説明

クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の、像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に備えられ、像担持体をクリーニングするクリーニング装置であって、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有するクリーニング部材を備え、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うクリーニング装置、かかるクリーニング装置を備え、かかる画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジ、かかるクリーニング装置またはプロセスカートリッジを備えたかかる画像形成装置の提供。
【解決手段】像担持体20Yに付着した異物を除去するための研磨剤を有するクリーニング部材41Yと、クリーニング部材41Yを像担持体20Yに接離させる接離手段50Yとを有し、画像形成動作中に、接離手段50Yによってクリーニング部材41Yを像担持体20Yに当接させた状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の、像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に備えられ、像担持体をクリーニングするクリーニング装置であって、特に、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有するクリーニング部材を備えたクリーニング装置、かかるクリーニング装置を備え、かかる画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジ、かかるクリーニング装置またはプロセスカートリッジを備えたかかる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の、像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置において、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕等に記載されているように、像担持体表面に付着した残留トナー等の異物を除去するためのクリーニング装置を備えた構成がよく知られている。
【0003】
しかし、かかるクリーニング装置のクリーニング性能は様々な要因によって支配されるため、経時的な物性値、環境変動、さらに画像形成パターンによって、クリーニング性能が不足し、画像品質に問題を生じることがある。その一つとしてメダカ状汚れがある。メダカ状汚れは、トナーに外添されている添加剤が遊離して像担持体表面に付着すると、この付着した添加剤を起点としてトナーが像担持体表面に累積付着するとともに、累積付着したトナーがさらに添加剤によってブロックされ、徐々に像担持体表面に固着することによって、形成画像の地肌部にメダカ状の画像よりなる汚れが現われ、画像品質が著しく劣化するというものである。
【0004】
メダカ状汚れに対し、従来は、像担持体を交換することで対処していたが、これではコスト高になるため、近年では、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に開示されているように、像担持体に当接してクリーニングを行うクリーニングブレードを、研磨剤付きのクリーニングブレードである研磨ブレードとして、像担持体表層の異物を除去する技術が提案されている。
【0005】
ところが、研磨ブレードを常時像担持体に当接させて長時間使用すると、像担持体表面にキズを生じたり、摩耗が促進され、結局のところ、像担持体を通常より短い周期で交換することになってしまう。また、研磨ブレードを常時像担持体に当接させると、研磨ブレード自体の劣化も早い。
【0006】
そこで、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕では、研磨ブレードを像担持体に接離させる接離機構を設け、研磨ブレードを間欠的に像担持体に当接させることで像担持体表面のキズや磨耗を抑制する技術が提案されている。この技術によれば、研磨ブレード自体の劣化も抑制されるという作用もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる構成では、たとえば〔特許文献1〕に記載されているように、単に画像形成装置の電源のオン・オフに応じて研磨ブレードを接離させるのみでは、かかる作用の程度が低く、かといって、たとえば〔特許文献2〕に記載されているように、像担持体をクリーニングするために研磨ブレードを像担持体に当接させるモードを画像形成時以外に設定すると、かかるモード中は画像形成が不能となるため、画像形成効率が低下する。
【0008】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の、像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に備えられ、像担持体をクリーニングするクリーニング装置であって、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有するクリーニング部材を備え、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うクリーニング装置、かかるクリーニング装置を備え、かかる画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジ、かかるクリーニング装置またはプロセスカートリッジを備えたかかる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体に当接してクリーニングを行う、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有する第1のクリーニング部材と、第1のクリーニング部材を像担持体に接離させる接離手段とを有し、像担持体をクリーニングするために、像担持体上に像を担持させる画像形成動作中に、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させた状態とするクリーニング装置にある。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、前記接離手段によって第1のクリーニング部材が像担持体に接離されるタイミングは、像担持体に対する潜像書込動作の非動作時であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のクリーニング装置において、像担持体の移動方向において第1のクリーニング部材が当接する位置よりも上流の位置において像担持体に当接してクリーニングを行う第2のクリーニング部材を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置において、第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる周期を変動させることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載のクリーニング装置において、第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる時間を変動させることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によってクリーニングされる像担持体とを備え、この像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に対して一体で着脱可能であるプロセスカートリッジにある。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項6記載のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置にある。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の画像形成装置において、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を前記像担持体に接離するときには、前記像担持体に対する潜像書込動作間の間隔を大きくすることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の画像形成装置において、第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間が所定の時間に達したときに、第1のクリーニング部材を交換すべき旨を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、像担持体に当接してクリーニングを行う、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有する第1のクリーニング部材と、第1のクリーニング部材を像担持体に接離させる接離手段とを有し、像担持体をクリーニングするために、像担持体上に像を担持させる画像形成動作中に、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させた状態とするクリーニング装置にあるので、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0019】
前記接離手段によって第1のクリーニング部材が像担持体に接離されるタイミングは、像担持体に対する潜像書込動作の非動作時であることとすれば、第1のクリーニング部材が像担持体に接離することに起因する潜像書込み精度の低下を防止ないし抑制するとともに画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0020】
像担持体の移動方向において第1のクリーニング部材が当接する位置よりも上流の位置において像担持体に当接してクリーニングを行う第2のクリーニング部材を有することとすれば、第1のクリーニング部材による像担持体のクリーニング機能と第2のクリーニング部材による像担持体のクリーニング機能とを使い分けることで、種々の汚れに対応したクリーニングを効率よく行なうことができ、第1のクリーニング部材によって画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0021】
第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる周期を変動させることとすれば、第1のクリーニング部材の経時的なクリーニング性能低下を打ち消すようにかかる周期を変動させることで、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0022】
第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる時間を変動させることとすれば、第1のクリーニング部材の経時的なクリーニング性能低下を打ち消すようにかかる時間を変動させることで、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0023】
本発明は、かかるクリーニング装置と、このクリーニング装置によってクリーニングされる像担持体とを備え、この像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に対して一体で着脱可能であるプロセスカートリッジにあるので、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができ、像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができるクリーニング装置と、像担持体等とを一体で画像形成装置に対して着脱可能で交換等の作業性の高い、経時的に良好な画像形成を行うことに寄与しうるプロセスカートリッジを提供することができる。
【0024】
本発明は、かかるクリーニング装置、または、かかるプロセスカートリッジを備えた画像形成装置にあるので、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができるクリーニング装置により像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことが可能であり信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0025】
前記接離手段によって第1のクリーニング部材を前記像担持体に接離するときには、前記像担持体に対する潜像書込動作間の間隔を大きくすることとすれば、第1のクリーニング部材が像担持体に接離することに起因する潜像書込み精度の低下を防止ないし抑制するとともに画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うことができるクリーニング装置により像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことが可能であり信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0026】
第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間が所定の時間に達したときに、第1のクリーニング部材を交換すべき旨を報知する報知手段を有することとすれば、第1のクリーニング部材の交換を促し、第1のクリーニング部材の交換により、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ経時的に像担持体のクリーニングを行うことができるクリーニング装置により像担持体を経時的に清浄な状態に保つことができ、経時的に良好な画像形成を行うことが可能であり信頼性及び使用感の高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた複数の像担持体のうち1つの像担持体周りの構成であってプロセスカートリッジを含む構成を示す概略正面図である。
【図3】図2に示したプロセスカートリッジを構成するクリーニング装置に備えられた第1のクリーニング部材を搖動する機構の斜視図である。
【図4】図2に示したプロセスカートリッジを構成するクリーニング装置に備えられた第1のクリーニング部材の構成を示す斜視図である。
【図5】図1に示した画像形成装置に備えられた複数の像担持体のうち1つの像担持体周りの他の構成例であってプロセスカートリッジを含む構成を示す概略正面図である。
【図6】図2に示したプロセスカートリッジを構成するクリーニング装置に備えられた第1のクリーニング部材の像担持体に対する接離のタイミングの例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザ複写機とプリンタとの複合機であるが、他のタイプの複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、この画像形成装置100で読み取った原稿の画像データ、または外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
【0029】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての潜像担持体であるトナー担持体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
【0030】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、OPC感光体であり、像担持体である転写媒体としての中間転写媒体たる転写ベルト11の移動方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
【0031】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0032】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部の中央部よりもやや上方に配設された無端のベルトである中間転写体としての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
【0033】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体であり転写媒体である転写紙に一括転写されるようになっている。転写紙の図示は省略している。
【0034】
転写ベルト11は、その上側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部98を形成している。
【0035】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
【0036】
転写ベルト11は、体積抵抗10^5〜10^11Ω・cm の導電性を示すものである。表面抵抗が10^5Ω/□を下回る場合には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKから転写ベルト11上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、10^11Ω/□を上回る場合には、転写ベルト11から用紙へトナー像を転写した後に、転写ベルト11上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
【0037】
転写ベルト11は、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独または併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト状の転写ベルト11を得ることもできる。
【0038】
転写ベルト11は、その縁部にそれぞれ、寄り止め部材としての図示しない寄り止めガイドを有している。寄り止めガイドは、転写ベルト11がA1方向に回転するときに、図1における紙面と垂直な何れかの方向に偏倚することを防止するために配設されている。寄り止めガイドは、ウレタンゴム製であるが、その他、シリコンゴムなど各種ゴム材料により構成することができる。
【0039】
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に従動し、連れ回りする転写部材としての2次転写バイアスローラである2次転写ローラ5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された潜像形成手段としての潜像書込手段たる光書込みユニットである光走査装置8とを有している。
【0040】
画像形成装置100はまた、本体99内に、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を多数枚積載可能な給紙カセットとしての給紙機構であるシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた転写紙を、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ローラ5との間の2次転写部97に向けて繰り出すレジストローラ4と、転写紙の先端がレジストローラ4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0041】
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙に同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着済みの転写紙を本体99の外部に排出する排紙ローラ対としての排紙ローラ7とを有している。
【0042】
画像形成装置100はまた、本体99の側方に、排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙を積載する排紙トレイ17を有しているとともに、本体99上方に、原稿の画像を読み取る読取装置14と、読取装置14の上方に配設され読取装置14に原稿を給送する自動原稿給送装置(いわゆるADF)15とを有している。
【0043】
画像形成装置100はまた、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、2次転写ローラ5に2次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段と、種々の検知手段による検知結果等に基づき画像形成装置100の動作全般を制御する、図示しないCPU、メモリ、タイマ等を含む制御手段35と、本体99上部前面に配設されユーザが画像形成開始指示を行ったり画像形成装置100の状態と確認したりするための、各種ボタン、表示部を備えた操作パネル76とを有している。
【0044】
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である駆動ローラ36と、クリーニング対向ローラ37と、駆動ローラ36及びクリーニング対向ローラ37とともに転写ベルト11を張架する張架ローラ38、39と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングするベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
【0045】
転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ36を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源とバイアス制御手段とを有している。
【0046】
1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。
【0047】
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
【0048】
駆動ローラ36は、転写ベルト11を介して2次転写ローラ5を当接されており、2次転写ニップを形成している。
張架ローラ38は、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
【0049】
クリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有しており、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。
【0050】
シート給送装置61は、転写紙を複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において多段で配設されている。シート給送装置61は、所定のタイミングで、転写紙をレジストローラ4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙は、給紙経路を経てレジストローラ4に至り、レジストローラ4のローラ間に挟まれる。
【0051】
定着装置6は、ベルトユニット62と、ベルトユニット62に圧接された加圧ローラ63とを有している。ベルトユニット62は、無端状の定着ベルト64と、定着ベルト64を張架しながら無端移動させる定着ローラ65と、定着ローラ65とともに定着ベルト64を巻き掛け内部に図示しない熱源を有する加熱ローラ66とを有している
【0052】
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙をベルトユニット62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に挟み込む態様で通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
【0053】
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像形成ユニットの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像形成ユニット60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像形成ユニットの構成に付すかこれを省略し、詳細な説明についても適宜省略することとする。
【0054】
図2に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中反時計方向であるその移動方向である回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置40Yと、除電手段としての除電装置30Yと、帯電手段としての帯電装置90Yと、現像手段としての現像ユニットである現像器たる現像装置80Yと、クリーニング装置40Yによって感光体ドラム20Yから除去された転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物である不要物を回収し蓄える回収タンクとしての図示しない不要物収容部とを有している。
【0055】
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、除電装置30Yと、帯電装置90Yと、現像装置80Yとは一体化されており、プロセスカートリッジとしての画像形成ユニット60Yを構成している。プロセスカートリッジである画像形成ユニット60Yは本体99に対して着脱自在となっている。このように複数の構成をプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。また本プロセスカートリッジによって、後述のような小粒径トナーを用いた現像が行われる画像形成プロセスであっても、感光体ドラム20Yを始めとする像担持体上の後述のクリーニング機能が長期にわたって維持され、画質の劣化が防止ないし抑制される。
【0056】
除電装置30Yは、感光体ドラム20Yの表面を除電して電気的に清浄な状態とするものであって、感光体ドラム20Yの表面に近接して配設されている。除電装置30Yは除電チャージャとして構成されているが、除電ローラ、除電ランプとして構成してもよい。
【0057】
帯電装置90Yは、除電装置30Yによって除電された感光体ドラム20Y表面上に一様な電荷を付与することで感光体ドラム20Yの表面を一様に帯電する一様帯電手段であって、感光体ドラム20Yの表面に近接して配設されている。帯電装置90Yは帯電チャージャとして構成されているが、帯電ローラとして構成してもよい。
【0058】
光走査装置8は、感光体ドラム20Yに帯電装置90Yが対向した帯電領域と現像装置80Yが対向した現像領域との間の領域に、光変調及び偏向されたレーザー光Lを走査しながら照射して、帯電装置90Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面の被走査面をスポット照射によって露光し、現像装置80Yによってイエロートナー像として可視像化される、原稿画像に対応した画像情報に応じた潜像としての静電潜像を書き込むようになっている。そのため、図1に示すように、光走査装置8は、半導体レーザーである光源31、高速で回転する多角柱の多面鏡であるポリゴンミラー32、fθレンズ33、反射ミラー34等のレーザー光学系を有している。
【0059】
図2に示すように、現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに近接対向して配設されたトナーとキャリアとを含む二成分現像剤(以下、現像剤)を担持する現像ローラ81Yと、現像ローラ81Y上の現像剤を一定の高さに規制するドクターブレード82Yと、互いに対向するように配設され、現像剤を攪拌するとともに現像ローラ81Yに現像剤を供給するための第1搬送スクリュ83Y及び第2搬送スクリュ84Yと、第1搬送スクリュ83Yと第2搬送スクリュ84Yとの間に設けられた仕切り壁87Yと、イエロートナーを収容したトナーボトル88Yと、直流成分の現像バイアスを現像ローラ81Yに印加する図示しないバイアス印加手段等とを有している。
【0060】
現像ローラ81Yは、その表面に現像剤を担持する現像剤担持体である図示しない現像スリーブを有している。バイアス印加手段は現像スリーブに、感光体ドラム20Yの、露光部と非露光部との間の適当な大きさの現像バイアスを印加する。
【0061】
現像装置80Y内には、仕切り壁87Yにより、現像ローラ81Yと第1搬送スクリュ83Yとを収容した第1供給部と、第2搬送スクリュ84Yを収容した第2供給部とが分かれた状態で形成されている。
【0062】
第1搬送スクリュ83Yは、駆動手段によって回転駆動されることで、第1供給部内の現像剤を図2における紙面奥側から手前側へと搬送しながら現像ローラ81Yに供給する。第1搬送スクリュ83Yによって第1供給部内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁87Yに形成された図示しない開口部を通って第2供給部内に進入する。
【0063】
第2供給部内において、第2搬送スクリュ84Yは、駆動手段によって回転駆動されることで第1供給部から送られてくる現像剤を第1搬送スクリュ83Yとは逆方向に搬送する。第2搬送スクリュ84Yによって第2供給部の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切壁87Yに設けられたもう一方の図示しない開口部を通って第1供給部内に戻る。
【0064】
現像ケース85Y内の現像剤は、磁性キャリアと、イエロートナーとを含む二成分現像剤であって、この現像剤には、トナーボトル88Yからイエロートナーが補給、供給され、第1搬送スクリュ83Y及び第2搬送スクリュ84Yによって、供給されたイエロートナーと現像剤とが攪拌搬送されながら攪拌混合され、摩擦帯電され、現像ローラ81Yに供給され担持される。
【0065】
ドクターブレード82Yによって現像剤の担持量を規制され層厚を規制された現像ローラ81Yは、その回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ81Yと感光体ドラム20Yとの間の現像領域に、ドクターブレード82Yによって量を適量とされた現像剤を運び、現像剤中のイエロートナーが感光体ドラム20Yの表面に形成された静電潜像に静電的に移行して、静電潜像をイエロートナー像として可視像化するようになっている。
【0066】
現像によりイエロートナーを消費した現像剤は、現像ローラ81Yの回転に伴って現像装置80Y内に戻される。
本形態では、バイアス印加手段により直流成分の現像バイアスを印加しているが、現像バイアスは、交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
【0067】
トナーは、着色剤とポリエステルを主成分とし、荷電制御剤を含有してなるトナー母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添してなる小粒径トナーであって、荷電制御剤がトナー母体粒子表面に存在する重量Mとトナー母体粒子全体に存在する重量Tとの比M/Tが、100以上1000以下となるトナーである。ここで、重量比M/Tは、荷電制御剤以外の成分には存在せず、荷電制御剤のみに存在する、H、C、O、及び希ガス元素を除く長周期型の周期律表における第5周期までの1元素に対し、X線光電子分光法(XPS)で測定される値である。このトナーは、バインダー樹脂としてガラス転移点(Tg)の低いポリエステルを用いるため、低温定着性に優れるトナーで、また、荷電制御剤が前記の重量比M/Tの値が示すように、圧倒的にトナー表面に存在することから、帯電安定性に優れたトナーである。
【0068】
シリカ等の無機微粒子からなる外添剤は、トナー粒子の流動性、帯電性補助等のためにトナー粒子表面に外添される。ここで、シリカ、チタニア等の無機微粒子は負極性を有しており、サリチル酸金属錯体や塩類等の同じく負極性を有する荷電制御剤を使用する本トナーでは、その表面において外添剤と荷電制御剤との電気的な反発が生じる。加えて、荷電制御剤は硬いことから、シリカ等の無機微粒子がトナーから脱離しやすい傾向にある。無機微粒子の中でも特にシリカ微粒子は、トナーから脱離して像担持体上に付着し、画像品質に影響を及ぼす付着物質の成分になりやすいことが発明者らの試験から明らかになっている。しかし、後述するクリーニング装置を搭載した画像形成装置100では、かかるトナーを用いることにより像担持体上に発生する付着物質も除去することができ、画像品質が高品質に保たれる。
【0069】
不要物収容部は、画像形成ユニット60Yのみに対して備えられているものではなく、画像形成ユニット60M、60C、60BK、さらにはクリーニング装置13に共通の構成であって、これらからの不要物をすべて一括して収容する。不要物収容部は本体99に着脱自在であり、内部が不要物で満たされたときなどに本体99から取り外して内部の不要物を廃棄するメンテナンスが容易化されている。
【0070】
クリーニング装置40Yは、その筐体をなしたクリーニングケース49Yと、クリーニングケース49Yの内部に収納されその先端が感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングする第1のクリーニング部材としてのクリーニングブレード41Yと、感光体ドラム20Yの回転方向B1においてクリーニングブレード41Yが当接する位置よりも上流の位置において感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングする第2のクリーニング部材としてのクリーニングブレード42Yとを有している。
【0071】
クリーニング装置40Yはまた、感光体ドラム20Yの回転方向B1においてクリーニングブレード42Yが当接する位置よりも上流の位置において感光体ドラム20Yに当接し図中に示す方向に回転して感光体ドラム20Y上の転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングする第3のクリーニング部材としてのブラシローラであるクリーニングブラシ43Yと、図中に示す方向に回転してクリーニングブレード41Y、42Y及びクリーニングブラシ43Yによって感光体ドラム20Yから除去された異物を回収し不要物収容部に向けて排出する排出部材としての回収コイル44Yと、先端がクリーニングブラシ43Yに当接し、クリーニングブラシ43Yの回転によってクリーニングブラシ43Yに付着した不要物を叩き落し回収コイル44Yに向けて放出するための掻き落し部材としてのフリッカーバー45Yとを有している。
【0072】
クリーニング装置40Yはまた、クリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに接離させる接離手段50Yと、クリーニングブレード42Y及びフリッカーバー45Yを支持してクリーニングケース49Yに固定した支持部材46Yと、クリーニングブレード41Yをその延在方向である紙面に垂直な方向に搖動する、図3に示す搖動機構70Yとを有している。
【0073】
クリーニングブレード42Yは、主として感光体ドラム20Y上の残留トナーすなわち転写残トナーや紙粉の除去を行う。金属、樹脂、ゴム等から選択された材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。
【0074】
クリーニングブレード41Yは、図4に示すように、基体としてのブレード母体層47Yと研磨層としての研磨剤粒子含有層48Yとの2層構造からなる研磨用ブレードとしての研磨ブレードである。ブレード母体層47Yは、ゴム、樹脂、金属等から選択された材質によって構成されている。中でも、クリーニングブレード42Yと同様、ゴムが好ましく用いられ、特にウレタンゴムが好ましい。研磨剤粒子含有層48Yは、ウレタンゴム等のゴムに研磨剤粒子を分散させて形成されている。ブレード母体層47Yをゴムで構成する場合のその硬度、及び研磨剤粒子含有層48Yに用いられるゴムの硬度は、65度以上85度以下が好ましい。硬度が65度より小さいとその摩耗の進行が早く、また、硬度が85度より大きいとそのエッジが欠けやすくなるからである。
【0075】
研磨剤粒子の材質としては、窒化珪素等の窒化物、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、マイカ、珪酸カルシウム等の珪酸塩、炭酸カルシウム、石膏等の石灰質物質、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タンタル、炭化チタン、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウム等の炭化物、酸化セリウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物が挙げられる。この中でも、研磨力に優れている酸化セリウムが好ましい。研磨剤粒子の平均粒径は、0.05μm以上150μm以下であることが好ましく、さらには100μm以上150μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.05μm未満では、粒子が細かすぎ、ゴム中での均一な分散が困難になったり、研磨ブレードとしての研磨力が十分に得られないからであり、また、平均粒径が150μmを超えると、研磨力が大きすぎるために感光体ドラム20Yの表面を傷つけることになるためである。
【0076】
研磨剤粒子の含有量は、研磨剤粒子含有層48Yの0.5wt%以上50wt%以下であることが好ましい。研磨剤粒子の含有量が0.5wt%未満では、分散がまばらになってしまい、均一な研磨ができず、また、研磨剤粒子の含有量が50wt%を超えると、研磨剤粒子の密度が高くなり過ぎ、剥がれ落ちやすくなったり、コストが高くなったりするためである。
【0077】
ブレード母体層47Y、研磨剤粒子含有層48Yそれぞれの厚みは任意に設定することができるが、研磨剤粒子含有層48Yの厚みをクリーニングブレード41Y全体の厚みの0.5%以上50%以下とすることが好ましい。研磨剤粒子含有層48Yの厚みが0.5%未満であると、ブレードの摩耗に対する余裕度がないため、経時品質を維持することができず、また、研磨剤粒子含有層48Yの厚みが50%を超えると、本来ゴムが有する弾性の機能が発揮できなくなり、感光体ドラム20Yを均一に研磨することができなくなるためである。
【0078】
かかる2層構造を有するクリーニングブレード41Yは、研磨剤粒子含有層48Yが形成する研磨面が感光体ドラム20Yと当接するように設置される。クリーニングブレード41Yは、トナーから脱離した無機微粒子を主成分とする感光体ドラム20Y上の付着物質等の異物を、研磨面で削り取るようにして除去するとともに、クリーニングブレード42Yから漏れた、すなわちクリーニングブレード42Yで除去されずクリーニングブレード41Yをすり抜けたトナーや紙粉等も同時に除去する。
【0079】
研磨剤粒子がある幅をもって分散された研磨剤粒子含有層48Yが感光体ドラム20Yに当接することで、感光体ドラム20Yの膜削れは均一となり、感光体ドラム20Yに不具合を生じさせることが防止ないし低減されている。
【0080】
クリーニングブレード41Yは、2層構造でなく、ブレード母体層47Y表面に研磨剤をコートしたような研磨ブレード、あるいはブレード母体層47Y中に研磨剤を混入した研磨ブレードであっても良いが、2層構造のほうが、研磨剤が剥がれ落ちたり、短期で削れ取れたりすることが低減されるため、長期的に優れたクリーニング機能が維持される。
【0081】
クリーニングブレード41Yは、ブレード母体層47Yがゴムからなるとともに、クリーニングブレード42Yもゴムからなる場合には、ブレード母体層47Yのゴム硬度は、クリーニングブレード42Yのゴム硬度よりも高い方が好ましい。クリーニングブレード42Yでは除去できなかった付着物質等を、より強固な研磨力で除去するためである。
【0082】
クリーニングブレード41Y、クリーニングブレード42Yの、感光体ドラム20Yへの当接の態様について説明する。感光体ドラム20Yに対し、クリーニングブレード41Yはトレーリング方式で当接するようになっているとともに、クリーニングブレード42Yはカウンター方式で当接している。
【0083】
クリーニングブレード41Yをトレーリング方式とするのは、感光体ドラム20Yへの当接時において、感光体ドラム20Yの回転によるめくれを防止するためである。クリーニングブレード41Yにはほとんどトナーや紙粉の入力がないため、めくれが起こりやすい状況にあるが、トレーリング方式の当接により、これが回避されることから、カウンター方式に比べてクリーニング性能が若干低下するものの、トレーリング方式を採用している。
【0084】
感光体ドラム20Yに対するクリーニングブレード41Yの当接圧は、10gf/cm以上60gf/cm以下であることが好ましい。クリーニングブレード41Yの当接圧が10gf/cm未満では当接圧が低いため、感光体ドラム20Yの異物がクリーニングブレード41Yをすり抜けやすく、十分に除去することができず、また、当接圧が60gf/cmを超えると感光体ドラム20Yの膜削れ量が増加し、感光体ドラム20Yの寿命を短くする可能性があり好ましくないためである。かかる範囲の当接圧でクリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに当接させることにより、良好なクリーニングが行われる。
【0085】
一方、クリーニングブレード42Yは、感光体ドラム20Yに対してカウンター方式で当接しているため、クリーニング性が高く、転写残トナーや紙粉が効率よく除去されるようになっている。
【0086】
図5に示すように、クリーニングブレード41Y、クリーニングブレード42Yの双方が、カウンター方式で感光体ドラム20Yに当接するように構成されていても良い。この構成において、バネ54Yは引っ張りバネである。
【0087】
クリーニングブレード41Yがカウンター方式であると、クリーニングブレード41Yが後述するように感光体ドラム20Yに当接する際の衝撃をも利用して、感光体ドラム20Y上の付着物質が除去され、良好なクリーニング性が得られる。なお、クリーニングブレード42Yの機能は上述と同様である。
【0088】
感光体ドラム20Yに対するクリーニングブレード41Yの当接角は、5度以上25度以下が好ましい。当接角が5度未満であると、クリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに対して腹当たりになってしまい、クリープ現象により経時で研磨機能を発揮しなくなり、また、25度を超えるとジョブ終了時における感光体ドラム20Yの逆転が生じるとクリーニングブレード41Yのめくれが発生する可能性があるためである。クリーニングブレード41Yの感光体ドラム20Yの当接圧は、10gf/cm以上60gf/cm以下であることが好ましい。この理由は、クリーニングブレード42Yが感光体ドラム20Yに対してトレーリング方式で当接する構成と同様である。
【0089】
クリーニングブレード41Yの硬度と、かかる当接圧との関係で得られるクリーニングブレード41Yの感光体ドラム20Yへの食い込み量は、0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。感光体ドラム20Yの膜削れ量を過剰に増加させることなく、付着物の除去を行う研磨ブレードとしての役割が十分に発揮されるためである。
【0090】
図3に示すように、搖動機構70Yは、感光体ドラム20Yと一体で回転するギア71Yと、ギア71Yに噛合した搖動カム付きギア72Yと、クリーニングブレード41Yを支持した加圧ホルダ74Yと、加圧ホルダ74Yのカシメ先端に配設された図示しないベアリングと、ベアリングが搖動カム付きギア72Yに当接するように付勢する図示しないバネとを備えている。搖動カム付きギア72Yは、ベアリングが突き当たったカム面75Yを有している。
【0091】
このような構成の搖動機構70Yにより、感光体ドラム20Yが矢印B1方向に回転すると、揺動カム付きギヤ72Yは矢印D1方向に回転し、クリーニングブレード41Yは、矢印E方向に揺動する。そのため、研磨剤粒子含有層48Y中の研磨剤粒子の分散に多少の偏りがあったとしてもこれを補い、感光体ドラム20Yの膜削れが均一にされる。
【0092】
クリーニングブレード42Yには研磨剤粒子は含まれていないが、感光体ドラム20Yの膜削れをわずかに生じさせているため、搖動機構70Yと同様の構成の揺動機構によって、クリーニングブレード42Yも揺動させるように構成することが好ましい。クリーニングブレード41Yとクリーニングブレード42Yとを搖動させる場合には、感光体ドラム20Yの膜削れを一層均一にさせるために、クリーニングブレード41Yとクリーニングブレード42Yとを異なる位相で揺動させることが好ましい。両者を異なる位相で揺動させる構成としては、たとえば、それぞれの搖動機構における搖動カム付きギヤのカム面の位相が別位相となるように構成することのほか、搖動機構70Yを変形した構成をクリーニングブレード41Yとクリーニングブレード42Yとに共通して用いることとし、揺動カム付きギヤ72Yのカム面75Yの内側にクリーニングブレード42Yを搖動させるための別位相のカム面を設け、それぞれ異なるカム面によって揺動させる機構が挙げられる。
【0093】
クリーニングブラシ43Yは、そのブラシが、1次転写ニップにてトナー像を転写ベルト11に転写した後の感光体ドラム20Yの表面に接触しながら回転し、かかる転写後に感光体ドラム20Y上に残留している転写残トナー等の異物の一部を除去する。なお、残りの異物はクリーニングブレード42Yの先端エッジ部でせき止められて感光体ドラム20Yの表面から掻き取られる。それでも感光体ドラム20Y上に異物が残留している場合はクリーニングブレード41Yにより掻き取られ、これにより、感光体ドラム20Yの回転方向B1においてクリーニング装置40Yよりも下流側部分の感光体ドラム20Y表面は清浄な状態とされる。
【0094】
クリーニングブラシ43Yは、それ自身で感光体ドラム20Yから異物を掻き取るとともに、これに加え、クリーニングブレード42Y、クリーニングブレード41Yにより掻き取られ下方に落下した異物を受け止め、回転によって、これらの異物を感光体ドラム20Y表面から離れる向きに搬送する。クリーニングブラシ43Yの回転によって運ばれる異物は、フリッカーバー45Yによって叩き落され、回収コイル44Yへ向けて放出される。
【0095】
回収コイル44Yは、例えばスクリュー又はコイルなどからなり、図中矢印方向への回転駆動により、回収コイル44Yへ放出された異物がクリーニングケース49Y外の不要物収容部に搬送され、収容される。
【0096】
なお、クリーニングブラシ43Y、回収コイル44Yの回転方向は、図2に示したのと逆方向であっても良い。また、クリーニングブラシ43Yは、これに代えて、クリーニングブレード42Y、クリーニングブレード41Yにより掻き取られ下方に落下した異物を単に回収して回収コイル44Yに向けて搬送するトナー回収羽根を用いても良い。
【0097】
接離手段50Yは、クリーニングケース49Yに支持された軸51Yと、その一端においてクリーニングブレード41Yを支持するとともにその中央部を軸51Yに回動自在に支持され軸51Yを中心に回動するブレード支持体52Yと、ブレード支持体52Yの他端に接続され通電時にクリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに当接するようにブレード支持体52Yを回動するソレノイド53Yと、クリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yから離間するようにブレード支持体52Yを回動付勢した付勢部材としての押圧バネであるバネ54Yとを有している。ソレノイド53Yへの通電は、制御手段35によって制御される。
【0098】
よって、制御手段35によってソレノイド53Yへの通電が行われると、バネ54Yの付勢力に抗してブレード支持体52Yが軸51Yを中心に図中半時計方向に回動し、クリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに当接する。このように、ソレノイド53Yへの通電時のみ、クリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに当接する。ここに、制御手段35は、クリーニング制御手段として機能し、接離手段50Yの一部を構成する。ソレノイド53Yへの通電タイミング、その他クリーニング装置40Yの構成については後述する。
【0099】
このような画像形成ユニット60Yにおいては、ネガ−ポジプロセスで画像形成を行う。操作パネル76等を用いたユーザによる画像形成開始指示により、感光体ドラム20Yの回動が開始されて画像形成動作が開始される。感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置90Yにより表面を一様にマイナス帯電され、光走査装置8から照射されるレーザー光Lの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成される。帯電装置90Yのこのような帯電動作及び光走査装置8のこのような潜像書込動作によって静電潜像形成工程が行われる。
【0100】
この静電潜像を現像装置80Yにより現像剤中のイエロー色のトナーにより現像され、この現像工程により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写されて転写工程が行われ、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置40Yにより除去してクリーニング工程が行われ、クリーニング工程による清掃後の感光体ドラム20Yの表面は除電装置30Yにより残留電荷が除去される除電工程が行われて初期化され、帯電装置90Yによる次の帯電に供される。クリーニング装置40Yは、回収したトナーを不要物収容部に収容するが、回収したトナーを再度現像に使用するべく所定のリサイクル工程を行うように構成してもよい。
【0101】
他の感光体ドラム20M、20C、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12M、12C、12BKにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写ニップまで移動して転写紙に密着し、2次転写バイアスやニップ圧の作用によって転写紙に2次転写され、転写紙上にフルカラー画像が形成される。
【0102】
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、シート給送装置61から繰り出されてフィードされ、レジストローラ4によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ5に対向するタイミングで送り出されたものである。
2次転写ローラ5には、バイアス印加手段により、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加される。
【0103】
転写紙は、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、加圧ローラ63とベルトユニット62との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、転写紙上にフルカラー画像が定着される。定着装置6を通過し定着工程を経た定着済みの転写紙は、排紙ローラ7を経て、排紙トレイ17上にスタックされる。一方、2次転写を終えた2次転写ニップ通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブラシ及びクリーニングブレードによってその表面をクリーニングされ、次の現像工程に備える。ユーザ指示の画像形成が終了すると、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回動は停止され、画像形成動作が終了する。
【0104】
このように、画像形成装置100は、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程、除電工程、等を含む画像形成動作を行うようになっている。
【0105】
すでに述べたように、画像形成装置100のような、トナーを用いて画像形成を行う画像形成装置においては、像担持体のメダカ状汚れによって画像品質に問題を生じることがある。メダカ状汚れに対し、従来は、像担持体を交換することで対処していたが、これではコスト高になるため、近年では、画像形成装置100においても採用されているように、像担持体に当接してクリーニングを行うクリーニングブレードを、研磨剤付きのクリーニングブレードである研磨ブレードとして、像担持体表層の異物を除去する構成が知られている。このような構成によれば、画像形成装置100においてもそうであるように、メダカ状汚れの起点、あるいはメダカ状汚れが効率よく除去される。
【0106】
ところが、研磨ブレードを常時像担持体に当接させて長時間使用すると、像担持体表面にキズを生じたり、摩耗が促進され、結局のところ、像担持体を通常より短い周期で交換することになってしまう。また、研磨ブレードを常時像担持体に当接させると、研磨ブレード自体の劣化も早い。
【0107】
そこで、画像形成装置100においても採用されているように、研磨ブレードを像担持体に接離させる接離機構を設け、研磨ブレードを間欠的に像担持体に当接させることで像担持体表面のキズや磨耗を抑制する構成が知られている。この構成によれば、研磨ブレード自体の劣化も抑制されるという作用もある。
【0108】
ただし、かかる構成では、たとえば、単に画像形成装置の電源のオン・オフに応じて研磨ブレードを接離させるのみでは、かかる作用の程度が低く、かといって、たとえば、像担持体をクリーニングするために研磨ブレードを像担持体に当接させるモードを画像形成時以外に設定すると、かかるモード中は画像形成が不能となるため、画像形成効率が低下する。
【0109】
そこで、画像形成装置100では、像担持体のクリーニング装置が、画像形成効率の低下を防止ないし抑制しつつ像担持体のクリーニングを行うように構成している。
このクリーニング装置について、画像形成ユニット60Yのクリーニング装置40Yを代表して説明する。なお、クリーニング装置40Yと同じ構成のクリーニング装置は、画像形成ユニット60M、60C、60BKにも同様に備えられているが、その説明は省略する。
【0110】
クリーニング装置40Yでは、感光体ドラム20Yをクリーニングするために、画像形成動作中言い換えると感光体ドラム20Y上にトナーからなる像を担持させるための感光体ドラム20Yの駆動中に、接離手段50Yによって、クリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに当接させた状態とするようになっている。
【0111】
これを図示すると図6に示すようになる。同図において、クリーニング動作とあるのは、クリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに当接し、クリーニングを行っていることを意味している。
このように、画像形成動作中にクリーニングを行うことで、画像形成効率の低下を防止しつつクリーニングが行われる。
【0112】
ただし、感光体ドラム20Yに対するクリーニングブレード41Yの接離動作は、僅かながら感光体ドラム20Yの振動を生じさせるため、接離動作を潜像書込動作中に行うと異常画像が発生する可能性がある。たとえばハーフトーン画像形成のための潜像書込動作中に接離動作を行うと、画像濃度ムラ等の異常画像が発生する可能性がある。
【0113】
そこで、接離手段50Yによってクリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに接離されるタイミングは、同図に示されているように、感光体ドラム20Yに対する潜像書込動作の非動作時とされている。
【0114】
しかし、画像形成装置100のように、クリーニングブレードとクリーニングブラシとを併用し、クリーニングを、クリーニングブレード方式とファーブラシクリーニング方式との併用により行う構成では、1000枚/分の高速画像形成に対応することが可能であるが、このような高速画像形成機では、潜像書込動作間の間隔が短いため、図6に示したように、感光体ドラム20Yに対するクリーニングブレード41Yの接離タイミングを潜像書込動作の非動作時としても、感光体ドラム20Yに対するクリーニングブレード41Yの接離に起因する感光体ドラム20Yの振動が十分に減衰する前に次の潜像書込動作が開始される可能性がある。
【0115】
そこで、接離手段50Yによってクリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに接離するときには、かかる感光体ドラム20Yの振動が十分に減衰するように、感光体ドラム20Yに対する潜像書込み動作間の間隔を大きくするようになっている。なお、これとともに、給紙タイミング等の他のタイミングも併せて変更される。
【0116】
クリーニングブレード41Yは、経時で、感光体ドラム20Yに当接するエッジ部分が磨耗するため、単位時間当たりのクリーニング性能が低下し、メダカ状汚れの除去性能も低下する。クリーニング部材の磨耗は、本発明者の研究により、像担持体への当接時間に比例して進行することが分かった。
【0117】
そこで、クリーニング装置40Yにおいては、制御手段35において、ソレノイド53Yへの通電時間の累積計算を行い、算出された累積時間を、クリーニングブレード41Yが感光体ドラム20Yに当接した累積の時間すなわち累積当接時間とし、この累積当接時間に応じて、接離手段50Yによってクリーニングブレード41Yを感光体ドラム20Yに当接させる周期や時間を変動させるようになっている。ここに、制御手段35は、累積当接時間算出手段、当接周期制御手段、当接時間制御手段として機能する。
【0118】
具体的には、当接周期の変更例としては、累積当接時間が増加するにつれて、図6に示した例3のクリーニング動作すなわち3回の画像形成につき1回の画像形成時間だけクリーニング動作を行うモードから、同図に示した例2のクリーニング動作すなわち2回の画像形成につき1回の画像形成時間だけクリーニング動作を行うモードに変更することが挙げられる。また、当接時間の変更例としては、累積当接時間が増加するにつれて、図6に示した例3のクリーニング動作から、同図に示した例1のクリーニング動作すなわち画像形成動作中のほぼ全時間にわたってクリーニング動作を行うモードに変更することが挙げられる。
【0119】
ただし、このような制御を行っても、クリーニングブレード41Yの寿命そのものを延ばすことはできないため、クリーニングブレード41Yがそのクリーニング性能を十分に発揮できなくなった劣化時にはこれを交換する必要がある。
【0120】
そこで、クリーニング装置40Yにおいては、制御手段35のメモリに、累積当接時間と比較される、クリーニングブレード41Yが劣化する見込みの所定の時間であってクリーニングブレード41Yの交換時期を示す所定の時間すなわち交換指針時間を記憶しておき、累積当接時間が交換指針時間に達したら、制御手段35により、操作パネル76の表示部に、クリーニングブレード41Yを交換すべき旨の表示が行われる。ここに、操作パネル76はクリーニングブレード41Yを交換すべき旨をユーザに報知する報知手段として機能し、また、制御手段35は、交換指針時間記憶手段として機能するとともに報知制御手段として機能する。これにより、ユーザは、必要なときにクリーニングブレード41Yを交換して、クリーニング装置40Yのクリーニング性能を維持し、メダカ状汚れを防止ないし抑制して画像形成装置100の画像形成性能が良好に維持されることとなる。
【0121】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0122】
たとえば、接離手段は、ソレノイドを用いる構成でなく、モータとカムとを用いた構成など他の構成であっても良い。本発明を適用したクリーニング装置は、上述の形態におけるクリーニング装置13のように、中間転写体のような、感光体など潜像を形成される像担持体以外の像担持体に対して設けられるものであっても良い。このとき、第1のクリーニング部材が像担持体に接離されるタイミングは、像担持体への及び/又は像担持体からの転写動作の非動作時とすることが望ましい。
【0123】
第1のクリーニング部材、第2のクリーニング部材は、必ずしもブレード形状でなくとも良い。第2のクリーニング部材はクリーニングブレードでなくクリーニングブラシであってもよい。第3のクリーニング部材は備えていなくとも良い。
【0124】
現像手段が像担持体の現像に用いる現像剤は、上述のような二成分現像剤に限らす、その成分が、トナーのみからなる、またはトナーを主成分とする、一成分現像剤であっても良い。
【0125】
プロセスカートリッジは、少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体に含んでいるとともに画像形成装置本体に着脱自在であればよく、プロセスカートリッジを構成する他の構成部品、たとえば現像手段、帯電手段等の選択は、各構成部品の寿命、コスト、プロセスカートリッジ化の構造上の容易性等を考慮して適宜行なわれるものである。
【0126】
いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも本発明を同様に適用することができる。また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等に直接転写しても良い。中間転写体を用いない、直接転写を行う構成において、転写手段は、上述の構成のようにローラ状であってもよいし、ベルト状をなしていてもよいし、転写チャージャであっても良い。
【0127】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0128】
20Y、20M、20C、20BK 像担持体
40Y クリーニング装置
41Y 第1のクリーニング部材
42Y 第2のクリーニング部材
50Y 接離手段
60Y、60M、60C、60BK プロセスカートリッジ
76 報知手段
100 画像形成装置
B1 像担持体の移動方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0129】
【特許文献1】特開2001−296781
【特許文献2】特開2006−293286

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に当接してクリーニングを行う、像担持体に付着した異物を除去するための研磨剤を有する第1のクリーニング部材と、
第1のクリーニング部材を像担持体に接離させる接離手段とを有し、
像担持体をクリーニングするために、像担持体上に像を担持させる画像形成動作中に、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させた状態とするクリーニング装置。
【請求項2】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記接離手段によって第1のクリーニング部材が像担持体に接離されるタイミングは、像担持体に対する潜像書込動作の非動作時であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のクリーニング装置において、
像担持体の移動方向において第1のクリーニング部材が当接する位置よりも上流の位置において像担持体に当接してクリーニングを行う第2のクリーニング部材を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置において、
第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる周期を変動させることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載のクリーニング装置において、
第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間に応じて、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を像担持体に当接させる時間を変動させることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によってクリーニングされる像担持体とを備え、この像担持体を用いて画像形成を行う画像形成装置に対して一体で着脱可能であるプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項6記載のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、前記接離手段によって第1のクリーニング部材を前記像担持体に接離するときには、前記像担持体に対する潜像書込動作間の間隔を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の画像形成装置において、第1のクリーニング部材が像担持体に当接した累積の時間が所定の時間に達したときに、第1のクリーニング部材を交換すべき旨を報知する報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−77037(P2013−77037A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−17391(P2013−17391)
【出願日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【分割の表示】特願2008−80510(P2008−80510)の分割
【原出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】