説明

グラデーション模様を有する多色固形化粧料及びその製造方法

【課題】単一の容器内に複数の色調の固形化粧料が充填され、その化粧料の表面が多色を呈し、その多色の層が固形化粧料の表面から最下層まで維持されている多色固形化粧料であって、該表面の多色の境目が意匠的にきれいなグラデーション模様を呈する多色固形化粧料を提供すること。
【解決手段】本発明に係るグラデーション模様を有する多色固形化粧料は、異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、振動が与えられた充填ノズルの複数の供給ノズル口から供給し、前記充填ノズル内で一つにまとめた後、充填ノズルの吐出ノズル口から半溶融状態乃至溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで半溶融状態の場合は充填物を溶融状態にした後、必要に応じて溶融状態の充填物に振動を与えた後、固化させて製造することによって得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラデーション模様を有する多色固形化粧料及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、複数の、流動化した互いに異なる色の流動性固形化粧料原料を振動が与えられた充填ノズルに供給し、半溶融状態乃至溶融状態で前記原料を充填ノズルから化粧料用中皿等に流し込んで充填成型して得られるグラデーション模様を有する多色固形化粧料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、単一の容器内に複数の色調の化粧料が充填され、その多色の層が化粧料の表面から最下層まで維持され、かつ化粧料の表面をはじめとする多色の境目がグラデーション模様を呈している多色化粧料に係る技術に関しては、複数色の粉末化粧料が色毎に区画されて表面が多色の境目を形成して充填された粉末化粧料の技術があるのみであり(例えば、特許文献1及び2参照)、多色固形化粧料においては存在しない。
【0003】
固形化粧料において、表面の多色の境目が意匠的にきれいな固形化粧料が開示されているが、これらはいずれも多色の層が化粧料の表面から最下層まで維持されているものではない(例えば、特許文献3及び4参照)。本出願人は、この発明の基本となる技術を出願している(特許文献5参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−97208号公報
【特許文献2】特公平1−31885号公報
【特許文献3】特開平1−90112号公報
【特許文献4】特公平4−65806号公報
【特許文献5】特開2004−2207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、単一の容器内に複数の色調の固形化粧料が充填され、その化粧料の表面が多色を呈し、その多色の層が固形化粧料の表面から最下層まで維持されている多色固形化粧料であって、該表面の多色の境目が意匠的にきれいなグラデーション模様を呈する多色固形化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、互いに異なる色の複数の流動化した流動性化粧料原料を、振動が与えられた複数の供給ノズル口とそれらを一つにまとめた一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルの前記供給ノズル口のそれぞれに供給し、次いで前記吐出ノズル口から溶融状態で吐出させる、あるいは半溶融状態で吐出した後、溶融状態にすることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、表面が多色を呈する単一容器内に充填された固形化粧料であって、その多色の層が固形化粧料の表面から最下層まで維持されており、かつ表面の多色の境目がグラデーション模様を形成していることを特徴とするグラデーション模様を有する多色固形化粧料である。
【0008】
前記多色固形化粧料において、グラデーション模様は、固形化粧料の表面層に形成することができる。
【0009】
また、前記多色固形化粧料において、グラデーション模様は、固形化粧料の表面から最下層まで形成することができる。
【0010】
さらに、本発明は、流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該溶融状態の充填物を固化させることを特徴とする前記グラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法である。
【0011】
さらに、本発明は、流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から半溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該充填物を加熱し少なくとも表面を溶融状態にし、その後固化させることを特徴とする前記グラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法である。
【0012】
さらに、本発明は、流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から半溶融状態乃至溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該充填物を固化させた後、該固化物を加熱し少なくとも表面を溶融状態にし、その後固化させることを特徴とする前記グラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法である。
【0013】
前記グラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法においては、溶融状態の充填物に振動を与えることが好ましい。
【0014】
本発明に係る多色固形化粧料とは、単一容器内に充填された固形化粧料の表面が多色を呈し、その多色の層が固形化粧料の表面から最下層まで維持されているものである。なお、多色の概念には模様形成による多色等も含まれるものである。また、固形化粧料とは、非ニュートン性液体、膠化体等ある条件により流動性を持ち、一般生活環境下で流動性を失い固形化できるものであり、例えば、油分、粉末を必須成分とした油性固形化粧料が該当する。
【0015】
本発明において、流動性固形化粧料とは、固形化粧料に加熱、衝撃、超音波等のエネルギーを与えることによって流動性を示すようになるものである。また、流動性固形化粧料を調製するための処方、すなわち流動性固形化粧料の構成原料の組み合わせ(混合物)を流動性固形化粧料原料という。流動状態にある流動性固形化粧料原料を充填成型後、冷却または常温放置し常温状態に置かれたとき非流動状態の固形化粧料となる。流動性固形化粧料原料が流動状態になる温度は50〜100℃が好ましい。
【0016】
本発明において、固形、固体とは常温での状態である。
【0017】
また、半溶融状態とは、流動性を有する状態であって、多色の流動性固形化粧料原料が互いに自然に混ざり合わない状態である。ここで、自然に混ざり合う状態を溶融状態という。流動性の状態は、流動性固形化粧料の処方、置かれる温度等で調整される。例えば、処方中の粉体の配合量で調整される。また、温度については、半溶融状態になる温度(半溶融温度)は流動性固形化粧料の処方によるが50〜85℃程度が一般的である。半溶融状態から温度を上げると溶融状態になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表面の多色の境目を、自然で、審美性の高いグラデーション模様で形成した意匠的に優れた商品価値の高い多色固形化粧料が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
【0020】
以下、図1に示した化粧料充填装置を1例として用いた多色油性固形化粧料の製造方法をもって、本発明の多色固形化粧料及びその製造方法について、さらに詳細に説明する。
【0021】
図1に示した化粧料充填装置1は、タンク2と、導管3と、ポンプ4と、充填ノズル9と、振動装置5を有している。前記充填ノズル9は、流動性固形化粧料原料を供給する2つの供給ノズル口10と、それらにつながる供給ノズル部12と、該2つの供給ノズル部12が一つにまとまった吐出ノズル部13と、該吐出ノズル部13の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口11を有している。
【0022】
多色油性固形化粧料の製造に当たって、2つのタンク2それぞれに異なる色の流動性油性固形化粧料原料を収容する。タンク2は、流動性油性固形化粧料原料を収容する貯留槽である。この例の化粧料充填装置1においては、タンク2は2個設けられている。
【0023】
タンク2は、該タンク中の原料の流動状態を保持し、前記原料が成型されるまで流動状態を保つように保温されており、タンク2には必要に応じて加熱装置が設けられる。2基のタンク2内に貯留されている流動性油性固形化粧料原料の粘度が相違している場合には、2基のタンク2内のそれぞれの温度制御により充填物の粘度が同じになるように粘度調整を行なうことが好ましい。タンク2は、流動性油性固形化粧料原料を収容することができれば、その材質、形状等に特に制限はない。
【0024】
タンク2には、それぞれその下部に導管3が設置されている。導管3は、前記タンク2内の流動化した流動性油性固形化粧料原料を充填ノズル9に移送するための原料移送手段である。また、前記タンク2に結合された導管3のそれぞれには、流動化した流動性油性固形化粧料原料を圧送するポンプ4が取り付けられている。
【0025】
ポンプ4は、流動化した流動性油性固形化粧料原料の供給速度を調整する機能を有し、前記原料を定量的に圧送する。なお、ポンプ4は、流動化した流動性油性固形化粧料原料を移送し、供給させることができるように、前記流動性油性固形化粧料原料を吸引吐出する能力を有する様々の吸引吐出手段を採用することができる。
【0026】
例えば、図1に示されるようにポンプ4はシリンダーとピストンとを備え、ピストンを後退させるとシリンダーに設けた吸引口からシリンダー内に流動化した流動性油性固形化粧料原料が吸引され、シリンダーに設けた排出口に設けた弁により排出口から空気の浸入を防ぐことにより、前記シリンダー内に前記流動性油性固形化粧料原料が装填され、次いで、ピストンを前進させると、シリンダー内の前記流動性油性固形化粧料原料が前記排出口から排出され、このときシリンダーにおける吸引口に設けられた弁により吸引口外へと逆流するのが防止され、前記排出口から排出された前記流動性油性固形化粧料原料が充填ノズル9へと移送していくように形成されている。
【0027】
なお、ポンプ4は必要に応じた種々の形式、規模、容量のポンプを適宜に採用することができる。また、導管3にはそれぞれ、制御弁6が、ポンプ4を挟んで2個設けられている。制御弁6は、前記流動性油性固形化粧料原料の逆流を防止するための弁(逆流防止弁)である。
【0028】
導管3の下端部には充填ノズル9の上端部が接続管8によって接続されている。前記タンク2中の流動化された各流動性油性固形化粧料原料は、ポンプ4の作動により、導管3を通して、充填ノズル9に設けた供給ノズル口10に定量的に送り込まれる。
【0029】
前記充填ノズル9は二つの供給ノズル口10を設けた供給ノズル部12と一つの吐出ノズル口11を設けた吐出ノズル部13を有していて、流動化した二つの流動性油性固形化粧料原料が同時に充填ノズル9内に導入されるようになっている。前記供給ノズル部12から前記吐出ノズル部13に変わる部位は合体空間になっている。
【0030】
充填ノズル口10に送り込まれた前記各流動性油性固形化粧料原料は、流動状態のままポンプ4の吐出作用により押されて、充填ノズル9内を流動し、前記合体空間で接触され、そこで二つの流動化された流動性油性固形化粧料原料は一つに合体される。
【0031】
さらに、前記原料は、充填ノズル9内の吐出ノズル部13を落下流動し、吐出ノズル口11へ導入される。前記合体空間は充填ノズル9の吐出ノズル口11に近い方が多色油性固形化粧料の製造が安定するのでよい。
【0032】
流動性油性固形化粧料原料が流動状態で充填ノズル9を通過する際に、充填ノズル9には振動が与えられる。該振動は少なくとも前記原料が充填ノズル9の吐出ノズル口11を通過する際に該原料に与えればよい。したがって、振動は少なくとも充填ノズル9の吐出ノズル口11に与えられることが必要であり、必ずしも充填ノズル9の全体に与える必要はない。しかしながら、実際には、充填ノズル9全体を振動させており、前記原料が充填ノズル9を通過する間中原料に振動が与えられているが、それで差し支えない。前記充填ノズル9を通過する原料は充填ノズル9より吐出する際、吐出ノズル口11の振動により振動の波動を受け効果を発揮するものと考えられる。
【0033】
充填ノズル9に振動を与える手段としては、特に限定されないが、図1の化粧料充填装置1においては、充填ノズル9と導管3を接続している接続導管8に接触させて設けた振動装置5によっている。振動装置5は振動を発生するものであれば特に限定されないが、例えば回転により振動を発生する振動モーター等、またピストン運動により振動を発生するエアシリンダー等が挙げられる。なお、充填ノズル9と接続導管8の材質は与えられる振動を吸収しないものから選ぶ必要がある。なお、振動装置5は前記位置以外の他の位置に設置しても構わない。例えば、充填ノズル9に直接接触させ振動を与えても構わない。
【0034】
充填ノズル9に付与される振動は、その発生源である振動装置の条件をコントロールすることによって任意の条件に設定される。その振動よって多色油性固形化粧料のできあがりに影響を与えるが、振動条件としては、例えば振動数が20〜20,000回/min.の範囲にあることが好ましい。振動数がこの範囲であると特に優れたグラデーション模様の多色油性固形化粧料得られる。さらに好ましい振動数は20〜5,000回/min.である。また、振幅は1〜2,000μmが好ましい。また、流動化した流動性油性固形化粧料原料の供給速度は前記各流動性油性固形化粧料原料の粘度等の性質等に応じて適宜流量を調節することにより適宜に決められる。
【0035】
次いで、流動性油性固形化粧料原料は充填ノズル9から吐出され、容器内に充填される。前記吐出される流動性油性固形化粧料原料は、流動性を有し、半溶融状態乃至溶融状態を呈することが好ましい。それぞれの状態は、必要に応じてタンク2、導管3、ポンプ4等を加熱、保温等が行われコントロールされる。
【0036】
容器内に充填された充填物は必ず溶融状態に置かれることが必要である。充填物は溶融状態にあるときにグラデーション模様を形成し、固化によって多色の境目がグラデーション模様を有する多色油性固形化粧料が得られる。
【0037】
グラデーション模様は製造条件によって種々のものが得られ、特に限定されるものではないが、中心から外側にかけて波紋状に広がるグラデーション模様が本発明の製造法によって得られる特徴的なものの一つである。
【0038】
グラデーション模様の形成に際しては、充填物が溶融状態においてグラデーションを形成するまでの間、溶融状態を保持させることが好ましく、保持するために保温しても構わない。吐出ノズル口11から吐出される流動性油性固形化粧料原料の半溶融乃至溶融の状態によって、それぞれに応じた方法がとられる。
【0039】
溶融状態で吐出された流動性油性固形化粧料原料は容器内に充填され、固化される。なお、充填物が固化されるまでの間、グラデーション模様を充分に発現するのに必要な時間溶融状態を保持させることが好ましく、保持するために充填物を保温しても構わないことは前記のとおりである。この場合、条件によって化粧料の表面から最下層まで全体に渡って種々のグラデーション模様を得ることができる。
【0040】
また、吐出される流動性油性固形化粧料原料が半溶融状態である場合は、充填物を加熱し、溶融状態にし、その後固化される。加熱は充填物の少なくとも表面が溶融されるように加熱される。加熱手段は特に限定されないが、少なくとも表面を溶融させればよい。具体的には、ドライヤー、ライスター、赤外線ヒーター、ホットプレート、ラバーヒーター、トンネルヒーター等が挙げられる。これらのうち、ドライヤー、ライスター、赤外線ヒーターは上部からの加温に適しており、ホットプレート、ラバーヒーター、トンネルヒーターは下部又は回りからの加温に適している。加熱時間は、特に限定されないが、グラデーション模様が充分に発現するための溶融状態が保たれる時間を選択することが好ましい。
【0041】
また、前記半溶融状態乃至溶融状態の充填物は、容器内で固化させた後、該固化物を加熱して少なくとも表面を溶融状態にし、その後再度固化させることによっても、多色の境目がグラデーション模様を有する多色油性固形化粧料が得られる。加熱の手段、時間等は前記半溶融状態の充填物を加熱する場合と同様である。
【0042】
充填物を加熱によって溶融するに当たって、充填物の表面に加熱処理を行うと表面にのみグラデーションを形成させることができる。このケースは特に溶融したときに配合されている成分が沈殿しやすい充填物に向いており、配合成分の沈殿をなるべくさせないようにして表面にグラデーションを得る。また、充填物全体に加熱処理を行うと、グラデーションが充填物の最下層まで維持されている化粧料を得ることができる。このケースは溶融したときに配合されている成分が沈殿しにくい充填物に向いている。
【0043】
なお、前記固化手段は特に限定されず、例えば自然でよい。
【0044】
さらに、前記充填物の処置において、充填物が溶融状態にあるときに、充填物にバイブレーションをかけ振動を与えることが好ましく、これによりグラデーション模様をスムースに、またきれいに形成させることができる。バイブレーションをかける方法は特に限定されないが、バイブレーターによることが好ましい。バイブレーターとしては、コイル式、圧電素子式、モーター式、エアー式、超音波式等が挙げられる。これらのうちでは、コイル式バイブレーターが好ましい。
【0045】
前記充填物を受ける容器としては、例えばコンパクト容器の化粧料収納用凹部、コンパクト容器用レフィル中皿、ジャー容器、チューブ容器等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。容器、中皿等の材質、厚さは任意に設定できる。
【0046】
本発明に係る多色固形化粧料を製造する製造方法は図1の化粧料充填装置を用いることに限定されるものではない。例えば、ここではタンク2を二つ用いた多色の油性固形化粧料の製造方法について述べたが、供給ノズル口10、タンク2、導管3、ポンプ4等の数を増やすことにより、同様にして多色の油性固形化粧料を製造することができる。また、前記充填ノズル9は、通常の場合縦方向に配置されるが、横方向に、あるいは斜め方向に配置してもよい。
【0047】
本発明に係る多色固形化粧料における固形化粧料は前記定義されたものの範囲であれば特に限定されないが、油性固形化粧料が好ましい。油性固形化粧料中の油分量は、特に油性固形化粧料全量中40〜99質量%のものが好ましい。
【0048】
固形化粧料の剤型タイプとしては固体タイプ・ペーストタイプ等が挙げられる。具体的には、口紅、ファンデーション、コンシーラー、リップグロス、アイシャドー、アイカラー、チークカラー、サンスクリーン剤、石鹸、香水等が挙げられる。
【0049】
本発明の流動性固形化粧料原料の個々の原料は、一般に固形化粧料を製造する原料であればよく、特に限定されないが、通常、油脂類、ロウ類、炭化水素類、エステル類、脂肪酸類、シリコーン油等の油分と、有機タール系色素、酸化チタン、酸化鉄、雲母チタン等の着色顔料と、タルク、マイカ、シリカ、ナイロンパウダー等の体質顔料、水、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の保湿剤、乳化剤、香料、外線吸収剤、薬剤等が必要に応じて含有される。
【0050】
また、油性固形化粧料以外の固形化粧料についても、前記油性固形化粧料の場合と同様にして製造することができる。
【実施例】
【0051】
以下、図1に示した化粧料充填装置を用いた多色油性固形化粧料の製造方法の実施例を挙げて本発明について、さらに具体的に説明する。
【0052】
[実施例1]
表1に示した処方(単位は質量%)のリップグロスA及びBの処方原料(流動性油性固形化粧料原料)を、化粧料充填装置1の2個のタンク2にそれぞれ収容した。前記タンク2は80℃に保温し、前記原料を流動化し、流動状態(粘度;40〜140mPa・s)を保った。
【0053】
次いで、前記流動化した原料をポンプ4の吸引吐出手段により、導管3を通って充填ノズル9のそれぞれの供給ノズル口10に送り込んだ。前記原料の流量はポンプ4により供給ノズル口10への供給速度を25〜100g/分に調節した。
【0054】
充填ノズル9に送り込まれた前記原料の流動化物を、ポンプ4の吐出作用により押し出し、充填ノズル9内を流動させ、充填ノズル9内における供給ノズル部12と吐出ノズル部13の境界の合体空間で接触させた。さらに、前記原料をこの合体空間で接触して一つにし、そのまま二分割された状態で充填ノズル9内を落下流動させ、吐出ノズル口11へ導き、さらに半溶融状態で吐出ノズル口11から吐出させた。吐出ノズル口11への供給速度はポンプ4により50〜200g/分に調節した。
【0055】
充填ノズル9には該充填ノズル9と導管3を接続している接続導管8に接触させて振動モーターを設け、前記原料が充填ノズル9を通過する間中、充填ノズル9に、振動数500〜1,500回/min.、振幅500〜1,000μmの振動を与え続けた。なお、前記吐出原料が半溶融状態になるように前記導管3、ポンプ4及び制御弁6を保温し、吐出原料温度を80℃に調整した。
【0056】
次いで、吐出ノズル口11から吐出させた半溶融状態の前記原料を4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填し、冷却固化した。なお、充填は間欠式に行い、1分間に20回充填した。
【0057】
次いで、前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。次いで、前記溶融物を、再度冷却固化して、固形リップグロスを製造した。該固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0058】
【表1】

【0059】
[実施例2]
実施例1製造中の、「前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の固形リップグロスを容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、リップグロスを溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例1と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0060】
[実施例3]
実施例1製造中の、「前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の固形リップグロスを容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、リップグロスを溶融し、該溶融物にバイブレーションを加えながらその溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例1と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。なお、バイブレーションは、充填部直下に設置したコイル式バイブレーターにて行った。
【0061】
[実施例4]
表1に示した処方(単位は質量%)のリップグロスA及びBの処方原料(流動性油性固形化粧料原料)を、化粧料充填装置1の2個のタンク2にそれぞれ収容した。前記タンク2は80℃に保温し、前記原料を流動化し、流動状態(粘度;40〜140mPa・s)を保った。
【0062】
次いで、前記流動化した原料をポンプ4の吸引吐出手段により、導管3を通って充填ノズル9のそれぞれの供給ノズル口10に送り込んだ。前記原料の流量はポンプ4により供給ノズル口10への供給速度を25〜100g/分に調節した。
【0063】
充填ノズル9に送り込まれた前記原料の流動化物を、ポンプ4の吐出作用により押し出し、充填ノズル9内を流動させ、充填ノズル9内における供給ノズル部12と吐出ノズル部13の境界の合体空間で接触させた。さらに、前記原料をこの合体空間で接触して一つにし、そのまま二分割された状態で充填ノズル9内を落下流動させ、吐出ノズル口11へ導き、さらに半溶融状態で吐出ノズル口11から吐出させた。吐出ノズル口11への供給速度はポンプ4により50〜200g/分に調節した。
【0064】
充填ノズル9には該充填ノズル9と導管3を接続している接続導管8に接触させて振動モーターを設け、前記原料が充填ノズル9を通過する間中、充填ノズル9に、振動数500〜1,500回/min.、振幅500〜1,000μmの振動を与え続けた。なお、前記吐出原料が半溶融状態になるように前記導管3、ポンプ4及び制御弁6を保温し、吐出原料温度を80℃に調整した。
【0065】
次いで、吐出ノズル口11から吐出させた半溶融状態の前記原料を4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填した。なお、充填は間欠式に行い、1分間に20回充填した。
【0066】
次いで、前記容器内の半溶融状態の前記原料の表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。次いで、前記溶融物を、冷却固化して、固形リップグロスを製造した。該固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0067】
[実施例5]
実施例4製造中の、「前記容器内の半溶融状態の前記原料の表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の半溶融状態の前記原料を容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例4と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0068】
[実施例6]
実施例4製造中の、「前記容器内の半溶融状態の前記原料の表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の半溶融状態の前記原料を容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、溶融し、該溶融物にバイブレーションを加えながらその溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例4と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。なお、バイブレーションは、充填部直下に設置したコイル式バイブレーターにて行った。
【0069】
[実施例7]
表1に示した処方(単位は質量%)のリップグロスA及びBの処方原料(流動性油性固形化粧料原料)を、化粧料充填装置1の2個のタンク2にそれぞれ収容した。前記タンク2は95℃に保温し、前記原料を流動化し、流動状態(粘度;10〜100mPa・s)を保った。
【0070】
次いで、前記流動化した原料をポンプ4の吸引吐出手段により、導管3を通って充填ノズル9のそれぞれの供給ノズル口10に送り込んだ。前記原料の流量はポンプ4により供給ノズル口10への供給速度を25〜100g/分に調節した。
【0071】
充填ノズル9に送り込まれた前記原料の流動化物を、ポンプ4の吐出作用により押し出し、充填ノズル9内を流動させ、充填ノズル9内における供給ノズル部12と吐出ノズル部13の境界の合体空間で接触させた。さらに、前記原料をこの合体空間で接触して一つにし、そのまま二分割された状態で充填ノズル9内を落下流動させ、吐出ノズル口11へ導き、さらに溶融状態で吐出ノズル口11から吐出させた。吐出ノズル口11への供給速度はポンプ4により50〜200g/分に調節した。
【0072】
充填ノズル9には該充填ノズル9と導管3を接続している接続導管8に接触させて振動モーターを設け、前記原料が充填ノズル9を通過する間中、充填ノズル9に、振動数500〜1,500回/min.、振幅500〜1,000μmの振動を与え続けた。なお、前記吐出原料が溶融状態になるように前記導管3、ポンプ4及び制御弁6を保温し、吐出原料温度を95℃に調整した。
【0073】
次いで、吐出ノズル口11から吐出させた溶融状態の前記原料を4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填し、冷却固化した。なお、充填は間欠式に行い、1分間に20回充填した。
【0074】
次いで、前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。次いで、前記溶融物を、再度冷却固化して、固形リップグロスを製造した。該固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0075】
[実施例8]
実施例7製造中の、「前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の固形リップグロスを容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、リップグロスを溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例7と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。
【0076】
[実施例9]
実施例7製造中の、「前記容器内の固形リップグロスの表面をホットエア(ライスター)により上部から加熱し、リップグロスの表面を溶融し、その溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法に替えて、「前記容器内の固形リップグロスを容器ごとホットプレートにより下部から加熱し、リップグロスを溶融し、該溶融物にバイブレーションを加えながらその溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまでしばらく保持した。」方法にした以外は実施例7と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。なお、バイブレーションは、充填部直下に設置したコイル式バイブレーターにて行った。
【0077】
[実施例10]
表1に示した処方(単位は質量%)のリップグロスA及びBの処方原料(流動性油性固形化粧料原料)を、化粧料充填装置1の2個のタンク2にそれぞれ収容した。前記タンク2は95℃に保温し、前記原料を流動化し、流動状態(粘度;10〜100mPa・s)を保った。
【0078】
次いで、前記流動化した原料をポンプ4の吸引吐出手段により、導管3を通って充填ノズル9のそれぞれの供給ノズル口10に送り込んだ。前記原料の流量はポンプ4により供給ノズル口10への供給速度を25〜100g/分に調節した。
【0079】
充填ノズル9に送り込まれた前記原料の流動化物を、ポンプ4の吐出作用により押し出し、充填ノズル9内を流動させ、充填ノズル9内における供給ノズル部12と吐出ノズル部13の境界の合体空間で接触させた。さらに、前記原料をこの合体空間で接触して一つにし、そのまま二分割された状態で充填ノズル9内を落下流動させ、吐出ノズル口11へ導き、さらに溶融状態で吐出ノズル口11から吐出させた。吐出ノズル口11への供給速度はポンプ4により50〜200g/分に調節した。
【0080】
充填ノズル9には該充填ノズル9と導管3を接続している接続導管8に接触させて振動モーターを設け、前記原料が充填ノズル9を通過する間中、充填ノズル9に、振動数500〜1,500回/min.、振幅500〜1,000μmの振動を与え続けた。なお、前記吐出原料が溶融状態になるように前記導管3、ポンプ4及び制御弁6を保温し、吐出原料温度を95℃に調整した。
【0081】
次いで、吐出ノズル口11から吐出させた溶融状態の前記原料を4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填し、前記容器を保温し、溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまで保持した後、前記溶融物を、冷却固化して、固形リップグロスを製造した。該固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。なお、充填は間欠式に行い、1分間に20回充填した。
【0082】
[実施例11]
実施例10製造中の、「吐出ノズル口11から吐出させた溶融状態の前記原料4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填し、前記容器を保温し、溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまで保持した後、」方法に替えて、「吐出ノズル口11から吐出させた溶融状態の前記原料を4mm・42φの中皿(金皿)に直接充填し、前記容器を保温し、該溶融状態の充填物にバイブレーションを加えながらその溶融状態をグラデーション模様が充分に発現するまで保持した後、」方法にした以外は実施例10と同様にして固形リップグロスを製造した。得られた固形リップグロスは本発明で定義される多色固形化粧料であり、二色の境目がグラデーション模様を有し、意匠的に優れたものであった。なお、バイブレーションは、充填部直下に設置したコイル式バイブレーターにて行った。
【0083】
図2に、実施例1で得られた固形リップグロスの中皿充填品の外観模式図を示す。二色の境目がきれいなグラデーション模様が形成されていることが分かる。なお、図示しないが、実施例2〜11で得られた固形リップグロスの中皿充填品も図1と同様、二色の境目がきれいなグラデーション模様が形成されていた。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の多色固形化粧料を製造するための装置の一具体例を示す化粧料充填装置の図である。
【図2】図2は、実施例1で得られた固形リップグロスの中皿充填品の外観模式図である。
【符号の説明】
【0085】
1……化粧料充填装置
2……タンク
3……導管
4……ポンプ
5……振動装置
6……制御弁
7……充填用中皿
8……接続導管
9……充填ノズル
10……供給ノズル口
11……吐出ノズル口
12……供給ノズル部
13……吐出ノズル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が多色を呈する単一容器内に充填された固形化粧料であって、その多色の層が固形化粧料の表面から最下層まで維持されており、かつ表面の多色の境目がグラデーション模様を形成していることを特徴とするグラデーション模様を有する多色固形化粧料。
【請求項2】
グラデーション模様が、固形化粧料の表面層に形成していることを特徴とする請求項1記載の多色固形化粧料。
【請求項3】
グラデーション模様が、固形化粧料の表面から最下層まで形成していることを特徴とする請求項1記載の多色固形化粧料。
【請求項4】
流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該溶融状態の充填物を固化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法。
【請求項5】
流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から半溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該充填物を加熱し少なくとも表面を溶融状態にし、その後固化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法。
【請求項6】
流動性固形化粧料原料を、流動性固形化粧料原料を供給する複数の供給ノズル口と、それらにつながる供給ノズル部と、該複数の供給ノズル部が一つにまとまった吐出ノズル部と、該吐出ノズル部の端に設けられた前記原料を吐出する一つの吐出ノズル口を有する充填ノズルを用いて容器に充填、固化して多色固形化粧料を製造する方法であって、前記充填ノズルに振動を与えながら、互いに異なる色の複数の流動化した流動性固形化粧料原料を、前記複数の供給ノズル口のそれぞれ異なった口から、独立して供給し、次いで前記充填ノズル内で一つにまとめた後、前記吐出ノズル口から半溶融状態乃至溶融状態で吐出させて容器内に充填し、次いで該充填物を固化させた後、該固化物を加熱し少なくとも表面を溶融状態にし、その後固化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか一項に記載の製造方法において、溶融状態の充填物に振動を与えることを特徴とするグラデーション模様を有する多色固形化粧料の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−335667(P2006−335667A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160523(P2005−160523)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(390041036)株式会社日本色材工業研究所 (37)
【Fターム(参考)】