450(P2010−281450)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】