説明

クレーピング用接着剤、クレープ紙の製造方法及びクレープ紙

【課題】クレープ紙を製造する際にヤンキードライヤーと繊維ウェブ間の接着性に優れ、良好なクレープの形成を可能とし、且つ、クレープ紙を再生利用する際に損紙の離解性にも優れるクレーピング用接着剤を提供する。
【解決手段】ポリアルキレンポリアミン残基、ジカルボン酸残基、尿素残基及びエピハロヒドリン残基からなり、樹脂1000g中に尿素残基0.05〜6.0モル及びエピハロヒドリン残基0.01〜1.2モルを含有し、より好ましくは、更に固形分15重量%水溶液の25℃における粘度が10〜100mPa・sの範囲にあるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を主成分とするクレーピング用接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオルペーパー等の衛生用紙等の製造の際に使用されるクレーピング用接着剤、該接着剤を用いるクレープ紙の製造方法及び該製造方法で製造されるクレープ紙に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ペーパータオル等を製造する際、製品に柔軟性や嵩高さを出すため、繊維ウェブはクレープを付与する工程(クレーピング)にかけられる。クレーピングは、ヤンキードライヤーで知られる回転シリンダー式抄紙乾燥機に湿った繊維ウェブを接着させ、乾燥後、ドライヤー表面から繊維ウェブをドクターブレードで掻き取り、繊維ウェブに非常に細かいシワをよらせる工程からなる。
【0003】
通常、クレーピングを行う際、繊維ウェブのヤンキードライヤーへの接着性を増すための方法として、熱硬化性を有するポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂を内添するか、またはヤンキードライヤーの表面もしくは繊維ウェブ上にスプレーすることが行われる。しかし、このような樹脂は、ヤンキードライヤー表面の熱で架橋反応を起こすため、繊維ウェブとヤンキードライヤーとの間の接着性の制御を難しくし、その結果クレーピングを困難にし、更には繊維ウェブ中に湿潤紙力を発現させて、損紙の離解を悪化させるという欠点を有していた。
【0004】
そこで上記欠点を克服するため、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂の架橋性基を低減させた接着剤を使用することが提案されている。例えば、特許文献1には、樹脂中の架橋性基と有機酸、無機酸とを反応させた樹脂を用いる技術が提案され、特許文献2には、ポリアミドポリアミンのアミノ基に対して不足当量の架橋剤を反応させた樹脂を用いる技術が提案されている。しかし、特許文献1に記載された酸またはアミンと架橋性基を反応させた樹脂を用いる場合には、未反応の有機酸、無機酸が接着剤に残留することになり、それら残留成分が繊維ウェブの均一な接着を妨げ、更にヤンキードライヤー表面の腐食を進める恐れがある。また特許文献2には、ポリアミドポリアミンと反応する架橋剤の具体的な量については記載されておらず、架橋性基を十分低減するまでには至らない。
【0005】
また、ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を用いたクレーピング用接着剤も知られている。ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂は尿素残基を含有することで、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂とは異なる物理的、化学的特性を有する。例えば、特許文献3には、ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を塩基性物質で処理することで、エピハロヒドリンから誘導される吸着性有機ハロゲン化合物(AOX)が少なく、保存安定性に優れたクレーピング用接着剤が提案され、また特許文献4には、尿素などのアミノ基付加反応性化合物をポリアミドポリアミンに付加したポリアミドポリアミン誘導体と、エピクロロヒドリンとを反応させることによって、加熱による変色が少ないクレーピング用接着剤が提案されている。しかし、特許文献3及び4のいずれにも具体的な接着の効果については記載されていなかった。
【0006】
【特許文献1】第2688950号公報
【特許文献2】特表平11−512498号公報
【特許文献3】特開2004−175818号公報
【特許文献4】特開2004−285544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、クレープ紙を製造する際にヤンキードライヤーと繊維ウェブ間の接着性に優れ、良好なクレープの形成を可能とし、且つ、クレープ紙を再生利用する際の離解性にも優れるクレーピング用接着剤を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、優れた接着性と優れた損紙の離解性とを併有するクレーピング用接着剤を用いて、クレープが良好で且つ損紙の離解性にも優れたクレープ紙を製造する方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の課題は、再生利用する際に損紙の離解性にも優れるクレープ紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、樹脂中に含まれる尿素残基とエピハロヒドリン残基の含有量がそれぞれ特定範囲内に制御されたポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、上記課題の解決手段として、更にはその好ましい実施形態として、次の(1)項〜(9)項に記載のクレーピング用接着剤、該接着剤を用いたクレープ紙の製造方法及びクレープ紙を提供する。
【0012】
(1)ポリアルキレンポリアミン残基、ジカルボン酸残基、尿素残基及びエピハロヒドリン残基からなり、樹脂1000g中に前記尿素残基0.05〜6.0モルと前記エピハロヒドリン残基0.01〜1.2モルを含有するポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を含有することを特徴とするクレーピング用接着剤。
【0013】
(2)前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、樹脂1000g中のアゼチジニウム環の含有量が0.5モル以下のものである(1)項に記載のクレーピング用接着剤。
【0014】
(3)前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、固形分15重量%水溶液の25℃における粘度基準で、10〜100mPa・sの範囲内にある粘度を有する(1)項又は(2)項に記載のクレーピング用接着剤。
【0015】
(4)前記ポリアルキレンポリアミン残基の前記ジカルボン酸残基に対する割合がモル比基準で0.8〜1.4である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤。
【0016】
(5)前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、ポリアルキレンポリアミン類(A)とジカルボン酸類(B)と尿素類(C)とを反応させて得られるポリアミドポリアミンポリ尿素に、該ポリアミドポリアミンポリ尿素のアミノ基1モルに対してエピハロヒドリン類(D)を0.01〜0.40モル反応させて得られるものである(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤。
【0017】
(6)前記ポリアミドポリアミンポリ尿素が、前記ポリアルキレンポリアミン類(A)0.8〜1.4モルと、前記ジカルボン酸類(B)1モルと、前記ポリアルキレンポリアミン類の2級アミノ基1モルに対して尿素類(C)0.05〜1.0モルとを反応させて得られるものである(5)項に記載のクレーピング用接着剤。
【0018】
(7)(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤を用いて、湿った繊維ウェブを加熱されたヤンキードライヤーに接着させ、乾燥後、前記繊維ウェブを前記ヤンキードライヤー表面からドクターブレードで掻き取ることによりクレープを形成することを特徴とするクレープ紙の製造方法。
【0019】
(8)前記クレーピング用接着剤と共にクレーピング離型剤を併用する(7)項に記載のクレープ紙の製造方法。
【0020】
(9)(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤を用いたことを特徴とするクレープ紙。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、クレープ紙を製造する際にヤンキードライヤーと繊維ウェブ間に十分な接着力を付与して良好なクレープの形成を可能とし、且つ、クレープ紙を再生利用する際に損紙の離解を容易にできるという作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のクレーピング用接着剤は、ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を含有し、該樹脂は、ポリアルキレンポリアミン残基、ジカルボン酸残基、尿素残基及びエピハロヒドリン残基からなり、該樹脂1000g中に前記尿素残基0.05〜6.0モル、好ましくは0.10〜5.5モル、さらに好ましくは0.15〜5.0モルと、前記エピハロヒドリン残基0.01〜1.2モル、好ましくは0.05〜1.0モル、さらに好ましくは0.1〜0.9モルを含有する。
【0023】
本発明で使用されるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂は、ポリアルキレンポリアミン類(A)とジカルボン酸類(B)と尿素類(C)とを反応させて得られるポリアミドポリアミンポリ尿素に、エピハロヒドリン類(D)を反応させることにより得ることができる。ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂の分子上で、もとのポリアルキレンポリアミン類、ジカルボン酸類、尿素類及びエピハロヒドリン類の各1単位にあたる部分をそれぞれポリアルキレンポリアミン残基、ジカルボン酸残基、尿素残基又はエピハロヒドリン残基という。
【0024】
尿素残基は樹脂の接着性を高める機能と樹脂の硬度を高める機能を有する。尿素残基には、例えば>N−CO−N<、>N−CS−N<等が含まれる。尿素残基の含有量が、0.05モル/樹脂1000g以上であれば、クレーピングの際に必要な接着力を充分に確保できるが、6.0モル/樹脂1000gを超えると、樹脂の硬度が高くなり過ぎて、クレーピングの際にドクターブレードの刃を傷める恐れがあるほか、クレープ形状が乱れて良好なクレープが得られない恐れがある。
【0025】
エピハロヒドリン残基は樹脂を架橋し分子量を高める機能とクレーピングの際にヤンキードライヤーの熱で繊維ウェブと反応してクレープ紙に湿潤紙力を与える機能を有する。エピハロヒドリン残基には、例えば−CH−CH(OH)−CH−、−CH−CH(OH)−CHX(Xはハロゲン原子を表す。)、アゼチジニウム環等が含まれる。エピハロヒドリン残基の含有量が0.01モル/樹脂1000g以上であれば、エピハロヒドリンによって樹脂は架橋し、分子量を高めることができるので、適度な接着力を確保することができるが、1.2モル/樹脂1000gを超えると、クレープ紙に必要以上の湿潤紙力が発現し、損紙の離解を困難にする恐れがある。特に樹脂中のアゼチジニウム環は湿潤紙力の発現に寄与しているため、樹脂中のアゼチジニウム環の含有量を0.5モル/樹脂1000g以下、好ましくは0.4モル/樹脂1000g以下とすることが好ましい。
【0026】
ポリアルキレンポリアミン類(A)としては、分子中に少なくとも2個以上のアルキレン基と2個以上のアミノ基を有するものであればよく、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられ、中でもジエチレントリアミンが好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、ポリアルキレンポリアミン類(A)の一部に代えて、エチレンジアミン、プロピレンジアミン又はヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ε−アミノカプロン酸等の炭素数1〜6のアミノカルボン酸;ε−カプロラクタムのような炭素原子数1〜6のアミノカルボン酸のラクタム等を使用することもできる。
【0027】
ジカルボン酸類(B)としては、分子中に2個のカルボキシル基を有するものであれば良い。例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;上記各酸の酸無水物;上記各酸の炭素数1〜5、特に炭素数1〜3の低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール)のエステル等のジカルボン酸誘導体が挙げられる。これらの中でもグルタル酸、アジピン酸、グルタル酸メチルエステル及びアジピン酸メチルエステルが好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
尿素類(C)としては、例えば、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、フェニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素等を挙げることができる。これらの中でも尿素が好ましい。尿素類(C)の一部に代えて、アミノ基とアミド交換反応し得るN無置換アミド基を1個以上有する化合物、例えば、アセトアミド、プロピオンアミド等の脂肪族アミド類、或いはベンズアミド、フェニル酢酸アミド等の芳香族アミド類等も使用することもできる。
【0029】
ポリアミドポリアミンポリ尿素の合成に際しては、ポリアルキレンポリアミン類(A)とジカルボン酸類(B)と尿素類(C)を任意の順序で又は同時に反応させることができる。例えば、(A)と(B)とを反応させた後に(C)を反応させる方法、(A)と(C)とを反応させた後に(B)と反応させる方法、(A)と(B)と(C)を同時に反応させる方法のいずれでもよい。
【0030】
ポリアミドポリアミン尿素を合成するに際し、ポリアルキレンポリアミン類(A)0.8〜1.4モルに対してジカルボン酸類(B)1.0モル、(A)の2級アミノ基1モルに対して尿素類(C)0.05〜1.0モルとなる反応比が好ましい。この反応比で接着性に優れた樹脂を得ることができる。
【0031】
ポリアルキレンポリアミン類(A)とジカルボン酸類(B)と尿素類(C)との反応は、生成するポリアミドポリアミンポリ尿素が、固形分50重量%水溶液の25℃における粘度基準で、100〜1,000mPa・sの範囲内の粘度を有するまで続けることが好ましく、これにより接着性に優れた樹脂を得ることができる。
【0032】
ポリアルキレンポリアミン類(A)やポリアルキレンポリアミンポリ尿素が有するアミノ基と、ジカルボン酸類(B)が有するカルボキシル基を反応させるときは、原料仕込み時に発生する反応熱を利用するか、外部より加熱して脱水及び/又は脱アルコール反応を行う。反応温度は、好ましくは110〜250℃、より好ましくは120〜180℃であるが、温度条件は(B)が遊離酸であるか、無水物、エステル等の誘導体であるかに依存する。この際、重縮合反応の触媒として、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類や、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸等のリン酸類、その他公知の触媒を単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。その使用量はポリアルキレンポリアミン1モルに対し好ましくは0.005〜0.1モル、より好ましくは0.01〜0.05モルである。
【0033】
ポリアルキレンポリアミン類(A)やポリアルキレンポリアミンポリ尿素が有するアミノ基と、尿素類(C)を反応させるときは、発生するアンモニアを系外に除去しながらアミド交換反応を行う。このときの反応温度は、適度に反応が進行しやすくなる点で、80〜180℃が好ましく、100℃〜160℃がより好ましい。
【0034】
本発明で使用されるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂は、前記のポリアミドポリアミンポリ尿素にエピハロヒドリン類(D)を反応させることにより得ることができる。
【0035】
エピハロヒドリン類(D)は、エピハロヒドリンのほか、エピハロヒドリンから誘導される1,3−ジハロゲノ−2−プロパノールを含む。エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン等が挙げられ、エピハロヒドリンから誘導される1,3−ジハロゲノー2−プロパノールとしては、例えば、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等が挙げられるが、中でもエピクロロヒドリンが好ましい。
【0036】
ポリアミドポリアミンポリ尿素に対するエピハロヒドリン類(D)の反応比は、ポリアミドポリアミンポリ尿素のアミノ基1モルに対して、好ましくは0.01〜0.40モル、より好ましくは、0.05〜0.30である。(D)のモル比が0.40モルより多いと、得られるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂の架橋性が強くなるため、ヤンキードライヤーへの接着力が強くなり過ぎる場合や、逆に樹脂皮膜の水への膨潤性悪化によって接着力の不足が起こる場合があり、クレーピングのコントロールが困難になるばかりでなく、湿潤紙力増強効果によって損紙の離解性が悪化する恐れもある。(D)のモル比が0.01モル未満だと、得られる樹脂の接着力が不足する恐れがある。
【0037】
ポリアミドポリアミンポリ尿素とエピハロヒドリン類(D)との反応は、反応液の濃度を固形分15〜80重量%、反応温度を5〜90℃で行うことが好ましい。特に、ポリアミドポリアミンポリ尿素とエピハロヒドリン類(D)との反応効率を上げるため、ポリアミドポリアミンポリ尿素にエピハロヒドリン類(D)を投入する場合の反応温度を5〜40℃の範囲で実施し、その後の架橋反応では反応温度を40〜90℃とし、得られるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を高分子量化してその粘度を増加させることが好ましい。
【0038】
ポリアミドポリアミンポリ尿素とエピハロヒドリン類(D)との反応は、得られるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、固形分15重量%水溶液の25℃における粘度基準で、10〜100mPa・s、好ましくは15〜80mPa・sの範囲内の粘度を有するまで反応を続けることにより、接着力に優れた樹脂が得られ易くなる。反応液の粘度がこの粘度範囲内に入ったら反応液に水を加えて反応を停止させ冷却する。
【0039】
本発明のクレーピング用接着剤は、上記の反応によって得られるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂に水を加えて濃度を固形分15〜50重量%に調整することが好ましい。
【0040】
本発明のクレーピング用接着剤は、保存安定性向上の点からpH2〜10の範囲内に調整することが好ましい。pHの調整はpH調整剤の添加により行うことができる。pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、特にハロゲンを含まない無機酸;ギ酸、酢酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ヒドロキシアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン等のモノアミン化合物を挙げることができる。
【0041】
本発明のクレーピング用接着剤の使用方法としては、パルプスラリーに添加する方法、ヤンキードライヤーの前方で湿紙にスプレーする方法、ヤンキードライヤーの表面に直接スプレーする方法、及びこれら前記方法を組み合わせてクレーピングする方法があり、製造する紙のタイプ、製紙に使用する機械条件、望まれる紙質、速度、温度等の操業条件に応じて適宜適用することができる。
【0042】
また、本発明のクレーピング用接着剤には、ヤンキードライヤー表面への繊維ウェブの接着力を制御するために、クレーピング離型剤を併用することができる。クレーピング離型剤としては、例えば、シリコーンオイル、炭化水素油、界面活性剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、ピロリドン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0043】
界面活性剤としては、例えば、従来公知のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、或いはノニオン性界面活性剤を使用することができる。具体的には、カチオン性界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキルアミン塩、変性アミン塩、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリウム塩、アルキルホスホニウム塩、アルキルスルホニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては各種ベタイン系界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアラルキルアリール硫酸エステル塩、アルキル─アリールスルホン酸塩及び各種スルホコハク酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、そのポリアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリグリコールエステル、各種ポリアルキレンオキサイド型ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪族アルコール、ポリオキシエチレン脂肪族アミン、ポリオキシエチレン脂肪族メルカプタン、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアラルキルアリールエーテル等)が挙げられる。
【0044】
本発明のクレーピング用接着剤を内添で使用する場合、パルプの水性分散液またはファンポンプ部の白水中にパルプの乾燥重量当たり固形分0.001〜5重量%を添加すると適度な接着性が得られ、クレーピングしやすくなるので好ましい。添加する場合のクレーピング用接着剤は1〜200倍に希釈して使用することが好ましい。
【0045】
クレーピング用接着剤をヤンキードライヤーの前方で湿紙にスプレーする場合、或いはヤンキードライヤーの表面に直接スプレーする場合、クレーピング用接着剤を10〜1000倍に希釈して使用することが好ましく、スプレー量は樹脂の固形分基準で0.01〜500mg/m、特に0.1〜300mg/mが好ましい。
【0046】
本発明のクレーピング用接着剤を使用する場合のパルプ原料としては、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の晒並びに未晒化学パルプ;砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ等の晒並びに未晒高収率パルプ;新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙、脱墨古紙等の古紙パルプを挙げることができ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
また、上記原料パルプからなるパルプスラリーに、填料、染料、乾燥紙力向上剤、歩留り向上剤、サイズ剤及び湿潤紙力向上剤、柔軟剤、保湿剤、紙厚向上剤等の添加剤も必要に応じて使用しても良い。更にサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター及びキャレンダー等で、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリルアミド系ポリマー等の表面紙力向上剤、表面サイズ剤、染料、コーティングカラー及び防滑等を必要に応じて塗布しても良い。
【0048】
本発明の製造方法によって製造されるクレープ紙は、トイレットペーパー、ティシュペーパー、タオルペーパー、ナプキン原紙のような衛生用紙等の用途に適している。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限りすべて重量%である。
【0050】
<各種残基及びアゼチジニウム環の含有量の測定方法>
(1)ポリアミドポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン樹脂水溶液中の全ハロゲン量を測定することにより、樹脂中のエピハロヒドリン残基の含有量を算出した。
(2)ポリアミドポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン樹脂の13C−NMRのチャートと樹脂水溶液中の全ハロゲン量の結果を用いてポリアルキレンポリアミン残基、アジピン酸残基、尿素残基、エピハロヒドリン残基の組成分析を行い、樹脂中の尿素残基の含有量を算出した。
(3)ポリアミドポリアミンポリ尿素エピハロヒドリン樹脂のH−NMRのチャートより、アゼチジニウム環の含有量を算出した。
【0051】
(実施例1)
温度計、冷却器、撹拌機及び窒素導入管を備えた500mL四つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン105.3g(1.02モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸146.1g(1モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、170℃で3時間反応を行った。次いで、反応液を130℃まで冷却し、尿素12g(0.2モル)を加えて同温度で2時間脱アンモニア反応を行った後、水を徐々に加えて固形分50%のポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(A)を得た。
【0052】
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた別の500ml四つ口フラスコに、ポリアミドポリアミン含有液(A)を200g(第2級アミノ基として0.3モル)を仕込み、20℃でエピクロロヒドリン5.5g(0.06モル)を加えた後、30℃に加熱して10分間同温度で保持した。次いで、水122gを加えて、50℃まで加熱して粘度が200mPa・s(25℃)に到達するまで同温度で保持した後、30%硫酸と水を加えてpHを6、固形分(ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂)を30%に調整したクレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.8モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.5モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0053】
(実施例2)
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(A)200g(第2級アミノ基として0.3モル)に対しエピクロロヒドリン2.8g(0.03モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.8モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.3モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0054】
(実施例3)
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(A)200g(第2級アミノ基として0.3モル)に対しエピクロロヒドリン10.5g(0.11モル)を加える以外は、実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.7モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.9モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は0.3モル/樹脂1000gであった。
【0055】
(実施例4)
尿素を24g(0.4モル)にする以外は実施例1と同様にして、固形分50%のポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(B)を得た。
【0056】
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(B)200g(第2級アミノ基として0.12モル)に対しエピクロロヒドリン2.1g(0.02モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は1.5モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.2モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0057】
(実施例5)
温度計、冷却器、撹拌機及び窒素導入管を備えた500mL四つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン94.9g(0.92モル)とヘキサメチレンジアミン11.6g(0.1モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸146.1g(1モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、170℃で5時間反応を行った。次いで、反応液を130℃まで冷却し、尿素12g(0.2モル)を加えて同温度で2時間脱アンモニア反応を行った後、水を徐々に加えて固形分50%のポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(C)を得た。
【0058】
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(C)200g(第2級アミノ基として0.25モル)に対しエピクロロヒドリン4.7g(0.05モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.8モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.2モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0059】
(実施例6)
ヘキサメチレンジアミンの代わりにε−カプロラクタム11.3g(0.1モル)を加える以外は実施例5と同様にして、固形分50%のポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(D)を得た。
【0060】
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(D)200g(第2級アミノ基として0.16モル)を仕込み、エピクロロヒドリン3g(0.03モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.8モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.3モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0061】
(実施例7)
30%硫酸の代わり30%水酸化カリウムを加えてpHを10に調製する以外は実施例4と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は1.5モル、エピハロヒドリン残基の含有量は0.3モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。
【0062】
(比較例1)
温度計、冷却器、撹拌機及び窒素導入管を備えた500mL四つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン105.3g(1.02モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸146.1g(1モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、170℃で3時間反応を行った。次いで、水を徐々に加えて固形分50%のポリアミドポリアミン含有液(E)を得た。
【0063】
温度計、還流冷却器、撹拌機及びた別の500ml四つ口フラスコに、ポリアミドポリアミン含有液(E)200g(第2級アミノ基として0.49モルを)を仕込み、20℃でエピクロロヒドリン46g(0.50モル)を加えた後、30℃に加熱して1時間同温度で保持した。次いで、水233gを加えて50℃まで加熱し、粘度が200mPa・s(25℃)に到達するまで同温度で保持した後、30%硫酸と水を加えてpHを6、固形分を30%に調整したクレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、エピハロヒドリン残基の含有量は3.1モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は2.0モル/樹脂1000gであった。
【0064】
(比較例2)
ポリアミドポリアミン含有液(E)200g(第2級アミノ基として0.49モル)に対しエピクロロヒドリン17g(0.18モル)を加える以外は比較例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、エピハロヒドリン残基の含有量は0.7モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は1.2モル/樹脂1000gであった。
【0065】
(比較例3)
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(A)200g(第2級アミノ基として0.3モル)に対しエピクロロヒドリン15g(0.16モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は0.7モル、エピハロヒドリン残基の含有量は1.3モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は1.0モル/樹脂1000gであった。
【0066】
(比較例4)
ジエチレントリアミン206g(2モル)、アジピン酸146g(1モル)及び尿素60g(1モル)を使用する以外は実施例1と同様にして、固形分50%のポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(F)を得た。
【0067】
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(F)200g(第2級アミノ基として0.58モル)に対しエピクロロヒドリン54g(0.58モル)を加える以外は実施例1と同様にして、クレーピング用接着剤を得た。このクレーピング用接着剤に含まれるポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂1000g中の、尿素残基の含有量は1.7モル、エピハロヒドリン残基の含有量は3.5モルであった。またHNMRのチャートからアゼチジニウム環は確認できなかった。

【0068】
ポリアミドポリアミンポリ尿素含有液(A)〜(F)の性状を表1に示した。
【0069】
【表1】

実施例1〜7及び比較例1〜4で得たそれぞれのクレーピング用接着剤について、接着強度の指標としてT字剥離強度、離解性の指標として湿潤紙力強度を測定した。測定結果を表2に示した。
【0070】
<接着強度の評価方法>
接着剤0.1%と鉱物油タイプの離型剤「CR6104」(星光PMC株式会社製)0.02%を含むサンプル液を噴霧器でアルミ箔(3×11cm)に0.1gスプレーし、ホットプレート上で加熱乾燥させた。サンプルが乾燥したアルミ箔の面に湿紙(3×12cm)を貼り合わせ、120℃、3分−100kgf/cmで熱プレスし、湿紙の余分な水分を取り除くと同時にアルミ箔と紙を接着させた。アルミ箔から紙を剥離するときの剥離強度をJ.TAPPI−19−(2)−B法に準拠して測定した。剥離強度が強いほど、接着強度に優れたクレーピング用接着剤である。
【0071】
<損紙離解の評価方法>
クレーピング用接着剤として前記各実施例及び比較例のクレーピング用接着剤を使用し、抄紙機としてノーブルアンドウッド式手抄き抄紙機を使用し、下記抄紙条件でテスト紙を作製した。得られたテスト紙の離解試験を下記条件に従って行った。測定結果を表2に示した。時間が長いほど離解が困難であり、測定の結果が150秒以内を○、150秒よりも長い場合を×とした。
○抄紙条件
使用パルプ:晒クラフトパルプ(針葉樹/広葉樹=3/7)
叩解度(カナディアン スタンダード フリーネス)410ml
クレーピング用接着剤添加率(樹脂分):0.1%(対パルプ固形分)
抄紙坪量:30g/m
乾燥条件:100℃×120sec(ドラムドライヤーを使用)
○離解試験の条件
500mlビーカーに水(25℃)を300ml加え、回転子(直径35mm、厚さ12mmの円盤状のもの)で回転数が600rpmになるように攪拌する。攪拌しながらテスト紙の紙片(5cm角)を加え、テスト紙がほぐれるまでの時間を測定した。
テスト紙がほぐれるまでの時間が短いほど、離解性が良好であることを示す。ほぐれるまでの時間が150秒以内の場合を○、150秒を超えた場合を×とした。
【0072】
【表2】

【0073】
接着強度は100mN/3cmを越え、離解試験の判定が○になることが好ましい。
【0074】
表2に示す結果から明らかな通り、本発明の実施例1〜7のクレーピング用接着剤を用いると、接着強度が約260〜350mN/3cmと十分に強く、且つ、離解試験で150秒を超えることがなく、接着性と離解性の両立が可能となるのに対し、比較例1〜3のクレーピング用接着剤を用いると、接着強度は十分に強いものの、離解試験で150秒を超え、比較例4のクレーピング用接着剤を用いると、離解試験が150秒以内となるものの、接着強度が100mN/3cm未満となり、接着性と離解性の両立が困難となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキレンポリアミン残基、ジカルボン酸残基、尿素残基及びエピハロヒドリン残基からなり、樹脂1000g中に前記尿素残基0.05〜6.0モルと前記エピハロヒドリン残基0.01〜1.2モルを含有するポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂を含有することを特徴とするクレーピング用接着剤。
【請求項2】
前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、樹脂1000g中のアゼチジニウム環の含有量が0.5モル以下のものである請求項1に記載のクレーピング用接着剤。
【請求項3】
前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、固形分15重量%水溶液の25℃における粘度基準で、10〜100mPa・sの範囲内にある粘度を有する請求項1又は2に記載のクレーピング用接着剤。
【請求項4】
前記ポリアルキレンポリアミン残基の前記ジカルボン酸残基に対する割合がモル比基準で0.8〜1.4である請求項1〜3のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤。
【請求項5】
前記ポリアミドポリアミンポリ尿素・エピハロヒドリン樹脂が、ポリアルキレンポリアミン類(A)とジカルボン酸類(B)と尿素類(C)とを反応させて得られるポリアミドポリアミンポリ尿素に、該ポリアミドポリアミンポリ尿素のアミノ基1モルに対してエピハロヒドリン類(D)を0.01〜0.40モル反応させて得られるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤。
【請求項6】
前記ポリアミドポリアミンポリ尿素が、前記ポリアルキレンポリアミン類(A)0.8〜1.4モルと、前記ジカルボン酸類(B)1モルと、前記ポリアルキレンポリアミン類の2級アミノ基1モルに対して尿素類(C)0.05〜1.0モルとを反応させて得られるものである請求項5に記載のクレーピング用接着剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤を用いて、湿った繊維ウェブをヤンキードライヤーに接着させ、乾燥後、前記繊維ウェブを前記ヤンキードライヤー表面からドクターブレードで掻き取ることによりクレープを形成することを特徴とするクレープ紙の製造方法。
【請求項8】
前記クレーピング用接着剤と共にクレーピング離型剤を併用する請求項7に記載のクレープ紙の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のクレーピング用接着剤を用いたことを特徴とするクレープ紙。

【公開番号】特開2007−70740(P2007−70740A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255898(P2005−255898)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000109635)星光PMC株式会社 (102)
【Fターム(参考)】