説明

クロック周波数検出装置

【課題】電子装置において、動作クロックの周波数の異常を、動作クロックを選択的に通過させるフィルタ回路を用いることなく、高精度に検出できるようにする。
【解決手段】PLL回路10にて生成された動作クロックを受けて動作する制御装置2において、動作クロックの周波数の異常判定を行う際には、動作モード切換部32が、半導体メモリ12への書込用電圧を生成するF/V変換回路20のF/V変換特性を、動作クロックの周波数変動に対し出力電圧が略一定となる第1特性から、動作クロックの周波数に対応して出力電圧が変化する第2特性に切り換え、電圧検出部34が、その出力電圧を検出し、周波数異常判定部36が、その検出された電圧値に基づき動作クロックの周波数異常を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定周期のクロック信号に同期して動作する電子装置において、クロック信号の周波数を検出するのに好適なクロック周波数検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロコンピュータやIC等、クロック信号に同期して動作する電子装置80においては、図10に例示するように、発振子4から出力される一定周波数の基準クロックを、PLL回路10を用いて分周若しくは逓倍することにより、動作用のクロック信号(動作クロック)を生成するようにされている。
【0003】
このため、この種の電子装置においては、発振子4の異常発振もしくはPLL回路10の特性のばらつきや温度特性等によって、動作クロックの周波数が変動することがあり、その周波数が許容範囲内にあるか否かを検出する必要がある。
【0004】
一方、入力信号の周波数を検出する周波数検出装置は、通常、検出対象となる一定周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタを備え、入力信号をバンドパスフィルタに入力して、バンドパスフィルタからの出力信号レベルを検出することで、入力信号が所望周波数であるかを検出するようにされている(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
従って、こうした従来の周波数検出装置を用いて、図10のPLL回路10により生成された動作クロックが正常か否かを判定するには、図10の電子装置内に、動作クロックを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)82と、BPF82を通過した所定レベル以上のパルスを検出するパルス検出回路84とを設けるようにすればよい。
【0006】
つまり、このようにすれば、パルス検出回路84にて所定レベル以上のパルスが検出されか否かによって、動作クロックがBPF82の通過周波数帯域に対応した所望周波数であるか否かを判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−198383
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記のようにBPF82及びパルス検出回路84を使って動作クロックの周波数を検出するようにすると、その検出精度が、BPF82及びパルス検出回路84の精度に依存することになる。
【0009】
このため、電子装置の動作クロックを検出するのに、上述した従来の周波数検出装置を用いるようにすると、BPF82及びパルス検出回路84を構成する回路素子の製造上のばらつきの影響を受けて、動作クロックの周波数(延いては周波数の異常)を精度よく検出できないことが考えられる。
【0010】
つまり、例えば、BPF82は、その構成素子である抵抗R、コンデンサC等の特性に数十%もの製造バラツキがあり、しかも、その特性は温度によっても変化することから、BPF82を利用して、動作クロックの周波数を精度よく検出するのは難しい。
【0011】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電子装置の動作クロックの周波数、延いては、周波数の異常を、バンドパスフィルタ等のフィルタ回路を用いることなく、高精度に検出することのできるクロック周波数検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、クロック信号を受けて所定電圧値の電圧信号を生成する電圧信号生成手段を備えた電子装置において、この電子装置の動作クロックとなるクロック信号の周波数を検出するクロック周波数検出装置に関する発明であり、モード切換手段と、周波数検出手段とを備える。
【0013】
そして、モード切換手段は、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とクロック信号の周波数との関係を表す周波数対電圧特性を、通常動作時の第1特性から周波数検出用の第2特性に切り換えることで、電子装置の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換える。
【0014】
また、周波数検出手段は、モード切換手段により電子装置の動作モードが周波数検出モードに切り換えられているときに、電圧信号生成手段から出力される電圧信号(詳しくは第2特性に対応した電圧信号)の電圧値に基づき、クロック信号の周波数を検出する。
【0015】
このため、本発明のクロック周波数検出装置によれば、従来のようにバンドパスフィルタを用いることなく、周波数検出モード時に、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値と第2特性と基づきクロック信号の周波数Fを正確に検出できる。
【0016】
また、本発明では、単に、電圧信号生成手段からの出力に基づきクロック信号の周波数を検出するのではなく、周波数を検出しない通常動作モード時には、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性を第1特性に設定するので、電圧信号生成手段の通常時の動作に影響を与えることなく、クロック信号の周波数を検出できる。
【0017】
ここで、周波数検出手段は、周波数検出モード時の電圧信号生成手段の周波数対電圧特性(第2特性)に基づき、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値に対応する周波数を検出するようにしてもよい。
【0018】
しかし、例えば、電子装置の動作クロックの周波数が正常か否かを判定する際には、周波数検出手段を、請求項2に記載のように構成するとよい。
すなわち、請求項2に記載のクロック周波数検出装置において、周波数検出手段は、電子装置が周波数検出モードにあるとき、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値が予め設定された許容電圧範囲内にあるか否かを判断することで、クロック信号の周波数が、第2特性にて許容電圧範囲に対応する許容周波数範囲内にあるか否かを判定する。
【0019】
この場合、周波数検出手段は、電圧値から一義的に周波数を検出するのではなく、電圧値が許容電圧範囲内にあるか否かによってクロック信号の周波数の異常を判定することから、その判定に用いる許容電圧範囲を、電圧信号生成手段の周波数対電圧特性のバラツキを考慮して設定するようにすれば、クロック信号の周波数が許容周波数範囲内にあるか否かを正確に判定できるようになる。
【0020】
一方、請求項3に記載のクロック周波数検出装置は、モード切換手段と周波数検出手段とを備え、モード切換手段が、電子装置の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換える点では、請求項1、2に記載のクロック周波数検出手段と同じであるが、周波数検出手段による周波数検出手順が、請求項1、2に記載のクロック周波数検出装置と異なる。
【0021】
すなわち、請求項3に記載のクロック周波数検出装置において、周波数検出手段は、モード切換手段により電子装置の動作モードが周波数検出モードに切り換えられているとき、電圧信号生成手段の周波数対電圧特性の切り換えに伴い生じる電圧信号の電圧値の変化を電圧差として検出し、その電圧差に基づきクロック信号の周波数を検出する。
【0022】
このため、請求項3に記載のクロック周波数検出装置によれば、例えば、第1特性及び第2特性における電圧値の差を周波数毎に表す周波数対電圧差特性を用いることにより、各動作モードでの電圧信号の電圧値の差(検出電圧差)から、クロック信号の周波数を検出することができる。
【0023】
また、請求項1に記載のものと同様、通常動作モード時には、電圧信号生成手段の周波数対電圧特性を、通常動作時の第1特性に設定できるので、電圧信号生成手段の通常時の動作に影響を与えることなく、クロック信号の周波数を検出できる。
【0024】
ここで、請求項3に記載の周波数検出手段は、周波数の検出に用いる電圧差として、電子装置の通常動作モード時及び周波数検出モード時に電圧信号生成手段からそれぞれ出力される電圧信号の電圧差を検出するようにしてもよく、或いは、後述の請求項7に記載のように、電子装置の周波数検出モード時に周波数対電圧特性を第2特性から第3特性へ切り換え、これによって得られる第2特性及び第3特性に対応した電圧信号の電圧差を検出するようにしてもよい。
【0025】
そして、前者のように、周波数検出手段において、通常動作モード時に得られる第1特性に対応した電圧信号の電圧値と、周波数検出モード時に得られる第2特性に対応した電圧信号の電圧値との電圧差を検出できるようにするには、請求項4に記載のように電圧値入力手段を設けるとよい。
【0026】
すなわち、請求項4に記載のクロック周波数検出装置において、電圧値入力手段は、電子装置が周波数検出モードにあるとき、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値を、通常動作モード時に電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値と共に、周波数検出手段に入力する。
【0027】
このため、周波数検出手段は、電子装置が周波数検出モードにあるときに電圧値入力手段から入力される2種類の電圧値の電圧差を用いて、クロック信号の周波数を検出することができる。
【0028】
また、このように、電子装置の動作モードが周波数検出モードであるとき、電圧値入力手段から周波数検出手段に2種類の電圧信号の電圧値を入力できるようにするには、請求項5に記載のように電圧値保持手段を設けるか、或いは、請求項6に記載のように基準電圧生成手段を設けるとよい。
【0029】
つまり、請求項5に記載のクロック周波数検出装置において、電圧値保持手段は、電子装置が通常動作モードにあるときに電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値を保持し、その後、電子装置が周波数検出モードに切り換えられても、その電圧値の保持を継続する。
【0030】
そして、電圧値入力手段は、電子装置が周波数検出モードに切り換えられると、電圧値保持手段にて保持された電圧値と、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、周波数検出手段に入力する。
【0031】
このため、請求項5に記載のクロック周波数検出装置において、電圧値入力手段は、電圧値保持手段に保持された電圧値を利用して、周波数検出モード時に上記2種類の電圧値を周波数検出手段に入力することができる。
【0032】
また、請求項6に記載のクロック周波数検出装置において、基準電圧生成手段は、モード切換手段による電子装置の動作モードの切換状態にかかわらず、第1特性にてクロック信号から電圧信号を生成する。
【0033】
そして、電圧値入力手段は、電子装置が周波数検出モードに切り換えられると、基準電圧生成手段から出力される電圧信号の電圧値と、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、周波数検出手段に入力する。
【0034】
このため、請求項6に記載のクロック周波数検出装置において、電圧値入力手段は、一定の周波数対電圧特性(第1特性)を有する基準電圧生成手段にて生成された電圧値を利用して、周波数検出モード時に上記2種類の電圧値を周波数検出手段に入力することができる。
【0035】
一方、請求項7に記載のクロック周波数検出装置においては、モード切換手段が、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性を第1特性から第2特性に切り換え、電子装置の動作モードを周波数検出モードに設定した後、周波数対電圧特性を第2特性から第3特性に変化させる。
【0036】
そして、周波数検出手段は、電子装置が周波数検出モードにあるときに電圧信号生成手段から順次出力される、第2特性及び第3特性に対応した電圧信号の電圧差を検出し、その電圧差に基づきクロック信号の周波数を検出する。
【0037】
従って、この請求項7に記載のクロック周波数検出装置よれば、第2特性及び第3特性における電圧値の差を周波数毎に表す周波数対電圧差特性を用いることにより、第2特性及び第3特性に対応した電圧信号の電圧差からクロック信号の周波数を正確に検出することができるようになる。
【0038】
また、このように、電子装置の動作モードが周波数検出モードであるとき、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性を第2特性から第3特性へ切り換えることにより、周波数検出手段にてクロック信号の周波数を検出できるようにするには、請求項8に記載のように電圧値保持手段と電圧値入力手段を設けるとよい。
【0039】
すなわち、請求項8に記載のクロック周波数検出装置において、電圧値保持手段は、電子装置が周波数検出モードで、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性が第2特性であるとき、電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値を保持し、その後、周波数対電圧特性が前記第3特性に切り換えられても該電圧値の保持を継続する。
【0040】
また、電圧値入力手段は、電子装置が周波数検出モードで、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性が第2特性から第3特性に切り換えられると、電圧値保持手段にて保持された電圧値と、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、周波数検出手段に入力する。
【0041】
このため、請求項8に記載のクロック周波数検出装置において、周波数検出手段は、動作モード切換手段によって、電子装置の動作モードが周波数検出モードに切り換えられ、更に、電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性が第2特性から第3特性に切り換えられた後、電圧値入力手段から入力される2種類の電圧値の電圧差を用いて、クロック信号の周波数を検出することができる。
【0042】
ここで、請求項3〜請求項8に記載のクロック周波数検出装置において、周波数検出手段は、周波数対電圧特性が異なる2種類の環境下で得られる2種類の電圧信号の電圧値の電圧差から、クロック信号の周波数を検出するが、電子装置の動作クロックの周波数が正常か否かを判定する際には、周波数検出手段を、請求項9に記載のように構成するとよい。
【0043】
すなわち、請求項9に記載のクロック周波数検出装置において、周波数検出手段は、2種類の電圧信号の電圧差が予め設定された許容電圧差範囲内にあるか否かを判断することにより、クロック信号の周波数が、上記周波数対電圧差特性にて許容電圧差範囲に対応する許容周波数範囲内にあるか否かを判定する。
【0044】
このため、請求項9に記載のクロック周波数検出装置によれば、モード切換手段により切り換えられる電圧信号の周波数対電圧特性(第1特性と第2特性、或いは、第2特性と第3特性)のばらつきによって、上述した周波数対電圧差特性にばらつきが生じたとしても、そのばらつきを考慮して予め許容電圧差範囲を設定しておくことで、クロック信号の周波数が許容周波数範囲内にあるか否か正確に判定できるようになる。
【0045】
次に、請求項1〜請求項9に記載のクロック周波数検出装置において、モード切換手段によって切り換えられる電圧信号生成手段の周波数対電圧特性の内、通常動作モード時の第1特性は、請求項10に記載のように、クロック信号の周波数の許容変動範囲内での周波数変化に対し電圧信号の電圧値が一定若しくは略一定となる定電圧特性とするとよい。
【0046】
つまり、このようにすれば、電圧信号生成手段は、通常動作モード時に、クロック信号の周波数変動の影響を受けることなく電圧値が一定若しくは略一定の電圧信号を生成して、その生成した定電圧信号が必要な回路に定電圧を供給することができる。
【0047】
またこの場合、周波数検出モード時に設定される電圧信号生成手段の第2特性は、請求項10に記載のように、クロック信号の周波数の許容変動範囲内での周波数の変化に対応して電圧信号の電圧値が一定若しくは略一定の割合で変化するリニア特性にするとよい。
【0048】
そして、このようにすれば、電圧信号生成手段が第2特性で動作しているときに得られる電圧信号の電圧値が、クロック信号の周波数に応じて大きく変化するので、周波数検出手段が、電圧信号生成手段にて生成された電圧信号の電圧値(若しくは電圧差)を用いて、クロック信号の周波数をより正確に検出することが可能となる。
【0049】
なお、請求項7に記載のように、電子装置の動作モードが周波数検出モードであるとき、モード切換手段が、電圧信号生成手段の周波数対電圧特性を第2特性及び第3特性に変化させるようにした場合、第3特性は、第2特性との間で周波数毎に生じる電圧差が、周波数に応じて変化するように設定すればよい。
【0050】
このため、第3特性は、周波数変化に対し電圧値が略一定となる定電圧特性であっても、或いは、周波数変化に対する電圧値の変化割合(傾き)が第2特性と異なるリニア特性であってもよい。
【0051】
また次に、モード切換手段は、電圧信号生成手段がクロック信号を受けて電圧信号を生成する際の周波数対電圧特性を上記各特性に切り換えることができればよく、その切り換えは、モード切換手段が、予め設定された時間間隔で周期的に行うようにしてもよい。
【0052】
しかし、このようにすると、本発明が適用される電子装置の動作状態に関係なく、動作モードが切り換えられてしまい、電子装置の動作に悪影響を与えることも考えられる。
このため、モード切換手段は、請求項11に記載のように、電子装置の内部回路若しくは電子装置を制御する外部回路から電子装置の動作モードの切換指令を受けると、電子装置の動作モードを周波数検出モードに切り換え、周波数検出手段によるクロック信号の周波数検出動作を起動させるようにするとよい。
【0053】
つまり、このようにすれば、電子装置の動作モードの通常動作モードから周波数検出モードへの切り換えを、電子装置の内部回路若しくは電子装置を制御する外部回路からの切換指令によって行うことができ、動作モードの切り換えにより電子装置の動作に異常が生じるのを防止できる。
【0054】
また、電子装置の動作モードを切り換えるに当たって、モード切換手段は、請求項12に記載のように、電圧信号生成手段を構成する回路要素、及び、電圧信号生成手段からの電圧信号の出力経路に接続される回路要素、の少なくとも一つを変更することで、電圧信号の周波数対電圧特性を第1特性から第2特性(若しくは第2特性及び第3特性)に切り換えるように構成するとよい。
【0055】
そして、このようにすれば、電圧信号生成手段が備えられた電子装置において、本発明を適用するために、電圧信号生成手段を新たなものに変更する必要がなく、本発明を低コストで実現できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態の制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】第1実施形態のF/V変換回路のF/V変換特性を表す説明図である。
【図3】第1実施形態の周波数異常判定部の動作を表すフローチャートである。
【図4】第2実施形態の制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【図5】第3実施形態の制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【図6】第3実施形態の周波数異常判定部の動作を表すフローチャートである。
【図7】第3実施形態の電圧差検出部から出力される信号の特性を表す説明図である。
【図8】変形例1の制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【図9】変形例2の制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【図10】従来の電子装置の概略構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
本実施形態のクロック周波数検出装置は、図1に示すように、例えば自動車に搭載される電子制御装置等、マイクロコンピュータを中心に構成される制御装置2に組み込まれ、制御装置2の動作クロックの周波数が正常であるか否かを検出するものである。
【0058】
制御装置2には、図10に示した従来の電子装置と同様、発振子4から入力される一定周波数の基準クロックを分周若しくは逓倍することにより動作クロックを生成するPLL回路10が設けられている。
【0059】
そして、PLL回路10にて生成された動作クロック(一定周波数のクロック信号)は、制御装置2内のマイクロコンピュータを構成するCPU、ROM、RAMや、その周辺回路の動作クロックとして、制御装置2内の各部に供給される。
【0060】
また、制御装置2には、PLL回路10からクロック信号を受けて動作する回路の一つとして、例えば、書き換え可能な不揮発性メモリからなる半導体メモリ12への書込用電圧を生成する周波数/電圧変換回路(以下、F/V変換回路という)20が設けられており、本実施形態のクロック周波数検出装置は、このF/V変換回路20を利用して動作クロックの周波数(詳しくは周波数の異常)を検出する。
【0061】
つまり、本実施形態のクロック周波数検出装置は、F/V変換回路20の動作モードを、通常動作モードから周波数検出モードに切り換える動作モード切換部32と、F/V変換回路20の動作モードが周波数検出モードに切り換えられているときに、動作モード切換部32から指令を受けて、F/V変換回路20から半導体メモリ12に出力される書込用電圧を検出する電圧検出部34と、この電圧検出部34により検出された電圧値に基づき動作クロックの周波数の異常を判定する周波数異常判定部36と、から構成されている。
【0062】
ここでまず、F/V変換回路20は、PLL回路10から入力されるクロック信号(動作クロック)を受けて、図示しない電源回路にて生成された制御装置2内の電源電圧を昇圧するチャージポンプ22を備え、このチャージポンプ22にて昇圧した高電圧を、半導体メモリ12の書込用電圧として出力するよう構成されている。
【0063】
また、F/V変換回路20には、チャージポンプ22から半導体メモリ12への電圧出力経路に一端が接続された定電流源24、及び、定電流源24の他端をグランドラインに接地するか否かを切り換えることで、F/V変換回路20から出力される書込用電圧の周波数対電圧特性(F/V変換特性)を切り換える切換スイッチSW1、が備えられている。
【0064】
つまり、F/V変換回路20は、半導体メモリ12の書込用電圧を生成するものであるため、この電圧を生成するチャージポンプ22は、動作クロックが多少変動しても半導体メモリ12への書き込み動作に影響を与えることのないよう、動作クロックの周波数に対する電圧変化が小さいF/V変換特性(図2(a)に示す第1F/V変換特性)にて書込用電圧を生成するように構成されている。
【0065】
そして、F/V変換回路20において、切換スイッチSW1がオフ状態であれば、半導体メモリ12への電圧出力経路から定電流源24を介してグランドラインに定電流が流れないので、F/V変換回路20のF/V変換特性は、第1F/V変換特性となる。
【0066】
なお、切換スイッチSW1がオフ状態であっても、半導体メモリ12への書き込みがなされてF/V変換回路20に負荷電流が流れた際には、F/V変換回路20のF/V変換特性は第1F/V特性から変化するが、本実施形態では、後述の処理により、半導体メモリ12への書き込み時に動作クロックの周波数が検出されることはないので、半導体メモリ12への書き込み時の特性変化に関する説明は省略する。
【0067】
一方、切換スイッチSW1がオン状態に切り換えられると、半導体メモリ12への電圧出力経路から定電流源24を介してグランドラインに負荷電流が流れる。
このため、F/V変換回路20において、切換スイッチSW1がオン状態であれば、F/V変換特性は、動作クロックの周波数に応じて変化し、動作クロックの周波数が低い程出力電圧が低下するF/V変換特性(図2(a)に示す第2F/V変換特性)となる。
【0068】
次に、切換スイッチSW1は、動作モード切換部32によりオン・オフされる。つまり、動作モード切換部32は、F/V変換回路20を周波数検出モードで動作させるときに、切換スイッチSW1をオンさせ、F/V変換回路20を通常動作モードで動作させるときには、切換スイッチSW1をオフ状態に保持する。
【0069】
この結果、F/V変換回路20からは、動作モードが通常動作モードであれば、周波数変化に対し電圧値が略一定となる第1F/V変換特性(定電圧特性)に対応した電圧信号が出力され、動作モードが周波数検出モードであれば、周波数に対応して電圧値が変化する第2F/V変換特性(リニア特性)に対応した電圧信号が出力されることになる。
【0070】
そして、F/V変換回路20の動作モードが周波数検出モードであるとき、F/V変換回路20から半導体メモリ12への出力電圧を検出すれば、その電圧値と第2F/V変換特性とを利用して、動作クロックの周波数を検出することができる。
【0071】
また、動作クロックの周波数の検出精度を高めるには、図2(a)に示すように、第2F/V変換特性が、動作クロックの目標周波数fo付近で、動作クロックの周波数に対応して出力電圧がリニア(若しくは略リニア)に変化するようにするとよい。
【0072】
また、動作クロックの周波数が目標周波数foを中心とする正常周波数範囲(換言すれば許容周波数範囲)内にあるか否かを判定するには、図2(a)に示すように、F/V変換回路20から半導体メモリ12への出力電圧が、その正常周波数範囲に対応した正常出力電圧範囲内にあるか否かを判断するようにすればよい。
【0073】
そこで、本実施形態では、周波数異常判定部36が動作モード切換部32に動作モードの切換信号を出力することで、動作モード切換部32に対し、F/V変換回路20の動作モードを、通常動作モードから周波数検出モードへ切り換えさせる。
【0074】
また動作モード切換部32は、F/V変換回路20の動作モードを周波数検出モードに切り換えると、同時に電圧検出部34を起動する。
このため、周波数異常判定部36は、動作モード切換部32にF/V変換回路20の動作モードを周波数検出モードへ切り換えさせると、所定の遅延時間後に電圧検出部34から検出結果を読み込み、PLL回路10にて生成されている動作クロックの周波数が正常であるか否かを判断する。
【0075】
以下、このような周波数異常判定部36の動作を、図3に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
なお、周波数異常判定部36は、例えば、制御装置2を構成しているマイクロコンピュータ(詳しくはCPU)が実行する制御処理の一つとして実現されるものであり、図3に示すフローチャートは、周波数異常判定部36としての機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行される周波数異常判定処理を表す。
【0076】
図3に示すように、この周波数異常判定処理が開始されると、まずS110にて、後述のS120〜S180による一連の判定処理を前回実行してから、予め設定された設定時間Toが経過したか否かを判定することにより、設定時間Toが経過するのを待つ。
【0077】
そして、S110にて、設定時間Toが経過したと判断されると、S120に移行して、現在、半導体メモリ12へのデータの書込中か否かを判断する。
現在、半導体メモリ12へのデータの書込中であれば、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードに保持する必要があるため、S120では、再度S110に移行することにより、半導体メモリ12へのデータの書き込みが終了するのを待つ。
【0078】
次に、S120にて、現在、半導体メモリ12へのデータの書込中ではないと判断されると、S130に移行して、動作モード切換部32へ周波数検出モード切換信号を出力することで、動作モード切換部32に、F/V変換回路20の動作モードを、通常動作モードから周波数検出モードへと切り換えさせる。
【0079】
すると、F/V変換回路20では、切換スイッチSW1がオフ状態からオン状態へと切り換えられて、F/V変換回路20のF/V変換特性が、第1F/V変換特性から第2F/V変換特性へと切り換えられる。また、電圧検出部34は、F/V変換回路20からの出力電圧の検出を開始する。
【0080】
このため、周波数異常判定部36では、S130にて周波数検出モード切換信号を出力した後は、S140にて、電圧検出部34による検出結果が安定するのに要する遅延時間△Tが経過するのを待ち、遅延時間△Tが経過すると、S150に移行して、電圧検出部34から検出電圧を読み込む。
【0081】
次に、続くS160では、S150にて読み込んだ検出電圧が、F/V変換回路20の第2F/V変換特性に基づき予め設定された正常出力電圧範囲(図2(a)参照)から外れているか否か判断することで、PLL回路10で生成された動作クロックの周波数に異常があるか否かを判断する。
【0082】
なお、この異常判定に用いられる正常出力電圧範囲は、予めメモリ(図示せず)に記憶されている。
そして、S160にて、動作クロックの周波数に異常はないと判断されると、S180に移行し、動作モード切換部32へ通常動作モード切換信号を出力することで、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードへ切り換えさせ、再度S110に移行する。
【0083】
一方、S160にて、動作クロックの周波数に異常があると判断されると、S170に移行して、S160の処理による動作クロック周波数の連続異常判定回数が、予め設定された故障判定値Nを越えたか否かを判断する。
【0084】
そして、連続異常判定回数が故障判定値Nを越えていれば、発振子4やPLL回路10、若しくは、PLL回路10に接続された制御装置2内の回路に何らかの異常が生じているものと判断して、当該制御装置2をリセットすることで、当該制御装置2の内部回路を再起動させる。
【0085】
また、S170にて、動作クロック周波数の連続異常判定回数が故障判定値Nを越えていないと判断されると、S180に移行して、動作モード切換部32に、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードへ切り換えさせ、再度S110に移行する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のクロック周波数検出装置によれば、動作モード切換部32により、制御装置2に内蔵されたF/V変換回路20のF/V変換特性を、通常動作用の第1F/V変換特性から、周波数検出用の第2F/V変換特性に切り換え、F/V変換回路20が第2F/V変換特性で動作しているとき(周波数検出モード)にF/V変換回路20からの出力電圧を電圧検出部34にて検出し、周波数異常判定部36が、その検出電圧から、F/V変換回路20に入力されるクロック信号(換言すれば制御装置2の動作クロック)の周波数が正常か否かを判断する。
【0087】
このため、本実施形態のクロック周波数検出装置によれば、従来の周波数検出装置のように、バンドパスフィルタを用いることなく、PLL回路10にて生成されたクロック信号(動作クロック)の周波数が正常か否かを検出することができる。
【0088】
よって、本実施形態の制御装置2によれば、クロック周波数検出装置として、従来の周波数検出装置を用いた場合に比べて、制御装置2の動作クロックの周波数が正常か否か(換言すれば、制御装置2がPLL回路10にて生成されたクロック信号により正常に動作しているか否か)を、精度よく判定することができる。
【0089】
また、本実施形態のクロック周波数検出装置は、単にF/V変換回路20からの出力に基づきクロック信号(動作クロック)の周波数の異常を判定するのではなく、周波数の異常判定を実施しないときには、F/V変換回路20を通常動作モードで動作させることで、F/V変換回路20からの出力電圧を、半導体メモリ12の書込用電圧として利用できるようにする。
【0090】
このため、本実施形態のクロック周波数検出装置によれば、制御装置2に設けられている既存のF/V変換回路20を利用して実現することができ、制御装置2に周波数検出専用のF/V変換回路を別途設ける必要がないので、装置構成を簡単にすることができる。
【0091】
なお、本実施形態のクロック周波数検出装置においては、周波数異常判定部36が、電圧検出部34にて検出された電圧値が正常出力電圧範囲内にあるか否かによって、クロック信号の周波数が正常周波数範囲内にあるか否かを判断するが、この正常出力電圧範囲は、チャージポンプ22等の特性のばらつきを考慮して設定することが望ましい。
【0092】
つまり、F/V変換回路20を構成するチャージポンプ22は、PLL10から入力されるクロック信号(動作クロック)により、前段のコンデンサに蓄積された電荷を、逆流防止用のダイオードを介して次段のコンデンサへと転送することで、最終段のコンデンサからの出力電圧を電源電圧よりも高い電圧値に昇圧する。
【0093】
このため、F/V変換回路20からの出力電圧は、動作クロックの周波数だけでなく、チャージポンプ22を構成しているコンデンサの容量やダイオードの順方向電圧、コンデンサによる昇圧段数等によっても変化する。
【0094】
そして、F/V変換回路20が通常動作モードで動作しているときには、F/V変換特性が、クロック信号の周波数が変化しても出力電圧が略一定となる第1F/V変換特性に設定されることから、チャージポンプ22のコンデンサ容量等がばらついても、F/V変換回路20のF/V変換特性が大きく変化することはない。
【0095】
しかし、F/V変換回路20の動作モードが周波数検出モードに切り換えられたときに設定される第2F/V変換特性は、出力電圧がクロック信号の周波数に対応してリニア(若しくは略リニア)に変化することから、図2(b)に示すように、チャージポンプ22のコンデンサ容量等のばらつきの影響を受けて、変化するようになる。
【0096】
従って、本実施形態のように、電圧検出部34にて検出された電圧値が正常出力電圧範囲内にあるか否かによって、クロック信号の周波数が正常周波数範囲内にあるか否かを判断する際には、チャージポンプ22のコンデンサ容量がばらついてもクロック信号の周波数の正常/異常を正確に判定できるようにすることが望ましい。
【0097】
そして、そのためには、図2(b)に示すように、正常周波数範囲内の最低周波数で電圧値が最も高い第2F/V変換特性の電圧値を、正常電圧範囲の下限値とし、正常周波数範囲内の最大周波数で電圧値が最も低い第2F/V変換特性の電圧値を、正常電圧範囲の上限値として設定するようにすればよい。
【0098】
ここで、本実施形態においては、制御装置2が特許請求の範囲に記載の電子装置に相当し、F/V変換回路20が、特許請求の範囲に記載の電圧信号生成手段に相当する。また、動作モード切換部は、本発明のモード切換手段に相当し、電圧検出部34及び周波数異常判定部36は、本発明の周波数検出手段に相当し、第1F/変換特性及び第2F/V変換特性は、本発明の第1特性及び第2特性にそれぞれ相当する。
[第2実施形態]
次に、図4は、本発明が適用された第2実施形態のクロック周波数検出装置を備えた制御装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0099】
図4に示すように、本実施形態の制御装置2は、第1実施形態の制御装置と同様、マイクロコンピュータを中心に構成されるものであり、動作クロック生成用のPLL回路10、半導体メモリ12、及び、半導体メモリ12への書込用電圧を生成するF/V変換回路20を備える。
【0100】
また、制御装置2には、クロック周波数検出装置として、電圧検出部34、周波数異常判定部36、及び動作モード切換部32を備える。
そして、本実施形態の制御装置2の第1実施形態との相違点は、F/V変換回路20が、動作モード切換用の切換スイッチSW1を内蔵したチャージポンプ22だけで構成されている点であり、その他の構成は、第1実施形態に記載のものと同様である。
【0101】
図4に示すように、F/V変換回路20を構成するチャージポンプ22は、電源回路(図示せず)から電源電圧VDD(直流定電圧)を受けて出力側に順次電流を流すように直列接続された5個のダイオードD1〜D5と、各ダイオードD1〜D5のカソードにそれぞれ接続されたコンデンサC1〜C5とを備える。
【0102】
5個のダイオードD1〜D5の内、最終段のダイオードD5のカソードには、半導体メモリ12への電圧出力経路が接続されている。また、そのカソードに接続されたコンデンサC5の他端は、グランドラインに接地されている。
【0103】
また、初段と3段目のダイオードD1、D3のカソードに一端が接続されたコンデンサC1、C3の他端は、PLL回路10からの動作クロックの入力経路に接続され、2段目と4段目のダイオードD2、D4のカソードに一端が接続されたコンデンサC2、C4の他端は、PLL回路10からの動作クロックの入力経路にインバータINV1を介して接続されている。
【0104】
そして、動作モード切換用の切換スイッチSW1は、PLL回路10からの動作クロックの入力経路とコンデンサC1との間に接続されており、動作モード切換部32は、この切換スイッチSW1のオン/オフ状態を切り換えることで、F/V変換回路20の動作モードを切り換える。
【0105】
つまり、F/V変換回路20(換言すればチャージポンプ22)を構成するコンデンサC1〜C4において、ダイオードD1〜D4とは反対側に印加される電圧がローレベルであれば、各ダイオードD1〜D4を介して入力される電圧により電荷が蓄積される。
【0106】
また、ダイオードD1〜D4とは反対側に印加される電圧がハイレベルになると、コンデンサC1〜C4のダイオード側の電位が、その印加電圧分だけ上昇し、ダイオードD2〜D5を介して後段のコンデンサC2〜C5に電荷が転送される。
【0107】
そして、各コンデンサC1〜C4のダイオードD1〜D4とは反対側には、動作クロックが交互に反転して印加されることから、最終段のコンデンサC5のダイオードD5側の電位は動作クロックに同期して順次上昇し、F/V変換回路20から半導体メモリ12には、電源電圧VDDを昇圧した書込用電圧が出力される。
【0108】
また、F/V変換回路20から半導体メモリ12への出力電圧は、図2に示したように動作クロックの周波数に応じて変化し、動作クロックの周波数が同じであれば、昇圧に用いるコンデンサの段数に応じて変化する。
【0109】
そこで、本実施形態では、動作モード切換部32が、周波数異常判定部36から指定された動作モードに応じて、通常動作モードでは切換スイッチSW1をオン状態にし、周波数検出モードでは切換スイッチSW1をオフ状態に切り換えることで、F/V変換回路20のF/V変換特性が、図2(a)に示した第1F/V変換特性から第2F/V変換特性へと切り換えられるように、コンデンサC1〜C5の容量を設定している。
【0110】
このように、本実施形態では、第1実施形態のように、チャージポンプ22の出力側に定電流源24を接続するか否かを切り換えるのではなく、チャージポンプ22を構成するコンデンサの段数を切り換えることで、F/V変換回路20のF/V変換特性を、第1F/V変換特性と第2F/V変換特性との間で切り換える。
【0111】
従って、本実施形態によれば、チャージポンプ22に定電流源24を外付けすることなく、第1実施形態と同様に、F/V変換回路20のF/V変換特性を切り換え、動作クロックの周波数の異常を判定することができるようになる。
[第3実施形態]
次に、図5は、本発明が適用された第3実施形態のクロック周波数検出装置を備えた制御装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0112】
図5に示すように、本実施形態の制御装置2は、上述した第1、第2実施形態の制御装置と同様、マイクロコンピュータを中心に構成されるものであり、動作クロック生成用のPLL回路10、半導体メモリ12、及び、半導体メモリ12への書込用電圧を生成するF/V変換回路20を備える。
【0113】
そして、制御装置2には、クロック周波数検出装置として、電圧差検出部38、周波数異常判定部36、及び動作モード切換部32が設けられている。
ここで、本実施形態のF/V変換回路20には、第1実施形態のものと同様、チャージポンプ22、定電流源24、及び切換スイッチSW1が設けられている。
【0114】
また、定電流源24と切換スイッチSW1とからなる直列回路には、定電流源24とは通電時の電流値が異なる定電流源26と切換スイッチSW2とからなる直列回路が並列接続されている。
【0115】
そして、これら2つの定電流源24,26が接続される電圧出力経路は、切換スイッチSW3を介してサンプルホールド回路(S/H回路)28の入力端子に接続されると共に、切換スイッチSW4を介して、電圧差検出部38の一方の入力端子に接続されている。
【0116】
なお、S/H回路28の出力端子は、電圧差検出部38のもう一方の入力端子に接続されており、S/H回路28は、動作モード切換部32からの指令に従い、切換スイッチSW3のオン時に出力電圧をサンプルホールドし、電圧差検出部38に出力する。
【0117】
また、電圧差検出部38は、S/H回路28にてサンプルホールドされた出力電圧の電圧値と、切換スイッチSW4のオン時に入力される出力電圧の電圧値との電圧差を検出するものであり、その検出タイミングは、動作モード切換部32からの指令によって制御される。
【0118】
次に、本実施形態の動作モード切換部32は、周波数異常判定部36から周波数検出モード切換信号を受けると、図6の右欄に示す一連の動作によって、F/V変換回路20内の切換スイッチSW1及びSW3、SW2及びSW4を順次オンさせることで、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換える。また、動作モード切換部32は、SW2及びSW4をオンするのに同期して、電圧差検出部38を駆動する。
【0119】
以下、この動作モード切換部32の動作を、図6の右欄に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、図6の左欄に示すフローチャートは、本実施形態の周波数異常判定部36にて実行される周波数異常判定処理を表しており、図3に示した第1実施形態の周波数異常判定処理と異なる点は、S150、S160の処理に代えて、S155、S165の処理を実行する点である。
【0120】
そして、S155では、電圧差検出部38から電圧差△Vを読み込み、S165では、その電圧差△Vから動作クロックの周波数の異常を判定するが、この一連の処理については、後に詳しく説明する。
【0121】
図6に示すように、動作モード切換部32は、周波数異常判定部36から周波数検出モード切換信号を受けると、まずS210にて、切換スイッチSW1、SW3をオン状態に切り換え、S220に移行する。なお、切換スイッチSW1〜SW4は、通常動作モード時には、全てオフ状態に保持されるものとする。
【0122】
次に、S220では、S210にて切換スイッチSW1、SW3をオン状態に切り換えてから、F/V変換回路20のF/V変換特性が第2F/V変換特性に安定するのに要する遅延時間△T1が経過するのを待ち、遅延時間時間△T1が経過すると、S230に移行する。
【0123】
この結果、S/H回路28は、F/V変換回路20のF/V変換特性が第2F/V変換特性であるとき、F/V変換回路20から半導体メモリ12に出力される電圧信号をラッチし、その電圧値を電圧差検出部38に出力するようになる。
【0124】
このように、S230に移行すると、切換スイッチSW1、SW3をオフ状態に戻し、切換スイッチSW2、SW4をオン状態に切り換える。
この結果、F/V変換回路20のF/V変換特性は、定電流源24に流れる電流値に対応した第2F/V変換特性から、定電流源26に流れる電流値に対応した第3F/V変換特性に切り換えられる。
【0125】
このため、動作モード切換部32は、続くS240にて、F/V変換回路20のF/V変換特性が第3F/V変換特性に安定するのに要する所定の遅延時間△T2が経過するのを待ち、遅延時間△T2が経過すると、S250に移行して、電圧差検出部38を駆動する。
【0126】
この結果、電圧差検出部38は、S/H回路28にてラッチされた第2F/V変換特性での出力電圧の電圧値と、切換スイッチSW4を介して入力される第3F/V特性での出力電圧の電圧値との電圧差△Vを検出して、その電圧差△Vを出力するようになる。
【0127】
このようにS250にて電圧差検出部38を駆動すると、動作モード切換部32は、S260に移行して、周波数異常判定部36から通常動作モード切換信号が入力されるのを待ち、通常動作モード切換信号が入力されると、切換スイッチSW2、SW4をオフ状態に戻し、S/H回路28をリセットする。
【0128】
この結果、F/V変換回路20内の全ての切換スイッチSW1〜SW4がオフ状態になり、F/V変換回路20の動作モードが通常動作モードに切り換えられることになる。
一方、周波数異常判定部36にて実行される周波数異常判定処理では、S130にて、動作モード切換部32に周波数検出モード切換信号を出力すると、S140にて、その後、所定の遅延時間△Tが経過するのを待つ。
【0129】
この遅延時間△Tには、動作モード切換部32がS220及びS240にて計時する遅延時間△T1、△T2を加えた時間以上の時間が設定されており、S140にて遅延時間△Tが経過したと判定すると、S155に移行して、電圧差検出部38から電圧差△Vを読み込む。
【0130】
そして、続くS165では、S155で読み込んだ電圧差△Vが、図7(a)に示す周波数対電圧差特性(F/△V特性)に基づき予め設定された正常電圧差範囲から外れているか否か判断することで、PLL回路10で生成された動作クロックの周波数に異常があるか否かを判断する。
【0131】
なお、図7(a)に示すF/△V特性は、F/V変換回路20が第2F/V変換特性で動作しているときに得られる出力電圧の電圧値と、F/V変換回路20が第3F/V変換特性で動作しているときに得られる出力電圧の電圧値との差(つまり電圧差)△Vを、動作クロックの周波数毎に記述したものである。
【0132】
そして、F/V変換回路20の第3F/V変換特性には、第2F/V変換特性とは周波数に対する電圧値の傾斜は異なるものの、第2F/V変換特性と同様に、周波数に対応して電圧値が変化するリニア特性に設定されているため、F/△V特性において、電圧差△Vは、動作クロックの周波数が低い程、大きくなる。
【0133】
このため、S165にて動作クロックの周波数に異常があるか否かを判定するのに用いる正常電圧差範囲には、図7(a)に示すF/△V特性において、動作クロックの正常周波数範囲に対応した電圧差△Vの上・下限値が設定されている。
【0134】
次に、S165にて、動作クロックの周波数に異常はないと判断されると、S180に移行して、動作モード切換部32へ通常動作モード切換信号を出力することで、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードへ切り換えさせ、再度S110に移行する。
【0135】
また、S165にて、動作クロックの周波数に異常があると判断された場合には、S170に移行して、S165の処理による動作クロック周波数の連続異常判定回数が、予め設定された故障判定値Nを越えたか否かを判断する。
【0136】
そして、連続異常判定回数が故障判定値Nを越えていれば、発振子4やPLL回路10、若しくは、PLL回路10に接続された制御装置2内の回路に何らかの異常が生じているものと判断して、当該制御装置2をリセットすることで、当該制御装置2の内部回路を再起動させる。
【0137】
また、S170にて、動作クロック周波数の連続異常判定回数が故障判定値Nを越えていないと判断されると、S180に移行して、動作モード切換部32に、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードへ切り換えさせ、再度S110に移行する。
【0138】
以上説明したように、本実施形態のクロック周波数検出装置によれば、動作クロックの周波数が正常であるか否かを検査する際には、動作モード切換部32が、F/V変換回路20のF/V変換特性を、通常動作用の第1F/V変換特性から、周波数検出用の第2、第3F/V変換特性に順次切り換え、電圧差検出部38に、第2、第3F/V変換特性で動作しているときにF/V変換回路20から出力される電圧信号の電圧値の電圧差△Vを検出させる。
【0139】
そして、周波数異常判定部36が、電圧差検出部38にて検出された電圧差△Vから、F/V変換回路20に入力されるクロック信号(換言すれば制御装置2の動作クロック)の周波数が正常か否かを判断する。
【0140】
このため、本実施形態のクロック周波数検出装置においても、第1、第2実施形態のクロック周波数検出装置と同様、PLL回路10にて生成されたクロック信号(動作クロック)の周波数が正常か否かを精度よく判定することができる。
【0141】
また、本実施形態のクロック周波数検出装置においては、F/V変換回路20を第2F/V変換特性及び第3F/V変換特性で動作させたときの出力電圧の差に基づき、動作クロックの周波数が正常か否かを判定することから、出力電圧に影響を与える回路要素の製造バラツキや温度特性による判定誤差をなくし、第1、第2実施形態のものよりも周波数の異常判定精度を高くすることができる。
【0142】
つまり、例えば、チャージポンプ22からの出力電圧は、コンデンサ容量やダイオードの順方向電圧、コンデンサによる昇圧段数や電源電圧VDD等によって変化するが、本実施形態のように電圧差△Vを検出するようにすれば、チャージポンプ22のダイオードの順方向電圧や昇圧段数や電源電圧による出力電圧の変化は相殺される。このため、本実施形態によれば、第1、第2実施形態のものよりも周波数の異常判定精度を高くすることができるのである。
【0143】
なお、本実施形態のクロック周波数検出装置において、電圧差△Vによる動作クロック周波数の検出精度は、定電流源24、26による負荷電流の差とコンデンサ容量に依存する。
【0144】
そして、定電流源24、26を同一チップ内に形成すれば、定電流源24、26による電流差の精度は保証できるため、電圧差△Vによる動作クロック周波数の検出精度は、概ね、コンデンサ容量だけに依存し、図7(b)に示すように、F/△V特性は、コンデンサ容量のばらつきにより変化することになる。
【0145】
このため、動作クロックの周波数の異常判定精度をより高めるには、図7(b)に示すようにF/△V特性のばらつきを考慮し、F/△V特性にばらつきがあっても動作クロックの周波数範囲が正常周波数範囲内となる電圧差△Vの上限値及び下限値を求め、この電圧範囲を、判定用の正常電圧差範囲として設定するとよい。
【0146】
ここで、本実施形態においては、S/H回路28が、本発明の電圧値保持手段に相当し、切換スイッチSW3、SW4及びこれを駆動する動作モード切換部32が本発明の電圧値入力手段に相当する。
【0147】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
[変形例1]
上記各実施形態では、F/V変換回路20は、マイクロコンピュータからなる制御装置2に組み込まれるものとして説明したが、本発明は、例えば、図8に示すように、F/V変換回路20が、半導体メモリ12への電源供給用の電源装置(IC)50として、マイクロコンピュータ40とは別体で構成されていても、上記実施形態と同様に適用することができる。
【0148】
つまり、図8に示すように、マイクロコンピュータ40と別体で構成された電源装置(IC)50にF/V変換回路20が設けられている場合、電圧差検出部38及び動作モード切換部32を電源装置(IC)50内に設け、図6に示す周波数異常判定処理をマイクロコンピュータ40に実行させるようにすれば、第3実施形態と同様のクロック周波数検出装置を実現することができる。
[変形例2]
また、上記各実施形態では、制御装置2に設けられるF/V変換回路20は一つであるものとして説明したが、図9に示すように、制御装置2に、同一構成のチャージポンプからなる2つのF/V変換回路20、21を搭載するようにしてもよい。
【0149】
この場合、例えば、一方のF/V変換回路20は、図1に示した第1実施形態のものと同様に構成し、他方のF/V変換回路21は、F/V変換特性が第1F/V変換特性に固定された基準電圧生成手段として構成する。
【0150】
そして、半導体メモリ12への書込用電圧の供給は、基準電圧生成手段としてのF/V変換回路21から行い、F/V変換回路20は、第1実施形態と同様、動作モード切換部32により動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換えるようにする。
【0151】
また、制御装置2には、第1実施形態の電圧検出部34に代えて、第3実施形態の電圧差検出部38を設け、動作モード切換部32が、F/V変換回路20の動作モードを周波数検出モードに切り換えてから、F/V変換回路20の出力が安定するのに要する所定の待機時間△T3が経過したタイミングで、電圧差検出部38を駆動し、周波数異常判定部36が、電圧差検出部38にて検出された電圧差△Vに基づき、動作クロックの周波数の異常を判定するようにする。
【0152】
この結果、図9に示したクロック周波数検出装置によれば、周波数異常判定部36は、第3実施形態のものと同様の手順(図6に示した周波数異常判定処理)で、動作クロックの周波数の異常を判定することができるようになる。
【0153】
なお、電圧差検出部38が電圧差△Vを検出する際、半導体メモリ12がデータの書き込み中であると、F/V変換回路21からの出力電圧が半導体メモリ12に流れる負荷電流によって変動することから、周波数異常判定部36が動作モード切換部32に周波数検出モード切換信号を出力する条件の一つとして、上記各実施形態と同様、半導体メモリ12への書き込みがなされていないこと(S120:NO)、を設定することが望ましい。
【0154】
つまり、このようにすれば、電圧差△Vを検出するときのF/V変換回路20、21の動作条件を一定にして、動作クロックの周波数の検出精度が低下するのを防止できる。
[変形例3]
また次に、図5に示した第3実施形態のクロック周波数検出装置では、F/V変換回路20に、2つの定電流源24、26及び切換スイッチSW1、SW2を設け、F/V変換回路20の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換えた際には、2つの切換スイッチSW1、SW2を順にオンさせることで、F/V変換回路20のF/V変換特性を第2F/V変換特性、第3F/V変換特性へと順に切り換えるものとして説明したが、定電流源と切換スイッチとは、第1実施形態と同様に一つだけ設けるようにしてもよい。
【0155】
そして、この場合、切換スイッチSW1がオフ状態に保持される通常動作モード時には、半導体メモリ12がデータの書き込みを停止していることを条件として、切換スイッチSW3をオンし、半導体メモリ12に出力される出力電圧をS/H回路28にてサンプルホールドさせる。
【0156】
また、切換スイッチSW1がオン状態に切り換えられる周波数検出モード時には、切換スイッチSW4をオンして、電圧差検出部38を駆動することで、電圧差検出部38に、S/H回路28に保持された通常動作モード時の出力電圧と周波数検出モード時に半導体メモリ12に出力される出力電圧との電圧差△Vを検出させる。
【0157】
つまり、このようにしても、第3実施形態のクロック周波数検出装置と同様に、電圧差検出部38にて検出された電圧差△Vから、動作クロックの周波数の異常を検出することができるようになる。
【0158】
そして、この場合、図5に示したものから、定電流源26と切換スイッチSW2とを削除することができるので、F/V変換回路20(延いては制御装置2)の構成を簡単にすることができる。
[変形例4]
次に、上記実施形態では、電圧信号生成手段としてのF/V変換回路20は、チャージポンプにて構成されるものとして説明したが、本発明は、例えば、パルス信号を積分することで動作クロックの周波数に対応した電圧信号を発生する積分型のF/Vコンバータ等、クロック周波数検出装置の搭載対象となる電子装置に設けられて、動作クロックの周波数に対応した電圧信号を発生する回路であれば、上記実施形態と同様、その回路を利用して、動作クロックの周波数(若しくは周波数の異常)を検出することができる。
【符号の説明】
【0159】
2…制御装置、4…発振子、10…PLL回路、12…半導体メモリ、20,21…F/V変換回路、22…チャージポンプ、24,26…定電流源、28…S/H回路(サンプルホールド回路)、32…動作モード切換部、34…電圧検出部、36…周波数異常判定部、38…電圧差検出部、40…マイクロコンピュータ、SW1〜SW4…切換スイッチ、C1〜C5…コンデンサ、D1〜D5…ダイオード、INV1…インバータ、82…BPF(バンドパスフィルタ)、84…パルス検出回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号を受けて所定電圧値の電圧信号を生成する電圧信号生成手段を備えた電子装置に設けられ、前記クロック信号の周波数を検出するクロック周波数検出装置であって、
前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値と前記クロック信号の周波数との関係を表す周波数対電圧特性を、通常動作時の第1特性から周波数検出用の第2特性に切り換えることで、前記電子装置の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段により前記電子装置の動作モードが前記周波数検出モードに切り換えられているとき、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値に基づき、前記クロック信号の周波数を検出する周波数検出手段と、
を備えたことを特徴とするクロック周波数検出装置。
【請求項2】
前記周波数検出手段は、前記電子装置が前記周波数検出モードにあるとき、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値が予め設定された許容電圧範囲内にあるか否かを判断することで、前記クロック信号の周波数が、前記第2特性にて前記許容電圧範囲に対応する許容周波数範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項3】
クロック信号を受けて所定電圧値の電圧信号を生成する電圧信号生成手段を備えた電子装置に設けられ、前記クロック信号の周波数を検出するクロック周波数検出装置であって、
前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値と前記クロック信号の周波数との関係を表す周波数対電圧特性を、通常動作時の第1特性から周波数検出用の第2特性に切り換えることで、前記電子装置の動作モードを通常動作モードから周波数検出モードに切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段により前記電子装置の動作モードが前記周波数検出モードに切り換えられているとき、前記電圧信号生成手段の周波数対電圧特性の切り換えに伴い生じる前記電圧信号の電圧値の変化を電圧差として検出し、該電圧差に基づき前記クロック信号の周波数を検出する周波数検出手段と、
を備えたことを特徴とするクロック周波数検出装置。
【請求項4】
前記電子装置が周波数検出モードにあるとき、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値を、前記通常動作モード時に前記電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値と共に、前記周波数検出手段に入力する電圧値入力手段を備え、
前記周波数検出手段は、前記電子装置が周波数検出モードにあるときに前記電圧値入力手段から入力される前記各電圧値の電圧差を用いて、前記クロック信号の周波数を検出することを特徴とする請求項3に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項5】
前記電子装置が通常動作モードにあるときに前記電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値を保持し、前記電子装置が周波数検出モードに切り換えられても該電圧値の保持を継続する電圧値保持手段を備え、
前記電圧値入力手段は、前記電子装置が周波数検出モードに切り換えられると、前記電圧値保持手段にて保持された電圧値と、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、前記周波数検出手段に入力することを特徴とする請求項4に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項6】
前記モード切換手段による前記電子装置の動作モードの切換状態にかかわらず前記第1特性にて前記クロック信号から電圧信号を生成する基準電圧生成手段を備え、
前記電圧値入力手段は、前記電子装置が周波数検出モードに切り換えられると、前記基準電圧生成手段から出力される電圧信号の電圧値と、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、前記周波数検出手段に入力することを特徴とする請求項4に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項7】
前記モード切換手段は、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性を前記第1特性から前記第2特性に切り換え、前記電子装置の動作モードを周波数検出モードに設定した後、前記周波数対電圧特性を前記第2特性から該第2特性とは異なる第3特性に変化させ、
前記周波数検出手段は、前記電子装置が周波数検出モードにあるときに前記電圧信号生成手段から順次出力される、前記第2特性及び前記第3特性に対応した電圧信号の電圧差を検出し、該電圧差に基づき前記クロック信号の周波数を検出することを特徴とする請求項3に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項8】
前記電子装置が周波数検出モードで前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性が第2特性であるとき、前記電圧信号生成手段から出力された電圧信号の電圧値を保持し、その後、前記周波数対電圧特性が前記第3特性に切り換えられても該電圧値の保持を継続する電圧値保持手段と、
前記電子装置が周波数検出モードで、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の周波数対電圧特性が前記第2特性から前記第3特性に切り換えられると、前記電圧値保持手段にて保持された電圧値と、前記電圧信号生成手段から出力される電圧信号の電圧値とを、前記周波数検出手段に入力する電圧値入力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項9】
前記周波数検出手段は、前記電圧差が予め設定された許容電圧差範囲内にあるか否かを判断することにより、前記クロック信号の周波数が許容周波数範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1項に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項10】
前記モード切換手段により切り換えられる前記電圧信号生成手段の周波数対電圧特性の内、前記第1特性は、前記クロック信号の周波数の許容変動範囲内での周波数変化に対し前記電圧信号の電圧値が一定若しくは略一定となる定電圧特性であり、前記第2特性は、前記クロック信号の周波数の許容変動範囲内での周波数の変化に対応して前記電圧信号の電圧値が一定若しくは略一定の割合で変化するリニア特性であることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項11】
前記モード切換手段は、前記電子装置の内部回路若しくは前記電子装置を制御する外部回路から前記電子装置の動作モードの切換指令を受けると、前記電子装置の動作モードを前記周波数検出モードに切り換え、前記周波数検出手段による前記クロック信号の周波数検出動作を起動させることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のクロック周波数検出装置。
【請求項12】
前記モード切換手段は、前記電圧信号生成手段を構成する回路要素、及び、前記電圧信号生成手段からの前記電圧信号の出力経路に接続される回路要素、の少なくとも一つを変更することで、前記周波数対電圧特性を前記第1特性から前記第2特性に切り換えることを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載のクロック周波数検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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