説明

クリーニング部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】被クリーニング部材に付着した付着物の固着を抑制するクリーニング部材を提供すること。
【解決手段】例えば、芯体122A(シャフト:基材の一例)と、芯体122Aの外周面に配置された弾性層122Bと、で構成されたクリーニング部材122において、弾性層122Bを、JIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度が75N以上175N以下、密度が50kg/m以上80kg/m以下、且つ硬度と密度との比(硬度/密度)が1.5以上3以下であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置において、帯電部材を像保持体に接触させて像保持体の帯電を行う接触帯電方式のものが用いられている。
このような接触帯電方式の帯電部材では、帯電部材が像保持体に常時接触しているため、帯電部材の表面にトナー成分や紙粉等の付着による汚れが発生する。
これに対し、帯電部材の表面に板状のブラシやスポンジを接触させ、帯電部材の表面汚れを掻き落とすクリーニング部材が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、湿式画像形成装置において、密度が30[Kg/m]以上40[Kg/m]以下、かつ、硬度(25%硬さ)が12[Kgf]以上、22[Kgf]以下の発泡ポリウレタンゴムで、くい込む大きさが半径方向のゴム厚みの20%以上、30%以下であるクリーニング部材が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、ポリウレタンフォームで構成され、厚さの表面側30%分の深さまで所定の押し当て面に押し込まれたときに該押し当て面が受ける単位長さ当たりの荷重が2gf/mm以上6gf/mm以下、密度が0.03g/cm以上0.2g/cm以下、接触圧が5N/m以上30N/m以下で、食い込み量が上記ポリウレタンフォーム層の厚みの5%以上40%以下、接触ニップ幅が3mm以上8mm以下のクリーニング部材が提案されている。
【0005】
また、特許文献3には、ポリウレタンフォームの密度が、0.05〜0.30g/cmで、アスカーF硬度が75度以下、アスカーF硬度の最大値と最小値の差が5度以下のクリーニング部材が提案されている。
【0006】
また、特許文献4には、ポリウレタンフォームの密度が0.3〜0.8g/cmで、アスカーC硬度25〜60°であるクリーニング部材が提案されている。
【0007】
また、特許文献5には、硬度が10度〜50度(アスカーC)で、密度5〜15kg/m発泡ポリウレタン製のクリーニング部材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−082537号公報
【特許文献2】特開2009−175698号公報
【特許文献3】特開2000−320536号公報
【特許文献4】特開2001−166561号公報
【特許文献5】特開2007−264298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、被クリーニング部材に付着した付着物の固着を抑制するクリーニング部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材と、
前記基材の外周面に配置される弾性層であって、JIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度が75N以上175N以下、密度が50kg/m以上80kg/m以下、且つ前記硬度と前記密度との比(前記硬度/前記密度)が1.5以上3以下であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成される弾性層と、
を備えるクリーニング部材。
【0011】
請求項2に係る発明は、
被帯電体に接触して帯電するための帯電部材と、
前記帯電部材に接触して配置されるクリーニング部材であって、請求項1に記載のクリーニング部材と、
を備える帯電装置。
【0012】
請求項3に係る発明は、
前記帯電部材に対する前記クリーニング部材の弾性層の食い込み量[mm]と前記弾性層の厚み[mm]との比(食い込み量/厚み)である食い込み率をPとし、前記弾性層のJIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度をH[N]とし、前記弾性層の密度をD[kg/m]としたとき、下記式(1)を満たす請求項2に記載の帯電装置。
式(1):50≦[H×H×P/D]≦150
【0013】
請求項4に係る発明は、
像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項2又は3に記載の帯電装置で構成された帯電手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
【0014】
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項2又は3に記載の帯電装置で構成された帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、弾性層を構成するウレタン発泡体が硬さ及び密度と共に、硬さと密度の比が上記範囲外の場合に比べ、被クリーニング部材に付着した付着物の固着を抑制するクリーニング部材を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、弾性層を構成するウレタン発泡体が硬さ及び密度と共に、硬さと密度の比が上記範囲外のクリーニング部材を適用した場合に比べ、帯電部材に付着した付着物の固着を抑制する帯電装置を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、上記式(1)を満たさない場合に比べ、帯電部材に付着した付着物の固着を抑制する帯電装置を提供できる。
請求項4、5に係る発明によれば、弾性層を構成するウレタン発泡体が硬さ及び密度と共に、硬さと密度の比が上記範囲外のクリーニング部材を適用した場合に比べ、帯電部材に付着した付着物の固着に起因する画像欠陥を抑制するプロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る帯電部材を示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。
【図3】本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図5】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ、説明する。
【0018】
(クリーニング部材)
図1は、本実施形態に係るクリーニング部材を示す概略斜視図である。
図2は、本実施形態に係るクリーニング部材を示す概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。
【0019】
本実施形態に係るクリーニング部材は、図1及び図2に示すように、例えば、被クリーニング部材の表面をクリーニング(清掃)するための部材であり、例えば、ロール状で構成されている。
本実施形態に係るクリーニング部材122は、具体的には、例えば、芯体122A(シャフト:基材の一例)と、芯体122Aの外周面に配置された弾性層122Bと、で構成される。
そして、弾性層122Bは、JIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度が75N以上175N以下、密度が50kg/m以上80kg/m以下、且つ硬度と密度との比(硬度/密度)が1.5以上3以下であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成される。
【0020】
ここで、従来のウレタン発泡体で構成された弾性層を有するクリーニング部材では、被クリーニング部材の表面に付着物が付着した場合、付着物への圧力が強く、そのため、付着物を被クリーニング部材に擦り付けて、固着させてしまうことがある。
【0021】
これに対して、本実施形態に係るクリーニング部材122では、弾性層122Bを構成するウレタン発泡体として、上記硬度、密度、及び硬度と密度との比(硬度/密度)を上記範囲で、連続気泡構造を持つウレタン発泡体を適用することで、被クリーニング部材に付着した付着物の固着が抑制される。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
【0022】
ウレタン発泡体は、連続気泡構造を持たせることで、独立気泡構造に比べ、圧縮されたときに、内部の気泡の体積を自由に減少させ、気泡の圧縮変形による弾性反発力が低減されるものと考えられる。
それに加えて、このような連続気泡構造を持つウレタン発泡体は、硬度及び密度を上記範囲内で、硬度と密度との比を上記範囲に調整することで、発泡体を構成するポリマー自体が適度な柔軟性を持つと考えられる。一方、付着物は一般的にセル壁の厚みより小さな粒子であるため、適度な柔軟性を持つポリマーで構成された発泡体の場合、付着物に対しては発泡体全体の変形というより、セル壁のポリマー自体がミクロに変形することで圧力が分散されると考えられる。
これにより、ウレタン発泡体で構成された弾性層122Bに適度な柔軟性が付与され、クリーニング部材122(その弾性層122B)により、被クリーニング部材の表面に付着した付着物に対して、過剰な圧力が負荷されることを抑制すると考えられる。
【0023】
したがって、本実施形態に係るクリーニング部材122は、被クリーニング部材に付着した付着物の固着が抑制されると考えられる。
また、本実施形態に係るクリーニング部材を帯電部材に接触配置させて、帯電装置を構成することで、当該帯電部材に付着した付着物の固着が抑制される
そして、当該帯電装置を画像形成装置(プロセスカートリッジ)に適用すると、帯電部材への付着物(例えばトナー)の固着が抑制され、これに起因する、つまりこれにより発生する帯電不良による画像欠陥(具体的には例えば筋状の画像欠陥)が抑制された画像が得られる。
特に、画像形成装置(プロセスカートリッジ)において、像保持体のクリーニング不良(例えばクリーニングブレードの欠け)等が生じると、帯電部材に多量のトナーが供給され、付着するため、このような現象が生じた場合にも、上記本実施形態に係るクリーニング部材122を適用することで、帯電部材へのトナーの固着が抑制されることから、有用である。
【0024】
なお、本実施形態に係るクリーニング部材122は、上記構成に限られず、例えば、芯体122Aと弾性層122Bとの間に配設される接着層(プライマー層)等その他中間層を設けた構成であってもよい。
また、本実施形態に係るクリーニング部材122では、ロール状部材について説明するが、これに限られず、無端ベルト状部材であってもよいし、シート状部材であってもよい。
【0025】
以下、本実施形態に係るクリーニング部材122の各部材について説明する。
【0026】
芯体122Aについて説明する。
芯体122Aは、導電性の棒状部材であり、その材質として例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、芯体122Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。芯体122Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
【0027】
弾性層122Bについて説明する。
弾性層122Bは、被クリーニング部材122の表面に接触してクリーニングするための表面層であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成され、JIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度が75N以上175N以下、密度が50kg/m以上80kg/m以下、且つ硬度と密度との比(硬度/密度)が1.5以上3以下である。
【0028】
弾性層122B(ウレタン発泡体)の硬度は、JIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度であって、75N以上175N以下であるが、望ましくは90N以上160N以下であり、望ましくは100N以上150N以下である。
本硬度が小さすぎると、付着物の抑制が不十分であり筋状の画質欠陥が生じることがある。
一方、本硬度が大きすぎると付着物が固着することで筋状の画質欠陥が生じることがある。
【0029】
ここで、本硬度は、JIS K 6400−2(2004年) D法に準じて測定され、具体的には、弾性層122Bの一部を切り出して、50×380×380mmの試験片を得て、得られた試験片の一部に対して、垂直方向に始めの厚さの75%まで押し込んだ後、直ちに荷重を除き、再び始めの厚さの25%まで押し込み、静止後20秒経過した時の荷重を読み取って測定される。
但し、試験片のサイズが小さい場合、本硬度は、試験片の全体を垂直方向に始めの厚さの75%まで押し込んだ後、直ちに荷重を除き、再び始めの厚さの25%まで押し込み、静止後20秒経過した時の荷重を求めて測定する。
なお、本硬度は、JIS K 6400−2(2004年) D法に準じて測定した硬さが既知の試験片より同じサイズの試験片を切り出し、同様に測定した荷重より補正係数を導き、目的とする試験片の測定した荷重にその補正係数をかけることにより求めて測定してもよい。
【0030】
弾性層122B(ウレタン発泡体)の密度は、50kg/m以上80kg/m以下である。
本密度が小さすぎると、付着物の固着が生じ、筋状の画質欠陥を生じることがある。
一方、本密度が大きすぎると付着物の抑制が不十分であり筋状の画質欠陥が生じることがある。
【0031】
ここで、本密度は、重量をその形状より算出した体積で割ることで測定される。
【0032】
弾性層122B(ウレタン発泡体)における硬度と密度との比(硬度/密度)は、1.5以上3以下であるが、望ましくは1.5kg/m以上2.5kg/m以下であり、望ましくは1.7kg/m以上2.3kg/m以下
ることもできる。
本硬度と密度との比が小さすぎると、弾性層122Bの柔軟性が高まり過ぎて、被クリーニング部材の表面に付着した付着物をクリーニングし難くなることがある。
一方、本硬度と密度との比が大きすぎると、弾性層122Bに柔軟性が付与されず、被クリーニング部材の表面に付着した付着物の固着が生じることがある。
【0033】
ここで、弾性層122B(ウレタン発泡体)の硬度の制御は、例えば、イソシアネート、ポリオール等の原材料の種類、重量比、及び、発泡倍率などにより行う。
一方、弾性層122B(ウレタン発泡体)の密度の制御は、例えば、発泡倍率により行う。
【0034】
弾性層122B(ウレタン発泡体)が持つ連続気泡構造は、JISK6400−7:2004(軟質発泡剤料―物理特性の求め方―第7部:通気性)に準拠したA法通気性試験装置を用いた試験方法おいて通気量が0dm/sを超えるものであり、発泡ゴム層14A中の気泡が互いに繋がっている状態の構造である。
なお、独立気泡とは、前記測定方法、通気量が0dm/sであり、気泡がそれぞれ独立指定存在することによることを示している。
【0035】
以下、上記特性の弾性層122Bを構成するウレタン発泡体について、詳細に説明する。
【0036】
ウレタン発泡体は、例えば、少なくとも、ポリオールとイソシアネートとの反応物の発泡体が挙げられ、具体的には、例えば、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタンの発泡体が挙げられる。
ここで、ウレタン発泡体は、例えば、少なくとも、ポリオール及びイソシアネートと共に、鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど)を反応させた反応物であってもよい。
【0037】
ポリエーテル系ポリウレタンは、例えば、少なくとも、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応物である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレンポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレンアジペートグリコール(PEAG)、ポリブチレンアジペートグリコール(PBAG)、ポリブチレンアゼラエートグリコール(PBAZG)、ポリカプロラクトングリコール(PCLG)が挙げられる。
なお、ポリエーテルポリオールは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
【0038】
ポリエステル系ポリウレタンは、例えば、少なくとも、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応物である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とヒドロキシル化合物を脱水縮合して得られる主要なアジペート系ポリオール、縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。
アジペート系ポリオールとしては、例えば、エチレングリコールアジペート、ジエチレングリコールアジペート、ブチレングリコールアジペート、トリメチロールプロパン/ジエチレングリコールアジペートなどが挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸,グルタル酸,コハク酸,セバシン酸,ピメリン酸,スベリン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;プロピレングリコール;ネオペンチルグリコールなどのジオールやトリメチロールエタン,トリメチロールプロパンなどのトリオールと、の縮合により得られるものが挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、例えば、アルキレン基(例えばヘキシレン基)やキシリレン基等がカーボネート結合を介して主鎖に並ぶ構造を有するポリカーボネートジオールなどのポリカーボネート系ポリオールも挙げられる。
なお、ポリエステルポリオールは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
【0039】
また、イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトシイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等を用いることができる。
なお、イソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
【0040】
ウレタン発泡体において、ポリオールの使用量としては、例えば、弾性層122Bを構成するウレタン発泡体の固形分全質量に対し、68質量%以上80質量%以下であることがよく、望ましくは70質量%以上78質量%以下である。
一方、イソシアネートの使用量としては、例えば、弾性層122Bを構成するウレタン発泡体の固形分全質量に対し、16質量%以上28質量%以下であることがよく、望ましくは18質量%以上26質量%以下である。
【0041】
ウレタン発泡体には、必要に応じて、発泡剤、整泡剤、触媒、硬化剤、架橋剤、難燃剤、劣化防止剤、可塑剤、整泡剤、導電剤などのその他添加剤を用いてもよい。
【0042】
弾性層122Bの厚みは、平均膜厚で1mm以上10mm以下程度とすることが望ましく、2mm以上5mm以下程度とすることがより望ましい。
【0043】
以下、本実施形態に係るクリーニング部材122の製造方法について説明する。
【0044】
次に、クリーニング部材122の製造方法について説明する。
本実施形態に係るクリーニング部材122は、例えば、
1)スラブ成形法により発泡させたポリウレタン発泡体に対して、貫通穴を形成し、当該貫通穴に芯体122Aを挿入して接着した後、ポリウレタン発泡体を切削加工を施して、弾性層122Bを形成する方法。
2)芯体122Aを配置した金型に、原料を注入し、硬化反応・発泡させて弾性層122Bを形成する方法
が挙げられる。
【0045】
(帯電装置)
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。図3は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。本実施形態に係る帯電装置は、クリーニング部材として、上記本実施形態に係るクリーニング部材を適用した形態である。
【0046】
本実施形態に係る帯電装置12は、図3に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触している配置されている。そして、帯電部材121の芯体121A及びクリーニング部材122の芯体122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように軸受け123(ベアリング)で保持されている。
【0047】
まず、帯電部材121について説明する。
帯電部材121は、例えば、芯体121A(シャフト:基材の一例)と、芯体121Aの外周面に配設された弾性層121Bと、弾性層121Bの外周面に配設された表面層122Cと、を持つロール状で構成されている。
【0048】
帯電部材121は、上記構成に限られず、例えば、弾性層121Bと芯体121Aとの間に配設される接着層(プライマー層)、弾性層121Bと表面層122Cとの間に配設される抵抗調整層又は移行防止層、表面層122Cの外側(最表面)に配設される保護層を設けた構成、表面層122Cを設けない構成であってもよい。
また、帯電部材121は、ロール状部材について説明するが、これに限られず、無端ベルト状部材であってもよいし、シート状部材であってもよい。
【0049】
まず、芯体121Aについて説明する。
芯体121Aは、導電性の棒状部材であり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、芯体121Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。芯体121Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
【0050】
弾性層121Bについて説明する。
弾性層121Bは、例えば、弾性材料と、導電剤と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成される。
なお、弾性層121Bは、弾性材料に代えて、樹脂材料(例えば表面層122Cで用いる樹脂)を適用した樹脂層であってもよい。
【0051】
弾性材料としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBR及びこれらのブレンドゴムが望ましく用いられる。これらの弾性材料は、発泡したものであっても無発泡のものであってもよい
【0052】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
導電剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが望ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲であることがより望ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより望ましい。
【0054】
弾性層121Bに配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)等の通常弾性層に添加され得る材料が挙げられる。
【0055】
弾性層121Bの厚みは、1mm以上10mm以下程度とすることが望ましく、2mm以上5mm以下程度とすることがより望ましい。
そして、弾性層121Bの体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下が望ましい。
【0056】
表面層122Cについて説明する。
表面層122Cは、樹脂と、必要に応じて、導電剤やその他添加剤と、を含んで構成される。
【0057】
樹脂としては、アクリル樹脂,セルロース樹脂,ポリアミド樹脂,共重合ナイロン,ポリウレタン樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリビニル樹脂,ポリアリレート樹脂,スチレンブタジエン樹脂,メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等)、尿素樹脂等が挙げられる。ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。
また、樹脂としては、上記弾性層121Bに配合される弾性材料を適用してもよい。
【0058】
表面層122Cに配合される導電剤としては、上記弾性層121Bに配合される導電剤が挙げられる。
また、その他添加剤としては、例えば、導電剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の通常表面層に添加され得る材料が挙げられる。
【0059】
表面層122Cの厚み(全体厚み)は、7μm以上25μm以下が望ましい。
そして、表面層122Cの体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下が望ましい。
【0060】
次に、軸受け123について説明する。
軸受け123は、帯電部材121とクリーニング部材122とを一体で回転自在に保持すると共に、当該部材同士の軸間距離を保持する部材である。導電性軸受け123は、導電性を有する材料で製造されていればいかなる材料及び形態でもよく、例えば、ベアリングや滑り軸受けなどが適用される。
【0061】
ここで、軸受け123は、クリーニング部材122の弾性層122Bが導電性を有する場合、導電性を有してもよく、本形態の場合、導電性の軸受け123に電圧が印加されることで、帯電部材121とクリーニング部材122とが同極性に帯電させる。これにより、像保持体表面の異物(例えばトナーや外添剤)をクリーニング部材122及び帯電部材121表面に蓄積させるが抑制され、像保持体に移行でき、像保持体のクリーニング装置で異物が回収される。そのため、長期にわたり帯電部材121とクリーニング部材122とに汚れが蓄積することが抑制され、帯電性能が維持され易くなる。
【0062】
本実施形態に係る帯電装置12において、帯電部材121に対するクリーニング部材122の弾性層122Bの食い込み量[mm]と弾性層122Bの厚み[mm]との比(食い込み量/厚み)である食い込み率をPとし、弾性層122BのJIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度をH[N]とし、弾性層122Bの密度をD[kg/m]としたとき、下記式(1)(望ましくは下記式(1−1)、より望ましくは下記式(1−2))を満たすように、帯電部材121に対してクリーニング部材122を配置することがよい。
【0063】
式(1) :50≦[H×H×P/D]≦150
式(1−1):70≦[H×H×P/D]≦130
式(1−2):80≦[H×H×P/D]≦120
【0064】
ここで、上記式(1)における[H×H×P/D]は、ミクロな押圧を意味し、これが上記範囲にあることは付着物を除去する能力があり、且つ、付着物の固着が生じ難いことを意味する。
このため、上記式(1)を満たすように、帯電部材121に対してクリーニング部材122を配置することで、帯電部材121に付着した付着物の固着を抑制し易くなる。
【0065】
ここで、帯電部材121に対するクリーニング部材122の弾性層122Bの食い込み量Qは、帯電部材121に対して、クリーニング部材122の配置前の弾性層122Bの厚みと配置後の圧縮変形した状態の弾性層122Bの厚みと、の差で定義されるものである。
【0066】
(画像形成装置、プロセスカートリッジ)
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える。そして、帯電手段(帯電装置)として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
【0067】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば上記構成の画像形成装置に脱着され、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、を備える。そして、帯電手段として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段及び転写後の像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
【0068】
次に、本実施形態に係る画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて図面を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図5は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【0069】
本実施形態に係る画像形成装置101は、図4に示すように、像保持体10を備え、その周囲に、像保持体10を帯電する帯電装置12と、帯電装置12により帯電された像保持体10を露光して潜像を形成する露光装置14と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、現像装置16により形成したトナー像を記録媒体Aに転写する転写装置18と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を備える。また、転写装置18により記録媒体Aに転写されたトナー像を定着する定着装置22を備える。
【0070】
そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、帯電装置12として、例えば、帯電部材121と、帯電部材121に接触配置されたクリーニング部材122と、帯電部材121及びクリーニング部材122の軸方向両端を各部材が回転自在となるように保持する導電性軸受け123(導電性ベアリング)と、導電性軸受け123の一方に接続された電源(不図示)と、が配設された、上記本実施形態に係る帯電装置が適用されている。
ここで、本実施形態においては、例えば、像保持体10側を回転駆動させ、その回転により帯電部材121を回転させ、帯電部材121の回転に従動させてクリーニング部材を回転させることができるが、帯電部材121またはクリーニング部材122が回転のための駆動手段(不図示)と接続されていてもよい。
【0071】
一方、本実施形態の画像形成装置101は、帯電装置12(帯電部材121)以外の構成については、従来から電子写真方式の画像形成装置の各構成として公知の構成が適用される。以下、各構成の一例につき説明する。
【0072】
像保持体10は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、いわゆる機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。また、像保持体10は、その表面層が電荷輸送性を有し架橋構造を有するシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂で構成された感光体も好適に適用される。
【0073】
露光装置14としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が適用される。
【0074】
現像装置16は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体10に接触若しくは近接させて、像保持体10の表面の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置である。現像装置16の現像方式は、既知の方式として二成分現像剤による現像方式が好適に適用される。この二成分現像剤による現像方式には、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。
【0075】
転写装置18としては、例えば、コロトロン、スコロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Aを介して導電性の転写ロールを像保持体10に接触させ記録媒体Aにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
【0076】
クリーニング装置20は、例えば、クリーニングブレードを像保持体10の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。クリーニング装置20としては、クリーニングブレード以外にクリーニングブラシ、クリーニングロール等を適用してもよい。
【0077】
定着装置22としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好適に適用される。加熱定着装置は、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し特定の接触圧で接触して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラ又は加圧ベルトと、で構成される。未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ローラと加圧ローラ又は加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Aを挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
【0078】
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
【0079】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、図5に示すように、上記図4に示す画像形成装置において、露光のための開口部24A、除電露光のための開口部24B及び取り付けレール24Cが備えられた筐体24により、像保持体10と、像保持体を帯電する帯電装置12と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を一体的に組み合わせて保持して構成したプロセスカートリッジ102である。そして、プロセスカートリッジ102は、上記図4に示す画像形成装置101に脱着自在に装着されている。
【0080】
また、本実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置12として、帯電部材121とクリーニング部材122とのユニットで構成した形態を説明したが、つまり、被クリーニング部材として帯電部材121を採用した形態を説明したが、これに限られず、被クリーニング部材としては、感光体(像保持体)、転写装置(転写部材;転写ロール)、中間転写体(中間転写ベルト)が挙げられる。そして、これら被クリーニング部材とこれに接触して配置されるクリーニング部材122とのユニットを、画像形成装置に直接配置してもよいし、上記同様にプロセスカートリッジのようにカートリッジ化して画像形成装置に配置してもよい。
【実施例】
【0081】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
【0082】
(クリーニングロールの作製)
−クリーニングロール(1)の作製−
ポリエーテルポリオールA(商品名:アクトコールP23、三井化学ポリウレタン製:分子量3000、2官能ポリプロピレングリコール)20質量部、ポリエーテルポリオールB(商品名:アクトコールP31、三井化学ポリウレタン製:分子量3000、3官能ポリプロピレングリコール)80質量部、整泡剤(商品名:SRX294−A、東レ・ダウコーニング社製)1質量部、触媒(商品名:カオライザーNo31、花王株式会社製)0.5質量部、及び発泡剤(水)6質量部を混合し、さらに、イソシアネート(商品名:コスモネートT−80、三井化学ポリウレタン製:トリレンジイソシアネート(以下「TDI」という場合がある))66.2質量部を混合し発泡させた。さらに、この発泡体を80℃にて1時間加熱し、常温にて放置、冷却してウレタンフォーム(ウレタン発泡体)を作製した。
【0083】
このウレタンフォーム(ウレタン発泡体)を、15mm×15mm×350mmの大きさに切断して、中心に貫通穴をあけ、接着剤を塗布した芯体(外径:6mm、芯体長さ:337mm:但し、芯体の軸方向両端部の軸受け部の外径φ4、長さ6mm)を挿入、接着してから、外径研磨し、弾性層の軸方向長さ320mm,外径φ10mmのクリーニングロール(1)を得た。
【0084】
−クリーニングロール(2)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに40質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに60質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに65.6質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(2)を作製した。
【0085】
−クリーニングロール(3)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに0質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに100質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに66.8質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(3)を作製した。
【0086】
−クリーニングロール(4)の作製−
発泡剤(水)、6質量部の代わりに8質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(4)を作製した。
【0087】
−クリーニングロール(5)の作製−
イソシアネート、66.2質量部の代わりに51.5質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに4質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(5)を作製した。
【0088】
−クリーニングロール(6)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに0質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに100質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに73.5質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(6)を作製した。
【0089】
−クリーニングロール(7)の作製−
ウレタンフォーム(ウレタン発泡体)として「イノアック社製、RSM55」を使用した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(7)を作製した。
【0090】
−クリーニングロール(8)の作製−
ウレタンフォーム(ウレタン発泡体)として「イノアック社製、RR−26」を使用した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(8)を作製した。
【0091】
−クリーニングロール(9)の作製−
ウレタンフォーム(ウレタン発泡体)として「イノアック社製、EP−70」を使用した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(9)を作製した。

−クリーニングロール(10)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに30質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに70質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに94.9質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに9質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(10)を作製した。
【0092】
−クリーニングロール(11)の作製−
イソシアネート、66.2質量部の代わりに40.9質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに3質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(11)を作製した。
【0093】
−クリーニングロール(12)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに30質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに70質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに40.6質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに3質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(12)を作製した。
【0094】
−クリーニングロール(13)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに50質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに50質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに65.3質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(13)を作製した。
【0095】
−クリーニングロール(14)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに0質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに100質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに80.1質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(14)を作製した。
【0096】
−クリーニングロール(15)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに0質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに100質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに56.9質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに4質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(15)を作製した。
【0097】
−クリーニングロール(16)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに40質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに60質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに50.9質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに4質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(16)を作製した。
【0098】
−クリーニングロール(17)の作製−
ポリエーテルポリオールA、20質量部の代わりに50質量部、ポリエーテルポリオールB、80質量部の代わりに50質量部、イソシアネート、66.2質量部の代わりに46.6質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに4質量部を配合した以外はクリーニングロール(1)と同様にしてクリーニングロール(17)を作製した。
【0099】
−クリーニングロール(18)の作製−
ポリエーテルポリオールA(商品名:アクトコールP23、三井化学ポリウレタン製:分子量3000、2官能ポリプロピレングリコール)40質量部、ポリエーテルポリオールB(商品名:アクトコールP31、三井化学ポリウレタン製:分子量3000、3官能ポリプロピレングリコール)60質量部、整泡剤(商品名:SRX294−A、東レ・ダウコーニング社製)1質量部、触媒(商品名:カオライザーNo31、花王株式会社製)0.5質量部、及び発泡剤(水)6質量部を混合し、さらに、イソシアネート(商品名:コスモネートPH、三井化学ポリウレタン製:4.4’ジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」))99.0質量部を混合し発泡させた。さらに、この発泡体を80℃にて1時間加熱し、常温にて放置、冷却してウレタンフォーム(ウレタン発泡体)を作製した。
【0100】
−クリーニングロール(19)の作製−
ポリエーテルポリオールA、40質量部の代わりに20質量部、ポリエーテルポリオールB、60質量部の代わりに80質量部、イソシアネート、99.0質量部の代わりに99.9質量部を配合した以外はクリーニングロール(18)と同様にしてクリーニングロール(19)を作製した。
【0101】
−クリーニングロール(20)の作製−
ポリエーテルポリオールA、40質量部の代わりに30質量部、ポリエーテルポリオールB、60質量部の代わりに70質量部、イソシアネート、99.0質量部の代わりに128.6質量部、発泡剤(水)、6質量部の代わりに8質量部を配合した以外はクリーニングロール(18)と同様にしてクリーニングロール(20)を作製した。
【0102】
ここで、得られた各クリーニングロールの特性を表1に示す。
【0103】
(実施例1)
クリーニングロール(1)を、富士ゼロックス製のDocuCentre−IV C5570改造機に搭載した。このときの、帯電ロールへの食い込み率Pは0.35とした。
なお、改造の内容は帯電ロールとクリーニングロールの保持部材を変更し帯電ロールとクリーニングロールとの食い込み率を変えたことと、感光体のクリーニングブレードの先端(感光体と接触する先端部)に傷を付けたことである。クリーニングブレードの傷は、本来、クリーニングブレードにより堰き止められて除去される転写後の感光体に残留するトナーを意図的にすり抜けさせ、帯電ロールへトナーが多量に付着する状況を作り出すために設けている。
【0104】
そして、低温低湿(15℃、10%RH)条件下にて、20000枚のプリントテスト(出力画像:画像比率5%、用紙:A4サイズ短手送り 富士ゼロックス製P紙のプリントテスト)を実施した。
20000枚のプリントテスト後に出力した画像について、筋状の画像欠陥について評価した。ここで、筋状の画像欠陥は、クリーニングブレードの先端部に傷を付けていない領域における正常部と、傷を付けた傷付部と、に分けて、それぞれ評価した。
また、評価後の感光体表面(正常部・傷付部に相当するそれぞれの表面)に対してトナーの固着が発生しているかにつき観察した。
結果を表2に示す。
【0105】
また、クリーニングロール(1)を搭載した同様の食い込み率のプロセスカートリッジを40℃、90%にて3日間の保管試験を実施し、このプロセスカートリッジを富士ゼロックス製のDocuCentre−IV C5570改造機に搭載して、上記同様にして、正常部での筋状の画質欠陥につき、同様に評価した。結果を表2に示す。
【0106】
なお、筋状の画質欠陥の評価基準は、以下の通りである。
◎:筋状の画質上欠陥が見られなかったもの(感光体表面のトナーの固着が見られなかったもの)
○:筋状の画質上欠陥はあったものの軽微であったもの(感光体表面のトナーの固着が見られたものの軽微であったもの)
△:筋状の画質上の欠陥があり○よりは悪かったが許容範囲であったもの(感光体表面のトナーの固着が見られ○よりは多かったが許容範囲であったもの)
×:筋状の画質上の欠陥があり許容範囲を超えたものである(感光体表面のトナーの固着が見られ許容範囲を超えたもの)
【0107】
(実施例2〜14、比較例1〜11)
クリーニングロールと食い込み率を、表2〜表3のように変えた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2〜表3に示す。
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】

【0110】
【表3】

【0111】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、正常部及び傷付部での筋状画質欠陥の双方の評価につき、良好な結果が得られたことがわかる。
特に、本実施例では、比較例に比べ、傷付部での筋状画質欠陥の評価につき、良好な結果が得られたことがわかる。
また、本実施例のうち、[H×H×P/D]値が低い実施例2は、他の実施例に比べ、正常部の筋状画質欠陥が悪化する傾向にあり、[H×H×P/D]値が高い実施例9、11は、他の実施例に比べ、傷付部の筋状画質欠陥、保管試験後の筋状画質欠陥が悪化する傾向にあることもわかる。
【符号の説明】
【0112】
10 像保持体、12 帯電装置、14 露光装置、16 現像装置、18 転写装置、20 クリーニング装置、22 定着装置、24 筐体、24A 開口部、24B 開口部、24C 取り付けレール、101 画像形成装置、102 プロセスカートリッジ、121 帯電部材、121A 芯体、121B 弾性層、121C表面層、122 クリーニング部材、122A芯体、122B 弾性層、123 軸受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の外周面に配置される弾性層であって、JIS K 6400−2に準拠した硬度が75N以上175N以下、密度が50kg/m以上80kg/m以下、且つ前記硬度と前記密度との比(前記硬度/前記密度)が1.5以上3以下であり、連続気泡構造を持つウレタン発泡体で構成される弾性層と、
を備えるクリーニング部材。
【請求項2】
被帯電体に接触して帯電するための帯電部材と、
前記帯電部材に接触して配置されるクリーニング部材であって、請求項1に記載のクリーニング部材と、
を備える帯電装置。
【請求項3】
前記帯電部材に対する前記クリーニング部材の弾性層の食い込み量[mm]と前記弾性層の厚み[mm]との比(食い込み量/厚み)である食い込み率をPとし、前記弾性層のJIS K 6400−2(2004年) D法に準拠した硬度をH[N]とし、前記弾性層の密度をD[kg/m]としたとき、下記式(1)を満たす請求項2に記載の帯電装置。
式(1):50≦[H×H×P/D]≦150
【請求項4】
像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項2又は3に記載の帯電装置で構成された帯電手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項2又は3に記載の帯電装置で構成された帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−173359(P2012−173359A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32532(P2011−32532)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】