説明

クリーニング部材、カートリッジ、および画像形成装置

【課題】 変形を精度よく検出することができるクリーニング部材、そのクリーニング部材を備えたカートリッジ、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 結晶性ポリエステルが含有された化学製法トナーで画像形成を行なうプリンタ10において、クリーニング部材12を構成するブレード12_1で、感光体ロール11の表面に残留した不要物を掻き落とすにあたり、ブレード12_1の表側の面に金属膜が蒸着されてなるセンサ12_2の抵抗値を、ホイートストンブリッジ回路41_1を経由してブレード歪みモニタ回路41_2でモニタし、検知回路41_3で閾値を下回っていることが検知された場合は、電子写真プロセス制御部42で感光体ロール11の駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング部材、カートリッジ、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブレードと像保持体との双方に導電層を設け、ブレードがめくり上がるとこれら導電層が接触することで、ブレードのめくりを検出する技術が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、ブレードが像保持体に接触している状態で、光弾性法により、そのブレードにかかる内部歪みを動的に観察する技術が提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、ブレードに貼り付けられた磁性体をソレノイドコイルにより引き付けることで、そのブレードの歪みを補正する技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献4には、ブレードの振動を観測し、その振動のフーリエ変換で得られた周波数毎の多次元データを信号として、正常状態を基準とする指標値を算出することによって、ブレードの、像保持体への接触の異常を検出する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平6−67583号公報
【特許文献2】特開2003−5580号公報
【特許文献3】特開2003−5597号公報
【特許文献4】特開2006−106017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、変形を精度よく検出することができるクリーニング部材、そのクリーニング部材を備えたカートリッジ、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のクリーニング部材は、
被クリーニング体の表面に接触する部材本体と、
上記部材本体の、上記被クリーニング体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた金属膜からなるセンサ部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記部材本体が、板状の外形を有しその板の縁で上記被クリーニング体の表面に接触するものであり、
上記センサ部が、上記部材本体の外形を成した板の表裏面のうち少なくとも一方の面に上記金属膜が付けられてなるものであることが好ましい。
【0009】
また、上記センサ部が、上記部材本体に上記金属膜が蒸着されてなるものであることも好ましい。
【0010】
また、上記目的を達成する本発明のカートリッジは、
表面に像が形成されその像を保持する像保持体;および
上記像保持体の表面に接触する部材本体と、上記部材本体の、上記像保持体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた薄膜状の金属からなるセンサ部とを有するクリーニング部材;
を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、上記像保持体が、表面に化学製法トナーを含む現像剤で像が形成されるものであり、
上記部材本体が、上記像保持体の表面から該化学製法トナーを除去するものであることが好ましい。
【0012】
また、上記像保持体が、結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む現像剤で像が形成されるものであり、
上記部材本体が、上記像保持体の表面からトナーを除去するものであることも好ましい。
【0013】
さらに、上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、
表面に像が形成されその像をその表面に保持する像保持体;
上記像保持体上に像を形成する像形成部;
上記像保持体上に形成された像を記録媒体上に転写し定着させる転写定着部;および
上記像保持体の表面に接触する部材本体と、上記部材本体の、上記像保持体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた薄膜状の金属からなるセンサ部とを有するクリーニング部材;
を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、上記像保持体が、移動する表面に像が形成されるものであり、
上記部材本体が、上記像保持体の表面移動に伴ってその像保持体の表面から付着物を除去するものであり、
上記像保持体を駆動してその像保持体の表面を移動させる駆動部と、
上記センサ部に接続されて上記クリーニング部材の歪みを計測する歪み計測部と、
上記歪み計測部による計測結果に基づいて上記駆動部による上記像保持体の駆動を制御する駆動制御部とを備えたことが好ましい。
【0015】
また、上記像形成部が、上記像保持体上に化学製法トナーを含む現像剤で像を形成するものであり、
上記部材本体が、上記像保持体の表面から該化学製法トナーを除去するものであることも好ましい。
【0016】
さらに、上記像形成部が、結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む現像剤で前記像保持体上に像を形成するものであり、
上記部材本体が、上記像保持体の表面からトナーを除去するものであることも好ましい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のクリーニング部材では、部材本体の変形を妨げずに変形量を検出することができる。
【0018】
請求項2のクリーニング部材では、板状の外形を有する部材本体における変形検出の精度が高い。
【0019】
請求項3のクリーニング部材では、請求項3の構成を有さない場合に較べて変形量の検出精度が高い。
【0020】
請求項4のカートリッジでは、このカートリッジ内のクリーニング部材を構成する部材本体の変形を妨げずに変形量を検出することができる。
【0021】
請求項5のカートリッジでは、請求項5の構成を有さない場合に較べて緻密な像を像保持体の表面に形成することができる。
【0022】
請求項6のカートリッジでは、請求項6の構成を有さない場合に較べて低温で定着できる。
【0023】
請求項7の画像形成装置では、この画像形成装置内のクリーニング部材を構成する部材本体の変形を妨げずに変形量を検出することができる。
【0024】
請求項8の画像形成装置では、クリーニング部材の歪みを回復することができる。
【0025】
請求項9の画像形成装置では、請求項9の構成を有さない場合に較べて緻密な像を形成することができる。
【0026】
請求項10の画像形成装置では、請求項10の構成を有さない場合に較べて低温で像を記録媒体上に定着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるプリンタの概略構成図である。
【0029】
図1に示すプリンタ10には、表面に像が形成されてその像を保持する像保持体の一例である感光体ロール11が備えられている。この感光体ロール11は、中心軸11aの回りを矢印A方向に回転する。このような回転により、感光体ロール11の表面は循環移動することとなる。
【0030】
また、このプリンタ10には、本発明のクリーニング部材の一実施形態であるクリーニング部材12が備えられている。このクリーニング部材12には、部材本体の一例であるブレード12_1と、薄膜状の金属からなるセンサ12_2とが備えられている。ブレード12_1は、ゴム材料からなる板状の部材であり、図1に示すように、斜め上側に向けられた表側の面と斜め下側に向けられた裏側の面とを有する。また、センサ12_2は、ブレード12_1の表側の面に金属膜が蒸着されてなるものである。ここで、感光体ロール11とクリーニング部材12とが、本発明のカートリッジの一実施形態であるカートリッジ20を構成している。
【0031】
さらに、このプリンタ10には、感光体ロール11の表面に電荷を付与するための帯電器13が備えられている。
【0032】
また、このプリンタ10には、帯電器13により電荷が付与された感光体ロール11の表面に外部から送られてきた画像データに基づいて露光光を照射する露光器14が備えられている。
【0033】
さらに、このプリンタ10には、現像器15が備えられている。この現像器15は、結晶性ポリエステルを含有した化学製法トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を収容した現像剤収容体15_1と、現像剤収容体15_1中の現像剤を保持して感光体ロール11の表面に対向した状態で回転する現像ロール15_2を有する。ここで、帯電器13と露光器14と現像器15とが、像保持体上に像を形成する像形成部の一例を構成している。
【0034】
また、このプリンタ10には、現像像を記録用紙上に転写する転写ロール16と、その記録用紙上に転写された現像像を加熱および加圧して記録用紙上に定着させる定着器17が備えられている。定着器17は、加熱機構を有する定着ロール17_1と、定着ロール17_1に対向するように設けられた圧力ロール17_2とを有する。ここで、転写ロール16と定着器17が、像保持体上に形成された像を記録媒体上に転写し定着させる転写定着部の一例を構成している。
【0035】
さらに、このプリンタ10には、記録用紙が収容される記録用紙収容部18と、その記録用紙収容部18から記録用紙を引き出して予め定められた搬送路に搬送する用紙搬送部19が備えられている。
【0036】
また、このプリンタ10には、モータ制御部30および処理部40が備えられている。
【0037】
このプリンタ10では、処理部40からの指示を受けてモータ制御部30が図示しないモータを回転させることのより感光体ロール11が矢印A方向に回転する。また、矢印A方向に回転する感光体ロール11の表面に、帯電器13により電荷が付与される。さらに、電荷が付与された感光体ロール11の表面に、外部から送られてきた画像データに基づいて露光器14で生成した露光光が照射されることで静電潜像が形成される。次いで、現像器15を構成する現像剤収容体15_1に収容された結晶性ポリエステルを含有した化学製法トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を、回転する現像ロール15_2に保持させて現像位置に運ばせることで静電潜像が現像されて現像像が形成される。ここで、化学製法トナーは、一般に球状になりやすくかつ粒径が揃えられているので他種のトナーに較べて流動性に優れたトナーである。また、結晶性ポリエステルは、吸熱ピークがシャープな形状として現れる性質を有する。このため、感光体ロール11の表面に形成される現像像は、化学製法トナーでない他種のトナーによる像と較べて緻密となり、結晶性ポリエステルを含有していないトナーによる像と較べて低温で定着される。
【0038】
さらに、上記現像像は、感光体ロール11と転写ロール16によって定まる転写領域において、記録用紙収容部18から用紙搬送部19により引き出され矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写ロール16によって転写される。その後、定着器17により加熱および加圧されて定着され、記録用紙上に画像が形成される。この定着は上述したように低温の定着である。
【0039】
また、感光体ロール11の、転写領域を通過した表面には、転写領域において記録用紙へ移行することができなかったトナー、紙粉、あるいは帯電において生じた放電生成物などの不要物が付着している。この不要物は、クリーニング部材12によって掻き落とされて、次の画像形成サイクルに備えられる。
【0040】
ここで、化学製法トナーの詳細について説明する。化学製法トナーとは、樹脂の粉砕分級に依らない微粒子形成方法の総称である。この化学製法トナーは、重合性単量体を乳化重合させた樹脂粒子により、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られる。これら乳化重合凝集法,懸濁重合法,溶解懸濁法等により得られる化学製法トナーは、粉砕製法によるトナーに較べて球状でかつ粒径が揃ったトナーとなる。このため、化学製法トナーによって感光体ロール11の表面に形成される現像像は、化学製法トナーでない他種のトナーによる像と較べて緻密となる。
【0041】
化学製法トナーの粒度分布を示すGSD(Geometrical Standard Deviation)値は、粒子を小さいほうからならべたときの(粒子の16%体積粒径)/(全トナー粒子数の84%個数平均粒径)0.5から算出される全トナー粒子の粒子径バラツキの広がり度合(粒度分布)を示す1以上の値であり、この値が1に近づくほど粒径が単分散であることを意味し、一般に単分散と言われているものはこのGSD値が1.1前後のものである。通常の化学製法トナーは上記GSD値が1.25程度、粉砕製法では上記GSD値が1.7程度である。緻密な像を得るためには、トナーのGSD値を下げる、即ち、粒度分布を狭くするとよい。1.30以上では、細線・粒状性が悪くなる場合がある。よって現実的には1.25以下が望ましい。
【0042】
トナーの球形化度とは、球形化度=100×π×(ML)/(4×A)[式中MLは、光学顕微鏡から入力した粒子の2次元投影画像から画像解析装置により計算されたトナー粒子の最大長、Aはトナー粒子の投影面積]から算出されるトナー粒子の球形度合を示す値であり、この値が100に近づくほど形状が真球状であることを意味する。一般に、真球状と言われているものは、この値が110前後形状のものである。実用上、球形化度が130以下のトナー粒子が良く、球形化度が130を超えると、感光体ロールとトナーの接触面積が増えるため、転写性が低下する傾向にある。特に120以下にするとよい。
【0043】
また、本実施形態では、結晶性ポリエステルを含有した化学製法トナーが用いられるのが好ましい。結晶性ポリエステルは、前述したように、吸熱ピークがシャープな形状として現れる性質を有する。このため、この化学製法トナーは、結晶性ポリエステルを含有しない化学製法トナーと比べて、低温で定着する。
【0044】
図2は、クリーニング部材の構成を示す図である。
【0045】
図2に示すクリーニング部材12には、ブレード12_1と、センサ12_2が備えられている。
【0046】
ブレード12_1は、図2に示す先端12_1aで感光体ロール11の表面に接触しており、この先端12_1aから1mm離れて、センサ12_2が備えられている。
【0047】
センサ12_2は、ゲージパターン部12_21と、このゲージパターン部12_21の各端に接続された各ゲージタブ部12_22とから構成されている。このセンサ12_2は、ブレード12_1の表側の面に金属膜を蒸着して製造されている。このため、ブレード12_1に金属膜を接着剤で貼り付けて製造する場合と較べて、手間が少なくて済み、製造が容易である。また、ブレード12_1の表側の面に蒸着された金属膜は、剥がれ難く、耐久性が高い。
【0048】
ゲージパターン部12_21は、つづら折り状に繋がった幅の細いパターンからなるものである。このゲージパターン部12_21は、ブレード12_1が歪んで表面が伸び縮みすると、ブレード12_1の変形を妨げることなく、表面の伸び縮みに追随して伸び縮みする。その結果、パターンの長さが伸びると断面積や密度の減少によって、抵抗値が増大し、逆にパターンの長さが縮むと抵抗値は減少する。
【0049】
ゲージタブ部12_22は、ゲージリード部12_3の接続でゲージパターン部12_21の伸び縮みに影響が生じないように、ゲージパターン部12_21よりも幅の広いパターンからなる。
【0050】
センサ12_2の長さ(ゲージ長)Lは、0.2mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。また、センサ12_2の幅(ゲージ幅)Wは、0.5mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。これらの範囲より小さいと、高い精度での加工が必要になり、また信号に対するノイズが多くなる。一方、これらの範囲よりも大きいと、ブレード12_1に対する面積の割合が大きくなるために、ブレード12_1の変形への追随が悪くなる怖れがある。
【0051】
ブレード12_1は、センサ12_2のゲージ長Lの方向に変形するため、ゲージ長Lがゲージ幅Wに対して長い構成のほうが、センサ12_2の抵抗値の変化を検出するのに適している。
【0052】
金属膜の材料としては、アルミニウム,亜鉛,ニッケル,チタン,バナジウム,クロム,タンタル,鉄,マンガン,シリコン、およびそれらの合金,酸化物,窒化物,ケイ化物からなる群から選択された材料が挙げられる。
【0053】
図1に示す感光体ロール11が回転すると、感光体ロール11の表面に接触しているブレード12_1の先端12_1aが図2の手前側に巻き込まれて、ブレード12_1の表側の面が縮む方向に変形する。すると、ゲージパターン部12_21自体の断面積や密度が大きくなり、結果として、センサ12_2が有する抵抗値は小さくなる。このため、センサ12_2の抵抗値をモニタすると、ブレード12_1の挙動がモニタされることとなる。
【0054】
センサ12_2の抵抗値は、図1に示す処理部40でモニタされる。以下、図3を参照して説明する。
【0055】
図3は、図1に示す処理部の構成を示す図である。
【0056】
尚、図3には、図1に示す感光体ロール11,クリーニング部材12,帯電器13,現像ロール15_2,モータ制御部30も示されている。
【0057】
図3に示す処理部40には、歪み計測部41と、電子写真プロセス制御部42が備えられている。
【0058】
歪み計測部41には、ホイートストンブリッジ回路41_1と、ブレード歪みモニタ回路41_2と、検知回路41_3とが備えられている。先ず、ホイートストンブリッジ回路41_1の構成について、図4を参照して説明する。
【0059】
図4は、図3に示すホイートストンブリッジ回路の構成を示す図である。
【0060】
ホイートストンブリッジ回路41_1を構成する各抵抗素子41_1a,41_1b,41_1cは、各抵抗値R,R,Rを有する。尚、図4に示す抵抗値Rは、上述したセンサ12_2が有する抵抗値であり、この抵抗値Rvは、ブレード12_1の先端が巻き込まれて、ブレード12_1の表側の面が縮む方向に変形すると、小さくなる。また、ホイートストンブリッジ回路41_1の接続点A,C間には、直流電源41_1dが接続されている。さらに、接続点B,D間には、図3に示すブレード歪みモニタ回路41_2が接続されている。
【0061】
ここで、以下の式(1)が成立するときには、接続点B,D間の電圧は零となる。
【0062】
/R=R/R…(1)
このホイートストンブリッジ回路41_1では、ブレード12_1の変形がない状態において、式(1)が成立するように抵抗値Rが設定されている。このため、接続点B,D間に生じる電圧値がブレード12_1の変形量を示すこととなり、電圧の符号は変形の方向(伸びか縮みか)を示すこととなる。
【0063】
再び図3に戻って説明を続ける。電子写真プロセス制御部42は、モータ制御部30を経由して図示しないモータを回転させることにより感光体ロール11を駆動する。すると、ブレード12_1で感光体ロール11の表面から不要物が掻き落とされる。ここで、ブレード12_1で掻き落とされずに残留した不要物が、感光体ロール11の表面とブレード12_1の先端との間に堆積すると、ブレード12_1の先端が巻き込まれるように変形する。すると、ホイートストンブリッジ回路41_1の接続点B,D間に、この変形に応じた電圧が生じる。この電圧はブレード歪みモニタ回路41_2でモニタされ、モニタされた電圧が出力値として検知回路41_3に出力される。ここで、出力値の符号は、センサ12_2が付いているブレード12_1の面が縮む方向でマイナスとなっている。
【0064】
検知回路41_3は、出力値が予め定められた閾値を下回っているか否か、即ち、ブレード12_1の先端の巻き込みが大きいか否を検知する。検知した結果、出力値が閾値を下回っている場合は、閾値を下回っていることを示すトリガ信号を電子写真プロセス制御部42に出力する。電子写真プロセス制御部42では、このトリガ信号を受けて、モータ制御部30を経由してモータの回転を停止させる。これにより、感光体ロール11が停止する。すると、感光体ロール11の表面とブレード12_1の先端との間に堆積している不要物が一旦崩される。このため、ブレード12_1の先端を巻き込こ込もうとする力が解放されて、ブレード12_1の歪みが回復する。
【0065】
上述したように、本実施形態のプリンタ10では、化学製法トナーが用いられるのが好ましい。この化学製法トナーは、流動性に優れており緻密な像が得られるものの、ブレード12_1の先端に留まるトナー量が多く、ブレード12_1は変形しやすい。この点について、図5および図6を参照して詳細に説明する。
【0066】
図5は、感光体ロールの表面とブレードの先端との間に堆積したトナーの堆積部に作用する力の様子を説明するための図である。
【0067】
図5(a)には、球形でかつ粒径が揃っているトナーを用いた場合にそのトナーの堆積部に作用する力の様子が示されている。尚、感光体ロール11の表面11は本来曲面であるが、ここでは模式的に平面で示されている。
【0068】
図5(a)に示すように、矢印A方向に移動する感光体ロール11の表面にブレード12_1の先端(縁)が接触することにより、球形でかつ粒径が揃っているトナーが矢印B方向に回収される。このトナーは、点線で囲まれた堆積部においては、粒子どうしが最も近接した状態(最密に充填された状態)となる。この状態では、トナーが回収される力(せん断力)Fは堆積部まで作用しない。即ち、このトナーでは、粒径が揃うことにより最密に充填された構造になりやすく、また球状であるため、粒子間の接触による抵抗は小さく、トナーの回収にあたり、トナーの滞留によるせん断力Fは堆積部まで作用しない。従って、以下に説明する不定形でかつ粒径が不揃いのトナーを用いた場合と較べて、ブレード12_1の歪みは大きい。
【0069】
図5(b)には、不定形でかつ粒径が不揃いのトナーを用いた場合にそのトナーの堆積部に作用する力の様子が示されている。
【0070】
図5(b)に示すように、このトナーは、粒径が不揃いであるため最密に充填された構造になりにくく、また不定形であるため粒子間のひっかかりも大きく、従ってトナーの、矢印方向Bへの回収にあたり、トナーの滞留によるせん断力Fは堆積部まで作用する。従って、球形でかつ粒径が揃っているトナーを用いた場合と較べて、ブレード12_1の歪みは小さい。
【0071】
図6は、図5に示すブレードが歪んでいる様子を示す図である。
【0072】
図6(a)には、図5(a)に示すブレード12_1が歪んでいる様子が示されている。上述したように、球形でかつ粒径が揃っているトナーを用いた場合は、ブレード12_1の先端における、トナーが滞留する堆積部は、最密に充填された状態になりやすく、固体層の振る舞いをする。このため、せん断力Fは堆積部にまで作用せず、ブレード12_1の先端に留まるトナー量は多い。従って、ブレード12_1の先端に作用する力fは大きく、その結果、ブレード12_1の変形は大きくなる。
【0073】
ここで、ブレード12_1の先端に留まるトナー量は、記録用紙における画像領域(トナー像が形成されている領域)と非画像領域(トナー像が形成されていない領域)との割合に大きく依存する。本実施形態のプリンタ10は、A3サイズの記録用紙にまで対応することができるプリンタであり、A3サイズの記録用紙を用紙長手方向に搬送する場合であって且つ画像領域の割合が非画像領域の割合よりも大きい場合、ブレード12_1の先端に留まるトナー量は最も多く、このためブレード12_1の歪みが顕著になる。すると、ブレード12_1の、感光体ロール11への接触力が高まり、感光体ロール11の磨耗量が大きくなってしまう。
【0074】
一方、図6(b)には、図5(b)に示すブレード12_1が歪んでいる様子が示されている。上述したように、不定形でかつ粒径が不揃いのトナーを用いた場合は、せん断力Fは堆積部にまで作用してトナーが回収されるため、ブレード12_1の先端に留まるトナー量は少なく、従ってブレード12_1の先端に作用する力fは小さく、ブレード12_1の変形は小さい。
【0075】
本実施形態では、球状でかつ粒径が揃っている化学製法トナーが好ましく用いられている。このため、ブレード12_1の先端に留まるトナー量は多い。しかし、上述したように、ブレード12_1が変形して閾値を下回った場合には、感光体ロール11を停止する制御が行なわれるため、以下に説明するようにブレード12_1の歪みが回復する。
【0076】
次に、感光体ロール11が停止している場合と駆動されている場合との双方におけるクリーニング部材12の状態について説明する。
【0077】
図7は、感光体ロールが停止している場合と駆動されている場合との双方におけるクリーニング部材の状態を説明するための図である。
【0078】
図7(a)には、感光体ロール11が停止している場合のクリーニング部材12の状態と、感光体ロール11が駆動されている場合のクリーニング部材12の状態との双方の状態が並べて示されている。また、図7(b)には、感光体ロール11が停止している場合と駆動されている場合とを繰り返した場合における、図3に示すブレード歪みモニタ回路41_2からの出力値が示されている。
【0079】
感光体ロール11が停止している場合は、クリーニング部材12を構成するブレード12_1の先端に留まっているトナーが崩れるので、ブレード12_1は、図7(a)の左側に示すような変形の小さい状態になっている。従って、このブレード12_1の表側の面に蒸着されたセンサ12_2が有する抵抗値は、無変形時の抵抗値に近い抵抗値を示す。このため、図4に示すホイートストンブリッジ回路41_1の接続点B,D間の電圧は、零に近い値を示し、この零に近い値に対応する出力値が、図7(b)の左側および中央部に示されている。
【0080】
一方、感光体ロール11が駆動された場合は、感光体ロール11の矢印A方向への移動に伴ってブレード12_1の先端が巻き込まれて、図7(a)の右側に示すようにブレード12_1の表側の面が縮む方向に大きく変形する。すると、センサ12_2は、停止時の抵抗値よりも、この変形に応じた分だけ小さな抵抗値を示す。このため、ホイートストンブリッジ回路41_1の接続点B,D間には、ブレード12_1の変形量を示すマイナスの電圧値が生じる。このマイナスの電圧値に対応するマイナスの出力値が、図7(b)の左側および中央部を除く領域に示されている。
【0081】
図7(b)から明らかなように、感光体ロール11を駆動し続けた場合は、ブレード12_1の先端にトナーが留まっていくため、ブレード12_1の変形量(即ち歪み)も大きくなっていく。従って、出力値は低下していく。ここで、感光体ロール11が停止されると、ブレード12_1の先端に留まっているトナーが崩れるので、感光体ロール11の駆動が再開された時には、ブレード12_1の歪みが、停止前の歪みよりも回復している。このことは、図7(b)に示す出力値が、感光体ロール11が停止される直前における値よりも駆動直後における値の方が大きな値(プラス方向側に向かう値)となっていることからも確認される。その後、感光体ロール11の駆動が続くと、出力値は、その回復した大きな値から再び低下していく。本実施形態では、この出力値が閾値を下回った場合(即ち歪みが大きくなった場合)に、感光体ロール11が、歪みの回復のために一時的に停止される。以下、図8を参照して説明する。
【0082】
図8は、小さな画像密度で画像形成を行なった場合と大きな画像密度で画像形成を行なった場合との双方における出力値と閾値を示す図である。
【0083】
図8(a)には、小さな画像密度で画像形成を行なった場合の出力値と閾値が示されている。小さな画像密度で画像形成を行なった場合は、画像中のトナー量は少ないため、ブレード12_1の先端にトナーが留まっていく速度は遅い。従って、ブレード12_1はゆっくりと変形していく。これに伴いセンサ12_2の抵抗値もゆっくりと低下していく。このため、出力値は、画像形成が終了して感光体ロール11が停止する直前においても閾値を下回ることはなく、上述した一時的な停止は発生しない。
【0084】
一方、図8(b)には、大きな画像密度で画像形成を行なった場合の出力値と閾値が示されている。大きな画像密度で画像形成を行なった場合は、画像中のトナー量は多いため、ブレード12_1の先端にトナーが留まっていく速度は速い。従って、ブレード12_1は、小さな画像密度で画像形成を行なった場合と較べ、短い時間で変形していく。これに伴いセンサ12_2の抵抗値も短い時間で低下していく。すると、図8(b)の実線で示すように、出力値は、画像形成が終了する前に閾値を下回る。この時点で感光体ロール11は一時的に停止される。
【0085】
仮に、図8(b)の点線で示すように、出力値が閾値を下回った状態において、感光体ロール11が停止されない状態が続いた場合、ブレード12_1の歪みも回復されない状態が続くため、感光体ロール11およびブレード12_1双方への負担が懸念される。
【0086】
図9は、感光体ロールが一旦停止されてブレードの先端に留まっているトナーが崩され、さらに感光体ロールの駆動が再開される様子を示す図である。
【0087】
図9に示す期間Aにおいて、感光体ロール11が駆動してブレード12_1の先端に留まるトナーが増加するにつれてブレード12_1の変形も大きくなり、従ってセンサ12_2の抵抗値は低下していく。これに伴い、出力値も低下していく。やがて、出力値が閾値を下回っていることが期間Bの最初の時点で検知されて、感光体ロール11が一旦停止される。すると、ブレード12_1の先端に留まっているトナーが一旦崩される。このため、ブレード12_1の先端を巻き込こ込もうとする力が解放されて、ブレード12_1の歪みが回復する。次いで、感光体ロール11の駆動が再開される。すると、ブレード12_1の先端に留まっているトナーが崩されているため、この図9の矢印で示すように、出力値は、感光体ロール11が停止される直前における値よりも大きな値から低下していくこととなる。このように、本実施形態では、出力値が閾値を下回っていることが検知されたら感光体ロール11が一旦停止され、次いで感光体ロール11の駆動が再開されるという動作が行なわれる。
【0088】
上述した実施形態では、クリーニング部材12を構成するブレード12_1の表側の面と裏側の面のうちの一方の表側の面にのみセンサ12_2を蒸着した例であるが、以下に説明するように、クリーニング部材を構成するブレードの表側の面と裏側の面との双方にセンサを蒸着してもよい。
【0089】
図10は、本発明のクリーニング部材の第2実施形態であるクリーニング部材、およびこのクリーニング部材の歪みに応じて変化する抵抗値に基づく出力値を示す図である。
【0090】
図10(a)に示すクリーニング部材50は、図1に示すクリーニング部材12と比較し、ブレード12_1の裏側の面にも、センサ12_2が有する形状および特性と同じ形状および特性を有するセンサ12_4が蒸着されている。また、図10(b)には、ブレード12_1の表側の面に蒸着されたセンサ12_2の抵抗値に基づく出力値と、ブレード12_1の裏側の面に蒸着されたセンサ12_4の抵抗値に基づく出力値との双方が示されている。尚、この図10(b)の上部に示す、ブレード12_1の表側の面に蒸着されたセンサ12_2の抵抗値に基づく出力値は、図9に示す出力値と同じものである。
【0091】
感光体ロール11が停止された場合は、ブレード12_1は、変形の小さい状態になっており、ブレード12_1の表側の面,裏側の面に蒸着されたセンサ12_2,12_4の抵抗値は、ともに同じ程度の抵抗値にある。従って、出力値は、図10(b)の左端の上下それぞれに示すように、これらの抵抗値に対応した同じ程度の大きさにある。
【0092】
ここで、感光体ロール11が駆動される。すると、ブレード12_1の先端が巻き込まれて、ブレード12_1の表側の面は縮む方向に変形する。このため、ブレード12_1の表側の面に蒸着されたセンサ12_2の抵抗値は、変形した分だけ小さくなる。従って、出力値は、図10(b)の上部に示すように、その変形した分だけ小さくなった抵抗値に対応する出力値になる。
【0093】
これに対し、ブレード12_1の裏側の面は伸びる方向に変形するものの、この伸び量は小さく、このため、ブレード12_1の裏側の面に蒸着されたセンサ12_4の抵抗値は、この小さな伸び量の分だけ大きくなる。従って、出力値は、図10(b)の下部に示すように、その伸び量の分だけ大きくなった抵抗値に対応する出力値になる。
【0094】
このクリーニング部材50を備えたプリンタでは、ブレード12_1の先端が巻き込まれているのか、あるいはブレード12_1全体が押圧されているのかの判定が行なわれる。ブレード12_1の先端が巻き込まれている場合は、ブレード12_1の表側の面に蒸着されたセンサ12_2の抵抗値は小さくなるとともに、ブレード12_1の裏側の面に蒸着されたセンサ12_4の抵抗値は大きくなる。このため、これら抵抗値の差分は大きく、この場合はブレード12_1の先端が巻き込まれていると判定される。ブレード12_1の先端が巻き込まれていると判定された場合は、感光体ロール11が停止されてブレード12_1の歪みが回復される。
【0095】
一方、ブレード12_1全体が押圧されている場合は、これらセンサ12_2,12_4の抵抗値がともに小さくなるため、これら抵抗値の差分は小さく、この場合はブレード12_1全体が押圧されていると判定される。ブレード12_1全体が押圧されていると判定された場合は、不具合が発生している恐れがあるので、例えば図示しない表示部で警告表示を行なう。
【0096】
上述した2つの実施形態では、クリーニング部材を構成するブレードに、金属膜を蒸着したセンサが採用されているが、これらの実施形態のセンサに替えて、クリーニング部材を構成するブレードに、薄膜状の金属を接着剤で貼り付けたセンサを採用してもよい。以下、そのような接着剤で貼り付けたセンサの具体例について説明する。
【0097】
このセンサの長さ(ゲージ長)Lと幅(ゲージ幅)W、および金属膜の材料は、図2に示すセンサ12_2のものと同じである。また、このセンサの厚さ(膜厚)は、特に限定されるものではないが、生産性を高めるためには数μmの厚さのものを用いるのがよい。また、ブレードの歪みを高精度に検出するためには、0.1μm〜2.0μmの厚さのものを用いるのがよい。さらに、接着剤としては、熱硬化性のものと液型のものとがある。熱硬化性の接着剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられる。また、液型の接着剤としては、シアノアクリレート系の接着剤、エポキシ系、フェノールエポキシなどが用いられる。
【0098】
このセンサは、金属膜を蒸着したセンサと較べて、接着剤の分だけ応答性が劣るものの、接着剤は、ブレードの変形を妨げない程度に薄く用いられ、このセンサが有する抵抗値に基づいて上記同様に感光体ロールが停止されることによりブレードの歪みが回復される。
【0099】
尚、本発明にいう被クリーニング体は、像保持体でなくても例えば転写ベルト等であってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、本発明にいう画像形成装置としてプリンタを例に挙げて説明したが、本発明にいう画像形成装置は、電子写真方式を採用した画像形成装置であれば複写機はもとよりファクシミリ等でもよい。
【0101】
さらに、本実施形態では、本発明にいう画像形成装置として、搬送されてきた記録用紙に、転写ロールを用いて感光体ロール上の現像像を直接転写する直接転写方式プリンタを例に挙げて説明したが、本発明にいう画像形成装置は、転写ベルトを介して現像像を記録用紙に転写する間接転写方式の画像形成装置であってもよい。
【0102】
また、本実施形態では、本発明にいう像保持体として、ロール方式を採用した感光体ロールを例に挙げて説明したが、本発明にいう像保持体は、循環ベルト方式を採用した感光体ベルトであってもよい。
【0103】
さらに、本実施形態では、本発明にいうカートリッジとして、感光体ロールとクリーニング部材を備えた例で説明したが、本発明にいうカートリッジは、感光体ロールとクリーニング部材に加えて帯電器と現像器と転写ロールとのうちのいずれか1つ以上を備えてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、本発明にいう像形成部として、帯電器と露光器と現像器とを備えた例で説明したが、本発明にいう像形成部は、帯電や現像を経ずに像保持体上に像を直接に形成するものであってもよい。
【0105】
さらに、本実施形態では、本発明にいう転写定着部として、転写ロールで転写した後定着器で定着する例で説明したが、本発明にいう転写定着部は、転写と定着とを同時に行うものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるプリンタの概略構成図である。
【図2】クリーニング部材の構成を示す図である。
【図3】図1に示す処理部の構成を示す図である。
【図4】図3に示すホイートストンブリッジ回路の構成を示す図である。
【図5】感光体ロールの表面とブレードの先端との間に堆積したトナーの堆積部に作用する力の様子を説明するための図である。
【図6】図5に示すブレードが歪んでいる様子を示す図である。
【図7】感光体ロールが停止している場合と駆動されている場合との双方におけるクリーニング部材の状態を説明するための図である。
【図8】小さな画像密度で画像形成を行なった場合と大きな画像密度で画像形成を行なった場合との双方における出力値と閾値を示す図である。
【図9】感光体ロールが一旦停止されてブレードの先端に留まっているトナーが崩され、さらに感光体ロールの駆動が再開される様子を示す図である。
【図10】本発明のクリーニング部材の第2実施形態であるクリーニング部材、およびこのクリーニング部材の歪みに応じて変化する抵抗値に基づく出力値を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
10 プリンタ
11 感光体ロール
12,50,60 クリーニング部材
12_1 ブレード
12_1a ブレードの先端
12_2,12_4 センサ
12_21 ゲージパターン部
12_22 ゲージタブ部
12_3 ゲージリード部
13 帯電器
14 露光器
15 現像器
15_1 現像剤収容体
15_2 現像ロール
16 転写ロール
17 定着器
17_1 定着ロール
17_2 圧力ロール
18 記録用紙収容部
19 用紙搬送部
20 カートリッジ
30 モータ制御部
40 処理部
41 歪み計測部
41_1 ホイートストンブリッジ回路
41_1a,41_1b,41_1c 抵抗素子
41_1d 直流電源
41_1e 検流計
41_2 ブレード歪みモニタ回路
41_3 検知回路
42 電子写真プロセス制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被クリーニング体の表面に接触する部材本体と、
前記部材本体の、前記被クリーニング体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた金属膜からなるセンサ部とを備えたことを特徴とするクリーニング部材。
【請求項2】
前記部材本体が、板状の外形を有しその板の縁で前記被クリーニング体の表面に接触するものであり、
前記センサ部が、前記部材本体の外形を成した板の表裏面のうち少なくとも一方の面に前記金属膜が付けられてなるものであることを特徴とする請求項1記載のクリーニング部材。
【請求項3】
前記センサ部が、前記部材本体に前記金属膜が蒸着されてなるものであることを特徴とする請求項1または2記載のクリーニング部材。
【請求項4】
表面に像が形成されその像を保持する像保持体;および
前記像保持体の表面に接触する部材本体と、前記部材本体の、前記像保持体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた薄膜状の金属からなるセンサ部とを有するクリーニング部材;
を備えたことを特徴とするカートリッジ。
【請求項5】
前記像保持体が、表面に化学製法トナーを含む現像剤で像が形成されるものであり、
前記部材本体が、前記像保持体の表面から該化学製法トナーを除去するものであることを特徴とする請求項4記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記像保持体が、結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む現像剤で像が形成されるものであり、
前記部材本体が、前記像保持体の表面からトナーを除去するものであることを特徴とする請求項4又は5記載のカートリッジ。
【請求項7】
表面に像が形成されその像をその表面に保持する像保持体;
前記像保持体上に像を形成する像形成部;
前記像保持体上に形成された像を記録媒体上に転写し定着させる転写定着部;および
前記像保持体の表面に接触する部材本体と、前記部材本体の、前記像保持体に接触する箇所を避けた箇所に付けられた薄膜状の金属からなるセンサ部とを有するクリーニング部材;
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記像保持体が、移動する表面に像が形成されるものであり、
前記部材本体が、前記像保持体の表面移動に伴って該像保持体の表面から付着物を除去するものであり、
前記像保持体を駆動して該像保持体の表面を移動させる駆動部と、
前記センサ部に接続されて前記クリーニング部材の歪みを計測する歪み計測部と、
前記歪み計測部による計測結果に基づいて前記駆動部による前記像保持体の駆動を制御する駆動制御部とを備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像形成部が、前記像保持体上に化学製法トナーを含む現像剤で像を形成するものであり、
前記部材本体が、前記像保持体の表面から該化学製法トナーを除去するものであることを特徴とする請求項7又は8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記像形成部が、結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む現像剤で前記像保持体上に像を形成するものであり、
前記部材本体が、前記像保持体の表面からトナーを除去するものであることを特徴とする請求項7から9のうちいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−72552(P2010−72552A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242638(P2008−242638)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】