説明

クリーニング装置

【課題】 クリーニング装置の組立工数を少なくするとともに、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去できるようにする。
【解決手段】 クリーニング装置14は、ハウジング30と、クリーニングブラシ31と、掻き出し部材33とを備えている。ハウジング30は回収部30bを有している。クリーニングブラシ31は、ハウジング30に回転自在に装着されており、感光体ドラム10の表面に回転摺接して感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去している。掻き出し部材33は、ハウジング30に回転自在に装着されており、回転時に、一部をクリーニングブラシ31に食い込ませることによりクリーニングブラシ31に残留した転写残トナーを除去して、感光体ドラム10の表面およびクリーニングブラシ31から除去された転写残トナーを回収部30bへと掻き出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置、特に感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するための画像形成装置のクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、主に、画像読み取り装置と印刷装置とを備えている。画像読み取り装置は原稿の画像情報を読み取るためのものであり、印刷装置は画像読み取り装置で読み取った画像情報に応じて紙等の転写材上に画像を形成するためのものである。印刷装置は、画像形成部と転写材を搬送する転写材搬送部とを有している。画像形成部は、主に、感光体ドラムと、帯電器と、露光器と、現像装置と、クリーニング装置とからなっている。この画像形成部では、まず、帯電器が感光体ドラムの表面を帯電させる。そして、露光器が、画像読み取り装置により読み取られた画像情報に応じて、帯電器により帯電させられた感光体ドラムの表面に露光を施している。これにより、感光体ドラムの表面には静電潜像が形成される。次に、現像装置において、現像ローラがトナーを感光体ドラムの表面の静電潜像に付着させる。最後に、感光体ドラムの表面に形成されたトナ−画像が、転写材搬送部により搬送されてきた用紙に転写される。なお、このような一連の動作が実行されているときには、クリーニング装置が、感光体ドラム表面の転写残トナーを除去して回収している。
【0003】
クリーニング装置は、主に、ハウジングと、クリーニングブラシと、掻き落とし部材と、クリーニングブレードと、掻き出し部材とを備えている(特許文献1)。ハウジングは、感光体ドラムの表面の転写残トナーを回収可能な回収部を有している。クリーニングブラシは、ハウジングの内部に回転自在に装着されている。このクリーニングブラシは、感光体ドラムの表面に回転摺接して感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去している。掻き落とし部材は、薄板状に形成されており、ハウジングの内部に固定されている。この掻き落とし部材は、一部をクリーニングブラシに食い込ませることによりクリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落としている。クリーニングブレードは、感光体ドラムの表面に沿うようにハウジングに装着されている。このクリーニングブレードは、感光体ドラムに摺接して、クリーニングブラシで除去しきれなかった感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去している。掻き出し部材は、長円形状に形成されており、ハウジングの内部に回転自在に装着されている。この掻き出し部材は、クリーニングブラシおよびクリーニングブレードにより除去された感光体ドラムの表面の転写残トナーおよび掻き落とし部材により掻き落とされたクリーニングブラシの転写残トナーを回収部へと掻き出すようになっている。
【特許文献1】特開平5−297770
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクリーニング装置では、ハウジングの内部空間に、クリーニングブラシと、掻き落とし部材と、掻き出し部材とが装着される。このとき、組立作業者は限られた内部空間にこれら各種の部材を装着しなければならないため、組立作業が繁雑になり、組立作業者がクリーニング装置を組み立てにくいという問題がある。特に、組立作業者が掻き落とし部材をハウジングに組みつけるときには、組立作業者は掻き落とし部材がクリーニングブラシに適切に食い込んだ状態を維持できるように考慮しなければならない。このように組立作業者が考慮して掻き落とし部材をハウジングに固定したとしても、掻き落とし部材が薄板状に形成されているため、状況によっては、掻き落とし部材が予想外の方向に撓んだりして、掻き落とし部材が十分にクリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落とすことができない場合がある。
【0005】
本発明の課題は、クリーニング装置の組立工数を少なくするとともに、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る画像形成装置のクリーニング装置は、感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するためのものである。このクリーニング装置は、ハウジングと、クリーニングブラシと、掻き出し部材とを備えている。ハウジングは、感光体ドラムの表面の転写残トナーを回収可能な回収部を有している。クリーニングブラシは、ハウジングに回転自在に装着されている。このクリーニングブラシは、感光体ドラムの表面に回転摺接して感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去している。掻き出し部材は、ハウジングに回転自在に装着されている。この掻き出し部材は、回転時に、一部をクリーニングブラシに食い込ませることによりクリーニングブラシに残留した転写残トナーを除去して、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部へと掻き出している。
【0007】
このクリーニング装置では、クリーニングブラシを感光体ドラムの表面に回転摺接させることにより、感光体ドラムの表面の転写残トナーが除去される。そして、掻き出し部材を回転させたときに、掻き出し部材の一部がクリーニングブラシに繰り返し衝突して食い込み、クリーニングブラシに残留した転写残トナーが除去される。そして、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーが回収部へと掻き出される。
【0008】
ここでは、掻き出し部材が、クリーニングブラシに残留した転写残トナーの除去する機能と、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部に掻き出す機能とを有しているので、クリーニングブラシの転写残トナーを掻き落とすための掻き落とし部材をハウジングに装着しなくても済む。これにより、クリーニング装置の組立工数を少なくすることができる。また、従来のように薄板状の掻き落とし部材をハウジングに固定した状態で掻き落とし部材の一部をクリーニングブラシに食い込ませるのではなく、掻き出し部材を利用して、掻き出し部材を回転させたときに掻き出し部材の一部をクリーニングブラシに繰り返し衝突させて食い込ませるようにしているので、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【0009】
請求項2に係るクリーニング装置では、請求項1に記載のクリーニング装置において、掻き出し部材が、回転軸に垂直方向の断面が長円状に形成されている。この掻き出し部材は、長軸方向の端部をクリーニングブラシに食い込ませることにより、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落としている。この場合、長円状に形成された掻き出し部材を回転させると、掻き出し部材の長軸方向の端部側が、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部へと掻き出すことができるようになっている。そして、掻き出し部材の長軸方向の端部側が、クリーニングブラシに繰り返し衝突して食い込むようになっている。これにより、掻き出し部材で、転写残トナーを回収部に掻き出すことができるとともに、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【0010】
請求項3に係るクリーニング装置では、請求項1に記載のクリーニング装置において、掻き出し部材が、掻き出し部材本体と板状部材とを有している。掻き出し部材本体は、ハウジングに回転自在に装着されている。板状部材は、掻き出し部材本体から外方に突出するように掻き出し部材本体に装着されている。掻き出し部材は、板状部材をクリーニングブラシに食い込ませることにより、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落としている。この場合、掻き出し部材本体を回転させると、掻き出し部材本体に装着された板状部材が、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部へと掻き出すことができるようになっている。そして、板状部材が、クリーニングブラシに繰り返し衝突して食い込むようになっている。これにより、掻き出し部材で、転写残トナーを回収部に掻き出すことができるとともに、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【0011】
請求項4に係るクリーニング装置では、請求項3に記載のクリーニング装置において、掻き出し部材本体が長円状に形成されている。板状部材は、掻き出し部材本体の長軸方向に突出するように掻き出し部材本体に装着されている。この場合、掻き出し部材の長軸方向の端部側と板状部材とが、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部へと掻き出すことができるようになっている。そして、板状部材が、クリーニングブラシに繰り返し衝突して食い込むようになっている。これにより、掻き出し部材で、転写残トナーを回収部に掻き出すことができるとともに、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、掻き出し部材が、クリーニングブラシに残留した転写残トナーの除去して、感光体ドラムの表面およびクリーニングブラシから除去された転写残トナーを回収部に掻き出すようになっているので、クリーニングブラシの転写残トナーを掻き落とすための掻き落とし部材をハウジングに装着しなくても済む。これにより、クリーニング装置の組立工数を少なくすることができる。また、従来のように薄板状の掻き落とし部材をハウジングに固定した状態で掻き落とし部材の一部をクリーニングブラシに食い込ませるのではなく、掻き出し部材を利用して、掻き出し部材を回転させたときに掻き出し部材の一部をクリーニングブラシに繰り返し衝突させて食い込ませるようにしているので、クリーニングブラシに残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置すなわちタンデム型カラープリンタの概略断面図を示している。このカラープリンタは、カラー画像形成のための各色の画像形成部2(2M,2Y,2C,2B)と、各色のトナー供給装置3(3M,3Y,3C,3B)と、用紙を搬送する搬送ベルト4と、搬送される用紙に各色のトナー画像を転写するための第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、画像形成部2M,2Y,2C,2Bに用紙を給紙する給紙機構6と、用紙上に転写されたトナー画像を定着するための定着部7と、排出部8とを有している。画像形成部2と、トナー供給装置3と、搬送ベルト4と、転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、給紙機構6と、定着部7とは、カラープリンタのプリンタ本体1の内部に配置されている。また、排出部8は、カラープリンタのプリンタ本体1の上部に設けられている。
【0014】
画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、それぞれマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成するものであり、用紙の搬送方向上流側から搬送ベルト4に沿って横方向に順に並べて配置されている。これらの画像形成部2M,2Y,2C,2Bのそれぞれは、像担持体としてのアモルファスシリコン等からなる感光層を有する感光体ドラム10を有し、各感光体ドラム10の周囲には帯電器11、露光器12、現像装置13及びクリーニング装置14が順に配置されている。
【0015】
トナー供給装置3は、現像装置13にトナーを供給するためのものであり、現像装置13の上部に配置されている。トナー供給装置3は、図示しない、トナーを収容するためのトナー収容容器と、トナー収容容器内のトナーを攪拌するためのトナー攪拌部材と、攪拌されたトナーをトナー供給口へと搬送するためのトナー搬送部材とを有している。
搬送ベルト4は、駆動ローラ20と従動ローラ21との間に掛け渡されて循環駆動されている。この搬送ベルト4は、給紙機構6から給紙搬送路22を介して搬送されてきた用紙を吸着してほぼ水平方向に搬送している。第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、この搬送ベルト4を介して各画像形成部2M,2Y,2C,2Bの感光体ドラム10に対向するように配置されている。この第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、それぞれがソレノイド23によって上方の転写位置と下方の解除位置との間で移動可能となっている。ここで、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが上方に移動して転写位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙は感光体ドラム10に接触した状態になる。一方、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが下方に移動して解除位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙と感光体ドラム10とは離れた状態になる。
【0016】
給紙搬送路22は、搬送のガイドとなるガイド部材と、複数のローラ対とから構成されており、この給紙搬送路22の最も下流側には、トナー画像の形成と用紙の搬送とを同期させるためのレジストローラ対25が設けられている。そして、レジストローラ対25と第1転写ローラ5Mとの間には、吸着ローラ26が設けられている。この例では、吸着ローラ26が、搬送ベルト4が掛けられた従動ローラ21の上方に従動ローラ21と対向して配置されている。この位置で、吸着ローラ26は、用紙の先端部あるいは全面に吸着用のバイアス電圧を印加して、用紙を搬送ベルト4に吸着させている。
【0017】
定着部7は、内部にヒータを有する加熱ローラ及び加熱ローラに押圧される加圧ローラを有している。そして、この定着部7と排出部8との間には排紙搬送路27が設けられている。排紙搬送路27は、給紙搬送路22と同様に、ガイド部材と、複数のローラ対とから構成されている。なお、排出部8は装置の上面に形成されており、定着部7を通過した用紙が、排紙搬送路27を介して上方に搬送され装置の上面に排出される。
【0018】
クリーニング装置14は、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去して回収するためのものである。クリーニング装置14は、図2および図3に示すように、主に、ハウジング30と、ファーブラシ31と、クリーニングブレード32と、掻き出し部材33とを備えている。
ハウジング30は、感光体ドラム10に隣接させてプリンタ本体1に装着されている。ハウジング30は、収容部30aと回収部30bとを有している。収容部30aは、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを一時的に収容する部分であり、感光体ドラム10側に設けられている。回収部30bは、感光体ドラム10の表面の転写残トナーを収容部30aから回収して収容する部分であり、感光体ドラム10から離反した側に設けられている。また、収容部30aには、仕切り板30cが装着されている。この仕切り板30cは、一端側が収容部30aの上部に装着されており、他端側が回収部30b側の掻き出し部材33の側部に当接している。このように仕切り板30cを収容部30aに配置することによって、収容部30aから回収部30bに回収された転写残トナーが収容部30aに再度戻らないようにすることができる(図2および図3を参照)。
【0019】
ファーブラシ31は、ハウジング30に回転自在に装着されている。具体的には、ファーブラシ31は、後述するクリーニングブレード32の下方で、ハウジング30の収容部30aに回転自在に装着されている。このようなファーブラシ31は、感光体ドラム10の表面に回転摺接して感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去している。ファーブラシ31により除去された感光体ドラム10の表面の転写残トナーは、ハウジング30の収容部30aに一時的に収容される。
【0020】
クリーニングブレード32は、感光体ドラム10の表面に沿うようにハウジング30に装着されている。このクリーニングブレード32は、感光体ドラム10に摺接して、ファーブラシ31で除去しきれなかった感光体ドラム10の表面の転写残トナーを除去している。クリーニングブレード32により除去された感光体ドラム10の表面の転写残トナーは、ハウジング30の収容部30aに一時的に収容される。
【0021】
掻き出し部材33は、ハウジング30に回転自在に装着されている。掻き出し部材33は、回転軸に垂直方向の断面が長円状に形成されており、長軸方向の端部をファーブラシ31に食い込ませることによりファーブラシ31に残留した転写残トナーを掻き落とし可能になっている。具体的には、掻き出し部材33は、ファーブラシ31よりハウジング30の回収部30b側で、ハウジング30の収容部30aに回転自在に装着されている。この掻き出し部材33が回転すると、掻き出し部材33は、長軸方向の端部がファーブラシ31に食い込んで、ファーブラシ31に残留した転写残トナーを除去する。言い換えると、掻き出し部材33は、長軸方向の端部がファーブラシ31に繰り返し衝突して、ファーブラシ31に残留した転写残トナーを除去する。掻き出し部材33により除去されたファーブラシ31の転写残トナーは、ハウジング30の収容部30aに一時的に収容される。
【0022】
上記のように、クリーニングブレード32および掻き出し部材33により感光体ドラム10の表面およびファーブラシ31から除去されハウジング30の収容部30aに収容された転写残トナーは、掻き出し部材33により収容部30aから回収部30bへと掻き出される。
本実施形態では、掻き出し部材33の長軸方向の端部が、ファーブラシ31に残留した転写残トナーを除去して、感光体ドラム10の表面およびファーブラシ31から除去された転写残トナーを収容部30aから回収部30bに掻き出すようになっているので、ファーブラシ31の転写残トナーを掻き落とすための掻き落とし部材をハウジング30に装着しなくても済む。これにより、クリーニング装置14の組立工数を少なくすることができる。また、従来のように薄板状の掻き落とし部材をファーブラシ31に食い込ませるのではなく、高剛性の掻き出し部材33を利用して、掻き出し部材33を回転させたときに掻き出し部材33の長軸方向の端部をファーブラシ31に繰り返し衝突させて食い込ませるようにしているので、ファーブラシ31に残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【0023】
〔第2実施形態〕
本実施形態における複写機の構成はクリーニング装置を除いて第1実施形態の複写機1の構成と同様であるため、ここではクリーニング装置についての説明のみを行うものとする。
クリーニング装置114は、感光体ドラム110の表面の転写残トナーを除去して回収するためのものである。クリーニング装置114は、図4に示すように、主に、ハウジング130と、ファーブラシ131と、クリーニングブレード132と、掻き出し部材133とを備えている。
【0024】
ハウジング130は、感光体ドラム110に隣接させてプリンタ本体101に装着されている。ハウジング130は、収容部130aと回収部130bとを有している。収容部130aは、感光体ドラム110の表面の転写残トナーを一時的に収容する部分であり、感光体ドラム110側に設けられている。回収部130bは、感光体ドラム110の表面の転写残トナーを収容部130aから回収して収容する部分であり、感光体ドラム110から離反した側に設けられている。また、収容部130aには、仕切り板130cが装着されている。この仕切り板130cは、一端側が収容部130aの上部に装着されており、他端側が回収部130b側の掻き出し部材133の側部に当接している。このように仕切り板130cを収容部130aに配置することによって、収容部130aから回収部130bに回収された転写残トナーが収容部130aに再度戻らないようにすることができる。
【0025】
ファーブラシ131は、ハウジング130に回転自在に装着されている。具体的には、ファーブラシ131は、後述するクリーニングブレード132の下方で、ハウジング130の収容部130aに回転自在に装着されている。このようなファーブラシ131は、感光体ドラム110の表面に回転摺接して感光体ドラム110の表面の転写残トナーを除去している。ファーブラシ131により除去された感光体ドラム110の表面の転写残トナーは、ハウジング130の収容部130aに一時的に収容される。
【0026】
クリーニングブレード132は、感光体ドラム110の表面に沿うようにハウジング130に装着されている。このクリーニングブレード132は、感光体ドラム110に摺接して、ファーブラシ131で除去しきれなかった感光体ドラム110の表面の転写残トナーを除去している。クリーニングブレード132により除去された感光体ドラム110の表面の転写残トナーは、ハウジング130の収容部130aに一時的に収容される。
【0027】
掻き出し部材133は、ハウジング130に回転自在に装着されている。掻き出し部材133は、掻き出し部材本体133aと一対の板状部材133bとを有している。掻き出し部材本体133aは、回転軸に垂直方向の断面が長円状に形成されている。掻き出し部材本体133aは、ハウジング130に回転自在に装着されている。具体的には、掻き出し部材本体133aは、ファーブラシ131からハウジング130の回収部130b側に所定の間隔を隔てて、ハウジング130の収容部130aに回転自在に装着されている。一対の板状部材133bそれぞれは、掻き出し部材本体133aから外方に突出するように掻き出し部材本体133aに装着されている。具体的には、一対の板状部材133bそれぞれは、掻き出し部材本体133aから掻き出し部材本体133aの長軸方向の外方に向けて突出するように掻き出し部材本体133aに装着されている。
【0028】
このような掻き出し部材133では、掻き出し部材本体133aが回転すると、板状部材133bがファーブラシ131に食い込んで、ファーブラシ131に残留した転写残トナーを除去する。言い換えると、掻き出し部材133では、掻き出し部材本体133aが回転すると、板状部材133bがファーブラシ131に繰り返し衝突して、ファーブラシ131に残留した転写残トナーを除去する。板状部材133bにより除去されたファーブラシ131の転写残トナーは、ハウジング130の収容部130aに一時的に収容される。
【0029】
上記のように、クリーニングブレード132および掻き出し部材133の板状部材133bにより感光体ドラム110の表面およびファーブラシ131から除去されハウジング130の収容部130aに収容された転写残トナーは、掻き出し部材本体133aの長軸方向の端部側および板状部材133bにより収容部130aから回収部130bへと掻き出される。
【0030】
本実施形態では、掻き出し部材133の板状部材133bがファーブラシ131に残留した転写残トナーを除去して、掻き出し部材本体133aの長軸方向の端部側および掻き出し部材133の板状部材133bが感光体ドラム110の表面およびファーブラシ131から除去された転写残トナーを収容部130aから回収部130bに掻き出すようになっている。このため、ファーブラシ131の転写残トナーを掻き落とすための掻き落とし部材をハウジング130に装着しなくても済む。これにより、クリーニング装置114の組立工数を少なくすることができる。また、従来のように薄板状の掻き落とし部材をハウジング130に固定した状態で掻き落とし部材の一部をファーブラシ131に食い込ませるのではなく、掻き出し部材本体133aを回転させたときに掻き出し部材133の板状部材133bをファーブラシ131に繰り返し衝突させて食い込ませるようにしているので、ファーブラシ131に残留した転写残トナーを確実に除去することができる。
【0031】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、画像形成装置がカラープリンタである場合の例を示したが、本発明は複写機やプリンタやファクシミリ等の画像形成装置に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略断面図。
【図2】クリーニング装置の断面図(掻き出し部材の一部がファーブラシに食い込んだ状態)。
【図3】クリーニング装置の断面図(掻き出し部材の一部がファーブラシに食い込んでいない状態)。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるクリーニング装置の断面図(掻き出し部材の板状部材がファーブラシに食い込んだ状態)。。
【符号の説明】
【0033】
10,110 感光体ドラム
14,114 クリーニング装置
30b,130b 回収部
30a,130a 収容部
30,130 ハウジング
31,131 ファーブラシ(クリーニングブラシ)
33,133 掻き出し部材
133a 掻き出し部材本体
133b 板状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去して回収するための画像形成装置のクリーニング装置であって、
前記感光体ドラムの表面の転写残トナーを回収可能な回収部を有するハウジングと、
前記ハウジングに回転自在に装着され、前記感光体ドラムの表面に回転摺接して前記感光体ドラムの表面の転写残トナーを除去するクリーニングブラシと、
前記ハウジングに回転自在に装着され、回転時に、一部を前記クリーニングブラシに食い込ませることにより前記クリーニングブラシに残留した転写残トナーを除去し、前記感光体ドラムの表面および前記クリーニングブラシから除去された転写残トナーを前記回収部へと掻き出す掻き出し部材と、
を備える画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項2】
前記掻き出し部材は、回転軸に垂直方向の断面が長円状に形成されており、長軸方向の端部を前記クリーニングブラシに食い込ませることにより前記クリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落としている、
請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項3】
前記掻き出し部材は、前記ハウジングに回転自在に装着される掻き出し部材本体と前記掻き出し部材本体から外方に突出するように前記掻き出し部材本体に装着された板状部材とを有しており、前記板状部材を前記クリーニングブラシに食い込ませることにより前記クリーニングブラシに残留した転写残トナーを掻き落としている、
請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記掻き出し部材本体は長円状に形成されており、前記板状部材は前記掻き出し部材本体の長軸方向に突出するように前記掻き出し部材本体に装着されている、
請求項3に記載の開閉検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−17852(P2006−17852A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193442(P2004−193442)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】