説明

グリセリン粉末

【課題】運動中の体内水分量の蓄積維持に効果的な一定濃度(23%重量含有)のグリセリン粉末と水の混合水により脱水症状を回避し、熱障害を予防し、運動機能向上に役立てることができる粉末化したグリセリンを提供する。
【解決手段】体重1kg重量に対して、グリセリンは0.03g(0.02379ml)重量、水は10g(10ml)重量を目安に配合し、さらに薬理薬効を有する生理活性物質を混合し、適量添加する。この混合水を運動の数時間前に摂取することで、運動時の体内水分量の蓄積維持及びエネルギー源の確保と暑さ対策による脱水症状及び熱障害の予防効果が期待できる。水と一定濃度(23%重量含有)のグリセリン粉末の配合比によりグリセリン粉末は、グリセリンを最高含有率になるようにデキストリンに添加して、粉末化する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、暑さ対策を解消するために、体内水分量の蓄積維持を目的とするデキストリンを利用したグリセリンの粉末化に関する。
【背景の技術】
【0002】
平成15年から箱根駅伝大会で給水所が設けられた。激寒の1月2・3日の大会で、毎年数人が脱水状態で戦線を離脱している。不思議なことである。これは地球温暖化に深く関係していることは間違いない。地球は気温が100年で3℃上昇している。また、都会ではヒートアイランド現象が起きている。スポーツ選手にとって、水分補給は勝敗の鍵を握る重要な要因であるばかりでなく、生死に関わる問題となっている。
しかし、運動前、運動中、運動後の水分補給に関して、詳しい摂取方法が記載されている説明書や専門書も見当たらない。また、「何時、何を飲んだら良いのか」を悩んでいる指導者も少なくない。市販されているスポーツドリンクも、電解水や糖質混合水が主流で、アスリート達は無意識に水分補給としているのが現状である。
最近、アミノ酸等配合の混合水が市販されているが、トップアスリート達が本当に必要としている飲料水は、運動中に体内で水分が蓄積でき、運動時に出来る限り体内保水量の蓄積維持できる飲料水である。運動中に発汗で失われていく体内の水分量を、運動前に水分補給し、体内で蓄積維持が可能であれば、脱水状態を防ぐことが出来、運動機能が向上することは間違いない。さらに、暑さ対策による熱中症予防にも大変役立つ。
しかし、運動中に失われていく体内水分量の蓄積維持を目的に、前もって給水することで運動時の体内水分量を蓄積維持できる商品は市販されていない。それを可能にした商品が、グリセリン粉末商品である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トップアスリート達が、レースの数時間前の時点で考えなければならない重要なことは、前日に失われたエネルギー源を回復させるとともに、レースでの発汗に備えて充分な水分を補給することである。しかし、数時間前に水分を摂り過ぎると、レース前に単に尿として排泄されてしまう。
なぜなら、レースの数時間前に補給された水分は、レースが始まった頃に吸収され始めるからである。
数時間前に適切な配合比によるグリセリンと水の混合水を摂取することで、運動中に発汗で失われていく体内の水分量を前もって体内に蓄積維持しておくことが出来る。これをハイパーハイドレーションという。
この水分補給方法は、スポーツ選手を地球温暖化現象による脱水症状から守り、熱障害を予防することが出来る。適切な配合比によるグリセリンと水の混合水は、トップアスリート達の運動機能向上に充分貢献出来ると確信する。また、高齢者及び幼児の体内保水量の蓄積維持による暑さ対策に役立てることができる。
しかし、グリセリンを摂取することはなかなか困難である。グリセリンを水と配合し、混合水として飲料しても、咽喉に引っかかり大変飲みにくく、味に問題がある。グリセリンを粉末化することで、咽喉に引っかかることもなく、味の問題も解決でき、飲みにくさを解消できる。
【課題を解決する手段】
【0004】
いったん体内に入った水は、直接血管に吸収され、全体の血流量を増加させる。しかし、急速に摂取された水分は、すぐに尿として体外に排泄されてしまう。これは心脈管系内で、感覚受容体が血流量の変化を探知し、次に腎臓が運動前に増加した水分に対応し、尿の排泄量を多くして、血流量を通常のレベルへと戻すからである。
しかし、ここでの問題は増加した体内の水分量であり、その体内の水分量を全て体が保持できるようにすれば良いのである。つまり、血管内の血漿ではなく、細胞組織間の水分量および細胞内の水分量が蓄積できれば良いことである。そうなれば、尿として排泄される水分量は最小限になる。
このような体全体へのハイパーハイドレーションは、グリセリンと水の混合水を摂取することで解決できる。その結果、グリセリン水の摂取は熱障害になりにくく、暑さ対策に役立てることが出来る。
したがって、グリセリン水は体全体に再配分されるため、蒸発冷却法に利用できる。また、運動中のグリセリン水によるハイパーハイドレーションは、運動中に適切な水分量を蓄積維持するために非常に効果的である。適切なグリセリン水の摂取量は、体重1kg重量あたりグリセリン0.03g重量、水10g重量が目安である。
【0005】
このグリセリンと水の混合水の考え方は、便秘の人に使用されている浣腸の逆発想である。浣腸は、便秘で苦しんでいる人にグリセリンを肛門から注入することで、体内の水分を腸内に集め便を排泄しやすくする方法である。さらに、医療分野では、脳内に溜まった水分を流出させるために、首筋へグリセリンを注射して、脳内の水分を体内に流出させる方法を取っている。
このような方法の逆発想で、運動中に体内の水分量を充分に蓄積維持しておき、発汗で失われていく水分量に備える方法がハイパーハイドレーションである。このハイパーハイドレーションで重要なポイントは、水と混合した時のグリセリン濃度である。
グリセリン濃度を正確に配合する手段として、グリセリンを粉末化することで解決できる。グリセリンを粉末化することで、一定濃度の含有率になるため、容易にグリセリンと水を混合することが出来る。グリセリンを粉末化できない場合は、ペットボトルに水と一定濃度のグリセリンを前もって混合しておく必要がある。
国内ではペットボトルの使用は可能であるが、国外では一定量のグリセリンと水の混合水を飲料するには、一定濃度のグリセリン粉末が内包されたものを携帯し、現地でミネラルウォーターに溶解させたほうが簡単かつ便利である。ペットボトルを持ち歩くのは不便である。
【0006】
一定濃度のグリセリン粉末はデキストリンを添加して粉末化する。適量のエタノール及び適量の水を添加して、適量のグリセリンと適量のデキストリンを配合し、攪拌する。十分に攪拌が完了したことを確認後、乾燥室にて適量のグリセリンと適量のデキストリンの混合物を乾燥させる。
混合物が完全に乾燥粉末化したことを確認して、グリセリン粉末の完成となる。
デキストリンにはいろいろ種類があるが、今回の実験では、クラスターデキストリンとの配合がグリセリンの含有量が一番多い結果となった。23%重量の含有率である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、適切な配合比率に従ったグリセリン粉末と水との混合水を運動の数時間前に適量摂取することで、運動中に適切な水分量を体内蓄積維持できるため、非常に効果的な蒸発冷却法となり、脱水症状を予防し、熱障害になりにくく、暑さ対策に役立つ。
また、薬理薬効のある原料と組合せることで、さらに効能効果が増し、体内保水量の蓄積維持及びエネルギー源の確保による運動機能向上に役立てることができる。また、一般の方達の暑さ対策にも十分期待できる商品開発である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
グリセリン粉末化は、その素材をできる限り天然、自然な状態に維持しかつその新鮮さを保持しつつ素材から商品化への加工工程において、添加物や熱、水、圧力、空気、酸化等の品質劣化要因の少ない商品形態に考慮しなければならない。また、一回の摂取量、配合比、体内吸収、飲みやすさ、取扱い易さ、コスト、関係法規の要因も考慮しなければならない。
グリセリン粉末の製品化は、自体公知の食品或は食品成分、賦形剤、医薬担体と自体公知の方法で配合し、効能効果を有するグリセリン粉末と水の混合水は、運動時の体内保水量の蓄積維持及び暑さ対策による熱障害に役立つグリセリン粉末とすることができる。
用いる食品添加物及び食品成分は特に限定するものではなく、目的とする効能効果の具体的用途に応じて当業者が適宜選択できる。また、形態も特に限定するものではなく、具体的用途に応じていろいろな形態にすることができる。
【実施例】
【0009】
体重1kg重量あたり、グリセリンは0.03g(0.02379ml)重量、水は10g(10ml)重量を目安とし、体重に対して対応できるようなグリセリン粉末を計量し、試作した。グリセリン粉末はグリセリン含有量が23%重量である。
試作に対し、液状のグリセリンに水を加えての試作品は販売時のことを考えると、重量と容積が問題となり、課題が残り得策とはいえない。
そこで使用時に合わせて、一定濃度(23%重量含有)のグリセリン粉末を作成し、市販のミネラルウォーター500ml重量に対して、飲料する人の体重に合わせて一定濃度(23%重量含有)のグリセリン粉末を計量し、適量のグリセリン粉末をアルミ袋に内包して、数時間前に適量のグリセリン水を摂取出来るように配慮した。
【0010】
実施にあたり、筑波大学征矢教授にお願いして、筑波大学陸上部に協力を頂き、部員の中で練習中に脱水症状になりやすい人を選出いていただいた。
部員は体重55kg重量前後の人を選び、グリセリン2.2g(1.7446ml)重量が含有されたグリセリン粉末に水500g(500ml)重量を混合し、4時間前に数回に分けて摂取していただいた。
グリセリン粉末の実験のため、その他の原料は配合せず、一定濃度(23%重量含有)のグリセリン粉末と500ml重量のミネラルウォーター水の混合による効果を期待した。
実施日は、8月中の晴天の日を選び、練習中には出来る限り水分を摂らないで、何時まで練習が続けられるか実験していただいた。驚くことに、他の部員が休憩時に水分を要求したのに対して、長時間にわたり水分補給せず練習を続けられたのである。
適量の一定濃度(23%重量含有)グリセリン粉末とミネラルウォーター500ml重量の混合水は、運動選手には熱障害及び脱水症状の予防に必要不可欠な飲料水になると確信した。また、一般人の暑さ対策にも期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリンの粉末化に関する

【公開番号】特開2010−254657(P2010−254657A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120341(P2009−120341)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(596069874)株式会社クレッセンドコーポレーション (9)
【Fターム(参考)】