説明

クローラ走行装置

【課題】クローラベルトの係合用凹部と駆動スプロケットの駆動爪体との係合を行い易く、かつクローラベルトと駆動スプロケットとのベルト幅方向での位置ずれを抑制し得るクローラ走行装置を提供する。
【解決手段】クローラベルト6の内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体31と係合する係合用凹部62を備え、この係合用凹部62のベルト幅方向での端面62aが内奥側ほど幅狭となるテーパー面に形成され、駆動スプロケットは、左右の芯金突起63との間に嵌り込む円盤状部材30の外周側に駆動爪体31を備え、円盤状部材30の周方向よりも左右方向に長く形成された駆動爪体31の左右方向での端面31aが半径方向外方側ほど幅狭となるテーパー面に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のクローラ走行装置では、クローラベルトの周方向で一定ピッチで埋設された芯金同士の間におけるゴム製のベルト本体部分に、ベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成された係合用凹部を設け、前記クローラベルトを駆動する駆動スプロケットには、前記係合用凹部の長手方向と同じ方向に長く形成された駆動爪体を備えさせ、駆動爪体と係合用凹部との係合箇所における接触面積を大きくすることにより、クローラベルトのゴム製のベルト本体に対して駆動爪体の大きな駆動力を伝えられるようにした構造のものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−78796号公報(段落〔0031〕、〔0041〕、図1、図2、図3、図5、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のクローラ走行装置では、クローラベルトのベルト本体部分に形成された係合用凹部と、その係合用凹部の長手方向と同じ方向に長く形成された駆動爪体を備えた駆動スプロケットを用いて、駆動爪体と係合用凹部との接触面積を大きくしているが、次のような問題がある。
すなわち、このように、ベルト本体部分に形成された係合用凹部に、その係合用凹部の長手方向と同じ方向に長く形成された駆動爪体を係合させて動力伝達を行う構造のものでは、クローラベルトと駆動スプロケットとのベルト幅方向での位置ずれを抑制する機能を備えていない。
このため、機体進行方向での左右方向が傾斜した路面である場合などに、クローラベルトと駆動スプロケットとのベルト幅方向での位置ずれが生じ、ベルト本体部分に形成された係合用凹部と駆動爪体とがうまく係合されない事態が生じる可能性がある。
これを回避するために、例えば駆動爪体の左右方向幅よりも係合用凹部のベルト幅方向での寸法を十分余裕のある大きさに設定して係合し易くすることが考えられる。しかしながら、そのように係合用凹部のベルト幅方向寸法を大きくすると、駆動爪体が係合用凹部内においてベルト幅方向でのどの位置で係合するかが安定せず、結局駆動爪体が係合用凹部の一端側に寄って外れやすくなったり、無用に長くなる係合用凹部の存在によってクローラベルトの強度が低減するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、クローラベルトの係合用凹部と駆動スプロケットの駆動爪体との係合を行い易く、かつクローラベルトと駆動スプロケットとのベルト幅方向での位置ずれを抑制し得るクローラ走行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置してベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成されていて、かつ、ベルト幅方向での端面が内奥側ほど幅狭となるテーパー面に形成され、
前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入するように、円盤状部材の周方向よりも左右方向に長く形成された駆動爪体を備え、この駆動爪体の左右方向での端面が半径方向外方側ほど幅狭となるテーパー面に形成されていることを特徴とする。
【0007】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、クローラベルトの内周面側で駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部が、ベルト周方向での芯金同士の間に位置してベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成されているとともに、その係合用凹部に係入する駆動スプロケットの駆動爪体も、円盤状部材の周方向よりも左右方向に長く形成されている。これによって、係合用凹部と駆動爪体との係入状態での接触面がベルト幅方向で長くなり、接触面積を増大して、接触面での面圧を比較的低く保ちながら大きな駆動力でのクローラベルトの駆動が可能となる。
【0008】
そして、係合用凹部はベルト幅方向での端面が内奥側ほど幅狭となるテーパー面に形成され、駆動爪体は左右方向での端面が半径方向外方側ほど幅狭となるテーパー面に形成されている。このため、同方向である係合用凹部のベルト幅方向での長さと駆動爪体の左右方向での長さとが互いに同じであっても、互いが噛み合い始める時点では、駆動爪体の先端の幅狭の箇所が係合用凹部の入り口側の幅広の箇所に対応しているので、噛み合い開始箇所における両者の同方向寸法に比較的大きな差があって、互いに噛み合い易くなっている。
それでいて、係合用凹部に駆動爪体が完全に嵌入した噛み合い完了状態では、噛み合い開始時点よりも前記同方向寸法の差が少なくなり、係合用凹部と駆動爪体との前記同方向での位置ずれが抑制された状態での安定した動力伝達が可能となる。しかも、係合用凹部のベルト幅方向での長さを駆動爪体の同方向長さよりも極端に大きく形成する必要もないので、クローラベルトの強度を損ねることも回避できる。
【0009】
また、係合用凹部のベルト幅方向での端面と駆動爪体の左右方向での端面との夫々がテーパー面に形成されているので、係合用凹部のベルト幅方向での中心位置と駆動爪体の左右方向での中心位置とが同方向で互いに位置ずれした状態から噛み合いを開始した場合に、夫々のテーパー面にガイドされる状態で両者の中心位置が互いに近づく方向へ案内されながら噛み合いを深めて係合することになり、所期どおりに係合させ易くなる利点がある。
【0010】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、係合用凹部のベルト幅方向の端面であるテーパー面の、水平面に対する傾斜角度が、駆動爪体の左右方向の端面であるテーパー面の、水平面に対する傾斜角度と同じ傾斜角度に設定されていることである。
【0011】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2で示した構成によると、係合用凹部側のテーパー面の傾斜角度と、駆動爪体側のテーパー面の傾斜角度とが、水平面に対して同じ傾斜角度に設定されているので、係合用凹部側のベルト幅方向の端面と、駆動爪体側の左右方向の端面とが接当した状態では、互いの同じ傾斜のテーパー面同士が全体的に接触して、接触箇所の全体の面圧がほぼ均一な状態で接触することになる。
したがって、この端面箇所における接触部分の面積を極力大きく確保し、かつほぼ均一な面圧とすることで、この箇所での面圧も比較的低くでき、傾斜地などで駆動爪体側から作用する左右方向への負荷を、これに対向する係合用凹部の端面で受ける際に、極力面圧を低く保って接当箇所におけるクローラベルトの損耗を軽減できる利点がある。
【0012】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、駆動スプロケットの円盤状部材は、左右の芯金突起の間に入り込む外周側部分の左右方向での幅が、左右の芯金突起の内端側の間隔よりも幅狭に形成され、かつ、駆動爪体の左右方向での端面が係合用凹部の端面に接当した後に、前記円盤状部材の左右方向での端面が芯金突起の内端側の面に接当するように、前記円盤状部材の左右方向での端面と駆動爪体との相対的な左右方向位置を設定してあることである。
【0013】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3で示した構成によると、クローラベルトの係合用凹部におけるベルト幅方向の端面と、駆動スプロケットの駆動爪体における左右方向の端面との接当のみならず、クローラベルトの芯金突起の内側の面と前記円盤状部材の左右方向での端面との接当によっても、駆動スプロケットに対するクローラベルトのベルト幅方向での位置ずれを抑制することができる。
したがって、クローラベルトの係合用凹部におけるベルト幅方向の端面と駆動スプロケットの駆動爪体における左右方向の端面との接当のみによってクローラベルトのベルト幅方向での位置ずれを抑制する場合に比べて、より一層確実にクローラベルトのベルト幅方向での位置ずれを抑制し得る効果がある。
【0014】
そして、円盤状部材の左右方向での端面と駆動爪体との相対的な左右方向位置は、駆動爪体の左右方向での端面が係合用凹部の端面に接当した後に、前記円盤状部材の左右方向での端面が芯金突起の内端側の面に接当するように設定してあるので、騒音の抑制やクローラベルトの損耗の抑制にも有効である。
つまり、駆動スプロケットに対するクローラベルトのベルト幅方向での位置ずれが生じた場合に、まず駆動爪体の左右方向での端面がクローラベルトの係合用凹部の端面に接当し、係合用凹部の端面が圧縮されて弾性変形した後に円盤状部材の左右方向での端面が芯金突起の内端側の面に接当する。このような段階的に接当するようにした構成とすることによって、係合用凹部の弾性変形を伴わずに金属製の円盤状部材の端面と芯金突起の内端側の面とが直接に接当する構造のものに比べて騒音の大きさを低減できる利点がある。
また、上記駆動爪体の端面と接当して圧縮変形させられる係合用凹部は、クローラベルトの芯金突起が円盤状部材の左右方向での端面に接当し、それ以上のクローラベルトと駆動スプロケットとの相対移動が止められることにより、係合用凹部と駆動爪体との相対移動も規制されて、係合用凹部を弾性変形させる方向への駆動爪体側からの押圧力が消滅するので、それ以上に圧縮変形させられることはなく、この点でも係合用凹部の損耗度合いを軽減し得る利点がある。
【0015】
〔解決手段4〕
本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、クローラベルトの内周面側に接当するようにベルト周方向の前後に並置された複数個の転輪と、その複数個の転輪の前方側位置と後方側位置とのそれぞれに配置されたアイドラホィールとを備えるとともに、前後のアイドラホィールの中間位置で、かつ前記転輪の上方側位置に駆動スプロケットを設けてあることである。
【0016】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4で示した構成によると、駆動スプロケットを前後のアイドラホィールの中間位置で、かつ前記転輪の上方側位置に設けた、所謂セミクローラ型のクローラ走行装置において好適な駆動形態を得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】クローラ走行装置の全体側面図
【図3】クローラベルトの平面図
【図4】図3におけるIV-IV線断面図
【図5】クローラベルトのベルト周方向での部分断面図
【図6】芯金突起部分を示す概略斜視図
【図7】駆動スプロケットの一部を示す斜視図
【図8】駆動スプロケットの外周部分を示す側面図
【図9】図8におけるIX-IX線断面図
【図10】図8における矢視図
【図11】駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との関係を示す説明図
【図12】外れ止めガイドを示し、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が正面図
【図13】クローラベルトに対する関連部材の作用状態を示す説明図であり、(a)が駆動スプロケットとの関係を示し、(b)がアイドラホィールとの関係を示し、(c)が外れ止めガイドとの関係を示す
【図14】外れ止めガイドと芯金突起との近接規制状態を示す説明図であり、(a)が基準姿勢、(b)が最大近接姿勢を示す
【図15】アイドラホィールとクローラベルトとの接当状態を示す説明図
【図16】駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との関係を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔トラクタの全体構成〕
図1は、本発明に係るクローラ走行装置2を機体後部側に設けたセミクローラ型トラクタを示す。このセミクローラ型トラクタは、4輪駆動型のトラクタをセミクローラ型に仕様変更したものであり、キャビン付きのトラクタ本機1の前部に操向可能な左右一対の前輪10を備えるとともに、機体後部に主推進装置として左右一対のクローラ走行装置2を備えて構成されている。また、機体後部には、図示しない三点リンク機構を介して耕耘装置や収穫装置、あるいは各種の中間管理用の作業装置を連結するように構成されている。
【0019】
〔クローラ走行装置〕
図1,2に示すように、前記クローラ走行装置2は、トラクタ本機1における後部ミッションケース11に後輪駆動用として備えられた後車軸12に連結した大径の駆動スプケット3を備えている。
この駆動スプロケット3と、トラックフレーム20の前後に備えられたアイドラホィール4,4、およびトラックフレーム20の長手方向に並列配備された複数の転輪5に亘ってクローラベルト6を巻回張設して、前記駆動スプロケット3が、前後のアイドラホィール4,4の中間位置で、かつ前記転輪5の上方側箇所に位置するように設けられている。
このクローラ走行装置2の左右方向のトレッドは、畑地における畝の間を走行するために前輪10のトレッドとほぼ同一に設定されている。
【0020】
図2に示すように、前記転輪5は前後方向に3個が並設され、最前端側の転輪5はトラックフレーム20に対して固定ブラケット21を介して位置固定状態に取り付けてある。
そして、その後方側の2個の転輪5,5は、前記トラックフレーム20に取り付けられた支持ブラケット22に対して、中間部を横軸心x周りで上下揺動自在に枢着された天秤状部材23の両端側に振り分け配置してあり、シーソー揺動自在に構成されている。
【0021】
上記各転輪5とクローラベルト6とがベルト横幅方向で所定の位置関係を保ち、かつ転輪5からクローラベルト6が外れることを防止するための外れ止めガイド7が前後2箇所に設けてある。
前側の外れ止めガイド7は、最前端の転輪5を固定支持する固定ブラケット21の下端側に連設してあり、後側の外れ止めガイド7は、天秤状部材23の下端側で、最後端位置の転輪5の前後にわたる状態で連設してある。
【0022】
〔クローラベルト〕
前記クローラベルト6は、図3乃至図6に示すように構成されている。
このクローラベルト6は、ゴム材で無端帯状に成形されたベルト本体60に芯金61がベルト周方向に一定ピッチで埋設されているとともに、各芯金61の間におけるベルト内周面側に、駆動スプロケット3の駆動爪体31が係入してクローラベルト6側へ動力を伝えるための係合用凹部62が形成されている。
【0023】
この係合用凹部62は、図5及び図11に示すように、ベルト周方向での芯金61同士の間に位置して、かつベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成されている。そして、この係合用凹部62のベルト幅方向での両端側の端面62aは、図11(a)に示すように、クローラベルト6が水平面上に位置する状態で、その水平面に対して垂直ではなく、所定のベルト傾斜角度β(水平面に対する傾斜角度に相当)を有した傾斜面によって形成してある。
そして、このようにベルト傾斜角度βを有した傾斜面である端面62aがベルト幅方向の両端側に形成された係合用凹部62は、その左右両側の端面62aによって内奥側(図中下方側)ほど幅狭となるテーバー面に形成されている。
【0024】
各芯金61は、ベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に向けて転輪案内用の左右一対の芯金突起63が突設され、この芯金突起63の間を駆動スプロケット3および前後のアイドラホィール4,4が通過するよう構成されている。
また、各芯金突起63の横外側箇所に位置するベルト本体60の内周面には転輪5が転動移動する偏平な転輪軌道面64が形成されるとともに、ベルト本体60の外周面側には、ベルト周方向で前記係合用凹部62と表裏で重複する位置に、芯金突起63部分を除くベルト本体60の厚さより厚い推進ラグ65が一体に突出形成されている。
【0025】
前記芯金61と前記係合用凹部62との間におけるベルト本体60の内周面側には、係合用凹部62に係入した駆動スプロケット3の駆動爪体31の駆動力を芯金61に伝えるための受圧用ブロック部66が設けられている。つまり、係合用凹部62に入り込んだ金属製の駆動爪体31によってゴム製の受圧用ブロック部66が圧縮作用を受けながら金属製の芯金61に駆動力を伝えるように構成されているものであり、駆動爪体31と芯金61との金属同士の直接の接触を避けて騒音の発生を回避できるようにしている。
【0026】
また、前記受圧用ブロック部66は、図15に示すように、この受圧用ブロック部66の内周面側にアイドラホィール4が接触した状態で、アイドラホィール4の外周面と芯金61の内周面との間に、アイドラホィール4と芯金61との直接の接触を避けるための所定の隙間S3を形成するように、芯金61の内周面よりもベルト内周面側へ突出させて形成してある。
【0027】
前記芯金突起63は、図4乃至図6に示すように、芯金61の一部に一体形成されたベルト内周面側へ突出する金属製の突起部分61aを、ベルト本体60を構成するゴム材からなる山形突起部67で覆うことによって外形形状がほぼ山形状に形成されている。
つまり、芯金突起63は、図4に示すベルト幅方向でも、図5に示すベルト周方向でも、断面視で山形状に形成されている。そして、図6に示すように、芯金突起63のベルト幅方向での内方側に向く面が、アイドラホィール4や外れ止めガイド7に対する案内面Cとなる傾斜面によって形成されている。
また、この山形状の芯金突起63は、その頂部63aが、ベルト周方向に沿う線とその線に直交するように内側に向けられた線とで平面視T字状に形成され、かつ山形突起部67の前記案内面Cにおける前記頂部63a近くのベルト幅方向での内側に位置する箇所に凹部63bを設けた形状に形成されている。
【0028】
〔駆動スプロケット〕
前記駆動スプロケット3は、図2及び図7乃至図11に示すように構成されている。
すなわち、後車軸12に連結した大径の円盤状部材30と、その円盤状部材30の外周縁よりも径方向の外方へ突出するように設けられた駆動爪体31とを備えて構成されている。
【0029】
前記円盤状部材30は、駆動軸である後車軸12に固定されたハブ板13と、そのハブ板13の外周側にボルト連結された円環状の外周部材14(外周側部分に相当)とで構成してあり、外周部材14は、周方向で3等分された部分円弧状の分割円弧状部材14a,14b,14cの組み合わせで構成されている。
【0030】
図7乃至図10に示すように、前記外周部材14は、半径方向内方側のハブ板13に対する取付箇所15の近くよりも、半径方向で外方側の外周端縁16の近くが厚肉となっていて、この外周端縁16の近くが環状のリブ部32となっている。
そして、この外周部材14の外周端縁16の半径方向での外方側に突出させて、かつ前記リブ部32よりも左右方向での外側へ突出させて前記駆動爪体31を一体に形成してある。
【0031】
前記リブ部32の左右方向での厚みd1は、クローラベルト6の左右の芯金突起63同士の間における対向間隔よりも幅狭に形成されていて、前記芯金突起63や、前記駆動爪体31との相関で次のように設定されている。
つまり、図11(a)に示すように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当した後に、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて、図11(b)に示すように、ある程度の圧縮量δだけ変形されると、前記リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当する。
このように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当してある程度弾性変形した後に、前記円盤状部材30の左右方向での端面に相当するリブ部32の左右方向の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するように、前記リブ部32の左右方向の端縁32aと駆動爪体31との相対的な左右方向位置を設定してある。
【0032】
すなわち、図11(a)に示すように、駆動爪体31の左右方向での端面31aと係合用凹部62の端面62aとが接当する面の一部を便宜上接当箇所P1として場合に、図11(b)に示すところの、リブ部32の端縁32aと芯金突起63の内端側の面63cとの接当箇所P2が接当するまでの間にタイムラグを生じるように、前記駆動爪体31の左右方向での端面31aと前記リブ部32の左右方向の端縁32aとの相対的な左右方向位置を設定してある。
つまり、この位置関係を図16に基づいて説明すると、次の通りである。
前記駆動爪体31の左右方向での中心位置がベルト幅方向で係合用凹部62の中心線CL上に位置している場合に、前記駆動爪体31の左右方向での端面31aと係合用凹部62の端面62aとの接当箇所P1、及び前記リブ部32の端縁32aと芯金突起63の内端側の面63cとの接当箇所P2とは、それぞれ非接当状態にある。
このとき、接当箇所P1のうち、前記中心線CLから係合用凹部62の端面62aの接当箇所P1までの距離LP1−1と、前記中心線CLから駆動爪体31の左右方向での端面31aの接当箇所P1までの距離LP1−2との間に第1間隙LP1が存在している。
また、接当箇所P2のうち、前記中心線CLから芯金突起63の内端側の面63cの接当箇所P2までの距離LP2−1と、前記中心線CLから前記リブ部32の端縁32aの接当箇所P2までの距離LP2−2との間に第2間隙LP2が存在している。
そして、前記第1間隙LP1よりも第2間隙LP2を、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形した際の圧縮量δに相当する量だけ大きく設定してあるので、前述のように係合用凹部62の端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形して、リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するに必要な移動量に達するまでの間にタイムラグを生じる。
【0033】
駆動爪体31は、図7乃至図13(a)に示すように、円盤状部材30の板面に対して直交する横方向(左右方向)へ張り出すことにより、係合用凹部62のベルト幅方向の長さよりもやや短く、かつ左右の芯金突起63の両方にわたる長さと同程度の左右方向長さに形成されている。
この駆動爪体31の左右方向の端面31aは、図9及び図11に示すように、この駆動爪体31の外端縁が水平面上に位置する状態で、その左右方向の端面31aは水平面に対して垂直ではなく、所定の爪傾斜角度α(水平面に対する傾斜角度に相当)を有した傾斜面によって形成してある。
そして、前記爪傾斜角度αを有した傾斜面である端面31aは駆動爪体31の左右両端側に形成してあって、駆動爪体31は、その左右両側の端面31aによって半径方向外方側が幅狭となるテーパー面に形成されている。
この爪傾斜角度αは、前記係合用凹部62におけるベルト幅方向での端面62aに形成されたベルト傾斜角度βと同じ角度に設定してある。
【0034】
駆動爪体31の周方向での前後に位置する前向き面31b(機体前進方向でのクローラベルト6に駆動力を付与する側の面)、及び後向き面31c(機体後進方向でのクローラベルト6に駆動力を付与する側の面)は、概ね円盤状部材30の回転中心からの法線に沿う方向ではあるが、やや回転中心側寄りの部位(付け根側)における周方向幅d2が、回転中心から遠ざかる外方側の部位(爪先端側)の周方向幅d3よりも広く構成してあり、駆動爪体31の半径方向外方側ほど少し幅狭な先細り形状のテーパー面となっている。
駆動爪体31の前記端面31aには、部分的な盗み部33を設けてあり、これによって円盤状部材30全体の軽量化を図っている。
【0035】
〔外れ止めガイド〕
前記外れ止めガイド7は、図2、図12、図13(c)、及び図14に示すように構成されている。
すなわち、最前端位置の転輪5、及び最後端位置の転輪5が設けられた位置で、左右の芯金突起63,63同士の間に位置するように、トラックフレーム20に連設された固定ブラケット21、及び支持ブラケット22に連設の天秤状部材23に連結固定される各外れ止めガイド7は、前後何れも同じもので構成してある。
【0036】
この外れ止めガイド7は、図12に示すように、全体が側面視で舟形状に形成してあり、その前後2箇所に、前記固定ブラケット21、又は支持ブラケット22に連設の天秤状部材23に対する連結固定用のねじ孔71,71を備えた取り付け部72,72を設けてある。
前記固定ブラケット21、又は天秤状部材23に対する取り付け姿勢で、外れ止めガイド7の最下端となる位置は、図2、及び図12(b)に示す転輪5の回転中心pからの垂線y1と交差する位置である。この外れ止めガイド7の最下端位置は、左右の芯金突起63,63の間でクローラベルト6の内周面に対して最も近接する状態となるのであるが、この外れ止めガイド7の、前記垂線y1と交差する箇所でのベルト横幅方向での幅L1が、前記クローラベルト6側の芯金突起63のベルト周方向での中心線y2が存在する箇所での芯金突起63の上部における接当箇所P3での横幅L2よりも大きく設定されている。
【0037】
前記外れ止めガイド7のベルト横幅方向での接当箇所の幅L1は、図12(a),(b)に示すように、外れ止めガイド7のベルト周方向(前後方向)における直線状部分の長さL3の範囲で同一であるように形成してあり、この直線状部分L3の前後では、図12(a)に示すように外れ止めガイド7の前後端が平面視で先細り状に形成してあり、側面視では図12(b)に示すように、前後端が上側へ反り上がった形状に形成されている。
さらに外れ止めガイド7の前記直線状部分L3のうち、前記垂線y1と交差する箇所の近くでは、図12(b)に示すように、垂線y1に対して直交する直交下縁部分73が存在する直交下縁範囲L4が形成され、その前後における前記直線状部分L3のうち、前記直交下縁範囲L4よりも前方の前側下縁部分74は少し前上がり形状に形成してあり、前記直交下縁範囲L4よりも後方の後側下縁部分75は少し後ろ上がり形状に形成してある。
【0038】
このように外れ止めガイド7の下縁形状を形成してあるのは次の理由による。つまり、図2に示すように、全ての転輪5が平坦地に位置する場合を想定した場合、その全ての転輪5に対する下方側の接線よりも、クローラ走行装置2の前端側及び後端側のアイドラホィール4,4の下縁が高く位置している。このため、クローラベルト6が、最前端の転輪5よりも前側では少し前上がり状態に掛張され、最後端の転輪5よりも後側では少し後上がり状態に掛張されるので、外れ止めガイド7の下縁とクローラベルト6の内周面との間に必要な間隙を維持するためである。
また、外れ止めガイド7の前端側及び後端側が平面視で先細り形状に形成されているのは、前述のようにベルト横幅方向での幅L1を広くした外れ止めガイド7による案内作用をスムースに行わせるためである。さらにまた、前述のように、外れ止めガイド7の前後端が平面視での先細り形状に加えて上側へ反り上がった形状に形成されているのは、前後端の反り上がり部分がクローラベルト6に直接に接触することを回避できるようにするためである。
【0039】
このように構成された外れ止めガイド7は、図14(a)に示す基準姿勢(全ての転輪5が転輪軌道面64に接してクローラベルト6が全体に平均的な圧力を受けている状態での走行姿勢)では、外れ止めガイド7の最下端となる位置とクローラベルト6の内周面(この実施形態では受圧用ブロック部66の内周側の面)との間には、十分大きな間隔S1を備えるように、転輪5の接触面と外れ止めガイド7の下面との相対高さ位置が設定されている。
【0040】
ところが、図14(b)に示すように、最大近接姿勢(凸部に乗り上げるなどして一部の転輪5の下方から集中的な突き上げ力が作用する状態での走行姿勢)では、クローラベルト6が部分的に圧縮あるいは屈曲して、外れ止めガイド7が相対的にクローラベルト6内周面に接近する状態となる。
しかしながら、本発明では、前述のように、外れ止めガイド7の横幅L1が、クローラベルト6側の芯金突起63の上部における接当箇所P3でのベルト横幅方向での横幅L2よりも大きく設定されているので、図示のように、外れ止めガイド7とクローラベルト6の内周面(この実施形態では受圧用ブロック部66の内周側の面)との接近の際に、外れ止めガイド7の接当箇所P3と芯金突起63の上部における接当箇所P3との接当によって、それ以上の接近が阻止され、両者の接触を回避するように間隔S2を確保することができる。
つまり、前記外れ止めガイド7に設定された横幅L1を有した前記直線部分L3における範囲の接当箇所P3によって、その外れ止めガイド7の下縁がクローラベルト6の内周面側に接当することを阻止する近接規制部Aが構成されている。
【0041】
尚、この芯金突起63の上部における、前記外れ止めガイド7の接当箇所P3との接当箇所P3は、図11(b)や図16に示した、この芯金突起63における、前記駆動スプロケット3のリブ部32の左右方向の端縁32aにおける接当箇所P2との接当箇所P2よりも上方に離れた位置に設定されている。
これは、芯金突起63の外表面を被覆するゴム材が、駆動スプロケット3のリブ部32や外れ止めガイド7の両者に対して同じ箇所で接触することを回避して、ゴム材が早期のうちに損耗してしまうことを抑制するためである。
【0042】
上記の外れ止めガイド7の近接規制部Aは、外れ止めガイド7の下窄まり状の傾斜を有した両側面B,Bのうち、前記芯金突起63の案内面Cの上部における接当箇所P3に対して接当する箇所によって構成されているものであり、前記両側面B,Bは、左右の芯金突起63の案内面C,Cの傾斜でなすテーパーの角度よりも、少し角度の大きいテーパーとなるように傾斜角度を設定してある。
したがって、外れ止めガイド7が比較的強く左右の芯金突起63,63の間に嵌り込んでも、近接規制部Aでの接触面積は比較的小さく、強く噛み込んで外れにくくなるというような事態を避けやすい。
【0043】
〔アイドラホィール〕
アイドラホィール4,4は、図2及び図13(b)に示すように、左右の芯金突起63,63の間に入り込む状態で、かつ、クローラベルト6の内周面に接した状態で遊転回動する。
このとき、アイドラホィール4,4の外周面は、前述したように、クローラベルト6の受圧用ブロック部66の内周面側に接触した状態で回転されるので、この箇所での騒音の発生を回避することができる。
そして、アイドラホィール4,4の両側面は、左右の芯金突起63,63の金属部分と接触する可能性はあるが、この箇所では、アイドラホィール4,4とクローラベルト6とは、殆ど相対移動のない状態で回動しているので、たとえ金属部分同士が触れあっても、この箇所ではあまり大きな騒音にはならず、やはり騒音の発生を抑制することができる。
【0044】
〔別実施形態の1〕
近接規制部Aとしては、実施の形態で説明したような、芯金突起63,63に対する外れ止めガイド7の接当箇所P3の横幅L2の設定によるものに限らず、例えば、外れ止めガイド7の一部に、基準姿勢では接触せず、最大近接姿勢で、芯金突起63,63の最大突出箇所に対して接当する部分を形成して、外れ止めガイド7がそれ以上クローラベルト6内周面側へ接近することを阻止するようにした構造によって間隔S2を確保するように構成してもよい。
【0045】
〔別実施形態の2〕
外れ止めガイド7としては、実施の形態で説明したような、前後二つに分離した構造のものに限らず、例えば、前後何れか一方のみを設ける、もしくは、前端側から後端側にわたる長い外れ止めガイド7を設けるものであってもよい。
【0046】
〔別実施形態の3〕
外れ止めガイド7の近接規制部Aとして、実施の形態では、外れ止めガイド7の下窄まり状の傾斜を有した両側面B,Bを、左右の芯金突起63の案内面C,Cの傾斜でなすテーパーの角度よりも、少し角度の大きいテーパーとなるように傾斜角度を設定したものを示したが、これに限らず、前記外れ止めガイド7の下窄まり状の傾斜を有した両側面B,Bと、左右の芯金突起63の案内面C,Cの傾斜でなすテーパーの角度を同じ角度に設定してもよい。このように同じ角度に設定すると、接当箇所P3付近の面積を広くして単位面積当たりの面圧を下げることができるので、接当箇所P3での摩耗度合いを軽減し得る点での有利さがある。
【0047】
〔別実施形態の4〕
前述の実施形態では、駆動爪体31の爪傾斜角度αは、前記係合用凹部62におけるベルト幅方向での端面62aにおけるベルト傾斜角度βと同じ角度に設定したが、これに限らず、爪傾斜角度αをベルト傾斜角度βよりも大きな角度に設定する、もしくはその逆であってもよい。
因みに、水平面に対する爪傾斜角度αをベルト傾斜角度βよりも大きな角度に設定すると次のような利点がある。
このように構成されていると、係合用凹部62側のテーパー面の傾斜角度よりも、駆動爪体31側のテーパー面の傾斜角度が、水平面に対する大きな傾斜角度に設定されている。このため、係合用凹部62と駆動爪体31は、互いが噛み合い始める時点では、駆動爪体31の先端の幅狭の箇所が係合用凹部62の入り口側の幅広の箇所に対応している。
したがって、係合用凹部62と駆動爪体31との夫々のテーパー面の、水平面に対する傾斜角度が互いに同じである場合や、係合用凹部62側の傾斜角度の方が駆動爪体31側の傾斜角度よりも大きい場合に比べて、ベルト幅方向における係合用凹部62の中心位置からテーパー面までの距離と、同方向における駆動爪体31の中心位置からテーパー面までの距離との差を、互いが噛み合い始める時点で、駆動爪体31の先端の幅狭の箇所が係合用凹部62の入り口側の幅広の箇所に対応することによって、より大きな差とすることができ、駆動爪体31の先端側が係合用凹部62の入り口側から外れる可能性を少なくして、より一層噛み合い易くすることができる。
また、この構造のものでは、係合用凹部62側のベルト幅方向の端面と駆動爪体31側の左右方向の端面とが接当したとき、係合用凹部62の内奥側での面圧が高く、係合用凹部62の入り口側での面圧が低くなる状態で接当している。
これによって、クローラベルトの係合凹部における駆動爪体31との接触による摩耗は、係合用凹部62の内奥側よりも、入り口側でゆっくりと進行することなる。その結果、係合用凹部62の入り口側における摩耗が内奥側よりも早く進行して、早期のうちに係合用凹部62から駆動爪体31が外れ易くなる、というような不具合を避けやすい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のクローラ走行装置は、実施形態で示したトラクタの他、コンバインや建設機械などの各種の車両の推進装置として用いることができる
【符号の説明】
【0049】
2 クローラ走行装置
3 駆動スプロケット
5 転輪
6 クローラベルト
30 円盤状部材
31 駆動爪体
31a 端面
32 リブ部
32a 端縁
60 ベルト本体
61 芯金
62 係合用凹部
62a 端面
63 芯金突起
63c 内端側の面
64 転輪軌道面
α 爪傾斜角度(水平面に対する傾斜角度)
β ベルト傾斜角度(水平面に対する傾斜角度)
d1 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置してベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成されていて、かつ、ベルト幅方向での端面が内奥側ほど幅狭となるテーパー面に形成され、
前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入するように、円盤状部材の周方向よりも左右方向に長く形成された駆動爪体を備え、この駆動爪体の左右方向での端面が半径方向外方側ほど幅狭となるテーパー面に形成されていることを特徴とするクローラ走行装置。
【請求項2】
係合用凹部のベルト幅方向の端面であるテーパー面の、水平面に対する傾斜角度が、駆動爪体の左右方向の端面であるテーパー面の、水平面に対する傾斜角度と同じ傾斜角度に設定されている請求項1記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
駆動スプロケットの円盤状部材は、左右の芯金突起の間に入り込む外周側部分の左右方向での幅が、左右の芯金突起の内端側の間隔よりも幅狭に形成され、かつ、駆動爪体の左右方向での端面が係合用凹部の端面に接当した後に、前記円盤状部材の左右方向での端面が芯金突起の内端側の面に接当するように、前記円盤状部材の左右方向での端面と駆動爪体との相対的な左右方向位置を設定してある請求項1又は2記載のクローラ走行装置。
【請求項4】
クローラベルトの内周面側に接当するようにベルト周方向の前後に並置された複数個の転輪と、その複数個の転輪の前方側位置と後方側位置とのそれぞれに配置されたアイドラホィールとを備えるとともに、前後のアイドラホィールの中間位置で、かつ前記転輪の上方側位置に駆動スプロケットを設けてある請求項1〜3のいずれか1項記載のクローラ走行装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−121463(P2011−121463A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280368(P2009−280368)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)