説明

クランク・ラチェットドライバ装置

【課題】従来のチェットドライバは、グリップ一回の揺動でのネジの回転は半回転であったから、ねじを回す早さはクランク式のドライバに比べてはるかに遅く、ネジを回すトルクが小さいと、揺動したグリップに、はソケットに挿着したドライバの軸が従動したので、ノブを回してねじを回さなければならなかった。 またクランク式ドライバは、ハンドルでねじを早く回せるドライバであるが、ねじのトルクが大きくてハンドルでねじが回せないとき、回しにくく、力が入れにくい軸の中間部を回してねじを回さなければならなかった。
【解決手段】T型のラチェットドライバのグリップ1の片側から上に、ねじを回すハンドル6を枢設して、ねじが軽く回るときは、ハンドル6を回してねじを回し、ねじを回すトルクが大きいときはグリップ1を揺動してねじを回すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじを回すドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
図3に示す従来のラチェットドライバ21は、ラチェット22上にグリップ23を逆L字形に形設し、ラチェット22の下に、上部にノブ24を形成した、ドライバの軸25を挿入するソケット26を係着したドライバで、グリップ23を揺動させて、ソケット26に挿入したドライバの軸を回すドライバであった(特許文献1参照)。
【0003】
また図4に示すクランク式ドライバ31は、ドライバの軸32上に、柄33を枢着したくの字形のハンドル34を、柄33の後端の中心を、ドライバの回転中心線35上にしたクランク形の、ハンドル34を回してドライバの軸32を回すドライバであった(特許文献2参照)。
【特許文献1】 特許出願公告 昭50−29200 公告
【特許文献2】 公開実用新案公報(U) 昭61−151868 公開
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図3に示すラチェットドライバ21は、柄に軸を突設した、柄を持ち替えながらねじを回すドライバと異なり、グリップ23を保持した手を持ち替えずに連続揺動してねじを回すドライバであるが、グリップ23一回の揺動で回るドライバの軸25の回転は半回転でであったから、クランク式のドライバ31に比べてはるかに遅かった。
また、ネジを回すトルクが小さいと、グリップ23を揺動にソケット26が従動し、ソケット26に挿着したドライバの軸32が従動したので、ノブ22を回してねじを回さなければならなかった。
【0005】
また図4に示すクランク式ドライバ31は、ハンドル34を回してねじを早く回すドライバであるが、ねじのトルクが大きくて、ハンドル34でねじが回せないとき、軸の中間部36の、軸32が回しにくく、力が入れにくいところでねじを回さなければならなかった。
本発明はこれらの欠点を除き、ねじが軽く回るときはハンドル6でねじを回し、力を入れてねじを回さなければならないときは、グリップ1を揺動させてねじを回す。ラチェットドライバ21とクランク式ドライバ31の長所を兼ね備えたドライバを提供するのを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以上の目的を達成するためになされたもので、図1において説明する。
T字型にグリップ1の下に固設したラチェット2の下方にに、ドライバの軸3を挿入するソケット4を突設し、グリップ1の片側から上方にハンドル6を、ハンドルの柄7の先端をソケットの回転軸6側に傾けて枢設したものである。
【0007】
なお図1に示すハンドル6は、ハンドルの柄に軸受9が入る穴を凹設して、その穴にスチールボール10入れ、軸受けに抜け止めの突起を形成したハンドル6の回転軸8挿入した軸受9を挿着して、回転軸9の柄から突出している部分をグリップ1の前記の位置から前記の方向に突出して、ハンドル6を突設したものである。
【0008】
図2に示すハンドル6は、柄7から下方に突出している回転軸13を、グリップの前記の位置から前記の方向にグリップから抜けないようにして枢着したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のクランク・ラチェットドライバ装置14は、ソケット5にねじの頭に適したドライバの軸3を挿入してねじを回す装置で、ねじが軽く回るときはハンドル6でねじを回し、ハンドル6ではねじが回しにくいときは、グリップ1を揺動させてねじを回す。
従って、ねじが軽く回るときは、ハンドル6を回してねじを回し、ハンドル6が重くなったら、ハンドル6を回した手をグリップ1に移し、グリップ1を揺動してねじを回す。
【0010】
なお、ねじを回しているときにドライバの軸4が旋回するときは、他の手の指でラチェット2およびソケット5を包むように軽くガイドすると、その旋回は止められる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ハンドル形のドライバーと、ラチェットドライバーの機能を併せ持つものであるから、ネジが軽く回るときは、早く回るハンドル6でねじを回し、ハンドル6が重くなったらただちにハンドル6からグリップ1に手を移して、クリップを揺動してねじが回せる能率的なドライバ装置である。
ネジの頭の適したドライバの軸3をソケットに挿入して、多様な頭の形状のねじを回すことができ、軸4の先を錐またはツイストドリルに形成したものは、木またはプラスチックなどの穴あけできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本発明の一部断面のクランク・ラチェットドライバ装置
【図2】 グリップに軸受けを設けた、クランク・ラチェットドライバ装置のの一部断面図
【図3】 従来のラチェットドライバ
【図4】 従来のクランクドライバ
【符号の説明】
【0013】
1 グリップ
2 ラチェット
3 ドライバの軸
4 ソケット
5 ソケットの回転軸
6 ハンドル
7 柄
8 ハンドルの回転軸
9 軸受
10 スチールボール
11 抜け止めの突起
12 軸受
13 回転軸
14 クランク・ラチェットドライバ
15 止めねじ
21 ラチェットドライバ
22 ラチェット
23 グリップ
24 ノブ
25 ドライバの軸
26 ソケット
26 グリップの回転軸
31 クランク式ドライバ
32 軸
33 柄
34 ハンドル
35 軸の回転中心線
36 柄の中間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T字型にグリップ1の下に固設したラチェット2に、ドライバの軸3を挿入するソケット4を下方に突設し、グリップ1の片側から上方に、柄6を枢設したハンドル7を、柄6の先端をソケットの回転軸6側に傾けて突設した、クランプ・ラチェットドライバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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