説明

ククルビツリル誘導体が結合した固体基板及びこれを利用したバイオチップ

化学式1のククルビツリル誘導体が化学式2の修飾された固体基板に共有結合した、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を提供する。さらに、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を用いた蛋白質チップ、遺伝子チップ、及び生体分析用センサを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板に係り、さらに詳細には、生体物質を非共有結合によって固定化しうる、ククルビツリル誘導体が共有結合した固体基板、及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
2000年にヒトゲノム配列の草案が発表されて以来、mRNAレベルでの遺伝子発現について理解できるようになった。その後、個人のゲノム情報を利用し、オーダーメイド医薬あるいは診断試薬を製造できるであろうという見通しが提示され、多数の遺伝子の発現を迅速に追跡する必要性が叫ばれている。かかる目的で、一千個から一万個の遺伝子を同時に分析することができる方法としてDNAチップが提案された。しかし、遺伝子を分析するだけでは、遺伝子の産物であり、かつ生体活動に必須な役割を果たす生体物質である蛋白質に関する情報を提供できなかった。これにより、DNAチップの対応概念として、多数の蛋白質を同時に分析することができる蛋白質チップが提案された。
【0003】
蛋白質チップの概念は、対象の蛋白質と特異的な相互作用をさせるための、化学的または生化学的に処理された表面を含む蛋白質マイクロアレイに基づく。蛋白質チップは、下記参考図1に示されているように、まず固体基板4との結合のための官能基1と、蛋白質のような生体物質との結合のための官能基3とを有する化合物で固体基板4に薄膜を形成させた後、蛋白質のような生体物質を、生体物質と末端官能基3との間の化学的または物理的相互作用を介して固体基板4に固定化することによって製造可能である。下記参考図1は、固体基板4との結合のための官能基1と、蛋白質のような生体物質との結合のための官能基3とを有する化合物で薄膜が形成された固体基板4を表している。
【0004】
【化1】

【0005】
前記参考図1で、参照番号1から参照番号4は、それぞれ固体基板との結合のための官能基、分子本体、生体物質との結合のための官能基、および、固体基板である。
【0006】
現在まで多くの研究者らは、蛋白質を固体基板に固定させるために、前記参考図1の官能基3と蛋白質との共有結合を利用した。前記参考図1の官能基3と蛋白質とが共有結合を形成するようになれば、蛋白質が固体基板の表面に固定される。
【0007】
しかし、参考図2に示すように、蛋白質の基板に対する特異性または活性は、その三次元構造およびその活性部位の配向に強く関連するため、固定化の方法に大きく影響される。蛋白質の機能は蛋白質を構成するアミノ酸の鎖が形成する特定の三次元構造に依存するため、蛋白質が固体基板に共有結合すると蛋白質の三次元構造が損傷され、下記参考図2の蛋白質6のように蛋白質が変性してしまうという恐れがある。蛋白質チップの機能を維持するためには、下記参考図2の蛋白質7のように、活性部位が接合層5と結合してはならない。
【0008】
【化2】

【0009】
前記参考図2で、参照番号1は、固体基板であり、参照番号5から7は、それぞれ接合層、活性部位が損傷された蛋白質、活性部位が保存された蛋白質である。
【0010】
かような問題を解決するために、非共有結合を利用して蛋白質を固体基板の表面に固定化する方法が考案された。
【0011】
かかる方法の一環として、配位結合を利用して蛋白質を固体基板の表面に導入しようという研究が報告された。Paborskyらは、Ni、Cuなどとよく結合すると知られているアミノ酸であるヒスチジンを蛋白質に融合させた後、ニトリロトリ酢酸(NTA)を介して固体基板表面に導入されたニッケルとの配位結合で蛋白質を固定した(Paborsky,L.R.;Dunn,K.E.;Gibbs,C.S.;Dougherty,J.P.,Anal.Biochem.1996,234,pp.60〜65)。
【0012】
Freyらは、ポリリジンのように、蛋白質とのイオン結合の可能な中間体を固体基板表面に導入して蛋白質を固定させる方法を報告した(Frey,Brian L.;Jordan,Claire E.;Kornguth,Steven;Corn,Robert M.,Anal.Chem.1995,67,p.4452〜4457)。
【0013】
最近、Tae−Sun Kimらは、蛋白質の非活性部位に多く存在するアンモニウム基とクラウンエーテル基との水素結合に着眼し、蛋白質とクラウンエーテル誘導体を有する固体基板表面との間の水素結合を報告した(韓国特許出願第10−1999−0061074号、韓国特許出願第10−2000−0038491号)。
【0014】
しかし、ほとんどの非共有結合は、共有結合に比べてその結合強度が非常に弱いために、免疫測定(immunoassay)時に適用される化学物質に接触する場合、固体基板と非共有結合した蛋白質は固体基板から脱離しうる。したがって、さらに強い非共有結合を介して蛋白質を固体基板の表面に固定する試みがなされてきた。
【0015】
最近、Yaoと共同研究者らは、固体基板に蛋白質の一種であるアビジンを共有結合を介して固定させた蛋白質チップ用の固体基板を報告した(Lesaicherre,M.−L.;Lue,R.Y.P.;Chen,G.Y.J.;Zhu,Q.;Yao,S.Q.J.,Am.Chem.Soc.2002,124,p.8768)。アビジンは、小分子であるビオチン4分子と約1015−1の結合定数で結合することが知られており、それは、知られている非共有結合のうち最も強いものである(Wilchek,M.;Bayer,E.A.,Avidin−Biotin Technology,Methods in Enzymology,1990,p.184)。Yaoらの報告によれば、プローブ蛋白質にビオチンを融合させ、その後アビジンで処理された固体基板上に固定する。プローブ蛋白質は非常に苛酷な環境下でも固体表面から脱離しないと報告された。しかし、この方法は、アビジン−ビオチン相互作用の結合定数が非常に大きいという長所はあるが、アビジンが高価であるために経済的な限界がある。
【0016】
従って、強い相互作用の非共有結合を利用し、蛋白質を固体基板に固定させるための低コストの方法が要求されている。
【発明の開示】
【0017】
発明の詳細な説明
発明の技術目標
本発明は、修飾された固体基板にククルビツリル誘導体が共有結合している、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を提供する。
【0018】
本発明はまた、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を用いた蛋白質チップを提供する。
【0019】
本発明はまた、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を用いた遺伝子チップを提供する。
【0020】
本発明はまた、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を用いた生体物質分析用のセンサを提供する。
【0021】
発明の開示
本発明の一実施形態によれば、下記化学式1のククルビツリル誘導体が、参考図1の官能基3のような生体物質の結合のための官能基として、ククルビツリル誘導体のポータルカルボニル基と生体物質のアミノ酸のアンモニウム基との間の非共有相互作用を介して、下記化学式2の修飾された固体基板に共有結合しているククルビツリル誘導体が結合した固体基板が提供される:
【0022】
【化3】

【0023】
前記化学式1で、nは4ないし20の整数であり、R及びR’はそれぞれ独立に置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有して末端に不飽和結合を有するアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有するカルボキシアルキルスルフィニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するカルボキシアルキルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するアミノアルキルオキシ基、または置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するヒドロキシアルキルオキシ基であり、
【0024】
【化4】

【0025】
前記化学式2で、Rは、末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【0026】
図1に、接合層2を介してククルビツリル誘導体1と共有結合した固体基板3を図式的に示す。
【0027】
前記化学式2の固体基板は、ガラス、シリコンウェーハ、インジウムスズ酸化物(ITO)ガラス、酸化アルミニウム基板、または二酸化チタン基板でありうる。
【0028】
前記ククルビツリル誘導体が結合した固体基板は、下記化学式3ないし化学式6で表される基板から選択される1つであることが望ましい:
【0029】
【化5】

【0030】
前記化学式3で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、
【0031】
【化6】

【0032】
前記化学式4で、nは1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【0033】
【化7】

【0034】
前記化学式5で、nは1ないし20の整数であり、
【0035】
【化8】

【0036】
前記化学式6で、nは1ないし20の整数である。
【0037】
本発明の他の実施形態によれば、下記化学式1のククルビツリル誘導体が下記化学式7の修飾された固体基板に共有結合している、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板が提供される:
【0038】
【化9】

【0039】
前記化学式1で、n及びRは前記定義されたところと同様であり、
【0040】
【化10】

【0041】
前記化学式7で、Rは、末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【0042】
前記化学式7の固体基板は、金、銀、白金、または銅から形成されうる。
【0043】
前記ククルビツリル誘導体が結合した固体基板は、下記化学式8ないし化学式11で表される基板から選択される1つであることが望ましい:
【0044】
【化11】

【0045】
前記化学式8で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、
【0046】
【化12】

【0047】
前記化学式9で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【0048】
【化13】

【0049】
前記化学式10で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【0050】
【化14】

【0051】
前記化学式11で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数である。
【0052】
本発明の他の実施形態によれば、前記ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む蛋白質チップが提供される。
【0053】
本発明の他の実施形態によれば、前記ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む遺伝子チップが提供される。
【0054】
本発明の他の実施形態によれば、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む生体物質分析用のセンサが提供される。
【0055】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0056】
本発明によれば、固体基板に共有結合できるように適切な官能基を有する下記化学式1で表示されるククルビツリル誘導体を使用している。
【0057】
【化15】

【0058】
前記化学式1で、nは4ないし20の整数であり、R及びR’はそれぞれ独立に置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有して末端に不飽和結合を有するアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有するカルボキシアルキルスルフィニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するカルボキシアルキルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するアミノアルキルオキシ基、または置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するヒドロキシアルキルオキシ基である。
【0059】
前記固体基板は、ガラス、シリコンウェーハ、インジウムスズ酸化物(ITO)ガラス、酸化アルミニウム基板、または二酸化チタン基板である。前記化学式1の化合物を合成するための原料であるヒドロキシククルビツリルとその母体であるククルビツリルの例は、本出願人により出願された韓国特許出願第02−68362号、第02−318号、第01−57573号、第01−39756号、および第00−33026号にその具体的な化合物の構造式及び合成方法がともに開示されており、本明細書にその全体的な内容が参照として組み込まれている。
【0060】
前記化学式1のククルビツリル誘導体は、多様な末端官能基を有する修飾された固体基板に共有結合して目的とする固体基板を形成し、そのために下記化学式2の修飾された固体基板を使用できる:
【0061】
【化16】

【0062】
前記化学式2で、Rは、末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【0063】
前記化学式2の修飾された基板は、例えば、末端にチオール、アミノ、およびエポキシ基のような官能基を有するシランを、表面が−OH基になるように洗浄された金属酸化物基板と反応させて調製されうる。
【0064】
化学式1のククルビツリル誘導体を化学式2の修飾された固体基板に共有結合させることで、本発明のククルビツリル誘導体が結合した固体基板が調製されうる。すなわち、ククルビツリルのカルボキシル基、アミン基、ヒドロキシル基またはアリル基などの末端官能基に、修飾された固体基板のアミン基、エポキシ基、またはチオール基などの末端官能基を反応させることによって、化学式1のククルビツリル誘導体が化学式2の修飾された固体基板に共有結合される。
【0065】
かような方法によって得られた固体基板の例を、下記化学式3ないし化学式6にそれぞれ表し、その調製方法を説明する。
【0066】
【化17】

【0067】
前記化学式3で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数である。
【0068】
前記化学式3の基板は、ククルビツリル誘導体と固体基板との間のスルフィド結合の形成によって得られ、具体的には、チオールで修飾された金属酸化物基板と、アルケニルオキシククルビツリルと間のラジカル反応によって得ることができる。
【0069】
より具体的には、前記ラジカル反応による化学式3の基板の調製は、特に制限されないが、以下の段階を含む;
(a)アルケニルオキシククルビツリルを、例えばクロロホルムおよびメタノールなどの有機溶媒に溶かす;
(b)触媒量のAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)を反応混合物に加え、その後、得られた反応混合物を石英管に入れる;
(c)チオールで修飾された金属酸化物の基板を反応混合物に加える;
(d)窒素またはアルゴンを反応混合物に供給し、残存する酸素を除去する;
(e)反応混合物に紫外線を数日間、例えば3日間照射する;および
(f)過剰の有機溶媒で得られた溶液を洗浄した後、濾過してククルビツリルがスルフィド結合で連結された金属酸化物の基板を得る。
【0070】
段階(e)の紫外線照射は、80℃ないし120℃の加熱に置き換えられうる。
【0071】
【化18】

【0072】
前記化学式4で、nは1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基である。
【0073】
前記化学式4の基板は、ククルビツリル誘導体と固体基板との間のアミド結合の形成によって得られ、具体的には、カルボキシル末端ククルビツリル誘導体と、アミノ修飾金属酸化物基板とのアミド結合の形成によって得ることができる。
【0074】
より具体的には、化学式4の基板の調製は、特に制限されないが、以下の段階を含む;
(a)カルボキシル末端ククルビツリル誘導体を蒸留したジメチルホルムアミドに溶かした溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボイミド塩酸塩と、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドとを加える;
(b)アミノ基で修飾された金属酸化物の基板を反応混合物に入れ、室温で12時間以上撹拌する;
(c)水および有機溶媒で得られた金属酸化物基板を洗浄後に乾燥し、ククリビツリルがアミド結合で連結された金属酸化物の基板を調製する。
【0075】
【化19】

【0076】
前記化学式5で、nは1ないし20の整数である。
【0077】
前記化学式5の化合物は、ククルビツリル誘導体と固体基板との間のエーテル結合の形成によって得られ、具体的には、ヒドロキシル末端ククルビツリル誘導体と、エポキシで修飾された金属酸化物の基板との間の求核置換反応によって得ることができる。
【0078】
前記求核置換反応による化学式5の基板の調製は、以下の段階を含む;
(a)末端にヒドロキシル基を有するヒドロキシアルキルオキシククルビツリルをジメチルホルムアミド溶媒に加える;
(b)エポキシ修飾された金属酸化物の基板および触媒量の三塩化ホウ素を徐々に反応混合物に加える;
(c)反応混合物を室温で1時間ないし24時間撹拌した後、85℃でさらに1時間ないし24時間撹拌する;および
(d)水と有機溶媒とで得られた金属酸化物の基板を洗浄した後、乾燥してククルビツリルがエーテル結合で連結された金属酸化物の基板を調製する。
【0079】
【化20】

【0080】
前記化学式6で、nは1ないし20の整数である。
【0081】
前記化学式6の基板は、ククルビツリル誘導体と固体基板との間のアミノ結合の形成によって得られ、具体的には、アミノ末端ククルビツリル誘導体と、エポキシで修飾された金属酸化物の基板と間の求核置換反応によって得ることができる。
【0082】
前記求核置換反応による化学式6の基板の調製は、以下の段階を含む;
(a)末端にアミノ基を有するアミノアルキルオキシククルビツリルをリン酸塩緩衝液(pH7ないしpH10)に溶解させる;
(b)エポキシで修飾された金属酸化物の基板を反応混合物に加える;
(c)反応混合物を室温で1時間ないし24時間撹拌する;および
(d)水と有機溶媒とで得られた金属酸化物の基板を洗浄した後で乾燥し、ククルビツリルがアミノ結合で連結された金属酸化物の基板を調製する。
【0083】
本発明はまた、前記化学式1のククルビツリル誘導体を下記化学式7の固体基板に共有結合させることによって調製されたククルビツリル誘導体が結合した固体基板を提供する。
【0084】
【化21】

【0085】
前記化学式7で、Rは、末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【0086】
前記化学式7の修飾された基板は、例えば、末端にチオール、アミノ、およびカルボキシル基のような官能基を有するチオール化合物を、表面が−OH基になるように洗浄された金属酸化物基板と反応させて調製されうる。
【0087】
化学式1のククルビツリル誘導体と、化学式7の修飾された固体基板とを共有結合させることにより、本発明の他のククルビツリル誘導体が共有結合した固体基板を形成できる。すなわち、化学式1のククルビツリル誘導体のカルボキシル基、アミノ基、またはチオール基などの末端官能基に、化学式7の修飾された固体基板のアミノ基、カルボキシル基、またはチオール基などの末端官能基を反応させることによって、化学式1のククルビツリル誘導体が化学式7の修飾された固体基板に共有結合される。
【0088】
かような方法によって調製された固体基板の例を、下記化学式8ないし化学式11にそれぞれ表し、その調製方法を説明する。
【0089】
【化22】

【0090】
前記化学式8で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数である。
【0091】
前記化学式8の基板は、ククルビツリル誘導体と金属基板との間のスルフィド結合の形成によって得られ、具体的には、チオールで修飾された金属基板とアルケニルオキシククルビツリルとの間のラジカル反応によって得ることができる。
【0092】
より具体的には、ラジカル反応による化学式8の基板の調製は、特に制限されないが、以下の段階を含む:
(a)アルケニルオキシククルビツリルを、例えばクロロホルムおよびメタノールなどの有機溶媒に溶かす;
(b)触媒量のAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)を反応混合物に加え、その後、得られた反応混合物を石英管に入れる;
(c)チオールで修飾された金属基板を反応混合物に加える;
(d)窒素またはアルゴンを反応混合物に供給し、残存する酸素を除去する;
(e)反応混合物に紫外線を数日間、例えば3日間照射する;および
(f)過剰の有機溶媒で得られた溶液を洗浄した後、濾過してククルビツリルがスルフィド結合で連結された金属酸化物の基板を得る。
【0093】
【化23】

【0094】
前記化学式9で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基である。
【0095】
前記化学式9の基板は、ククルビツリル誘導体と金属基板との間のアミド結合の形成によって得られ、具体的には、カルボキシル末端ククルビツリル誘導体とアミノ基で修飾された金属基板との間のアミド結合の形成によって得ることができる。
【0096】
より具体的には、化学式9の基板の調製は、特に制限されないが、以下の段階を含む:
(a)カルボキシル末端ククルビツリルを蒸留したジメチルホルムアミドに溶かした溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボイミド塩酸塩と、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドとを加える;
(b)アミノ基で修飾された金属基板を反応混合物に入れ、室温で12時間以上撹拌する;および
(c)水および有機溶媒で得られた金属基板を洗浄後に乾燥し、ククリビツリルがアミド結合で連結された金属基板を調製する。
【0097】
【化24】

【0098】
前記化学式10で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基である。
【0099】
前記化学式10の基板は、ククルビツリル誘導体と金属酸化物基板との間のアミド結合の形成によって得られ、具体的には、カルボキシル末端ククルビツリル誘導体とアミノ基で修飾された金属酸化物基板との間のアミド結合の形成によって得ることができる。
【0100】
より具体的には、化学式10の基板の調製は、特に制限されないが、以下の段階を含む:
(a)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボイミド塩酸塩と、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドとを蒸留したジメチルホルムアミドに溶かし、カルボキシル基で修飾された金属基板を反応混合物に加える;
(b)アミノ末端ククルビツリル誘導体を反応混合物に入れ、室温で12時間以上撹拌する;および
(c)水および有機溶媒で得られた金属基板を洗浄後に乾燥し、ククリビツリルがアミド結合で連結された金属基板を調製する。
【0101】
【化25】

【0102】
前記化学式11で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数である。
【0103】
化学式11の基板の調製は、以下の段階を含む:
(a)メチルモルホリンとクロロギ酸エチルとを蒸留したジメチルホルムアミドに溶かし、カルボキシル基で修飾された金属基板を反応混合物に加えてその後数分間撹拌する;
(b)有機溶媒で金属基板を洗浄後に乾燥し、カルボン酸無水物を含む金属基板を得る;
(c)ヒドロキシル末端ククルビツリルとメチルモルホリンとを蒸留したジメチルホルムアミドに溶かし、得られた金属基板を反応混合物に入れる;および
(d)水および有機溶媒で得られた金属基板を洗浄後に乾燥し、ククリビツリルがエステル結合で連結された金属基板を調製する。
【0104】
本発明によるククルビツリル誘導体が結合した固体基板は、水および有機溶媒とで十分に洗浄し、残留不純物を除去した後で乾燥及び精製をさらに行うことが望ましい。
【0105】
本発明はまた、前記ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を用いた蛋白質チップを提供する。ククルビツリルは、キャビティの入口にカルボニル基を有し、電荷−極性相互作用、極性−極性相互作用、または水素結合によって、さまざまな有機カチオンなどのイオン性化合物および極性の大きい化合物を保持しうる。ククルビツリルは特に、ジアミノアルカン塩と約10−1の結合定数で結合し、これはアビジン−ビオチン相互作用のものよりは小さいが、一般的な配位結合または水素結合のような非共有結合のものより大きい。したがって、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む蛋白質チップは、低い製造コスト、強い結合定数、および蛋白質の活性部位が損傷されずに蛋白質を固体基板に固定できることなどの利点がある。
【0106】
また、本発明のククルビツリル誘導体が結合した固体基板は、遺伝子または生体物質に共有結合されることにより、遺伝子チップおよび生体物質分析用のセンサの調製に使われうる。
【0107】
発明の効果
上述のように、本発明によるククルビツリル誘導体が結合した固体基板は、非常に強い結合定数を有する非共有結合を介して蛋白質を固体基板の表面に固定させることができ、かかる固体基板の特性を利用して、蛋白質の活性部位が損傷されない蛋白質チップが経済的に有利に調製されうる。
【0108】
図面の簡単な説明
図1は、ククルビツリル誘導体が共有結合した固体基板を模式的に表した図面である。
【0109】
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例により制限ことはない。
【実施例】
【0110】
実施例1:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液(硫酸:過酸化水素=3:1)でガラス基板を洗浄し、ガラス基板の表面にヒドロキシル基を導入した。減圧下で十分に乾燥させたガラス基板を窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れ、次いで(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシランのトルエン溶液(10mM)を入れ、室温で保管してシラン化反応を行った。シラン化反応が完了した後、ガラス基板をトルエンで洗浄し、減圧下で1時間120℃に加熱した。ガラス基板を石英管に入れた後、アリルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがアリルオキシ基である化合物)10mgをクロロホルムとメタノールとの1:1の混合溶媒に溶かした溶液を加えた。石英管に窒素を流し込んで酸素を除去した後、300nmの波長の紫外線を36時間照射した。反応終了後、得られたガラス基板をジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、メタノール、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0111】
実施例2:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液でガラス基板を洗浄し、ガラス基板の表面にヒドロキシル基を導入した。減圧下で十分に乾燥させたガラス基板を窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れ、次いで(3−アミノプロピル)トリエトキシシランのトルエン溶液(10mM)を入れ、室温で保管してシラン化反応を行った。シラン化反応が完了した後、ガラス基板をトルエンで洗浄し、減圧下で1時間120℃に加熱した。カルボキシメチルスルフィニルプロピルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがカルボキシメチルスルフィニルプロピルオキシ基であるククルビツリル)10mgをジメチルホルムアミド10mLに溶かし、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDAC)150mgとN−ヒドロキシスクシンイミド3mgとを入れた。得られた溶液にアミノ基で修飾されたガラス基板を入れ、12時間室温で撹拌した。反応が完了した後、得られたガラス基板をジメチルホルムアミド、メタノール、水、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0112】
実施例3:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の製造
ピラニア溶液でガラス基板を洗浄し、ガラス基板の表面にヒドロキシル基を導入した。減圧下で十分に乾燥させたガラス基板を窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れ、次いで(3−アミノプロピル)トリエトキシシランのトルエン溶液(10mM)を入れ、室温で保管してシラン化反応を行った。シラン化反応が完了した後、ガラス基板をトルエンで洗浄し、減圧下で1時間120℃に加熱した。得られたアミノ基で修飾されたガラス基板を、無水コハク酸100mgをジメチルホルムアミドに溶かした溶液に漬浸し、室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、ガラス基板をジメチルホルムアミド、水、メタノール、およびアセトンで順次に洗浄し、減圧下で乾燥した。アミノククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがアミノ基であるククルビツリル)10mgをジメチルホルムアミド10mLに溶かし、EDAC150mgとN−ヒドロキシスクシンイミド3mgとを入れた。得られた溶液に、前記アミノ基に置換されたガラス基板を入れた後、12時間室温で撹拌した。反応が終結した後、ジメチルホルムアミド、メタノール、水、およびアセトンで順次に洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0113】
実施例4:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液でガラス基板を洗浄し、ガラス基板の表面にヒドロキシル基を導入した。減圧下で十分に乾燥させたガラス基板を窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れ、次いで(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシランのトルエン溶液(10mM)を入れ、室温で保管してシラン化反応を行った。シラン化反応が完了した後、ガラス基板をトルエンで洗浄し、減圧下で1時間120℃に加熱した。2−ヒドロキシエチルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rが2−ヒドロキシエチルオキシ基であるククルビツリル)10mgと、得られたグリシドキシ基で修飾されたガラス基板とをジメチルホルムアミド10mLに入れた後、三フッ化ホウ素(BF)およびジエチルエーテル(EtO)を触媒量加えた。室温で2時間撹拌後、さらに85℃で12時間撹拌した。反応が終了した後、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、メタノール、水、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0114】
実施例5:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液でガラス基板を洗浄し、ガラス基板の表面にヒドロキシル基を導入した。減圧下で十分に乾燥させたガラス基板を窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れ、次いで(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシランのトルエン溶液(10mM)を入れ、室温で保管してシラン化反応を行った。シラン化反応が完了した後、ガラス基板をトルエンで洗浄し、減圧下で1時間120℃に加熱した。2−アミノエチルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rが2−アミノエチルオキシ基であるククルビツリル)10mgと、得られたグリシドキシ基で修飾されたガラス基板とをリン酸緩衝溶液(pH8.8)に入れ、12時間撹拌した。反応が完了した後、得られたガラス基板を0.2N HCl溶液10mLに漬浸し、30分間撹拌した。水、アセトン、およびメタノールの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0115】
実施例6:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液で金が蒸着されたシリコンウェーハを洗浄した。減圧下で十分に乾燥させ、窒素雰囲気下で20mlバイアルに入れた。次いで1,8−オクタンジチオールのエタノール溶液(1mM)を加え、室温で保管し、チオールで修飾された金基板を得た。チオールで修飾された金基板(化学式2で、Rがプロピルチオール基である金基板)を試験管に入れ、アリルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがアリルオキシ基であるククルビツリル)を5mLのクロロホルムとメタノールとの1:1の混合溶媒に溶かした溶液を加えた。試験管に窒素を流し込んで酸素を除去した後、300nmの波長の紫外線を36時間照射した。反応終了後、得られた金基板をジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、メタノール、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0116】
実施例7:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液で金が蒸着されたシリコンウェーハを洗浄した。窒素雰囲気下で20mlバイアルに減圧下で十分に乾燥させた金基板を入れ、次いで2−アミノエタンチオールのエタノール溶液(1mM)を加えた後、室温で保管してアミノ基で修飾された金基板を得た。カルボキシメチルスルフィニルプロピルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがカルボキシメチルスルフィニルプロピルオキシ基であるククルビツリル)10mgをジメチルホルムアミド10mLに溶かし、EDAC150mgとN−ヒドロキシスクシンイミド3mgとを入れた。得られた溶液にアミノ基で修飾された金基板を入れた後、12時間室温で撹拌した。反応が完了した後、ジメチルホルムアミド、メタノール、水、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0117】
実施例8:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液で金が蒸着されたシリコンウェーハを洗浄した。窒素雰囲気下で20mlバイアルに減圧下で十分に乾燥させた金基板を入れ、次いで11−メルカプトウンデカン酸のエタノール溶液(1mM)を加え、室温で保管してカルボキシル基で修飾された金基板を得た。前記カルボキシル基で修飾された金基板を、無水コハク酸100mgをジメチルホルムアミドに溶かした溶液に漬浸し、室温で12時間撹拌した。アミノククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rがアミノ基であるククルビツリル)10mgをジメチルホルムアミド10mLに溶かし、EDAC150mgとN−ヒドロキシスクシンイミド3mgとを入れた。得られた溶液に前記カルボキシル基で修飾された金基板を入れた後、12時間室温で撹拌した。反応が完了した後、ジメチルホルムアミド、メタノール、水、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0118】
実施例9:ククルビツリル誘導体が結合した固体基板の調製
ピラニア溶液で金が蒸着されたシリコンウェーハを洗浄した。窒素雰囲気下で20mlバイアルに減圧下で十分に乾燥させた金基板を入れ、次いで11−メルカプトウンデカン酸のエタノール溶液(1mM)を加え、室温で保管してカルボキシル基で修飾された金基板を得た。窒素雰囲気下で、前記金基板を無水ジメチルホルムアミド10mLに浸漬し、N−メチルモルホリン100μlとクロロギ酸エチル100μlとを順次に加え、その後24時間撹拌した。反応が終了した後、金基板をジエチルエーテルで何回か洗浄した後、減圧下で乾燥した。窒素雰囲気下で前記金基板および10mLの2−ヒドロキシエチルオキシククルビト[6]ウリル(化学式1で、Rが2−ヒドロキシエチルオキシ基であるククルビツリル)に10mLの無水ジメチルホルムアミドを加え、24時間撹拌した。反応が終了した後、金基板をジメチルホルムアミド、水、メタノール、およびアセトンの順序で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0119】
前記実施例で、ククルビツリルと固体基板との間の特定の結合に対する例示のみを示したが、当業者ならば、多種の結合をによってククルビツリルが連結した固体基板の合成が可能であるということが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】ククルビツリル誘導体が共有結合した固体基板を模式的に表した図面である。
【符号の説明】
【0121】
1 ククルビツリル誘導体、
2 接合層、
3 固体基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1のククルビツリル誘導体が、下記化学式2の修飾された固体基板に共有結合した、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板;
【化1】

前記化学式1で、nは4ないし20の整数であり、R及びR’はそれぞれ独立に置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有して末端に不飽和結合を有するアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜C20のアルキル部分を有するカルボキシアルキルスルフィニルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するカルボキシアルキルオキシ基、置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するアミノアルキルオキシ基、または置換もしくは非置換のC〜Cのアルキル部分を有するヒドロキシアルキルオキシ基であり;
【化2】

前記化学式2で、Rは末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【請求項2】
前記固体基板は、ガラス、シリコンウェーハ、インジウムスズ酸化物(ITO)ガラス、酸化アルミニウム基板、または二酸化チタン基板であることを特徴とする請求項1に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板。
【請求項3】
下記化学式3ないし6で表される基板から選択される1つであることを特徴とする、請求項1に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板;
【化3】

前記化学式3で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、
【化4】

前記化学式4で、nは1ないし20の整数であり、Xは置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【化5】

前記化学式5で、nは1ないし20の整数であり、
【化6】

前記化学式6で、nは1ないし20の整数である。
【請求項4】
下記化学式1のククルビツリル誘導体が、下記化学式7の修飾された固体基板に共有結合した、ククルビツリル誘導体が結合した固体基板:
【化7】

前記化学式1で、n及びRは、請求項1に記載の定義と同様であり、
【化8】

前記化学式7で、Rは、末端にチオール、アミン、エポキシ、イソシアン、およびイソチオシアンから選択される官能基を有するC〜C10のアルキル基である。
【請求項5】
前記固体基板は、金、銀、白金、または銅の基板であることを特徴とする請求項4に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板。
【請求項6】
下記化学式8ないし化学式11で表される固体基板から選択される一つである、請求項4に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板:
【化9】

前記化学式8で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、
【化10】

前記化学式9で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【化11】

前記化学式10で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数であり、Xは置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン部分を有するジアルキレンスルフィド基、または置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基であり、
【化12】

前記化学式11で、nはそれぞれ独立に1ないし20の整数である。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む蛋白質チップ。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む遺伝子チップ。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のククルビツリル誘導体が結合した固体基板を含む生体物質分析用のセンサ。

【図1】
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【公表番号】特表2007−521487(P2007−521487A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518542(P2006−518542)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001652
【国際公開番号】WO2005/003391
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(500345478)ポステック・ファウンデーション (25)
【Fターム(参考)】