説明

グループI〜IVの炭化水素油のための潤滑添加剤として有用なポリアルキレングリコール

潤滑添加剤として有用な特定のポリアルキレングリコールが、全4種の炭化水素ベース油(グループI〜IV)と、油のポリアルキレングリコールに対する広範な比および種々の条件下で可溶である。これらのポリアルキレングリコールは、C8−C20アルコールおよび混合ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド供給物を反応させることによって得られ、ここでブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比は3:1〜1:1の範囲である。本発明は、もたらされる環境的な問題がより少ないことができる望ましい潤滑剤組成物を提供する手段を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、米国仮特許出願第61/227,833号(2009年7月23日出願),発明の名称“POLYALKYLENE GLYCOLS USEFUL AS LUBRICANT ADDITIVES FOR GROUPS I−IV HYDROCARBON OILS”(その教示を、以下の全体で再現するように、参照により本明細書に組入れる)による優先権を主張する非仮出願である。
【背景技術】
【0002】
背景
1.発明の分野
本発明は潤滑剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、広範な炭化水素油と可溶な潤滑添加剤に関する。
2.技術の背景
潤滑剤組成物は、動作する機械部材を有する装置において広く用いられており、ここでのこれらの役割は、動作する部材の間の摩擦を低減することである。この低減は、ひいては、摩耗および引裂きを低減でき、および/または装置の全体性能を改善することができ。多くの用途において、潤滑剤組成物はまた、関連するおよび関連しない追加の目的,例えば腐食の低減、部品の冷却、汚れの低減、粘度の制御、解乳化、および/またはポンプ能力の増大を果たす。
【0003】
今日の殆どの潤滑剤組成物はベース油を含む。一般的に、このベース油は炭化水素油または炭化水素油の組合せである。炭化水素油は、American Petroleum Instituteによって、グループI、II、IIIまたはIVに入ると指定されてきた。これらのうち、グループI、IIおよびIIIの油は天然鉱物油である。グループIは分留された石油で構成される。これは溶媒抽出プロセスで更に精製され、耐酸化性等の特性が改善され、そしてワックスが除去される。グループII油は、水素化分解され、更に精製および高純度化された、分留された油で構成される。グループIII油はグループII油と同様の特徴を有する。グループIIおよびIIIの両者は高度に水素化された油であり、種々のステップを経てその物理特性が改善されたものである。グループIII油はグループII油よりも高い粘度指数を有し、そしてグループII油の更なる水素化分解によって、または水素異性化スラックワックス(これは多くの油で一般的に用いる脱ワックスプロセスの副生成物である)の水素化分解によって、のいずれかで得られる。グループIV油は合成炭化水素油であり、ポリアルファオレフィン(PAO)ともいう。
【0004】
種々のベース油の特性を改質するために、いわゆる添加剤パッケージがしばしば採用される。このようなものとしては、酸化防止剤、腐食防止剤、抗摩耗添加剤、発泡制御剤、イエローメタル不動態化剤、分散剤、洗浄剤、極圧添加剤、摩擦低減剤、および/または染料として働くように設計された物質を挙げることができる。全ての添加剤はベース油中で可溶であることが高度に望ましい。このような可溶性は、これらの組成物の輸送、貯蔵、および/または比較的長期の使用のために、広範囲の温度および他の条件に亘って、望ましく維持され、または維持可能である。添加剤が良好な環境性能を与えることもまた高度に望ましい。これは、このようなものが何らの危険分類警告ラベルも携える必要がなく、ならびに/または生分解性および水生生物に対して非毒性であることを示唆する。しかし、これらの望ましい品質の実現は全体性能を犠牲にしないべきである。残念ながら、少なくとも1つの利点として改善された摩擦低減を含む多くの添加剤は、低い可溶性、悪い環境性能、または両者を被る。
【0005】
当業者は、潤滑剤組成物中にベース油とともに含まれることができ、そして可溶性および環境の両者に関する問題をもたらさない摩擦低減添加剤(本明細書で「潤滑添加剤」と称する)の特定を試みてきた。この問題に対する1つの取組みは、1種以上の共ベース油,例えば合成エステルまたは植物油、を潤滑剤組成物中に含ませることである。例えば、エステルは、この目的のために、共ベース油としてポリアルファオレフィンとともに用いられてきた。残念ながら、このようなエステルは、しばしば、悪い加水分解安定性を被り、よって可溶性および環境的な許容を実現するために、全体性能における許容できない犠牲を示す場合がある。
【0006】
問題に対する別の取組みは、亜鉛、硫黄、および/またはリンを含有する潤滑添加剤を用いることであった。これらの潤滑添加剤は望ましい摩擦低減および追加の特性,例えば耐腐食性、の両者をしばしば与えるが、これらは非生分解性および/または環境に対して有毒性である場合がある。これらはまた、比較的高価である傾向がある。これらの添加剤の例としては、アミンホスフェート、ホスフェートエステル、塩化パラフィン化合物、ジンクジアルキルジチオホスフェート、ジンクジアミルジチオカルバメート、およびジアミルアンモニウムジアミルジチオカルバメートを挙げることができる。
【0007】
更に別の取組みは、ポリアルキレングリコール、すなわち「PAG」である潤滑添加剤を用いることであった。多くのPAGは、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドのホモポリマーを基にし、幾つかの場合では、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのコポリマーである。これらは、良好な性能および環境特性,例えば良好な加水分解安定性、低毒性および生分解性、高粘度指数値、望ましい低温特性、および良好なフィルム形成特性をしばしば与える。残念ながら、これらは一般的には炭化水素ベース油中で可溶ではない。特に、これらのポリアルファオレフィン(グループIV油)での可溶性は特に低い。従って当業者は、環境的な問題の可能性を最小化しながら、ポリアルキレングリコールの多くの利益の利点を受けるための改善された油可溶性を有するポリアルキレングリコールの探索を続けている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
従って、本発明は、1側面において、グループI、II、IIIまたはIVの炭化水素油、およびPAGを含み、該ポリアルキレングリコールが、C8−C20アルコールおよび混合ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド供給物を反応させることによって得られたものであり、ブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が3:1〜1:3の範囲であり、該炭化水素油と該ポリアルキレングリコールとが互いに可溶である、潤滑剤組成物を提供する。
【0009】
別の側面において、本発明は、少なくとも(a)グループI、II、IIIまたはIVの炭化水素油および(b)C8−C20アルコールおよび混合ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド供給物を反応させることによって得られた、ポリアルキレングリコール、をブレンドすることを含み、ブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が、該炭化水素油と該ポリアルキレングリコールとが互いに可溶である条件下で3:1〜1:3の範囲である、潤滑剤組成物の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
態様の詳細な説明
本発明は、本来的に合成または鉱物であることができる炭化水素油と、ブレンド物の摩擦低減特性を炭化水素油単独によって示されるいずれのものよりも大きく向上させる添加剤として規定されるPAG潤滑添加剤のグループとの、物理的ブレンド物である。本発明はこのブレンド物の製造方法を更に包含する。
【0011】
本開示で有用なPAGは、本開示で、これらの一般化された製造ルートおよびその構造の特定の一般的側面の両者によって特徴付けられることができる。これらの製造ルートは、一般的には、アルコールおよび供給物(ブチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの両者を含む)の反応を含む。供給物オキサイドの広い比率を採用でき、ブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が3:1〜1:3であるようにすることができる。幾つかの非限定態様において、オキサイド単位のランダムな分布が好ましいが、他の態様では、オキサイドが別々および/または交互に供給されるように供給物を制御することによってブロック構造を作ることができる。
【0012】
本発明において有用なこのようなPAGは、より詳細には、少なくとも1,2−ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、および選択されたアルコールの反応によって得ることができる。幾つかの態様において、特定のアルコール開始剤の混合物を選択できる。アルコールは、石油化学資源または再生可能資源のいずれからも得ることができ、一般的には、本来的に直鎖または分岐鎖であることができるC8−C20アルコールである。特定の非限定態様において、これはC8−C12アルコールである。本開示で用いる、「C」で始まる規定(これらに限定されるものではないがC8、C10、C12およびC20が挙げられる)は、与えられる分子中の炭素原子の総数を意味する(これらの原子の配置に関わらず)。このような炭素数の規定を含むハイフン付の表記,例えばC8−C12は、分子の可能な選択の群を意味し、各選択は与えられる数値範囲内となる炭素数を有する。この反応は酸触媒または塩基触媒のいずれによっても触媒されることができる。特定の非限定態様において、触媒はアルカリ塩基,例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または炭酸ナトリウムであり、プロセスはアニオン重合である。結果は、重合がカチオン的に進行する場合に得ることができるよりも比較的狭い分子量分布、すなわち比較的低い多分散度を有するポリエーテル構造である。しかし、代替および非限定の態様において、カチオン重合を行うことができる。ポリマー鎖長はまた、反応物質の比に左右されるが、特定の非限定態様において、数平均分子量(Mn)は500〜5,000で種々可能であり、特定の他の非限定態様においては500〜2,500で種々可能である。
【0013】
代替の特徴において、本発明において有用なPAGは、ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド延長コポリマーとして、1級ヒドロキシル基含有開始剤および炭素の酸素に対する比少なくとも3:1、および特定の態様において3:1〜6:1を有することを基にして特徴付けることができる。特定の特別な(しかし非限定の)態様において、開始剤はモノオールである。
【0014】
本発明の特定の側面は、特定のPAG潤滑添加剤が、グループI〜IIIの炭化水素油中で可溶であるのみでないことであるが、これらは本質的に全ての潤滑剤−対−炭化水素油の比で可溶であるため、これらは混和性であると厳密に特徴付けることができる。本開示で定義する用語「可溶」および「混和性」の両者は、2つの成分(これらは炭化水素油および潤滑剤PAG添加剤である)が、物理的ブレンド物として、(1)少なくとも1週間の間単相を維持すること、および(2)同じ時間の間、濁りを示さないこと(両者とも人間の肉眼で見たとき)を示唆する。「混和性」であることの区別は、可溶性が油−対−PAG割合の比90/10〜10/90(質量/質量)の全範囲に亘って見出されなければならないことである。本発明において、潤滑剤PAGは、グループI、IIおよびIIIの炭化水素油の全てにおいて可溶性および混和性の両者であり、グループIVの炭化水素油の全てにおいて可溶性である。ここではPAGより多くの炭化水素油が存在する。すなわち、PAOのPAGに対する比は、質量/質量基準で1:1よりも大きい。これは、低粘度、中粘度または高粘度の、すなわち、40℃で5.5センチストークス(cSt)〜1400cStの範囲の動粘度を示す、グループIVの炭化水素油を包含する。幾つかの態様において、本発明で用いるPAGは、PAOのPAGに対する比が1:1以下である場合にも、低粘度または中粘度のグループIVの炭化水素油中で可溶であることができる。
【0015】
このような可溶性は温度の関数として更に規定される。本発明の潤滑剤組成物において、可溶性は、初期混合および少なくとも1つの試験温度にて少なくとも1週間の両者で生じるべきである。本開示における可溶性試験のために用いる温度としては、室温(摂氏約25度(℃)である);80℃;および−10℃が挙げられる。本開示の目的のために、本発明によって意図される潤滑剤組成物は、可溶性を、初期混合時に示し、試験温度の少なくとも1つ、または3つの与えられる温度の全範囲(−10℃から80℃)で少なくとも1週間継続させる態様を包含する。
【0016】
これに反し、産業界で公知の従来のPAG潤滑添加剤は、ベースのグループI、II、IIIまたはIVの炭化水素油中で、質量/質量基準でちょうど5%を超えるレベルでしばしば可溶でなく、また従ってこれらの炭化水素油のいずれの中でも混和性であると定義できない。これは、本発明のブレンド物を、以前は他の非PAG潤滑添加剤(これらはしばしば、有用な程度の可溶性を確保するために、関連の環境または他の性能の問題を有する)を必要とした多くの用途で使用できることを意味する。
【0017】

例1(比較)
3つの潤滑添加剤は、NAFOLTM 12−99,直鎖C12ドデカノール(Sasol North America,Inc.から入手可能)を開始剤として用い、塩基触媒としての水酸化カリウムの存在下で、これとプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの混合オキサイド供給物とをアニオン重合させることによって、調製する。アルキレンオキサイドは反応温度130℃で水酸化カリウムの存在下で添加する(濃度は100万分の2000部(ppm)である)。オキサイド添加の終点で、反応を130℃で行って全ての残存オキサイドを反応させる。触媒残渣を濾過により除去する。存在するいずれの揮発性物質も減圧ストリッピングにより除去する。第1の潤滑添加剤において、プロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの比は3:1であり;第2の添加剤において比は1:1であり;そして第3の添加剤で比は1:3(質量/質量)である。パーセント比として75/25、50/50および25/75と代替記載できる。各潤滑添加剤は、40℃にて最終動粘度46cStを有する。
【0018】
次いで、更に3つの潤滑添加剤を、2−エチルヘキサノール,C8アルコール(開始剤として)を用い、これをプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの混合オキサイド供給物と、質量/質量比3:1、1:1および1:3で、上記したプロセス条件を用いて反応させることによって、調製する。これらの潤滑添加剤の各々もまた、40℃にて最終動粘度46cStを有する。
【0019】
次いで、物理的ブレンド物を、上記の潤滑添加剤を用いて調製する。各潤滑添加剤を、表1、2および3に示すように、単一の炭化水素油に添加し、室温で2時間撹拌する。各々の油のPAG潤滑添加剤に対する質量比の範囲は、油/PAGのブレンドを含んで表に示すように、質量/質量パーセント基準で、90/10、75/25、50/50、25/75および10/90である。全組成物は、初期撹拌時間の直後の肉眼観察に基づいて完全に可溶であることが見出される。
【0020】
次いで、ブレンド物を3つの異なる温度で、表1、2および3に、室温、80℃および−10℃を含む範囲で示す通り、各々1週間保存する。次いでこれらを目視検査する。結果を表1、2および3に記録する。ブレンド物の目視外観を説明するのに用いる用語は「明澄」、「濁り」(すなわち曇り)および「流動」を含み、相分離がない(「0[層]」)か2層への分離(「2」)か3層への分離(「3」)かを示すのに用いる数は0、2および3[層]を含む。本発明の態様は「明澄」および「0」で標識されるものである。比較例である態様は「濁り」および「0」、または「明澄」もしくは「濁り」と「2」もしくは「3」とのいずれかの組合せ、のいずれかを標識するものである。表3において説明「流動」は発明例を比較例から区別するのには関係しないが、粘度の問題は観察プロセスを阻害または歪曲しないと思われたことの一般化された理解を単に読者に与える。
【0021】
試験において用いる炭化水素油は以下の通りである:
・NEXBASETM 2004は、ポリアルファオレフィンベース油(グループIV)(Neste Oilより)であり、100℃での動粘度4cStを有し、流動点が−69℃の低粘度ベース流体である。
・SPECTRASYNTM 8は、ポリアルファオレフィンベース油(グループIV)(Exxon Mobil Chemicalsより)であり、100℃での動粘度8cStを有し、流動点が−54℃の中粘度ベース油である。
・SPECTRASYNTM 40は、ポリアルファオレフィンベース油(グループIV)(Exxon Mobil Chemicalsより)であり、100℃での動粘度40cStを有し、流動点が−36℃の高粘度ベース油である。
・NEXBASETM 3080は、水素化鉱物油ベース流体(Neste Oilより)であり、グループIII鉱物油に分類される。これは流動点が−12℃である。
・SHELL HVITM 65は、鉱物油ベース流体であり、Shell Chemicalsから入手可能でグループI鉱物油に分類される。これは流動点が−12℃である。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【表3】

【0025】
例2(比較)
5つの潤滑添加剤を、NAFOLTM 10D,C10アルコール(Sasol North America,Inc.から入手可能)を開始剤として用い、塩基触媒としての水酸化カリウムの存在下で、これと100%PO供給物、100%BO供給物、またはプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの混合オキサイド供給物とをアニオン重合して調製する。混合供給物中のプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの比は、3:1、1:1および1:3であり、代替としてパーセントで75/25、50/50、および25/75,それぞれ質量/質量、と表される。動粘度は40℃にて46cStである。
【0026】
次いで、4つの更なる潤滑添加剤を、NAFOLTM 1618H,混合直鎖C16/C18アルコール(Sasol North America,Inc.から入手可能)を開始剤として用い、これを100%BOの供給物またはプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの質量/質量比3:1、1:1および1:3,代替としてパーセントで75/25、50/50、および25/75,それぞれ質量/質量、と表される混合オキサイド供給物と、例1(比較)で上記したプロセス条件を用いて反応させて調製する。動粘度は40℃にて46cStである。
【0027】
5つの更なる潤滑添加剤を、DOWANOLTM DPnB,ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル,分岐C10アルコール(The Dow Chemical Companyから入手可能)を開始剤として用い、塩基触媒としての水酸化カリウムの存在下で、これと、100%PO供給物、100%BO供給物、またはプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの混合オキサイド供給物とをアニオン重合して調製する。混合供給物におけるプロピレンオキサイド/ブチレンオキサイドの比は、パーセントとして75/25、50/50、および25/75,質量/質量と表される。動粘度は40℃にて46cStである。
【0028】
次いで、物理的ブレンド物を、上記の潤滑添加剤を用いて調製する。各潤滑添加剤をSPECTRASYNTM 8に添加し(表4に示す通り)、室温で2時間撹拌する。油の潤滑添加剤に対する質量比は90/10,質量/質量である。全組成物は、初期撹拌時間の直後の肉眼観察に基づいて完全に可溶であることが見出される。
【0029】
次いでブレンド物を、20℃または80℃を含む、2つの異なる温度で1週間貯蔵する(表4に示す通り)。これらを次いで目視検査し、結果を表4に記録する。本発明の範囲内の態様は「明澄」および「0」で標識されるものであり、一方、比較は「濁り」および
「0」で標識されるものである。
【0030】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループI、II、IIIまたはIVの炭化水素油、およびポリアルキレングリコールを含み、該ポリアルキレングリコールが、C8−C20アルコールおよび混合ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド供給物を反応させることによって得られたものであり、ブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が3:1〜1:3の範囲であり、該炭化水素油と該ポリアルキレングリコールとが互いに可溶である、潤滑剤組成物。
【請求項2】
該アルコールが、C8−C12アルコールである、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項3】
該アルコールが、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、またはこれらの混合物である、請求項2に記載の潤滑剤組成物。
【請求項4】
該ポリアルキレングリコールおよび該炭化水素油が、炭化水素油のポリアルキレングリコールに対する比90/10〜10/90の範囲で互いに可溶である、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項5】
該炭化水素油がグループIVの炭化水素油であり、そして該ポリアルキレングリコールおよび該炭化水素油が、炭化水素油のポリアルキレングリコールに対する比90/10から50超/50の範囲で互いに可溶である、請求項4に記載の潤滑剤組成物。
【請求項6】
該炭化水素油および該ポリアルキレングリコールが、少なくとも25℃、80℃または−10℃から選択される温度にて少なくとも1週間互いに可溶である、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項7】
該炭化水素油および該ポリアルキレングリコールが、−10℃〜80℃の範囲の温度にて少なくとも1週間互いに可溶である、請求項6に記載の潤滑剤組成物。
【請求項8】
該アルコールがドデカノールであり、そしてブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が3:1〜1:1である、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項9】
該ポリアルキレングリコールおよび該炭化水素油が、温度−10℃〜80℃にて少なくとも1週間に亘って互いに可溶である、請求項8に記載の潤滑剤組成物。
【請求項10】
該ポリアルキレングリコールの、炭素の酸素に対する比が少なくとも3:1である、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項11】
該ポリアルキレングリコールの、炭素の酸素に対する比が3:1〜6:1である、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項12】
少なくとも(a)グループI、II、IIIまたはIVの炭化水素油および(b)C8−C20アルコールおよび混合ブチレンオキサイド/プロピレンオキサイド供給物を反応させることによって得られた、ポリアルキレングリコール、をブレンドすることを含み、ブチレンオキサイドのプロピレンオキサイドに対する比が、該炭化水素油および該ポリアルキレングリコールが互いに可溶である条件下で3:1〜1:3の範囲である、潤滑剤組成物の製造方法。

【公表番号】特表2013−500358(P2013−500358A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521802(P2012−521802)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043001
【国際公開番号】WO2011/011656
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】