説明

クラミジア抗原およびその使用

新規のクラミジア抗原、該抗原をコードする核酸、ならびに該抗原を包含する免疫原性組成物が開示される。該抗原を用いて免疫反応(例えば、T細胞媒介性免疫反応、および/またはB細胞媒介性免疫反応)を誘発する方法であって、該新規の抗原のうちの1または複数を包含する免疫原性組成物を投与するステップを含む方法を用いて、クラミジアを介する疾患を予防および/または治療することができる。一局面において、免疫原性組成物が提供され、この免疫原性組成物は、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される単離クラミジア抗原を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2008年12月7日に出願された米国仮特許出願第61/138,261号と同時係属であり、少なくとも1名の共通の発明者と共有され、かつ上記仮出願への優先権を主張する。上記仮出願の全体の内容は、参考として本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
Chlamydia trachomatisは、地球規模の大きな公衆衛生問題であり、他のいずれの病原菌より多くの性感染症の症例を引き起こしている。C.trachomatisは、偏性細胞内細菌である。感染は、尿道炎、子宮頚管炎、咽頭炎、直腸炎、精巣上体炎、および前立腺炎など、各種の疾患状態を引き起こし得る。クラミジア感染を治療せずに置くと、骨盤内炎症性疾患を引き起こす場合があり、これは、子宮外妊娠、不妊、および慢性骨盤痛をもたらし得る。妊娠中の感染は、自然流産、早期分娩、早期破水、低出生体重、ならびにトラコーマおよび肺合併症を随伴する新生児感染など、重度の合併症と関連している(非特許文献1)。トラコーマ、あるいは瞼と角膜表面との間における結膜炎は、クラミジア感染により引き起こされる主要な疾患状態である。眼感染は、予防可能な失明の主要な原因である。ヒトにおけるC.trachomatisの病理学的影響は、重大な社会経済的負荷である他、先進国および新興国の両方において生じ続ける公衆衛生上の懸念である。米国だけで、毎年推定400万〜500万例の新たなクラミジア感染症例が生じている。骨盤内炎症性疾患を治療する年間費用は、100億米国ドルという高額であり得る。新興国におけるC.trachomatis感染の有病率は90%を超え、推定5億人が高い感染危険性を示す(World Health Organization、Sexually Transmitted Diseases、2008年)。全世界規模のクラミジア感染を抑制するのに有効な免疫原性ワクチンが火急に必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Navarroら、Can. J. Inf. Dis.(2002年)13巻(3号):195〜207頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、哺乳動物において抗原特異的な免疫反応を誘発する、Chlamydia trachomatisに由来する新規の抗原の発見を包含する。このような新規の抗原、および/または該抗原をコードする核酸を、免疫原性組成物中に組み込んで投与し、免疫反応を誘発する、例えば、クラミジア感染に対する防御、ならびにクラミジア生物により引き起こされる疾患に対する防御をもたらすことができる。このような新規の抗原、および/または新規抗原に対する反応を検出して、クラミジア生物に対する免疫反応を同定する、かつ/または特徴づけることができる。
【0005】
したがって、一態様において、本発明は、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される単離クラミジア抗原を含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を提供する。一部の実施形態では、クラミジア抗原が、全長クラミジアポリペプチドを含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原が、シグナル配列および/または膜貫通ドメインを欠くクラミジアポリペプチドを含む。
【0006】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT209ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、CT209ポリペプチド配列のうちの8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、配列番号1に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を含む。
【0007】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT253ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、CT253ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、配列番号3に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸を含む。
【0008】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT425ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、CT425ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、配列番号5に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸を含む。
【0009】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT497ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、CT497ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、配列番号7に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸を含む。
【0010】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT843ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、CT843ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、配列番号9に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸を含む。
【0011】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、2つ以上の単離クラミジア抗原を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの2つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの3つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの4つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原を含む。
【0012】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、2つ以上の単離クラミジア抗原を含み、該2つ以上の単離クラミジア抗原が、(a)CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択される第1のクラミジア抗原と;(b)第2のクラミジア抗原とを含む。一部の実施形態では、第2のクラミジア抗原が、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、CT823ポリペプチド抗原、CT812ポリペプチド抗原、CT681ポリペプチド抗原、CT858ポリペプチド抗原、CT713ポリペプチド抗原、OMP85ポリペプチド抗原、CT315ポリペプチド抗原、CT316ポリペプチド抗原、CT737ポリペプチド抗原、およびCT674ポリペプチド抗原から選択される1または複数の抗原を含む。
【0013】
一部の実施形態では、クラミジア抗原が、異種ポリペプチド(例えば、エピトープタグ)へと融合される。
【0014】
一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物が、薬学的に許容される賦形剤を包含する。
【0015】
一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物が、アジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ミネラル含有アジュバントを包含する。一部の実施形態では、ミネラル含有アジュバントが、水酸化アルミニウムを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、免疫調節オリゴヌクレオチドを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、油性エマルジョンを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、サポニンを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、免疫刺激複合体(ISCOM)を含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ウイルス様粒子(VLP)を包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、レプリコンを包含する。
【0016】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、Chlamydia trachomatisに対して免疫反応を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、クラミジア抗原に対してT細胞媒介性免疫反応(例えば、CD4 T細胞媒介性免疫反応および/またはCD8 T細胞媒介性免疫反応)を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、Th1 T細胞反応を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、抗体反応(例えば、IgG反応、および/またはIgA反応)を誘発する。
【0017】
別の態様において、本発明は、哺乳動物内のクラミジアに対して免疫反応を誘発する方法を提供する。該方法は、例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される単離クラミジア抗原を含む免疫原性組成物、例えば、本明細書で説明される免疫原性組成物を、該哺乳動物に投与するステップを包含する。
【0018】
一部の実施形態では、方法が、Chlamydia trachomatisに対して免疫反応を誘発する。一部の実施形態では、方法が、クラミジア抗原に対してT細胞反応(例えば、CD4 T細胞媒介性免疫反応および/またはCD8 T細胞媒介性免疫反応)を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、Th1 T細胞反応を誘発する。一部の実施形態では、方法が、抗原特異的T細胞によるIFN−γの分泌を誘発する。一部の実施形態では、方法が、抗体反応(例えば、IgG反応、および/またはIgA反応)を誘発する。
【0019】
一部の実施形態では、方法が、組成物を投与された対象におけるクラミジア感染の発生を低減する。一部の実施形態では、方法が、クラミジア生物による下部尿生殖路感染の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法が、クラミジア生物による上部尿生殖路感染の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法が、クラミジア生物による慢性感染の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法が、クラミジア感染に起因する骨盤内炎症性疾患に罹患する可能性を低下させる。
【0020】
方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、少なくとも2回(例えば、2、3、4、または5回)にわたり哺乳動物に投与される。
【0021】
一部の実施形態では、1回目の投与後において(すなわち、追加投与として)投与される免疫原性組成物が、初回に投与された組成物とは異なる、例えば、該組成物が、異なるクラミジア抗原、もしくはクラミジア抗原の異なるサブセット、もしくは異なる用量の抗原、または異なるアジュバント、もしくは異なる用量のアジュバントを包含する。一部の実施形態では、追加投与が、その前の投与とは異なる経路で投与される。
【0022】
一部の実施形態では、哺乳動物は、Chlamydia trachomatisによる感染の危険性がある。一部の実施形態では、哺乳動物が、Chlamydia trachomatisに感染している。一部の実施形態では、哺乳動物が、雌である。一部の実施形態では、哺乳動物が、ヒトである。
【0023】
一部の実施形態では、方法において投与される免疫原性組成物が、アジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントが、ミネラル含有アジュバントである。一部の実施形態では、方法において投与される免疫原性組成物が、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0024】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、アジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ミネラル含有アジュバントを包含する。一部の実施形態では、ミネラル含有アジュバントが、水酸化アルミニウムを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、免疫調節オリゴヌクレオチドを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、油性エマルジョンを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、サポニンを含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、免疫刺激複合体(ISCOM)を含むアジュバントを包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ウイルス様粒子(VLP)を包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、レプリコンを包含する。
【0025】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT209ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、CT209ポリペプチド配列のうちの8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、配列番号1に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を含む。
【0026】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT253ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、CT253ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、配列番号3に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸を含む。
【0027】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT425ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、CT425ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、配列番号5に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸を含む。
【0028】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT497ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、CT497ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、配列番号7に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸を含む。
【0029】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT843ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、CT843ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、配列番号9に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸を含む。
【0030】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、2つ以上の単離クラミジア抗原を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの2つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの3つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの4つ以上を含む。一部の実施形態では、2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原を含む。
【0031】
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物が、2つ以上の単離クラミジア抗原を含み、該2つ以上の単離クラミジア抗原が、(a)CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択される第1のクラミジア抗原と;(b)第2のクラミジア抗原とを含む。一部の実施形態では、第2のクラミジアが、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、CT823ポリペプチド抗原、CT812ポリペプチド抗原、CT681ポリペプチド抗原、CT858ポリペプチド抗原、CT713ポリペプチド抗原、OMP85ポリペプチド抗原、CT315ポリペプチド抗原、CT316ポリペプチド抗原、CT737ポリペプチド抗原、およびCT674ポリペプチド抗原から選択される1または複数の抗原を含む。
【0032】
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア抗原および異なる感染作用物質に由来する抗原を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原と;パピローマウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス)に由来する抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原と;ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス2)に由来する抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原と;N.gonorrhoeae(N. gonorrheae)に由来する抗原とを含む。
【0033】
別の態様において、本発明は、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸が、クラミジア抗原へと融合される異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含む。
【0034】
本発明はまた、本明細書で説明されるクラミジア抗原をコードする核酸を包含する組成物も提供する。一部の実施形態では、組成物が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を包含し、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。一部の実施形態では、組成物が、アジュバントをさらに含む。
【0035】
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物に、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む組成物を投与することにより、該哺乳動物内のクラミジアに対して免疫反応を誘発する方法を提供する。
【0036】
別の態様において、本発明は、対象内のクラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せ)に対する免疫反応を特徴づける方法および/またはこれを検出する方法を提供する。一部の実施形態では、ナイーブな対象における免疫反応を特徴づける。一部の実施形態では、クラミジアに感染しているか、またはクラミジアに感染していることが疑われる対象における免疫反応を特徴づける。一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物(例えば、本明細書で説明される免疫原性組成物)を投与された対象における免疫反応を特徴づける。一部の実施形態では、抗体反応を特徴づける。一部の実施形態では、T細胞反応を特徴づける。
【0037】
本発明は、クラミジア抗原と、クラミジア抗原に特異的に結合する抗体とを包含する組成物を調製する方法をさらに提供する。
【0038】
本明細書で説明される組成物および方法は、任意のクラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態、例えば、クラミジア感染に起因する尿道炎、子宮頚管炎、咽頭炎、直腸炎、精巣上体炎、前立腺炎、骨盤内炎症性疾患、およびトラコーマのうちのいずれかの予防および/または治療に用いることができる。一部の実施形態では、本明細書で説明される免疫原性組成物が、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/もしくはクラミジア状態による感染の危険性を低下させ、かつ/またはこれらの1もしくは複数の症状もしくは特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/もしくはこれらの発生を低減する。一部の実施形態では、クラミジア感染の予防および/または治療が、治療有効量の、本明細書で説明される新規のクラミジア抗原を含む免疫原性組成物を、それを必要とする対象に、所望の結果を達成するのに必要な量で、これを達成するのに必要な時間にわたり投与するステップを含む。本発明の特定の実施形態では、「治療有効量」の、本発明による免疫原性組成物とは、クラミジア感染の1または複数の症状または特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/またはこれらの発生を低減するのに有効な量である。
【0039】
一部の実施形態では、本発明による予防プロトコールおよび/または治療プロトコールが、T細胞およびB細胞のうちの一方または両方において免疫反応が刺激されるように、治療有効量の、新規のクラミジア抗原を含む1または複数の免疫原性組成物を対象に投与するステップを伴う。
【0040】
本発明は、治療有効量の、1または複数のクラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せのうちの1または複数)と、1または複数の、薬学的に許容される賦形剤とを含む新規の免疫原性組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明は、本明細書で説明される免疫原性組成物を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態によれば、本発明による組成物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象(例えば、ヒト、例えば、小児、青少年、また若年成人)に投与する方法が提供される。
【0041】
一部の実施形態では、治療有効量の免疫原性組成物が、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態を示す診断の前に、これと同時に、かつ/またはこの後に、患者および/または動物に送達される。一部の実施形態では、治療有効量の、本発明による免疫原性組成物が、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態の症状の発生の前に、これと同時に、かつ/またはこの後に、患者および/または動物に送達される。
【0042】
一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物が、経口、筋肉内、皮下、経皮、皮内(interdermal)、直腸内、膣内、経粘膜、鼻腔内、口腔内、非経口、舌下を含めた各種の経路のうちのいずれかにより;気管内滴下、気管支内滴下、および/もしくは吸入により;ならびに/または経口スプレー、鼻腔内スプレー、および/もしくはエアゾールにより投与される。一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物が、静脈内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリーム、および/または滴下による)、経皮を含めた各種の経路により、または気管内滴下により投与される。
【0043】
特定の実施形態では、免疫原性組成物を、クラミジア感染の症状を治療する、1または複数のさらなる治療剤と(例えば、エリスロマイシンまたはテトラサイクリンなどの抗生剤と)組み合わせて投与することができる。
【0044】
本発明は、本発明の免疫原性組成物のうちの1または複数を含む各種のキットを提供する。例えば、本発明は、クラミジア抗原または該抗原をコードする核酸を含む免疫原性組成物であって、該抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される免疫原性組成物と;使用のための指示書とを含むキットを提供する。キットは、複数の異なるクラミジア抗原を含み得る。キットは、任意の形で組み合わされた、多数のさらなる成分または試薬のうちのいずれかを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(i)CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択されるクラミジア抗原と;(ii)アジュバントと;(iii)該クラミジア抗原および該アジュバントを包含する組成物を、それを必要とする対象に投与するための指示書とを包含し得る。
【0045】
本出願では、各種の交付された特許、公開された特許出願、雑誌論文、アミノ酸配列および核酸配列の情報を含有するデータベース項目、および他の刊行物が参照され、これらのすべてが、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、代表的なC.trachomatisのORFeomeライブラリースクリーンの結果を示すグラフである。6日前に5×10IFUのChlamydia trachomatisを感染させたC57BL/6マウスから単離して増殖させた腹腔内CD8 T細胞を、プロテオームライブラリーに由来するクローンでパルスし、その後固定した抗原提示細胞に曝露した。グラフは、24時間後において回収した上清から、ELISAにより決定したIFNγサイトカイン濃度を示す。各データ点は、該ライブラリー内における単一のクローンを表し、直線は、平均プラス2×SDのカットオフを示す。マイトジェンで刺激したT細胞(三角)と、非関与抗原を発現するE.coliと共に培養したT細胞(四角)とによる対照試料もまた示される。
【図2】図2は、複数の動物系統における、Chlamydia trachomatisに由来する抗原に対するT細胞反応の頻度を示すグラフである。C.trachomatis抗原に対するT細胞反応を、C57BL/6マウス、Balb/cマウス、CD1マウス、およびC3Hマウスにおいて評価した。グラフは、すべての系統にわたり各タンパク質が同定された頻度を表す。各記号は、ライブラリー内における単一のクローンを表す。これらのデータは、CD4 T細胞またはCD8 T細胞についての9回のスクリーンを包含する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
定義
アジュバント:本明細書で用いられる「アジュバント」という用語は、抗原に対する免疫反応を変化させる(例えば、増強する)薬剤を指す。一部の実施形態では、アジュバントを用いて、対象に投与されたペプチド抗原に対する免疫反応を増強する。一部の実施形態では、アジュバントを用いて、対象に投与された核酸によりコードされる抗原に対する免疫反応を増強する。
【0048】
抗体:本明細書で用いられる「抗体」という用語は、天然であれ、完全または部分的な合成により作製されたものであれ、任意の免疫グロブリンを指す。該用語にはまた、特定の結合能力を維持する、そのすべての誘導体も包含される。該用語はまた、免疫グロブリン結合ドメインに対して相同であるか、または大部分相同である結合ドメインを有する任意のタンパク質も対象とする。このようなタンパク質は、天然の供給源に由来する場合もあり、部分的または完全な合成により作製される場合もある。抗体は、モノクローナルの場合もあり、ポリクローナルの場合もある。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEのいずれかを含めた、任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであり得る。本明細書で用いられる「抗体断片」または「抗体の特徴的部分」という用語は互換的に用いられ、全長未満である抗体の任意の誘導体を指す。一般に、抗体断片は、全長抗体の特異的な結合能のうちの、少なくとも重要な部分を保持する。抗体断片の例には、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、scFv断片、Fv断片、dsFvダイアボディ断片、およびFd断片が含まれるがこれらに限定されない。抗体断片は、任意の手段により作製することができる。例えば、抗体断片は、完全抗体を断片化することにより酵素的もしくは化学的に作製することもでき、かつ/または部分的な抗体配列をコードする遺伝子から組換えにより作製することもできる。代替的にまたは加えて、抗体断片は、完全または部分的な合成によって作製することもできる。抗体断片は、場合によって、単鎖抗体断片を含み得る。代替的にまたは加えて、抗体断片は、例えば、ジスルフィド結合により併せて連結された複数の鎖を含み得る。抗体断片は、場合によって、多分子複合体を含み得る。機能的な抗体断片は、少なくとも約50アミノ酸を含むことが典型的であり、少なくとも約200アミノ酸を含むことがより典型的である。
【0049】
抗原:本明細書で用いられる「抗原」という用語は、特異的な免疫反応を誘発する分子(例えば、ポリペプチド)を指す。後天的免疫反応としても公知の、抗原特異的な免疫反応は、抗原受容体(例えば、T細胞受容体、B細胞受容体)を発現するリンパ球(例えば、T細胞、B細胞)を介する。特定の実施形態では、抗原が、T細胞抗原であり、細胞性免疫反応を誘発する。特定の実施形態では、抗原が、B細胞抗原であり、体液性(すなわち、抗体)反応を誘発する。特定の実施形態では、抗原が、T細胞抗原およびB細胞抗原の両方である。本明細書で用いられる「抗原」という用語は、全長ポリペプチド、ならびにこのような完全ポリペプチドの免疫原性断片(すなわち、抗原特異的なT細胞反応、B細胞反応、またはこれらの両方を誘発する断片)を表す、該ポリペプチドの部分の両方を包含する。一部の実施形態では、抗原が、ポリペプチド配列内で見出されるペプチドエピトープ(例えば、主要組織適合性複合体(MHC)分子(例えば、MHCクラスI分子、またはMHCクラスII分子)が結合したペプチドエピトープ)である。したがって、5〜15アミノ酸の長さのペプチド、ならびに、例えば、60、70、75、80、85、90、100、150、200、250以上のアミノ酸を有するより長いポリペプチドが、「抗原」であり得る。一例において、本発明は、CT209ポリペプチド抗原を提供する。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、全長CT209ポリペプチドのアミノ酸配列(例えば、配列番号1の全長CT209ポリペプチド)を包含する。一部の実施形態では、CT209抗原ポリペプチドが、CT209ポリペプチドの一部(例えば、配列番号1のCT209ポリペプチドの一部、例えば、その部分が、配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一な配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を包含する)を包含する。一部の実施形態では、CT209抗原ポリペプチドが、CT209ポリペプチドの一部(例えば、配列番号1のCT209ポリペプチドの一部、例えば、その部分が、配列番号1のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を包含する)を包含する。
【0050】
約:数に関して本明細書で用いられる「約(approximately)」または「約(about)」という用語は、別段に言及するか、または文脈から別段に明らかでない限り(このような数が、可能な値の0%未満であるか、またはその100%を超える場合を除き)、該数の両方向において5%、10%、15%、または20%の範囲内にある(これらの百分率でこの数を超えるかまたはこの数未満である)数を包含すると一般に理解される。
【0051】
クラミジア抗原:本明細書で用いられる「クラミジア抗原」という用語は、生物Chlamydia trachomatis、生物Chlamydia psittaci、または生物Chlamydia pneumoniae、生物Chlamydia suis、生物Chlamydia muridarumなど、Chlamydia属の任意の生物に対して、抗原特異的な免疫反応を誘発する抗原を指す。一部の実施形態では、クラミジア抗原が、複数種(例えば、Chlamydia trachomatis、Chlamydia psittaci、およびChlamydia pneumoniaeのうちの2種または3種)のクラミジア生物に対して、抗原特異的な免疫反応を誘発する。例えば、C.trachomatisのCT209ポリペプチドは、C.pneumoniaeのCT843ポリペプチドと極めて高度の同一性を示す。したがって、一部の実施形態では、C.trachomatisのCT209ポリペプチドが、C.trachomatisのCT209ポリペプチドおよびC.pneumoniaeのCT843ポリペプチドの両方に対して抗原特異的な免疫反応を誘発する。C.trachomatisおよびC.pneumoniaeのCT253ポリペプチドもまた、高度の同一性を示し、一部の実施形態では、一方の種のCT253ポリペプチドが、両方の種に対して抗原特異的な免疫反応を誘発し得る。一部の実施形態では、クラミジア抗原が、複数の血清型(例えば、C.trachomatisの血清型A、B、Ba、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L1、L2、L3のうちの1または複数)のクラミジア生物に対して抗原特異的な免疫反応を誘発する。クラミジア抗原は、クラミジア遺伝子によりコードされる全長ポリペプチドの他、該ポリペプチドの免疫原性部分も包含する。
【0052】
免疫原性組成物:本明細書で用いられる「免疫原性組成物」という用語は、対象内において免疫反応を誘導する分子を包含する組成物を指す。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ポリペプチド抗原またはペプチド抗原を包含する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、ポリペプチド抗原またはペプチド抗原をコードする核酸を包含する。免疫原性組成物は、複数の抗原に対して免疫反応を誘導する分子を包含し得る。
【0053】
in vitro:本明細書で用いられる「in vitro」という用語は、生物(例えば、動物、植物、および/または微生物)内ではなく、人工的な環境内、例えば、試験管内または反応容器内、細胞培養物中で生じるイベントを指す。
【0054】
in vivo:本明細書で用いられる「in vivo」という用語は、生物(例えば、動物、植物、および/または微生物)内で生じるイベントを指す。
【0055】
単離:本明細書で用いられる「単離」という用語は、単離された実体が、それがかつて会合していた少なくとも1つの成分から分離されていることを意味する。他の大半の成分が除去されたとき、単離された実体は、「精製」されている。単離および/または精製および/または濃縮は、例えば、クロマトグラフィー、画分化、沈殿、または他の分離を含め、当技術分野で公知の任意の技法を用いて実施することができる。
【0056】
核酸:本明細書で用いられる「核酸」という用語は、その最も広い意味において、オリゴヌクレオチド鎖内に組み込まれるか、またはこれに組み込まれ得る任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、核酸が、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖内に組み込まれるか、またはこれに組み込まれ得る化合物および/または物質である。本明細書で用いられる「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に用いることができる。一部の実施形態では、「核酸」が、RNAの他、一本鎖および/または二本鎖のDNAおよび/またはcDNAを包含する。さらに、「核酸」、「DNA」、「RNA」という用語、および/または同様の用語は、核酸類似体、すなわち、ホスホジエステル骨格以外の骨格を有する類似体を包含する。「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」という用語は、互いの縮重形であり、かつ/または同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を包含する。核酸は、天然の供給源から精製することができ、組換え発現系を用いて作製することができ、場合によって、精製、化学合成なども可能である。適切な場合、例えば、化学合成した分子の場合、核酸は、化学修飾した塩基または糖、骨格修飾などを有する類似体など、ヌクレオシド類似体を含み得る。別段に示さない限り、核酸配列は、5’から3’への方向で示される。
【0057】
ポリペプチド:本明細書で用いられる「ポリペプチド」という用語は一般に、少なくとも3アミノ酸のポリマーという、当技術分野で認識されている意味を有する。しかし、該用語はまた、例えば、CT209ポリペプチド、CT253ポリペプチド、CT425ポリペプチド、CT497ポリペプチド、およびCT843ポリペプチドなど、特定のクラスの抗原ポリペプチドを指すのにも用いられる。このようなクラスの各々について、本明細書では、このようなポリペプチドについて公知の配列の複数例を提示する。しかし、当業者は、「ポリペプチド抗原」を指すのに本明細書で用いられる「ポリペプチド」という用語が、本明細書で列挙される配列を有するポリペプチドだけを包含するのではなく、該ポリペプチドに対して抗原特異的な反応を誘発する各種の配列を有するポリペプチドも包含する程度に十分に一般的であるように意図することを理解するであろう。例えば、「CT209ポリペプチド」は、配列番号1に示されるCT209ポリペプチドの他、配列番号1の配列の変化形を有し、配列番号1のポリペプチドに対して抗原特異的な反応を誘発する能力を維持するポリペプチドも包含する。当業者は、タンパク質配列が、免疫原性および抗原特異性を破壊しない限りにおいて一般に、一部の置換を許容することを理解する。したがって、免疫原性を保持し、同じクラスの別のポリペプチドと、約50%、60%、70%、または80%を超えることが多い、少なくとも約30〜40%の全体的な配列同一性を共有し、通常、少なくとも3〜4アミノ酸を包含し、多くの場合、最大で20以上のアミノ酸を包含する、1または複数の高度に保存的な領域内においては、90%、なおまたは95%、96%、97%、98%、もしくは99%を超えることが多い、同一性がはるかに高い少なくとも1つの領域を通常さらに包含する任意のポリペプチドが、本明細書で用いられる「ポリペプチド」という関与的な用語内に包含される。当業者は、本明細書で示される各種のポリペプチド配列を解析することにより、類似性および/または同一性を有する他の領域を決定することができる。
【0058】
百分率による配列同一性および配列類似性を決定するのに適するアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、Nuc. Acids Res. 25巻:3389〜3402頁、1977年において説明されている。本明細書で説明されるパラメータによりBLASTを用いて、本開示の核酸およびタンパク質について、百分率による配列同一性を決定する。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、米国国立バイオテクノロジー情報センターにより公開されている(以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.govで入手可能である)。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと共に整列させたとき、マッチするか、またはある正の値の閾値スコアTを満たす、検索配列中の長さWの短いワードを同定することにより、まず、高スコアの配列対(HSP)を同定するステップを伴う。Tを、隣接ワードスコア閾値と称する(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットが、それらを含有するより長いHSPを見出す検索を開始するための出発点として作用する。累積アライメントスコアが増大する限り、各配列に沿って両方向にワードヒットを拡張する。ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(マッチする残基対に対する加点スコア;常に>0)およびN(ミスマッチする残基に対する減点スコア;常に<0)を用いて、累積スコアを計算する。アミノ酸配列の場合、スコア計算行列を用いて、累積スコアを計算する。各方向におけるワードヒットの拡張を停止させるのは、累積アライメントスコアが、その達成された最大値から量Xだけ減少する場合;1もしくは複数の、負のスコアをもたらす残基アライメントが累積したために、累積スコアが0以下となる場合;またはいずれかの配列の末端に達した場合である。BLASTアルゴリズムのパラメータであるW、T、およびXにより、アライメントの感度および速度が決定される。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)では、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムでは、デフォルトとして、ワード長3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコア計算行列(HenikoffおよびHenikoff、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻:10915頁(1989年)を参照されたい)によるアライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を用いる。
【0059】
BLASTアルゴリズムではまた、2つの配列間の類似性についての統計学的解析も実施する(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA、90巻:5873〜5787頁、1993年を参照されたい)。BLASTアルゴリズムにより提供される、類似性の1つの尺度は、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列間において偶然にマッチが生じる確率の指標を提示する、最小和確率(P(N))である。例えば、被験核酸を基準核酸と比較した場合の最小和確率が、約0.2未満であり、より好ましくは約0.01未満であり、最も好ましくは約0.001未満である場合、該核酸は、基準配列と類似すると考えられる。
【0060】
対象:本明細書で用いられる「対象」または「患者」という用語は、例えば、実験、診断、および/または治療の目的で本発明の組成物が投与され得る、任意の生物を指す。典型的な対象には、マウス、ラット、ウサギ、ヒト以外の霊長動物、およびヒトなど、哺乳動物が含まれる。
【0061】
罹患する:疾患、障害、および/または状態に「罹患する」個体は、該疾患、障害、および/または状態の1または複数の症状を示すと診断されているか、またはこれらを示す。
【0062】
感受性である:疾患、障害、および/または状態に「感受性である」個体は、該疾患、障害、および/または状態の症状を示すと診断されておらず、かつ/またはこれらの症状を示さない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態が、クラミジア感染(例えば、C.trachomatis感染、C.pneumoniae感染、またはC.psittaci感染)を随伴する。一部の実施形態では、クラミジア感染に感受性である個体が、(例えば、摂食、吸入、物理的接触などにより)クラミジア微生物に曝露され得る。一部の実施形態では、クラミジア感染に感受性である個体が、該微生物に感染している個体に曝露され得る。一部の実施形態では、クラミジア感染に感受性である個体が、該微生物が蔓延している場所に存在する個体(例えば、該微生物が蔓延する場所へと旅行しつつある個体)である。一部の実施形態では、クラミジア感染に感受性である個体が、若齢(例えば、小児、青少年、または若年成人)であるために感受性である。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に感受性である個体が、該疾患、障害、および/または状態を発生させる。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に感受性である個体が、該疾患、障害、および/または状態を発生させない。
【0063】
治療有効量:本明細書で用いられる「治療有効量」という用語は、疾患、障害、および/または状態に罹患するかまたはこれに感受性である対象に投与した場合、該疾患、障害、および/または状態を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの症状を緩和し、予防し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/またはこれらの発生を低減するのに十分な量の治療剤、予防剤、および/または診断剤(例えば、本発明の免疫原性組成物)を意味する。
【0064】
治療剤:本明細書で用いられる「治療剤」という語句は、対象に投与した場合、治療的効果、予防的効果、および/もしくは診断的効果を有し、かつ/または所望の生物学的効果および/もしくは薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指す。
【0065】
治療:本明細書で用いられる「治療」という用語は、特定の疾患、障害、および/または状態の1または複数の症状を、部分的または完全に緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/またはこれらの発生を低減することを指す。例えば、微生物感染の「治療」とは、該微生物の生存、増殖、および/または拡散を阻害することを指す場合がある。治療は、疾患、障害、および/もしくは状態の徴候を示さない対象に投与する場合もあり、かつ/または、疾患、障害、および/もしくは状態に随伴する病態を発生させる危険性を低下させる目的で、該疾患、障害、および/もしくは状態の初期徴候だけを示す対象に投与する場合もある。一部の実施形態では、治療が、対象に対する免疫原性組成物(例えば、ワクチン)の送達を含む。
【0066】
ワクチン:本明細書で用いられる「ワクチン」という用語は、少なくとも1つの免疫原性成分(例えば、ペプチドもしくはタンパク質を包含する免疫原性成分、および/または核酸を包含する免疫原性成分)を含む実体を指す。特定の実施形態では、ワクチンが、少なくとも2つの免疫原性成分を包含する。一部の実施形態では、ワクチンに、T細胞およびB細胞の両方による免疫反応を刺激することが可能である。一部の実施形態では、当技術分野で実施可能な任意のアッセイを用いて、T細胞および/またはB細胞が刺激されているかどうかを判定することができる。一部の実施形態では、抗原に誘導されるサイトカインの生成、抗原に誘導されるT細胞の増殖、および/または抗原に誘導されるタンパク質発現の変化をモニタリングすることにより、T細胞の刺激をアッセイすることができる。一部の実施形態では、B細胞の刺激は、抗体力価、抗体のアフィニティー、中和アッセイにおける抗体の効力、クラススイッチ組換え、抗原特異的抗体のアフィニティー成熟、メモリーB細胞の発生、長期間にわたり、高アフィニティー抗体を大量に生成させることが可能な、長寿命の血漿細胞の発生、胚中心反応、および/または中和アッセイにおける抗体の効力をモニタリングすることによりアッセイすることができる。一部の実施形態では、ワクチンが、T細胞および/またはB細胞における免疫反応の刺激を支援し得る、少なくとも1つのアジュバントをさらに包含する。
本発明の特定の好ましい実施形態についての詳細な説明
Chlamydia trachomatisによる感染は、粘膜組織に対する炎症および損傷を引き起こし、尿道炎、子宮頚管炎、咽頭炎、直腸炎、精巣上体炎、前立腺炎、およびトラコーマなどの病態をもたらす。クラミジア菌は、主に上皮細胞に感染し、基本小体(EB)および網状体(RB)という2つの発生形態の間で互生する。クラミジアのEB形態は、感染性であり、宿主細胞内に侵入する。宿主内に組み込まれると、EB形態が、RB形態へと変化し、これがある時間にわたり複製され、再度EB形態へと変化する。C.trachomatis種は、主要外膜タンパク質(MOMP)に対する患者血清の反応性に基づき、血清型に分類されている。血清型A、B、Ba、およびCは、結膜上皮の感染に随伴する。血清型D〜Kは、尿生殖路感染に随伴する。血清型L1〜L3は、尿生殖路感染、ならびに全身状態である性病性リンパ肉芽腫に随伴する。
【0067】
クラミジア感染に対する反応では、後天的免疫系の各種の装備が役割を果たすと考えられる。動物モデルでは、Th1亜型のCD4 T細胞反応が、クラミジア感染の除去に重要であることが示されている(Morrisonら、Infect. Immun. 70巻:2741〜2751頁、2002年)。B細胞反応は、ヒトおよびヒト以外の霊長動物における防御的免疫に寄与すると考えられる(Brunhamら、Infect. Immun. 39巻:1491〜1494頁、1983年; Taylorら、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci 29巻:1847〜1853頁、1988年)。CD8 T細胞は、細胞内病原体を抑制するのに重要な溶解機能を有する。感染したヒトから、クラミジア特異的なCD8 T細胞が単離されており、これにより、クラミジア感染に対する反応においてこれらの細胞が果たす役割が示される(Gervassiら、J. Immunol. 171巻:4278〜4286頁、2003年)。
【0068】
本発明は、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原を含め、感染した哺乳動物の免疫細胞(例えば、T細胞)により認識されるクラミジア抗原を提供する。本明細書の実施例で説明する通り、これらの抗原は、in vivoにおける細胞性免疫の標的として発見された。したがって、これらの抗原は、有益な免疫反応を誘発する目的で、例えば、クラミジア感染および随伴する病態に対して防御する目的で、免疫反応を誘発するための新規の組成物をもたらす。これらの抗原はまた、クラミジア感染、ならびにクラミジア感染に対する免疫反応を特徴づけるための新規の標的ももたらす。
【0069】
CT209ポリペプチドは、クラミジア生物の細胞質内におけるロイシルtRNA合成酵素として機能すると考えられる。C.trachomatisの全長CT209ポリペプチドに由来する例示的なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、表1に示す。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、CT209ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸、例えば、配列番号1に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800連続アミノ酸を包含する。一部の実施形態では、CT209ポリペプチド抗原が、全長CT209ポリペプチドである(例えば、該抗原が、配列番号1のアミノ酸配列を含む)。
【0070】
C.trachomatisの全長CT253ポリペプチドに由来する例示的なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、表1に示す。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、CT253ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸、例えば、配列番号3に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、または200連続アミノ酸を包含する。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、膜貫通ドメインおよび/またはシグナル配列を欠く(例えば、CT253ポリペプチド抗原が、配列番号3のアミノ酸1〜24を欠く)。一部の実施形態では、CT253ポリペプチド抗原が、全長CT253ポリペプチドである(例えば、該抗原が、配列番号3のアミノ酸配列を含む)。
【0071】
C.trachomatisの全長CT425ポリペプチドに由来する例示的なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、表1に示す。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、CT425ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸、例えば、配列番号5に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600連続アミノ酸を包含する。一部の実施形態では、CT425ポリペプチド抗原が、全長CT425ポリペプチドである(例えば、該抗原が、配列番号5のアミノ酸配列を含む)。
【0072】
CT497ポリペプチドは、複製型DNAヘリカーゼである。C.trachomatisの全長CT497ポリペプチドに由来する例示的なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、表1に示す。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、CT497ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸、例えば、配列番号7に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450連続アミノ酸を包含する。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、膜貫通ドメインを欠く(例えば、CT497ポリペプチド抗原が、配列番号7のアミノ酸25〜44を欠く)。一部の実施形態では、CT497ポリペプチド抗原が、全長CT497ポリペプチドである(例えば、該抗原が、配列番号7のアミノ酸配列を含む)。
【0073】
CT843ポリペプチドは、30SリボソームS15タンパク質である。C.trachomatisの全長CT843ポリペプチドに由来する例示的なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、以下の表1に示す。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、CT843ポリペプチド配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸、例えば、配列番号9に示される配列のうちの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、または85連続アミノ酸を包含する。一部の実施形態では、CT843ポリペプチド抗原が、全長CT843ポリペプチドである(例えば、該抗原が、配列番号9のアミノ酸配列を含む)。
【0074】
【表1−1】

【0075】
【表1−2】

【0076】
【表1−3】

CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原は、互いと、かつ/または他のクラミジア抗原と任意の形で組み合わせて提供することができる。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原の組合せが、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの2つを包含する。一部の実施形態では、組合せが、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの3つを包含する。一部の実施形態では、組合せが、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの4つを包含する。一部の実施形態では、組合せが、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原を包含する。
【0077】
CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの1または複数と組み合わせて提供し得る他の抗原には、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、およびCT823ポリペプチド抗原のうちの1または複数が含まれる。一部の実施形態では、抗原の組合せが、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、またはCT843ポリペプチド抗原のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、または5つと、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、またはCT823ポリペプチド抗原のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、または5つとを包含する。これらの抗原およびこれらの抗原の特異的エピトープは、それらの全内容が参照により本明細書に組み込まれる、PCT/US07/004675(WO2007/098255として公開された)、PCT/US2008/0092、およびPCT/US2008/013298において説明されている。本明細書で説明される新規の抗原と組み合わせて提供し得る、さらなるクラミジアポリペプチド抗原には、多形膜タンパク質D(PmpDまたはCT812;GenBank NP_220332.1(GI:15605546)を参照されたい)、主要外膜タンパク質(MOMPもしくはompAまたはCT681;GenBank NP_220200.1(GI:15605414)を参照されたい)、CT858もしくはcpaf(GenBank NP_220380(GI:15605594))、CT713もしくはPorB(GenBank NP_220232.1(GI:15605446))、OMP85(GenBank NP_219746.1(GI:15604962))、CT315もしくはRpoB(GenBank NP_219820.1(GI:15605036))、CT316、CT737、またはCT674が含まれる。上述のポリペプチドの配列、ならびにそれらをコードする核酸の配列は公知である。例えば、GenBank受託番号第NC_000117号(GI:15604717)におけるC.trachomatisのゲノム配列、そこで注記される遺伝子、ならびにリンクされるポリペプチド配列を参照されたい。
【0078】
本発明はまた、本明細書で説明されるクラミジア抗原と、異なる感染作用物質に由来する抗原とを包含する組成物も提供する。一部の実施形態では、組成物が、クラミジア抗原と、性感染症を引き起こす、異なる感染作用物質に由来する抗原とを包含する。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、またはこれらの組合せ)と、パピローマウイルス抗原(例えば、ヒトパピローマウイルス抗原)とを包含する組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、またはこれらの組合せ)と、ヘルペスウイルス抗原(例えば、ヒト単純ヘルペスウイルス2抗原)とを包含する組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、またはこれらの組合せ)と、淋病抗原とを包含する組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、またはこれらの組合せ)と、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−2)、およびN.gonorrhoeaeのうちの1または複数に由来する抗原とを包含する組成物が提供される。
アジュバント
免疫原性組成物の多種多様な製剤を用いて、免疫反応を誘導することができる。ヒトにおける一般的な投与経路は、筋肉内(i.m.)注射であるが、免疫原性組成物はまた、経口適用、鼻腔内適用、皮下適用、吸入による適用、静脈内適用、または他の投与経路による適用も可能である。大半の場合において、クラミジア抗原はまず、局所的なリンパ節内におけるナイーブリンパ球に提示される。
【0079】
一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物が、精製成分(例えば、精製抗原)を包含する。一部の実施形態では、クラミジア抗原を、アジュバント活性を付与し得るタンパク質、または単離および精製を容易にする部分(例えば、エピトープタグ)など、他の分子に融合させる。
【0080】
一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物が、アジュバントを包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、ミネラル含有アジュバントを包含する。ミネラル含有アジュバントは、ゲルとして、結晶形態で、アモルファス形態で、粒子などとして調合することができる。ミネラル含有アジュバントには、例えば、アルミニウム塩および/またはカルシウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸カルシウムなど)が含まれる。一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物が、水酸化アルミニウムを包含する。Alhydrogel(商標)は、水酸化アルミニウムゲルによるアジュバントの例である。
【0081】
一部の実施形態では、アジュバントが、免疫調節オリゴヌクレオチドを包含する。一部の実施形態では、免疫調節オリゴヌクレオチドの配列が、CpG(非メチル化シトシン−グアノシン)モチーフを包含する。CpGモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体および/または非天然のヌクレオシド間結合(例えば、ホスホロチオエート結合)を包含し得る。CpGモチーフを包含する各種のオリゴヌクレオチドの例については、Kandimallaら、Nuc. Acids Res. 31巻(9号):2393〜2400頁、2003年;WO02/26757;WO99/62923; Krieg, Nat. Med. 9巻(7号):831〜835頁、2003年; McCluskieら、FEMS Immunol. Med. Microbiol. 32巻:179〜185頁、2002年;WO98/40100;米国特許第6,207,646号;米国特許第6,239,116号、および米国特許第6,429,199号を参照されたい。他の免疫調節ヌクレオチド配列には、二本鎖RNA配列、再帰配列、およびポリ(dG)配列が含まれる。
【0082】
一部の実施形態では、アジュバントが、IC31(商標)(Intercell AG社製)を含む。IC31(商標)は、抗微生物性ペプチドであるKLKと、免疫刺激オリゴヌクレオチドであるODN1aとを包含し、Toll様受容体9(TLR9)アゴニストとして作用する合成アジュバントである。
【0083】
一部の実施形態では、アジュバントが毒素を包含する。一部の実施形態では、毒素が、細菌性ADPリボシル化毒素、例えば、コレラ毒素、E.coli易熱性毒素、または百日咳毒素である。一部の実施形態では、細菌性毒素が、ADPリボシル化毒素の無毒化形態(例えば、Beignonら、Inf. Immun. 70巻(6号):3012〜3019頁、2002年; Pizzaら、Vaccine 19巻:2534〜2541頁、2001年; Pizzaら、Int. J. Med. Microbiol. 290巻(4〜5号):455〜461頁、2000年; Scharton−Kerstenら、Inf. Immun. 68巻(9号):5306〜5313頁、2000年; Ryanら、Inf. Immun. 67巻(12号):6270〜6280頁、1999年; Partidosら、Immunol. Lett. 67巻(3号):209〜216頁、1999年; Peppoloniら、Vaccines 2巻(2号):285〜293頁、2003年;およびPineら、J. Control Release 85巻(1〜3号):263〜270頁、2002年を参照されたい)である。
【0084】
一部の実施形態では、アジュバントが、モノホスホリル脂質Aまたは3−O−脱アシル化モノホスホリル脂質A(米国特許第4,987,237号およびGB2122204Bを参照されたい)などの内毒素を包含する。
【0085】
一部の実施形態では、アジュバントが、ムラミルジペプチド(例えば、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミニル−1−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−s−n−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE))を包含する。
【0086】
一部の実施形態では、アジュバントが、油性エマルジョンおよび/または乳化剤ベースのアジュバントを包含する。一部の実施形態では、油性エマルジョンアジュバントが、フロイントアジュバント(例えば、完全フロイントアジュバント(CFA)または不完全フロイントアジュバント(IFA))を包含する。一部の実施形態では、油性エマルジョンによるアジュバントが、MF59(Novartis社製;例えば、WO9014837を参照されたい)またはSynexアジュバント製剤(SAF)など、スクアレン水エマルジョンを包含する。一部の実施形態では、油性エマルジョンが、分散剤、例えば、ソルビタンまたはマンニドのモノ−C12−C24脂肪酸エステルまたはジ−C12−C24脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、またはモノオレイン酸マンニドを包含する。スクアレンおよび分散剤を包含する油性エマルジョンの例には、Arlacel(商標)、Montanide(商標)ISA−720、およびMontanide(商標)ISA−703が含まれる。他の油性エマルジョンは、例えば、WO95/17210およびEP0399842において説明されている。
【0087】
一部の実施形態では、アジュバントが、サポニンを包含する。サポニンとは、Quillaja saponaria、Saponaria officianalis、Smilax ornata、およびGypsophilla paniculataなどの植物に由来する、ステロイド配糖体および/またはトリテルペノイド配糖体である。説明されており、クラミジア抗原用のアジュバントとして用い得る、サポニンを含有する抽出物の画分には、Quil(商標)A、QS21、QS7、QS17、QS18、QH−A、QH−B、QH−C、およびQuilA(例えば、米国特許第5,057,540号を参照されたい)が含まれる。一部の実施形態では、QS21を、アジュバントとして用いる。
【0088】
一部の実施形態では、アジュバントが、免疫刺激複合体(ISCOM)を包含する。ISCOMとは、配糖体(例えば、サポニン)および脂質を包含することが典型的な粒子である。一部の実施形態では、ISCOMが、サポニンおよびコレステロールを包含する。一部の実施形態では、ISCOMが、サポニン、コレステロール、およびリン脂質(例えば、ホスファチジルコリンおよび/またはホスファチジルエタノールアミン)を包含する。一部の実施形態では、ISCOMが、非イオン性ブロックコポリマーを包含する。ISCOMは、さらなるアジュバント、例えば、本明細書で説明されるさらなるアジュバント物質(例えば、WO05/002620を参照されたい)を包含し得る。一部の実施形態では、ISCOMが、粘膜を標的とする物質(例えば、WO97/030728を参照されたい)を包含する。本明細書に記載のクラミジア抗原と組み合わせるのに適する他のISCOM組成物および該組成物の調製については、例えば、米国特許公開第20060121065号、WO00/07621、WO04/004762、WO02/26255、およびWO06/078213において説明されている。一部の実施形態では、アジュバントが、AbISCO(登録商標)アジュバント(例えば、Matrix−M(商標);Isconova社製)を含む。一部の実施形態では、アジュバントが、AbISCO(登録商標)−100を含む。一部の実施形態では、アジュバントが、AbISCO(登録商標)−300を含む。
【0089】
一部の実施形態では、アジュバントが、非イオン性ブロックコポリマーを包含する。非イオン性ブロックコポリマーは、多様な長さの疎水性ポリオキシエチレンを、疎水性のポリオキシプロピレンのブロックと組み合わせた2本の鎖を包含することが典型的である。一部の実施形態では、非イオン性ブロックコポリマーが、水中油エマルジョン(例えば、油およびスクアレンを伴う)中で調合される。
【0090】
一部の実施形態では、アジュバントが、ウイルス様粒子(VLP)を包含する。VLPとは、場合によって、リン脂質など、さらなる成分と共に調合される、1または複数のウイルス性タンパク質を包含することが典型的な、非複製性、非感染性の粒子である。一部の実施形態では、VLPが、以下:インフルエンザウイルス(例えば、ヘマグルチニン(HA)ポリペプチドまたはノイラミニダーゼ(NA)ポリペプチド)、B型肝炎ウイルス(例えば、コアポリペプチドまたはカプシドポリペプチド)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNAファージ、Qβファージ(例えば、被覆タンパク質)、GAファージ、frファージ、AP205ファージ、Tyタンパク質(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)のうちの1または複数に由来するタンパク質を包含する。例えば、WO03/024480、WO03/024481、WO08/061243、およびWO07/098186を参照されたい。
【0091】
一部の実施形態では、アジュバントが、レプリコンを包含する。レプリコンは、ウイルス性タンパク質を包含する非感染性粒子である点でVLPに類似するが、ポリペプチド(例えば、抗原)をコードする核酸をさらに包含する。一部の実施形態では、レプリコンが、アルファウイルスに由来するタンパク質を包含する。アルファウイルスには例えば、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)、エバーグレーズウイルス、ムカンボウイルス、ピクスナウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス(WEE)、シンドビスウイルス、セムリキ森林ウイルス、ミドルバーグウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロスリバーウイルス、バーマ森林ウイルス、ゲタウイルス、サギヤマウイルス、ベバルウイルス、マヤロウイルス、ウナウイルス、アウラウイルス、ワタロアウイルス、ババンキウイルス、キジラガチウイルス、ハイランドJウイルス、フォートモーガンウイルス、ヌドゥムウイルス、およびバギークリークウイルスが含まれる。一部の実施形態では、アジュバントが、本明細書で説明される1または複数のクラミジア抗原をコードする核酸を包含するレプリコンを包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、サイトカイン(例えば、インターロイキン12(IL−12)、IL−23、または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF))をコードするレプリコンを包含する。レプリコンの作製および使用については、例えば、WO08/058035、WO08/085557、およびWO08/033966において説明されている。一部の実施形態では、VLPアジュバントまたはレプリコンアジュバントが、1または複数のクラミジア抗原を包含する(すなわち、VLP粒子またはレプリコン粒子が、該粒子の部分として、クラミジア抗原を包含する)。一部の実施形態では、VLPアジュバントまたはレプリコンアジュバントを、クラミジア抗原ポリペプチドと共に共投与する。
【0092】
一部の実施形態では、アジュバントが、人工的に構築された球形の脂質小胞であるリポソーム(例えば、米国特許第4,053,585号;同第6,090,406号;および同第5,916,588号を参照されたい)を包含する。特定の実施形態では、リポソーム内で用いられる脂質は、以下:ホスファチジルコリン、脂質A、コレステロール、ドリコール、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、セラミド、グリコシルセラミド、セレブロシド、スルファチド、フィトスフィンゴシン、ホスファチジル−エタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、およびリゾ−ホスファチドのうちの1または複数であり得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、アジュバントが、リポソームと、Toll様受容体(TLR)に対するリガンド(例えば、WO/2005/013891、WO/2005/079511、WO/2005/079506、およびWO/2005/013891を参照されたい)とを包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、JVRS−100を包含する。JVRS−100は、非コード性オリゴヌクレオチドまたはプラスミドと組み合わせた陽イオン性リポソームを含む。
【0093】
一部の実施形態では、アジュバントが、ポリマー、例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸のポリマー、ポリホスファゼン、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸もしくはグリコール酸のコポリマー、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、またはこれらのポリマーの単量体から調製したコポリマーを含む微粒子を包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、およびポリエチレングリコールからなる群から選択されるポリマー(例えば、米国特許第5,500,161号を参照されたい)を含む微粒子を包含する。
【0094】
一部の実施形態では、アジュバントが、生体分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)(polye (α−hydroxy actid))、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物などを含むマイクロスフェア)を包含する。
【0095】
一部の実施形態では、アジュバントが、サイトカインを包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、IL−12を包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、IL−23を包含する。一部の実施形態では、アジュバントが、GM−CSFを包含する。
核酸組成物と抗原の発現
発現系内(例えば、宿主細胞内)におけるクラミジア抗原の発現には、各種のベクターが適する。一部の実施形態では、組成物が、例えば、ポリペプチド組成物を作製するための、in vitro(細胞内であれ、細胞を含まない系内であれ)での発現に適するベクターを包含する。「ベクター」という用語は、それが連結された別の核酸を移送することが可能な核酸分子を指し、これには、例えば、プラスミド、コスミド、またはウイルスベクターが含まれる。ベクターは、自律的な複製が可能な場合もあり、宿主DNA内へと組み込まれる場合もある。ウイルスベクターには、例えば、複製欠損レトロウイルス、複製欠損アデノウイルス、および複製欠損アデノ随伴ウイルスが含まれる。当技術分野では、他の種類のウイルスベクターが公知である。
【0096】
ベクターは、宿主細胞内における核酸の発現に適する形態でクラミジア抗原をコードする核酸を包含し得る。組換え発現ベクターは、発現する核酸配列に作動的に連結された、1または複数の調節配列を包含することが典型的である。調節配列には、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれる。調節配列には、ヌクレオチド配列の構成的発現を方向づける配列の他、組織特異的な調節配列および/または誘導配列も含まれる。クラミジア抗原をコードする配列は、該抗原が宿主細胞から分泌されるように、シグナルペプチド(例えば、異種シグナルペプチド)をコードする配列を包含し得る。発現ベクターのデザインは、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得る。
【0097】
原核細胞または真核細胞内においてクラミジア抗原を発現および生成させるために、組換え発現ベクターをデザインすることができる。例えば、抗原は、E.coli、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞、または哺乳動物細胞内で発現させることができる。適切な宿主細胞は、Goeddel、Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185巻、Academic Press, San Diego, CA, 1990年においてさらに論じられている。代替的に、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、組換え発現ベクターを、in vitroで転写および翻訳することができる。
【0098】
原核生物内におけるポリペプチドの発現は、E.coli内において、融合タンパク質または非融合タンパク質の発現を方向づける、構成的プロモーターまたは誘導的プロモーターを含有するベクターと共に行われることが多い。融合ベクターは、その中でコードされるタンパク質、例えば、該組換えタンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に、多数のアミノ酸を付加して、例えば、組換えタンパク質の発現を増大させ;該組換えタンパク質の可溶性を増大させ;かつ/またはアフィニティー精製においてリガンドとして作用することにより、該組換え抗原の精製を支援する。融合部分と、組換え抗原との接合部に、タンパク質溶解性の切断部位を導入して、該融合タンパク質を精製した後で、該融合部分から該組換え抗原を分離することを可能とすることが多い。このような酵素、ならびにそれらと同種の認識配列には、因子Xa、トロンビン、およびエンテロキナーゼが含まれる。典型的な融合発現ベクターには、標的の組換えタンパク質に、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを融合させる、pGEX(Pharmacia Biotech社製;Smith, D.B. およびJohnson, K.S. Gene 67巻:31〜40頁、1988年)、pMAL(マサチューセッツ州、ビバリー、New England Biolabs社製)、およびpRIT5(ニュージャージー州、ピスケータウェイ、Pharmacia社製)が含まれる。本明細書で提供されるクラミジア抗原発現ベクターには、酵母発現ベクター、昆虫細胞内において発現させるためのベクター(例えば、バキュロウイルス発現ベクター)、ならびに哺乳動物細胞内における発現に適するベクターが含まれる。
【0099】
哺乳動物細胞内で用いられる発現ベクターは、ウイルス性調節エレメントを包含し得る。例えば、一般的に用いられるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびサルウイルス40に由来する。ベクターは、誘導的プロモーター、例えば、ステロイドホルモンにより、ポリペプチドホルモンにより(例えば、シグナル伝達経路を介して)、または異種ポリペプチド(例えば、テトラサイクリン誘導系、「Tet−On」および「Tet−Off」;例えば、カリフォルニア州、Clontech社製;GossenおよびBujard、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89巻:5547頁、1992年;ならびにPaillard、Human Gene Therapy 9巻:983頁、1989年)により調節されるプロモーターを包含し得る。
【0100】
宿主細胞は、任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、クラミジア抗原は、細菌細胞(E.coliなど)、昆虫細胞、酵母細胞、または哺乳動物細胞(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはCOS細胞(アフリカミドリザル腎臓細胞であるCV−1系統に由来するSV40細胞; Gluzman、Cell 23巻:175〜182頁、1981年))内で発現させることができる。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0101】
ベクターDNAは、従来の形質転換法またはトランスフェクション法により、宿主細胞内へと導入することができる。本明細書で用いられる「形質転換」および「トランスフェクション」という用語は、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウムによる共沈殿、DEAE−デキストランを介するトランスフェクション、リポフェクション、または電気穿孔を含め、宿主細胞内へと外来核酸(例えば、DNA)を導入するのに当技術分野で認められている各種の技法を指すことを意図する。
【0102】
クラミジア抗原を生成(すなわち、発現)させるには、宿主細胞を用いることができる。したがって、本発明は、宿主細胞を用いてクラミジア抗原を生成させる方法をさらに提供する。一実施形態では、該方法が、クラミジア抗原を生成させるように、適切な媒地中において、宿主細胞(その中に、クラミジア抗原をコードする組換え発現ベクターを導入した)を培養するステップを包含する。別の実施形態では、該方法が、該培地または該宿主細胞からクラミジア抗原を単離するステップをさらに包含する。精製されたクラミジア抗原は、哺乳動物に投与して、免疫反応を誘導し、かつ/または該抗原に特異的な抗体を生成させるのに用いることができる。
【0103】
本発明はまた、in vivoにおいて対象に投与して、例えば、それに対する免疫反応を誘発するためのクラミジア抗原をコードする核酸組成物も提供する。一部の実施形態では、in vivoで投与するための核酸組成物に、クラミジア抗原をコードするネイキッドDNAプラスミドが含まれる。異種遺伝子を発現させるための細菌ベクター、レプリコンベクター、弱毒性細菌、およびウイルスベクターもまた用いることができる。弱毒性ウイルスベクター(例えば、組換え牛痘ウイルスビリオンベクター(例えば、改変牛痘ウイルスビリオンベクターであるAnkara(MVA);ドイツ、IDT社製)、組換えアデノウイルスビリオンベクター、鳥類ポックスウイルスビリオンベクター(例えば、カナリア痘ウイルスビリオンベクター(例えば、ALVAC(商標);Aventis Pasteur社製)または伝染性上皮腫ウイルスビリオンベクター)、ポリオウイルスビリオンベクター、およびアルファウイルスビリオンベクター)は、抗原に対する細胞媒介性免疫反応を誘導するのに成功している。鳥類ポックスウイルスは、哺乳動物宿主内では欠損しているが、初期プロモーター下において、挿入された異種遺伝子を発現させることが可能である。組換えアデノウイルスベクターおよび組換えポリオウイルスベクターは、消化管内で増殖可能であり、このため、効果的な粘膜免疫反応を刺激し得る。最後に、弱毒化細菌もまた、DNAワクチンを送達するための媒体として用いることができる。適切な細菌の例には、S.enterica、S.tymphimurium、Listeria属菌、およびBCGが含まれる。細胞壁が脆弱な突然変異体の細菌を用いることにより、該細菌からのDNAプラスミドの放出を支援することができる。
【0104】
免疫化に用いられる核酸組成物は、核酸の取込みを促進するアジュバント(例えば、ポリマー、サポニン、ムラミルジペプチド、リポソーム、免疫調節オリゴヌクレオチド、または本明細書で説明される他のアジュバント)を包含し得る。経路を問わず、アジュバントは、核酸の投与前、その投与中、またはその投与後において投与することができる。一部の実施形態では、アジュバントにより、宿主細胞内への核酸の取込みが増大し、かつ/もしくは細胞内における核酸からの抗原の発現が増大し、抗原が発現する組織の領域への抗原提示細胞の浸潤が誘導され、またはリンパ球により示される抗原特異的反応が増大する。
【0105】
抗体
本発明は、とりわけ、本明細書で説明される新規のクラミジア抗原、例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、またはCT843ポリペプチド抗原に対する、抗体またはこれらの抗原結合断片を提供する。抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、またはIgEを含め、各種のアイソタイプであり得る。一部の実施形態では、抗体が、IgGアイソタイプ、例えば、IgG1である。クラミジア抗原に対する抗体は、全長(例えば、IgG1抗体またはIgG4抗体)抗体の場合もあり、抗原結合断片(例えば、Fab断片、F(ab)2断片、Fv断片、または単鎖Fv断片)だけを包含する場合もある。これらには、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、およびヒト化抗体の他、前出の抗原結合断片も含まれる。
【0106】
モノクローナル抗体は、従来のモノクローナル抗体法、例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256巻:495頁、1975年による標準的な体細胞ハイブリダイゼーション法を含め、各種の技法により作製することができる。ポリクローナル抗体は、動物対象またはヒト対象を免疫化することにより作製することができる。一般に、Harlow, E.およびLane, D.、「Antibodies: A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1988年を参照されたい。本明細書で説明されるクラミジア抗原に対する抗体は、例えば、診断アッセイまたは治療的適用に用いることができる。
【0107】
本発明の一部の実施形態では、本明細書で説明される免疫原性組成物に対する対象の反応を評価して、例えば、該組成物の有効性を決定し、かつ/または該組成物により誘発される反応を、異なる組成物により誘発される反応と比較する。
T細胞活性化についてのアッセイ
一部の実施形態では、抗原もしくは組成物を特徴づけ、かつ/またはT細胞もしくはT細胞群内において免疫反応が刺激されたかどうかを決定するために、各種のアッセイを用いることができる。一部の実施形態では、免疫原性組成物を投与して、抗クラミジア反応を誘発した対象におけるT細胞反応を特徴づけるのに(例えば、検出可能なT細胞反応が誘発されたかどうかを評価するのに、かつ/または該反応の効力を評価するのに)アッセイを用いる。本明細書で説明される新規のクラミジア抗原はまた、クラミジア感染に対する曝露(例えば、ワクチン接種を受けていない対象における)を評価するための診断剤も提供する。一部の実施形態では、アッセイを用いて、対象におけるT細胞反応を特徴づけ、該対象が、クラミジア生物に感染しているかどうかを判定する。該対象は、最近クラミジア生物に曝露されたことが疑われる対象であり得る(すなわち、反応を検出するためのアッセイは、クラミジア生物に対する曝露が疑われる時点の約3、4、5、6、7、8、9、10、14、30日以上後に該対象から採取された試料により実施することができる)。該対象は、該アッセイの数週間、数カ月間、または数年間前にクラミジア生物に対して曝露されたことが疑われる対象であり得る。
【0108】
一部の実施形態では、T細胞における免疫反応の刺激を、T細胞を介する抗原誘導性サイトカイン生成を測定することにより決定する。一部の実施形態では、T細胞における免疫反応の刺激を、T細胞を介する抗原誘導性IFNγ生成、T細胞を介する抗原誘導性IL−4生成、T細胞を介する抗原誘導性IL−2生成、T細胞を介する抗原誘導性IL−6生成、T細胞を介する抗原誘導性IL−10生成、T細胞を介する抗原誘導性IL−17生成、および/またはT細胞を介する抗原誘導性TNFα生成を測定することにより決定し得る。一部の実施形態では、T細胞を介する抗原誘導性サイトカイン生成を、細胞内サイトカイン染色後におけるフローサイトメトリーにより測定することができる。他の適切な方法には、表面捕捉染色後におけるフローサイトメトリー、またはELISAアッセイもしくはELISPOTアッセイなど、活性化させたT細胞培養物の上清中におけるサイトカイン濃度を決定する方法が含まれる。
【0109】
一部の実施形態では、T細胞を介する抗原誘導性サイトカイン生成を、ELISPOTアッセイにより測定する。ELISPOTアッセイでは、サンドイッチ酵素結合免疫測定アッセイ(ELISA)法と極めて類似の技法を用いることが典型的である。PVDF(ポリ(フッ化ビニリデン))で裏張りしたマイクロプレート上を、抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体など)により滅菌的にコーティングする。抗体は、対象のサイトカインに対するそれらの特異性について選択する。プレートをブロッキングする(例えば、アッセイ中の抗体のうちのいずれとも反応性でない血清タンパク質による)。サイトカイン生成について調べる細胞を、抗原またはマイトジェンと共に、様々な密度で播種し、次いで、指定の時間にわたり、37℃で加湿したCOインキュベーター内で静置した。活性化した細胞により分泌されるサイトカインは、高表面積のPVDF膜上をコーティングした抗体により局所的に捕捉される。ウェルを洗浄して、細胞、破砕物、および培地成分を除去した後、該サイトカインに対して特異的な二次抗体(例えば、ビオチニル化したポリクローナル抗体)をウェルに添加する。この抗体は、標的サイトカインの異なるエピトープと反応性であり、このため、捕捉されたサイトカインを検出するのに用いる。洗浄により、結合しなかった任意のビオチニル化抗体を除去した後で、検出されたサイトカインを、アビジン−HRP、および沈殿基質(例えば、AEC、BCIP/NBT)を用いて可視化する。着色された最終生成物(通常は黒みがかった青色のスポット)が、個別のサイトカイン生成細胞を表すことが典型的である。スポットを目視により(例えば、解剖顕微鏡により)カウントすることもでき、自動リーダーを用いてマイクロウェル画像を捕捉し、スポットの数およびサイズを解析して、これらをカウントすることもできる。一部の実施形態では、各スポットが、単一のサイトカイン生成細胞と相関する。
【0110】
一部の実施形態では、約1%〜約100%の抗原特異的T細胞がサイトカインを生成すれば、T細胞内の免疫反応が刺激されたという。一部の実施形態では、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%の抗原特異的T細胞がサイトカインを生成すれば、T細胞内の免疫反応が刺激されたという。
【0111】
一部の実施形態では、免疫化された対象が、ナイーブ対照の少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約5000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約50,000倍、少なくとも約100,000倍、または少なくとも約100,000倍を超えるサイトカイン生成細胞を含めば、T細胞内の免疫反応が刺激されたという。
【0112】
一部の実施形態では、抗原誘導性T細胞増殖を測定することにより、T細胞内における免疫反応の刺激を決定することができる。一部の実施形態では、抗原誘導性増殖を、分裂するT細胞内におけるH−チミジンの取込みとして測定することができる(場合によって、「リンパ球形質転換試験」または「LTT」と称する)。一部の実施形態では、H−チミジンの取込み(γ線カウンターによるカウント数として与えられる)が、ナイーブ対照の少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約5000倍、少なくとも約10,000倍、または少なくとも約10,000倍を超えれば、抗原誘導性増殖が生じたという。
【0113】
一部の実施形態では、フローサイトメトリーにより抗原誘導性増殖を測定することができる。一部の実施形態では、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)希釈アッセイにより、抗原誘導性増殖を測定することができる。CFSEは、そのスクシンイミジルに反応性である基を有する細胞質タンパク質(例えば、T細胞タンパク質)のアミノ基に結合する、非毒性で膜透過性の蛍光色素である。細胞が分裂すると、CFSE標識タンパク質が、娘細胞間に均等に分配され、これにより、分裂が生じるたび毎に細胞の蛍光発光が生じる。結果として、抗原特異的T細胞は、反応性抗原の存在下で培養した後にはそれらの蛍光発光を喪失し(CFSE低度)、培地中の他の細胞(CFSE高度)から識別可能となる。一部の実施形態では、CFSEの希釈率(CFSE細胞中におけるCFSE低度細胞の百分率として与えられる)が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%であれば、抗原誘導性増殖が生じたという。
【0114】
一部の実施形態では、T細胞活性化の細胞マーカーが、刺激されていない細胞と比べて異なるレベル(例えば、より高いレベルまたはより低いレベル)で発現すれば、T細胞内の免疫反応が刺激されたという。一部の実施形態では、刺激されていないT細胞より、活性化されたT細胞において、CD11a、CD27、CD25、CD40L、CD44、CD45RO、および/またはCD69の発現が上昇する。一部の実施形態では、刺激されていないT細胞より、活性化されたT細胞において、L−セレクチン(CD62L)、CD45RA、および/またはCCR7の発現が低下する。
【0115】
一部の実施形態では、抗原でパルスされた標的細胞に対する、エフェクターCD8 T細胞を介する細胞傷害作用をアッセイすることにより、T細胞内の免疫反応を測定することができる。例えば、51クロム(51Cr)放出アッセイを実施することができる。このアッセイでは、エフェクターCD8 T細胞が、クラスI MHC上においてウイルスペプチドを提示する感染細胞に結合し、該感染細胞がアポトーシスを受けるようにシグナルを発する。該細胞を51Crにより標識した後で、エフェクターCD8 T細胞を添加すれば、上清中に放出される51Crの量が、死滅した標的数に比例する。一部の実施形態では、Perforin、Granzyme B、またはCD107aのうちの1または複数の発現を検出することにより(例えば、ELISPOTまたはフローサイトメトリーにより)、T細胞内の免疫反応を測定する。例えば、Bettsら、J. Immunol. Meth. 281巻(1〜2号):65〜78頁、2003年を参照されたい。
B細胞活性化についてのアッセイ
一部の実施形態では、B細胞またはB細胞群内において免疫反応が刺激されたかどうかを決定するために、例えば、クラミジアに対する免疫原性組成物を投与された対象における抗体反応を特徴づけるか、または対象が、クラミジア生物に曝露されたかどうかを決定するために、各種のアッセイを用いることができる。一部の実施形態では、抗体力価を測定することにより、B細胞内における免疫反応の刺激を決定することができる。一般に、「抗体力価」とは、特定の希釈率において、抗体が抗原に結合する能力を指す。例えば、高抗体力価とは、高希釈率であっても、抗体が抗原に結合する能力を指す。一部の実施形態では、免疫化されていない個体または前免疫血清の少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍の希釈率、または約1000倍を超える希釈率で抗体力価が陽性であると測定されれば、B細胞内の免疫反応が刺激されたという。
【0116】
一部の実施形態では、抗体アフィニティーを測定することにより、B細胞内における免疫反応の刺激を決定することができる。特に、平衡解離定数(K)が、10−7M未満、10−8M未満、10−9M未満、10−10M未満、10−11M未満、10−12M未満である抗体が誘発されていれば、B細胞内の免疫反応が刺激されたという。
【0117】
一部の実施形態では、クラススイッチ組換えが生じていれば、B細胞内におけるT細胞依存性免疫反応が刺激されたという。特に、IgMから別のアイソタイプ(例えば、IgGアイソタイプもしくはIgAアイソタイプ、またはこれらのアイソタイプの混合物)へのスイッチは、B細胞内におけるT細胞依存性免疫反応を示す。
【0118】
一部の実施形態では、抗原特異的抗体のアフィニティー成熟を測定することにより、B細胞内の免疫反応を決定する。アフィニティー成熟は、活性化したB細胞により、抗原結合領域をコードする免疫グロブリン遺伝子の領域が繰り返し突然変異する胚中心反応中に生じる。抗原に対してより高度のアフィニティーを示す突然変異抗体を生成させるB細胞は、優先的に存続および増殖することが可能となる。したがって、時間が経過するにつれ、胚中心(GC)のB細胞により生成する抗体は、ますますより高度のアフィニティーを獲得する。一部の実施形態では、この過程の結果は、高抗体力価(例えば、高希釈率でも、抗原に結合しこれを中和する、高アフィニティーのIgG抗体)の存在である。
【0119】
一部の実施形態では、長期間にわたり、大量の高アフィニティー抗体を生成させ得る、メモリーB細胞および/または長寿命の血漿細胞が形成されていれば、B細胞内の免疫反応が刺激されたという。一部の実施形態では、長期間にわたり、大量の高アフィニティー抗体を生成させ得る、メモリーB細胞および/または長寿命の血漿細胞の存在について調べるため、ワクチン接種の異なる期間(例えば、2週間、1カ月間、2カ月間、6カ月間、1年間、2年間、5年間、10年間、15年間、20年間、25年間またはそれより長く)後において抗体力価を測定する。一部の実施形態では、体液性反応を測定することにより(例えば、後の追加投与によるワクチン接種後に、体液性反応が、初回の感作時より、顕著により迅速であり、より高い力価を結果としてもたらす場合)、長期間にわたり、大量の高アフィニティー抗体を生成し得る、メモリーB細胞および/または長寿命の血漿細胞が存在するという。
【0120】
一部の実施形態では、活発な胚中心反応が生じれば、B細胞内の免疫反応が刺激されたという。一部の実施形態では、組織学実験を実施することにより、活発な胚中心反応を目視評価することができる。一部の実施形態では、抗原を含有するリンパ組織(例えば、ワクチンを排出するリンパ節、脾臓など)に対して免疫組織化学を実施することにより、活発な胚中心反応をアッセイすることができる。一部の実施形態では、免疫組織化学の後で、フローサイトメトリーを実施することができる。
【0121】
一部の実施形態では、抗体アイソタイプ(例えば、IgG、IgA、IgE、IgM)を同定することにより、B細胞内における免疫反応の刺激を決定することができる。特定の実施形態では、B細胞によるIgGアイソタイプ抗体の生成が、B細胞による所望の免疫反応である。特定の実施形態では、B細胞によるIgAアイソタイプ抗体の生成が、B細胞による所望の免疫反応である。
【0122】
一部の実施形態では、中和アッセイにおける抗体機能を解析することにより、B細胞内における免疫反応を決定する。一例では、血清の不在下におけるin vitroの感受性細胞にクラミジア生物が感染する能力を、該細胞を増殖させる培地に異なる希釈率の免疫血清および非免疫血清を添加する場合の条件と比較する。特定の実施形態では、約1:5、約1:10、約1:50、約1:100、約1:500、約1:1000、約1:5000、約1:10,000またはそれより小さい希釈率でクラミジア生物による感染が中和されれば、B細胞内の免疫反応が刺激されたという。クラミジアを中和するアッセイについては、例えば、Peelingら、Infect. Immun. 46巻:484〜488頁、1984年;およびPetersonら、Infect. Immun. 59巻:4147〜4153頁、1991年において説明されている。
in vivoアッセイ
一部の実施形態では、免疫化したマウス群および免疫化していないマウス群に、特定の病態(例えば、上部尿生殖路感染)または細菌負荷をもたらすことが典型的である曝露量のクラミジア生物を感染させる(例えば、ワクチン接種の3週間以上後において)ことにより、免疫原性組成物を特徴づける(例えば、動物モデルにおいて有益な反応を誘導する有効性を評価する目的で)ことができる。両群の感染に起因する病態または細菌負荷の大きさおよび期間を、モニタリングおよび比較する。一例では、免疫マウスに由来する血清を、「受動ワクチン」として導入して、非免疫マウスが、感染の病理学的影響または負荷から防御されるかどうかを評価することにより、B細胞反応を特徴づける。一部の実施形態では、浸潤白血球集団を特徴づける(例えば、感染領域における細胞の数および種類、例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞、または他の細胞種類が存在するかどうかを評価する目的で)。クラミジアによる尿生殖路感染のための動物モデルについては、説明されている。一部の実施形態では、クラミジア生物を膣内接種原として適用し、感染動物の下部生殖路および上部生殖路のうちの1または複数の感染および病態について特徴づける。例えば、マウスにおける膣内感染モデルについて説明している、Barronら(J. Infect. Dis. 143巻(1号):63〜6頁、1981年)を参照されたい。一部の実施形態では、一次感染の除去が、このモデルにおける防御的免疫の尺度である。一部の実施形態では、Th1亜型のCD4 T細胞反応の検出が、防御と相関する(Morrisonら、Infect. Immun. 70巻:2741〜2751頁、2002年)。
【0123】
一部の実施形態では、クラミジア感染の動物モデルにおいて、免疫原性組成物を評価する。一部の実施形態では、該モデルにおいて、クラミジアによる下部尿生殖路感染を評価する(例えば、感染に起因する、下部尿生殖路における細菌負荷および/または炎症を評価する)。一部の実施形態では、該モデルにおいて、クラミジアによる上部尿生殖路感染を評価する(例えば、感染に起因する、上部尿生殖路における細菌負荷、炎症、不妊、コラーゲン沈着、瘢痕形成のうちの1または複数を評価する)。一部の実施形態では、クラミジア感染が、下部尿生殖路から上部生殖路へと上昇することを防止する能力について評価する。一部の実施形態では、下部尿生殖路からの細菌の除去速度について評価する。一部の実施形態では、上部尿生殖路からの細菌の除去速度について評価する。一部の実施形態では、複数の対象動物系統(例えば、複数のマウス系統)による動物モデルにおいて、免疫原性組成物を評価する。一部の実施形態では、卵管留水(体液による卵管の閉塞)の存在およびサイズについて評価する。
【0124】
一部の実施形態では、in vivoにおける(例えば、動物モデルにおける)上記の効果のうちの1または複数を示すものとして、所望の免疫原性組成物を特徴づける。例えば、一部の実施形態では、免疫原性組成物が、クラミジア菌による下部尿生殖路感染を軽減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、下部尿生殖路における細菌負荷を軽減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、感染に起因する下部尿生殖路炎症を軽減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、クラミジアによる上部尿生殖路感染を軽減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、クラミジア感染に起因する、上部尿生殖路における細菌負荷、炎症、不妊、コラーゲン沈着、瘢痕形成のうちの1または複数を軽減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物により、クラミジア感染が、下部尿生殖路から上部生殖路へと上昇することを抑制する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、下部尿生殖路および/または上部尿生殖路からの細菌の除去速度を増大させる。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、感染に起因する卵管留水または卵管炎の存在を抑制し、かつ/またはそのサイズを低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、複数の動物系統(例えば、複数のマウス系統)において、上記の効果のうちの1または複数を示す。
【0125】
当業者は、上記で説明したアッセイが、T細胞の活性化および/またはB細胞の活性化が生じたかどうかを決定するために用い得る例示的であるに過ぎない方法であることを認識するであろう。T細胞の活性化および/またはB細胞の活性化が生じたかどうかを決定するのに用い得る、当業者に公知の任意のアッセイは、本発明の範囲内に収まる。本明細書で説明されるアッセイ、ならびにT細胞の活性化および/またはB細胞の活性化が生じたかどうかを決定するのに用い得るさらなるアッセイは、「Current Protocols in Immunology」(John Wiley & Sons、Hoboken、NY、2007年;参照により本明細書に組み込まれる)において説明されている。
適用
本明細書で説明される組成物および方法は、任意のクラミジア感染、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態を予防および/または治療するのに用いることができる。本明細書で用いられる「予防」とは、クラミジア感染、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/もしくはクラミジア状態に起因する症状の発生以前、ならびに/またはクラミジア生物に対する公知の曝露以前における使用を指す。対象には、ヒトおよび/もしくは他の霊長動物;ならびに畜牛、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、および/もしくはイヌなど、商業的に重要な哺乳動物を含め、クラミジア生物による感染に感受性である他の動物;ならびに/またはニワトリ、カモ、ガチョウ、および/もしくは七面鳥など、商業的に重要な鳥類を含めた鳥類が含まれるがこれらに限定されない。
【0126】
一部の実施形態では、本発明による免疫原性組成物を用いて、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態の1または複数の症状または特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらによる感染の危険性を軽減し、これらの重症度を軽減し、かつ/またはこれらの発生を低減することができる。一部の実施形態では、本発明による免疫原性組成物を用いて、クラミジア感染(例えば、C.trachomatis感染、C.pneumoniae感染、またはC.psittaci感染)の1または複数の症状または特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/またはこれらの発生を低減することができる。
【0127】
本発明の一態様では、クラミジア感染の予防法および/または治療法が提供される。一部の実施形態では、クラミジア感染の予防および/または治療が、治療有効量の、本明細書で説明される免疫原性組成物を、それを必要とする対象に、所望の結果を達成するのに必要な量で、これを達成するのに必要な時間にわたり投与するステップを含む。本発明の特定の実施形態では、「治療有効量」の本発明による免疫原性組成物は、クラミジア感染による感染の危険性を低下させるか、またはその1もしくは複数の症状もしくは特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/もしくはこれらの発生を低減するのに有効な量である。治療有効量は、集団ベースで決定することができ、特定の対象における防御的な反応を天然で誘導する量である必要はない。
【0128】
一部の実施形態では、本発明による予防プロトコールおよび/または治療プロトコールが、治療有効量の、本発明による1または複数の免疫原性組成物を健常な対象(すなわち、クラミジア感染の症状を示さない対象、および/またはクラミジア感染を示すと診断されていない対象)に投与するステップを伴う。例えば、クラミジア感染が発生する前に、かつ/またはクラミジア感染の症状が発生する前に、本発明による免疫原性組成物を用いて、健常個体にワクチン接種することができ;クラミジア感染の症状が発生するのと実質的に同時に、かつ/またはクラミジア感染に対して曝露されるのと実質的に同時に(例えば、その48時間以内、24時間以内、または12時間以内に)、その危険性のある個体(例えば、クラミジア感染に罹患する個体に対して曝露された患者、性感染症の高い危険性のある患者、若年のためにその危険性のある個体(例えば、小児、青少年、または若年成人))を治療することができる。当然ながら、クラミジア感染を示すことが公知の個体は、任意の時点で治療を受けることができる。
【0129】
一部の実施形態では、本発明による予防プロトコールおよび/または治療プロトコールが、T細胞およびB細胞の両方において免疫反応が刺激されるように、治療有効量の、本発明による1または複数の免疫原性組成物を対象に投与するステップを伴う。
【0130】
一部の実施形態では、1または複数のクラミジア抗原とアジュバントとを組み合わせることにより、所与の適応に最も所望の種類の免疫反応、例えば、体液性反応、Th1 T細胞反応、細胞傷害性T細胞反応、および/またはこれらの反応の組合せを優先的に誘発するように、免疫反応(例えば、T細胞反応)を調整することができる。
免疫原性組成物
本発明は、新規のクラミジア抗原、例えば、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原のうちの1または複数と、1または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を提供する。一部の実施形態により、それを必要とする対象に、本発明による免疫原性組成物を投与する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明による組成物が、ヒトに投与される。本発明の目的では、「有効成分」という語句が一般に、少なくとも1つのクラミジア抗原を含み、かつ、場合によって、アジュバントなど、1または複数のさらなる薬剤を含む、本発明による免疫原性組成物を指す。
【0131】
本明細書に記載の免疫原性組成物についての説明は、ヒトに投与するのに適する組成物を主に対象とするが、このような組成物が、すべての種類の動物に投与するのにも一般に適することを、当業者は理解するであろう。ヒトに投与するのに適する免疫原性組成物を、各種の動物に投与するのにも適するように改変することは十分に理解され、獣医薬理学の当業者は、それを行う場合でもごく日常的な実験により、このような改変をデザインおよび/または実施することができる。本発明の免疫原性組成物の投与が意図される対象には、ヒトおよび/もしくは他の霊長動物;畜牛、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、および/もしくはイヌなど、商業的に重要な哺乳動物を含めた哺乳動物;ならびに/またはニワトリ、カモ、ガチョウ、および/もしくは七面鳥など、商業的に重要な鳥類を含めた鳥類が含まれるがこれらに限定されない。
【0132】
本明細書で説明される免疫原性組成物の製剤は、公知であるか、またはワクチンの技術分野で今後開発される任意の方法により調製することができる。一部の実施形態では、このような準備的方法が、抗原(複数可)(または、核酸ベースの適用では、抗原をコードする核酸)を、1もしくは複数の賦形剤、および/または1もしくは複数の他の付属成分と会合させ、次いで、必要かつ/または所望の場合、該生成物を、所望の単回投与単位もしくは複数回投与単位へと成形および/もしくは包装するステップを包含する。
【0133】
本発明の免疫原性組成物は、単回単位用量として、かつ/または複数の単回単位用量として、バルクで調製し、包装し、かつ/または販売することができる。本明細書で用いられる「単位用量」とは、所定量の抗原(複数可)を含む、個別量の免疫原性組成物である。
【0134】
本発明の組成物中における抗原(複数可)、薬学的に許容される賦形剤(複数可)、および/または任意のさらなる成分(例えば、アジュバント)の相対量は、治療される対象の固有性、体格、および/または状態に応じて、かつ、該組成物が投与される経路にさらに応じて変化する。
【0135】
本発明の免疫原性製剤は、本明細書で用いられる場合、所望の特定の剤形に適する、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体媒体、分散補助剤もしくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張性剤、増粘剤もしくは乳化剤、防腐剤、固体の結合剤、潤滑剤などが含まれる、薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。「Remington’s The Science and Practice of Pharmacy」、第21版、A. R. Gennaro(Lippincott、Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2006年;参照により本明細書に組み込まれる)は、医薬組成物を調製するのに用いられる各種の賦形剤と、それらを調製するための公知の技法とについて開示している。任意の従来の賦形剤が、任意の望ましくない生物学的影響を及ぼすか、またはこれ以外に、免疫原性組成物の他の任意の成分(複数可)と有害な形で相互作用することによるなど、薬物またはその誘導体に適合しない場合を除き、その使用が本発明の範囲内にあることを意図する。
【0136】
一部の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤が、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%純粋である。一部の実施形態では、賦形剤が、ヒトにおける使用について、および獣医的使用について承認されている。一部の実施形態では、賦形剤が、米国食品医薬品局により承認されている。一部の実施形態では、賦形剤が、医薬グレードである。一部の実施形態では、賦形剤が、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、および/または国際薬局方の基準を満たす。
【0137】
免疫原性組成物を製造するのに用いられる、薬学的に許容される賦形剤には、不活性の希釈剤、分散剤および/もしくは造粒剤、界面活性剤および/もしくは乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤、ならびに/または油が含まれるがこれらに限定されない。場合によって、このような賦形剤が本発明の製剤中に含まれる。
【0138】
公知の技術により、適切な分散剤、または湿潤剤、および懸濁剤を用いて、注射用製剤、例えば、滅菌注射用水性懸濁液、または滅菌注射用油性懸濁液を調製することができる。滅菌注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中における溶液など、非経口的に許容可能な非毒性の希釈剤または溶媒中における滅菌注射用溶液、滅菌注射用懸濁液、または滅菌注射用エマルジョンであり得る。用い得る許容可能な媒体および溶媒には、水、リンゲル液U.S.P.および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌の固定油が、従来、溶媒または懸濁媒として用いられている。この目的で、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含め、任意のブランドの固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も、注射剤を調製するのに用いられる。
【0139】
注射用製剤は、例えば、細菌貯留フィルターを介して濾過することにより滅菌することもでき、使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散させることが可能な、滅菌固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことにより滅菌することもできる。
【0140】
免疫原性組成物の放出を遅延させ、注射部位の近傍において、抗原提示細胞による最大限の取込みを刺激するには、皮下注射または筋肉内注射からの吸収を緩徐化することが望ましいことが多い。これは、水溶性が低い、結晶性物質またはアモルファス物質による液体懸濁液を用いることにより達成することができる。代替的に、非経口投与された剤形の遅延吸収は、油性媒体中に薬物を溶解または懸濁させることにより達成することができる。
【0141】
一部の実施形態では、免疫原性組成物を、粘膜表面へと投与する。直腸内投与または膣内投与のための組成物には、本発明の免疫原性組成物を、周囲温度では固体であるが、体温では液体となり、したがって、直腸内腔または膣内腔では溶解し、抗原を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用蝋など、適切な賦形剤と混合することにより調製し得る坐剤が含まれ得る。
【0142】
一部の実施形態では、免疫原性組成物を経口投与する。経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒が含まれる。このような固体剤形では、抗原を、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなど、少なくとも1つの、薬学的に許容される不活性の賦形剤、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアガムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収加速剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリンサングリセロールなどの湿潤剤、h)カオリン粘土およびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびにi)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの潤滑剤と混合することができる。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、剤形は、緩衝剤を含み得る。
【0143】
本明細書で説明される皮内経路を介して免疫原性組成物を送達する際に用いるのに適するデバイスには、米国特許第4,886,499号;同第5,190,521号;同第5,328,483号;同第5,527,288号;同第4,270,537号;同第5,015,235号;同第5,141,496号;および同第5,417,662号において説明されるデバイスなど、短い注射針のデバイスが含まれる。液体ジェット式注入器を介して、かつ/または角質層に穿刺し、ジェットを生成して真皮に到達させる注射針を介して液体の免疫原性組成物を真皮へと送達する、ジェット式注入デバイスが適する。ジェット式注入デバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号;同第5,599,302号;同第5,334,144号;同第5,993,412号;同第5,649,912号;同第5,569,189号;同第5,704,911号;同第5,383,851号;同第5,893,397号;同第5,466,220号;同第5,339,163号;同第5,312,335号;同第5,503,627号;同第5,064,413号;同第5,520,639号;同第4,596,556号;同第4,790,824号;同第4,941,880号;同第4,940,460号;ならびにPCT公開第WO97/37705号および同第WO97/13537号において説明されている。圧縮ガスを用いて、粉末形態にある免疫原性組成物を加速させ、皮膚の外層を介して真皮へと到達させる、バリスティック粉末/粒子送達デバイスが適する。代替的にまたは加えて、従来のシリンジも、皮内投与の古典的なマントゥー法で用いることができる。
【0144】
医薬作用物質の調合および/または製造における一般的な考慮点は、例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、2005年において見出すことができる。
投与
一部の実施形態では、治療有効量の、本発明による免疫原性組成物が、クラミジア生物に対する曝露の前に、これと同時に、かつ/もしくはこの後に、またはクラミジア疾患、クラミジア障害、および/もしくはクラミジア状態を示す診断の前に、これと同時に、かつ/またはこの後に、患者および/または動物に送達される。一部の実施形態では、治療有効量の、本発明による組成物が、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/またはクラミジア状態の症状の発生の前に、これと同時に、かつ/またはこの後に、患者および/または動物に送達される。一部の実施形態では、免疫原性組成物の量が、クラミジア疾患、クラミジア障害、および/もしくはクラミジア状態による感染の危険性を低下させるか、またはこれらの1もしくは複数の症状もしくは特徴を治療し、緩和し、改善し、除去し、これらの開始を遅延させ、これらの進行を阻害し、これらの重症度を軽減し、かつ/もしくはこれらの発生を低減するのに十分である。
【0145】
本発明の方法による免疫原性組成物は、治療に有効な任意の量および任意の投与経路を用いて投与することができる。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、および全般的状態、感染の重症度、特定の組成物、その投与方式、その活性方式などに応じて、対象により異なる。任意の特定の対象または生物に特異的な有効投与レベルは、用いられる抗原組成物の免疫原性を含めた各種の因子;用いられる特定の組成物;用いられるアジュバントの性質;対象の年齢、体重、全般的健康、性別、および食餌;医療技術分野で周知の投与時間、投与経路などの因子に依存する。
【0146】
本発明の免疫原性組成物は、免疫反応を誘発する任意の経路により投与することができる。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、皮下投与される。一部の実施形態では、免疫原性組成物が、筋肉内投与される。一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物が、経口、静脈内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮内、直腸内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリーム、および/または滴下による)、経皮、経粘膜、鼻腔内、口腔内、非経口、舌下を含めた各種の経路により;気管内滴下、気管支内滴下、および/もしくは吸入により;ならびに/または経口スプレー、鼻腔内スプレー、および/もしくはエアゾールにより投与される。
【0147】
特定の実施形態では、タンパク質抗原を1μg〜500μgの範囲で包含する量で、本発明の免疫原性組成物を投与することができる。一部の実施形態では、約10μg、20μg、50μg、または100μgの用量がヒトに投与される。
【0148】
一部の実施形態では、免疫原性組成物が、複数回(例えば、2回、3回、4回、5回)にわたり投与される。一部の実施形態では、初回の免疫化の約2週間、1カ月、3カ月、6カ月、1年以上後に追加投与が施される。
キット
本発明は、本明細書で説明される1または複数の抗原を含む各種のキットを提供する。例えば、本発明は、新規のクラミジア抗原と、使用のための指示書とを包含するキットを提供する。キットは、複数の異なるクラミジア抗原を包含し得る。キットは、多数のさらなる成分または試薬のうちのいずれかを、任意の組合せで包含し得る。各種の組合せのすべてが明示的に示されるわけではないが、各組合せは、本発明の範囲内に包含される。
【0149】
本発明の特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(i)以下のクラミジア抗原:CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、またはCT843ポリペプチド抗原のうちの少なくとも1つを包含する免疫原性組成物と;(ii)それを必要とする対象に該組成物を投与するための指示書とを包含し得る。一部の実施形態では、キットが、アジュバントをさらに包含する。
【0150】
クラミジア抗原をコードする核酸を包含するキットもまた、提供される。特定の実施形態では、キットが、例えば、(i)クラミジア抗原をコードする核酸を包含する組成物と;(ii)核酸組成物の使用のための指示書(例えば、核酸を発現させて抗原を生成させるための指示書、またはそれを必要とする対象に該組成物を投与して、クラミジアに対する反応を誘発するための指示書)とを包含し得る。
【0151】
キットと共に包含される指示書は、例えば、プロトコールを包含し、かつ/または免疫原性組成物を作製するための条件、および/もしくはそれを必要とする対象に対する免疫原性組成物の投与などについて説明し得る。キットは、一般に、個々の成分および試薬の一部または全部が個別に収納され得るように、1または複数の容器(vessels)または容器(containers)を包含する。キットはまた、例えば、指示書、発泡スチロールなどの包装材料がその中に同梱され得るプラスチックボックスなど、個別の容器を、販売用に比較的密閉して同梱するための手段も包含する。キットの内部もしくは表面上、または該キット内に包含される1もしくは複数の容器の内部もしくは表面上には、識別子、例えば、バーコード、ラジオ周波数の識別(ID)タグなどを表示させることができる。識別子は、例えば、品質管理、在庫管理、追跡、ワークステーション間における移動などの目的で、キットを一意に識別するのに用いることができる。
【実施例】
【0152】
(実施例1)
Chlamydia trachomatis抗原の同定
クラミジア特異的T細胞の同定
10感染単位のChlamydia trachomatis基本小体(EB)を、近交系マウスへと腹腔内(i.p.)投与することにより、クラミジア特異的T細胞を誘発した。注射の6日後において、マウスを安楽死させ、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するPBSで該腹腔を洗浄することにより、腹腔内誘発細胞(PEC)を回収した。各マウスからPECをプールし、製造元の指示書に従い、Miltenyi社製Pan Tソーティングキットを用いる磁気ビーズ枯渇によりT細胞集団を濃縮した。次いで、結果として得られる濃縮T細胞集団を、CD4 T細胞特異的抗体をコンジュゲートさせた磁気ビーズ(Miltenyi社製)を用いてソーティングした。CD4陰性集団は、CD8と考えた。プレートに結合させた抗CD3抗体および抗CD28抗体(各5μg/mLずつ)、またはDynabeadsのマウスCD3/CD28 T細胞増殖キットを用いて、両方のT細胞サブセットを、in vitroにおいて非特異的に増殖させた。T細胞は、IL−2を添加したcPRMI−10%(RPMI、10%のFCS、HEPES、NEAA、ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、およびベータメルカプトエタノール)中に細胞10個/mLで維持した。
増殖させた細胞による、in vitroにおけるChlamydia trachomatisのライブラリースクリーン
ライブラリースクリーンの6日前において、ナイーブの同種マウスに、1mLの3%醸造用チオグリコール酸酵母を腹腔内注射し、マクロファージを誘発した。該スクリーンの前日において、マウスを安楽死させ、上記で説明した通りに、それらのPECを回収およびプールした。回収したPEC(主に、マクロファージ)を、cRPMI−10%中で再懸濁させ、次いで、平底96ウェルプレート内にウェル当たりの細胞10個で播種し、一晩にわたり、37℃、5%COの加湿インキュベーター内で静置した。
【0153】
クラミジアORFeomeライブラリーを用いて、増殖させた細胞をスクリーニングした。該ORFeomeライブラリーは、参照により本明細書に組み込まれるWO2007/098255において説明される通りに調製した、C.trachomatisの血清型D/UW−3/Cxのゲノム内の各オープンリーディングフレームを発現するE.coliのセットである。翌日、冷凍庫から該クラミジアORFeomeライブラリーを取り出し、室温で融解させ、マクロファージに対する誘導細菌の比率を100:1としてマクロファージに添加し、37℃、5%COの加湿インキュベーターへと戻した。2時間にわたるインキュベーション後、PBSにより細胞を洗浄し、次いで、1%パラホルムアルデヒド(PFA)により固定した。細胞を十分に洗浄し、残留PFAを、120mMリシンによりクエンチングした。最後にPBSによりすすいだ後、増殖させたT細胞を、ウェル当たりの細胞10個で固定されているパルスされたマクロファージに添加した。増殖させたT細胞と、パルスされたマクロファージとを含有するプレートを、37℃、5%COの加湿インキュベーターへと戻した。24時間後において、細胞を含まない上清を回収し、ELISAにより、IFNγの存在について評価した。
マウスにおける新規のChlamydia trachomatis抗原の同定
Balb/c、C57BL/6、C3Hを含めた複数の近交系マウス系統と、1つの非近交系系統であるCD1に由来する細胞を用いて、ライブラリースクリーンを実施した。各ELISAの結果に基づき、T細胞を刺激して、全データの平均を2標準偏差分超えるIFNγ反応をもたらしたクローンを、有意であると考えた;C57BL/6マウスに由来するCD8 T細胞による試料データを図1に示す。ライブラリー内の各クローンに対するT細胞反応をダイアモンドにより表し、全データの平均プラス2×SDのカットオフを直線により示す。このスクリーン(図1)の場合、894の可能なタンパク質のうち、約17の抗原が、カットオフを上回る反応を誘発した。
【0154】
その後、複数のマウス系統に由来する各ライブラリースクリーンの完全なデータセットを比較して、Chlamydia trachomatis抗原が、T細胞反応を有意に誘導した頻度を決定した(図2)。CD4 T細胞またはCD8 T細胞(またはこれらの両方)の誘導に基づきデータをさらに区分し、マウスのすべての系統にわたり、統計学的頻度および総頻度を比較して、5つの新規のクラミジアタンパク質:CT209、CT253、CT425、CT843、およびCT497を、免疫原性抗原として同定した。C.trachomatisの血清型Dを既に感染させた複数のマウス系統にわたり最も高頻度で同定された抗原、それらの機能、ならびに細菌内における位置を表2に列挙する。
【0155】
【表2】

抗原の固有性を検証するため、ライブラリーストックに由来するプラスミドDNAを精製および配列決定した。結果として得られる配列を表3に列挙するが、これにより、該ライブラリー内で同定されるT細胞抗原をコードした遺伝子についての配列決定データが示される。配列決定に用いられたプライマーは、プラスミド内で各クローンの上流に位置するコンセンサスプライマーであった。「Query」は、プラスミド内の挿入配列に由来する実際の配列データを表し、「Sbjct」は、GenBank内で見出される注釈つき遺伝子の配列である。アライメントは、インターネット上の以下のアドレス:blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiにおける、NCBIウェブサイトのヌクレオチドBLASTフィーチャを用いて実施した。
【0156】
【表3−1】

【0157】
【表3−2】

【0158】
【表3−3】

【0159】
【表3−4】

【0160】
【表3−5】

(実施例2)
Chlamydia trachomatis感染の病歴を有する女性に由来する末梢血単核細胞は、同定されたタンパク質抗原に反応する
ヒトに由来するクラミジア特異的T細胞の単離およびスクリーニング
Chlamydia trachomatisによる性器感染についての文書による病歴を有するか、または感染したパートナーに対する複数回にわたる性的曝露を有したヒト対象から、ヘパリン処理した全血液試料またはロイコパック試料を回収し、ficoll勾配遠心分離により濃縮した。抗体をコーティングした磁気ビーズを用いてCD4 T細胞およびCD8 T細胞、ならびにCD14単球を分離し、培地内に入れた(単球は、CM−CSFサイトカインおよびIL−4サイトカインを伴う樹状細胞(MDDC)へと派生させ、T細胞は、組換えIL−2を伴う抗CD3抗体および抗CD28抗体によりコーティングした磁気ビーズを用いて非特異的に増殖させた)。十分な細胞数が達成された後で、濃縮して増殖させたCD4 T細胞およびCD8 T細胞を個別に用いて、ORFeomeライブラリーでパルスされた自己MDDCによる抗原提示を確認し、どの抗原が天然でT細胞反応を誘導したかを決定した。該ORFeomeライブラリーは、これを、バクテリオファージではなくアラビノースにより誘導可能なE.coli菌株へと移した点を除き、実施例1で説明したのと同じライブラリーであった。共培養の18時間後において、ELISAを介して、細胞を含まない上清中におけるインターフェロンガンマ(IFNγ)を測定することにより、T細胞反応をモニタリングした。
【0161】
ヒト対象に由来する110を超える試料を、該ライブラリーに対してスクリーニングした。バックグラウンドを補正した後で、データの中央値を平均偏差の2倍超えるIFNγ反応を誘導したライブラリータンパク質を、このスクリーンにおける陽性と考えた。表4は、抗原がヒトドナーにより認識された頻度を示す。タンパク質が陽性である回数を、スクリーニングされた対象数で除することにより、頻度を計算した。
【0162】
【表4】

同等物および範囲
当業者は、日常的な実験だけを用いて、本明細書で説明される本発明の特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、またはこれを確認することができる。本発明の範囲は、上記「発明を実施するための形態」に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に記載の通りであることを意図するものである。
【0163】
当業者は、日常的な実験だけを用いて、本明細書で説明される本発明の特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、またはこれを確認することができる。本発明の範囲は、上記「発明を実施するための形態」に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に示される通りであることを意図するものである。
【0164】
特許請求の範囲では、「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」などの冠詞が、そうでないことを指示されるか、または文脈から別段に明らかでない限り、1または複数を意味し得る。したがって、例えば、「ある細胞」に対する言及は、当業者に公知の1または複数の細胞に対する言及を包含するなどである。群の1または複数のメンバー間において「または」を包含する請求項または説明は、そうでないことを指示されるか、または文脈から別段に明らかでない限り、該群のメンバーのうちの1つ、複数、またはすべてが、所与の生成物または過程において存在するか、これにおいて用いられるか、または他の形でこれに関与する場合に満たされると考えられる。本発明は、該群の正確に1つのメンバーが、所与の生成物または過程において存在するか、これにおいて用いられるか、または他の形でこれに関与する実施形態を包含する。本発明は、該群のメンバーのうちの複数またはすべてが、所与の生成物または過程において存在するか、これにおいて用いられるか、または他の形でこれに関与する実施形態を包含する。さらに、本発明が、列挙された請求項のうちの1または複数に由来する1または複数の限定、要素、条項、説明用語などが別の請求項へと導入される、すべての変更、組合せ、および順列を包含することを理解されたい。例えば、別の請求項に依存する任意の請求項を改変して、同じ基本請求項に依存する他の任意の請求項内において見出される1または複数の限定を包含させることができる。さらに、特許請求の範囲が組成物を列挙する場合、別段に指示されるか、または矛盾もしくは齟齬が生じることが当業者に明らかでない限り、本明細書で開示される目的のうちのいずれかで該組成物を用いる方法が包含され、本明細書で開示される作製法または当技術分野で公知の他の方法のうちのいずれかにより該組成物を作製する方法も包含されることを理解されたい。
【0165】
要素が、例えば、マーカッシュ群フォーマットによる列挙として提示されている場合、該要素の各亜群もまた開示され、任意の要素(複数可)を該群から取り除き得ることを理解されたい。一般に、本発明または本発明の態様が、特定の要素、特徴などを含むものとして言及される場合、本発明の特定の実施形態、または本発明の態様は、このような要素、特徴などからなるか、またはこれらから基本的になることを理解されたい。簡潔さを目的として述べると、これらの実施形態は、本明細書では、これらの表現で具体的に示されているわけではない。「含む」という用語は、オープンであることを意図し、さらなる要素またはステップの包含を許容することが注目される。
【0166】
範囲を与える場合は、端点を包含する。さらに、別段に示されるか、または文脈および当業者の理解から別段に明らかでない限り、範囲として表現される値は、文脈により明確な形で別段に指示されない限り、該範囲の下限を単位とする10分の1までの、本発明の異なる実施形態において言及される範囲内にある、任意の特定の値または部分範囲を前提とし得ることを理解されたい。
【0167】
加えて、先行技術内に収まる、本発明の任意の特定の実施形態は、特許請求の範囲のうちの任意の1項または複数項から明示的に除外され得ることを理解されたい。このような実施形態は、当業者に公知であると見なされるので、該除外が本明細書において明示的に示されていない場合であっても除外され得る。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の抗原、任意の投与法、任意の予防的適用および/または治療的適用など)は、先行技術の存在に関連している場合であれ、これに関連していない場合であれ、任意の理由により、任意の1または複数の請求項から除外され得る。
【0168】
上記および本文の全体において論じられる刊行物は、本出願の出願日以前においてそれらが開示されたことだけのために示される。本明細書におけるいかなる内容も、本発明者らが、先行開示によりこのような開示に先立つ権利を与えられていないことを容認するものとしては理解されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される単離クラミジア抗原を含む免疫原性組成物。
【請求項2】
前記クラミジア抗原が、少なくとも10アミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記クラミジア抗原が、少なくとも20アミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記クラミジア抗原が、少なくとも50アミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記クラミジア抗原が、少なくとも75アミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記クラミジア抗原が、少なくとも100アミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記クラミジア抗原が、異種ポリペプチドへと融合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
アジュバントを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記アジュバントが、ミネラル含有アジュバントを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ミネラル含有アジュバントが、水酸化アルミニウムを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記アジュバントが、免疫調節オリゴヌクレオチドを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記アジュバントが、油性エマルジョンを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記アジュバントが、サポニンを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
前記アジュバントが、免疫刺激複合体(ISCOM)を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
2つ以上のクラミジア抗原を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの2つ以上を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの3つ以上を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの4つ以上を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、(a)CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択される第1のクラミジア抗原と;(b)第2のクラミジア抗原とを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
前記第2のクラミジア抗原が、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、CT812ポリペプチド抗原、CT823ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される抗原を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
Chlamydia trachomatisに対して免疫反応を誘発する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記クラミジア抗原に対してT細胞媒介性免疫反応を誘発する、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記クラミジア抗原に対してCD4 T細胞媒介性免疫反応を誘発する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記クラミジア抗原に対してCD8 T細胞媒介性免疫反応を誘発する、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記クラミジア抗原に対して抗体反応を誘発する、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
哺乳動物内のクラミジアに対して免疫反応を誘発する方法であって、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、CT843ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される単離クラミジア抗原を含む免疫原性組成物を、前記哺乳動物に投与するステップを含む方法。
【請求項29】
Chlamydia trachomatisに対して免疫反応を誘発する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記クラミジア抗原に対してT細胞反応を誘発する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記クラミジア抗原に対してCD8 T細胞反応を誘発する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記クラミジア抗原に対してCD4 T細胞反応を誘発する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記クラミジア抗原に対して抗体反応を誘発する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記クラミジア抗原に対してIgG反応を誘発する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記クラミジア抗原に対してIgA反応を誘発する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記免疫原性組成物が、少なくとも2回にわたり前記哺乳動物に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記哺乳動物は、Chlamydia trachomatisによる感染の危険性がある、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
前記哺乳動物が、Chlamydia trachomatisに感染している、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
前記哺乳動物が、雌である、請求項28に記載の方法。
【請求項40】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項28に記載の方法。
【請求項41】
前記クラミジア抗原が、少なくとも10アミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項42】
前記クラミジア抗原が、少なくとも20アミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項43】
前記クラミジア抗原が、少なくとも50アミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項44】
前記クラミジア抗原が、少なくとも75アミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項45】
前記クラミジア抗原が、少なくとも100アミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項46】
前記クラミジア抗原が、異種ポリペプチドへと融合される、請求項28に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物が、アジュバントを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項49】
前記アジュバントが、ミネラル含有アジュバントを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ミネラル含有アジュバントが、水酸化アルミニウムを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記アジュバントが、免疫調節オリゴヌクレオチドを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記アジュバントが、油性エマルジョンを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記アジュバントが、サポニンを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記アジュバントが、免疫刺激複合体(ISCOM)を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が、2つ以上のクラミジア抗原を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項56】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの2つ以上を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの3つ以上を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原のうちの4つ以上を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記2つ以上の単離クラミジア抗原が、(a)CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択される第1のクラミジア抗原と;(b)第2のクラミジア抗原とを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
前記第2のクラミジア抗原が、CT062ポリペプチド抗原、CT104ポリペプチド抗原、CT144ポリペプチド抗原、CT111ポリペプチド抗原、CT242ポリペプチド抗原、CT491ポリペプチド抗原、CT601ポリペプチド抗原、CT687ポリペプチド抗原、CT732ポリペプチド抗原、CT781ポリペプチド抗原、CT788ポリペプチド抗原、CT808ポリペプチド抗原、CT812ポリペプチド抗原、CT823ポリペプチド抗原、およびこれらの組合せから選択される抗原を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸。
【請求項63】
前記クラミジア抗原へと融合される異種ペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項62に記載の核酸。
【請求項64】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項62に記載の核酸。
【請求項65】
アジュバントをさらに含む、請求項62に記載の核酸。
【請求項66】
哺乳動物内のクラミジアに対して免疫反応を誘発する方法であって、CT209ポリペプチド抗原、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与するステップを含む方法。
【請求項67】
CT209ポリペプチド、CT253ポリペプチド抗原、CT425ポリペプチド抗原、CT497ポリペプチド抗原、およびCT843ポリペプチド抗原から選択される単離クラミジア抗原を含むキット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512257(P2012−512257A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542431(P2011−542431)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068457
【国際公開番号】WO2010/078027
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511146071)ジェノセア バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】