説明

クラスレートハイドレートのモジュール式貯蔵、適用、および利用プロセス

クラスレートハイドレートのモジュール式貯蔵、適用、および利用プロセスに向けられた方法、装置、およびシステム。一つの実施では、本発明は、モジュール式ガスクラスレートハイドレート貯蔵ユニットを相互接続するアレイを組み立てることによって天然ガスおよび熱エネルギの拡張可能で容易に展開可能な貯蔵庫を作成する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年7月27日に出願した米国特許仮出願第60/694,322号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、天然ガスおよび熱エネルギの貯蔵に関し、さらに詳しくは、拡張可能なモジュール式クラスレートハイドレート生成および解離システムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
クラスレートの物理化学
クラスレートハイドレートは、ゲスト分子を水素結合水格子内に包接することによって定義される結晶化合物である。ファンデルワールス力および水素結合のような量子物理力が、これらのクラスレートハイドレートの構造の生成および維持に関与している。ガスハイドレートは、「ゲスト」分子が周囲温度および圧力またはそれに近いガスであるクラスレートハイドレートの部分集合である。そのようなガスはメタン、プロパン、二酸化炭素、水素、および多くのその他を含む。クラスレートハイドレートは、実際的な技術上の関心事である4つの主要な物理的特性、すなわち水素結合格子内に極めて大量のゲスト分子を吸収する能力、1つのガスハイドレートの別のガスハイドレートに対する優先的生成に基づきガス混合物を分離する能力、氷の場合に似ているが特定のゲスト分子および添加物に依存しない生成の大きい潜熱、および水を氷に変換するために必要な温度より一般的に高い生成温度によって定義される。
【0004】
上述したクラスレートハイドレートの独特な物理的特性は、この50年間に、ガス輸送、ガス貯蔵、熱エネルギの貯蔵、脱塩、およびガス分離を含め、多数の異なる工業用途へのクラスレートハイドレートの適用案につながった。
【0005】
歴史的に、多くの研究がガスパイプラインにおけるクラスレートハイドレートの生成の防止に専念してきた。そのような防止に焦点を当てた技術は別として、先行技術の最大比率は、クラスレートハイドレートを使用して船舶で天然ガスを輸送する方法を考案することに焦点を当てている。この先行技術の大半は、ガスハイドレートの連続生産のための様々な戦略に焦点を当ててきた。例えば米国特許第2,356,407号、第6,082,234号、第6,038,235号、第6,180,843号、第5,964,093号、第6,082,118号、第6,653,516号、および第6,653,516号を参照されたい。提案された連続生産システムは一般的に、クラスレートハイドレート生成ガスおよび水を、2つの間の表面接触面積が最大になるように計画された仕方で、低温および高圧で混合することによる(緩く凝集または溶液中に懸濁した)クラスレートハイドレート「スラリ」の製造を企図している。これらの連続生産モデルの多くは、ハイドレート生成物の移動および貯蔵のための追加的な大型システムを必要とする、複雑な製油所様のプロセスを企図している。大型のカスタム設計機械類の必要性は、これらのシステムを中ないし小規模の貯蔵または輸送業務にとって法外な程高価にする可能性が高い。
【0006】
一部の先行技術は、将来使用するために生成物の貯蔵も行なう密閉されたシステム内でハイドレートを生産するための戦略を提案してきた。これらは米国特許第4,920,752号および第5,540,190号を含む。特に興味深いのは、参照によって本書に援
用するロジャーズ(Rogers)の米国特許第6,389,820号に記載された、界面活性剤を使用する静止(quiescent)ハイドレートシステムである。ロジャーズは、少量の適切に選択された界面活性剤の添加により、ガスハイドレートの生成速度を700倍以上高めることができることを実証した。クラスレートハイドレートの急速な生成速度は商業的用途には重要である。ロジャーズの実証の別の利点は、この方法で結果的に得られたハイドレートが吸蔵水をほとんど持たないことである。首尾よく生成されたクラスレートハイドレートの密度は、商業的用途にとって重要である。さらに、ロジャーズの実証ユニットは可動部品が少なく、単純である。複雑な多段階処理を回避した単純なクラスレートハイドレート機構は、技術的および商業的に非常に興味深い。しかし、DOEレポートDE−AC26−97FT33203にロジャーズによって記載されたシステムは、予想される商業的用途に関して多数の欠点を免れない。対処されていない重大な欠点は、熱交換器表面におけるガスハイドレートの蓄積であり、これは結果的に容認できないほど低い熱伝導率をもたらす。ロジャーズシステムのさらなる限界は、クラスレートハイドレートの生成に大量の熱エネルギが要求され、それがゲスト分子を再生するためにクラスレートハイドレートの解離時に失われることである。また、ロジャーズの実証システムは、コージェネレーション、コスト、移動性、運用管理、永続性、安全性、規模、サービス性、ならびに熱の貯蔵および再使用の様々な商業的要求を直接充足するシステムに対する重要な要求事項に対処していない。最後に、ロジャーズのシステムは単一の界面活性剤に焦点を当てているが、ロジャーズによって使用される部類の界面活性剤には多くの界面活性剤があり、多くのより有望な生成促進剤が今や新興技術で同定されつつある。
【0007】
上に短く詳述した通り、50年以上の努力にもかかわらず、クラスレートハイドレートの効率的な制御された生成に対し、かつ最終的に、クラスレートハイドレートに基づくシステムの商業化に対し、多くの制約が存在してきた。世界中の多くの周知の学術研究者、研究機関、および企業研究所は、生成を高速化し、ハイドレート生成のための所要圧力を低下し、かつ所要温度を高めることによって、ガスクラスレート生成プロセスをさらに改善することに焦点を当てている。近年、有望な結果により研究のペースが加速されてきた。最近の公開および/または特許付与された技術は、天然ガスクラスレートの生成を著しく効率化することのできる新しいメカニズムおよび潜在的メカニズムを同定し、かつ定義してきた。そのような技術は、クラスレートハイドレート生成の効率を高める界面活性剤、向水性物質、Hハイドレート促進剤、および活性炭のような特定の生成触媒の使用のみならず、熱伝達率を高める様々な手法を含む。
【0008】
天然ガス輸送
天然ガスは現在、2つの主要な方法すなわちガスパイプラインおよび液化天然ガス(LNG)を介して、ガス田から最終使用者へ輸送されている。より最近提案された開発は、ガス輸送用に圧縮天然ガス(CNG)を使用するものであった(米国特許第6,584,781号および第5,803,005号)。天然ガスを輸送するための別の最近の応用方法は、メタノール、ジメチルエーテル(DME)、およびフィッシャ・トロプシュ(Fischer Tropsch)ディーゼル(FTディーゼル)のような液体燃料合成(Gas to Liquid)(GTL)変換であった。これらの技術、すなわちガスパイプライン、LNG、CNG、およびGTLは各々、利点および欠点を有する。
【0009】
現在のガス輸送システムの考察
ガスパイプラインは世界の天然ガスの大部分を最終使用者に輸送している。パイプラインは、大量のガスを短距離ないし中距離輸送する最も経済的な方法であり得る。しかし、天然ガスを移送する普遍的な手段として、パイプラインは地理的、ロジスティック上、政治的、および領土上の制約によって制限される。ガスパイプラインは開放的地形に建設すると高い費用がかかり、人口の多い領域に建設すると法外な費用がかかる。鉄道と同様に、米国のパイプラインシステムは長年にわたって発展し、多くの競合する利益によって建
設されてきた。このように、今日の米国のパイプラインシステムは、特にピーク需要期間の需要を満たすのに充分な天然ガスの効率的な給送に最適化された状態からは程遠い。さらに、産業によるガス利用のプロフィール、特に電力生産用のガス焚きタービンの劇的な普及は、天然ガスの需要の日内変動を、非常手段無しにこの需要を満たすパイプラインシステムの能力以上に悪化させた。その結果、価格の急上昇の頻度、および天然ガスの非常に破壊的な割当てが近い将来避けられないという商業的使用者間の不安が高まった。さらに、パイプラインは経年劣化または地震のような他の要因による攻撃または破壊に対して非常に脆弱である。それらはまた、法外な建設コスト、自然に発生するクラスレートハイドレートの生成(それはパイプラインを閉塞し得る)、およびそのような構造を維持する困難さのため、深海を横切ってガスを輸送するそれらの能力も制限される。
【0010】
LNGは、天然ガスをその沸点未満に冷却し、大気天然ガス(atmospheric
natural gas)より約600倍高密度の低温液体を生成することによって生成される。次いで、低温液体は巨大船舶に積載されて輸送され、そこから荷下ろしされる。LNGは、長距離大洋横断輸送のようにパイプラインが不可能な場合に、圧倒的に最もよく使用される天然ガス輸送方法である。巨大ガスリザーブ(5兆立方フィート(TCF)超)の長距離海洋輸送には経済的であるが、LNGは短距離輸送または小ないし中規模ガスリザーブ(5TCF未満)に対するその適用を制限する多数の欠点を有する。今まで、LNG生産システムの複雑性およびコストのため、LNGは、沖合生産施設から天然ガスを輸送するには不適切であった。(沖合生産施設は往々にして油と共に大量のガスを生産するが、ガスは市場に出すことができず、再注入または燃焼処理しなければならない)。さらに、LNGは、パイプラインが利用できないか充分でない陸上用途向けの天然ガスの輸送には費用が掛かりすぎるので、経済的でないと考えられる。LNGのさらなる欠点は、テロリストにとっての魅力的な目標になる、その固有の揮発性である。サンディアラボラトリーズ(Sandia Laboratories)による最近の報告書は、LNGタンカーに対する海上襲撃が、半径2,000フィート内の広範囲に及ぶ深刻な損害および被害を引き起こし得ると結論付けた。
【0011】
高い天然ガスの価格、およびより小規模の「ストランデッド(stranded)」(すなわち、生産されあるいは生産可能であるが、市場に出ずあるいは市場で販売されない天然ガス)ガス田の、特にパイプラインおよびLNGが実際的でない深海ガス田の広範な存在は、天然ガスの輸送のためにCNGを使用することへの関心を新たにした。CNG輸送および貯蔵システムは、天然ガスの体積を特定のシステムに応じておよそ175ないし200倍に縮小するために、非常に高い圧力の使用に依存する。CNGは、小ないし中距離ガス輸送に対し、LNGに勝る多数の利点を提供する。特に、CNGはLNGを生成するために必須の大規模固定インフラストラクチャの必要性を排除する。CNGのさらなる利点は、サプライチェーンの受取端における複雑かつ高価な脱ガスターミナルの排除である。CNGのさらに別の利点は、投資の大半がCNG船に投下され、CNG生産/貯蔵ユニットが本質的に再配備可能になることである。CNGシステムのこの再配備可能性は、LNGが実際的でない小規模の陸上べースのガス田からの天然ガスの捕獲をも可能にする。しかし、CNGは幾つかの顕著な欠点を有する。CNGシステムの1つの欠点は、加圧ガスを貯蔵するために非常に強く重い鋼製「ボトル」に依存することである。これらのボトルは直径が制限され、したがってガスの流入および流出を制御するために、多数の弁およびマニホルドを必要とする。さらなる、決して誇張し過ぎることのない欠点は、非常に高い圧力における天然ガスの極端な揮発性である。小さい漏れや故障が、莫大な量のエネルギを爆発的に放出する潜在的可能性を持つ。CNGシステムのさらに別の欠点は、LNG船と比較してそれらの一定容量当たりの非常に高いコストである。CNGシステムの別の欠点は、提案されたCNG船が非常に重く、かつ保守用のドックを乾燥させることが難しいことである。CNGのさらなる欠点は、圧力タンクを(亀裂または他の安全上のリスクが無いか)点検すること、および問題がある場合にそれらを交換することに関連する困
難である。
【0012】
クリーンな燃焼液体燃料、特に超低硫黄ディーゼルの需要の増大は、GTL技術に対する商業的関心を新たにする結果となった。GTLは、天然ガスを高級アルカンおよび液体燃料に変換するために主にフィッシャ・トロプシュ法に依存する。GTLの利点は、低密度で輸送の困難な天然ガスを、濃密かつ高エネルギで商業的に価値があり輸送が容易な液体燃料に変換することができることである。GTL生産は本質的に、複雑なシステム、機械類、および操作技術を必要とする精製工程である。GTL技術の主要な欠点は、その複雑さおよび高資本コストである。別の欠点は、GTLプロセスが高価な触媒を大量に(それらが再活性化し難いので大量に)必要とすることである。GTLシステムのさらなる欠点は、変換のために高温および高圧が要求されることである。幾つかのGTLプロジェクトがトリニダードおよびカタールのような大規模リザーブ地で進行中であるが、これらのシステムの複雑さは、今までのところ、それらを沖合および小規模の適用に対しては非現実的にしてきた。GTLは、小規模または沖合ガス田からの天然ガスの捕獲および輸送のためには非現実的かつ非経済的である。さらに、GTLは高エネルギ密度の燃料であるが、SNGは天然ガスを、多くの産業にとって好適な状態であり続けているその元の状態で保存する。
【0013】
上述したシステムおよび手法の欠点は、天然ガス輸送のための天然ガスハイドレートの検討につながった。固体天然ガス(SNG)は、LNG、CNG、およびGTLに勝る多数の利点を提供する。
【0014】
安全性は、天然ガスの輸送または貯蔵のための全ての他の形態と対比して、SNGの著しい利点である。SNGの揮発性(爆発リスク)は非常に低い。SNGの解離は吸熱プロセスである。つまり、貯蔵されているガスを放出するには大量の熱が必要である。低い熱伝導率およびハイドレート解離の自動冷却効果は、LNGおよびCNGの両方に比較して、SNGの揮発性をさらに低減する。LNGおよびCNGに比較して、別の強力な利点は、SNGを生成しかつ維持するためにそれぞれ要求される著しく高い温度および低い圧力である。これは直接、LNGおよびCNGと対比して、SNG生成物用のあまり複雑でない収容システムと解釈される。CNGは、超高圧のガスを収容するために莫大な量の高価かつ極めて重い鋼を必要とする。LNGは、極低温で完全性および機能を維持することのできる、重度に断熱した高価かつ複雑な収容システムを必要とする。LNGの−160℃の液化温度と比較して、SNGの生成温度は〜2℃ないし6℃である。高い生成温度は、要求される冷凍システムシステムの高い性能係数およびしたがって高いエネルギ効率と解釈される。SNGの欠点は、LNG(600:1)と比較して、かつCNGと対比しても(150:1対200:1)、その低い圧縮比(155:1)である。SNGの低効率圧縮または密度ファクタは、より大型かつ/または多数の船もしくは格納容器の必要性と解釈される。
【0015】
例示的実施形態の説明
概要
現行の技術で提案されているSNG輸送システムの考察
他の輸送モデルと対比してSNGの強い利点は、ガスクラスレートハイドレートのいわゆる「準安定性」である。SNGは、従来の熱力学によって予測されるよりずっと低い圧力で安定した状態を維持することができる。この特性は、グドムンソン(Gudmundsson)の米国特許第5,536,893号に初めて記載された。クラスレートハイドレートの準安定性は理論的に、大気圧および約−10℃でガスクラスレートハイドレートを大型の冷凍ガスクラスレートハイドレート・キャリアで輸送することを可能にする。クラスレートハイドレートを大気圧で移送する能力は、高圧または極低温容器と比較して容器のコストをかなり低減する。
【0016】
SNGの準安定特性に動機付けられて、SNG型ガス輸送に関する多くの先行技術が、連続流型生産プロセスに焦点を当ててきた。連続流プロセスは、大量の一定した生産量を生み出す利点を提供する。先行するSNG輸送技術の大半は、ガスハイドレートおよび水スラリの連続生産に焦点を当てている。米国特許第2,356,407号、第6,082,234号、第6,038,235号、第6,180,843号、第5,964,093号、第6,082,118号、第6,653,516号、および第6,653,516号を参照されたい。これらのシステムは一般的に、2つの間の表面接触面積を最大にすることを目的として、クラスレートハイドレート生成ガスおよび水を低温および高圧で混合することを含む。スラリ型ハイドレート生成システムは、複雑な機械類を必要とする。提案された商用システムは複雑な精製所様の構造であり、高度に訓練された技術者による常時監視および保守を必要とする。さらに、これらの提案されたスラリシステムは、摩損および閉塞を生じる傾向のある多数の可動部品および高圧シールを有する。これらの生産システムの小さい問題または故障は、システム全体の故障および運転停止を引き起こし得る。これらのスラリ型SNGシステムの大規模で複雑な性質は、LNGおよびGTLの場合と同様の欠点をもたらす。すなわち全て、大きい固定資本投資を必要とする、高価で複雑な地上ベースの不動システムである。このように、これらの手法は主として、要求される資本投資をサポートするのに充分な大きさの地上ベースのガス貯蔵庫から天然ガスを移動させる場合にのみ適しており、あるいは適するかもしれない。
【0017】
スラリ型システムは、スラリをシステム全体に混合移動させるのに大量のエネルギを必要とし、かつ詰まり、シール破断、および機器の故障を生じ易い。これらのシステムのさらなる欠点は、結果的に生じるガスハイドレート・マトリックスにおける大量の吸蔵水であり、それは結果的に生じるハイドレートスラリが低ガス圧縮率または密度を有することを意味する。これは所要容積を増大させ、SNG生成物のエネルギ密度を低下させ、それによってガス輸送および貯蔵インフラストラクチャの所要規模を増大させる。この問題を緩和するために、先行技術の一部は間隙水を除去する追加的な処理ステップに頼るが、それはシステムにさらなる複雑度を追加する。
【0018】
ガスクラスレート生成の1つの方法は、連続的プロセスでクラスレートハイドレートをSNGペレットとして生成することを含む。こうして生産されたクラスレートハイドレートの形態は、直径が約12ないし20ミリメートルの小ペレットとして現われる。別のクラスレートスラリ・プロセスもまた精製所様のインフラストラクチャに依存する。この手法では、クラスレートは連続的プロセスで、製造プラントから船または貯蔵施設までコンベアで移動させることができる非固結スラリとして生成される。これらの2つのプロセスは、SNGスラリプロセス一般に関して上述した同じ利点および欠点の多くを有するようである。それにもかかわらず、どちらの方法も、期待される商業的基礎として大規模の中ないし短距離輸送業務を目標とすることが明白である。
【0019】
先行技術に現われるスラリをベースとする連続生産手法は特定の輸送用途に適しているかもしれないが、それらは多数の重大な欠点を有しており、それが是正された場合、これらの手法を著しく改善し、それらの実用性を広げることができる。これらの現在の欠点は、顕著な保守および生産上の問題がある複雑なマルチステッププロセス、大きい固定資本投資の必要性、クラスレートハイドレートの低パッキング密度、かなりの重量(ハイドレートは水性であり、スラリはしばしば多くの非クラスレート水を含む)のローディングおよびアンローディングの必要性、個別の貯蔵システムの必要性、高価な冷熱エネルギの再使用ができないこと、大気中への顕著なガス損失の潜在的可能性を含む。
【0020】
ある最近の技術は、天然ガスハイドレート生成のバッチプロセス代替法に焦点を当てた。特にロジャーズの米国特許第6,389,820号は、連続生産手法の欠点の幾つかを
解決する潜在的可能性を持つように思われる、原位置静止ハイドレート生成システムを記載する。例えばSNGパッキング密度は、オープンな連続プロセスシステムと対比して、制御された自己完結型環境でかなり増大させることができる。加えて、1つの自己完結型容器でのガスクラスレートハイドレート生成物の生成および貯蔵は、連続スラリ生産および輸送に関連する可動部品および多数のプロセスの多くを排除することによって、クラスレートハイドレート生成および貯蔵プロセスを簡素化する。
【0021】
ガス貯蔵
ひとたび生産されてポートまたはパイプラインに給送されると、天然ガスは多種多様な最終使用者に配送されなければならない。ガスの生産および配送は比較的一定かつ連続的であるが、需要の変動は、低需要時に過剰ガスを貯蔵することを要求するので、こうして生じた過剰在庫は高需要時に引き出すことができる。歴史的に、季節的な需要のかなり大きい変動(暑い夏、寒い冬)は、ガス貯蔵の大きな問題であり、焦点であった。しかし、工業用途の増大、ますます普及するクリーナにおける天然ガスの使用、中負荷およびピーク負荷用のより効率的な発電所、ならびに特に電力価格の規制緩和は全て、天然ガスの需要のばらつきに劇的に影響を及ぼした。規制緩和された電力価格により、天然ガスの需要、電力生産のための限界フィーダストック(feeder stock)は、1日のうちに数回大幅に変動することがあり得る。その結果、天然ガスの価格は世界で、電力に次いで2番目に変動の断然大きい商品価格となり、株式市場のほぼ5倍の価格変動が生じる。したがって、ほとんどのクラスレートハイドレートの研究、および実際には、ほとんどの天然ガス研究、政治および規制当局の注目、ならびに資本投資が天然ガスの生産および市場への送出に集中してきたが、厳しい短期需要変動および価格の変動性を緩和する供給の緩衝として働くことのできる、高稼働率のマルチサイクル貯蔵に対する強力な必要性が存在する。
【0022】
従来の天然ガス貯蔵
米国における貯蔵天然ガスの大部分は、枯渇した油田およびガス田にある。これらのガス田の利点は、それらの非常に大きい貯蔵容量である。別の利点は、ガス田の開発および最終使用者へのそれらの貯蔵サービスの提供に関連するコストが比較的低いことである。枯渇ガス田貯蔵の重大な欠点は、大量のガスを短時間で抜取りまたは注入することができないことである。枯渇ガス田のさらなる欠点は、運用者の目で埋没費用を表わす、大量の「クッションガス」(圧力を生成するために注入され、商業的に回収することのできないガス)を必要とすることである。枯渇した油田およびガス田の別の欠点は、それらが地理的に米国南西部に集中しており、大半の工業、商業、および都市の需要中心地からの距離が大きすぎるので、最も長い(季節的)需要サイクル以外では、有用な緩衝機能を果たすことができないことである。
【0023】
人工の岩塩空洞は、急速な大規模の注入および抜取りを可能にする地下のガス貯蔵手段である。この天然ガス貯蔵方法は短期の需要緩衝として充分に役立ったかもしれないが、残念ながら米国の岩塩ドームもまた地理的に米国南西部に限定される。さらにそれらは、建設されるときに大量の濃縮塩水の処理を必要とするという、さらなる欠点を有する。
【0024】
米国のガスパイプラインシステムは、商業的目的地への輸送中にかなりの量のガスを含む。従来のガス貯蔵モデルの追加的問題は、米国のパイプラインシステムの固定されたキャパシティである。該システムはしばしば、ピーク需要期間中にボトルネックを経験するので、天然ガスは契約および価格決定メカニズムの両方によって配給しなければならない。さらに、新しいキャパシティを必要とする多くの領域に新しいパイプラインを建設することは、市民または規制当局の抵抗および高コストのため、実際的でない。したがって、たとえ岩塩ドームが米国の主要な都市中心部に近かったとしても、米国の天然ガスパイプラインシステムは、ピーク需要期間中に緩衝ガスを最終使用者に給送するために苦労する
ことであろう。
【0025】
従来の大規模貯蔵に代替するクラスレートハイドレート
従来の天然ガス貯蔵パラダイムは、1箇所に貯蔵される大規模(10億立方フィート以上(BCF))の天然ガスを含む。代替的な大規模の天然ガス貯蔵のための方法は、クラスレートハイドレートを利用する。クラスレートハイドレートを大規模の天然ガス貯蔵のための手段として生成して使用するための幾つかの可能な方法がある。上述したスラリ法を遠隔大規模貯蔵システムとして適合することができ、それによって天然ガスの解離およびパイプラインへの給送が必要になるまで、ペレットまたはスラリが断熱タンクまたは保持装置に格納される。そのような貯蔵モデルでは、貯蔵中の熱損失(ガスの低温の早期解離の損失)が重要な懸念になる。
【0026】
熱損失を緩和するために、ペレットは、不安定な天然ガスクラスレートハイドレート・ペレットで可能になるより低い圧力および/またはより高い温度で安定化させることができる。粒径のみによりクラスレートハイドレートを、2年もの長期間、安定させることができる。ある特定の粒径および形状の天然ガスクラスレートハイドレート(一般的に球形で、直径が0.5mmないし20mm)の場合、1気圧、−20℃で天然ガスクラスレート粒子を生成し、次いで温度を上昇させることによって安定化させることができることを示す、天然ガスクラスレートハイドレート粒子に関する研究がある。これらの粒子の温度を〜0℃に上げると、水−氷の膜が粒子に形成され、それはクラスレートを大気圧でガス化することなく貯蔵することを可能にする。ペレット生成、サイズ、および温度を最適化することによって、ハイドレート貯蔵供給の大規模貯蔵、供給、および輸送経済をめざましく改善することができる。
【0027】
0℃より高い温度でさえも追加的な安定を提供することのできる、追加的な物理化学的メカニズム、すなわち「外装(armoring)」がある。外装とは、エマルジョンのような材料をクレイ、すなわちナノペレットおよび微細に分割された酸化物粒子(MgO)で材料をコーティングすることによって、分解または変化に対抗して安定化させることのできるプロセスである。コーティング(外装材料)の働きは、クラスレートハイドレート粒子内およびそこからの蒸発および蒸気輸送を最小化するのに役立つ、不浸透性の障壁を作ることである。これは、クラスレートハイドレート粒子をより高い温度およびより低い圧力で安定させ、したがってそうしない場合に特定のクラスレートハイドレートおよびゲスト分子の特定のPVTデータによって予想されあるいは適切であるより、なおいっそう長い固体クラスレートハイドレート安定時間をもたらすことができる。1つのそのような戦略は、クラスレートハイドレートをアフロン(Aphron)で外装することを含む。標準的に使用されるアフロンは基本的に、油またはガス生成井戸内への過度の水の浸透を防止するように外装された界面活性剤である。上記のサイズ範囲(直径1.5〜20mm)の天然ガスクラスレートハイドレートの場合、アフロンによる外装は、0℃より高温でクラスレートに気密障壁を生成することができる。粘性のある炭化水素膜のような他のコーティングをアフロン外装と組み合わせて使用すると、より一層高い温度でも安定化をもたらすことができる。
【0028】
外装または他のクラスレートハイドレート安定化戦略によって可能になる大気圧(1気圧)で比較的高い温度での長期貯蔵は、限定された地下代替物が存在する領域に、季節的な大規模の供給緩衝を作成するための貴重な戦略であるかもしれない。さらに、外装または他の方法で安定化されたクラスレートペレットは、天然ガスのクラスレート輸送に重要な戦略的価値を有する。
【0029】
クラスレートハイドレートの大規模貯蔵への寒い環境の利用
クラスレート生成/生産、および貯蔵の別の重要な可能性および方法論は、クラスレー
トハイドレート生産および貯蔵システムを季節的にまたは通年寒い環境に位置付けることである。米国北部、カナダ、ロシア、および欧州には、−20℃未満の局所的温度が長期間発生する場所がある。場所を賢明に選択し、大量の外装クラスレートを生成することにより、自然の気候または季節的なエネルギ源を天然ガスまたは他のガスクラスレートハイドレートと組み合わせて使用することによって、クラスレートの生産および貯蔵のためのエネルギコストを非常に低くすることが可能であるかもしれない。
【0030】
クラスレートハイドレートに基づく炭素クリーンな燃焼サイクル
貯蔵におけるクラスレートハイドレートの別の潜在的に重要な使用は、クリーンな非汚染電力生成サイクルを生み出す、天然ガスタービン燃焼サイクルに組み込まれる2つのガスのクラスレートハイドレート貯蔵に関係する。天然ガスクラスレートハイドレートは、a)天然ガス燃料を燃焼時まで貯蔵し、b)同じクラスレート化戦略およびシステムを使用してCOを燃焼出力から分離し、c)結果的に生じたCO副産物を後で使用、販売、または隔離するために貯蔵し、こうしてクラスレートハイドレートに基づく炭素クリーンな燃焼サイクルを生成するために使用することができる。
【0031】
供給緩衝の問題に対処するクラスレートハイドレートガス貯蔵
重要なことは、上記の大規模な方法のいずれも、天然ガス産業における1つの重要な問題、すなわち比較的短期間に周期的に発生するピーク需要時の供給不足および供給途絶を効果的に緩和することのできる、効果的な供給緩衝の欠如に対処していないことである。この供給緩衝の問題は非常に大規模であるが、前述の通り、大規模の貯蔵モデルを遠隔地に配置することによって対処することはできない。さらに、現在の短期的な供給緩衝戦略は問題の解決にはとうてい不充分である。ピークガス需要が顕著であり、解決が難しい(すなわち貯蔵またはパイプラインのキャパシティにより従来緩和することができない)場合、過剰需要を満たすためにLNGまたはプロパン−空気混合気が時々使用される。LNGおよびプロパン−空気システムは高価である。プロパンは高価であり、ますます供給不足になっている。LNGを搬送するために必要な極低温タンク、ならびにLNG液化システムの複雑さおよびコストのみならず、LNGを生成するエネルギ関連コストもまた、これらのシステムを大規模なピーク需要緩衝用とするには法外に高価にしている。さらに、LNGおよびプロパン−空気システムおよび貯蔵は両方とも揮発性が高く、安全上のリスクおよび立地上の課題を提起している(規制当局および政治的抵抗)。
【0032】
ピーク需要が供給を超え、現在の緩衝戦略が不適切であることが証明されると、パイプライン運用者は価格割当ておよび機械的手順による契約上の供給の中断の両方によって、サービスのスケールドロールバック(scaled role back)を開始する。そのような極端な処置の経済的コストは、著しいものになり得る。そのような割当てまたは価格高騰が発生する頻度の増加は、これらの事象が将来にはより頻繁に発生するであろうという予測とあいまって、産業界および政府にとって大きな懸念である。米国のパイプラインシステムの意図的または自然発生的な崩壊に対する相対的脆弱性は、さらなる社会的懸念である。天然ガスの供給停止の経済的結果を防ぐために、使用地点付近に配置(すなわち分散)されたシステム全体の天然ガス供給緩衝を形成することが明らかに必要である。
【0033】
ガス貯蔵用のSNGは、上述した供給緩衝プロセスに勝る多数の利点を提供する。LNGおよびプロパン−空気システムと同様に、SNG貯蔵は本質的に局所的な地質とは無関係であり、ガス貯蔵を最終使用者の近くに配置することができる。LNG、CNG、またはプロパン−空気システムとは異なり、SNGは不揮発性(非爆発性)である。さらに、比較的低い温度(〜−10℃)でSNGは大気圧で安定しており、したがって比較的低コストで長期間貯蔵することができる。さらに、熱を加えることによって比較的迅速に天然ガスをSNGから解離することができ、したがってSNGは、予測される、あるいは予想
外の1日のうちのピーク需要状況を満たすように、天然ガスの適切な供給を可能にすることができる。さらに、SNG生産および貯蔵システムのコストは、代替システムより著しく低くすることができる。
【0034】
重要なことは、効果的な、費用効率のよい分散型緩衝解決法を生み出すために、天然ガスクラスレートハイドレートは、大型の精製所様システムに依存することなく生成することができることである。前述の通り、天然ガスクラスレートはその場で、すなわち貯蔵設備またはタンク内で生成することができる。連続プロセス技術と比較して非常に少ないが、原位置クラスレート生成の有効性を実証した目覚しい先行技術がある。エーサム(Ehsam)の米国特許第4,920,752号は、エンクロージャ内の区分化された多段階クラスレート生成装置を描いている。ロジャーズらの米国特許第6,389,820号は、2つの入口、冷却コイル、ならびに水と一緒に導入された冷却剤および添加された界面活性剤を有する、ガスクラスレートハイドレートを生成して貯蔵するためのコンテナを教示している。クラスレートハイドレート生成プロセスを天然ガスクラスレートハイドレートが貯蔵されるのと同じボディ内に配置することにより、複雑さ、大規模の生産インフラストラクチャ、および高価な外部貯蔵機構を含め、連続的プロセスの問題の多くを除去することができる。タンク内生成および貯蔵は、多数の利点、すなわち高いパッキング密度、高速生成、少ない可動部品、および運転の簡単さをもたらす。さらなるタンクおよび他の必須の内部および外部構成要素は一般的に幅広く使用されており、低コストで容易に製造される。さらなるタンクシステムは容易に移動し、保存し、積み重ねることができるので、使用地点での据付けおよび運用コストを許容できる商業レベルになるように管理することができる。これらの理由から、拡張可能であり、移動性のある原位置分散型貯蔵システムの潜在的な経済性(すなわち天然ガスの商業的利用者にとっての価値)は好ましいものである。
【0035】
要するに、クラスレートハイドレートは自然に発生し、100年以上前から知られており、集中的に研究されてきた。多くのことが知られており、ひとたびクラスレートハイドレート貯蔵が研究室を離れて、商業的世界に足を踏み入れると、さらに多くのことを知ることができる。しかし、上記に明言したクラスレートハイドレート貯蔵、大規模または分散型の工業的または商業的使用者向けの貯蔵の潜在的可能性は、全く満たされていない。工業的使用者規模の供給緩衝分散型クラスレートハイドレートシステムは存在しない。大規模のクラスレートハイドレート貯蔵は存在しない。米国の天然ガス配送システムまたは大型の産業界および発電所の最終使用者の経済的および運用上のニーズを満たすために、そのようなシステムを開発することができる。
【0036】
熱エネルギ貯蔵
近年、高温の月間は冷房用の空調の使用が確実に増大している。その結果、多くの公益事業会社が夏季の大きい電力需要を経験しており、それは彼らの発電能力に深刻な負担を課している。これらのピーク負荷は、ピーク負荷を満たすために高価なピーク発電機を要求する。さらに公益事業会社は、大部分の時間を占める低需要の期間中にこの高価な遊休発電能力を維持しなければならない。さらに、往々にして当てはまるように、暑い期間中に需要が大きい場合、ピーク発電機は高価な空気入口冷却無しに最大効率で機能することができない。今日幅広く適用されている高額なピーク生産装置への投資に対する1つの代替策は、報奨によって、電力消費をピーク需要期間からオフピーク期間にシフトすることである。別の解決策は、オフピーク期間中に貯蔵材料から熱を除去し、かつ冷却された貯蔵材料をピーク需要期間中にヒートシンクとして使用する能力を有する、ヒートポンプ熱エネルギ貯蔵(TES)である。
【0037】
ヒートポンプおよび空調システムに蓄冷を組み込む方法は開発されており、水または氷を蓄冷媒体として使用することが最も一般的である。しかし、水および氷はどちらもそれ
らの欠点を有する。水の顕熱容量を利用する蓄冷システムには、大容積の貯蔵容量が要求される。加えて、貯水システムは一般的に、効果的であるためには大きい温度範囲で動作しなければならない。貯氷システムでは、氷を冷蔵するために必要な低温、および熱交換器コイルに形成される氷の結果生じる熱交換の不利益は、空調機の性能を低減し、運転コストを増大する。水および氷に加えて、水和塩を蓄冷媒体として使用することも調査されてきた。蓄冷媒体として使用するための水性有機ハイドレートを開発する研究も行なわれてきた。
【0038】
冷水および氷型の貯蔵システムの両方に関連する問題を認識する中で、様々なクラスレートハイドレート・システムが先行技術に記載されている。米国特許第4,821,794号、第4,840,652号、第5,140,824号、第6,560,971号、および第6,640,580号を参照されたい。クラスレートハイドレート熱エネルギの貯蔵の主要な利点は、クラスレートハイドレートが水氷より高い生成温度を有することである。この高い生成温度は結果的に、より効率的な冷却動作をもたらす。クラスレートハイドレートに基づくガス輸送の場合と同様に、クラスレートハイドレートを利用する熱エネルギ戦略に関する先行技術は圧倒的に、クラスレートハイドレート・スラリの連続生産に集中している。しかし、前述の通り、これらの連続プロセスシステムは複雑であり、多くの可動部品を持ち、詰まりを起こし易く、生成プロセスに加えて別個の貯蔵戦略を必要とする。公知のクラスレートハイドレート熱エネルギ貯蔵システムのさらなる欠点は、オゾン層を破壊することが知られているハイドロフルオロカーボン(HFC)への依存性である。
【0039】
クラスレートハイドレートに基づく蓄熱の領域では、既存の冷却装置と容易に統合することのできる、機械的に単純で低保守のクラスレートハイドレートに基づく熱エネルギ貯蔵(方法/装置)が明らかに必要である。該システムは拡張可能であり、かつ容易に設置できることが好ましい。また該システムは、CO2のような環境的に優しい冷却剤の使用をも可能にする。「供給緩衝問題に対処するクラスレートハイドレートガス貯蔵」で上述した原位置システムは、拡張性、運転の簡単さ、統合の容易さ、および環境適合性の要件を満たす。
【0040】
ガス分離
2つ以上のガス成分の混合気が存在する多くの用途では、1つ以上の成分ガスをガス流から選択的に除去することがしばしば望ましい。発電、化学合成、天然ガス改質、ならびにメタンハイドレートから水素およびCOへの変換を含め、様々な工業用途で関心が高まっているのは、多成分ガス流からCOを選択的に除去することである。
【0041】
特定のガス成分を多成分ガス流から除去または分離するための様々なプロセスが開発されてきた。これらのプロセスは、極低温分別、個体吸着剤による選択的吸着、ガス吸収、および類似物を含む。ガス吸収プロセスでは、溶質ガスが液体溶媒への輸送によってガス混合物から分離される。そのようなプロセスで、液体溶媒は、分離される単数または複数の溶質ガスに対して特異的または選択的溶解度を理想的に提供する。大量の投資および研究にもかかわらず、これらのシステムは稼動するために、依然として非常に大量の熱エネルギを必要とする。
【0042】
上記技術を利用してCOを分離するために要求される高いエネルギ要件を認識する中で、幾人かの研究者は、ガス分離に対するクラスレートハイドレートの適用について調査した。クラスレートハイドレートの生成は、比較的穏やかな温度(〜0C)および圧力(20〜40バール)で達成することができる。米国特許第5,562,891号、第5,700,311号、第6,090,186号、第6,028,234号、および第6,106,595号は、COクラスレートハイドレート・スラリの生産を介して多成分ガス
流からCOを連続的に分離し、次いでそれを解離して比較的純粋なCO流を生成することを記載している。該プロセスはより完全な分離を促進するために多数の段階を介して行なうことができる。米国特許第6,602,326号は、少量の添加剤を使用して、COハイドレート生成に必要な圧力を劇的に低下することを記載している。クラスレートハイドレートに基づく天然ガス輸送システムの場合と同様に、ガス分離システムの先行技術は、提案された連続スラリ型生産システムが支配的である。これらのシステムは、比較的純粋なCOガス流を生成するために、複雑な多段階の生成および解離ステップを必要とする。そのような複雑なシステムに関連する大きいコストは、規模の経済性を達成するために大きい用途を要求し、したがって多くの本質的に小さい用途には適さない。該実施システムに関連するさらなる問題は、COが分離された後、それをいかに処理するかの疑問である。
【0043】
上記限界に基づいて、機械的に単純であり、拡張可能であり、再配置可能であり、かつ輸送可能なガス分離(方法/装置)システムを形成することが望ましい。また、貯蔵するために生成された冷熱エネルギを再使用し、かつ生成されたCOを、油回収の強化のために重油田のような益を得る使用者に輸送することも有利であろう。
【0044】
脱塩
ガスクラスレートハイドレートを脱塩のために使用する潜在的可能性は公知である。これらの提案されたシステムは概して、ガスクラスレートハイドレートが水の氷点より高い温度で生成されるという事実を利用する。米国特許第5,873,262号、および特許出願公開第2004/0029713号のような先行技術の大半は、海洋深度の氷点に近い温度の水を利用して、ハイドレート生成に必要な潜熱を提供する。これらのシステムはさらにガスクラスレートハイドレートの自然浮力を利用して、結果的に得られたクラスレートハイドレート・スラリを岸に圧送するために気泡リフト効果に依存する連続流型プロセスを生成する。比較的大量の文献および公表された小規模の現場試験にもかかわらず、発明者らの知る限り、ガスハイドレート脱塩の成功した規模の適用は存在しない。そのような連続流のスラリ型脱塩プロセスの主な困難は、結果的に得られたスラリを副産物の塩水から分離することにある。多くの点で、これは、ガス連続プロセスのクラスレートハイドレート貯蔵および輸送システムの吸蔵水および低パッキング密度の問題に類似している。そのようなシステムのさらなる欠点は、それらが冷温(〜0−4℃)の海水近くの隣接した配置に依存することである。中東のような多くの領域は、そのような自然に発生する冷水の局所的隣接資源を利用できない。
【0045】
したがって、吸蔵塩水をほとんど持たないガスクラスレートハイドレートの大きいブロックを生産する、ガスクラスレートハイドレート脱塩装置が必要である。システムは、クラスレートハイドレートの生成のために従来の高効率冷却装置および/または冷温海水の両方を使用することができることが好ましい。解離を生成するために追加される潜熱は、隣接タンクまたは連続タンクシステムでのさらなるガスクラスレートハイドレート生成のために使用されることが好ましい。システムは、クラスレートハイドレート生成のために要求される圧力を低下し、かつ要求される温度を上げるために、任意の数の促進剤を組み込むことができる。これらの添加剤は成長するハイドレート塊に取り込まれず、むしろ、除去されることが望ましい溶質(塩水)と共にクラスレートハイドレート塊が成長するにつれて、吸蔵されることが好ましい。ドデシル硫酸ナトリウムは、取り込まれることなくガスクラスレートハイドレートの生成を増強する1つのそのような添加剤である。
【0046】
そのような脱塩システムは機械的に単純であり、かつ可能な限りの柔軟性を備えることが好ましい。さらに、該システムは移動性があり、非常にわずかな努力または投資により組立てかつ運用できることが好ましい。また、過剰空調能力、天然ガスクラスレートハイドレート輸送、および不使用タービン入口冷却能力のような、他のクラスレートハイドレ
ートおよび冷熱エネルギに基づくプロセスを熱的に統合して、費用効率の高いクラスレートハイドレートに基づく脱塩に必要な冷熱エネルギを提供することができることも望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0047】
一実施では、本発明は、ガス輸送、ガス貯蔵、熱エネルギの貯蔵、ガス分離、および脱塩を含め、多種多様な機能を果たすように構成することができ、かつさらにこれらの様々な用途を相互に、または他の熱電併給用の熱的プロセスと熱的に統合することを可能にする、単純で拡張可能な低コストのクラスレートハイドレート生成および解離システムを提供する。
【0048】
したがって、本発明は一実施では、複数の標準化された相互接続クラスレートハイドレート生成および解離ユニットを利用する、改善されたクラスレートハイドレート・システムを提供する。本発明は一実施では、1つ以上のクラスレートハイドレート貯蔵アレイに構成された複数のクラスレートハイドレート・ユニットによって特徴付けられる。各クラスレートハイドレート貯蔵アレイは、単一のマスタ制御装置によって制御される3つのセルマニホルドによって接続された、1個から50個の間のクラスレートハイドレート・ユニットから構成することができる。第1マニホルドは、ハイドレート生成剤を個々のクラスレートハイドレート・ユニットに送ることができる。第2マニホルドは、クラスレートハイドレート生成および解離の特定の潜熱を個々のユニットに注入しかつそこから抜き取る手段を提供することができる。第3マニホルドは、任意の数の潜在的ガスハイドレート促進剤を含む水溶液を注入し、かつ抜き取る手段を提供することができる。
【0049】
別の実施では、本発明は、ガス輸送、ガス貯蔵、熱エネルギの貯蔵、ガス分離、および脱塩を含む様々な用途のための、容易に輸送される相互接続クラスレートハイドレート生成および解離モジュールから構成される、モジュール式の拡張可能なフレームワークを提供する。
【0050】
別の実施では、本発明は、ガスまたは熱エネルギの貯蔵容量の単位当たりの資本支出を最小化するように、可能な限り、広く使用されしたがって低コストの構成要素、製造設計、およびプロセスを利用するシステムを提供する。
【0051】
別の実施では、本発明は、クラスレートハイドレート生成プロセスの追加的または新しい改善に順応することができ、それによって、技術が進歩し続けるにつれて使用者が新しいシステムまたはアーキテクチャに投資するのを回避することを可能にする、標準化フレームワークを提供する。
【0052】
別の実施では、本発明は、熱交換器表面上のクラスレートハイドレートを阻害する熱流束の生成を防止するために、熱除去表面上の低自由表面エネルギのコーティングを提供する。
【0053】
別の実施では、本発明は、第1ガスクラスレートハイドレート・ユニットから別のガスクラスレートハイドレート・ユニットへの潜熱の伝達を可能にし、したがって第1タンクにおけるガスハイドレートの解離および第2タンクにおけるガスハイドレートの生成を可能にするように、個々のガスハイドレート・ユニットを熱的に統合する手段を提供する。
【0054】
今まで、静止原位置ハイドレート生成、貯蔵、および解離をガス輸送に適用する先行技術または公表された試みに言及はなかったようである。さらに、クラスレートハイドレート技術は、輸送船からガスハイドレートをアンロードし解離する問題に対処していない。
さらに、ガスハイドレート輸送に関する先行技術もまた、輸送船に貯蔵された大量の有用な冷熱エネルギの有利な使用または保存について記載していない。
【0055】
別の実施では、本発明は、好ましくは既存の輸送インフラストラクチャを使用して、ハイドレート媒体で天然ガスまたは他のガスまたは他の成分ガスを輸送する、安全で拡張可能な手段を提供する。
【0056】
また本発明は、一実施において、複数の標準化された相互接続クラスレートハイドレート生成および解離ユニットを利用する、船舶に基づく改善されたクラスレートハイドレート輸送システムも提供する。複数のクラスレートハイドレート・ユニットは、複数のクラスレートハイドレート貯蔵アレイに構成することができる。各クラスレートハイドレート貯蔵アレイは、単一のマスタ制御装置によって制御される3つのセルマニホルドによって接続された、1個から50個の間のクラスレートハイドレート・ユニットから構成することができる。第1マニホルドはハイドレート生成剤を個々のクラスレートハイドレート・ユニットに送ることができる。第2マニホルドは、クラスレートハイドレート生成および解離の特定の潜熱を個々のユニットに注入しかつそこから抜き取る手段を提供することができる。第3マニホルドは、任意の数の潜在的ガスハイドレート促進剤を含む水溶液を注入し、かつ抜き取る手段を提供することができる。
【0057】
別の実施では、本発明は、沖合ストランデッドガスの開発用の浮遊冷凍、生産、貯蔵、およびオフローディング(FPRSO)容器を提供する。FPRSOは、既存の浮遊、生産、貯蔵、およびオフローディング(FPSO)システムと同様に、ガス田に係留することができる。FPRSOは、結果的に得られたガスハイドレートを、ハイドレートキャリアがハイドレートのオフローディングのために近くに係留されるまで一時的に貯蔵するために、アレイに配列される複数のガスハイドレート・ユニットを含む。
【0058】
一実施では、本発明は、冷温海水を利用してクラスレートハイドレートの生成における潜熱を除去する手段を提供する。一実施では、本発明はニーズが変化するにつれて、運用者が大きい不便またはコスト無しにシステムを再配置、移動、または拡張することができるように、現地または現地近傍の天然ガス貯蔵を提供する。一実施では、本発明は、工業または発電または他の使用点またはその付近で、天然ガスまたは他の成分ガスをハイドレート媒体内に捕獲して貯蔵する、安全で、経済的で、導入し易く、管理が容易な手段を提供する。一実施では、本発明は、潜熱をタービン入口冷却コイルに伝達することによって、発電所最終使用者における貯蔵ガスに関連する潜熱の有利な使用をもたらし、それによって発電所の正味出力を増大する。一実施では、本発明は、熱エネルギの貯蔵専用のユニットのアレイに冷熱エネルギを伝達することによって、ガスクラスレートハイドレートに取り込まれた貯蔵潜熱を後で再使用するために保存する手段を提供する。
【0059】
別の実施では、本発明は、冷却装置または他の機器に著しい変更を加えることなく、既存の空調、タービン入口冷却、および他の冷却システムに統合することのできることのできる、モジュール式の拡張可能な熱エネルギ貯蔵システムを提供する。
【0060】
別の実施では、本発明は、既存の多成分ガス流生成システムに容易に統合することのできる、モジュール式の拡張可能なガス分離システムを提供する。該システムは、個別にかつ/または集合的ユニットとして動作することのできる、複数の標準化モジュール式ガスハイドレート生成および解離ユニットから構成することができる。別の実施では、本発明は、複数の相互接続されたモジュール式クラスレートハイドレート生成および解離ユニットを使用する、統合ガス分離およびガス輸送システムを提供する。別の実施では、本発明は、例えばクラスレートハイドレート生成反応装置から入口空気冷却装置に冷却入力を分流させることによってCOクラスレートハイドレート分離を使用することにより、燃焼
に基づく発電所のピーク電力出力を増強する手段を提供する。別の実施では、本発明は、天然ガスハイドレート燃料電力サイクルの入力燃料の冷熱エネルギを利用する手段を提供する。
【0061】
別の実施では、本発明は、静止クラスレートハイドレート生成および解離タンクから構成されるモジュール式脱塩システムを提供する。該脱塩システムは、利用可能な他の冷熱エネルギ源を熱電併給的に使用することができる。一実施では、本発明は、天然ガスクラスレート解離の冷熱エネルギを有利に用いて海水を脱塩する手段をも提供する。脱塩プロセスは氷またはクラスレートハイドレートのいずれかに基づくことができる。
【0062】
別の実施では、本発明は、クラスレートハイドレート貯蔵システム、特に冷凍システムおよび結果的に得られる冷熱エネルギの固有の特性を使用者のプロセスに結合して、システムの総コストが最適化され、かつそれによって生じる熱価が完全に利用されるように、貯蔵システムを使用者のプロセスの他の要素と統合することに備える。
【0063】
上記利点または特徴の1つ以上を達成するために、本発明は一実施において、クラスレートハイドレートが貯蔵媒体として使用され、クラスレートハイドレートが現在利用可能な最良の科学技術に従ってその場で生成され、設計が将来利用可能になる改善に順応することのできる、標準化されたモジュール式のクラスレートハイドレート生成および貯蔵アーキテクチャの設計に向けられる。
【0064】
モジュール式システムおよび関連システムの説明
上に概説したモジュール式ガスハイドレート・アレイシステムは、様々な目的のために多種多様な考えられる商業的構成を可能にする。ガスクラスレートハイドレート先行技術は、5つの主要なカテゴリすなわちガス貯蔵、ガス輸送、ガス分離、熱エネルギの貯蔵、および脱塩に分類することができる。
【0065】
これらのシステムは全て、クラスレートハイドレート生成に必要な潜熱を除去するために大量の熱エネルギを必要とする。熱効率はクラスレートハイドレート技術を商業化するための主要な経済的促進要素の1つであるにもかかわらず、先行技術の熱効率はほとんど注目されてこなかった。同様に、これらの様々な用途または他の熱活性システムを相乗的に有利に結合することが欠如している。例えば、ガス輸送のためのガスハイドレート生成システムに関する多数の特許にもかかわらず、ハイドレートに貯蔵された冷熱エネルギを解離中に実利のために利用することに対する言及が無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
一実施では、本発明は、ガスハイドレートのガスおよび熱エネルギ両方の貯蔵能力の有利な利用を可能にする仕方で、クラスレートハイドレート生成および解離方法を利用するシステムを提供する。
【0067】
個々のクラスレートハイドレート・タンクユニット
図1Aは、個々のクラスレートハイドレート・ユニットの一実施形態を示すブロック図である。この実施では、各ガスハイドレート・ユニットは、断熱されることが好ましいコンテナ1と、コンテナを介して領域5から領域3へ熱エネルギを伝達する手段と、ハイドレート生成化合物を注入または抜き取るための手段4と、生成および変形プロセスのみならず、貯蔵状態をも管理および監視するための手段(I/Oおよびマニホルド)7と、Hハイドレート生成剤、界面活性剤、向水性物質、活性炭等のようないずれか1つまたは多数のクラスレートハイドレート促進剤を含有するかもしれない水溶液を注入または抜き取るための手段8とを含むことができる。
【0068】
一実施では、各クラスレートハイドレート・ユニットは、ハイドレートの迅速かつ効率的な生成および解離を促進するために多種多様なセンサを含む。これらのセンサは圧力トランスデューサ、温度モニタ、および液面センサを含むことができる。制御装置および管理システムは、マニホルド入口および出口の現場または遠隔操作のためだけでなく、ハイドレートプロセスおよび状態を監視するためにも使用することができる。タンクには、タンクから操作することのできる、あるいは有線または無線で制御システムに接続されたコンピュータインタフェースを介して遠隔的に操作することのできる、制御システムを取り付けることができる。制御システムソフトウェアは、多種多様なセンサからのセンサ情報を入手し、処理し、かつタンク上の制御モジュールおよび遠隔コンピュータインタフェースの両方に報告するように設計することができる。制御システムは様々なセンサを利用して、タンクの効率的な操作に必要な情報を取得する。これらのセンサは弁およびフローセンサ、タンク内の温度センサ、出口および/または入口の圧力、温度、および水蒸気センサ、添加物または汚染物質の有無を測定するためのタンク内のケミカルセンサ、ハイドレートの状態を測定するためのビデオセンサおよび分光センサを含むことができる。
【0069】
ガスクラスレートハイドレート・コンテナは、非常に小型の例えば車両用から非常に大型の例えば海上輸送用まで、幅広いサイズにすることができる。タンクはISO標準に準拠することが好ましい。一実施では、図1Bに示す40フィートのISOタンクは、図3Aに示すトラック、図3Bに示す鉄道、荷船または船を含む既存の複合一貫輸送方法を用いて輸送することが可能である。既存のISO標準を使用するさらなる利点は、タンクを既存のコンテナ船で輸送することができることである。タンクは熱効率を確保するために断熱することができる。
【0070】
図1Bに示すように、コンテナは、タンク壁を横切る熱流束を最小化するために充分な断熱材54によって被覆された圧力容器152とすることができる。この実施では、圧力容器は、大量の重量を支持することのできる構造要素53によって両端を支持される。タンクは、作業員または計器がタンクの状態を検査することを可能にする、着脱自在のマンホールカバー52を持つことができる。
【0071】
クラスレートハイドレート生成物質、例えば天然ガスは、図1Aの一実施形態に示すように、ポート4を介してタンクから注入したり抜き取られたりする。ガス入口および出口ポートは、ガス配管システム内でのハイドレート生成を防止するために、テフロン(登録商標)のような低自由表面エネルギ物質で被覆することができる。
【0072】
熱エネルギは、一実施では1つ以上のチューブまたはコイルを含む熱交換器51を介して、3から5に伝達される。熱交換器は大きい表面積を持ち、アルミニウムのような高い熱伝導率の材料から作られることが好ましい。一実施形態では、クラスレートハイドレート溶液はドデシル硫酸ナトリウムのような両親媒性促進剤を含有する。少量の界面活性剤の添加により、ハイドレートがアルミニウムのような高自由表面エネルギの表面上に生成される。ロジャーズは、クラスレートハイドレートが実際の熱交換器表面上に生成し得るので、アルミニウム熱交換器チューブの優先的使用を記載している。しかし、成長するハイドレート層の低い熱伝導率は、熱交換器の効率を劇的に低減させ得る。したがって、好適な実施形態では、圧力容器の内張りをアルミニウムまたは鋼のような高自由表面エネルギ材から構成する一方、熱交換器はテフロン(登録商標)またはPTFEのような低自由表面エネルギコーティングで被覆する。タンクの内張りの高自由表面エネルギ材および熱交換器の低自由表面エネルギコーティングの組合せにより、クラスレートハイドレートがタンクの外側から内側に向かって環状に成長する。正味の効果として、ハイドレートが熱交換器材料上には生成されず、したがって周囲の液体との間の熱伝達が阻害されない。
【0073】
マニホルドおよびシステムのインタフェース、入力、および出力
タンクは、ガスの挿入および抜取り、水の挿入および抜取り、ハイドレート生成触媒の挿入および抜取り、ならびに原位置プロセスの監視のために標準化された入力および出力ポートを持つことができる。これらのポートは、複数のタンクを組み立てて積み重ねあるいは近接して配列することができ、そのようなタンクのアレイが単一のシステムとして働くことが可能となるように配設される。垂直または水平方向の積重ね構成に相互接続することができるように、マニホルドはタンクの一端に配置することが好ましい。
【0074】
ユニットの輸送および連結用のラックシステム
先行技術に記載されたクラスレートハイドレート生成システムの顕著な欠点は、それらが迅速に組立てまたは分解することのできない大型および/または複雑な生産インフラストラクチャから構成されることである。ロジャーズによって提案された連続生産方法およびバッチシステムは両方とも、基礎の形のかなりの現地の準備を必要とする。
【0075】
一実施では、本発明は、外部インフラストラクチャを必要とすることなく各ユニットを個別に動かすことを可能にする自己完結型構造システムを各生成および解離ユニットに統合することによって、クラスレートハイドレート生成および解離システムの組立を簡素化する。
【0076】
図1E、1F、1G、および1Hは、本発明の一実施に係るモジュール式クラスレートハイドレート・システムに関連して使用することのできる、ラックシステムの様々な態様を示す略図である。図に示すように、モジュールは、モジュールの輸送および/またはアレイのモジュールの相互接続を容易にするために、コンテナまたは容器の両端に配置されたラックシステム要素98を含むことができる。ラックシステム要素98は、各ラックシステム要素を輸送車両または第2モジュールの別のラックシステム要素に固定することを可能にする、穴99または他の特徴を含むことができる。ユニットはラックシステム内に配置するか、あるいは図3Aおよび3Bに示すように従来のトラックおよび貨車での輸送を可能にする、埋込みラックシステムを具備して構成することができる。そのようなラックシステムは、それらの固締システムが既存の標準に準拠するように、海外のタンクおよびコンテナで使用されているのと同様の機能および形状を持つことができる。ラックシステムはまた、図2B、2C、および2Dに示すように、固定的または暫定的配備で、確実なアレイ状にタンクを一体に固締するように働くこともできる。
【0077】
ガスハイドレート・タンクアレイシステム
本発明は、相互接続されたモジュール式ガスクラスレートハイドレート貯蔵ユニットのアレイを組み立てることによって、天然ガスおよび熱エネルギの拡張可能で容易に配備できる貯蔵装置を形成する方法に関する。図2Aはそのようなアレイの簡易ブロック図を示す。図2Aに示すアレイ2は、4つの個別ガスクラスレートハイドレート・ユニット1を含む。
【0078】
一実施では、アレイは、1つ以上の相互接続されたガスクラスレートハイドレート・タンク1と、標準化マニホルドシステムならびに標準化相互接続弁およびパイプシステムを介して、熱エネルギを(3と5との間で)アレイ内の個別ユニットに伝達するための手段と、標準化マニホルドシステムならびに標準化相互接続弁およびパイプシステムを介して、クラスレートハイドレート生成化合物をアレイ内の個別ユニットに注入したりそこから抜き取るための手段4と、標準化マニホルドシステムならびに標準化相互接続弁およびパイプシステムを介して、水および考えられるハイドレート促進剤を個別ユニットに注入したりそこから抜き取る手段8と、アレイシステムにおけるクラスレートハイドレート生成、貯蔵、および変形プロセスを制御するための手段7とを含むことができる。
【0079】
ガスクラスレートハイドレート・タンクアレイ2は、少なくとも1つのガスクラスレー
トハイドレート・タンクユニット1から構成することができ、商業的要求を満たすために接続することのできるユニットの数に上限は無い。
【0080】
タンクは水平または垂直方向に配設することができる。一実施形態では、個別ユニットは、図2B−2Dに示すように複数のユニットを相互に積み重ねることができるように、構造的に充分な強度とすることができる。
【0081】
一実施では、水、考えられるクラスレートハイドレート促進剤、ガス、および熱エネルギの注入および抜取りは、アレイの個別セルの相互接続をも行なうマニホルドシステムによって達成することができる。
【0082】
制御装置7は、タンクアレイシステムの自動的かつ/または遠隔的操作および管理を可能にする。そのような制御装置は、センサからの情報を収集して表示し、システムを監視して動作異常について警報を発し、各タンクの弁および入口の遠隔制御を可能にして、システム全体が整合的な全体または集合として動作することができるように、全システムを効率的かつ安全に管理できるコンピューティングおよび電子コンポーネントから構成される。一実施形態では、個別タンクの制御装置は、マスタまたはスレーブ制御装置として動作する能力を持つことができる。スレーブモードは、制御装置にセンサ情報および動作制御をマスタ制御装置に転送させる。マスタモードでは、制御装置は1つ以上のスレーブの状態について報告し、それを制御する。別の実施形態では、マスタ制御装置の機能はさらに、例えば発電所の稼動のシステム管理領域に配置されて無線または有線接続によって貯蔵アレイに接続することのできる、遠隔コンピュータインタフェース制御装置に統合される。
【0083】
冷熱エネルギを利用しないガス貯蔵
電力市場の規制緩和に関連し、部分的にそれによって発生した天然ガス価格の高まる変動率は、天然ガス燃焼発電所がより低価格のオフピーク天然ガスを購入する機会を生じさせる結果となった。これは、電力の需要が高くない深夜または週末に発生し得る。
【0084】
図4は、ガスクラスレートハイドレート貯蔵アレイ概念の実施形態を示す。冷凍システムは、圧縮器31、水冷凝縮器25、およびクラスレートハイドレート貯蔵アレイ2からポート3および5を介して潜熱を除去するために使用されるスロットル弁32から構成することができる。パイプライン4からのオフピーク天然ガスは同時に、弁91を介してクラスレートハイドレート・アレイに注入することができる。ガスは、発電所から熱交換器76を介して制御弁92および93に廃熱を供給することによって解離させることができる。
【0085】
そのようなシステムのさらなる利点は、パイプラインが給送するように設計されるより大量のガスを発電所に供給する能力である。これは、パイプラインだけでなく、クラスレートハイドレート貯蔵アレイからもガスを発電所に同時に供給することによって達成することができる。
【0086】
統合熱エネルギ貯蔵装置を備えた発電所のガス貯蔵装置
図4に示す単純ガス貯蔵システムには2つの主要な欠点がある。そのようなシステムの第1の欠点は、高価で複雑な冷凍機器の非効率な使用である。冷凍システムの経済性は主に、それが利用される時間の量によって決定される。単純なガス貯蔵の場合、冷凍システムは長時間遊休状態に維持される。図4に示すシステムの第2の問題点は、発電所からの廃熱を利用してクラスレートハイドレートを解離させ、貯蔵ガスを放出させるときに、クラスレートハイドレートに貯蔵された冷熱エネルギが周囲環境に消失することである。
【0087】
より効率的で経済的なシステムは、冷凍システム自体、およびハイドレートに貯蔵された大量の冷熱エネルギを有利に利用する。図5Bは、結合されたガス貯蔵アレイおよびタービン入口冷却システムを示す。ガスタービンの主要な動作上の欠点の1つは、それらの電力出力が入口空気の温度に反比例することである。この理由のため、暑い天候の傾向がある領域に配置された多くの発電所は、タービン入口空気冷却(TIAC)システムを利用する。様々なTIACシステムの広範な研究から、熱エネルギの貯蔵と結合された機械的蒸気冷凍システムが、大部分のガスタービン発電所に適用するための最も効率的な技術であることが判明した。興味深いことに、TIACシステムは、図4のガスクラスレートハイドレート貯蔵システムと同じ主要な欠点、すなわち高温期間中にタービン入口冷却がたまに必要になるだけであることによる冷凍システムの非効率な利用を免れない。TIACシステムが75%超の時間に遊休状態に維持されることは珍しくない。共通冷凍システムを利用してガスクラスレートハイドレート貯蔵アレイをタービン入口冷却システムと統合することによって、冷凍システムの全体的利用率をかなり高めることができる。
【0088】
該システムは、優勢な市場および温度の状態に応じて、タービン入口冷却モード、ガス貯蔵モード、およびガス解離モードを含め、様々なモードで動作することができる。
【0089】
温暖な気候中、または電力出力の増加が要求されるときに、システムはタービン入口冷却モードで動作することができ、そこで圧縮器31、冷却塔29、スロットル弁32、および蒸発器26から構成された冷凍システムは、タービン71の入口空気Cを冷却するために使用できる。
【0090】
優勢な天然ガス価格が低いときに、システムはガス貯蔵モードで動作することができ、そこで冷凍システムは、ガスクラスレートハイドレート貯蔵アレイを充填するために使用することができる。これは、圧縮冷媒20を空冷凝縮器29に通過させ、次いでスロットル弁32を介して加圧冷媒の流れを絞ることによって達成される。冷媒は次いで管路19を通過し、管路5を介して貯蔵アレイ2に送られる。過熱された蒸気は次いで管路10を介して圧縮器に戻される。
【0091】
優勢な天然ガス価格が高いとき、またはパイプラインが不通のときに、システムはガス放出/解離モードで動作することができ、そこでクラスレートハイドレート貯蔵アレイをヒートポンプの凝縮器として使用し、かつタービン入口冷却コイルを凝縮器として使用することによって、貯蔵アレイ2からガスを抜き取ることができる。この構成では、圧縮器31からの過熱流体は、管路18および5を介して貯蔵アレイ2を通過することができる。過熱された冷媒は貯蔵アレイ2内のハイドレートを加熱して解離させ、それによってガスをタービン71に供給する。貯蔵アレイ内のクラスレートハイドレートに貯蔵された冷熱エネルギは基本的に冷媒(の冷却のため)に伝達され、それは管路16および15を介してシステムに戻る。飽和冷媒は次いでスロットル弁32を通過して、タービン冷却コイル26内に入ることができる。冷媒は次いで管路12および11を介して圧縮器に戻ることができる。
【0092】
一般的に、TIACは、高温および高電力需要の両方に同時に直面する夏季月間に必要になる。他方、ガス貯蔵は、住居および商業用暖房の必要性のためガス需要が強い冬季月間に最も頻繁に必要になる。この事実は、統合システムの冷却装置をより効率的に使用することを可能にする。ガスを解離しなければならず、かつタービン入口冷却の必要性が無い場合、タービン排気から熱を蒸気または他の熱伝達流体の形で抽出して、タンク内のハイドレートを解離させることができる。
【0093】
ガスおよび熱エネルギ伝達
1つのガスクラスレートハイドレート貯蔵アレイから別のそれに熱エネルギおよび/ま
たはガスを伝達することが有利である用途は多数存在する。この一例として、クラスレートハイドレート船から陸上貯蔵装置へのガスおよび熱エネルギの伝達がある。先行技術は、クラスレートハイドレートをスラリまたはペレットとしてアンロードする(三菱、三井)か、あるいは容器自体の中でクラスレートハイドレートを解離する(グドムンソン)かのいずれかである。
【0094】
図7は、ガスハイドレート貯蔵アレイ121から別のガスハイドレート貯蔵アレイ122へのガスおよび潜熱の両方の移送を示す。潜熱エネルギは、ガスを移送しなければならないときに再使用することができる。熱エネルギが再使用されるメカニズムは、クラスレート収容ユニットから除去された冷熱エネルギが受取りユニットに最大限伝達され、受取りユニットで、クラスレート収容ユニットから解離されたガスにより、新しいクラスレートが生成されるように構成された、クラスレート収容ユニットおよび受取りユニットの熱伝達システム間の相互接続である。
【0095】
本発明の一実施形態では、アレイ121内のクラスレートハイドレートは、122内のそれより高い生成温度を有する。これは、界面活性剤、向水性物質、またはHハイドレート促進剤を含め、様々な添加剤を添加することによって達成することができる。解離されるアレイ内のより高い生成温度は、より小型の圧縮器およびポンプの使用を可能にする。
【0096】
特定の用途では、1つのガス流を形成し、かつ同時に第2ガス流を貯蔵することが望ましいかもしれない。1つのそのような用途として、燃焼プロセス用の天然ガスの生産、ならびに結果的に生じる二酸化炭素の同時捕獲および貯蔵がある。図8は、同時に実行される第1クラスレートハイドレート貯蔵アレイ125からの天然ガス流138の放出および第2クラスレートハイドレート貯蔵アレイ136の二酸化炭素ガス流139の貯蔵を示す。同時の貯蔵アレイ125内の天然ガスクラスレートの解離および貯蔵アレイ136における二酸化炭素クラスレートの生成は、2つのアレイの間にヒートポンプを形成し、そこで貯蔵アレイ125が凝縮器として挙動し、貯蔵アレイ136が蒸発器として挙動することによって達成される。ヒートポンプ作動流体は圧縮器31を通過し、貯蔵アレイ125内の天然ガスクラスレートの解離によって冷却され、弁32を通して絞られ、その後、貯蔵アレイ136における二酸化炭素クラスレートハイドレートの生成によって加熱される。
【0097】
統合ガスクラスレートハイドレート・サプライチェーン
先行技術に記載された連続的ガスクラスレートハイドレート生成および輸送システムは、多数の欠点を有する。それらの中でも主たるものは、多段階処理および多数の可動部品を含む連続的クラスレートハイドレート生産スキームの固有の複雑さである。これらの属性は、そのようなシステムを、規模の経済性を充分に達成することのできる大規模の陸上用途に適用可能にする。本発明は、より小規模で、重要なことに天然ガスの沖合回収および輸送を可能にする。一実施では、本発明は、エネルギ効率のよいクラスレート生成プロセスによって、沖合生産地帯から輸送船へのガスのローディングおよび船積みを可能にする。クラスレートの生成中に生じる熱エネルギは、ガスを荷船上の貯蔵装置から船に、あるいは船から陸上ターミナルに移送しなければならないときに、再使用することができる。熱エネルギが保存されるメカニズムは、クラスレート収容ユニットから除去された冷熱エネルギが受取りユニットに最大限移送され、受取りユニットで、クラスレート収容ユニットから解離されたガスにより新しいクラスレートが生成されるように構成された、クラスレート収容ユニットおよび受取りユニットの熱伝達システム間の相互接続である。図9は、クラスレートハイドレートを利用し、水冷冷凍システム25とオンボード暫定クラスレートハイドレート貯蔵アレイ202とを備えた浮遊冷凍、貯蔵、生産、およびオフローディング容器(FRSPO)126、ガス貯蔵アレイ302とタービン入口冷却システム136とローカルガス配送インフラストラクチャに過剰ガスまたは必要なガスを供給する
手段4とから構成された複合発電所および受取りターミナル128、ならびにガスクラスレートハイドレート・アレイを含むクラスレートハイドレート船129を含む、統合天然ガスサプライチェーンの一実施形態を示す。
【0098】
したがって、本発明を特定の実施形態に関連して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の実施形態が可能である。本発明の他の実施形態は、当業者には明白であろう。したがって、本書に記載する発明は、上述した実施形態に限定されないことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1A】クラスレートハイドレート・タンクユニットの一実施形態のブロック図である。
【図1B】タンクユニットの一実施形態の略側面断面図である。
【図1C】タンクユニットの一実施形態の略端面図である。
【図1D】タンクユニットの一実施形態の略端面図である。
【図1E】本発明の一つの実施に係るモジュール式クラスレートハイドレート・システムに関連して使用することのできるラックシステムの様々な態様の1つを示す略図である。
【図1F】本発明の一つの実施に係るモジュール式クラスレートハイドレート・システムに関連して使用することのできるラックシステムの様々な態様の1つを示す略図である。
【図1G】本発明の一つの実施に係るモジュール式クラスレートハイドレート・システムに関連して使用することのできるラックシステムの様々な態様の1つを示す略図である。
【図1H】本発明の一つの実施に係るモジュール式クラスレートハイドレート・システムに関連して使用することのできるラックシステムの様々な態様の1つを示す略図である。
【図2A】クラスレートハイドレート・ユニットアレイシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2B】一実施形態に係るクラスレートハイドレート・アレイ内のクラスレートハイドレート・ユニットの配列の略側面断面図である。
【図2C】クラスレートハイドレート・アレイ配列の一実施形態の略端面図である。
【図2D】クラスレートハイドレート・アレイ配列の一実施形態の略端面図である。
【図3A】トラクタトレーラ上のクラスレートハイドレート・ユニットの一実施形態を示す略図である。
【図3B】1組の貨車上のクラスレートハイドレート・ユニットアレイの一実施形態を示す略図である。
【図4】ハイドレート解離に発電サイクルの廃熱を利用する、ガスタービン発電所におけるガス貯蔵用のクラスレートハイドレート・ユニットアレイの一実施形態を示す略図である。
【図5A】クラスレートハイドレート・ユニットアレイを使用してガス貯蔵用途および冷熱エネルギ用途を統合する一般的方法を示す略図である。
【図5B】ハイドレート解離にタービン入口空気冷却を利用する、ガスタービン発電所用のクラスレートハイドレート貯蔵アレイの一実施形態の略図である。
【図6A】クラスレートハイドレート・ユニットアレイを使用してガス貯蔵用途、熱エネルギの貯蔵システム、および冷熱エネルギ用途を統合する一般的方法を示す略図である。
【図6B】解離の潜熱をタービン入口冷却コイルに伝達するか、あるいは後で使用するために熱エネルギ貯蔵システムに伝達するかのいずれかによって、ガスをガスタービンに供給することを可能にする、クラスレートハイドレート・ユニットアレイの一実施形態の略図である。
【図7】1つのクラスレートハイドレート・アレイの解離によって単一ガス流が生成され、その後それが、第1クラスレートハイドレート・アレイから第2クラスレートハイドレート・アレイに熱エネルギを伝達することによって、第2クラスレートハイドレート・アレイに貯蔵される、ガスおよび熱エネルギ伝達システムの一実施形態を示す略図である。
【図8】1つのクラスレートハイドレート・アレイの解離によって1つのガス流が生成され、第1アレイの潜熱を第2アレイに伝達することによって第2ガス流が第2クラスレートハイドレート・アレイに貯蔵される、ガスおよび熱エネルギ伝達システムの一実施形態を示す略図である。
【図9】タービン入口冷却に冷熱エネルギを利用し、ピークに達する用途にオンショアガス貯蔵を利用する、海上ガスハイドレート輸送システムの一実施形態を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラスレートハイドレート生成および解離モジュールであって、
コンテナと、
前記コンテナ内の物質を加熱または冷却するための熱交換器と、
ハイドレート生成物質を注入または抜き取るための1つ以上のポートと、
水溶液を注入または抜き取るための1つ以上のポートと、
前記コンテナ内のクラスレートハイドレート生成および解離プロセスを管理および監視するための制御システムと、
前記モジュールを少なくとも第2のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールまたは複合一貫キャリアシステムと相互接続することを可能にする、前記コンテナに取り付けられた1つ以上の構造的ラックシステム要素(53)と、
を備えたモジュール。
【請求項2】
前記コンテナが断熱されている、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記ハイドレート生成物質が天然ガスである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
前記コンテナの内張りが高自由表面エネルギの材料を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項5】
前記水溶液が1つ以上のクラスレートハイドレート促進剤を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項6】
前記熱交換器が前記コンテナ内に延在する1つ以上の管を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項7】
前記熱交換器が低自由表面エネルギの外層を含む、請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
前記熱交換器が低自由表面エネルギの外層を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項9】
全てのポートが前記コンテナの一端に配設される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項10】
前記1つ以上の構造的ラックシステム要素が、2つ以上のモジュールの垂直または水平方向の積重ねまたは相互接続を可能にする、請求項1に記載のモジュール。
【請求項11】
前記1つ以上の構造的ラックシステム要素が1つ以上のモジュールを一体に固締するために固締システムを含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項12】
前記コンテナ内に圧力容器がある、請求項1に記載のモジュール。
【請求項13】
前記複合一貫キャリアシステムがトラック、船、荷船、および貨車の1つ以上を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項14】
前記熱交換器が前記コンテナ内に配設され、疎水性層を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項15】
前記熱交換器が1つ以上の管ならびに入口および出口ポートを含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項16】
前記制御システムに動作可能に結合されて、クラスレートハイドレート生成または解離の1つ以上の属性を監視する、1つ以上のセンサをさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項17】
アレイの1つ以上のモジュールのコヒーレントなシステムとしての動作を可能にする1つ以上のセンサ、弁、バリューアクチュエータ、ならびに他の電子および機械システムをさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項18】
前記制御システムが、2つ以上の相互接続されたクラスレートハイドレート生成および解離モジュールの相互動作を管理するように適合された論理をさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項19】
複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールの各々が、
コンテナと、
前記コンテナ内の物質を加熱または冷却するための熱交換器と、
ハイドレート生成物質を注入または抜き取るための第1ポートと、
水溶液を注入または抜き取るための第2ポートと、
を含む、複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
前記複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールのうちの2つ以上のモジュールの前記第1ポートに接続された第1マニホルドと、
前記複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールのうちの2つ以上のモジュールの前記第2ポートに接続された第2マニホルドと、
前記複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールのうちの2つ以上のモジュールのクラスレートハイドレート生成および解離プロセスを調整し、管理し、かつ監視するための制御システムと、
を備えた、クラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項20】
前記複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールのうちの2つ以上のモジュールの前記熱交換器を並列に相互接続する第3マニホルドをさらに備えた、
請求項19に記載のクラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項21】
前記複数のモジュールのうちの2つ以上のモジュールの前記熱交換器が直列に接続された、請求項19に記載のクラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項22】
前記複数のモジュールのうちの2つ以上のモジュールの前記熱交換器が並列に接続された、請求項19に記載のクラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項23】
前記複数のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールの各モジュールに取り付けられた制御システムをさらに備えた、請求項19に記載のクラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項24】
前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの1つのモジュールの選択された制御システムが、他のモジュールの制御システムを制御するように動作可能なマスタ制御ユニットとして構成される、請求項19に記載のクラスレートハイドレート・モジュールアレイシステム。
【請求項25】
入口ポートおよび出口ポートを含みクラスレートハイドレートの解離中に冷熱エネルギを生成するように動作可能な熱交換器を含むクラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
冷熱エネルギ消費システムと、
クラスレートハイドレートの解離中に生成される冷熱エネルギを前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールから前記冷熱エネルギ消費システムに伝達するための手段と、
を備えた、クラスレートハイドレート生成および解離プロセスの熱的統合を促進するシステム。
【請求項26】
前記冷熱エネルギ消費システムによって生成された熱エネルギを前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに伝達するための手段をさらに備えた、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記冷熱エネルギ消費システムが熱エネルギ貯蔵システムである、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記冷熱エネルギ消費システムがHVAC冷却システムまたはタービン入口冷却システムの1つを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記冷熱エネルギ消費システムが極低温ガス分離システムを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記冷熱エネルギ消費システムが脱塩システムを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記脱塩システムが水溶液の共融点に依存する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記冷熱エネルギシステムが熱エネルギ貯蔵システムを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器を含む第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器を含む少なくとも第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
前記第1および少なくとも第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールのそれぞれの熱交換器を相互接続する流体回路と、
前記流体回路内に配設されて前記流体回路中に流体を圧送するポンプと、
を備え、
解離モードで動作時に前記流体が前記第1解離ハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器を通過するときに冷却され、
生成モードで動作時に、前記第1解離モジュールから冷却された前記流体が、前記第2解離モジュールの前記熱交換器を通過するときに加熱される、
2つ以上のクラスレートハイドレート生成および解離プロセスの熱的統合を促進するシステム。
【請求項34】
前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールが、前記解離モード中にガスを放出するための出口ポートを含む第1コンテナを含み、前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールが、前記生成モード中にガスを注入するための入口ポートを含む第2コンテナを含み、前記出口および入口ポートを接続する管路を備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールが、前記解離モード中にガスを放出するための出口ポートを含む第1コンテナを含み、前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールが、前記生成モード中にガスを注入するための入口ポ
ートを含む第2コンテナを含み、前記出口ポートがガス消費システムに接続され、前記入口ポートがガス供給システムに接続された、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記ガス消費システムがガス燃焼システムであり、前記ガス供給システムが前記ガス燃焼システムである、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1モジュールが前記ガス燃焼システムの燃焼プロセスで使用される第1ガスを解離し、前記第2モジュールが前記燃焼プロセスの結果発生する第2ガスのクラスレートハイドレートを生成する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記第1ガスがメタンを含有する混合気を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第2ガスが少なくとも1成分が二酸化炭素である混合気を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールとを相互接続する、1つ以上のマニホルドをさらに備えた、請求項33に記載のシステム。
【請求項41】
入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器を含むクラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
凝縮器と、
蒸発器と、
圧縮器と、
前記凝縮器、前記蒸発器、前記圧縮器、および前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器を相互接続する複数の流体管路と、
前記流体管路の間で流れを分流させて、前記凝縮器、前記蒸発器、前記圧縮器、および前記熱交換器のうちの選択されたものを含む1つ以上の流体回路を形成するように選択的に構成可能な1つ以上の弁と、
を備えた、クラスレートハイドレート生成および解離プロセスの外部システムとの熱的統合を促進する装置。
【請求項42】
ガス貯蔵モード時に、前記弁が、前記凝縮器、前記熱交換器、および前記圧縮器の間で流体回路を形成して、前記凝縮器によって冷却された冷媒を前記熱交換器に通過させるように提供するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
ガス解離モード時に、前記弁が、前記蒸発器、前記圧縮器、および前記熱交換器の間で流体回路を形成して、前記蒸発器によって加熱された冷媒を前記熱交換器に通過させ、かつ前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールにおける解離プロセスから生じた冷熱エネルギ伝達によって冷却された冷媒を前記蒸発器に通過させるように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
冷却モード時に、バリューは前記凝縮器、前記蒸発器、および前記圧縮器を含む流体回路を形成するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記凝縮器、前記蒸発器、前記圧縮器、および前記複数の流体管路の少なくとも幾つかが、タービン入口冷却システムの一部である、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器を含む第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、
前記クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールとを相互接続する1つ以上のマニホルドと、
をさらに備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記蒸発器が空調システムである、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
入口ポートおよび出口ポートを含む第1熱交換器と入口ポートおよび出口ポートを含む第1コンテナとを備えた第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、入口ポートおよび出口ポートを含む第2熱交換器と入口ポートおよび出口ポートを含む第2コンテナとを備えた第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールとを備えたシステムにおいて、
第1および第2ガス成分を含む第1ガス流を処理する方法であって、前記第1ガス成分が第1閾温度でクラスレートハイドレートを生成し、前記第2ガス成分が前記第1閾温度より低い第2閾温度でクラスレートハイドレートを生成し、
前記第1コンテナを前記第2閾温度より高くかつ前記第1閾温度に等しいかより低い第3温度に冷却するステップと、
第1ガス流を前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに通過させて、前記第1ガス成分を含むクラスレートハイドレートを前記第1コンテナ内に生成させるステップと、
前記第1ガス流を前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに通過させて、前記第1ガス成分を含むクラスレートハイドレートを前記第2コンテナ内に生成させるステップと、
前記第2の通過ステップ中に、前記第1コンテナ内に生成された前記クラスレートハイドレートに貯蔵された冷熱エネルギを、前記第1コンテナ内の前記クラスレートハイドレートが解離するときに、前記第2コンテナに伝達するステップと、
を含む方法。
【請求項49】
任意選択的に、前記第2コンテナを前記第3温度まで冷却させるために必要に応じて、外部で冷却された冷媒を前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記第2熱交換器に通過させるステップ、
をさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
解離された第1ガス成分を前記第1コンテナから放出するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器と入口ポートおよび出口ポートを含むコンテナとを備えた第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールと、入口ポートおよび出口ポートを含む熱交換器と入口ポートおよび出口ポートを含むコンテナとを備えた第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールとを備えたシステムにおいて、
第1閾温度でクラスレートハイドレートを生成する第1ガス成分および前記第1閾温度より低い第2閾温度でクラスレートハイドレートを生成する第2ガス成分を含む第1ガス流を前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナに接続するステップと、
前記第2閾温度より高く、前記第1閾温度より低いか等しい第3温度の冷却された冷媒を、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器に前記入口ポートを介して循環させて、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナ内に、前記第1ガス成分を含むクラスレートハイドレートを生成させるステップと、
前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの熱交換器の前記出口ポ
ートを前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器の前記入口ポートに接続するステップと、
前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの熱交換器の前記出口ポートを前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器の前記入口ポートに接続して流体回路を形成するステップと、
前記第1および第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器中に冷媒を循環させて、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに貯蔵された冷熱エネルギを前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに伝達させるステップと、
前記第1ガス流を前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナに分流させて、前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナ内に前記第1ガス成分を含むクラスレートハイドレートを生成させるステップと、
前記第1および第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナの前記それぞれの出口ポートから、前記第1ガス流と比較してより高い濃度の前記第2ガス成分を有する第2ガス流を受け取るステップと、
を含む方法。
【請求項52】
第1の分流ステップ中に、前記第1ガス成分が解離されて、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナの前記出口ポートから排出される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1ガス流を前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記第1コンテナに分流させて、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナ内に前記第1ガス成分を含むクラスレートハイドレートを生成させるステップをさらに含み、前記第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記コンテナに貯蔵された冷熱エネルギが、前記第1クラスレートハイドレート生成および解離モジュールに伝達される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記循環ステップ中に、前記第1および第2クラスレートハイドレート生成および解離モジュールの前記熱交換器を含む前記流体回路に冷却された冷媒を添加するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
1つ以上のハイドレート生成、貯蔵、および解離タンクのアレイを含むクラスレートハイドレート輸送車両と、
ハイドレート生成ガスをハイドレート生成圧力まで加圧するための手段と、
前記ガス輸送車両から生成の潜熱を除去するための手段と、
を含むガスローディングシステムと、
を備えたガス輸送システム。
【請求項56】
前記ガス輸送車両内でクラスレートハイドレートを加熱してガスハイドレートを解離させるための手段と、
前記解離したガスを前記クラスレートハイドレート輸送車両から除去するための手段と、
を含むガスオフローディング/ガス化システム
をさらに備えた、請求項55に記載のガス輸送システム。
【請求項57】
潜熱を除去するための前記手段が直接蒸気冷凍システムを含む、請求項55に記載のガス輸送システム。
【請求項58】
前記直接蒸気冷凍機が空気によって冷却される、請求項57に記載のガス輸送システム。
【請求項59】
前記直接蒸気冷凍機が海水によって冷却される、請求項57に記載のガス輸送システム。
【請求項60】
潜熱を除去するための前記手段が2次冷媒を含む、請求項55に記載のガス輸送システム。
【請求項61】
解離動作中に潜熱エネルギが前記クラスレートハイドレート容器から抽出される、請求項55に記載のガス輸送システム。
【請求項62】
前記クラスレートハイドレート輸送車両がトラック、船、荷船、および/または貨車のうちの1つを含む、請求項55に記載のガス輸送システム。
【請求項63】
水冷冷凍システムと、
オンボードクラスレートハイドレート貯蔵アレイと、
を含む浮遊冷凍、貯蔵、生産、およびオフローディング容器と、
1つ以上のクラスレートハイドレート生成および解離モジュールを含む容器と、
ガス貯蔵アレイと、
タービン入口冷却システムと、
ガスをローカルガス分配インフラストラクチャに供給するための手段と、
を含む複合発電所兼受取ターミナルと、
を備えた統合ガス供給システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate

【図1G】
image rotate

【図1H】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図6A】
image rotate


【公表番号】特表2008−546971(P2008−546971A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519461(P2008−519461)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/024850
【国際公開番号】WO2007/002608
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507422530)ソリッド・ガス・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】SOLID GAS TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】