説明

クレジットカードの決済用端末装置、決済システム及び決済方法

【課題】 小口決済に特化したオフライン専用のクレジットカードによる支払いの決済に対応した、決済システムを提供する。
【解決手段】 小口決済に特化したオフライン専用のクレジットカードを発行する。クレジットカードには利用限度額と未請求の利用残高が記憶されていて、利用者が端末でクレジットカードを使用すると、店舗に設置された専用端末でこれらの情報を読み取って売上承認を実施する。売上情報は決済センターで管理され、所定のタイミングでカード会社に送信されて、カード会社から利用者に請求が行われる。利用限度額は利用者が保有する他のクレジットカードの与信枠を活用して、増額分の与信照会をカード会社システムに行うことによって、増額可能となった金額がクレジットカードに書き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小口決済に特化したクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置、決済システム及び決済方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
店舗で商品を購入する際の購入代金の決済手段として、クレジットカードが広く利用されている。クレジットカードによって決済を行う場合には、カード利用者に代わってクレジットカードを発行するカード会社が店舗に対する代金の支払いを行い、カード会社は所定の期間中(通常は1ヶ月)のカードの利用代金をまとめてカード利用者に対して請求する。カード会社には店舗への利用代金の支払債務が発生するため、カード利用者に対してはどれだけの信用を与えるかの与信審査が行われる。
【0003】
具体的には、カード会社はクレジットカード発行の希望者について信用力の審査を行い、クレジットカードの発行が可能と判断すると、信用力に応じて与信の限度となる利用限度額が設定される。カード利用者が加盟店においてクレジットカードを用いて代金の支払いを行いたい場合は、原則として利用限度額の範囲内であれば、決済を行うことができることになる。
【0004】
加盟店でクレジットカードを利用して支払いを行う際には、利用限度額を超過していないかなどをチェックして、カード会社が売上承認を行うオーソリゼーション(オーソリ)と呼ばれる処理が、次のように行われる。加盟店に設置されたCAT端末等を用いてクレジットカードから読み取ったカード番号等をカード会社システムに送信し、カード会社システムでは当該クレジットカードが有効か否か、事故の発生したクレジットカードのリストに該当しないか、利用限度額を超過しないか、などの照会を行い、照会結果をCAT端末等に返信する。尚、これらの項目のチェックのみでなく、不正取得者による利用を検知するために、カード利用者の利用パターンや不正利用時の一般的なパターンとの照合も行われている。
【0005】
このようなオーソリの処理には、カード会社のコンピュータシステムとの交信が必要になるため、カード会社システム側の処理状況や通信状況などによっては、ある程度待ち時間を要してしまうことが少なくない。加盟店の業種によっては、支払いの間に待ち時間が発生しても左程問題にはなりにくいが、例えば食料品や日用品などのように小口の決済が多数発生して支払窓口が混み合いやすい店舗においては、オーソリにかかる時間の制約からクレジットカードの取扱いが困難となるケースが少なくない。一方で、これらの支払窓口においては、現金で支払いを受ける場合にも、現金の受取りや勘定、釣銭の引渡しなどに時間を要することが混雑の要因となりやすいため、現金以外の決済手段を用いることが好ましいと考えられている。
【0006】
現金以外のクレジットカードに代わる決済手段としては、例えばデビットカードを利用することが考えられる。デビットカードは、銀行預金の出金用のキャッシュカードを用いて支払代金を預金口座から引落すものであるが、カードの有効無効の確認や預金口座の残高照会のために銀行のホストコンピュータとの交信が必要になるため、クレジットカードのオーソリと同様に通信時間の問題が避けられない。
【0007】
その他の手段としては、プリペイドカードや電子マネーの利用が考えられる。これらの手段はオフラインでの決済となるため、窓口で支払いに要する時間を短縮することが可能になるが、利用者にとっては予めプリペイドカードを購入したり電子マネーを充填したりする手間が発生することになる。また、利用者にとって、クレジットカードが後払いであるのに対して、プリペイドカードや電子マネーは事実上前払いになるため、クレジットカードに比べると利用者側に負担をかける決済手段ということになってしまう。
【0008】
このような問題に対応して、クレジットカードを利用した速やかな決済方法を提供するために、クレジットカードに一定のオフライン決済枠を記憶させておくことによって、オーソリのためのオンライン決済にかかる時間を短縮することが考えられる。例えば、クレジットカードに設定された与信枠を予め複数のカードに分割して記憶させておく発明(特許文献1参照。)や、オンライン決済においてオーソリに一定の時間以上を要した場合に、予めカードに記憶させて置いたオフライン用の与信枠において決済を行う発明(特許文献2参照。)が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平8−221662号公報
【特許文献2】特開2004−362332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の発明を実施すれば、クレジットカードの利点を活かしながらオーソリにかかる時間を短縮することが可能になるが、迅速な決済や利用者の負担軽減といった課題を考えると、いくつかの問題を解消することができない。
【0011】
前記特許文献1記載の発明については、カード利用者は予めプレ与信カードに与信枠を設定しておかなければならないため、与信枠がゼロになる度に新たな与信枠を書き込むための手間が生じることになる。また、プレ与信カードに設定した与信枠はクレジットカードの与信枠から減じられるため、書き込みの手間を軽減するために多めにプレ与信カードの与信枠を設定しておくとすると、クレジットカードの与信枠が未利用であるにも関わらず減少してしまうという問題が生じてしまう。この点を考えると、この発明はクレジットカードを用いてプリペイドカードを購入したり、電子マネーの残高を充填したりすることとほぼ同様の仕組みとして捉えられ、プリペイドカードや電子マネーと同様の問題が生じることは避けられないものと考えられる。
【0012】
前記特許文献2記載の発明については、カード側にオフライン用の与信枠を持ってはいるものの、クレジットカードの利用時にはオンラインでオーソリの要求を行うことが前提になっている。オーソリの要求から所定の時間を経過してしまった場合に、初めて予備的な手段としてオフラインの与信枠が使われることになるため、カード会社システムとの交信が行われることに違いはない。従って、オーソリにかかる時間を所定の時間内に止めることはできるものの、完全にオフラインの処理が実現されるわけではないため、短縮できる時間には限界がある。
【0013】
また、前記特許文献2記載の発明において、オフライン用の与信枠は予め固定されたものであるため、オフラインの与信枠を超えた場合にはエラー処理となるか、又はデビット決済などの他の方法によって不足分を決済することが必要になるとされている。先に例示した食料品などの小口決済においては、少額の使用が順次積み重なって与信枠に届くことが想定されるが、与信枠は初めから固定されたものではなく、使用の状況に応じて随時増枠されるものであることが好ましい。
【0014】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、特に小口の支払いの決済に特化したオフライン専用のクレジットカードを用いて、かかるクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置、決済システム及び決済方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願にかかる課題を解決する決済用端末装置に関する第1の発明は、小口決済に特化したクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置であって、前記クレジットカードには前記クレジットカードの利用者について設定された利用限度額と未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記記憶媒体から、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、前記クレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する判定手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする決済用端末装置である。
【0016】
前記決済用端末装置に関する第1の発明は、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、を備えていて、前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記更新手段は、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新することを特徴とすることもできる。
【0017】
前記決済用端末装置に関する第1の発明は、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、前記記憶媒体には、前記クレジットカードの識別番号が記憶されていて、前記読取手段は、前記記憶媒体から前記識別番号を読み取り、前記判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用限度額に前記加算金額を加算した金額から前記利用残高を減じて算出した利用可能額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、前記更新手段は、前記判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新することを特徴とすることもできる。
【0018】
第1の発明においては、小口決済専用のクレジットカードを発行し、カード媒体にはICチップ等の記憶媒体に利用限度額と未請求の利用残高を記憶させておくことによって、加盟店の店頭等に設置された決済用端末装置においてオフラインでの決済を可能にする。
【0019】
記憶媒体に設定された利用限度額について柔軟な増額を可能にするために、第1の態様においては、利用限度額に対して残存している利用可能額が所定の基準額を下回った場合に、オンラインで同一の利用者が保有する他のクレジットカードの与信照会を行って、承認された金額を増額した新たな利用限度額を記憶媒体に書き込むこととしている。尚、増額される金額は、他のクレジットカードの与信枠を必要以上に使用しないためには小刻みに設定することが好ましいが、オンライン決済に要する時間も考慮した上で適切な金額を設定することになる。
【0020】
同じく利用限度額について柔軟な増額を可能にするための第2の態様においては、利用限度額に対して残存している利用可能額が所定の基準額を下回った場合に、一旦その際の利用承認を行って決済を済ませた後で、同一の利用者が保有する他のクレジットカードの与信照会を行っておく。与信照会の結果によって、当初設定された枠からの増額が承認されなかった利用者については、増額不可リストとして決済用端末装置に登録しておくことにより、基準額を超過した後の次回の利用を受け付けた際に、増額不可リストに該当しない利用者については、承認された金額を増額した新たな利用限度額を記憶媒体に書き込むこととしている。逆に、増額不可リストに該当する利用者については、当初設定された利用限度額を超えてクレジットカードを利用することはできない。この態様によると、支払代金の決済時にはオンラインの与信照会を行わないため、支払時におけるオンラインでの照会を一切排除することが可能になる。
【0021】
尚、第2の態様においては、与信照会によって増額が承認された利用者についての増額可能リストを登録することとした場合にも、同様の効果を発揮することができる。但し、クレジットカードにおける与信等のチェックは、与信を承認できないケースを登録してネガティブチェックを行うことが一般的なので、システム上の整合性を考慮すると増額不可リストを用いることが好ましい。
【0022】
本願にかかる課題を解決する決済用端末装置に関する第2の発明は、小口決済に特化したクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置であって、前記クレジットカードには前記クレジットカードの利用者について設定された利用限度額から未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記記憶媒体から、前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、前記クレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する判定手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする決済用端末装置である。
【0023】
前記決済用端末装置にかかる第2の発明は、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、を備えていて、前記更新手段は、さらに前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新することを特徴とすることもできる。
【0024】
前記決済用端末装置に関する第2の発明は、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、前記記憶媒体には、前記クレジットカードの識別番号が記憶されていて、前記読取手段は、前記記憶媒体から前記識別番号を読み取り、前記判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用可能額に前記加算金額を加算した金額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、前記更新手段は、前記判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新することを特徴とすることもできる。
【0025】
第2の発明においても、第1の発明と同様に小口決済専用のクレジットカードを発行するが、カード媒体にはICチップ等の記憶媒体に利用限度額と未請求の利用残高から算出された利用可能額を記憶させておくことによって、加盟店の店頭等に設置された決済用端末装置においてオフラインでの決済を可能にしている。尚、記憶媒体に設定された利用可能額について柔軟な増額を可能にするために2つの態様を取り得ることについては、第1の発明の場合と同様である。
【0026】
これらの決済用端末装置に関する発明は、かかる決済用端末装置を用いた決済システムとして構成することもできる。
【0027】
つまり、本願にかかる課題を解決する決済システムに関する第1の発明は、小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、前記記憶媒体から、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する第1の更新手段と、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新するする第2の更新手段と、を備えていて、前記カード管理システムは、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、を備えることを特徴とする決済システムである。
【0028】
本願にかかる課題を解決する決済システムに関する第2の発明は、小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、前記記憶媒体から、前記識別番号、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する第1の更新手段と、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えており、前記第1の判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用限度額に前記加算金額を加算した金額から前記利用残高を減じて算出した利用可能額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、前記第1の判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新する第2の更新手段を備えていて、前記カード管理システムは、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、を備えることを特徴とする決済システムである。
【0029】
本願にかかる課題を解決する決済システムに関する第3の発明は、小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額から未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、前記記憶媒体から、前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新し、さらに前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、を備えていて、前記カード管理システムは、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、を備えることを特徴とする決済システムである。
【0030】
本願にかかる課題を解決する決済システムに関する第4の発明は、小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、前記記憶媒体から、前記識別番号及び前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、前記第1の判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用可能額に前記加算金額を加算した金額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、前記更新手段は、前記第1の判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新することを特徴とし、前記カード管理システムは、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、を備えることを特徴とする決済システムである。
【0031】
さらに、これらの決済用端末装置に関する発明、及び決済システムに関する発明は、それぞれの決済用端末装置、及び決済システムを用いた決済方法として把握することもできる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によって、小口決済専用のクレジットカードを発行し、カード媒体の内部に利用限度額の超過を判定するために必要な情報を持たせることによって、クレジットカードでありながら、オフラインでの迅速な決済処理が可能になる。その結果、食料品や日用品などの小口決済で支払窓口が混雑しがちな店舗において、利用者の利便性にも配慮しながら、スムーズな支払いによって混雑を緩和することが可能になる。
【0033】
かかる小口決済専用のクレジットカードは、例えば食品スーパーやコンビニエンスストアなどの店舗チェーンが専用カードを発行することによって、顧客サービスの向上を図るとともに、顧客の囲い込みや店舗での購入促進を促すことも期待できる。クレジットカード会社にとっては、これらの店舗との提携カードの発行など、カード発行の機会増大に効果的と考えられる。
【0034】
さらに派生的な効果として、店舗においてはキャッシュレスの支払いを促すことによって、盗難等の現金リスクを軽減することが期待できる。また、小口決済専用と目的を限定することによって利用限度額を通常のクレジットカードより低く設定することができるので、クレジットカード発行時の与信審査を簡素化、場合によっては審査なしでの発行も可能になると考えられ、与信審査を担当するクレジットカード会社の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、利用限度額の増額をクレジットカードの利用時とは別に行い、増額不可リストを登録する実施例を中心に説明するが、かかる実施例は本発明の実施形態の一例であって、本発明はかかる実施例や以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0036】
図1、図2は、本発明にかかる決済システムにより実施される小口決済に特化したクレジットカードの事業スキームを示すそれぞれ第1、第2の図である。図3は、本発明にかかる決済システムの概要を示す図である。図4は、本発明にかかる決済システムの構成を示すブロック図である。図5は、本発明にかかる決済用端末装置において、売上承認を行うフローを示す第1のフローチャートである。図6は、本発明にかかる決済用端末装置の第1の実施形態において、売上承認を行うフローを示すフローチャートである。図7は、本発明にかかる決済用端末装置の第1の実施形態において、利用限度額の増額を行うフローを示すフローチャートである。図8、図9は、本発明にかかる決済用端末装置の第2の実施形態において、売上承認を行うフローを示すそれぞれ第1、第2のフローチャートである。図10は、本発明にかかる決済用端末装置の第2の実施形態において、決済センターシステムで利用限度額の増額判定を行うフローを示すフローチャートである。
【0037】
まず、図1を用いて、本発明にかかる決済システムにより実施される小口決済に特化したクレジットカードについて、事業スキームの概要とクレジットカード利用時の基本的なフローについて説明する。クレジットカードを発行するカード会社は、例えば食品スーパーやコンビニエンスストアなどの店舗チェーンの顧客を対象に、日常的に発生する小口の支払いのみに特化したクレジットカードを発行する。このクレジットカードは当該チェーンの顧客のみに対して発行され、利用目的が限定されているため通常のクレジットカードに比べて利用限度額も低額に抑えられている。顧客の範囲を限定し、かつ利用限度額を抑えることによって、クレジットカード会社におけるカード発行時の与信審査を大幅に簡素化、場合によっては審査なしとすることが可能になる。
【0038】
発行されるクレジットカードにはICチップ等の記憶媒体が備えられていて、設定された利用限度額が記憶され、かつクレジットカードのより代金を支払った利用金額を記憶する記憶領域が設けられている。クレジットカードを保有する利用者は、店舗での商品を購入した際の代金支払にクレジットカードを利用すると、各店舗では専用の端末装置を利用して、ICチップに記憶された情報が読み取られる。
【0039】
各店舗に設置される端末装置には、ICチップに記憶された情報からクレジットカードによる支払いの可否を判定して売上承認を行う機能と、クレジットカードの利用実績を決済センターに送信する機能、決済センターと交信して利用限度額の増額が可能な場合にICチップに増額された利用限度額を書き込む機能が備えられている。端末装置では、ICチップより読み取った情報から利用可能額を認識し、商品の購入代金が利用可能額の範囲内にあるかを判定して、売上承認を行う。このように、各回の売上承認の処理はオフラインで行われるため、各店舗の支払窓口では迅速な処理が可能になる。
【0040】
売上承認を行ってクレジットカードで決済された利用明細は、例えば1日1回のバッチ処理によって、各店舗の情報を集計する決済センターに送信される。決済センターでは、利用者別の利用明細を管理し、例えば1ヶ月に1回の締日のタイミングにおいて、カード会社システムに利用明細を送信する。尚、かかる機能を担う決済センターは1ヶ所に集約されていてもよいが、店舗数の多い大規模チェーンなどでは階層的な決済センターを設けてもよく、例えば地区毎に集計用の決済センターを設けて、これらの決済センターから集中センターにデータを集約してカード会社システムに利用明細を送信することとしてもよい。
【0041】
カード会社システムで利用明細を受け付けると、利用代金をチェーン本部に支払うと共に、締日までの1ヶ月分の利用明細を付した請求書が利用者毎に作成される。請求書は通常のクレジットカードと同様にカード会社から利用者に送付され、所定の引落日に金融機関の指定口座から引き落とされる。
【0042】
図2は、かかる小口決済に特化したクレジットカードの利用例を具体的に示したものであるが、未請求の利用残高が利用限度額を超過する場合に、さらに利用限度額を増加させる場合のフローについても示している。この例では、クレジットカードの初期の利用限度額は30,000円に設定され、所定の条件を満たす場合には、その後に利用限度額が10,000円単位で増額されることとなっている。このように利用状況に応じた柔軟な増額を可能にするためには、利用者が小口決済専用のクレジットカードの他に、同一のカード会社において他に通常のクレジットカードを保有していることが前提となる。
【0043】
カード会社システムでは、通常のクレジットカードの会員に対して新たに小口決済専用のクレジットカードを発行すると、小口決済専用のクレジットカードのカードIDと通常のクレジットカードのクレジット番号を紐付けて管理する。かかる紐付け情報は、店舗側の決済センターにも送信される。
【0044】
また、カード会社システムからは、小口決済専用のクレジットカードについて、期限切れで無効になったカード、請求額の引き落しができなかったカードなど売上を承認できないクレジットカードのカードIDを特定したネガ情報が決済センターに送信される。これらのネガ情報は、各店舗に設置された端末装置にも登録される。
【0045】
利用者の保有するクレジットカードのカード媒体にはICチップ等の読み書きが可能な記憶媒体備えられていて、カードID、利用限度額、未請求の利用残高に関する情報が少なくとも記憶されている。但し、利用限度額と未請求の利用残高に代えて、利用限度額から未請求の利用残高を減じた利用可能額を記憶することとしてもよい。利用者が店舗での購入代金の支払いに小口決済専用のクレジットカードを用いると、店舗に設置された端末装置でカード媒体に備えられたICチップから、カードID、利用限度額、利用残高に関する情報が読み出される。尚、情報の読取方法は特に限定されるものではないが、現場の利便性を考慮すると非接触のICカードを用いることが好ましい。
【0046】
これらの情報を読み取った端末装置では、まずは読み取ったカードIDについて、利用の認められないカードのカードIDを登録したネガ情報との照合を行なう。ネガ情報に該当する場合には、利用限度額が残存しているか否かに関わらず、クレジットカードの利用が認められずにエラー処理が行われる。
【0047】
ネガ情報に該当しない場合には、利用限度額と未請求の利用残高のチェックが行われる。利用限度額から未請求の利用残高を減じた利用可能額を算出すると、利用者が購入しようとした商品の購入価格と対比して、クレジットカードによる決済が可能か否かを判定する。商品の購入価格が利用可能額の範囲内である場合には、クレジットカードによる決済が可能と判定されて、売上が承認される。尚、商品の購入価格の受付手段は特に限定されるものではなく、商品に貼付されたバーコードから読み取った値を用いてもよいし、端末装置にキーボードで入力された値を用いることとしてもよい。
【0048】
承認された売り上げ分の利用金額については、端末装置からクレジットカード内のICチップに新たな未請求の利用残高として書き込みが行われる。未請求の利用残高に代えて、売上承認後に残存する利用可能額を書き込むこととしてもよい。このように、売上承認に用いられるICチップ内の情報を更新するとともに、売上が承認された利用明細は、カードIDを特定して決済センターに送信される。決済センターでは、カードID別に利用明細を管理して、カードID又はカードIDに紐付けられたクレジット番号を特定した利用明細を、月1回の締日にまとめカード会社システムに送信する。
【0049】
また、利用限度額に不足が生じた場合に随時増額を行えるようにするために、端末装置にはクレジットカードに設定された利用限度額の増額処理を行うための基準額(閾値)が設定されている。図2の例では、利用限度額まで残り10,000円となった20,000円が基準額となっているが、3回目の商品購入の承認時に利用残高が21,000円となって基準額を超過したことが検出されると、端末装置において増額のためのオーソリ処理が起動される。増額される金額は、例えば10,000円単位と端末装置側に設定しておくことによって、端末装置から決済センターに対してカードIDを特定した10,000円増額の承認依頼が送信される。
【0050】
決済センターでは、カードIDに対応するクレジット番号を特定して、カード会社システムに対して10,000円増額の承認依頼を送信する。クレジット番号の特定は、カード会社システム側で行うこととしてもよい。この承認依頼は、当該利用者が保有する他のクレジットカード(一般的な利用限度額が設定された通常のクレジットカード)についての与信判断として行われる。カード会社側の与信判断においては、通常のクレジットカードにおける10,000円の売上承認と同じことなので、10,000円の売上承認同様のオーソリ判定を行って、その結果を決済センターに返信する。決済センターからは、受け付けた承認結果が端末装置に送信される。尚、カード会社側では通常のクレジットカードの売上承認として扱われるので、増額分については当該クレジットカードの与信限度額が減じられる。
【0051】
承認結果を受け取った端末装置では、増額が承認された場合には該当するクレジットカードのICチップに、利用限度額の増額の書き込みが行われる。増額を書き込むタイミングは特に限定されるものではないが、第1の方法としては、基準額を超えた支払いを受け付けるタイミングでカード会社システムに売上承認を依頼し、承認された場合には当該支払いのタイミングで新たな利用金額の書き込みと併せて、利用限度額を増額後の限度額(図2の例では、1回目の増額時には40,000円)に更新するよう構成することができる。
【0052】
第1の方法を用いると、支払い時にオンラインの処理が発生するため、処理に時間を要する可能性があるという問題が生じる。オフライン処理の利点を活かすためには、次のような第2の方法が考えられる。第2の方法としては、基準額を超えた支払いについても一旦は通常と同じように売上承認を行って、支払い処理を終了する。これとは別にカード会社システムへの増額の承認依頼を行って、カードIDを特定した承認結果を各店舗の端末装置に登録しておく。増額が可能なクレジットカードが次回利用された場合(図2の例では、代金5,000円の4回目の商品購入時)には、カードIDから増額可能であることが特定されて、増額分の書き込み処理が行われる。
【0053】
上記の承認結果の登録については、増額が承認されたカードIDを登録しておくこととしてもよいが、逆に増額が承認されなかったカードIDを特定して、増額不可リストとして登録することとしてもよい。この場合、基準額を超えた次回の利用時(図2の例では、代金5,000円の4回目の商品購入時)において、増額不可リストにカードIDが登録されていなければ、自動的に10,000円の利用限度額の増額分が書き込まれることになる。この方式によれば、通常チェックを行うネガ情報の一部に増額不可リストを加えておくことによって、効率的な処理が可能になる。
【0054】
尚、利用限度額の増額は1ヶ月内で1回に限られるものではなく、基準額を「利用限度額まで残り○○円」と設定しておくことによって、繰返し増額を行うことが可能になる。図2の例では10,000円の増額が2度行われているが、通常のクレジットカードの利用限度額を超えない限りは、増額を繰返すことが可能である。基準額を細かい金額に設定することによって、通常のクレジットカードの利用枠を必要以上に使用することなく、使用状況に応じて柔軟に利用限度額を変動させることができる。
【0055】
決済センターでは、月に1度の締日になると、1ヶ月分の利用明細をカード会社システムに送信する。カード会社から1ヶ月分の利用金額の請求が行われると、クレジットカードのICチップに記憶された未請求の利用残高をリセットする必要が生じるので、締日を過ぎた次回の利用時には、ICチップに記憶された前回の利用残高の更新日と端末装置側で把握している日時を対比して、締日を跨いでいると判断された場合にはICチップに記憶された未請求の利用残高がゼロに更新される。
【0056】
図3は、本発明にかかる決済システムの概要を示している。これまで説明したように、本発明を実施するためには、小口決済専用でICチップ等の記憶媒体を備えたクレジットカード、店舗に設置される決済用端末装置、各店舗の売上を統括する決済センターシステム、利用限度額の増額承認等を行うカード会社システムが必要になる。決済センターシステムでは店舗顧客に関する情報と各々の顧客に対する売上情報を格納する顧客データベースが、カード会社システムには利用明細を含めたカード会員に関する情報を格納する会員データベースが設けられ、それぞれの情報はカードIDとクレジット番号等で紐付けられている。
【0057】
本発明において、各店舗の売上を統括管理するためには決済センターシステムを設けることが好ましいが、本発明の必須の構成要件ではなく、例えば各店舗に設置された端末装置を直接カード会社システムに接続することとしてもよい。逆に、決済センターを組織形態に合わせて階層構造状に設置して、各店舗に設置された端末装置から複数の決済センターを経てカード会社システムに接続されることとしてもよい。
【0058】
図4は、本発明にかかる決済システムの構成を示している。店舗端末20、決済センターシステム30、カード会社システム40は、いずれも通信ネットワークと接続されたコンピュータシステムであって、それぞれ通信制御部21、31、41、演算処理部22、32、42を備えている。
【0059】
通信制御部21、31、41は、通信ネットワークを介して他のコンピュータシステムと通信を行うために必要な機能を備えていて、ネットワークカード等が含まれる。演算処理部22、32、42は、CPU、RAM、ROMを少なくとも備えていて、ROMに記憶された入力制御や出力制御などのハードウェア制御のための基本的な各種プログラムを起動し、RAMをアプリケーションプログラムのワークエリアとして機能させながら、CPUにおいて演算処理が行われる。処理に必要な各種アプリケーションプログラムは、HDDから読み出される。
【0060】
カード10には、記憶媒体11が備えられている。記憶媒体11には限度額記憶部111と利用情報記憶部112等が設けられていて、クレジットカードの利用限度額や未請求の利用残高に関する情報が記憶されている。月次の利用残高に関する情報をリセットするために、利用日に関する情報も記憶されている。記憶媒体11には、読み出しのみでなく書き込みも可能なメモリが用いられる。
【0061】
店舗端末20には、通信制御部21、演算処理部22の他に、無効なカードのカードIDなどのネガ情報を格納するネガ情報格納部23、カード10からカードIDや利用限度額等の情報を読み出したり、利用実績に関する情報を書き込んだりするカード情報制御部24、キーボードやスキャナ等から入力された商品の価格等の購入情報を受け付ける購入情報受付部25、月次の利用残高のリセット等に必要な日付を把握するための時計部26が設けられている。
【0062】
ネガ情報格納部23には、無効となっているカードのカードID、事故が発生して利用不可となっているカードのカードID等のネガ情報が格納されていて、売上承認時にカード情報制御部24で読み取ったカードIDがこれらのネガ情報に該当しないかがチェックされる。また、先に説明した増額不可リストを用いた利用限度額の増額方法を採用する場合には、基準額を超えていながら増額が認められないカードIDをネガ情報として格納し、利用限度額増額の可否判定に用いることとしてもよい。
【0063】
購入代金の売上承認を行う際には、カード情報制御部24でカード10の記憶媒体11から利用限度額と未請求の利用残高を読み出して、演算処理部22においてクレジットカードによって決済が可能な利用可能額を算出する。尚、利用限度額を一律に設定する場合には、利用限度額に関する情報は店舗端末側に持たせることとしてもよい。また、記憶媒体11に利用可能額を記憶している場合には、当該利用限度額を読み出すこととすればよい。演算処理部22では、利用可能額を購入情報受付部25で受け付けた商品の購入価格と対比して、利用可能額の範囲内にある場合にはクレジットカードによる決済が可能であると判定して、売上承認が行われる。承認された利用金額は、新たな未請求の利用残高としてカード情報制御部24からカード10の記憶媒体11の利用情報記憶部112に書き込まれる。また、カードIDが付された売上情報が、例えば1日に1回ずつ通信制御部21を介して決済センターシステ30に送信される。
【0064】
時計部26において把握している日時情報については、売上情報の一部として利用日時に関する情報を提供するとともに、締日を越えた最初の利用時における未請求の利用残高のクリアにも用いられる。つまり、締日において未請求の利用残高分がまとめてカード会社から利用者に請求されると、カード10の記憶媒体11の利用情報記憶部112に記憶された未請求の利用残高をゼロに更新することが必要になるが、利用時にカード情報制御部24において利用情報記憶部112に記憶された最新の利用情報を読み出して、最新の利用時の日付と時計部26で把握している現在の日付を対比し、所定の締日を挟んでいる場合には、カード情報制御部24において利用情報記憶部112に記憶された未請求の利用残高をゼロに更新するための書き込みを実行する。
【0065】
決済センターシステム30には、通信制御部31、演算処理部32の他に、店舗チェーンの顧客情報を統括管理する顧客データベース33が備えられている。通信制御部31は、店舗端末20、カード会社システム40との通信が可能な通信ネットワークと接続されている。店舗端末20については、チェーンに加盟している複数の店舗の店舗端末と接続される。通信ネットワークの種類は特に限定されるものではないが、通信される情報の内容を考慮すると専用線を用いたネットワークを構築することが好ましい。
【0066】
顧客情報格納部331には顧客の保有する小口決済専用クレジットカードのカードIDについて、増額に用いることのできる他のクレジットカードを保有している場合には、保有する他のクレジットカードのクレジット番号がカードIDと紐付けて格納されている。この他に、氏名、住所などの顧客マスタを顧客毎に設けられたレコードに格納することとしてもよい。利用明細情報格納部332には、小口決済専用クレジットカード単位に設けられたレコードにカードIDを付して、店舗端末20から送信された売上情報がクレジットカードの利用明細として格納されている。
【0067】
利用明細情報格納部332に格納された利用明細は、1ヶ月分の利用情報がまとめてカード会社システム40に送信される。送信する利用情報には、顧客情報格納部331に格納されたカードIDに対応するクレジット番号が付されている。
【0068】
カード会社システム40には、通信制御部41、演算処理部42の他に、クレジットカードの会員情報を管理する会員データベース43が備えられている。通信制御部41は、決済センターシステム30との通信が可能な通信ネットワークと接続されている。決済センターシステム30については、本発明にかかるサービスを利用する複数の店舗チェーンの決済センターと接続することが可能である。通信ネットワークの種類は特に限定されるものではないが、通信される情報の内容を考慮すると専用線を用いたネットワークを構築することが好ましい。また、通信制御部41は、与信時の信用照会や不正利用の検知に用いられる信用情報照会システム50とも通信可能なネットワークに接続されている。
【0069】
会員情報格納部431には顧客の保有する通常のクレジットカードのクレジット番号の他に、氏名、住所などの会員マスタが会員毎に設けられたレコードに格納されている。利用明細情報格納部432には、クレジットカード単位に設けられたレコードがクレジット番号をキーに会員マスタと関連付けられていて、クレジットカードの利用明細が格納されている。
【0070】
店舗端末20において売上承認を行う際に、利用可能額が一定の基準額を下回ったことが検出されると、決済センターシステム30を介してカード会社システム40に対して、利用限度額増額の承認依頼が送信される。この際に、決済センターシステム30ではカードIDに対応するクレジット番号が特定されるので、カード会社システム40では当該クレジット番号に対応するクレジットカードについて、増額分相当の売上承認の処理を行う。ネガ情報のチェック、信用情報の照会、利用限度額の確認等が行われて売上が承認されると、決済センターシステム30を介して店舗端末20に増額を承認することが通知され、利用明細情報格納部432の対応するレコードには、増額分の利用明細が格納されて利用限度額も増額分が減額される。
【0071】
増額承認を受け付けた店舗端末20では、カード10の利用時に増額承認が行われた場合には、そのまま決済のために使用中のカード10に増額された新たな利用限度額が限度額格納部111に書き込まれる。尚、記憶媒体11に利用可能額を記憶させる場合には、演算処理部22で演算された増額後の利用可能額が書き込まれる。
【0072】
増額承認がカード10の利用後に行われた場合には、増額承認が行われなかったカードIDをネガ情報格納部23に格納する。カード10が次回利用された際には、前回の利用時に利用可能額が所定の基準額を下回り、かつネガ情報にカードIDが記憶されていない場合には、増額が承認されたものと判断して、上記と同様に増額された新たな利用限度額の書き込みが行われる。
【0073】
図5〜図10のフローチャートを用いて、本発明にかかる決済用端末装置において、売上承認と利用限度額の増額処理を行うフローについて説明する。図5〜図7は、利用限度額の増額をクレジットカードの利用時にオンライン処理で行う第1の実施形態のフローを、図5及び図8〜図10は、利用限度額の増額を増額承認後のクレジットカードの利用時にオフライン処理で行う第2の実施形態のフローを示している。
【0074】
図5のフローチャートは、第1、第2のいずれの実施形態にも共通する処理フローである。本発明にかかる小口決済専用クレジットカードを用いた代金支払の決済を受け付ける場合には、まず決済用端末装置においてカードのICチップからカードIDを読み取る(S01)。読み取ったカードIDについて、ネガ情報を参照して無効カードでないかを確認し(S02)、無効カードに該当する場合にはエラー処理を行って(S09)、処理を終了する。
【0075】
無効カードでない場合には、ICチップから直近の利用日付を読み取り(S03)、端末装置内の時計から取得した現在の日付と対比して(S04)、所定の締日を経過しているかを確認する(S05)。締日を経過している場合には、カードのICチップに記憶された利用残高がクリアされる(S06)。続いて、カードのICチップから利用限度額と未請求の利用残高を読み取って(S07)、利用限度額から未請求の利用残高を減じて利用可能額を算出する(S08)。
【0076】
図6のフローチャートは、利用可能額を算出した後の、第1の実施形態における処理フローを示している。利用可能額が、利用限度額の増額の判断を行うための基準額である所定の閾値を下回ったかを確認し(S11)、閾値を下回った場合には増額承認のための処理に移行する。下回っていない場合には、キーボードの入力やバーコードの読取によって受け付けられた、商品の購入代金である利用要求額を取得する(S12)。
【0077】
ここで利用要求額が、先に算出した利用可能額の範囲内にあるかによって、クレジットカードによる決済の可否、つまり売上を承認するか否かが判定される(S13)。範囲内にある場合には売上が承認され、クレジットカードで支払った購入代金がICチップに新たな未請求の利用額として書き込まれ(S14)、売上情報が所定のタイミングで売上情報を統括管理する決済センターに送信される(S15)。範囲内にない場合には、エラー処理を行って(S16)、処理を終了する。
【0078】
図7のフローチャートは、第1の実施形態における利用限度額の増額承認のための処理フローを示している。増額承認が必要と判断された場合、端末装置は決済センターへカードIDを特定した利用限度額増額のための与信照会を送信する(S21)。これを受信した決済センターシステムでは(S31)、カードIDに対応するクレジット番号を特定して(S32)、カード会社にクレジット番号を特定した利用限度額増額のための与信照会を送信する(S33)。カード会社から与信照会の結果を受信すると(S34)、照会結果を照会を受けた端末装置に送信する(S35)。
【0079】
照会を受信した端末装置では(S22)、照会結果から利用可能額の増額が可能か否かを判断する(S23)。増額が可能である場合には、増額後の利用限度額を特定して(S24)、売上承認のために利用中のカード媒体のICチップに増額後の利用限度額を書き込んで更新する(S25)。増額が可能でない場合は、このような更新処理は行われずに、処理を終了する。
【0080】
図8、図9のフローチャートは、利用可能額を算出した後の、第2の実施形態における処理フローを示している。利用可能額が、利用限度額の増額の判断を行うための基準額である所定の閾値を下回ったかを確認し(S41)、閾値を下回った場合には増額承認の依頼をセンターに送信する(S42)。尚、この増額承認の確認は、第1の実施形態とは異なって、売上承認の間に行われるものではない。下回っていない場合には、キーボードの入力やバーコードの読取によって受け付けられた、商品の購入代金である利用要求額を取得する(S43)。
【0081】
ここで利用要求額が、先に算出した利用可能額の範囲内にあるかによって、クレジットカードによる決済の可否、つまり売上を承認するか否かが判定される(S44)。範囲内にある場合には売上が承認され、クレジットカードで支払った購入代金がICチップに新たな未請求の利用額として書き込まれ(S45)、売上情報が所定のタイミングで売上情報を統括管理する決済センターに送信される(S46)。範囲内にない場合には、利用限度額の増額が可能か否かのチェックに移行する。
【0082】
利用限度額の増額が可能か否かのチェックは、図9のフローチャートのように行われる。まず、先に受け付けたカードIDが、増額不可リストに該当するものでないかが確認される(S51)。増額不可リストには、前回のチェックで閾値を下回ったクレジットカードについて、利用限度額の増額が承認されなかったクレジットカードのカードIDが登録されているため、これに該当する場合には利用限度額の増額を行うことはできず、結局利用可能額を超えると判定し、エラー処理を行って(S56)、処理を終了する。
【0083】
増額不可リストに該当しない場合は、利用限度額の増額が可能と判断されて、利用可能額に増額分を加算して(S52)、利用要求額が増額された利用可能額の範囲内にあるかによって、売上を承認するか否かが再度判定される(S53)。範囲内にある場合には売上が承認され、クレジットカードで支払った購入代金がICチップに新たな未請求の利用額として、増額された利用限度額が新たな利用限度額として書き込まれ(S54)、売上情報が所定のタイミングで売上情報を統括管理する決済センターに送信される(S55)。範囲内にない場合には、エラー処理を行って(S56)、処理を終了する。
【0084】
図10のフローチャートは、第2の実施形態において、決済センターシステムで利用限度額の増額判定を行う処理フローを示している。端末装置からカードIDを特定した利用限度額増額承認の依頼を受信した決済センターシステムでは(S61)、カードIDに対応するクレジット番号を特定して(S62)、カード会社にクレジット番号を特定した利用限度額増額のための与信照会を送信する(S63)。カード会社から与信照会の結果を受信すると(S64)、増額分の与信の可否によって(S65)、与信が不可である場合は増額不可リストに追加するために、カードIDを特定した増額不可であることを示す情報が、全ての端末装置に送信される(S66)。一方、与信が可能である場合には、増額不可リストに登録する必要がないため、何ら情報を送信せずに処理を終了することとしてもよいし、増額が承認されたことを全ての端末装置に送信することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明にかかる決済システムにより実施される小口決済に特化したクレジットカードの事業スキームを示す第1の図である。
【図2】本発明にかかる決済システムにより実施される小口決済に特化したクレジットカードの事業スキームを示す第2の図である。
【図3】本発明にかかる決済システムの概要を示す図である。
【図4】本発明にかかる決済システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明にかかる決済用端末装置において、売上承認を行うフローを示す第1のフローチャートである。
【図6】本発明にかかる決済用端末装置の第1の実施形態において、売上承認を行うフローを示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる決済用端末装置の第1の実施形態において、利用限度額の増額を行うフローを示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる決済用端末装置の第2の実施形態において、売上承認を行うフローを示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明にかかる決済用端末装置の第2の実施形態において、売上承認を行うフローを示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明にかかる決済用端末装置の第2の実施形態において、決済センターシステムで利用限度額の増額判定を行うフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
10 カード
11 記憶媒体
111 限度額記憶部
112 利用情報記憶部
20 店舗端末
21 通信制御部
22 演算処理部
23 ネガ情報格納部
24 カード情報制御部
25 購入情報受付部
26 時計部
30 決済センターシステム
31 通信制御部
32 演算処理部
33 顧客データベース
331 顧客情報格納部
332 利用明細格納部
40 カード会社システム
41 通信制御部
42 演算処理部
43 会員データベース
431 会員情報格納部
432 利用明細格納部
50 信用情報照会システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小口決済に特化したクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置であって、
前記クレジットカードには前記クレジットカードの利用者について設定された利用限度額と未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記記憶媒体から、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、
前記クレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する判定手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする決済用端末装置。
【請求項2】
前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、を備えていて、
前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記更新手段は、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新すること
を特徴とする請求項1記載の決済用端末装置。
【請求項3】
前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、
前記記憶媒体には、前記クレジットカードの識別番号が記憶されていて、
前記読取手段は、前記記憶媒体から前記識別番号を読み取り、
前記判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用限度額に前記加算金額を加算した金額から前記利用残高を減じて算出した利用可能額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記更新手段は、前記判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新すること
を特徴とする請求項1記載の決済用端末装置。
【請求項4】
小口決済に特化したクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置であって、
前記クレジットカードには前記クレジットカードの利用者について設定された利用限度額から未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記クレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記記憶媒体から、前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、
前記クレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する判定手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする決済用端末装置。
【請求項5】
前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、を備えていて、
前記更新手段は、さらに前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新すること
を特徴とする請求項4記載の決済用端末装置。
【請求項6】
前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記利用者が保有する第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、
前記記憶媒体には、前記クレジットカードの識別番号が記憶されていて、
前記読取手段は、前記記憶媒体から前記識別番号を読み取り、
前記判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用可能額に前記加算金額を加算した金額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記更新手段は、前記判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新すること
を特徴とする請求項4記載の決済用端末装置。
【請求項7】
小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、
前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、
前記記憶媒体から、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、
前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する第1の更新手段と、
前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新するする第2の更新手段と、を備えていて、
前記カード管理システムは、
前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、
前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項8】
小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、
前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、
前記記憶媒体から、前記識別番号、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取る読取手段と、
前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新する第1の更新手段と、
前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えており、
前記第1の判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用限度額に前記加算金額を加算した金額から前記利用残高を減じて算出した利用可能額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記第1の判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新する第2の更新手段を備えていて、
前記カード管理システムは、
前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、
前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項9】
小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、
前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額から未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、
前記記憶媒体から、前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、
前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、
前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新し、さらに前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、を備えていて、
前記カード管理システムは、
前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、
前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項10】
小口決済に特化した第1のクレジットカードと、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカードを用いた支払いの決済を行うための決済システムであって、
前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置は、
前記記憶媒体から、前記識別番号及び前記利用可能額に関する情報を読み取る読取手段と、
前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付ける受付手段と、
前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定手段と、
前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新手段と、
前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定手段と、
前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システム、又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信する送信手段と、
前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信する受信手段と、
前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録する登録手段と、を備えていて、
前記第1の判定手段は、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用可能額に前記加算金額を加算した金額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記更新手段は、前記第1の判定手段において前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新することを特徴とし、
前記カード管理システムは、
前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定手段と、
前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答する応答手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項11】
小口決済に特化した第1のクレジットカード、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカード、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置及び前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システムを用いたクレジットカードの決済を行うための決済方法であって、
前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記端末装置が、前記記憶媒体から、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取るステップと、
前記端末装置が、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付けるステップと、
前記端末装置が、前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定するステップと、
前記端末装置が、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新するステップと、
前記端末装置が、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定するステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記カード管理システム又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信するステップと、
前記カード管理システムが、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行うステップと、
前記カード管理システムが、前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答するステップと、
前記端末装置が、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信するステップと、
前記端末装置が、前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新するするステップと、
を有することを特徴とする決済方法。
【請求項12】
小口決済に特化した第1のクレジットカード、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカード、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置及び前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システムを用いたクレジットカードの決済を行うための決済方法であって、
前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記端末装置が、前記記憶媒体から、前記識別番号、前記利用限度額及び前記利用残高に関する情報を読み取るステップと、
前記端末装置が、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付けるステップと、
前記端末装置が、前記利用限度額から前記利用残高を減じて前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額を算出し、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定ステップと、
前記端末装置が、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用要求額を前記クレジットカードの利用額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用残高を更新するステップと、
前記端末装置が、前記利用限度額から前記利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定ステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記カード管理システム又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用限度額を増額するための加算金額についての承認要求を送信するステップと、
前記カード管理システムが、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定ステップと、
前記カード管理システムが、前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答するステップと、
前記端末装置が、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信するステップと、
前記端末装置が、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録するステップと、を有しており、
前記第1の判定ステップにおいては、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用限度額に前記加算金額を加算した金額から前記利用残高を減じて算出した利用可能額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記端末装置が、前記第1の判定ステップにおいて前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記加算金額を前記クレジットカードの利用限度額に増額される金額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用限度額を更新するステップを有すること
を特徴とする決済方法。
【請求項13】
小口決済に特化した第1のクレジットカード、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカード、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置及び前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システムを用いたクレジットカードの決済を行うための決済方法であって、
前記第1のクレジットカードには前記利用者について設定された利用限度額から未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記端末装置が、前記記憶媒体から、前記利用可能額に関する情報を読み取るステップと、
前記端末装置が、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付けるステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定するステップと、
前記端末装置が、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定するステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記カード管理システム又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信するステップと、
前記カード管理システムが、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行うステップと、
前記カード管理システムが、前記加算金額の決済が与信可能であると判定すると、前記加算金額を承認することを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答するステップと、
前記端末装置が、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信するステップと、
前記端末装置が、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新し、さらに前記応答が前記加算金額を承認するものである場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新するステップと、
を有することを特徴とする決済方法。
【請求項14】
小口決済に特化した第1のクレジットカード、前記第1のクレジットカードの利用者が保有する第2のクレジットカード、前記第1のクレジットカードによる支払いの決済に用いられる決済用端末装置及び前記第2のクレジットカードの与信判定を行うカード管理システムを用いたクレジットカードの決済を行うための決済方法であって、
前記第1のクレジットカードには、前記第1のクレジットカードの識別番号、前記利用者について設定された利用限度額及び未請求の利用額を合計した利用残高を減じた前記第1のクレジットカードによる支払いが可能な利用可能額に関する情報を記憶した記憶媒体が備えられていて、
前記端末装置が、前記記憶媒体から、前記識別番号及び前記利用可能額に関する情報を読み取るステップと、
前記端末装置が、前記第1のクレジットカードによる支払いを要求する利用要求額を受け付けるステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額と前記利用要求額を対比して、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にある場合には、前記利用要求額の決済を可能と判定する第1の判定ステップと、
前記端末装置が、前記利用要求額の決済を可能と判定すると、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額を前記クレジットカードの利用可能額として前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新する更新ステップと、
前記端末装置が、前記記憶媒体から読み取った利用可能額が所定の基準額を下回るかを判定する第2の判定ステップと、
前記端末装置が、前記利用可能額が前記基準額を下回ると判定されると、前記カード管理システム又は前記カード管理システムによる与信判定を中継する決済センターシステムに、前記利用可能額を増額するための加算金額についての承認要求を送信するステップと、
前記カード管理システムが、前記承認要求を受信すると、前記加算金額について前記第2のクレジットカードによる決済の与信判定を行う第3の判定ステップと、
前記カード管理システムが、前記加算金額の決済が与信不可であると判定すると、前記加算金額を承認しないことを前記決済用端末装置又は前記決済センターに応答するステップと、
前記端末装置が、前記カード管理システム又は前記決済センターシステムから、前記承認要求に対する応答を受信するステップと、
前記端末装置が、前記応答が前記承認要求を承認しないものである場合に、前記クレジットカードの識別番号を増額不可リストに登録するステップと、を有していて、
前記第1の判定ステップにおいては、前記利用要求額が前記利用可能額の範囲内にない場合に、前記増額不可リストを参照して、前記識別番号が前記増額不可リストに含まれない場合には、前記利用可能額に前記加算金額を加算した金額を基準に前記利用要求額の決済の可否を判定し、
前記更新ステップにおいては、前記第1の判定ステップにおいて前記加算金額を加算して判定を行った場合には、前記利用可能額から前記利用要求額を減じた金額に前記加算金額を加算した金額を前記記憶媒体に書き込んで、前記記憶媒体に記憶された利用可能額を更新すること、
を特徴とする決済方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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