説明

クッション構造を備えた輸送コンテナ

本発明は、重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するためのクッション構造(1)に関する。即ち、本発明に係る当該クッション構造(1)は、座面(2)を有するメインフレーム(11)と、少なくともメインフレーム(11)の座面(2)に結合されるキャリヤホイル(5)と、を備え、メインフレーム(1)は、複数の折り込み可能な内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)を備え、内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)は、メインフレーム(11)の座面(2)を支持するための支持要素となるように折って組み立て形成可能であり、キャリヤホイル(5)は、第一のホイル(51)と、第二のホイル(53)と、前記第一の及び前記第二のホイル(51・53)の間のエアクッション(52)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重たくて大きくて壊れやすい物品を輸送するためのクッション構造、当該クッション構造を備えて大きさを縮小可能なコンテナ、当該コンテナの中に当該物品を積むための方法、及び当該空のコンテナを折り畳むための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を積むためのコンテナとして、多種多様なコンテナを利用できる。輸送時において、壊れやすい物品や、外部の影響に反応しやすい装置は、コンテナにかかる機械的衝撃に対して守られていなければならない。そのため、一般に、コンテナは、結果として生ずる衝撃を吸収するための包装材料で満たされている。例えば、コンテナの壁と物品との間に、様々な種類の衝撃吸収材が配置される。この包装材料は、一般に、使い捨ての材料である。現在、資源を保護する必要性が強まっており、それ故に、何度も使用することのできるコンテナ及び/又は包装材料を提供することが望まれている。同時に、輸送コストを低減するために、当該コンテナ及び/又は包装材料は軽量の材料でなくてはならない。近年導入されているパッケージングとしては、クッション構造としての折り畳み可能な段ボールでできている軽量のコンテナが知られている。壊れやすい物品を輸送可能とするために、当該物品は2つの段ボールのフレームのそれぞれに固定された2つのポリエチレン(PE)のホイルの間に挟まるように配置される。閉めきった輸送車両の中では、温度が室温を大きく上回ることがある。とりわけ、熱帯地方に位置する国々においては、当該温度は時に40℃を超える。包装材料もまた、高湿度にさらされる。PEのホイルはこのような状況下における輸送には適していない。しかしながら、輸送温度が時に40℃を超えたり、湿度が80%以上となったりするような地域においても、壊れやすい物品を安全に輸送することのできる、コンテナを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、重たくて大きくて壊れやすい物品を温度が40℃を上回るような状況下においても安全に輸送するために用いるのに適したクッション構造を提供するとともに、当該クッション構造を備えて大きさを縮小可能なコンテナを提供することを、目的とする。さらに、当該コンテナを用いて重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するとともに、省スペースの方法で空のコンテナを返送するための方法を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、以下の構成を有するクッション構造により解決される。すなわち、当該クッション構造は、重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するためのクッション構造であって、少なくとも一つの座面を有するメインフレームと、少なくとも当該メインフレームの前記座面に結合され、好ましくは少なくとも一つの前記座面の少なくとも全体を覆い、そして前記物品の運搬面として前記座面の間の領域を覆うキャリヤホイルと、を備え、前記メインフレームは、複数の折り込み可能な内側及び外側サイドフラップを備え、当該内側及び外側サイドフラップは、前記メインフレームの前記座面を支持するための複数の支持要素となるように折って組み立て形成可能であり、当該支持要素は、前記外側サイドフラップの寸法により定義される高さを有し、前記キャリヤホイルは、好ましくはウレタン製のホイルである第一のホイルと、好ましくはウレタン製のホイルである第二のホイルと、前記第一の及び前記第二のホイルの間のエアクッションと、を備えるものである。輸送対象は多岐のアイテムにわたるが、「物品」という用語には、輸送対象が一つの単一のアイテムである場合も含まれる。
【0005】
例えばウレタン製のホイルのようなキャリヤホイルは、高い積載能力を有するとともに高い引き裂き抵抗を有することで知られている。しかし、単一のホイルは、40℃未満の温度下及び低湿度下でのみ安定している。第一の及び第二のホイルと、これら二つのホイルの間のエア層により構成される、キャリヤホイルの新しい構造によって、適用できる温度及び湿度の範囲が増大する。第一の及び第二のホイルとしてウレタン製のホイルを適用することにより、温度は60℃まで、湿度は90%までの範囲で適用可能となる。すなわち、これらの温度及び湿度の範囲内であれば、引き伸ばしによるずれが生じない。このような構成により、上記の過酷な環境化においても、50kgまでの重たい物品を輸送することが可能となる。
【0006】
座面は、連続的な座面とすることが有利である。連続的な座面を有し、当該連続的な座面が前記支持要素により支持されているような構造のクッション構造を用いた場合、他の不連続の座面を有するクッション構造であって、その不連続の座面が前記連続的な座面と同様の面積を有し、当該不連続の座面にキャリヤホイルが取り付けられているようなクッション構造を用いた場合と比べて、より重たい物品を積むことが可能となる。連続的な座面を用いた場合、荷重はより大きな座面において分配され、その結果、座面の単位面積当たりの荷重が低くなる。「連続的な」という用語は、連続的に接続された領域を意味する。数学的には、この連続的な領域とは、当該領域の中の第一の点を、当該領域の中の他のどの点に対しても、連続的な線により接続することができ、当該連続的な線が常に当該領域内にあり、その範囲を超えることがないような、領域のことを指す。
【0007】
前記支持要素を構成するように折って組み立てたとき、折り込み可能な前記内側及び外側サイドフラップは前記メインフレームの前記座面を十分に支持する。前記内側及び外側サイドフラップの外形は、重量を支えるのに適したあらゆる適宜の外形とすることができるが、長方形状の断面を有する管状の形状とすることが好ましい。折り込み可能な前記内側及び外側サイドフラップにより、折って組み立て形成可能なクッション構造が実現されている。当該クッション構造は、二次元形状(構造)とすることができ、また、前記支持要素を組み立て形成した場合には三次元形状(構造)とすることができる。同じクッション構造を、平面状の構造としたり、三次元形状の構造としたりすることができるので、物品を積んでいない状態のクッション構造を輸送する際には平面状の構造として輸送することができ、そのため体積を抑えることができる。「折って組み立て形成した支持要素」という用語は、前記内側及び外側サイドフラップを折った状態で当該内側及び外側サイドフラップにより形成される三次元構造を意味する。「内側サイドフラップ」及び「外側サイドフラップ」という用語は、折らずに展開した状態の前記メインフレームの前記連続的な座面に対する前記サイドフラップの方向を参照している。前記メインフレームが二次元形状の状態のとき、前記内側サイドフラップの全ては前記連続的な座面により完全に包囲されている。前記外側サイドフラップは、前記内側サイドフラップの方向とは反対の方向を向いている。折っていない状態とは、二次元形状の状態の前記クッション構造を意味する。このように、空の状態の二次元形状のクッション構造(物品なし)は、省スペースの状態で輸送及び/又は保管することができる。前記キャリヤホイルは、前記座面の全体を覆うように延びていてもよく、また、例えば、前記外側サイドフラップを部分的にあるいは全体的に覆うように延びていてもよい。
【0008】
前記メインフレームの形状は、所望の前記物品を輸送するのに適したあらゆる適宜の形状とすることができる。前記座面の間の領域の面積も、前記キャリヤホイルの面積も、輸送対象の前記物品が如何なるものであるかによって、異なってくる。具体例としては、前記キャリヤホイルの前記搬送面の面積は、例えば、0.25m、0.36m、0.49m、0.72m、あるいは1.00mであってもよい。他の実施形態として、当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、前記搬送面の面積を他の大きさとすることを考えることもできる。
【0009】
前記外側サイドフラップの側方への突出量は、折って組み立て形成した状態の前記支持要素の高さと一致している。輸送対象の前記物品に対して外側から働く機械的衝撃から当該物品を守り、当該物品の安全な輸送を保証するためには、前記クッション構造の高さ(=前記支持要素の高さ)は、少なくとも数cm程度の高さでなければならない。具体的には、当該高さは、例えば、4cm、6cm、8cm、あるいは10cmとすることができる。当該高さを高くし過ぎると、前記クッション構造の上に前記物品を載せて輸送するのには前記コンテナがあまりにも大きいものとなってしまう。他の実施形態として、当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、前記高さを他の高さとすることを考えることもできる。
【0010】
前記メインフレームの前記座面並びに前記内側及び外側サイドフラップは、多岐に渡る使用を保証するべく、あらゆる適宜の材料により構成することができる。具体的には、クッション構造の部分を除いた堅い部分を構成する適切な材料として、例えばプラスチック材料を用いることができる。好ましくは、前記キャリヤホイル以外の、前記メインフレームの構成要素の全ては、同じ材料により構成される。上述した構成要素は、好ましくは、加圧成形された板紙により構成される。こうすることにより、重たい物品を積むのに十分な弾力を確保することができる。そして、前記紙板は、多様に使用が繰り返された後、クッション構造としての寿命が来たら、リサイクルすることが可能である。このような加圧成形された板紙で構成されたクッション構造は、取り替えが必要となるまでに、100回以上使用を繰り返すことが可能である。取り替えられたクッション構造はその後容易にリサイクルすることができ、再利用することができる。他の実施形態として、当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、前記メインフレーム並びに前記内側及び外側サイドフラップを他の材料により構成することを考えることができる。リサイクルする前には、前記キャリヤホイルを前記メインフレームから取り外さなければならない。
【0011】
実施の一形態においては、前記キャリヤホイルは、好ましくは追加の接着剤を伴わずに、超音波圧着によって前記メインフレームに結合される。超音波圧着は、超音波の発熱効果を利用して、前記ホイルを前記メインフレームに、好ましくはさらに前記ホイルを前記外側サイドフラップにも、結合するものである。この態様での結合は、たとえこれらのパーツが加圧成形された板紙により構成されているとしても、可能である。超音波の過程により、クッション構造をリサイクルする際に、環境ホルモンの放出という問題を招くことなく、前記キャリヤホイルを容易にはがすことができる。環境ホルモンは、内分泌かく乱物質としても知られるが、この物質が放出されないので、物流に関する労働者を当該物質から守ることができる。上記以外の接着剤も併用することにより、前記クッション構造を崩壊させたり、前記構成要素を分離したりすることが容易となり、リサイクルがより簡単となる。
【0012】
他の実施形態においては、とりわけ接着剤なしで結合させるときに、その結合強度を増大させるべく、前記キャリヤホイルは前記外側サイドフラップにまで延びている。
【0013】
他の実施形態においては、前記キャリヤホイルは、前記搬送面を局所的に支持するべく、補強パッチを備え、好ましくは、前記補強パッチは、前記メインフレームの近くにおいて、前記搬送面のコーナーのそれぞれに配置される。前記補強パッチは、前記キャリヤホイルと同じ材料で構成することができるが、これに代えて、例えばウレタン及び/又はポリエチレン等でできた単一のホイルで構成することもできる。物品の輸送時において、最も高い応力条件が発生するのは、前記キャリヤホイルの前記コーナー部分である。したがって、前記搬送面の前記コーナーに補強パッチを配置することは有利である。物品をさらにしっかりと前記キャリヤホイルに固定するために、マジックテープ(3Mの粘着テープ)を用いることもできる。
【0014】
実施の一形態においては、前記メインフレームの前記座面は、第一、第二、第三、及び第四の部分から成る長方形状を有し、前記第一の部分は前記第三の部分と対向し、前記第二の部分は前記第四の部分と対向し、それぞれの部分は、折り込み可能な前記内側サイドフラップのうちの一つを有し、当該内側サイドフラップのうちの一つは、折って組み立て形成する前の状態において、対向する前記部分の折り込み可能な前記内側サイドフラップと互いに向かい合い、好ましくは、前記内側サイドフラップは三角形の形状を有し、より好ましくは、前記内側サイドフラップは台形のような形状を有する。「対向し」という用語は、前記メインフレーム内における前記部分の配置を意味するものであり、当該部分の表面の方向性を示すものではない。ここで、対向する前記部分は、原則的には一つの平面内に配置され、前記メインフレームの方向性に応じて、その全てが上向き又は下向きに配置される。前記メインフレームの正方形の形状は、前記「長方形状」の特定の実施形態である。具体例としては、前記メインフレームの前記長方形状の領域は96cm×65cmの大きさとすることができる。他の実施形態として、当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、前記長方形状の大きさを他の大きさとすることを考えることもできる。しかしながら、この構造が輸送車両及び/又はコンテナの他の対応する構造の上に積まれたとき(積み重ねられたとき)に必要となる荷積みスペース(又は体積)は、この構造を長方形状としたときに、可能な限りの最小となる。クッションン構造やコンテナのような輸送アイテムを長方形の形状にしたときに、最も高い輸送効率が達成される。このような形状とすることにより、荷積み体積に占める空きスペースが最小限となるようにクッション構造を構成することが可能となる。
【0015】
他の実施形態においては、前記メインフレームは、当該メインフレームの強度を高めるべく、少なくとも一つの、好ましくはL字形状の、コーナー要素を備え、当該コーナー要素は、前記メインフレームの前記座面の少なくとも一つのコーナーに、好ましくは当該コーナーのそれぞれに、固定される。前記コーナー要素は、適宜の機械的及び/又は化学的な締結手段によって、前記メインフレームに固定される。前記締結手段の具体例としては、例えば両側から留めるリベット等が挙げられる(前記コーナー要素の表面からリベットで留めるとともに、メインフレームの裏面からリベットで留める)。好ましくは、前記メインフレームは、前記座面の上の前記コーナー要素と、第二のコーナー要素と、の間に挟まれる。当該第二のコーナー要素は、前記メインフレームの強度(積載能力)をさらに増大させるために設けられるものであり、上述した前記コーナー要素の下の、前記メインフレームの反対側の面に、配置される。ここで、前記リベットは両方の前記コーナー要素を前記メインフレームに固定する。前記クッション構造の強度を高めるべく、前記コーナー要素も、前記第二コーナー要素も、例えば金属及び/又はプラスチックの要素等の、あらゆる適宜の金属により構成することができる。好適な実施形態においては、前記コーナー要素は加圧成形された板紙により構成されており、リサイクルすることができる。前記メインフレームの座面が長方形状の場合、前記コーナー要素は好ましくはL字形状のコーナー要素である。
【0016】
他の実施形態においては、前記外側サイドフラップの好ましくは長方形状の領域は、前記内側サイドフラップの領域よりも小さい。前記内側サイドフラップは、前記メインフレームの前記ベアリング構造の間の領域全体を占めることが可能であるので、前記内側サイドフラップの領域は前記外側サイドフラップの領域よりも大きくなるように設計されている。このように設計することにより、同じ支持要素を構成するものでありながらも、前記外側サイドフラップの領域が前記内側サイドフラップの領域よりも大きくなるようにクッション構造を構成した場合と比べて、クッション構造の外形の大きさが小さくなる。折らずに展開した状態の二次元構造のクッション構造を輸送する際に必要となるスペースが縮小され、輸送効率が向上する。
【0017】
他の実施形態においては、前記支持要素は前記内側及び外側サイドフラップにより組み立て形成され、当該内側及び外側サイドフラップは少なくとも一つの第一固定手段によって互いに接続され、当該第一固定手段は、好ましくは対応する前記内側及び外側サイドフラップのそれぞれにつき設けられるマジックテープである。「組み立て形成」という用語は、前記内側及び外側サイドフラップを一緒に折り込む(接触させる)ことにより、前記支持要素を組み立てて形成することを意味する。「固定手段」(第一又は第二のいずれも)という用語は、二つのパーツを接続する(結合する)ことが可能なあらゆる手段を意味する。好ましくは、前記固定手段は、例えば、フックとループを有するテープを備えるマジックテープであってもよく、ベルクロ・ファスナーであってもよく、マッシュルームヘッドを有する面ファスナーであってもよく、その他のファスナーであってもよい。前記第一固定手段は、リベットや粘着テープ等の適宜の手段により、前記内側及び/又は外側サイドフラップに取り付けられている。内側及び外側サイドフラップの対応する前記第一固定手段は、当該内側及び外側サイドフラップを対応する外側及び内側サイドフラップに取り付ける。当該内側及び外側サイドフラップへの前記第一固定手段の取り付けは、当該第一固定手段により確立された前記内側及び外側サイドフラップの結合強度に影響を与えない。当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、前記第一固定手段を前記マジックテープとは異なる固定手段とすることを考えることもできる。例えば前記マジックテープ等の前記第一固定手段は、前記内側及び/又は外側サイドフラップのあらゆる適宜の位置に取り付けることができる。好ましくは、前記第一固定手段は、前記内側サイドフラップ上の、前記メインフレームからの距離が最大となる位置に取り付けられて、対応する前記座面の中央に整列される。前記内側サイドフラップの寸法に応じて、例えば前記マジックテープ等の前記第一固定手段に対応する片割れは、前記外側サイドフラップの適宜の位置に配置されていなければならない。あるいは、これに代えて、前記対応する片割れをメインフレームの前記座面上に配置することも可能である。
【0018】
実施の一形態においては、隣り合う前記外側サイドフラップは好ましくはマジックテープである少なくとも一つの第二固定手段によって互いに接続され、当該第二固定手段は、少なくとも二つの前記外側サイドフラップの外面に配置され、好ましくは全ての前記外側サイドフラップのそれぞれに配置される。物品を積むことができる状態とするために、
前記支持要素が折られて組み立て形成され、クッション構造が三次元構造の状態となる。このとき、折った前記支持要素に取り囲まれた空間に対して外を向いている表面が、前記外側サイドフラップの「外面」である。これに代えて、一つあるいはそれ以上の第二固定手段、好ましくはマジックテープを、各外側サイドフラップにそれぞれ取り付ける構成としてもよい。好適な実施形態においては、二つの対向する外側サイドフラップが、折り込み可能な側面領域を成す。この折り込み可能な側面領域が前記支持要素のコーナーのところで折られて、対応する隣り合う前記外側サイドフラップに接続される。ここで、前記第二固定手段は、前記側面領域の外面、及び、隣り合う前記外側サイドフラップの内面に、配置される。あるいは、前記側面領域の内面、及び、隣り合う前記外側サイドフラップの外面に、配置される。「内面」という用語は、前記外側サイドフラップの表面のうち、その外面とは反対側の表面を意味する。隣り合う外側サイドフラップ同士を接続(結合)するための前記第二固定手段は、上記の第一固定手段が内側及び外側サイドフラップに取り付けられていた方法と同様の方法により、前記外側サイドフラップに取り付けることができる。
【0019】
他の実施形態においては、前記支持要素は管状の長方形の形状を有する。こうすることにより、載荷重に対する弾力性が最良となる。
【0020】
他の実施形態においては、前記クッション構造には、前記メインフレームとは分離した補強要素がさらに備えられる。当該補強要素は、前記支持要素の中に挿入するのに適している。当該補強要素を前記支持要素の中に挿入することにより、前記メインフレームの弾力性を向上させることができ、30kg以上、好ましくは40kg以上、より好ましくは50kg以上の重さの物品を積むことが可能となる。前記補強要素はあらゆる適宜の材料により構成することができる。好ましくは、前記補強要素は、前記メインフレーム及びその構成要素(内側及び外側サイドフラップ)の材料と同じ材料で構成される。より好ましくは、前記支持要素は、加圧成形された板紙により構成される。こうすることにより、傷んだ補強要素をリサイクルすることが可能となる。前記補強要素を加圧成形された板紙により構成することにより、前記要素を取り替える必要が生じるまで、当該補強要素を100回以上にわたって繰り返し使用することが可能となる。好適な実施形態においては、前記補強要素の外形は、前記支持要素の外形に適合している。好ましくは、前記補強要素は、前記支持要素の中にぴったりとフィットするような外形を有する。もし、前記支持要素及び前記補強要素の外形が、互いにぴったりフィットするような外形であれば、前記メインフレームの弾力性が最大となり、クッション構造の積載能力が最大となる。
【0021】
他の実施形態においては、前記補強要素は、前記支持要素の外形に適合する外形となるように、折って組み立て形成可能であり、そして折り畳んで二次元構造とすることが可能である。物品を積んでいない状態のクッション構造を輸送するに際しては、補強要素を折り畳んで体積が最も小さくなる状態にして、当該補強要素を輸送することが可能である。
「折って組み立て形成可能」という用語には、あらゆる態様での折り方が含まれる。
【0022】
好適な実施形態においては、折って組み立て形成した状態の前記補強要素の外形は、前記支持要素の外形に適合している。好ましくは、前記補強要素は、前記支持要素の中にぴったりとフィットするような外形を有する。もし、前記支持要素及び前記補強要素の外形が、互いにぴったりフィットするような外形であれば、前記メインフレームの弾力性が最大となり、クッション構造の積載能力が最大となる。
【0023】
さらに、本発明は、重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するためのコンテナであって、底部と、前記コンテナのコンテナ側壁を構成し前記底部に嵌まる中央部と、少なくとも一つずつの第一の及び第二のクッション構造と、前記コンテナを閉じるように前記中央部の上部に嵌まる最上部と、を備え、前記第一の及び第二のクッション構造は本発明に係る構成のものであり、下部要素としての前記第一のクッション構造は、前記中央部に嵌まり込み、前記底部の上部に配置され、物品を支えるために前記キャリヤホイルを上に向けて配置され、前記第二のクッション構造は、前記物品の上に配置され、前記キャリヤホイルが下向きに配置されることにより、前記第一の及び第二のクッション構造の前記キャリヤホイルの間に前記物品が挟まれる、コンテナに関する。ここで、物品が積まれている場合、前記最上部は、前記中央部及び前記第二のクッション構造の上に配置される。物品を中に収容せずにコンテナを輸送する時には、前記コンテナの体積を縮小することができる。そして、体積を縮小した後、前記最上部が前記底部の上に配置される。さらに、前記中央部は、当該中央部の上端及び下端に補強スリーブを備えたものであってもよい。このように構成することにより、積み重ね高さが少なくとも2メートルとなるまで前記コンテナを積み重ねることが可能となる。前記補強スリーブを備えることにより、前記中央部の再利用可能性(多重使用性)が向上する。
【0024】
他の実施形態においては、前記底部、前記最上部、及び前記中央部は加圧成形された板紙により構成される。当該加圧成形された板紙を用いることにより、高い弾力性を確保することができ、また、容易にリサイクルすることが可能となる。
【0025】
他の実施形態においては、前記中央部は、崩壊させた状態で、前記底部に嵌まり込むように折り畳むことが可能であり、好ましくは、前記第一及び/又は第二のクッション構造に固定するための少なくとも一つのマジックテープを備える。コンテナが空の場合(=中に物品が入っていない場合)、当該コンテナは大きさを縮小した状態で輸送することができる。これは、今や専ら底部と最上部とにより定義される前記コンテナの中に、折り畳まれた状態の前記中央部が収容されるからである。
【0026】
他の実施形態においては、前記中央部は、輸送時における前記コンテナの構造安定性を向上させるべく、当該中央部を前記最上部及び/又は底部に固定するための適切な閉鎖手段を備えている。当業者は、本発明の技術的範囲を超えない範囲において、あらゆる適切な固定手段を選択することができる。当該固定手段としては、例えば、アンカー、フック、マジックテープ、ボルト、あるいはネジ等を選択することができる。前記閉鎖手段を用いることにより、積み重ね高さが少なくとも2メートルとなるまで前記コンテナを積み重ねることが可能となる。
【0027】
さらに、本発明は、重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するために、当該物品を本発明に係るコンテナに積む方法であって、
前記中央部を前記底部の上に配置するステップと、
前記第一のクッション構造を、好ましくは補強要素を含めた状態で、支持要素を折って組み立て形成した状態で、前記中央部の中に取り入れ、前記キャリヤホイルを上に向けた状態で、前記底部の上部に配置させるステップと、
前記キャリヤホイルの上に輸送対象の前記物品を配置するステップと、
前記第二のクッション構造を、好ましくは補強要素を含めた状態で、支持要素を折って組み立て形成した状態で、前記中央部の中に取り入れ、前記キャリヤホイルを下に向けた状態で、前記物品の上に配置させるステップと、
前記コンテナを閉じるために、前記第二のクッション構造の上に前記最上部を配置するとともに、前記中央部を配置し、少なくとも一つの固定手段、好ましくは固定ストラップにより、前記コンテナを閉じた状態に保持するステップと、を含む方法に関する。
【0028】
さらに、本発明は、本発明に係るコンテナを、物品を積んでいない状態で輸送する方法であって、
折り畳み可能な前記中央部を折り畳むステップと、
折り畳んだ前記中央部を前記底部の上に配置するステップと、
前記支持要素を折っていない状態とすることにより、前記第一の及び第二のクッション構造を折り畳むステップと、
前記第一の及び第二のクッション構造を、前記底部の上、又は折り畳んだ前記中央部の上に、好ましくは前記第一の及び第二のクッション構造の補強要素とともに、配置するステップと、
前記コンテナを閉じるために、前記底部の上に前記最上部を配置し、前記コンテナの大きさを縮小するステップと、を含む方法に関する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、重たくて大きくて壊れやすい物品を温度が40℃を上回るような状況下においても安全に輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るクッション構造の実施の一形態を、折られていない状態の二次元構造(形状)で示した図。キャリヤホイルなしの状態。
【図2】本発明に係るクッション構造の他の実施の一形態を、折られていない状態の二次元構造(形状)で示した図。キャリヤホイルなしの状態。
【図3】支持要素の座面に取り付けられた、本発明に係るキャリヤホイルを示す図。
【図4】本発明に係るクッション構造を、折られていない状態の二次元構造(形状)で示した図。キャリヤホイルありの状態。
【図5】折られた状態(構造)の本発明に係るクッション構造を示した図。支持要素の中に補強要素が収容されている。
【図6】物品を輸送するための本発明に係るコンテナを示した図。当該コンテナは、底部と、中央部と、最上部と、を備え、これらは2つのクッション構造と物品とを収容している。
【図7】空のコンテナを返送するときのための、本発明に係る折り畳んだコンテナを示した図。当該コンテナは、底部と、最上部と、を備え、これらは2つのクッション構造と中央部とを収容している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のこれらの及び他の態様は、これ以降に説明される実施形態を参照することにより明らかにされ、また、解明される。
【0032】
図1は、本発明に係るクッション構造1の実施の一形態を、折られていない状態の二次元構造で示すものである。メインフレーム11は、内側の領域を定義する長方形の連続的な座面2を備え、当該座面2には灰色の領域で示される台形形状の内側サイドフラップ3が位置している。長方形の座面2は、下位の構成要素として4つの部分を有し、これらの部分は長方形のフレームの形状を定義している。座面2の4つの部分のそれぞれには、当該座面2の内側に取り付けられるように、内側サイドフラップ3が設けられている。ここれ言う「取り付けられる」の用語は、あらゆる固定接続態様を意味する。台形形状の内側サイドフラップの短辺は、互いに向かい合っている。4つの外側サイドフラップ4は、長方形の座面2の4つの部分の外側に、配置されている。折られた状態(構造)のとき、外側サイドフラップ4は内側サイドフラップ3とともに支持要素を成す。有利には、適切な第一固定手段32・42によって折られた状態に支持される。第一固定手段32・42は、内側サイドフラップ3と外側サイドフラップ4とを適切に接続する。この実施形態においては、一方の第一固定手段32は内側サイドフラップ3上に配置され、対応する他方である第一固定手段42は外側サイドフラップ4上に配置されている。当該固定手段32・42はマジックテープとすることができる。そうすることにより、メインフレーム11の座面2を支持する支持構造を素早く簡単に組み立てることができ、また、メインフレーム11を二次元構造(形状)とするべく当該支持構造を折り畳むことも素早くできるようになる。内側サイドフラップと外側サイドフラップとが(固定手段により)接続されて構成される支持構造の高さは、外側サイドフラップ4の高さにより定義される。内側サイドフラップ3には当該内側サイドフラップ3を折るための折り目31が備えられる。当該折り目31に沿って内側サイドフラップ3が折られることにより、座面2の支持要素が組み立てられて、物品が積まれるためのクッション構造1が準備される。理解を容易とするために、図1にはキャリヤホイルを示していない。
【0033】
図2には、本発明に係るクッション構造1の他の実施の一形態を示してある。座面2の互いに反対となる二つの側に配置される外側サイドフラップ41は、隣り合う外側サイドフラップ4の外法寸法まで延びている。外側に延びた外側サイドフラップ41の外側部分に引かれた破線は、その外側に延びた領域を隣り合う外側サイドフラップ4に対して折り込むことにより、復元力を強化した結合支持要素を組み立てることができることを示している。これは、外側サイドフラップ4・41の外側部分に配置された第二固定手段43・413により、隣り合う外側サイドフラップ4と外側サイドフラップ41とを互いに固定することが可能であるためである。当該第二固定手段は、前記第一固定手段32・42と同様の固定手段とすることができる。
【0034】
図3には、図1及び図2に示したクッション構造を三次元構造で示した横断面図を示してある。当該三次元構造は、折った内側サイドフラップ3及び外側サイドフラップ4を、内側及び外側サイドフラップ3・4の固定手段32・42により接続して、座面2を支持するための長方形の管形状の支持要素を組み立てることにより、構成される。内側サイドフラップ3は、折り目31に沿って折られる。当該支持要素には補強要素7(破線)が含まれ、当該補強要素は内側及び外側サイドフラップ3・4で構成された支持要素の内側に配置される。座面2の上では、キャリヤホイル5が結合領域55の範囲内において座面2に結合される。キャリヤホイル5は、第一のホイル51、第二のホイル53、並びに第一の及び第二のホイル51・53の間のエアクッション52を積み重ねて構成される。好ましくは、当該第一の及び第二のホイルはウレタン製のホイルである。キャリヤホイルを座面2に結合する過程は、次のステップを含む。すなわち、まず、第一のホイル51を座面2の上に載せる。そして、2つのホイル51・53の間に空気を残すことによりエアクッション52を形成するように、第二のホイル53が第一のホイル51の上に載せられる。そして、第一の及び第二のホイルの間にエアクッションを水平に挟み込んで密封するように、超音波溶接によってメインフレーム11の座面2にキャリヤホイル5が結合される。
【0035】
図4には、図1に示したのと同様のクッション構造であって、キャリヤホイル5付きの状態のものを、示してある。キャリヤホイル5は、クッション構造1における折っていない状態の二次元構造の内側サイドフラップを覆っている。理解を容易とするため、キャリヤホイル5の下に配置される内側サイドフラップは、図示していない。キャリヤホイル5は、適切な過程、例えば超音波溶接によって、メインフレーム1に接続される。キャリヤホイル5は、座面2全体を覆っている。このようにした場合のメインフレーム1とキャリヤホイル5の間の結合の強さは、キャリヤホイル5が座面2の一部とのみ接続する構成としたような実施形態と比べて、増強される。結合の強さを増強することにより、キャリヤホイルに、より重たい物品を積むことが可能となる。本発明に係る他の実施形態においては、結合の強さをさらに増強するべく、キャリヤホイル5を、さらに外側サイドフラップ4の少なくとも一部と結合することができる。好適な実施形態においては、キャリヤホイル5は補強パッチ54を備えている。当該補強パッチ54は、例えば、キャリヤホイル5に適用される小さな追加のホイルであり、最も大きな力が発生する場所である運搬面の4隅に近い場所に設けられる。当該補強パッチ54は、キャリヤホイル5の上に糊付けすること等により適用される。補強パッチの形状は、本発明の範囲内において、図4に示したのとは異なる形状としてもよい。この実施形態においては、メインフレーム11は一部材であり、過程の第二のステップにおいてメインフレームに接続されるのはキャリヤホイルのみである。他に取り得る実施形態においては、追加のステップにより、内側及び外側のサイドフラップがメインフレームに固定される。
【0036】
図5には、図1又は図2のクッション構造1を三次元構造で示してある。メインフレーム11の座面2は、折られた内側サイドフラップ3及び外側サイドフラップ4により支持されて、当該内側サイドフラップ3及び外側サイドフラップ4は、固定手段32により互いに接続されることにより、支持要素が組み立てられている。対応する外側サイドフラップの固定手段42は内側サイドフラップ3により覆われているので、この図においては図示していない。支持要素は、長方形の横断面を有し、その幅及び高さは、外側サイドフラップ4の高さ及び座面の幅により定義される。内側サイドフラップの折り目31は、座面2の幅及び/又は外側サイドフラップ4の高さに適合する。一つの実施形態においては、メインフレーム11は一つあるいはそれ以上のコーナー要素6を備える。当該コーナー要素6は、例えば座面2のコーナー(角)のそれぞれに一つずつ設けられる。このように構成することにより、座面のコーナー部分の強度が強化され、座面2の上に物品を積める可能性をさらに向上させることができる。コーナー要素6の形状は、座面に対応するのに適切な形状であれば、いかなる形状であってもよい。座面が長方形の場合、コーナー要素6はL字形状であることが好ましい。物品を積める可能性をさらに向上させるべく、図示したコーナー要素6の下に、対応するコーナー要素を配置してもよい。すなわち座面の底部側(支持要素の内側)に、対応するコーナー要素を配置するのである。適切なあらゆる方法により、コーナー要素を座面に取り付けることができる。例えば、リベットにより取り付けることもできる。コーナー要素は、キャリヤホイル5の下に配置してもよく、あるいは当該キャリヤホイル5の上に配置してもよい。キャリヤホイル5は、メインフレーム11の中央に、二本の曲線により示してある。図5においては、クッション構造1は、支持要素の内側に補強要素7を備えている。支持要素が閉じられているため本当は見えないが、理解を容易とするために、補強要素7を支持要素の外側に概略的に図示している。矢印71は、支持要素の内側における補強要素7が本来配置されるべき位置を示している。ここでは、2つの補強要素7のみを図示している。輸送対象の物品を支えるために必要なクッション構造1の強度に応じて、支持要素の内側に、一つ、二つ、三つあるいは四つの補強要素7が配置されて、そうすることにより支持要素が補強される。補強要素7を内側に配置した支持構造を組み立てるためには、内側サイドフラップ3を、外側サイドフラップ4と接続させるべく、補強要素7の周囲にまとわりつくように折り込むよりも前に、当該補強要素7を座面の下に配置しなければならない。
【0037】
図6には、底部81、中央部82、及び最上部83を備えた、本発明に係るコンテナ8を示してある。中央部82は、底部81及び最上部83の中に嵌っている。中央部82はコンテナ8の側壁を構成する。物品の大きさに応じて、中央部82の高さはコンテナ8ごとに異なるものとすることができる。コンテナの中には、支持要素を組み立てた状態のクッション構造1が2つ、収容されている。第一のクッション構造1はコンテナ8、とりわけ中央部82に嵌め込まれ、底部81の上に配置されている。輸送時におけるクッション構造の滑りを防止するべく、底部81及び中央部82の大きさはクッション構造1の大きさに適合するものでなければならない。同じことが、中央部82及び最上部83に対する第二のクッション構造1に関して言える。第一のクッション構造1のキャリヤホイル5は、上に物品10を積めるように、上向きに配置されている。物品10は、第一のクッション構造1のキャリヤホイル5の上に配置される。続いて、物品10の上に第二のクッション構造1が配置される。このとき、キャリヤホイルが物品10に対して面するように、(下向きに)配置される。輸送時にキャリヤホイル5に接した物品10が滑らないように、両方のクッション構造のキャリヤホイル5を物品10に対して押し付けるために、コンテナのこの部分が用いられる。コンテナ8の底部81、中央部82、及び最上部83は、クラップ、ヒンジ、あるいはアンカー等のあらゆる適宜の閉鎖手段9・91により、互いに固定されている。あるいは、一つあるいはそれ以上の輸送ベルト91により、さらにコンテナ8が不意に開くことを防止することができる。さらに、中央部83には補強スリーブが備えられる構成としてもよい。当該補強スリーブは、中央部83の上縁及び/又は下縁に配置される。このようなコンテナは、少なくとも2メートルの積み重ね高さにわたって積み重ねることができる。補強スリーブは、あらゆる適切な材料により構成することができ、好ましくは金属により構成される。
【0038】
輸送がされた後、物品10がコンテナ8から降ろされ、空のコンテナ8はもう一度物品を積むために他の積み込み設備に返送される。図7を参照すれば分かるように、折り畳めるクッション構造1と、折り畳める中央部82と、により、空の状態で輸送する際にはコンテナ8のサイズを縮小することが可能となっている。中央部82を折り畳めるように、当該中央部には少なくとも二つの折り目が設けられている。好ましくは、コンテナ8を底部81の長方形状と仮定したときに中央部82の短辺となる面に、それぞれ一つずつ、折り目が設けられる。支持要素を折っていたのを開くことにより、折り畳み可能な中央部82及び第一の及び第二のクッション構造1が折り畳まれる。そして、これら3つのパーツは、好ましくは補強要素7(折り畳んでいても、折り畳んでいなくても、どちらでもよい)とともに、底部81の上に配置される。これらのパーツの配置の順番は、如何なる順番であってもよい。大きさを縮小したコンテナ8は、最上部83を底部81の上に配置することにより、閉じられる。空のコンテナを輸送する際には、上記と同様の閉鎖手段9・91を用いることができる。
【0039】
図面及び上述の説明において、発明を詳細に解説し説明したが、このような解説及び説明は、実例的あるいは典型的なものであり、これに限定されるものではない。つまり、本発明は開示した実施形態に限定されるものではない。
【0040】
開示された実施形態の他の変形例は、図面、明細書、及び添付の請求の範囲を検討し、請求項に記載された発明を実施することにより、当業者により理解され、達成される。請求の範囲において、「備える」という語は、列挙した事項以外の他の要素やステップを含むことを排除するものではい。また、不定冠詞"a"や"an"(原文参照)は、そのものを複数含む場合を排除するものではない。或る手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。請求の範囲に付した参照符号は、特許請求の範囲をこれに限定するものと解すべき根拠とはならない。
【符号の説明】
【0041】
1 クッション構造
11 メインフレーム
2 座面
3 内側サイドフラップ
31 内側サイドフラップの折り目
32 内側サイドフラップの固定手段
4 外側サイドフラップ
41 外側サイドフラップの他の実施の一形態
42 内側サイドフラップの対応する固定手段に接続するための、外側サイドフラップの固定手段
43 隣接する外側サイドフラップの対応する固定手段に接続するための、外側サイドフラップの固定手段
413 隣接する外側サイドフラップの対応する固定手段に接続するための、外側サイドフラップの固定手段
5 キャリヤホイル
51 第一のホイル
52 エアクッション
53 第二のホイル
54 補強パッチ
55 キャリヤホイルの結合領域
6 コーナー要素
7 補強要素
71 補強要素の支持要素内への挿入を示す矢印
8 コンテナ
81 コンテナの底部
82 コンテナの中央部
83 コンテナの最上部
9 閉鎖手段
91 閉鎖手段としての輸送ベルト
10 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するためのクッション構造(1)であって、
少なくとも一つの座面(2)を有するメインフレーム(11)と、
少なくとも当該メインフレーム(11)の前記座面(2)に結合され、好ましくは少なくとも一つの前記座面(2)の少なくとも全体を覆い、そして前記物品(10)の運搬面として前記座面(2)の間の領域を覆うキャリヤホイル(5)と、を備え、
前記メインフレーム(1)は、複数の折り込み可能な内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)を備え、当該内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)は、前記メインフレーム(11)の前記座面(2)を支持するための複数の支持要素となるように折って組み立て形成可能であり、当該支持要素は、前記外側サイドフラップ(4・41)の寸法により定義される高さを有し、
前記キャリヤホイル(5)は、好ましくはウレタン製のホイルである第一のホイル(51)と、好ましくはウレタン製のホイルである第二のホイル(53)と、前記第一の及び前記第二のホイルの間のエアクッション(52)と、を備える、クッション構造(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のクッション構造(1)であって、前記キャリヤホイル(5)は、好ましくは追加の接着剤を伴わずに、超音波圧着によって、少なくとも前記メインフレーム(11)の前記座面(2)に結合されることを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項3】
請求項2に記載のクッション構造(1)であって、結合強度を増大させるべく、前記キャリヤホイル(5)は前記外側サイドフラップ(4・41)にまで延びることを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、
前記キャリヤホイル(5)は、前記搬送面を局所的に支持するべく、補強パッチ(54)を備え、
好ましくは、前記補強パッチ(54)は、前記メインフレーム(11)の前記座面(2)の近くにおいて、前記搬送面のコーナーのそれぞれに配置される、ことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、
前記メインフレーム(11)の前記座面(2)は、第一、第二、第三、及び第四の部分から成る長方形状を有し、
前記第一の部分は前記第三の部分と対向し、前記第二の部分は前記第四の部分と対向し、
それぞれの部分は、折り込み可能な前記内側サイドフラップ(3)のうちの一つを有し、当該内側サイドフラップ(3)のうちの一つは、折って組み立て形成する前の状態において、対向する前記部分の折り込み可能な前記内側サイドフラップ(3)と互いに向かい合い、
好ましくは、前記内側サイドフラップ(3)は三角形の形状を有し、
より好ましくは、前記内側サイドフラップ(3)は台形のような形状を有する、
ことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項6】
請求項5に記載のクッション構造(1)であって、
前記メインフレーム(11)は、当該メインフレーム(11)の強度を高めるべく、少なくとも一つの、好ましくはL字形状の、コーナー要素(6)を備え、
当該コーナー要素(6)は、前記メインフレーム(11)の前記座面(2)の少なくとも一つのコーナーに、好ましくは当該コーナーのそれぞれに、固定される、ことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、前記外側サイドフラップ(4・41)の好ましくは長方形状の領域は、前記内側サイドフラップ(3)の領域よりも小さいことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、
前記支持要素は前記内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)により組み立て形成され、
当該内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)は少なくとも一つの第一固定手段(32・42)によって互いに接続され、
当該第一固定手段(32・42)は、好ましくは対応する前記内側及び外側サイドフラップ(3・4・41)のそれぞれにつき設けられるマジックテープである、
ことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、
隣り合う前記外側サイドフラップ(4・41)は好ましくはマジックテープである少なくとも一つの第二固定手段(43・413)によって互いに接続され、
当該第二固定手段(43・413)は、少なくとも二つの前記外側サイドフラップ(4)の外面に配置され、好ましくは全ての前記外側サイドフラップ(4)のそれぞれに配置される、
ことを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のクッション構造であって、前記支持要素は管状の長方形の形状を有することを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のクッション構造(1)であって、前記メインフレーム(11)は加圧成形された板紙により構成されることを特徴とするクッション構造(1)。
【請求項12】
重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するためのコンテナ(8)であって、
底部(81)と、
前記コンテナ(8)のコンテナ側壁を構成し前記底部(81)に嵌まる中央部(82)と、
少なくとも一つずつの第一の及び第二のクッション構造(1)と、
前記コンテナ(8)を閉じるように前記中央部(82)の上部に嵌まる最上部(83)と、を備え、
前記第一の及び第二のクッション構造(1)は請求項1に記載の構成のものであり、
下部要素としての前記第一のクッション構造(1)は、前記中央部(82)に嵌まり込み、前記底部(81)の上部に配置され、物品(10)を支えるために前記キャリヤホイル(5)を上に向けて配置され、
前記第二のクッション構造(1)は、前記物品(10)の上に配置され、前記キャリヤホイル(5)が下向きに配置されることにより、前記第一の及び第二のクッション構造(1)の前記キャリヤホイル(5)の間に前記物品(10)が挟まれる、コンテナ(8)。
【請求項13】
請求項12に記載のコンテナであって、前記底部(81)、前記最上部(83)、及び前記中央部(82)は加圧成形された板紙により構成されることを特徴とするコンテナ(8)。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載のコンテナであって、前記中央部(82)は、崩壊させた状態で、前記底部(81)に嵌まり込むように折り畳むことが可能であり、好ましくは、前記第一及び/又は第二のクッション構造(1)に固定するための少なくとも一つのマジックテープを備える、ことを特徴とするコンテナ(8)。
【請求項15】
請求項12から請求項14までのいずれか一項に記載のコンテナであって、前記中央部(82)は、前記最上部(83)及び/又は底部(81)に固定するための適切な閉鎖手段(9・91)を備えていることを特徴とするコンテナ(8)。
【請求項16】
重たくて大きくて壊れやすい物品を安全に輸送するために、当該物品を請求項12に記載のコンテナ(8)に積む方法であって、
前記中央部(82)を前記底部(81)の上に配置するステップと、
前記第一のクッション構造(1)を、好ましくは補強要素(7)を含めた状態で、支持要素を折って組み立て形成した状態で、前記中央部(82)の中に取り入れ、前記キャリヤホイル(5)を上に向けた状態で、前記底部(81)の上部に配置させるステップと、
前記キャリヤホイル(5)の上に輸送対象の前記物品(10)を配置するステップと、
前記第二のクッション構造(1)を、好ましくは補強要素(7)を含めた状態で、支持要素を折って組み立て形成した状態で、前記中央部(82)の中に取り入れ、前記キャリヤホイル(5)を下に向けた状態で、前記物品(10)の上に配置させるステップと、
前記コンテナ(8)を閉じるために、前記第二のクッション構造(1)の上に前記最上部(83)を配置するとともに、前記中央部(82)を配置し、少なくとも一つの固定手段(9・91)、好ましくは固定ストラップ(91)により、前記コンテナ(8)を閉じた状態に保持するステップと、を含む方法。
【請求項17】
請求項12に記載のコンテナ(8)を、物品を積んでいない状態で輸送する方法であって、
折り畳み可能な前記中央部(82)を折り畳むステップと、
折り畳んだ前記中央部(81)を前記底部(81)の上に配置するステップと、
前記支持要素を折っていない状態とすることにより、前記第一の及び第二のクッション構造(1)を折り畳むステップと、
前記第一の及び第二のクッション構造(1)を、前記底部(81)の上、又は折り畳んだ前記中央部(82)の上に、好ましくは前記第一の及び第二のクッション構造(1)の補強要素(7)とともに、配置するステップと、
前記コンテナ(8)を閉じるために、前記底部(81)の上に前記最上部(83)を配置し、前記コンテナ(8)の大きさを縮小するステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−510773(P2013−510773A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538199(P2012−538199)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008042
【国際公開番号】WO2011/057648
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)
【Fターム(参考)】