説明

クリップ式の夜間暗視装置

夜間暗視装置(10)は光学照準望遠鏡(16)を通して見られるのに適した強調された像を生成する。夜間暗視装置(10)の入力体(18)は対物レンズ組立体(20)を通して強調されるべき像を受像する。像強調ユニット(22)が像を強調する。強調された像はディスプレイ(28)から照準望遠鏡(16)の接眼レンズ(24)に光学的に伝える。ディスプレイ(28)は強調された像を表示するために、像強調ユニット(22)に連結される。像経路(32)に位置するリスレプリズム(30)が照準合わせの(36)を制御可能に調節し維持するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見られるシーン(scene)の像を強調るための夜間暗視タイプの装置の分野に関し、特に、一人で持ち運べる既存の武器の照準器に組み合わせて使用するのに適した、武器に取り付けられる夜間暗視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一体型の昼夜使用用の照準器が、武器を昼間及び夜間の両方の状況で使用するために、軍人又は当局の職員により使用されている。典型的に、昼夜用の照準器は、対物レンズ、レチクル及び接眼レンズを連続して並列に含むが、別個の昼間及び夜間用チャネルを含む。チャネル選択器又は光学スイッチが、ターゲットの像を交互に、昼間用チャネル又は夜間用チャネルに向けるために使用され得る。
【0003】
昼間用チャネルは一般的に、ターゲットの像を生成するために周辺光を使用する。像は使用者により見られるディスプレイ又は接眼レンズ組立体に投影され、又は電子的に伝達され得る。夜間用チャネルは一般的に、ターゲットの照らされた像を生成するために像増強管を含む。照らされた像は、夜間の使用の間、使用者により見られるディスプレイに投影され又は電子的に伝達される。
【0004】
リスレプリズムが、従来の二重経路装置の昼間用の光学経路に使用されていた。特許文献1(米国特許第6,169,628号明細書)及び特許文献2(米国特許第6,172,821号明細書)は平行な光学経路の日中分岐点に配置されたリスレプリズムを有する昼夜照準望遠鏡を教示する。特許文献3(米国特許第6,111,692号明細書)は同様に他の昼夜照準望遠鏡に使用される対物レンズと可動な焦点セルレンズ組立体との間の光学経路に配置されたリスレプリズムを教示する。
【特許文献1】米国特許第6,169,628号明細書
【特許文献2】米国特許第6,172,821号明細書
【特許文献2】米国特許第6,111,692号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昼夜用及び他のタイムの組み合わせの照準器がもつ課題は、ユニットが使用されるとき、運ばなければならない二つの照準システムの大きさ及び付加的な重量である。
【0006】
また、特許文献3は昼夜照準望遠鏡の夜間経路又はチャネルに対して、X−Y−Z方向に焦点セルレンズ組立体を移動することを開示する。特許文献3に開示のものに似た装置において、焦点セルレンズ組立体を動かすことは、カムの回転に応じて、焦点セルの前方及び後方移動を制限する偏心カム及びピンの構成の使用により達成された。
【0007】
上記特許文献はこの技術の分野における多くの効果、利点、技術をもち、開示するが、本発明により達成される特定の課題を解決するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、夜間暗視装置は、光学的な照準望遠鏡を通して目るのに適した、強調されたシーンの像を生成する。夜間暗視装置の入力端が光学的照準望遠鏡の接眼レンズから強調された像を受像する。像を強調するユニットは、所望のフォーマットで像を強調する。強調された像は、光学的な照準望遠鏡の接眼レンズから光学的に伝えられ、像強調ユニットの入力端により受像される。像強調ユニットに接続された出力像ディスプレイユニットが強調された像を表示する。夜間暗視装置のコリメータレンズの後の、夜間暗視装置を通る像の経路に配置されたリスレプリズムが、夜間暗視装置の光学照準望遠鏡及び像強調ユニットの照準合わせを制御可能に調節し、維持するために使用される。
【0009】
本発明の主要な目的は、武器にさまざまな衝撃があっても照準合わせを保持する機構でもって、照準合わせをセットする単純で信頼のある方法を提供することである。また、一人で持ち運べる武器に備えられた光学的な照準器が通常は、使用の前に正確に“照準合わせ”されるので、備え付けられた照準望遠鏡と協働する取り外し可能な夜間暗視装置が、光学的な照準望遠鏡を取り外す必要性、又は照準望遠鏡の照準合わせを変更させる必要性が著しく減ずる。
【0010】
必要な組立体の丈夫さ、正確な照準合わせを達成するために、本発明ではこれら二つの機能が分離される。主要な光学的な要素(対物レンズ、像増強管及びコリメータレンズ)が固定した後に、照準合わせのセッティング及び調節は一対のリスプリズムを回転することにより達成される。この新規な概念が、システムのメンテナンスの間、必要な組立体及び合わせのステップを使用者が実行できる正確で、信頼性があり単純な方法であることが立証された。
【0011】
本発明の他の実施例において、見られるシーンが強調される像を受像できる焦点化可能な暗視装置は、見られるシーンの像を形成する光を収集する対物レンズを含む。像強調ユニットが像を所望のフォーマットで強調する。強調される像が、像強調ユニットの出力端で受像される。出力像のディスプレイユニットが、使用者により強調された像を見るための像強調ユニットと連結される。対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体と像強調ユニットとの間に配置された焦点セル組立体を制御可能に前後に移動させる焦点化組立体が含まれる。光軸に対して垂直な軸の周りいノブ組立体の回転運動が、機械的に焦点セルレンズ組立体の回転に変換され、焦点セルレンズ組立体は、対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体に対して前後に移動する。
【0012】
焦点セルレンズ組立体のための焦点化組立体は、野外において、また使用者により容易に調節可能であるとともに、同時に焦点セルレンズ組立体の前後移動の範囲を従来のカム及びピン焦点装置よりも大きくする。
【0013】
本発明のこれら及び他の目的、効果及び好適な特徴は、本発明の好適な実施例を図示する添付図面とともに下述する説明により明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述の要約した本発明の特定の説明は、添付の図面に図示され、記述された実施例から明らかとなろう。この明細書を通して、上記特徴や下述の特徴は詳細に理解されよう。しかし、図面は典型的な発明の好適実施例を図示するものであり、本発明の範囲を制限するものではなく、逆に図示の実施例と同等のものも開示されているとみるべきものである。
【0015】
本発明の上記した特徴、効果及び目的は詳細に理解され得ることから、上記要約した本発明の記述もまた好適実施例を図示する図面から理解されよう。図において、同様の要素には同一の符号が付されている。
【0016】
取り付け自在のクリップ型夜間暗視装置(“CNVD”)10が、Rifle Combat Optic(RCO)又は光学照準望遠鏡16を通して見られるのに適したシーン14の強調された像12を生成するのに適している。夜間暗視装置10の入力端18が、対物レンズ組立体20を通して強調された入力像を受像する。像強調ユニット22が所望のフォーマットでシーンの入力像を強調する。強調された像は、像強調ユニット22の入力端26で受像した後に、光学照準望遠鏡16の接眼レンズ24に光学的に伝えられる。像強調ユニット22に連結された出力像ディスプレイ28が強調された像12を表示する。リスレプリズムユニット30が、夜間暗視装置10のコリメータレンズ組立体34の後に、夜間暗視装置10を通過する光学像経路32に位置する。リスレプリズムユニット30は武器の投射物の正確な的中のために、光学照準望遠鏡16と像強調ユニット22との照準合わせ36を制御可能に調節及び維持するために、使用される。
【0017】
これに代えて、本発明の他の実施例では、見られるシーンの強調された像を受像する焦点化可能な夜間暗視装置10は、見られるシーン14の像を形成する光を集めるための対物レンズ組立体20を含む。像強調ユニット22が所望のフォーマットで像を強調する。強調される像は、像強調ユニット22の入力端18で受け取られる。出力像ディスプレイユニット28が、使用者により強調された像12が見えるように像強調ユニット22と連結されている。焦点化組立体38により、使用者は、対物レンズ組立体20を通過する所望の中央光軸又は像経路32にそって、対物レンズ組立体20と像強調ユニット22との間に設けられた焦点セルレンズ組立体40を制御して前後に移動させることができる。使用者が光軸32にほぼ垂直な軸44の周りにノブ組立体を回転させる運動は、対物レンズ組立体20を通過する所望の光軸32にそって対物レンズ組立体20に対して焦点セルレンズ組立体40を移動させるための、焦点セルレンズ組立体40の回転運動に機械的に変換される。
【0018】
照準合わせのためのリスレプリズムを有する取り付け自在の夜間暗視装置
取り付け自在のクリップ型夜間暗視装置(“CNVD”)10は、種々の軍隊により使用できるRifle Combat Optic(RCO)又は光学照準望遠鏡16を通して見られるのに適したシーン14の強調された像12を生成するのに適している。光学照準望遠鏡16はしたがって、実際のシーン14ではなく、強調された像12を見ることになる。
【0019】
夜間暗視装置10の出力端18が対物レンズ組立体20を通して強調された入力像を受像する。像強調ユニット12が所望のフォーマットでシーンの入力像を強調する。強調された像は、像強調ユニット24の入力端26により受像された後に、光学照準望遠鏡16の接眼レンズ端24に光学的に伝えられる。像強調ユニット22と連結された出力像ディスプレイユニット28が強調された像12を表示する。
【0020】
リスレプリズムユニット30が、夜間暗視措置10のコリメータレンズ組立体34の後に、夜間暗視装置10を通る光学像の経路32に位置している。リスレプリズムユニット30は、光学照準望遠鏡16及び夜間暗視装置10の像強調ユニット22の照準合わせを、制御可能に調節し、維持するために使用される。一般的に、リスレプリズムユニット30はふたつ以上の相補的なリスレプリズム30a及び30bを有する。一つのプリズムを他のプリズムに対する回転は、照準合わせ32を所望に維持すべく光学経路32を調節する。
【0021】
本発明のCNVD10は軽量の材料で構成することができる。主要ハウジング46は射出成形されたガラスファイバー補強ULTEM製(この材料は多くの従来技術の夜間暗視装置に使用されているもの)である。レンズバレル50は耐引っかき性をもつ陽極処理されたコーティングをもつアルミニウムから作られている。全ての材料は、塩水噴霧、虫忌避剤などの溶液、洗浄溶液、石油製製品を含む全ての通常の軍事環境下において物理的かつ化学的な耐性を有することが証明されているものとすべきである。
【0022】
CNVD10の対物レンズ組立体20は、既知の5.5mm、F/1.1Mangin設計(低光量条件で、高い光学的性能を呈し、非常に軽量設計である)であってもよい。
【0023】
成形されたラバー製のフード52が、対物レンズ組立体20を覆い、対物レンズを機械的に保護し、さらに野外の光による迷光に対する光バッフル(回転板)のように機能する。
【0024】
CNVDコリメータレンズ34は好適に、大きな射出ひとみをもつことで、昼間用の光学系とともに機能するものである。後部で柔軟なラバー製レンズフード54により、CNVD10とRCO16との間の光の安全性が維持される。RCO16の後部56から出て行く光は、使用者の眼球を照らし、使用者の顔に漏れることがない。
【0025】
単純な取り付けの例として、本CNVD10は、高速レバーマウント66を使用して、武器のレール取り付けシステム58に取り付け、固定することができる。レバー60が閉じられると、装置は留め金66と係合するように前方へスライダさせることで固定される。この取り付けは道具を必要とせず、10秒もかからずに行える。一旦取り付けられると、CNVD10はパワースイッチをオンにすることで、簡単に作動できるもので、照準は付勢され、RCOの通常の照準の特徴(視界やレチクルのパターン)は変化しない。照準の特徴は、装置がオンに切り替えられ、又は動作中、OFF/ON手動利得制御ノブを調節することで最適化される。照準の特徴は、照準器の正面部分に範囲焦点レバー又はノブを調節することにより焦点合わせされる。柔軟性を最大限にする設計では、範囲焦点レバーは、CNVDの両側から均等にとどく。すべての使用者の制御及び調節は、好適に感触のあるものであり、作動中使用者にフィードバックされ、防寒手袋でさえも行える必要がある。
【0026】
CNVD10は、コンパクトな光学設計、軽量な成形ULTEMプラスチックハウジング46及び非常に目立たない取り付け設計を組み込み、その結果非常に小型化したシステムとなっている。
【0027】
CNVD10のバッテリーキャップ64は手袋をした手でも容易に扱えることが望ましく、典型的なバッテリーキャップは、CNVD10が武器に取りつかれている間、素早く交換できるものである。極性インジケータ(エンボス加工されたシンボル“plus”の形状をしたもの)が、正しいバッテリーの向きを示すようにハウジング46の外側に形成されてもよい。極性が正しくなっていると、バッテリーの間違った挿入による損傷が確実に防止される。任意のバッテリーインジケータが、バッテリーの残量が30分以内となった時にそのことを使用者に知らせるようなものでもよい。
【0028】
本発明のクリップ型夜間暗視装置10は、一人で持ち運べる型武器Wに取り付けられるレールユニット68及び相補的レール68と着脱自在に係合するために夜間暗視装置10の取り付け可能なマウントユニット66上のクリップをもつタイプの既知のレールタイプの武器マウント58をもつ、持ち運べる武器Wに取り付け可能である。
【0029】
携帯型武器Wは、取り付けレール68と整合し、武器W(武器の照準合わせ36に使用される)の穴と整合可能に(固定式又は着脱自在に)取り付けられる光学照準望遠鏡を有する。夜間暗視装置10は、見られるシーンを直接射程の範囲とするのではなく、CNVD10のディスプレイ28が光学照準望遠鏡を通してのぞきこむことができるように、光学照準望遠鏡16の前方の光学経路32に取り付け可能である。典型的に、CNVD10は、光の伝送の最適化のために、さらにCNVD10により敵が夜間暗視装置及び使用者の位置を知ることがないように、余分な光を減少させるため、光学照準望遠鏡16の近傍に着脱自在に取り付けられる。
【0030】
CNVD10の像強調ユニット22は、一般的に、ハウジング72、典型的な光ファイバー束74、光電陰極76、電源78及び出力イメージャー80を有する既知の典型的な像増強管70を含む。像増強管70は好適に、焦点セルレンズ組立体40が像の焦点化のために可動である主要ハウジング46内で、固定位置に位置する。
【0031】
典型的に、CNVDの出力像ディスプレイ28はリン光性スクリーンで、像が一般的に緑色の色合いをもつ。これに代えて、像増強管70の出力は、適切な照準望遠鏡と武器の照準合わせを維持する一方、適切かつ必要に応じて、直接見るため又は遠隔で見るために既知の電子ディスプレイを使用して連結され得る。後ろ側のディスプレイフード又はシールド54は、CNVDディスプレイから余分な光が漏れないように使用され得る。
【0032】
本発明のCNVD10は、RCO(Rifle Combat Optic)又は光学照準望遠鏡16を取り除くことなく使用者が夜間使用できる頑丈な電子光学システムである。CNVD10は、RCOの位置を変えることなく、RCO16の前方でそれと整列したMIL-STD-1913に取り付けられる。このことは、夕暮れ又は夜間のような微光の状況下でも使用できることになり、RCO16の照準能力を伸ばす。CNVD10は任意であるが、昼間用から夜間用のモードに素早く移すことができるように、急速着脱(QD)でき、単投式レバータイプのマウント66を含む。本CNVD10はまた、携帯式の夜間暗視装置として独立して使用し得る。
【0033】
電源一体式のCNVD設計は、使用者が見るときのRCO照準図柄及びレチクル外観を保存する。RCO16ゼロは、CNVD10が備え付けられたときに維持される。
【0034】
CNVD10は、自動ゲート式電源をもつ公知のMX−117869型18mm高性能Gen III管70を使用できる。これは、AN/PVS-14夜間暗視ゴーグルに設けられ、AP/PVS-24夜間暗視装置に使用されるのと同じタイプである。
【0035】
光学照準望遠鏡16及び夜間暗視装置の光軸32が、以下の工程により整列される。
a. 見られるシーンの像を所望のフォーマットで強調するために、像強調ユニット122で像を強調する工程で、ここで強調される像は、像強調ユニット26の入力端により受像される。
b. 強調された像12を選択的に見るための出力像ディスプレイユニット28でもって出力像を形成する工程。
c. リスレプリズムユニット30を通してみるシーン14の強調された像を伝える工程。
【0036】
本発明のシステムでは、夜間暗視装置の光軸の整合は、リスレプリズムユニット30a及び30bの少なくとも一つのプリズムの回転により調節される。
【0037】
焦点セルレンズ組立体のための焦点機構
本発明の他の実施例では、焦点化可能な夜間暗視装置10は見た又は観測されたシーン14の強調された像を受像し、上述したのと同様に、見られるシーン14の像を形成する光を集めるための対物レンズ組立体20を含む。像強調ユニット22は、前述のように所望のフォーマットで像を強調する。強調されるべき像は、像強調ユニット22の入力端18で受像される。出力像ディプレーユニット28は使用者により強調された像12を見るための像強調ユニット22と連結されている。
【0038】
使用者により、対物レンズ組立体20を通過する所望の光軸又は像経路32にそって、対物レンズ組立体20と像強調ユニット22との間に設けられた焦点セルレンズ組立体40を制御して前後に移動するために、焦点化組立体38が使用される。光軸32にほぼ垂直な軸44の周りに使用者が利用できるノブ組立体42の回転動作は焦点セルレンズ組立体40の回転運動に機械的に変換されて、焦点レンズセル組立体40が対物レンズ組立体20を通過する所望の光軸22にそって、対物レンズ組立体20に対して移動する。
【0039】
一般的に、対物レンズ組立体20を通る中央光軸32と、像強調ユニット22の中央の軸とが整列し、かつ共軸となっている。
【0040】
焦点セルレンズ組立体40は、使用者による回転ノブ98の制御に応じて、トラックシステム又はガイド96に沿って移動する。一般的に、ノブ98は垂直な軸44の周りに、右又は左に回せるものである。
【0041】
好適に、対物レンズ組立体20を通る所望の光軸32にそって、対物レンズ組立体20に対して、焦点セルレンズ組立体40を、回転運動102及び並進運動104を形成する螺旋ガイドシステム100によりガイドされながら、焦点セルレンズ組立体40は移動する。螺旋ガイド100は好適に、焦点セルレンズ組立体40の外側108に形成された螺旋部106と、夜間暗視装置10の内部に設けられた相補的に螺刻された部分110とを含む。
【0042】
任意ではあるが、ノブ98はオタマジャクシのような形状で、ほぼ円形又は丸い中央部112と、使用者が制御できるように中央部112から伸長する伸長レバー部114を有する。このような設計により、使用者は野外で、素早くノブ98を回し、このことにより焦点を素早く合わせることができる。
【0043】
ノブ98の回転は、焦点セルレンズ組立体40の外部108に取り付けられた相補的な平歯車118を動かすラック部分又は機構116に伝えられる。
【0044】
図8に特によく示されているように、ラック機構116及びノブ98は好適に、ハウジング46の除去可能な部分132の下側130に設けられている。溝付きバー134がノブ98の垂直な(回転)軸44からずれたハウジング部分132に枢着された一方の端部136を有する。溝付きバー134の他方の端部138は、歯部をもつラック部分140を有し、ラック部分140の歯部は、可動な焦点セルレンズ組立体40に形成された、平歯車188の相補的な歯部と係合する。平歯車118の方向は、中央の光軸32に垂直である。
【0045】
ラック部分140は溝付きバー134の他方の端部138に可動に取り付けられている。ピン142が、スロット144と係合するために、垂直な(回転)軸44の中心からずれてノブ98の下に固定されている。
【0046】
使用者がノブ98を回転させると、ラック部分140は、枢着された溝付きバー134の端部138のところで動き、ノブ98が並進すると、ラック部分140は横方向に動く。ラック部分140の横方向の動きは、ラック部分140の歯部と平歯車118の相補的な歯部とがかみ合うと、焦点セルレンズ組立体40を並進させながら、回転させる。
【0047】
ノブ組立体42がハウジング46の除去可能な部分に取り付けられることにより、ラック部分140が平歯車118から外れて、焦点セルレンズ組立体40を適切な焦点位置へ配置して、焦点セルレンズ組立体40の大まかな調節を行うことができ、ノブ組立体42を再度取り付け、ラック部分140と平歯車118を係合することで、使用者は正確な焦点合わせを行うことができる。
【0048】
見られるシーンの像を形成する光を集める対物レンズ組立体、及び像を所望のフォーマットで強調する像強調ユニット22(強調される像が像強調ユニット22の入力端26で受像される)を有するタイプの夜間暗視装置10は以下の工程により焦点合わせされる。
所望の中央の光軸32に垂直な軸44の周りにノブ組立体の回転動作(これは、焦点セルレンズ組立体40を並進かつ回転させる運動に機械的に変換され、焦点セルレンズ組立体は、対物レンズ組立体20を通る所望の光軸32にそって、対物レンズ組立体20に対して、前後に移動する。)により所望の中央の光軸32にそって、対物レンズ組立体20に対して像強調ユニット22の焦点セルレンズ組立体40を制御して移動させる工程。
【0049】
上記の本発明の開示及び記載は例示あり、図面の詳細、大きさ、材料、形状は本発明の思想から逸脱することなく変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、持ち運べる武器に中央光軸にそった備えられた夜間暗視装置の左斜視図である。
【図2】図2は、中央光軸にそった本発明の夜間暗視装置の断面図である。
【図3】図3は、本発明の夜間暗視装置の左から見た分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の夜間暗視装置を通過する光学経路の略示図である。
【図5】図5は、本発明の夜間暗視装置の正面図である。
【図6】図6は、本発明に使用するのに適した像強調装置の断面図である。
【図7】図7は、本夜間暗視装置の焦点セルレンズ組立体が露出した本発明の装置の左後方斜視図である。
【図8】図8は、焦点セルレンズ組立体を焦点合わせするためのラック(rack)組立体の下からの斜視図である。
【図9】図9は、夜間暗視装置の光学要素の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学照準望遠鏡と通して見られるのに適したシーンを強調した像を生成するための夜間暗視装置であって、
対物レンズ組立体を通して強調されるべき像を受像する夜間暗視装置の入力端と、
像を所望のフォーマットで強調する像強調ユニットと、
ここで、強調される像は、像強調ユニットの入力端を通して受像された後に、光学照準望遠鏡の接眼レンズに送られ、
強調された像を表示するための、像強調ユニットに連結された出力像ディスプレイユニットと、
夜間暗視装置のコリメータレンズ組立体の後に、夜間暗視装置を通る像経路に配置されるリスレプリズムレンズと、
を含むことを特徴とする夜間暗視装置。
【請求項2】
夜間暗視装置が携帯型武器に取り付け可能なものである、請求項1に記載の夜間暗視装置。
【請求項3】
一人で持ち運べる武器が、取り付けられた光学照準望遠鏡を有し、夜間暗視装置は光学照準望遠鏡の前の光学経路に取り付け可能である、請求項1の記載の夜間暗視装置。
【請求項4】
像強調ユニットが像増強管を含む、請求項2に記載の夜間暗視装置。
【請求項5】
出力像ディスプレイがリン性光スクリーンである、請求項4に記載の夜間暗視装置。
【請求項6】
夜間暗視装置が光学照準器の近傍に取り付け可能なものである、請求項1に記載の夜間暗視装置。
【請求項7】
さらに、夜間暗視装置の対物レンズ組立体を通る所望の光軸にそって、像強調ユニットの焦点セルレンズ組立体を移動するための焦点合わせ手段を含んでなる、請求項1に記載の夜間暗視装置。
【請求項8】
光学照準望遠鏡の光軸と夜間暗視装置とを整列させる方法であって、
見られるシーンの像を所望のフォーマットで強調する像強調ユニットで、像を強調する工程と、
ここで、強調されるべき像は像強調ユニットの入力端で受像され、
強調された像を選択して見るための出力像ディスプレイで出力像を形成する工程と、
見られるシーンの強調された像を、リスレプリズムユニットを通して送る工程と、
を含み、
夜間暗視装置の光軸の整列が、リスレプリズムユニット内の少なくとも一つのプリズムの回転により調節される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
像強調ユニットが像増強管を含むものである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
出力像ディスプレイがリン性光スクリーンである、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
見られるシーンの強調されるべき像を受像する焦点合わせ可能な夜間暗視装置であって、
見られるシーンの像を形成する光を集めるための対物レンズ組立体と、
像を所望のフォーマットで強調する像強調ユニットと、
ここで、強調されるべき像は像強調ユニットの入力端で受像され、
使用者により強調された像を見るための、像強調ユニットに連結された出力像ディスプレイユニットと、
対物レンズ組立体を通る所望の光軸にそって、対物レンズ組立体と像強調ユニットとの間に取り付けられた焦点セルレンズ組立体を前後に制御して移動可能な焦点合わせ手段と、
光軸に垂直な軸の周りに回転可能なノブ組立体と、
を含み、
ノブ組立体の回転は焦点セルレンズ組立体を並進かつ回転移動に機械的に変換されて、焦点セルレンズ組立体が対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体に対して、前後に移動する
ことを特徴とする夜間暗視装置。
【請求項12】
対物レンズ組立体の中央の軸と像強調ユニットの中央の軸とが整列する、請求項11に記載の夜間暗視装置。
【請求項13】
焦点セルレンズ組立体が、回転可能なノブの回転に応じてトラックシステムにより支持されて移動する、請求項11に記載の夜間暗視装置。
【請求項14】
対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体に対して焦点セルレンズ組立体を回転かつ並進運動させるための螺旋ガイド手段により、焦点セルレンズ組立体が移動する、請求項11に記載の夜間暗視装置。
【請求項15】
螺旋ガイド手段が、焦点セルレンズ組立体の外側部分と、夜間暗視装置の内側部分に形成された互いに相補的な螺旋部分を含む、請求項14に記載の夜間暗視装置。
【請求項16】
ノブが確実な制御のためにオタマジャクシ形状をもつ、請求項11に記載の夜間暗視装置。
【請求項17】
ノブの回転が、焦点セルレンズ組立体に取り付けられた平歯車を移動するためのラックに機械的に伝えられる、請求項16に記載の夜間暗視装置。
【請求項18】
見られるシーンの像を形成する光を集めるための対物レンズ組立体と、像を所望のフォーマットに強調するための像強調ユニットとを有し、強調されるべき像が像強調ユニットの入力端で受像されるタイプの夜間暗視装置の焦点合わせを行う方法であって、
軸に対して垂直な軸の周りのノブの回転により、対物レンズ組立体を通る軸線にそって、像強調ユニットの焦点セルレンズ組立体を制御して移動する工程を含み、
前記ノブの回転は、焦点セルレンズ組立体の並進及び回転運動に機械的に変換されて、焦点セルレンズ組立体が、対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体に対して前後に移動する、ことを特徴とする方法。
【請求項19】
対物レンズ組立体を通る光軸にそって、対物レンズ組立体に対して焦点セルレンズ組立体を回転かつ並進運動させるための螺旋ガイド手段により、焦点セルレンズ組立体が移動する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
螺旋ガイド手段が、焦点セルレンズ組立体の外側部分と、夜間暗視装置の内側部分に形成された互いに相補的な螺旋部分を含む、請求項14に方法。
【請求項21】
ノブが確実な制御のためにオタマジャクシ形状をもつものである、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
ノブの回転は、焦点セルレンズ組立体に取り付けられた平歯車を移動するためのラックに機械的に伝えられる、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−540389(P2009−540389A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515542(P2009−515542)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/067294
【国際公開番号】WO2008/105882
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(500149511)エル3 コミュニケーションズ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】