説明

キーボード

【課題】 現在主に用いられているキーボードには、ホームキー以外のキーの座法情報を使用者に触覚のみで伝達する機能がない。
【解決手段】 方形方向の位置にある四つのキートップを一つのキーブロックとして構成し、キーブロックの集合体としてキーボード全体を構成する。
各キーブロック内においては、一つまたは複数または全てのキートップの形状に相違を持たせることにより、全てのキートップにキーブロック内での座標情報を持たせる。
各キーブロックはキーボード全体内におけるキーブロック自身の座標情報を、キーブロック自身全体の輪郭の形状により持つ。
各キートップの持つキーブロック内における方形座標情報と、各キーブロックの持つキーボード全体内における座標情報の層化された触覚による座標情報により、使用者はキーボード内における全てのキートップの識別が触覚のみで可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機器への入力装置として用いられる、キーボードのキーの形状ならびに配列の形式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキーボードにおいて、それらのキーの配置が決定される際、決定条件として主に重要視されたのは使用者の手の動作の容易度であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その結果、製作されたそれらのキーボードは、入力速度の性能は追究されたものの、キー配置の記憶については曖昧な技能による使用者の習熟に依存することになり、設計に基づく機能としてはキーの持つキーボード内における座標情報を使用者に与えることができなかった。
【0004】
そこで、この発明は、設計に基づく機能として、キーの持つキーボード内における座標情報を使用者に与えることができるキーボードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、第一発明は、キーの配置を、瞬時に触覚での識別が可能な範囲内にある配置で、四進法、八進法、十六進法に親和性の高い四つづつのキーからなるブロック(以下「キーブロック」とする)の集合体化したことを特徴とするキーボードである。
【0006】
また、第二発明は、キーの形状に相違を設け、キーブロックの内におけるキーの一意的な座標情報を使用者に与える機能を持つことを特徴とするキーボードである。
【0007】
更に、第三発明は、キーブロック内の一つまたは複数または全てのキーの形状に相違を設け、各キーブロックのキーボード全体内における一意的な座標情報を使用者に与え、更にこれと第一発明に基づく座標情報とにより各キーのキーボード全体内における一意的な座標情報を視覚または触覚により使用者に与える機能を持つことを特徴とするキーボードである。
【発明の効果】
【0008】
第一発明により、四つ組のキーで一つのキーブロックを形成することにより、主に触覚に基づく短時間でのキーのキーブロック内での識別および入力、とりわけ、四進法、八進法、十六進法の数値入力に非常に適するキーボードである。
【0009】
また、第二発明ならびに第三発明によれば、四つ組のキーのキーブロック内座標情報と各キーブロックのキーボード内座標情報の二層化された座標情報により、使用者は、キーの一意的な識別が容易になる。使用者は、視覚に頼らずとも触覚により瞬時にキートップの一意的な識別が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
【0011】
キーへの値の割り当ては理解を容易くするためにしてあるだけで具体的な設計の一例に過ぎない。キーへの値の割り当ては製品の設計ごとに自由である。
【0012】
全体であるキーボードはキーブロックの集合からなる。各キーブロックは、視覚、触覚により容易に各キーブロックの位置をを識別が可能な程度に間隔をおいて配置されているのが普通である。ただし、識別用のキーまたはキーボードの筐体の形状によっては、必ずしもキーブロック間の間隔は必要ではない。
【0013】
各キーブロックの形状は、一意的にかつ容易にそれらがキーボード全体の内のどこに配置されているか容易に識別可能になるように、異なった形状をしている。
【0014】
一つのキーブロックは、概念的には、図2において示されるように、方形方向に互いに位置する四つのキーから構成されている(「方形方向に互いに位置する」とは、四半円形のキー四つで全円状のキーブロック形状を構成していても本文の定義に該当することを意味する)。
【0015】
四つのキーで構成される一つのキーブロックは、図3に示されるように、四進法の入力に最適であり、キーブロックを複数組み合わせることにより、八進法、十六進法の入力にも適している。
【0016】
図1のキー配置に則した形式で図4に示され標本となる一つのキーブロックは、四つのキーが寄り集まった形をしており、キーブロック内におけるキーの識別を可能にする複数のキーの形状変更が施されている。
【0017】
このキーブロック内の右上と左下にあるキーは、キー自体は同じ形状をしているが、キーブロック全体の輪郭または隣接するキーの形状により、短時間の内に視覚または触覚により一意的にこれらを識別することができる。
【0018】
図5には二つのキーブロックの配置例が示してある。右側のキーブックは左側のキーブロックを90度または270度回転させたものに過ぎないが、違う形状のキーブロックとして認識可能であり、これにより図5内の全てのキーについて、視覚または触覚による形状の一意的な識別が可能であることがわかる。
【0019】
図6には図1のキーボードと同一形式の、キーの値の割り振られていないキーボードが示されている。
【0020】
図1のキーボードにおいては出願に対する理解を得やすくするために十六進法の数値が各キーに割り振られているが、これは具体例の一に過ぎない。実際の設計によって如何なる値がどのキーに割り当てられても良い。
【0021】
キーブロックの配置数に制限は存在しない。キーブロックの識別形状がより効果的なものであれば、合同形状のキーブロックを更に多く配置できるであろうし、異なる識別形状をもつキーブロックを用いてキーブロックの配置数を増やしても良い。
【0022】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、使用者は瞬時に、各キーブロックのキーボード内座標情報と各キーのキーブロック内座標情報の二層化された座標情報により、自分の指がどのキーブロックのどのキーに触れているかを、触覚のみによっても識別することが可能になる。
【0023】
「他の実施形態」
キートップの一意的な識別が容易に系統立てて行われていれば、製品毎のキートップの形状については自由に設計されてよい。
【0024】
視覚ならびに触覚によるキーの一意的な識別についてはハードウェアキーボードを想定しているが、視覚のみによる識別も可能であるので、ソフトウェアキーボードの形態を採っていても良い。
【0025】
図7に示すような識別用のキー形状を採用すると、図8のキーボードに示されるように、キーブロック間の間隔を識別用に広げておく必要がなくなる設計も可能である。
【0026】
図9ならびに図10に表されるような縁部の突起を用いたキー・キーブロック形状と、それにより構成される図11、図12に示されるようなキーボード配置を設計すると、キーボード全体の大きさや形状についても触覚により識別が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
キーボードを入力装置に採用するあらゆる機器に利用可能であるが、特に活用が期待される分野として以下にいくつか例示する。
【0040】
四進法、八進法、十六進法の数値入力に適していることから、電子計算機。
【0041】
四進法、八進法、十六進法の数値入力に適しており、片手でのブラインドタッチ入力が可能であることから、携帯式の電子計算機、個人情報機器。
【0042】
四進法、八進法、十六進法の数値入力に適しており、片手でのブラインドタッチ入力が可能であることから、携帯電話機。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図2】この発明の要素の一実施形態を示す上面図である。
【図3】この発明の要素の一実施形態を示す上面図である。
【図4】この発明の要素の一実施形態を示す上面図である。
【図5】この発明の要素の一実施形態を示す上面図である。
【図6】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図7】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図8】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図9】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図10】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図12】この発明の一実施形態を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四つずつのキーからなる一つずつのキーブロックにより形成される、キーブロックの集合体であるキーボード方式の機器の入力装置。
【請求項2】
機器の入力装置として用いられる、四つずつのキーからなる一つずつのキーブロックにより形成される、キーブロックの集合体であるであることにより、ブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項3】
機器の入力装置として用いられる、四つずつのキーからなる一つずつのキーブロックにより形成される、キーブロックの集合体であるであることにより、片手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項4】
機器の入力装置として用いられる、四つずつのキーからなる一つずつのキーブロックにより形成される、キーブロックの集合体であるであることにより、両手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項5】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体である形式の、請求項1のキーボード。
【請求項6】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、ブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項7】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、片手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項8】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、両手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項9】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の一つのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体である形式の、請求項1のキーボード。
【請求項10】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の一つのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、ブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項11】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の一つのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、片手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項12】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の一つのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、両手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項13】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の複数のキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体である形式の、請求項1のキーボード。
【請求項14】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の複数のキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、ブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項15】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の複数のキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、片手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項16】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の複数のキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、両手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項17】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の全てのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体である形式の、請求項1のキーボード。
【請求項18】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の全てのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、ブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項19】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の全てのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、片手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。
【請求項20】
機器の入力装置として用いられる、それぞれそのブロック内における位置を視覚または触覚により知ることのできる形状を持つ、互いに方形方向に位置しまた方形を形成する(四つの四半円が全円を形成する場合もこれに当てはまる)四つのキーが一つのキーブロックを形成し、そのブロック内の全てのキーの別形状化により視覚または触覚をもってキーボード全体の内におけるその位置を示すことのできるキーブロックにより形成されるキーブロックの集合体であるであることにより、両手でブラインドタッチ入力を可能にすることを特徴にする、請求項1のキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−48597(P2009−48597A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240150(P2007−240150)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(507309079)
【Fターム(参考)】