説明

グルコース及びアスコルビン酸の測定装置

【課題】試料中にグルコースとアスコルビン酸が共存していても、その影響を排除して、正確にグルコース濃度を測定できるとともに、グルコースに加えアスコルビン酸濃度も同時に測定するための手段を提供する。
【解決手段】グルコース及びアスコルビン酸を含有する試料をグルコース酸化酵素に接触させ、発生する電極電流を測定するとともに、ルミノールを使用する発光強度測定系により、発光強度を測定し、これら測定値から試料中のグルコース濃度及び/又はアスコルビン酸濃度を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料溶液中に含まれるグルコースとアスコルビン酸を同時に、簡便に測定するための測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、血糖、尿糖、あるいは果汁製品等中のグルコース測定においてにおいて、共存するアスコルビン酸の影響が大きな問題となっていた。グルコースの測定は多くの場合、酵素電極法より行われる。酵素電極法においては、グルコースをグルコース酸化酵素により酸化した場合に同時に生成する過酸化水素等、電子受容体が電子を受容したことによって生じる還元体を電極上で酸化し、このときの酸化電流値からグルコースを測定するが、アスコルビン酸は容易に酸化される化合物であり、過酸化水素等の酸化のために電極に正の電位を印加すると過酸化水素と同時に酸化されてしまい、正の誤差を与える要因となる。
【0003】
このアスコルビン酸による誤差を除くため、従来、過酸化水素を透過させる一方、アスコルビン酸の透過を抑制する膜を電極表面に設ける等の方法が採用されていたが、必ずしもアスコルビン酸の影響を完全に排除するには至らなかった。一方、例えば、果汁製品等の品質管理においては、グルコースのみならずアスコルビン酸の測定も重要であるが、従来のグルコース酸化酵素を用いた酵素電極法ではアスコルビン酸濃度の同時測定は極めて困難であり、両者の濃度を知るためには、グルコース酸化酵素を用いた酵素電極法と他のアスコルビン酸測定方法、例えば比色法とを併用する必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、このような事情のもとで、試料中アスコルビン酸が共存していても、その影響を排除して、正確にグルコース濃度を測定できるとともに、グルコースに加えアスコルビン酸濃度も同時に測定するための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、グルコース測定において簡便で汎用される酵素電極法に着目し、一方で、酵素電極法においてアスコルビン酸が過剰な電流応答を与える原因となるという問題、また、グルコースとアスコルビン酸との両者を含む試料中から電流という一つの信号だけでは独立に二成分の濃度を求めることはできないという問題を解消し、さらに、その一方で、特に果汁等では、品質管理等の観点から両者の濃度を知りたいという要望に答えるべく種々研究を重ねた結果、グルコース酸化酵素反応及びアスコルビン酸の酸化反応を電極電流及びルミノールの電気化学発光の二種の信号で検知することにより、二成分の濃度を求め得ることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
グルコース及びアスコルビン酸含有試料中のグルコース及び/又はアスコルビン酸濃度を、該試料がグルコース酸化酵素に接触することにより発生する電極電流の測定とルミノールを使用する発光強度の測定を同時に行うことにより、測定する装置であって、上記試料の収容容器、該容器内に配置されたフェロセンあるいはその誘導体で修飾され、かつグルコース酸化酵素が固定された電極、該電極に発生した電流を計測する電気化学制御部、及び発生する過酸化水素とルミノールの反応により発生する発光強度を測定する発光測定部を有することを特徴とする、グルコース及びアスコルビン酸を含む試料中のグルコース濃度及び/又はアスコルビン酸濃度を計測する装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、酵素電極法による電流測定と発光強度の測定を同時に行うことを特徴とするものであり、これにより、試料中にグルコースとアスコルビン酸が共存していても、アスコルビン酸の影響を排除して、正確にグルコース濃度できるとともに、グルコースに加えアスコルビン酸濃度も同時に測定することが可能となる。
したがって、本発明は、グルコースとアスコルビン酸が共存する試料、例えば果汁中のグルコース及びアスコルビン酸の分析に有利であり、その製品の品質管理等に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、酵素電極法と発光強度測定法を併用するものであり、本発明の測定系においては、少なくともグルコース酸化酵素とルミノールを有する発光強度測定系を使用する。
試料中にグルコースが存在する場合、試料中のグルコースはグルコース酸化酵素により、酸化されるとともに過酸化水素が生成し、該過酸化水素は、電極上で酸化されて電極電流を発生する。この電極電流値はグルコース濃度に比例するから、この電流値を測定すれば、グルコース濃度を測定可能であるが、アスコルビン酸が試料中に共存する場合においては、上記電極においてアスコルビン酸も濃度依存的に酸化されてしまい、測定される電流値を増大させてしまう。
【0009】
すなわち、この場合においては、測定される電極電流値は、グルコースとアスコルビン酸濃度の和に見合う量になり、グルコース濃度のみを測定することはできない。
本発明によれば、この電極電流値に反映されるアスコルビン酸の影響を発光強度測定法の併用により排除できる。
【0010】
上記グルコースの酸化により生成する過酸化水素は、ルミノールを酸化させることにより発光させる。この発光強度はグルコースの濃度に比例するが、アスコルビン酸はこの発光を濃度依存的に阻害する。したがって、この発光強度は、グルコース濃度とアスコルビン酸濃度の差として表すことができ、上記電極電流値と、この発光強度を測定すれば、試料中のグルコース濃度とアスコルビン酸濃度を求めることができる。
【0011】
本発明においては、ルミノール発光強度測定系としては、ルミノールの他に、ルミノールを発光させるために、酸化還元能を有する物質を用いる。これらの物質としては、例えば鉄イオン、銅イオン、マンガンイオン、コバルトイオン等の金属イオン類、あるいは鉄、マンガンなどを有するポルフィリン等の有機金属錯体類、西洋わさび由来のペルオキシダーゼ、あるいはカタラーゼ等の酵素等が挙げられ、ルミノール発光に用いられている周知のものでよい。これらは溶液中に溶解乃至分散して、試料と接触させてもよいが、電極上に固定化するのが好ましい。また、発光強度の測定手段としては、例えば、光電子倍増管や市販の分光蛍光光度計等を挙げることができる。
【0012】
本発明において使用する電極としては、酸化還元能を有する物質としてフェロセンあるいはその誘導体を固定化して修飾した電極が特に好ましい。以下、この電極を使用した場合を例にとり、本発明をさらに具体的に説明する。
このフェロセンあるいはその誘導体としては、吸着、化学結合等により薄膜を形成し得るものであれば特に制限はなく、例えば、電極材料として金を用いる場合、金に結合性を示す、SH基を末端に有するフェロセニルアルカンチオール等が好都合に利用される。また、白金、酸化スズ等の電極上に強固な薄膜を作製するにはフェロセニル基を有する高分子、ポリビニルフェロセン等が好都合に利用される。
【0013】
以下、この修飾電極を使用した場合を例にとり、本発明をさらに具体的に説明する。
まず、フェロセンあるいはその誘導体で修飾した電極を作製した後、上記修飾電極、参照電極等を透明な容器に挿入する。溶液中にグルコース酸化酵素、ルミノールを含む中性(pH 6-9程度)の緩衝液を加え、上記修飾電極にフェロセンを酸化するのに充分な正の電位を印加し、電極近傍に電気化学発光を検知するための素子、例えば光電子倍増管を設置する。溶液中には空気または酸素を飽和させ、適当な装置により撹拌することが好ましい。
【0014】
次いで緩衝液中にグルコース、アスコルビン酸を含有する試料を添加すると、グルコース酸化酵素反応に伴いグルコースと溶存酸素とが反応し、過酸化水素が生成する。生成した過酸化水素は電極上で酸化されて酸化電流を与える一方、フェロセンが電極上で酸化して生成するフェリシニウムカチオンの触媒でルミノールと反応し、発光する。一方、アスコルビン酸は電極上で酸化されて酸化電流を増大させる一方、フェリシニウムカチオンを選択的に還元し、上記のルミノール発光の発光強度を低下させる。グルコース及びアスコルビン酸が適当な濃度範囲にある場合、酵素反応による過酸化水素の生成速度、及び過酸化水素の電極での酸化速度並びに発光反応の速度はグルコース濃度に比例し、またアスコルビン酸の酸化速度並びに発光反応の阻害(消光)の程度はアスコルビン酸濃度に比例する。
【0015】
すなわち、グルコース濃度を[G]、アスコルビン酸濃度を[A]で表せば、酸化電流応答はa[G]+b「A」(a,bは正の定数)で与えられ、また、発光量はc[G]−d[A](c,dは正の定数)で与えられることになる。したがって、試料中のグルコース濃度及び/又はアスコルビン酸濃度は、以下の関係式により求めることができる。
I =a[G]+b[A]
L =c[G]−d[A]
(但し、上記式中、Iは測定電流値、Lは発光強度、[G]はグルコース濃度、[A]はアスコルビン酸濃度を表し、a、b、c及びdはそれぞれ正の定数を表す。)
硝子や金属酸化物を基板材料とする場合には適当なシランカプラーを用いることで、表面に反応性のアミノ基、カルボキシル基などを導入できるので、これを利用してフェロセン基を導入することが可能である。実験的に予めa,b,c,dの定数を求めておくことは容易であり、これらを求めておけば、未知試料中のグルコースとアスコルビン酸との両者の濃度を電流応答と発光強度とから決定することができる。グルコース酸化酵素を修飾電極表面上に同時に固定しておけば、測定ごとに酵素を添加しなくても上記の測定は可能となる。
【0016】
図6は、本発明の計測装置の1例を示す概略図である。
該装置は、少なくとも、センサー部(1)、攪拌器(2)、電気化学制御部3、データ記録部(4)および発光測定部(5)からなる。該センサー部(1)は、測定溶液(1−4)を収納した容器(1−7)、及び該容器内に配置可能に設けたフェロセン修飾電極(1−1)、参照電極(1−2)、白金線又は白金箔からなる対極(1−3)、試料注入部(1−7)を備え、収容容器には攪拌子が投入されている。
【0017】
以下、該計測装置の作動について説明する。
計測装置の容器(1−7)に、グルコース酸化酵素、ルミノールを含有する測定溶液(1−4)を収容し、該容器内にフェロセン修飾電極(1−1)、参照電極(1−2)、白金線又は白金箔からなる対極(1−3)を配置し、さらに、上記参照電極(1−2)を介してフェロセン修飾電極(1−1)に所定の電位を印加する。該測定溶液は空気又は酸素により飽和させ、攪拌機(2)により攪拌子1を回転させて攪拌する。次いでグルコース及びアスコルビン酸を含有する試料溶液を試料注入部(1−5)から測定溶液中に注下し、攪拌及び遮光条件下、反応させる。
【0018】
上記電気化学制御部は、印可電位を制御するとともに、発生した電流を測定する機能を有し、試料溶液中のグルコースが測定溶液(1−4)中のグルコースオキシダーゼにより分解される際、溶存酸素と反応により生成した過酸化水素は、上記フェロセン修飾電極(1−1)において酸化され、酸化電流を該修飾電極に与える。これとともに、試料中のアスコルビン酸も上記修飾電極(1−1)で酸化され、酸化電流を該修飾電極に与える。これらにより発生した電流は、上記電気化学制御部(3)により測定され、記録部(4)に電流値データとして記録される。
【0019】
一方、上記過酸化水素は、フェロセンが電極上で酸化して生成するフェリシニウムカチオンの触媒でルミノールと反応し、発光する。これに対してアスコルビン酸は、フェリシニウムカチオンを選択的に還元し、上記のルミノール発光の発光強度を低下させる、これらに基づく発光強度は、発光測定部5で測定され、発光強度データとしてデータ記録部(4)に記録される。以下、このデータ記録部(4)に記録された電流値データと発光強度データは、上記関係式に基づき演算され、試料中のグルコース濃度及び/又はアスコルビン酸濃度を算出する。得られる濃度をグルコース濃度にするか、アスコルビン酸濃度にするかあるいはこれら濃度を同時に得るかは任意に選択できる。
【0020】
また、上記測定系を構成するため、フェロセンあるいはその誘導体で修飾した電極と、あるいはさらに、グルコース酸化酵素、及びルミノール等の試薬を加えて、グルコース濃度及び/又はアスコルビン酸の濃度を計測するために用い計測用キットとすることも可能である。このような計測用キットを用いれば、既存の計測装置等を用いて、簡便に上記測定系を構成することが可能となる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
(グルコース、アスコルビン酸の同時測定)
直径10mmの金ディスク基板を1.0 mMのフェロセニルウンデカンチオールのヘキサン溶液に1時間浸せきし、金電極表面にフェロセン基を導入した。この電極基板を、支持電解質である過塩素酸ナトリウム(0.1M)、ルミノール(100μM)、グルコース酸化酵素(1mg/ml)を含むpH7.7のリン酸緩衝液に浸せきし、撹拌を行う。ここに0-1.0mMの各濃度のアスコルビン酸を含むグルコース(1.0mM)溶液を添加し、同時に金電極に+0.6V(対銀-塩化銀電極)の電位を印加し、電流応答と発光強度を同時に測定した結果をそれぞれ図1、図2に示す。図1から分かるように電流値はアスコルビン酸の濃度の増加とともに増大した。これは修飾金基板において表面固定フェロセン基の酸化に伴う電流、ルミノールの酸化電流、そして添加したアスコルビン酸が酸化される電流が併せて観察される結果を示している。
【0022】
一方、図2に示すように、発光強度は添加するアスコルビン酸の濃度が高くなるにつれて減少した。消光反応はアスコルビン酸濃度0-0.1mMの範囲ではアスコルビン酸の濃度に比例し、アスコルビン酸濃度が1.0mMのときに発光応答は観察されなくなった。図1および図2より、グルコース濃度[G]、アスコルビン酸濃度[A]とした時の酸化電流応答(a[G]+b「A」(a,bは正の定数))および発光量(c[G]−d[A](c,dは正の定数))における各定数は、a:4.4×10-2 (A/M)、b:2.0×10-1(A/M)、c:1.1×104 (1/M)、d:5.8× 10(1/M)となった。
【0023】
通常、血清中、および清涼飲料水等中におけるアスコルビン酸の濃度は、グルコース濃度と比較しておよそ50分の1から100分の1程度であることが知られており、グルコース濃度1.0mMの場合に、発光反応の阻害(消光)応答がアスコルビン酸濃度(アスコルビン酸濃度0-0.1mMの範囲)に対して比例することを証明できた本法は、グルコース、アスコルビン酸の同時検出が可能な方法として一般サンプルに広く適応可能である。
【実施例2】
【0024】
(酵素固定化電極)
グルコース酸化酵素50mgを1mlのリン酸緩衝液(pH6.4)に溶解したものを、200 mg の脂質[N-(a-トリメチルアンモニオアセチル)-ジドデシル-D-グルタメートクロリド]を20mlの水溶液と混合し、冷蔵庫中(4度C)で一晩置き、脂質修飾酵素の沈殿を形成させる。脂質修飾酵素の沈殿を遠心分離し、水で洗浄する操作を繰り返し、沈殿の精製を行い脂質修飾酵素を得た。該酵素は凍結乾燥し保存可能である。
【0025】
一方、直径10mmの金ディスク基板を1.0 mMのフェロセニルウンデカンチオールのヘキサン溶液に1時間浸せきし、金電極表面にフェロセン基を導入した。この電極基板上に脂質修飾グルコース酸化酵素を展開し、乾燥し、グルコース酸化酵素を固定化した修飾電極を作製した。この酵素固定化修飾電極を、支持電解質である過塩素酸ナトリウム(0.1M)、ルミノール(100μM)を含むpH7.9のリン酸緩衝液に浸せきし、撹拌を行う。ここに0-1.0mMの各濃度のアスコルビン酸を含むグルコース(1.0mM)溶液を添加し、同時に金電極に+0.6V(対銀-塩化銀電極)の電位を印加し、電流応答と発光強度を同時に測定した結果をそれぞれ図3、図4に示す。
【0026】
図3から分かるように電流値はアスコルビン酸の濃度の増加とともに増大した。これは修飾金基板において表面固定フェロセン基の酸化に伴う電流、ルミノールの酸化電流、そして添加したアスコルビン酸が酸化される電流が併せて観察される結果を示している。一方、図3に示すように、発光強度は添加するアスコルビン酸の濃度が高くなるにつれて減少した。消光反応はアスコルビン酸濃度0-0.1mMの範囲ではアスコルビン酸の濃度に比例し(図4、図5)、アスコルビン酸濃度が0.5 mMより高濃度のときに発光応答は観察されなくなった。
【0027】
図3の結果および図4のアスコルビン酸濃度0−0.1mMの範囲における濃度−発光強度の関係から、本系におけるグルコース濃度[G]、アスコルビン酸濃度[A]とした時の酸化電流応答(a[G]+b「A」(a,bは正の定数))および発光量(c[G]−d[A](c,dは正の定数))における各定数は、a:4.4× 10-2 (A/M)、b:1.2×102(A/M)、c:3.4×105 (1/M)、d:9.3×103(1/M)となった。
【0028】
通常、血清中、および清涼飲料水等中におけるアスコルビン酸の濃度は、グルコース濃度と比較しておよそ50分の1から100分の1程度であることが知られており、グルコース濃度1.0mMの場合に、発光反応の阻害(消光)応答がアスコルビン酸濃度(アスコルビン酸濃度0-0.1mMの範囲)に対して比例することを証明できた本法は、グルコース、アスコルビン酸の同時検出が可能な方法として一般サンプルに広く適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】グルコース酸化酵素溶液を使用した場合における、フェロセン修飾金電極の電流応答と添加したアスコルビン酸濃度の関係を表すグラフである。横軸はmM単位で表した試料中の アスコルビン酸濃度、縦軸は単位面積あたりに換算した電流値を示す。
【図2】図1で示した電流応答と同時に測定した発光強度と添加したアスコルビン酸濃度の関係を表すグラフである。横軸はmM単位で表した試料中の アスコルビン酸濃度、縦軸は任意単位の発光強度を示す。
【図3】グルコース酸化酵素固定化電極を使用した場合における、フェロセン修飾金電極の電流応答と添加したアスコルビン酸濃度の関係を表すグラフである。横軸はmM単位で表した試料中の アスコルビン酸濃度、縦軸は単位面積あたりに換算した電流値を示す。
【図4】グルコース酸化酵素固定化電極を使用した場合における、図3で示した電流応答と同時に測定した発光強度と添加したアスコルビン酸濃度の関係を表すグラフである。横軸はmM単位で表した試料中の アスコルビン酸濃度、縦軸は任意単位の発光強度を示す。
【図5】グルコース酸化酵素固定化電極を使用した場合における、添加したアスコルビン酸濃度が0−100μMにある場合の発光強度との関係を表すグラフである。
【図6】本発明の計測装置の1例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0030】
1 センサー部
1−1 修飾電極
1−2 参照電極
1−3 対極(白金線または白金箔)
1−4 測定溶液
1−5 試料注入部
1−6 攪拌子
1−7 容器
2 攪拌器
3 電気化学制御部
4 データ記録部
5 発光測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコース及びアスコルビン酸含有試料中のグルコース及び/又はアスコルビン酸濃度を、該試料がグルコース酸化酵素に接触することにより発生する電極電流の測定とルミノールを使用する発光強度の測定とを同時に行うことにより、測定する装置であって、上記試料の収容容器、該容器内に配置されたフェロセンあるいはその誘導体で修飾され、かつグルコース酸化酵素が固定された電極、該電極に発生した電流を計測する電気化学制御部、及び発生する過酸化水素とルミノールの反応により発生する発光強度を測定する発光測定部を有することを特徴とする、グルコース及びアスコルビン酸を含む試料中のグルコース濃度及び/又はアスコルビン酸濃度を計測する装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−180723(P2008−180723A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27657(P2008−27657)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【分割の表示】特願2003−376230(P2003−376230)の分割
【原出願日】平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】