説明

グルコシルセラミド含有食酢並びにこれを含む組成物とそれらの製造方法

【課題】抽出溶媒の除去等の操作を必要とせず、簡単な方法によって製造することができる、グルコシルセラミドを豊富に含む飲食品ないしは飲食品素材と、それらを含むグルコシルセラミド含有組成物、さらには、それらの製造方法、並びに抽出溶媒の除去を必要としないグルコシルセラミド含有物の製造方法の提供。
【解決手段】 穀物胚芽を原料とし、糖化、アルコール発酵、及び酢酸発酵を経て製造されるグルコシルセラミド含有食酢、並びに、これを含む液状、固状、半固状、粒状、又は粉末状の組成物と、穀物胚芽を原料とし、これを糖化、アルコール発酵、さらに酢酸発酵させる工程を含むグルコシルセラミド含有食酢又はこれを含む組成物の製造方法、さらには、グルコシルセラミド含有食物由来素材又はその加工品を、少なくともアルコール発酵させる工程を含み、アルコール発酵によって生成したエタノール中にグルコシルセラミドを抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコシルセラミド含有食酢並びにこれを含む組成物とそれらの製造方法に関し、詳細には、黒酢に代表される醸造食酢の製造工程を利用して得られるグルコシルセラミド含有食酢、及びこれを含む組成物、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコシルラミドは、人間の皮膚の保湿作用や、保護作用、肌荒れ防止・改善作用などの効果を有し、肌をみずみずしく柔軟性のある状態に保つために不可欠な脂質の一種である。このためグルコシルセラミドは、美容分野で注目を浴び、化粧品の素材として用いられていることはもとより、近年では、食品素材として、食品や飲料などにも配合されるようになっている。
【0003】
グルコシルセラミドは動植物界に広く存在し、従来は、牛脳から有機溶媒抽出され使用されていたけれども、最近ではより安全性の高い原料への関心が高まり、例えば、米糠や大豆胚芽、こんにゃく、芋類などのグルコシルセラミドを比較的多く含む植物原料からエタノールなどの抽出溶媒によって抽出することが行われている。しかしながら、溶媒抽出されたグルコシルセラミドを製品化するには、抽出に用いた抽出溶媒を分離、除去することが必要で、そのための操作が別途必要となる上に、抽出溶媒のコストが非常に高くつき経済的ではなかった。さらに、このようにして抽出採取されたグルコシルセラミドの濃度はそれほど高くなく、市販されている液状のグルコシルセラミド製品にあっては、0.3〜1.0質量%程度であり、粉末製品にあっては、濃縮されてはいるものの、その濃度は約3〜10質量%程度である。これら液状若しくは粉末状のグルコシルセラミド製品が飲料又は食品に微量添加されて使用されているのが現状である。
【0004】
一方、濃度の高いグルコシルセラミドを得ようとする試みも為されていないわけではなく、例えば特許文献1においては、高速液体クロマトグラフィーによる抽出溶媒の分離並びにグルコシルセラミドの精製が提案されており、特許文献2においては、抽出液を冷凍処理してグルコシルセラミドを含む沈殿を形成させて抽出溶媒との分離を図り、さらに沈殿物をアセトンなどの有機溶剤で洗浄することが提案されている。しかしながら、これら提案されている方法は、いずれも複雑な操作を必要とし、その分、得られるグルコシルセラミドも高価なものとならざるを得なかった。
【特許文献1】特開2002−294274号公報
【特許文献2】特開2005−120321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来技術が持つ欠点を解決するために為されたもので、抽出溶媒の除去等の操作を必要とせず、簡単な方法によって製造することができる、グルコシルセラミドを豊富に含む飲食品ないしは飲食品素材と、それら飲食品又は飲食品素材を含んだグルコシルセラミド含有組成物、さらには、それらの製造方法、並びに抽出溶媒の除去を必要としないグルコシルセラミド含有物の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、偶然にも、植物由来の原料からグルコシルセラミドがエタノールによって容易に抽出される事実と、黒酢に代表される醸造食酢の製造過程においては、アルコール発酵によってエタノールが生成し、そのエタノールがさらに酢酸発酵によって酢酸に変わる事実との意外な組み合わせに思い至った。すなわち、本発明者らは、醸造食酢の製造過程に着目し、これを植物由来原料からのグルコシルセラミドの抽出に利用できれば、抽出溶媒としてエタノールを別途加える必要もなければ、抽出に用いたエタノールを除去する必要もないのではないかと考え、更に試行錯誤を繰り返した結果、小麦胚芽等のグルコシルセラミドを比較的多量に含む穀物胚芽を原料とし、これを糖化して、さらにアルコール発酵及び酢酸発酵をさせると、アルコール発酵で生成したエタノール中に穀物胚芽中に含まれていたグルコシルセラミドが良く抽出されること、しかも、驚くべきことに、更に発酵が進んでエタノールが酢酸にまで変化しても、発酵液中にはグルコシルセラミドが高濃度で存在していることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、穀物胚芽を原料とし、糖化、アルコール発酵、及び酢酸発酵を経て製造されるグルコシルセラミド含有食酢、並びに、このグルコシルセラミド含有食酢を含む液状、固状、半固状、粒状、又は粉末状の組成物と、穀物胚芽を原料とし、これを糖化、アルコール発酵、さらに酢酸発酵させる工程を含むグルコシルセラミド含有食酢又はこれを含む組成物の製造方法、さらには、グルコシルセラミド含有食物由来素材又はその加工品を、少なくともアルコール発酵させる工程を含み、アルコール発酵によって生成したエタノール中にグルコシルセラミドを抽出することを特徴とするグルコシルセラミド含有物の製造方法を提供することによって、上記の課題を解決するものである。
【0008】
上記のとおり本発明は、発酵法による食酢の製造過程を巧みに利用して、グルコシルセラミドを豊富に含有する飲食品ないしは飲食品素材である食酢を直接得るものである。このような本発明の技術思想は、原料中に含まれるグルコシルセラミドを溶媒抽出で取り出し、これを濃縮ないしは精製してグルコシルセラミド製品とし、さらにこれを飲食品に添加してグルコシルセラミド含有飲食品を得るという従来の発想とは全く異なるものである。また、小麦胚芽等の穀物胚芽は、蛋白質を多く含むものの澱粉の含量が少ないので、従来、食酢の原料としては使用されていない。このような穀物胚芽を原料に用いた点においても、本発明は従来の技術思想とは一線を画するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のグルコシルセラミド含有食酢は、原料に用いる穀物胚芽の種類にもよるが、通常、乾固物当たりグルコシルセラミドを0.04質量%以上含有しており、本発明のグルコシルセラミド含有食酢の固形分含量(乾固物含量)は通常8〜10質量%程度であるので、本発明のグルコシルセラミド含有食酢を一日当たり約15ml程度飲用すれば、成人に必要とされる一日当たりの推奨摂取量である0.6mgのグルコシルセラミドを摂取することができるので、本発明のグルコシルセラミド含有食酢によれば、一日当たり必要なグルコシルセラミドを無理なく容易に摂取することができるという利点がある。また、本発明のグルコシルセラミド含有食酢は、穀物胚芽を原料とし、これを糖化、アルコール発酵、酢酸発酵させて製造されるので、市販されている例えば黒酢などの醸造食酢と同様に、アミノ酸を多量に含み、さらにはビタミンやミネラルなども高濃度に含有しており、栄養価が高く、美容、健康の両面に極めて有用であるとともに、飲み口がまろやかで飲用に適しているという利点も併せて備えている。したがって、本発明のグルコシルセラミド含有食酢は、これをそのまま飲料として飲用に供することができることは勿論、通常の食酢と同様に、液状のままで或いは粉末化して、調味料としてはもとより、美容・健康維持食品を含む各種飲食品用の素材として使用できるという利点がある。
【0010】
また、本発明のグルコシルセラミド含有食酢の製造方法によれば、アルコール発酵によって生成するエタノールによって原料中のグルコシルセラミドを抽出することができるので、別途抽出溶媒を用いる必要がなく、また、グルコシルセラミドを抽出したエタノールは、酢酸発酵によって酢酸に変化してしまうので、抽出溶媒としてのエタノールを分離、除去する必要がないという優れた利点を備えている。このように原料をアルコール発酵させ、それによって生成したエタノールを原料中のグルコシルセラミドの抽出に使用するという技術思想はこれまでに存在せず、本発明のグルコシルセラミド含有物の製造方法は、非常に簡便な手段によってグルコシルセラミド含有物を製造することができるという点において、極めて優れた効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のグルコシルセラミド含有食酢は、穀物胚芽を原料として、これを糖化、アルコール発酵、酢酸発酵させることによって得ることができる。原料として使用する穀物胚芽としては、それがグルコシルセラミドを含有し、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵によって食酢を製造することができる限り、どのような穀物胚芽を使用しても良く、例えば、米胚芽、小麦胚芽、大麦胚芽、大豆胚芽などが挙げられ、これらの穀物胚芽は一種類だけを使用しても良いし、いずれか二種以上を混合して使用しても良い。ただし、高濃度のグルコシルセラミド含有食酢が得られるという観点からは、小麦胚芽又は米胚芽を用いるのが好ましく、小麦胚芽を用いるのが特に好ましい。なお、使用する小麦胚芽などの穀物胚芽は、高度に精製されている必要はなく、穀物に由来する皮部や胚乳部分を含んでいても良いが、皮部などの混入量はなるべく少ないものほど好ましい。
【0012】
また、小麦胚芽等の穀物胚芽は米に比べ炭水化物の量が少ないので、これを補うために、必要に応じて、原料に澱粉又は澱粉を含む他の材料を加えても良い。澱粉又は澱粉を含む他の材料を原料として穀物胚芽と併用する場合には、全原料中、穀物胚芽の割合が70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であるのが良く、小麦胚芽についていえば、全原料中、小麦胚芽の割合が80質量%以上であるのが好ましい。
【0013】
上記のような穀物胚芽、或いは穀物胚芽と澱粉又は澱粉を含む他の材料とを原料としてグルコシルセラミド含有食酢を製造するには、原料と水とを、通常、質量比で、原料:水=1:2〜1:5の割合で、好ましくは、原料:水=1:2.5〜1:3.5の割合で、さらに好ましくは、原料:水=1:3の割合で混合し、加熱状態で保持するなどして原料中の澱粉を糊化したのち、これを糖化、アルコール発酵、酢酸発酵させれば良い。
【0014】
糖化は、通常使用されているアルファアミラーゼ、ベータアミラーゼ、グルコアミラーゼ、枝切り酵素などの液化酵素や糖化酵素を用いて行うことができ、このときプロテアーゼを併用しても良い。或いは、古来から黒酢の製造において行われているように、麹菌を用いて糖化を行うことも可能である。使用する各種酵素や麹菌は市販のものを使用することができる。
【0015】
アルコール発酵は、糖化液に酒造用酵母などの酵母を作用させることによって行われる。使用する酵母に特段の制限はなく、市販品を使用することができる。このアルコール発酵によってエタノールが生成し、穀物胚芽に含まれているグルコシルセラミドはエタノール中に抽出されることとなる。続いて、酢酸菌を作用させ、酢酸発酵を行わせる。このとき、アルコール発酵によるエタノールの生成量が足りず、製品としての食酢の酸度の不足が懸念される場合には、アルコール発酵後にエタノールを添加して酸度の調整を行っても良い。いずれにせよ酢酸発酵を経て、本発明のグルコシルセラミド含有食酢が得られることとなる。
【0016】
以上のような糊化、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵の各工程は、それぞれを順を追って行わせるようにしても良く、或いは、それらのうちのいずれか2以上の工程を同時進行的に行わせるようにしても良い。また、伝統的な黒酢の製法と同様に、麹米と糊化した穀物胚芽と仕込水だけで発酵工程を経てグルコシルセラミド含有食酢としても良い。
【0017】
いずれにせよ、原料である穀物胚芽中に含まれていたグルコシルセラミドは、アルコール発酵によって生成したエタノール中に抽出され、そのエタノールが酢酸発酵によって酢酸に変化した後も、発酵液中に高濃度に存在し、本発明のグルコシルセラミド含有食酢が得られることとなる。
【0018】
得られたグルコシルセラミド含有食酢には、原料に用いる穀物胚芽の種類や量にもよるけれども、通常、乾固物当たり0.04質量%以上のグルコシルセラミドが含まれており、これを一日当たり約15ml程度、或いはそれに相当する量を、飲用ないし食用すれば、成人に必要とされる一日当たり0.6mgの推奨摂取量のグルコシルセラミドを無理なく容易に摂取することができる。
【0019】
また、本発明のグルコシルセラミド含有食酢には、グルコシルセラミドに加えて、アミノ酸や各種ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、栄養価に優れるばかりでなく、まろやかな飲み口で、美容や健康増進のための飲料として、最適であることは勿論、液状のままで、或いは必要に応じて適宜固化ないしは粉末化して、調味料或いは各種飲食品用の素材としても使用することができる。例えば、適度の酸味が好まれる飲料に配合して、美容・健康増進のための清涼飲料としても良く、通常食酢が添加されるドレッシングやマヨネーズなどの食品に配合して、美容・健康増進を兼ねたドレッシングやマヨネーズとすることも随意である。さらには、固化ないしは粉末化して、他の適宜の甘味料や結着剤、場合によっては、酵素、補酵素、更には、その他の機能性食品に配合される成分などと混合して組成物とし、粉末のままで、或いは成形、造粒、ないしは打錠して、美容及び健康増進のための栄養価に優れた機能性食品としても良く、更には、チューインガムやキャンディなどに配合して組成物とし、美容及び健康増進のための菓子としても良い。
【0020】
また、上記のようなアルコール発酵により生成されるエタノールを抽出溶媒として原料中に含まれるグルコシルセラミドを抽出する方法は、食酢に限らず、一般のグルコシルセラミド含有物の製造にも使用できる。例えば、米糠や、大豆、ピーナッツなどの豆類、芋類などのグルコシルセラミドを含有する食物由来素材又はその加工品を、少なくともアルコール発酵させる工程を含む方法によって加工することにより、アルコール発酵によって生成したエタノール中には食物由来素材に含まれていたグルコシルセラミドが抽出されることになり、グルコシルセラミド含有物を製造することができる。このような製造方法によれば、抽出溶媒としてのエタノールを用いることなく、或いは、仮にアルコール発酵によるエタノールの生成量が不足してエタノールを添加する必要がある場合であっても、より少量のエタノールの添加によって、グルコシルセラミド含有物を製造することができるという利点が得られることとなる。
【0021】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
〈実施例1〉
仕込水900mlに全脂小麦胚芽300gを加え、100℃で30分間保持して糊化を行い、その後、天野エンザイム(株)製の「アミラーゼAD・1」を0.75g、「グルコザイムAF6」を0.2g添加し、pH5.5、55℃で48時間保持し、糖化及び分解を行った。生成された糖化液を20℃に冷却し、乾燥酒酵母(「清酒用乾燥酵母901号」、財団法人日本醸造協会製)1gを添加して、2週間アルコール発酵させた後、未分解物を濾過により除去してアルコール濃度8質量%のアルコール発酵液を得た。このアルコール発酵液に酢酸菌(「A・Pasteriuanus」、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部製)を添加し、25℃で1ヶ月間保持して酢酸発酵を行わせ、約700mlの食酢を得た。得られた食酢中に含まれるグルコシルセラミドの量を、高速液体クロマトグラフィー−光散乱検出法(「HPLC−ELSD」、株式会社島津製作所製)により測定したところ、グルコシルセラミドの含有量は乾固物当たり0.064質量%であった。また、製造された食酢の酸度は4.5で、醸造酢特有の黒味を帯び、黒酢と呼べるものであり、試飲したところ、まろやかな飲み口であった。
【0023】
〈実施例2〉
仕込水1.2リットルに脱脂小麦胚芽300gを加えて100℃で30分間保持して糊化を行い、その後、実施例1と同様にして、糖化工程、アルコール発酵工程、濾過工程、酢酸発酵工程を行い、約1リットルの食酢を得た。得られた食酢中のグルコシルセラミドの量を実施例1と同様に測定したところ、グルコシルセラミドの量は乾固物当たり0.062質量%であった。また、グルコシルセラミドの測定と同じ測定法によってアミノ酸含量を測定したところ、得られた食酢には、食酢100g当たり、3200mgのアミノ酸が含まれていた。製造された食酢の酸度は4.5で、醸造酢特有の黒味を帯び、黒酢と呼べるものであり、試飲したところ、まろやかな飲み口であった。
【0024】
〈実施例3〉
仕込水900mlに膨化脱脂小麦胚芽300gを加え、その後、実施例1と同様にして、糖化工程、アルコール発酵工程、濾過工程、酢酸発酵工程を行い、約700mlの食酢を得た。得られた食酢中のグルコシルセラミドの量を実施例1と同様に測定したところ、グルコシルセラミドの量は乾固物当たり0.065質量%であった。また、グルコシルセラミドの測定と同じ測定法によってアミノ酸含量を測定したところ、得られた食酢には、食酢100g当たり、2500mgのアミノ酸が含まれていた。製造された食酢の酸度は4.5で、醸造酢特有の黒味を帯び、黒酢と呼べるものであり、試飲したところ、まろやかな飲み口であった。
【0025】
〈比較例〉
市販されている穀物酢、米酢、リンゴ酢(以上、株式会社ミツカン製)、および黒酢(「臨醐山」、内堀醸造株式会社製)中に含まれるグルコシルセラミドの量を実施例1と同様に測定したところ、いずれの市販酢においても、グルコシルセラミドは測定されず、その量は測定限界以下であった。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上説明したように、本発明のグルコシルセラミド含有食酢は、グルコシルセラミドを高濃度に含有し、例えばこれを飲用することによって、成人が一日当たり必要とするグルコシルセラミドを無理なく容易に摂取することができる。しかも、本発明のグルコシルセラミド含有食酢には、グルコシルセラミドに加えて、アミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含まれており、かつ、口当たりもまろやかで飲み口が良いので、飲用には最適であって、美容や健康増進に資すること大である。更には、本発明のグルコシルセラミド含有食酢の製造方法によれば、抽出溶媒を使用してグルコシルセラミドを抽出し、さらにこれを濃縮ないしは精製する従来の製造方法とは違って、グルコシルセラミドを含有する飲食品ないしは飲食品素材である食酢を、簡単な方法でかつ直接に製造することができるので、コスト的に極めて有利であり、本発明は、飲食品業界、更には、機能性食品業界において極めて有用なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物胚芽を原料とし、糖化、アルコール発酵、及び酢酸発酵を経て製造されるグルコシルセラミド含有食酢。
【請求項2】
穀物胚芽が小麦胚芽である請求項1記載のグルコシルセラミド含有食酢。
【請求項3】
乾固物中にグルコシルセラミドを0.04質量%以上含有する請求項1又は2記載のグルコシルセラミド含有食酢。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載のグルコシルセラミド含有食酢を含む液状、固状、半固状、粒状、又は粉末状の組成物。
【請求項5】
穀物胚芽を原料とし、これを糖化、アルコール発酵、さらに酢酸発酵させる工程を含むグルコシルセラミド含有食酢又はこれを含む組成物の製造方法。
【請求項6】
穀物胚芽が小麦胚芽である請求項5記載のグルコシルセラミド含有食酢又はこれを含む組成物の製造方法。
【請求項7】
グルコシルセラミド含有食物由来素材又はその加工品を、少なくともアルコール発酵させる工程を含み、アルコール発酵によって生成したエタノール中にグルコシルセラミドを抽出することを特徴とするグルコシルセラミド含有物の製造方法。

【公開番号】特開2007−129907(P2007−129907A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323025(P2005−323025)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(506321436)株式会社三輪 (5)
【Fターム(参考)】