説明

キーワード検索アビューザー追跡方法及びシステム

【課題】仮想マシンを介してアビューザー判別対象となるウェブサイトに接続してアビューザー判別対象コードをダウンロード及び実行することによってキーワード検索アビューザー有無を自動で判断し追跡できるキーワード検索アビューザー追跡方法及びシステムを提供する。
【解決手段】このキーワード検索アビューザー追跡方法は、仮想マシンで第1ウェブサイトに接続する段階と、第1ウェブサイトの接続結果からキーワード検索アビュージング発生有無を判断する段階と、キーワード検索アビュージングが発生すると、第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断し、キーワード検索アビューザー情報を抽出する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーワード検索アビューザー(Abuser)追跡方法及びシステムに係り、より詳細には、インターネット検索サービスを提供する検索サイトでキーワード検索アビュージング(Abusing)を行うキーワード検索アビューザーの情報を追跡するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老若男女を問わずにインターネットを使用しているが、このようにインターネットの大衆化が進むにつれて、インターネット使用に伴う被害事例も益々増えてきている。例えば、インターネット上で情報を互いに共有するために運営されている検索、ポータルサイトにおける不公正広告、または検索サイトをダウンさせる目的で行われているキーワード検索アビュージング(Abusing)によって多くのユーザーが不便を感じている。
【0003】
キーワード検索アビュージングとは、検索サービス提供サイトを通じて検索サービスを受けようとする正常なユーザーによる検索キーワード転送行為ではなく、短時間で多い検索キーワードを転送することによって検索順位操作やウェブサイトの検索機能を麻痺させようとする行為のことをいう。
【0004】
キーワード検索アビュージング方法の一例に、一般のインターネットユーザーのコンピュータが、キーワード検索アビュージング発生コードを流布するウェブサイト(以下、‘キーワード検索アビューザー’という。)に接続すると、このキーワード検索アビューザー(Abuser)は一般のインターネットユーザーのコンピュータに、ウェブページの要素と応用プログラムを調整できるアクティブエックスコントロール(Active X control)、逆コンパイルが防止されたジャバスクリプト(Obfuscated javascript)、ビジュアルベーシックスクリプト(Visual Basic script)、またはゲーム途中におけるキーワード検索アビュージングのためのコード(以下、‘キーワード検索アビュージングコード’という。)を挿入する。
【0005】
これら挿入されたキーワード検索アビュージングコードは悪性コードで、実行されるとアビュージング目的のファイル及びプロセスが生成され、検索サービス提供サイトに対して一般のインターネットユーザーが意図しない検索キーワードを当該ユーザーのコンピュータから自動で転送することとなる。したがって、多数のユーザーがこの悪性コードに感染した場合は、検索順位操作やウェブサイトの麻痺が起きてしまう。
【0006】
このようなキーワード検索アビュージングに対し、従来は、検索サービス提供側において短時間で多数の同一検索キーワードが転送された行為を認識したり、検索キーワード転送時のリファラー(referrer)を参照することによるキーワード検索アビュージング発生の有無がわかるだけで、キーワード検索アビューザーを確認することが不可能であったため、キーワード検索アビュージングコードに感染したユーザーへの一時的な治癒行為しか提供することができなかった。
【0007】
したがって、従来は、キーワード検索アビュージングコードに感染する前にキーワード検索アビューザーに対する自動追跡及び遮断のような能動的な対応はできず、感染した後の受動的な対応しかできず、その被害はより拡散せざるをえないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、仮想マシンを介してキーワード検索アビューザーを自動で追跡する方法及びシステムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、キーワード検索アビューザー情報を獲得しそれをデータベース化することによって、検索サービスユーザーがキーワード検索アビューザー情報を閲覧できるようにする方法及びシステムを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、自動でキーワード検索アビューザー情報を抽出することによって感染前の能動的な対処を可能にする方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の一側面によるキーワード検索アビューザー追跡方法は、仮想マシンで第1ウェブサイトに接続する段階と、前記第1ウェブサイトの接続結果に基づいてキーワード検索アビュージング(Abusing)発生有無を判断する段階と、前記キーワード検索アビュージングが発生すると、前記第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザー(Abuser)と判断し、キーワード検索アビューザー情報を抽出する段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の他の側面によるキーワード検索アビューザー追跡システムは、仮想マシンで第1ウェブサイトに接続する仮想マシン駆動部と、前記第1ウェブサイトの接続結果に基づいてキーワード検索アビュージング発生有無を判断し、前記キーワード検索アビュージングが発生したと判断すると、前記第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断するアビュージング判断部と、前記キーワード検索アビュージングが発生した場合に、キーワード検索アビューザー情報を抽出するアビューザー情報抽出部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、仮想マシンを介してアビューザー判別対象となるウェブサイトに接続しアビューザー判別対象コードをダウンロード及び実行することによって、キーワード検索アビューザー有無を自動で判断し追跡できるという効果が得られる。
【0014】
なお、本発明によれば、キーワード検索アビューザー情報を抽出しこれをデータベース化するので、検索サービスユーザーはウェブサイトなどを通じてデータベースに保存された情報を閲覧しそれに対処でき、検索サービスの信頼度及び安定度を向上させることが可能になる。
【0015】
なお、本発明によれば、キーワード検索アビュージング発生有無の判別対象となるウェブサイトをあらかじめ収集し、キーワード検索アビューザー情報を把握するので、キーワード検索アビュージングを発生させるコードに感染した後の受動的な対処ではなく、感染前の能動的な対処ができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な実施例について詳細に説明するに先立ち、本発明で使われた用語について簡略に説明する。
【0017】
仮想マシン(virtual machine)は、コンピュータ内で異なる機種の運営体制(オペレーティングシステム;OS)を保有した仮想マシン環境を有するコンピュータであり、仮想化技術によって物理的なコンピュータを分割し、その中で独立した個別のOSを持って動作する論理的なコンピュータである。例えば、Linux(登録商標)OSのコンピュータ上でWindows(登録商標)OSを効果的に用いることのできる様々な方法が提案されており、このうち、ハードウェアにLinux(登録商標)とWindows(登録商標)の2種類を設置し、Linux(登録商標)使用中においてWindows(登録商標)を必要な場合にロードして使用する仮想化方式がある。このような仮想化方式は、VMware(登録商標)やvirtual PCのような仮想マシン提供プログラムを用いて、Linux(登録商標)でブーティングした後にもWindows(登録商標)領域にアクセスして使用することができるようにする。
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例によるキーワード検索アビューザー(Abuser)追跡システム100及びその周辺要素を示すブロック図である。以下、キーワード検索アビューザー追跡システム100を複数の構成要素に分けて説明するが、構成要素同士が組み合わせられた形態で実施されることができることは明らかである。
【0020】
同図に示すように、キーワード検索アビューザー追跡システム100は、アドレス収集部102、仮想マシンが搭載された仮想マシン駆動部106、キーワード検索アビュージング(Abusing)の発生有無を判断するアビュージング判断部108、キーワード検索アビュージング発生の際にアビューザー情報を抽出し、キーワード検索アビューザー情報データベース114に保存するアビューザー情報抽出部110、及び仮想マシンのインターネット接続とプログラム実行に対するログを保存するログ保存部112を含んで構成される。
【0021】
なお、本発明の一実施例によるキーワード検索アビューザー追跡システム100は、Linux(登録商標)基盤に、Windows(登録商標)OSの仮想マシンが搭載され、仮想マシン駆動部106が当該仮想マシンを駆動する(仮想マシンが搭載された仮想マシン駆動部106を有する)サーバー装置などの情報処理装置により実現されているが、これに限るものではない。
【0022】
アドレス収集部102は、第1キーワードを獲得(取得)する。該第1キーワードとしては、キーワード検索アビュージングを目的に検索サービス提供サイトに転送(伝送)されるキーワード(以下、‘アビュージングキーワード’という。)、アビュージングキーワードである可能性が高いと判断されたキーワード、またはアドレス収集部102自体でランダムに生成されたキーワードが挙げられる。
【0023】
ここで、アドレス収集部102が第1キーワードを獲得する方法としては、キーワード検索アビューザー追跡システム100の運営者が入力したキーワードをキーボード等の入力手段やネットワークを介して受信する方法、ITセキュリティ室(図示せず)または検索キーワードデータ分析センター(図示せず)から提供されるキーワードを入力手段やネットワークを介して受信する方法、またはアドレス収集部102自体がランダムにキーワードを生成する方法などが挙げられる。
【0024】
そして、アドレス収集部102は、獲得した第1キーワードを検索サーバー104に送信し、検索サーバー104から第1キーワードに対する検索結果を受信する。
【0025】
アドレス収集部102は、受信した検索結果に含まれるURLアドレスまたはIPアドレスリストを抽出し、仮想マシン駆動部106に伝送する。このとき、第1キーワードに基づく検索結果から抽出したアドレスリストは、アビューザー判別対象となるウェブサイト(以下、‘アビューザー判別対象ウェブサイト’という)のアドレスリストとなる。
【0026】
ここで、アビューザー判別対象ウェブサイトは、キーワード検索アビュージングを発生させる悪性コード(以下、‘キーワード検索アビュージングコード’という。)を流布するウェブサイトであるか否かが調査される側の調査対象ウェブサイトであり、実際にキーワード検索アビュージングコードを流布する場合にはキーワード検索アビューザーとなる。
【0027】
図2は、本発明の一実施例によるアドレス収集ウェブページ200で、アビューザー判別対象ウェブサイトのURLアドレス収集のためにアドレス収集部102が提供するウェブページである。
【0028】
同図に示す一実施例で、アドレス収集部102は、アドレス収集ウェブページ200のキーワード検索項目208にキーワード検索アビューザー追跡システム100の運営者が入力したキーワードを受信する方法で第1キーワードを獲得する。
【0029】
また、アドレス収集ウェブページ200は、URLアドレスを収集するための検索結果を提供する検索サービス提供サイトを選択する項目202、キーワード検索アビューザー追跡システム100にURLアドレスを伝送するか否かを選択する項目204、抽出するURLアドレスが検索結果に表示されたウェブサイトアドレスか、それとも、そのウェブサイト上にハイパーリンクされているウェブサイトアドレスかを選択する項目206を含む。
【0030】
ここで、検索サービス提供サイト選択項目202において選択された検索サービス提供サイトは、検索サーバー104を用いて検索サービスを提供する。
【0031】
また、アドレス収集ウェブページ200には、検索結果のうちウェブページの形態によってURLアドレスの抽出を決定できるようにする選択項目210が含まれることができる。
【0032】
したがって、アドレス収集部102は、アドレス収集ウェブページ200を介して入力された第1キーワードを通じて検索サーバー104から第1キーワードの検索結果を取得し、上記の多様な選択項目に従ってアビューザー判別対象ウェブサイトのURLアドレスを自動的に収集する。
【0033】
例えば、アドレス収集部102は、入力された“エスエスギャル”というキーワード208を“ネイバー”という検索サービス提供サイト202の検索サーバー104に伝送し、その検索結果を受信する。続いて、その検索結果に表示されたウェブサイトがサイトかブログかにかかわらず(210)、ハイパーリンクアドレスを含む“http://で始まるアドレス全部”(206)を抽出し、抽出したアドレスのURLアドレスリストを仮想マシン駆動部106に伝送(204)する。
【0034】
一実施例で、仮想マシン駆動部106を含むキーワード検索アビューザー追跡システム100は、JAVA(登録商標)実行環境(JRE:JAVA Runtime Environment)バージョン1.6基盤でCapture−HPCハニーポットシステムとVMware(登録商標)プログラムを用いて具現されることができる。
【0035】
ハニーポット(honeypot)システムは、アビューザーを脆弱性を持つコンピュータに誘引した後、アビュージング手法やその経路を観察し逆追跡するのに役立つ能動的なセキュリティ(保安)ソリューションである。いままでインターネットサイバー攻撃に対する防御技術は、侵入遮断(Firewall)技術と、侵入探知システム(IDS)技術を中心に発展してきたが、新しくて多様な攻撃を柔軟に実時間で対処することはできなかった。このような短所を克服するために、いわゆる‘蜂蜜の壷'とも名づけられた‘ハニーポット’システムは、アビューザーを偽ホスト(仮想マシン)に誘引し、そこで起きる試みをモニタリングし、その結果を分析できるようにする。
【0036】
仮想マシン駆動部106は、アドレス収集部102を介して獲得したアビューザー判別対象ウェブサイトのURLアドレスリストを用いて、仮想マシンがURLアドレス別にアビューザー判別対象ウェブサイトに接続するようにする。このとき、仮想マシンは、Windows OSを使用する一般検索サービスユーザーの役割を果たし、あたかもウェブサイト検索中にアビューザー判別対象ウェブサイトに接続したかのように振舞うように動作する。
【0037】
このとき、アビューザー判別対象ウェブサイトは、アクティブエックスコントロール(Active X control)、逆コンパイルが防止されたジャバスクリプト(Obfuscated java script)、またはビジュアルベーシックスクリプト(Visual Basic script)形態のコード(以下、‘アビューザー判別対象コード’という。)を仮想マシンに設置しようと試みることができる。
【0038】
ここで、仮想マシンのセキュリティ設定は、アビューザー判別対象コードをダウンロードすることができるように、署名またはユーザー認証を要求しないセキュリティ水準にすることができる。例えば、コードやプログラムなどの自動的なダウンロードを許可する設定とすることができる。
【0039】
ここで、アビューザー判別対象ウェブサイトがキーワード検索アビューザーであり、アビューザー判別対象コードがキーワード検索アビュージングコードであれば、該アビューザー判別対象コードをダウンロードして実行する場合、仮想マシンは、所定の検索サービス提供サイトにTCP/IPを通じて接続し、意図しないアビュージングキーワードを送信することとなる。
【0040】
すなわち、仮想マシンは、キーワード検索アビューザーがキーワード検索アビュージングコードを感染させやすいハニーポットの役割を担い、その結果、仮想マシンがアビュージングキーワードを検索サービス提供サイトに伝送することによってキーワード検索アビュージングが発生する。
【0041】
また、仮想マシン駆動部106は、キーワード検索アビュージング対象のアドレス、キーワード検索アビューザーのアドレス、アビュージング探知時間、及び仮想マシンとアビューザー判別対象ウェブサイト間の送受信パケットをスニッフィング(sniffing)して得たアビュージングキーワードなどをログ保存部112に保存する。ここで、キーワード検索アビュージング対象のアドレスは、アビュージングキーワードのあて先となる検索サービス提供サイトのアドレスである。
【0042】
アビュージング判断部108は、キーワード検索アビュージングを感知する場合、現在接続しているアビューザー判別対象ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断する。
【0043】
ここで、アビュージング判断部108は、キーワード検索アビューザー追跡システム100に予め保存された検索サービス提供サイトのアドレスとアビューザー判別対象コードの実行により仮想マシンが接続しようとする検索サービス提供サイトのアドレスとが一致する場合、キーワード検索アビュージングが発生したと判断することができる。
【0044】
ここで、アビュージング判断部108は、検索サービス提供サイトのアドレスが互いに一致するか否かの他に、仮想マシンから検索キーワードが伝送されるかをさらに考慮し、キーワード検索アビュージングが発生したと判断することができる。このとき、検索キーワードが仮想マシンから伝送される場合、この検索キーワードは、アビュージングキーワードと見なすことができる。
【0045】
また、アビュージング判断部108は、キーワード検索アビュージングを感知(検出)する場合、アビューザー情報抽出部110にキーワード検索アビューザー情報を抽出することを指示する。
【0046】
アビューザー情報抽出部110は、アビュージング判断部108からキーワード検索アビューザー情報を抽出するように指示された場合、キーワード検索アビューザー情報を抽出する。
【0047】
ここで、キーワード検索アビューザー情報は、キーワード検索アビュージング対象のアドレス、アビュージングキーワード、キーワード検索アビューザーのアドレス、及びアビュージング探知時間のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、キーワード検索アビューザー情報は、ログ保存部112に保存された情報または仮想マシン駆動部106から直接受信した情報である。
【0048】
ログ保存部112は、仮想マシン駆動部106を介して仮想マシンがアビューザー判別対象ウェブサイトに接続し、キーワード検索アビューザーであるか否かを探知する間に生成されたログを保存する。
【0049】
また、アビュージング判断部108が、仮想マシンが接続したアビューザー判別対象ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断した場合、ログ保存部112は保存されたログのうちキーワード検索アビューザー情報をアビューザー情報抽出部110に伝送する。
【0050】
一実施例として、ログ保存部112は、キーワード検索アビュージング対象のアドレス、キーワード検索アビューザーのアドレス、及びアビュージング探知時間のようなキーワード検索アビューザーとの接続に関するログだけでなく、アビューザー判別対象コードの実行により生成されたファイル、アビュージングキーワード、プロセス、及びレジストリなどの情報を保存することができる。
【0051】
キーワード検索アビューザーデータベース114は、アビューザー情報抽出部110により抽出されたキーワード検索アビューザー情報を保存する。ここで、キーワード検索アビューザー情報は、キーワード検索アビューザーデータベース114に累積して保存され、検索サービスユーザーが閲覧を要請する場合、検索サービスユーザーに提供される。
【0052】
一実施例において、キーワード検索アビューザーデータベース114に保存されたキーワード検索アビューザー情報は、アビューザーブラックリストが掲載されたウェブページ(図示せず)を通じて検索サービスユーザーに提供されることができる。このとき、掲載されるキーワード検索アビューザー情報はアビューザーブラックリスト情報としての機能を果たすので、検索サービスユーザーが閲覧し、キーワード検索アビューザーへの接続を避けることによって、キーワード検索アビュージングコードに感染するのを予め防止することができる。
【0053】
図3は、本発明の一実施例によるアビューザーブラックリストが掲載されたウェブページ300を示す図である。
【0054】
同図において、アビューザーブラックリストが掲載されたウェブページ300は、キーワード検索アビュージング対象のアドレス302、アビュージングキーワード304、キーワード検索アビューザーのURLアドレス306、キーワード検索アビューザーのIPアドレス308、及びアビュージング探知時間310を一つの行にしてアビューザーブラックリストを提供する。
【0055】
キーワード検索アビューザー情報をアビューザーブラックリストの掲載されたウェブページ300上に掲載する際に、キーワード検索アビューザーは追跡を避けるためにIPアドレスを時間によって変更することがあるので、キーワード検索アビューザーの流動IPアドレス別にキーワード検索アビューザーのURLアドレスとアビュージング探知時間を共に掲載することができる。
【0056】
図3を参照すると、掲載された第1行目のキーワード検索アビューザー情報からは、“www.ssgirl.co.kr”のURLアドレス306と“202.124.35.241”のIPアドレス308とを持つキーワード検索アビューザーによりキーワード検索アビュージングコードが流布されたことがわかる。そして、そのキーワード検索アビュージングコードに感染した仮想マシンが、“エスエスギャル”というアビュージングキーワード304を“www.naver.com”という検索サービス提供サイト302に“2007−09−03、19:49:57”の時刻310に伝送したことがわかる。
【0057】
本発明の変形された実施例は、キーワード検索アビューザー追跡システム100が、アドレス収集部102またはキーワード検索アビューザーデータベース114を選択的に含むことができる。
【0058】
すなわち、キーワード検索アビューザー追跡システム100がアドレス収集部102とキーワード検索アビューザーデータベース114を直接含まずに、仮想マシン駆動部106が外部のアドレス収集部(図示せず)からアビューザー判別対象ウェブサイトのアドレスを受信することができ、アビューザー情報抽出部110が、外部のキーワード検索アビューザーデータベース(図示せず)にキーワード検索アビューザー情報を保存することができる。
【0059】
図4は、本発明の一実施例によるキーワード検索アビューザー追跡方法を示すフローチャートである。
【0060】
まず、第1キーワードの検索結果からキーワード検索アビューザー判別対象となるウェブサイト(以下、‘第1ウェブサイト'という。)のアドレスリストを獲得する(第402段階)。ここで、第1キーワードは、アビュージングキーワード、アビュージングキーワードである可能性が高いと判断されたキーワード、またはランダムなキーワードである。ここで、第1ウェブサイトのアドレスは、特定ウェブサイト(アビューザー判別対象ウェブサイト)のアドレス及び該特定ウェブサイトにハイパーリンクされたアドレスのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0061】
次に、仮想マシンを介して第1ウェブサイトに接続し、アビューザー判別対象コードをダウンロードして実行させる(第404段階)。ここで、仮想マシンのセキュリティ設定は、アビューザー判別対象コードをダウンロードすることができるように署名または認証を要求しない水準であればよい。
【0062】
次に、当該アビューザー判別対象コードの実行によりキーワード検索アビュージング発生を感知する(第406段階)。ここで、アビューザー判別対象コードの実行により仮想マシンが接続しようとする検索サービス提供サイトのアドレスと予め保存された検索サービス提供サイトのアドレスとが一致する場合に、キーワード検索アビュージングが発生したと判断することができる。
【0063】
キーワード検索アビュージングを感知すると、第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断してキーワード検索アビューザー情報を抽出し、これをキーワード検索アビューザーデータベースに保存する(第408段階)。ここで、キーワード検索アビューザー情報は、仮想マシンが第1ウェブサイトに接続してアビューザー判別対象コードを実行することによって生成されたログから抽出されることができる。
【0064】
一方、キーワード検索アビュージングを感知できなかった場合は、仮想マシンは他のアドレスの第1ウェブサイトに接続して同じ過程を繰り返す。
【0065】
このとき、それ以上接続する第1ウェブサイトのアドレスがないとしたら、接続を止めて終了したり新しい第1ウェブサイトのアドレスを獲得するまで待機すればよい。
【0066】
ここで、キーワード検索アビューザー情報は、キーワード検索アビュージング発生の際に生成されたログのうちキーワード検索アビュージング対象のアドレス、キーワード検索アビューザーのアドレス、アビュージング探知時間、及び仮想マシンと第1ウェブサイト間の送受信パケットをスニッフィングして得たアビュージングキーワードを含むことができる。
【0067】
続いて、検索サービスユーザーによる閲覧ができるように、キーワード検索アビューザーデータベースに保存されているキーワード検索アビューザー情報をウェブページに掲載する(第410段階)。ここで、キーワード検索アビューザー情報と一緒にキーワード検索アビューザーのIPアドレス別に該当のURL及びアビュージング探知時間を共に掲載することができる。
【0068】
上記のキーワード検索アビューザー追跡方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラムの形態にも具現されることができ、この場合、キーワード検索アビューザー追跡方法を実行するためのプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD、ROM、RAM、またはフラッシュメモリーのようなコンピュータで読取り可能な記録媒体に保存される。
【0069】
本発明の属する技術分野における当業者にとって、本発明がその技術的思想や必須特徴を逸脱しない範囲内で他の具体的な形態に実施できるということは明らかである。
【0070】
したがって、以上で記述された実施例はあくまでも例示的なもので、限定的なものとして理解してはならない。したがって、本発明の範囲は、以上の詳細な説明ではなく添付の特許請求の範囲によって定められ、よって、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から想到する変更または変形された形態はいずれも本発明の範囲に含まれるものとして解析されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施例によるキーワード検索アビューザー追跡システム及び周辺要素を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるアドレス収集ウェブページを示す図である。
【図3】本発明の一実施例によるアビューザーブラックリストが掲載されたウェブページを示す図である。
【図4】本発明の一実施例によるキーワード検索アビューザー追跡方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
102 アドレス収集部
104 検索サーバー
106 仮想マシン駆動部
108 アビュージング判断部
110 アビューザー情報抽出部
112 ログ保存部
114 キーワード検索アビューザーデータベース



【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想マシンで第1ウェブサイトに接続する段階と、
前記第1ウェブサイトの接続結果からキーワード検索アビュージング発生有無を判断する段階と、
前記キーワード検索アビュージングが発生したと判断すると、前記第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断し、キーワード検索アビューザー情報を抽出する段階と、
を含むことを特徴とするキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項2】
前記第1ウェブサイトの接続結果が、前記第1ウェブサイトからアビューザー判別対象コードをダウンロードして実行することによって獲得されることを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項3】
前記キーワード検索アビュージング発生有無の判断において、前記第1ウェブサイトからダウンロードしたアビューザー判別対象コードの実行により前記仮想マシンが接続しようとする第2ウェブサイトのアドレスが第3ウェブサイトのアドレスと一致する場合に前記キーワード検索アビュージングの発生と判断することを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項4】
前記第2ウェブサイトのアドレスが所定の検索サービス提供サイトアドレスであり、前記第3ウェブサイトのアドレスが既に保存された検索サービス提供サイトのアドレスであることを特徴とする、請求項3に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項5】
前記キーワード検索アビュージング発生有無の判断において、前記第1ウェブサイトからダウンロードしたアビューザー判別対象コードの実行により所定の検索サービス提供サイトに検索キーワードが転送される場合にキーワード検索アビュージングの発生と判断することを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項6】
前記キーワード検索アビューザー情報が、前記仮想マシンが前記第1ウェブサイトに接続してアビューザー判別対象コードを実行することによって生成されたログから抽出されることを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項7】
前記キーワード検索アビューザー情報が、キーワード検索アビュージング対象のアドレス、アビュージングキーワード、前記キーワード検索アビューザーのアドレス、及びアビュージング探知時間のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項8】
前記抽出されたキーワード検索アビューザー情報をキーワード検索アビューザーデータベースに保存する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項9】
前記抽出されたキーワード検索アビューザー情報を所定のウェブサイトに提供する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項10】
前記キーワード検索アビューザー情報を提供する段階において、
前記キーワード検索アビューザーのIPアドレス別に該当のURL及びアビュージング探知時間を共に提供することを特徴とする、請求項9に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項11】
第1キーワードを用いた検索結果から、前記第1ウェブサイトのアドレスを獲得する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項12】
前記第1ウェブサイトのアドレスが、特定ウェブサイトのアドレス及び前記特定ウェブサイトにハイパーリンクされたアドレスのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項13】
前記仮想マシンの保安設定が、アビューザー判別対象コードをダウンロードすることができるように署名またはユーザー認証が不要な水準であることを特徴とする、請求項1に記載のキーワード検索アビューザー追跡方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載されたキーワード検索アビューザー追跡方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータで読取り可能な記録媒体。
【請求項15】
仮想マシンで第1ウェブサイトに接続する仮想マシン駆動部と、
前記第1ウェブサイトの接続結果からキーワード検索アビュージング発生有無を判断し、前記キーワード検索アビュージングが発生したと判断すると、前記第1ウェブサイトをキーワード検索アビューザーと判断するアビュージング判断部と、
前記キーワード検索アビュージングが発生した場合に、キーワード検索アビューザー情報を抽出するアビューザー情報抽出部と、
を含むことを特徴とするキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項16】
前記仮想マシン駆動部が、仮想マシンを介して前記第1ウェブサイトからアビューザー判別対象コードをダウンロードして実行することによって、前記第1ウェブサイトの接続結果を獲得することを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項17】
前記アビュージング判断部が、前記第1ウェブサイトからダウンロードしたアビューザー判別対象コードが実行されることにより前記仮想マシンが接続しようとする第2ウェブサイトのアドレスが第3ウェブサイトのアドレスと一致する場合に前記キーワード検索アビュージングが発生したと判断することを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項18】
前記第2ウェブサイトのアドレスが所定の検索サービス提供サイトアドレスであり、前記第3ウェブサイトのアドレスが前記キーワード検索アビューザー追跡システムに既に保存された検索サービス提供サイトのアドレスであることを特徴とする、請求項17に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項19】
前記アビュージング判断部は、前記仮想マシンが前記第1ウェブサイトからダウンロードしたアビューザー判別対象コードを実行することにより所定の検索サービス提供サイトに検索キーワードが転送される場合に、前記キーワード検索アビュージングが発生したと判断することを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項20】
前記第1ウェブサイトに接続してアビューザー判別対象コードを実行することにより生成されたログを保存するログ保存部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項21】
前記アビューザー情報抽出部が、前記キーワード検索アビューザー情報を、前記仮想マシンが前記第1ウェブサイトに接続してアビューザー判別対象コードを実行することにより生成されたログから抽出することを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項22】
前記キーワード検索アビューザー情報が、キーワード検索アビュージング対象のアドレス、アビュージングキーワード、前記キーワード検索アビューザーのアドレス、及びアビュージング探知時間のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項23】
前記抽出されたキーワード検索アビューザー情報を保存するキーワード検索アビューザーデータベースをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。
【請求項24】
第1キーワードの検索結果から前記第1ウェブサイトのアドレスを獲得するアドレス収集部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のキーワード検索アビューザー追跡システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−110515(P2009−110515A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271224(P2008−271224)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【Fターム(参考)】