説明

クッション構造を有する輸送コンテナ

本発明は、重く大きく脆い物品の安全な輸送のためのクッション構造(1)であって、接触支持面(2)を有する主フレーム(11)、および少なくとも支持面(2)および支持面(2)に囲まれる領域全体を物品(10)の搬送面として覆うように主フレーム(11)に取り付けられる搬送箔(5)からなり、主フレーム(11)は複数回の折り畳みが可能な内側および外側フラップ(3・4・41)からなり、接続された内側および外側フラップ(3・4・41)の支持要素へと折り畳むことで、外側フラップ(4・41)の寸法から定まる高さで主フレーム(11)の支持面(2)を支持するとともに、主フレーム(11)は、主フレーム(11)の弾性を25キログラム以上の物品(10)の輸送に適するように増加させるのに適するとともに物品が無い場合に二次元的構造へと折り畳み可能な輪郭を有するものとするクッション構造に関する。本発明はさらに、該クッション構造(1)からなるサイズを削減可能なコンテナ(8)、物品を該コンテナ(8)に積載する方法、および空の該コンテナ(8)を折り畳む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重く大きく脆い物品の輸送のためのクッション構造、該クッション構造からなるサイズの縮小が可能なコンテナ、物品を該コンテナに積載する方法、および空のコンテナを折り畳む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の輸送のための様々なコンテナが入手できる。脆い物品または傷つきやすい機器は、輸送の間にコンテナにはたらく機械的衝撃から保護される必要がある。よって、コンテナは、通常起こりうる衝撃を吸収するための、例えばコンテナ壁部と物品との間に配置される複数の種類の発砲体等のパッケージング材料で充填される。このパッケージング材料は概して使い捨て材料である。現在、資源の節約およびそのためにコンテナおよびパッケージング材料を複数回使用可能とすることへの強い要求がある。同時に、コンテナおよび/またはパッケージング材料は、軽量な材料として輸送コストを下げるべきである。衝撃吸収構造としての折り畳み可能な段ボールからなる軽量なコンテナは、近年においてパッケージングに導入されている。脆い物品の安全な輸送を可能とするために、2つの段ボールフレームに固定される2つのポリエチレン(PE)箔の間に物品を配置する。不運にも、段ボールフレームの使用は、数キログラムの重量および100リットル以下の貨物体積の小さく軽い物品に限定される。200リットル以上のサイズの脆く重い物品の輸送が求められている。従来技術の折り畳み可能なコンテナは、そのような物品の輸送には不適である。
【発明の開示】
【0003】
本発明の目的は、サイズの削減が可能であるとともに、重く大きく脆い物品の安全な輸送に適する再使用可能なクッション構造、および該クッション構造からなるサイズの削減が可能なコンテナの提供である。さらなる目的は、これらのコンテナを用いて重く大きく脆い物品を安全に輸送するとともに空のコンテナを省スペースな方式で返送するための方法の提供である。
【0004】
この目的は、重く大きく脆い物品の安全な輸送のためのクッション構造によって解決され、該構造は、接触支持面を有する主フレーム、および少なくとも支持面および支持面に囲まれる領域全体を物品の搬送面として覆うように主フレームに取り付けられる搬送箔からなる。主フレームは複数回の折り畳みが可能な内側および外側フラップからなり、接続された内側および外側フラップの支持要素へと折り畳むことで、外側フラップの寸法から定まる高さで主フレームの支持面を支持し、主フレームの弾性を25キログラム以上の物品の輸送に適するように増加させるのに適するとともに物品が無い場合に二次元的構造へと折り畳み可能な輪郭を有する。輸送される複数の品物に加えて、“物品”という語は輸送される単一の品物をも含みうる。“接触”という語は連続的に接続された領域を示す。厳密には、この接触領域は、該領域内の第1の点が領域内の任意の他の点と連続したラインによって接続可能であるとともに該ラインが領域から出ない領域である。支持要素に支持される接触支持面を有するクッション構造は、同様の寸法で搬送箔が取り付けられた非接触支持面を有するクッション構造と比してより重い物品を運ぶことができる。接触支持面の場合、負荷はより大きい支持面に分配され、支持面積当たりの負荷はより低くなる。
【0005】
折り畳み可能な内側および外側フラップは、重量物を運ぶのに適した任意の輪郭、好ましくは矩形断面の管状形状の支持要素へと折り畳まれた場合、主フレームの支持面を充分に支持する。折り畳み可能な内側および外側フラップによって、支持要素へと折り畳むことで二次元形状(構造)または三次元形状(構造)とすることができる折り畳み可能なクッション構造が得られる。平面的構造または三次元構造としての同様のクッション構造に柔軟性を与えることで、空のクッション構造を平たくして体積を減らした方式で輸送することが可能となる。“折り畳まれた支持要素”という語は、折り畳み方式で内側および外側フラップによって形成される三次元構造を示す。“内側フラップ”および“外側フラップ”という語は、折り畳まれていない状態の主フレームの接触支持面に関する側部フラップの方向を示す。主フレームが二次元形状である場合、内側フラップは接触支持面に完全に囲まれる。外側フラップは内側フラップに対し逆向きになる。折り畳まれていない状態とは、二次元形状であるクッション構造を示す。よって、空の二次元形状のクッション構造(物品が無い)は省スペースの方式で輸送および/または保管することができる。搬送箔は支持面に延伸してもよく、例えば外側フラップを部分的または全体的に覆う。
【0006】
主フレームの形状は、所望の物品の輸送に適した任意の形状でありうる。支持面の間の面積および搬送箔の面積は輸送される物品に応じて変更しうる。例えば、搬送箔の搬送面の面積は0.25m2、0.36m2、0.49m2、0.72m2、1.00m2でありうる。別の実施形態において、当業者は本発明の範囲内で搬送面の他の面積を考慮してもよい。搬送箔の材質は任意の適した材質、例えばポリエチレンまたはウレタンでありうる。
【0007】
外側フラップの横方向の伸展は、折り畳まれた状態の支持要素の高さに相当する。外部からの物品への機械的衝撃を防止する安全な物品の輸送を確実とするために、クッション構造の高さ(=支持要素の高さ)は少なくとも数センチメートル、例えば4cm、6cm、8cmまたは10cmとすべきである。高さが高すぎると、クッション構造上で物品を輸送するためのコンテナがかさばる。別の実施形態において、当業者は本発明の範囲内で他の高さを考慮してもよい。
【0008】
主フレームの支持面および内側・外側フラップは複数回の使用を保証するのに適した任意の材質から作ることができる。例えば、適した材質としてプラスチック材質を用いて丈夫なクッション構造を得ることができる。好ましくは、搬送箔以外の主フレームの全ての構成部分は同じ材質からなる。前記の構成部分は、好ましくはプレス板紙からなり、重い物品の搬送に充分な弾性を得るとともに複数回の使用の後のクッション構造としての寿命の終わりにリサイクルすることを可能とする。このようなプレス板紙のクッション構造は、交換が必要となるまでに100回以上使うことができる。交換されたクッション構造は、容易にリサイクルし再使用することができる。別の実施形態において、当業者は本発明の範囲内で主フレーム、内側および外側フラップの別の材質を考慮してもよい。リサイクルの前に、搬送箔を主フレームから取り外す必要がある。
【0009】
実施形態の1つにおいて、主フレームの支持面は第1、第2、第3および第4の部分を有する矩形状であり、第1の部分は第3の部分に対向し第2の部分は第4の部分に対向するとともに、個々の部分は折り畳まれていない状態で対向する部分のフラップへ向いた折り畳み可能な内側フラップからなり、好ましくは内側フラップは三角形状、より好ましくは内側フラップは台形状とする。“対向”という語は、主フレーム内のパーツの配置であって、該パーツの表面の向きではないものを示す。ここで、対向する部分は事実上、全て主フレームの向きに依り上向きまたは下向きに面する同一平面状に配置される。主フレームの正方形状は矩形状の特定の実施形態である。例えば、主フレームの矩形面積は96cm×65cmでありうる。他の別の実施形態において、当業者は本発明の範囲内で他のサイズを考慮してもよい。しかし、この構造が輸送車両および/またはコンテナ内で他の同様の構造とともに積載(積み重ね)される場合、矩形形状は積載スペース(または体積)を最小化する。クッション構造やコンテナ等の輸送される品物の矩形形状を一致する形状とすることで、クッション構造の積載体積内の空の内部スペースの発生を防止し、最良の輸送効率を達成する。
【0010】
別の実施形態において、主フレームは少なくとも1つの角要素、好ましくはL字状角要素からなり、該要素は主フレームの少なくとも1つの角、好ましくは各角において主フレームの支持面に固定され、主フレームを補強する。角要素は適当な機械的および/または化学的締結手段、例えば両側(角要素の側および主フレームの下側)から打たれるリベット等によって主フレームに固定されうる。好ましくは、主フレームは支持面の上側の角要素および該角要素の下で主フレームの反対側に配される第2の角要素によって挟まれ、主フレームの強度(積載性)をさらに向上する。ここで、リベットは両方の角要素を主フレームに固定する。該角要素および第2の角要素はクッション構造の強度の向上に適した任意の材質、例えば金属および/またはプラスチック要素でありうる。好ましい実施形態において、角要素をプレスした紙板から作ることでリサイクル可能とする。好ましくは、主フレームの支持面が矩形の際には、これらの角要素はL字状角要素である。
【0011】
別の実施形態において、外側フラップの面積、好ましくは矩形面積は、内側フラップの面積よりも小さい。内側フラップは主フレームの支持面の間の面積全てを占めるため、内側フラップの面積は外側フラップの面積より大きく設計され、同一の支持要素を構築し、外側フラップの面積が内側フラップの面積より大きいクッション構造よりも小さい総面積を占めるクッション構造が得られる。折り畳まれていない二次元クッション構造の輸送に必要なスペースが削減され、より効率的な輸送が達成される。
【0012】
別の実施形態において、支持要素は内側および外側フラップから確立され、該フラップは対応する内側および外側フラップあたり少なくとも1つの第1固定手段、好ましくはマジックテープ式ファスナーによって互いに取り付けられる。“確立”という語は、内側および外側フラップが互いに折り畳まれ(結合され)支持要素を構築することを示す。“固定手段”(第1または第2)という語は、2つの部分に接続(結合)を可能とする任意の手段、好ましくはフックおよび輪を有するファスナーからなるマジックテープ式ファスナー、ベルクロファスナー、トラス頭を有するファスナー等である。第1固定手段はリベットや粘着テープ等の適当な手段によって内側および/または外側フラップへ取り付けられる。内側および外側フラップの対応する第1固定手段は、対応する外側および内側フラップを保持する。第1固定手段の内側および外側フラップへの取り付けは、第1固定手段によって確立される内側および外側フラップの結合強度に影響しない。当業者は本発明の範囲内でマジックテープ式ファスナーとは別の第1固定を考慮してもよい。第1固定手段,例えばマジックテープ式ファスナーは、内側および/または外側フラップの任意の適当な位置、好ましくは内側フラップ上で主フレームから最も遠く、対応する支持面の中途部に対し整列された位置に取り付けることができる。内側フラップの寸法に応じて、第1固定手段の対応する相対物、例えばマジックテープ式ファスナーは、外側フラップ上の適当な位置に配置する必要がある。あるいは、対応する相対物は主フレームの支持面上に配置してもよい。
【0013】
実施形態の1つにおいて、隣接する外側フラップは、少なくとも2つの外側フラップ、好ましくはそれぞれの外側フラップの外面に配置される少なくとも1つの第2固定手段、好ましくはマジックテープ式ファスナーによって互いに接続される。“外面”という語は、物品の積載の用意ができたクッション構造の三次元状態の折り畳まれた支持要素に囲まれた体積の反対側を向く面を示す。あるいは1つ以上の第2固定手段、好ましくはマジックテープ式ファスナーを、個々の外側フラップに配置してもよい。好ましい実施形態において、2つの反対側の外側フラップは、支持要素の角の周りで折り畳まれることで対応する隣接する外側フラップに接続される折り畳み可能な側部領域からなる。ここで、第2固定手段は側部領域の外面および隣接する外側フラップの内面に配置されるか、あるいはその逆である。内面という語は、外側フラップの外面とは反対側の面を示す。隣接する外側フラップに接続(結合)される第2固定手段は、前記の第1固定手段の内側および外側フラップへの取り付けと同じ方式で取り付けてもよい。
【0014】
別の実施形態において、支持要素は矩形の管状の輪郭を有し、これによって積載された荷重に対し最良の弾性が得られる。
【0015】
別の実施形態において、クッション構造はさらに、主フレームと別体で支持要素へ挿入されるのに適した補強要素からなり、挿入によって主フレームの弾性がさらに増加し、30kg、好ましくは40kg、より好ましくは50kgより重い物品の搬送が可能となる。補強要素は任意の適当な材質から作られ、好ましくは主フレームおよびその構成部分(内側および外側フラップ)と同じ材質から作られ、より好ましくはプレス板紙から作られることで損傷した補強要素のリサイクルを可能とする。プレス板紙によって、補強要素を交換する必要が生じるまでに補強要素を100回より多く用いることができる。好ましい実施形態において、補強要素は支持要素の輪郭に適応した輪郭、好ましくは支持要素に滑合するのに適応した輪郭を有する。支持要素の輪郭と補強要素の輪郭とが適合する場合に、最も高い弾性が達成され、クッション構造の最も高い積載性が得られる。
【0016】
別の実施形態において、補強要素は支持要素の輪郭に適応した輪郭へと折り畳み可能であるとともに、二次元構造へと折り畳み可能とする。物品を積載していないクッション構造を輸送する際には、補強要素は折り畳まれた構造で最も体積を抑えた方式によって輸送可能である。“折り畳み可能”という語は、任意の種類の折り畳み方法を含む。
【0017】
別の実施形態において、搬送箔はウレタン箔であり、好ましくは超音波圧力結合によって主フレームと結合される。ウレタン箔は高い積載性および高い引裂抵抗を得られる箔として知られている。ウレタン箔は適当な結合手順、例えば圧力および超音波エネルギーを搬送箔および主フレームの支持面に加えることで搬送箔を主フレームの支持面と結合させる超音波圧力結合によって、主フレームに固定される。内側および外側フラップに取り付けられたファスナーはウレタン箔の保持には必要でない。実施形態の1つにおいて、ウレタン箔は、内側および/または外側フラップにファスナーが取り付けられる領域を覆わない開口領域からなる。搬送箔は、支持面および/または外側フラップを囲む2つの10mm幅のシールラインによって主フレームと結合しうる。しかし、別の実施形態において、ファスナーはウレタン箔の頂面に配置されうる。ファスナーは前記のようにして主フレームに固定される。超音波圧力結合によって主フレームに取り付けられる搬送箔は、主フレーム上に残余を残さずに搬送箔の主フレームからの取り外し(容易な剥離)を可能とするさらなる接着剤を必要とせず、リサイクル性が向上する。
【0018】
本発明はさらに、重く大きく脆い物品の安全な輸送のためのコンテナであって、底部区画、底部区画に適合するコンテナ側壁としての中間部区画、少なくとも第1および第2の本発明に係るクッション構造であって物品の搬送のために上向きの搬送箔とともに底部区画の頂部に配置される中間部に適合する底部要素としての第1クッション構造および下向きの搬送箔とともに物品の頂部に配置される第2クッション構造によって物品を第1および第2クッション構造の搬送箔で挟むクッション構造、および中間部区画の頂部に適合することでコンテナを閉じる頂部区画からなるコンテナに係る。ここで、頂部区画は中間部区画の頂部および、物品が積載される場合には第2クッション構造の頂部に配置される。中に物品が無いコンテナの輸送の間、コンテナの体積を削減することが可能であり、それから頂部区画を底部区画の頂部に配置する。中間部区画はさらに、中間部区画の上縁および下縁において、少なくとも2メートルの積み重ね高さでコンテナの積み重ねを可能とする補強スリーブからなりうる。補強スリーブはさらに中間部区画の再使用性(複数回使用)を向上させる。
【0019】
別の実施形態において、底部区画、頂部区画および中間部区画はプレス紙板から作られる。プレス紙板によって高い弾性が得られるとともに容易なリサイクルが可能となる。
【0020】
別の実施形態において、中間部区画は折り畳むことで折り畳まれた状態で底部区画に適合することが可能であり、好ましくは第1および/または第2クッション構造に固定される少なくとも1つのマジックテープ式ファスナーからなる。コンテナが空の場合(内側に物品が無い)、折り畳まれた中間部区画を、ここでは底部区画および頂部区画のみで定義されるコンテナの内側に配置することで、サイズを削減してコンテナを輸送することができる。
【0021】
別の実施形態において、中間部区画は頂部区画および/または底部区画に固定されることで輸送の間のコンテナの丈夫さを向上する適当な閉塞手段からなる。当業者は本発明の範囲内で任意の適当な固定手段、例えばアンカー、フック、マジックテープ式ファスナー、ボルト、スクリュー等を選んでもよい。閉塞手段によって少なくとも2メートルの積み重ね高さでコンテナの積み重ねが可能となる。
【0022】
本発明はさらに、安全な輸送のために重く大きく脆い物品を本発明のコンテナに積載する方法に関する。該方法は以下の手順からなる。すなわち、
底部区画の頂部への中間部区画の配置、
好ましくは補強要素からなる折り畳まれた支持要素を有する第1クッション構造の、中間部区画内および上向きの搬送箔を有する底部区画の頂部上への配置、
輸送される物品の、搬送箔の頂部上への配置、
好ましくは補強要素からなる折り畳まれた支持要素を有する第2クッション構造の、中間部区画内および下向きの搬送箔を有する物品の頂部上への配置、および
第2クッション構造および中間部区画の上への頂部区画の配置によるコンテナの閉塞、好ましくは少なくとも1つの固定手段、好ましくは緊締ストラップでのコンテナの固定、である。
【0023】
本発明はさらに、物品を積載していない本発明に係るコンテナを輸送する方法に関する。該方法は以下の手順からなる。すなわち、
折り畳み可能な中間部区画の折り畳み、
折り畳まれた中間部区画の、底部区画の頂部上への配置、
支持要素の折り畳みを解くことによる第1および第2クッション構造の折り畳み、
第1および第2クッション構造の、底部区画の頂部上または折り畳まれた中間部区画の頂部上への、好ましくは第1および/または第2クッション構造の補強要素との配置、および
コンテナのサイズを削減しての閉塞のための頂部区画の底部区画上への配置、である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明に係る折り畳まれていない二次元構造(形状)でのクッション構造1の実施例である。主フレーム11は内側の領域を定義する矩形の連続的な支持面2からなり、そこにグレーの領域であり台形形状を有する内側フラップ3が配置される。矩形支持面2は矩形フレームの形状を定義する副領域としての4つの部分を有する。支持面2の4つの部分はそれぞれ、支持面2にその内側で取り付けられる内側フラップ3を有する。“取り付けられる”という語は、任意の種類の固定接続を示す。台形内側フラップの短辺側は共に示している。4つの外側フラップ4は矩形支持面2の4つの部分の外側に配置される。外側フラップ4および内側フラップ3によって、折り畳まれた状態(構造)の支持要素が定義される。有利なことに、折り畳まれた状態は、外側フラップ4と内側フラップ3との適当な接続を行う適当な第1固定手段32・42によって支持される。この実施例において、1つの第1固定手段32は内側フラップ3上に配置されるとともに、対応する相対物の第1固定手段42は外側フラップ4上に配置される。固定手段32・42は、主フレーム11の支持面2の支持構造の素早く容易な確立および支持構造の素早い折り畳みによる主フレーム11の二次元構造(形状)の提供を可能とするマジックテープ式ファスナーでありうる。接続された(固定手段によって)内側および外側フラップの支持構造の高さは、外側フラップ4の高さによって定義される。内側フラップ3は折り畳み可能ライン31からなり、内側フラップ3を折り畳むことで支持面2の支持要素を確立しクッション構造1への物品の積載の用意をする。理解を容易とするため、搬送箔は図1に示していない。
【0025】
図2は図1と同じクッション構造であり、ここではクッション構造1の折り畳まれていない二次元構造において内側フラップを覆う搬送箔5を示している。搬送箔5の下に配置される内側フラップは、理解を容易とするため図示していない。搬送箔5は適当な手順、例えば超音波溶着によって主フレーム1に取り付けられ、支持面2の全体を覆う。ここで、搬送箔5と主フレーム1との結合強度は、搬送箔5が支持面2の一部のみに取り付けられる実施例と比してより向上される。向上された結合強度によって、搬送箔により重い物品を積載することが可能となる。本発明に係る別の実施例において、搬送箔5をさらに外側フラップ4の少なくとも一部と結合し、結合強度をさらに向上してもよい。好ましい実施例において、搬送箔5は搬送箔補強材51、例えば小型の追加搬送箔51からなり、該追加搬送箔51は例えば追加搬送箔51の搬送箔5頂部への接着によって、最も高い力が生じる搬送面の縁部に近い搬送箔に貼られる。この実施例では、主フレーム11は1つの部品からなり、搬送箔のみが第2の加工手順において主フレームに取り付けられる。別の実施例では、内側および外側フラップを別のさらなる手順において主フレームに固定してもよい。
【0026】
図3は三次元構造での図1・2のクッション構造1を示す。ここで主フレーム11の支持面2は、支持要素を確立する固定手段32によって互いに接続される折り畳まれた内側および外側フラップ3・4によって支持される。外側フラップの対応する固定手段42は内側フラップ3に覆われるため図示していない。支持要素は、幅および高さが外側フラップ4の高さおよび支持面の幅によって定義される矩形断面を有する。内側フラップの折り畳み可能ライン31は、支持面2の幅および/または外側フラップ4の高さに適合される。実施例の1つにおいて、主フレーム11は1つ以上の角要素6、例えば支持面2の角ごとに1つの角要素6からなり、支持面を角において補強することで支持面2の積載性をさらに向上する。角要素6は支持面の対応する形状に適合する任意の形状でありうる。矩形支持面のために、角要素6は好ましくはL字形状を有する。積載性のさらなる向上のために、対応する角要素は図示される角要素6の下側で支持面の底部側(支持要素の内側)に配置されうる。角要素は任意の適当な方法、例えばリベットによって支持面に取り付けることができる。角要素は搬送箔5の下または搬送箔5の頂部に配置されうる。搬送箔5は主フレーム11の中途部の曲線で示される。図3において、クッション構造1は支持要素の内側の補強要素7からなる。支持要素が閉じられるので、理解を容易とするため補強要素7は略図的に支持要素の外側に示す。ここで矢印71は支持要素の内側の補強要素7の意図される配置を示す。ここでは2つの補強要素7のみを示す。輸送される物品の搬送のために要求されるクッション構造1の補強に応じて、1つ、2つ、3つまたは4つの補強要素7を支持要素の内側に配置することで支持要素を補強してもよい。内側に補強要素7を有する支持構造を確立するために、内側フラップ3を補強要素7の周りに折り畳む前に補強要素7を支持面の下に配置することで、外側フラップ4と接続する必要がある。
【0027】
図4は本発明に係るクッション構造1の別実施例であり、ここで支持面2の2つの対向する側の外側フラップ41は隣接する外側フラップ4の外側寸法へと延伸する。外側フラップ41の外側の部分の破線は、延伸された領域を隣接する外側フラップ4へと折り畳むことで弾性の向上した結合した支持要素を確立することができることを示す。これは、外側フラップ4・41の外側に配置される第2固定手段43・413によって隣接する外側フラップ4・41を固定することができるためである。第2固定手段は、第1固定手段32・42と同じ種類の固定手段でありうる。
【0028】
図5は、底部区画81、中間部区画82および頂部区画83からなる本発明に係るコンテナ8を示す。中間部区画82は底部区画81および頂部区画83に適合する。中間部区画はコンテナ8の側壁である。物品のサイズに応じて、中間部区画82の高さを変えて異なるコンテナ8としうる。コンテナの内側に、確立された支持要素を有する2つのクッション構造1が配置される。コンテナ8、特に中間部区画82に適合する第1のクッション構造1は、底部区画81の頂部に配置される。輸送の間のクッション構造のすべりを避けるために、底部区画81および中間部区画82のサイズはクッション構造1のサイズに適合させる必要がある。これは中間部区画82および頂部区画83に関しての第2のクッション構造1についても同様である。第1のクッション構造1の搬送箔5は上を向き、物品10を積載される。物品10は第1のクッション構造1の搬送箔5の頂部に配置される。それから、第2のクッション構造1が搬送箔を物品10に向けて(下向きで)物品10の頂部に配置される。コンテナの位置は双方のクッション構造の搬送箔5を物品10へと押圧することに適合し、これによって輸送の間に搬送箔5の上で物品10が滑ることを防止する。コンテナ8の底部区画81、中間部区画82および頂部区画83はクラップ、ヒンジ、アンカー等の任意の適当な閉塞手段9・91によって互いに固定される。あるいは、さらに1つ以上の輸送ベルト91によってコンテナ8が偶然開いてしまうことを防止してもよい。中間部区画83はさらに中間部区画83の上および/または下の縁部に配置される補強スリーブからなるものとしてもよい。このようなコンテナは少なくとも2メートルの積み重ね高さまでの積み重ねが可能である。補強スリーブは任意の適当な材質、好ましくは金属から作ることができる。
【0029】
輸送の後で、物品10はコンテナ8から荷下ろしされ、空のコンテナ8は別の積載設備へと戻され再び積載される。折り畳み可能なクッション構造1および折り畳み可能な中間部区画82によって、空の状態で輸送する際にコンテナ8のサイズを縮小することが可能となる。中間部区画は中間部区画82を折り畳むための少なくとも2つの折り畳み可能ライン、好ましくは中間部区画82の各短辺側に1つの折り畳み可能ラインからなり、コンテナ8が矩形形状の底部区画81を備えるものとする。折り畳み可能な中間部区画82および第1・第2のクッション構造1は支持要素の折り畳みを解くことによって折り畳まれ、それから3つの部分が底部区画81の頂部において任意の順番で、好ましくは補強要素7(折り畳まれた、あるいは折り畳まれていない)とともに配置される。サイズを縮小されたコンテナ8は、頂部区画83を底部区画81の上に配置することで閉じられる。空の状態での輸送に、同様の締結手段9・91を用いることができる。
【0030】
本発明を図面および先の記述で説明したが、このような説明は例示的または典型的であるとともに限定的ではなく、本発明は開示した実施例に制限されるものではない。
【0031】
開示した実施例の他の変形は、図面、開示および請求項の研究から当業者によって本発明の実施において理解および実行することができる。請求項において、“からなる”という語は他の要素または手順を除外するものではなく、指定の無い名詞は単数に限られない。特定の事項が複数の異なる独立請求項に記載される事実は、これらの事項の組み合わせを有利に用いることができないということを示すものではない。請求項の符号は範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る折り畳まれていない二次元構造(形状)でのクッション構造の実施例。
【図2】本発明に係る折り畳まれていない二次元構造(形状)での図1のクッション構造。
【図3】支持要素に挿入される補強要素を有する、本発明に係る折り畳まれた状態(構造)での図1のクッション構造。
【図4】本発明に係る折り畳まれていない二次元構造(形状)でのクッション構造の別実施例。
【図5】底部区画、中間部区画および頂部区画からなり2つのクッション構造および物品を搬送する、物品を輸送する本発明に係るコンテナ。
【図6】底部区画および頂部区画からなり2つのクッション構造および中間部区画を搬送する、空の状態で返送される本発明に係る折り畳まれたコンテナ。
【符号の説明】
【0033】
1 クッション構造
11 主フレーム
2 支持面
3 内側フラップ
31 内側フラップの折り畳み可能ライン
32 内側フラップの固定手段
4 外側フラップ
41 外側フラップの別実施例
42 内側フラップの対応する固定手段へ接続される外側フラップの固定手段
43 隣接する外側フラップの対応する固定手段へ接続される外側フラップの固定手段
413 隣接する外側フラップの対応する固定手段へ接続される外側フラップの固定手段
5 搬送箔
51 搬送箔補強材
6 角要素
7 補強要素
71 補強要素の支持要素への挿入を示す矢印
8 コンテナ
81 コンテナの底部区画
82 コンテナの中間部区画
83 コンテナの頂部区画
9 締結手段
91 締結手段としての輸送ベルト
10 物品


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重く大きく脆い物品の安全な輸送のためのクッション構造(1)であって、
接触支持面(2)を有する主フレーム(11)、および
少なくとも支持面(2)および支持面(2)に囲まれる領域全体を物品(10)の搬送面として覆うように主フレーム(11)に取り付けられる搬送箔(5)からなり、
主フレーム(11)は複数回の折り畳みが可能な内側および外側フラップ(3・4・41)からなり、接続された内側および外側フラップ(3・4・41)の支持要素へと折り畳むことで、外側フラップ(4・41)の寸法から定まる高さで主フレーム(11)の支持面(2)を支持するとともに、
主フレーム(11)は、主フレーム(11)の弾性を25キログラム以上の物品(10)の輸送に適するように増加させるのに適するとともに物品が無い場合に二次元的構造へと折り畳み可能な輪郭を有するものとする、クッション構造。
【請求項2】
主フレーム(11)の支持面(2)は第1、第2、第3および第4の部分を有する矩形状であり、第1の部分は第3の部分に対向し第2の部分は第4の部分に対向するとともに、個々の部分は折り畳まれていない状態で対向する部分のフラップ(3)へ向いた折り畳み可能な内側フラップ(3)からなり、好ましくは内側フラップ(3)は三角形状、より好ましくは内側フラップ(3)は台形状とする、請求項1に記載のクッション構造(1)。
【請求項3】
主フレーム(11)は少なくとも1つの角要素(6)、好ましくはL字状角要素からなり、該角要素は主フレーム(11)の少なくとも1つの角、好ましくは各角において主フレーム(11)の支持面(2)に固定され主フレーム(11)を補強するものとする、請求項1または2に記載のクッション構造(1)。
【請求項4】
外側フラップ(4・41)の面積、好ましくは矩形面積は、内側フラップ(3)の面積よりも小さいものとする、前記請求項のいずれかに記載のクッション構造(1)。
【請求項5】
内側および外側フラップ(3・4・41)毎に少なくとも1つの第1固定手段(32・42)、好ましくはマジックテープ式ファスナーによって互いに固定された内側および外側フラップ(3・4・41)によって支持要素が定義されるものとする、前記請求項のいずれかに記載のクッション構造(1)。
【請求項6】
少なくとも2つの外側フラップ(4)、好ましくは外側フラップ(4)それぞれの外面に配置される少なくとも1つの第2固定手段(43・413)、好ましくはマジックテープ式ファスナーによって、隣接する外側フラップ(4・41)が互いに接続されるものとする、前記請求項のいずれかに記載のクッション構造(1)。
【請求項7】
支持要素は矩形の管状の輪郭を有するものとする、前記請求項のいずれかに記載のクッション構造(1)。
【請求項8】
主フレーム(11)と別体で支持要素へ挿入されるのに適した補強要素(7)をさらに含み、挿入によって主フレーム(11)の弾性をさらに増加することで30kg、好ましくは40kg、より好ましくは50kgより重い物品(10)の搬送を可能とする、前記請求項のいずれかに記載のクッション構造(1)。
【請求項9】
補強要素(7)は支持要素の輪郭に適応した輪郭、好ましくは支持要素に滑合するのに適応した輪郭を有するものとする、請求項8に記載のクッション構造(1)。
【請求項10】
補強要素は(7)支持要素の輪郭に適応した輪郭へと折り畳み可能であるとともに、二次元構造へと折り畳み可能とする、請求項8または9に記載のクッション構造(1)。
【請求項11】
主フレーム(11)の支持面(2)、内側および外側フラップ(3・4・41)および/または補強要素(7)はプレス板紙から作られるものとする、請求項1および8に記載のクッション構造(1)。
【請求項12】
搬送箔(5)はウレタン箔であり、好ましくは超音波圧力結合によって主フレーム(11)と結合されるものとする、請求項1に記載のクッション構造(1)。
【請求項13】
重く大きく脆い物品の安全な輸送のためのコンテナ(8)であって、
底部区画(81)、
底部区画(81)に適合するコンテナ側壁としての中間部区画(82)、
少なくとも第1および第2の請求項1に係るクッション構造(1)であって、物品(10)の搬送のために上向きの搬送箔(5)とともに底部区画の頂部(81)に配置される、中間部区画(82)に適合する底部要素としての第1クッション構造(1)、および下向きの搬送箔(5)とともに物品(10)の頂部に配置される第2クッション構造(1)によって、物品(10)を第1および第2クッション構造(1)の搬送箔(5)で挟むクッション構造、および
中間部区画(82)の頂部に適合することでコンテナ(8)を閉じる頂部区画(83)、からなるコンテナ。
【請求項14】
底部区画(81)、頂部区画(83)および中間部区画(82)はプレス紙板から作られるものとする、請求項13に記載のコンテナ(8)。
【請求項15】
中間部区画(82)は折り畳むことで折り畳まれた状態で底部区画(81)に適合することが可能であるとともに、好ましくは第1および/または第2クッション構造(1)に固定される少なくとも1つのマジックテープ式ファスナーからなるものとする、請求項13または14に記載のコンテナ(8)。
【請求項16】
中間部区画(82)は頂部区画(83)および/または底部区画(81)に固定される適当な閉塞手段(9・91)からなるものとする、請求項13から15のいずれかに記載のコンテナ(8)。
【請求項17】
安全な輸送のために重く大きく脆い物品を請求項13に係るコンテナ(8)に積載する方法であって、
中間部区画(82)の、底部区画(81)の頂部への配置、
好ましくは補強要素(7)からなる折り畳まれた支持要素を有する第1クッション構造(1)の、中間部区画(82)内および上向きの搬送箔(5)を有する底部区画(81)の頂部上への配置、
輸送される物品(10)の、搬送箔(5)の頂部上への配置、
好ましくは補強要素(7)からなる折り畳まれた支持要素を有する第2クッション構造(1)の、中間部区画(82)内および下向きの搬送箔(5)を有する物品(10)の頂部上への配置、および
コンテナ(8)を閉じるための第2クッション構造(1)および中間部区画(82)上への頂部区画(83)の配置であって、好ましくは閉じたコンテナ(8)は少なくとも1つの固定手段(9・91)、好ましくは緊締ストラップ(91)を有するもの、からなる方法。
【請求項18】
物品を積載していない請求項13に係るコンテナ(8)を輸送する方法であって、
折り畳み可能な中間部区画(82)の折り畳み、
折り畳まれた中間部区画(81)の、底部区画(81)の頂部上への配置、
支持要素の折り畳みを解くことによる、第1および第2クッション構造(1)の折り畳み、
第1および第2クッション構造(1)の、底部区画(81)の頂部上または折り畳まれた中間部区画(82)の頂部上への、好ましくは第1および/または第2クッション構造(1)の補強要素(7)との配置、および
コンテナ(8)のサイズを削減して閉じるための、頂部区画(83)の底部区画(81)上への配置、からなる方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−510772(P2013−510772A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538198(P2012−538198)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008041
【国際公開番号】WO2011/057647
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)
【Fターム(参考)】