説明

グレイスケール反転を用いる3D超音波カラーフローイメージング

超音波診断イメージングシステムは、1つの画像内に血液プールの位置及び血流速度の両方を描く血流の3D画像を生成する。Bモードデータは、体積領域にわたり収集され、強いエコーリターンの領域に対して無響領域を強調するグレイスケール値の範囲に反転される。フローデータは、同じ体積領域にわたり収集され、両方のデータセットが体積レンダリングされる。この2つの体積レンダリングは、この場合、Bモード画素値が画素位置における血流によって色付けされる単一の3D画像に統合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断超音波システム、特に、3次元(3D)カラーフローイメージングを実行する超音波システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3D体積レンダリングイメージングを使用して、胎児心臓の心室のような、人体の構造の内部表面を視覚化することは、超音波診断イメージングにおいて一般的な慣行である。時空間画像相関(STIC)として知られる3Dデータ収集技術を使用して、胎児心臓の動力学は、連続的画像フレームのシネループ(登録商標)として各々獲得された体積の系列として獲得されることができる。カラーフローデータの3D体積を獲得し、様々な3D体積レンダリング技術を使用してデータ体積の2D画像投影を形成することも一般的な慣行である。3Dカラーフローデータは、この場合、断面として、又は様々な3Dレンダリング方法を使用して3D画像として見られることができる。更に、前記3Dカラーフローデータは、胎児心臓の血行動態を獲得するためにSTIC技術を使用して収集されることができる。
【0003】
胎児イメージングに対する他の既知の技術は、"反転イメージング"として既知である。反転イメージングにおいて、従来のグレイ−スケール範囲は、反転されたグレイスケール範囲において、一般的に、強いエコーを返す体内の構造を明るく表示されるように示し、ほとんどエコーエネルギを返さない血液のような無響構造を暗く示す。このグレイスケール範囲の反転は、欠陥の内側の血液を明るく照らされるように示し、周囲の欠陥の組織を薄暗く表示させるか又は見えなくする結果となり、これにより血液プール及び血管血流を強調する。例えば、流体を満たされたのう胞の検出にこの技術を使用する米国特許6117080(Schwartz)を参照する。
【0004】
反転イメージングを組み合わせた胎児STIC技術の使用は、胎児心臓の構造内への新しい洞察を臨床医に提供した。これは、臨床医がしばしば通常又は異常形成及び機能に対して胎児心臓を評価する問題を提示されるので重要である。従来の3D反転画像は、これ自体で、心臓の血行動態に関する情報を提供しない。このため、臨床医は、血流速度を評価するために、代わりに他の画像、典型的にはこの体積を通る断面カラーフロースライスを参照し、前記断面カラーフロー画像の血流を前記反転技術で形成された3Dグレイスケール画像と心の中で相互関係を示さなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、反転画像の血流経路情報及びカラーフロースライスの血流速度情報を同時に提供する単一のイメージング技術を臨床医に提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の原理によると、3Dグレイスケールデータは、3Dカラーフローデータと結合され、これらが一緒に視覚化されることを可能にする。本発明の図示される例において、カラー体積データの表面レンダリングの3D投影は、"反転された"グレイスケール体積データの表面レンダリングの3D投影と結合され、これら2つを一緒に1つの画像を生成する。この例において、これら2つの3D投影を結合するプロセスは、所定の画素位置におけるグレイスケール投影データを同じ画素位置におけるカラー投影データと比較する。グレイスケール値が特定の閾値より下である場合、前記グレイスケール値のみが、結合画像の画素に対して使用される。前記グレイスケール値が前記閾値より上である場合、前記グレイスケール値は、カラー値に加算され、この新しい値が、前記結合画像の画素に対して使用される。他の画像データアルゴリズムも、画像のフィーチャを強化するのに使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の原理によって構成された超音波診断イメージングシステムをブロック図形式で示す。
【図2】本発明の方法の一例のフローチャートを示す。
【図3】本発明によって生成され、心臓拡張期中に獲得された超音波画像を示す。
【図4】本発明によって生成され、心臓収縮期中に獲得された超音波画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
初めに図1を参照すると、本発明の原理によって構成された超音波システムが、ブロック図形式で示される。トランスデューサアレイ10aは、超音波を送信し、エコー信号を受信するように設けられる。この例において、図示されたアレイは、3D画像情報を提供することができるトランスデューサ素子の2次元アレイであるが、本発明の実施は、体積領域から2D(平面)画像を生成するトランスデューサ素子の掃引1次元アレイを使用してもよい。前記トランスデューサアレイは、これらのアレイ素子による信号の送信及び受信を制御するマイクロビームフォーマ12aに結合される。前記マイクロビームフォーマは、米国特許5997479(Savord他)、6013032(Savord)及び6623432(Powers他)に記載されるようにトランスデューサ素子のグループ又は"パッチ(patches)"により受信された信号の少なくとも部分的なビーム形成をすることもできる。マイクロビームフォーマ12aは、送信と受信との間で切り替え、高エネルギ送信信号からメインビームフォーマ20を保護する送信/受信(T/R)スイッチ16に結合される。トランスデューサアレイ10aからの超音波ビームの送信は、前記T/Rスイッチに結合された送信コントローラ18の制御下にあり、送信コントローラ18は、ユーザインタフェース又は制御パネル38のユーザ動作から入力を受信する。
【0009】
マイクロビームフォーマ12aにより生成された部分的にビーム形成された信号は、素子の個別のパッチからの部分的に形成された信号が完全にビーム形成された信号に結合されるメインビームフォーマ20に結合される。例えば、メインビームフォーマ20は、128のチャネルを持つことができ、各チャネルは、12のトランスデューサ素子のパッチから部分的にビーム形成された信号を受信する。このように、2次元アレイの1500以上のトランスデューサ素子により受信された信号は、単一のビーム形成信号に効率的に寄与することができる。前記ビーム形成信号は、スペックル除去、信号合成(signal compounding)、高調波分離、フィルタリング、マルチライン補間及び処理、並びに雑音除去のような追加の強化を受けることができる信号プロセッサ22に結合される。
【0010】
処理された信号は、Bモードプロセッサ26及びドップラプロセッサ28に結合される。Bモードプロセッサ26は、筋肉、組織及び血液細胞のような体内の構造のイメージングに対して振幅検出を使用する。前記体内の構造のBモード画像は、高調波モード又は基本モードのいずれかで形成されることができる。体内の組織及びマイクロバブルは、両方とも両方のタイプの信号を返し、マイクロバブルの高調波リターンは、マイクロバブルがほとんどのアプリケーションにおいて画像内で明確に分割されることを可能にする。前記ドップラプロセッサは、血液細胞、組織及びマイクロバブルを含む画像フィールド内の物質の動きの検出に対して組織及び血流からの時間的に異なる信号を処理する。前記ドップラプロセッサは、Bモード信号のソースである同じ体積領域内の各位置におけるドップラパワー、速度、加速度又は分散の推定値を生成するために撮像される体積内の各位置からの時間的に異なるサンプルのアンサンブルに対して動作する。異なる送信信号が、Bモード及びドップラリターンに対して使用されてもよく、又は同じ信号が、米国特許6139501(Roundhill他)に記載されるように両方のプロセッサにより使用されてもよい。ドップラプロセッサ28は、典型的には信号プロセッサ22により生成されたI、Q直角位相データに対して動作することができ、Bモードプロセッサ26は、(I2+Q21/2の形式で同じデータに対して動作することができる。構造的Bモード信号は、前記Bモード信号をグレイスケール値の範囲に変換するグレイスケールマッピングプロセッサ32に結合される。ドップラプロセッサ28からのフロー信号は、前記フロー信号をカラー値の範囲に同様に変換するカラーマッピングプロセッサ34に結合される。前記フロー信号が、カラーフローイメージングに対する速度関連信号である場合、前記カラー値の範囲は、例えばフロー速度の範囲に対応する。パワードップラ、加速度及び分散のような他のドップラモードは、望ましい場合に使用されることができる。前記マッピングプロセッサは、前記ユーザにより選択されたグレイスケール及びカラー範囲を実施することができ、ルックアップテーブルとして構成されることができる。図1の超音波システムが、本発明によって画像を生成する場合、グレイスケールマップは、従来のスケールから反転され、強いBモード信号が暗いグレイスケール値に変換され、弱いBモード信号が明るいグレイスケール値に変換される。これは、例えば、血管壁の組織からの強いエコーを、血管内の血流からの弱い無響エコーリターンより暗く表示されるようにする。
【0011】
本発明によると、グレイスケール3Dデータセット及び3Dフローデータセットは、それぞれ体積レンダラ(volume renderers)42及び44によりデータの各3D体積の2D表示を形成するようにレンダリングされた各体積である。実際には、一方のデータセットをレンダリングし、次いで他方をレンダリングするように多重化された1つの体積レンダラが使用されてもよい。体積レンダリングは、周知であり、例えば米国特許5720291(Schwartz)に記載されている。米国特許6530885(Entrekin他)も参照する。体積レンダリングは、異なる観測方向の系列から3D体積の投影を生成することができ、前記ユーザは、この場合、動的視差として既知である表示フォーマットで、異なる視野から3D体積を見るために前記観測方向を通して配列することができる。体積レンダラ42及び44は、米国特許6723050(Dow他)に記載されるように直線座標又は極座標のいずれかで画像データに対して動作することができる。
【0012】
更に本発明を踏まえて、体積レンダラ42により生成された体積レンダリングされた"反転"グレイスケールデータ及び体積レンダラ44により生成された体積レンダリングされたフローデータは、画素比較器と、血管の血流経路及び心腔が、前記血流経路又は心腔の流体の動き特性と一緒に視覚化されることを可能にする3D画像統合プロセッサ50とにより混合される。これを行う1つの方法は、前記画像の各点における前記Bモードデータ及び前記フローデータを互いに又は閾値と比較することである。例えば、1つの技術は、画像位置における前記グレイスケール値を閾値と比較することであり、前記グレイスケール値が前記閾値より下である場合、前記グレイスケール値のみが表示に使用される。前記グレイスケール値が前記閾値を超過する場合、前記グレイスケール値及び前記フロー値が合計され、血流速度のような前記フロー値で色付けされた位置における表示画素を生じる。代替的には、前記フロー値が第一に閾値と比較され、前記閾値を超過する場合に表示に使用される。前記フロー値が前記閾値を超過しない場合、前記グレイスケール値が当該位置における表示に使用される。いずれの場合にも、前記閾値は、望ましい場合には制御パネル38から前記ユーザにより制御及び設定されることができる。この処理の結果は、最初の体積レンダリングの両方の特性を含む単一の体積レンダリング(3D)画像が使用されることである。結果として生じる統合画像は、例えば心臓の血行動態を視覚化するように同様に処理された画像のシーケンスで表示されることができるシネループバッファ36に結合される。表示されるべき画像は、画像ディスプレイ40上の表示のために画像プロセッサ30に結合される。
【0013】
この処理を反復するために、結合されたグレイスケール及びカラー3D画像投影の形成は、一連の処理ステップにおいて実現される。これらのステップは、第一に、個別のグレイスケール及びカラーデータ投影の形成を含み、次いで前記投影を表示用の単一の画像に結合又は合成する最終ステップを含む。前記グレイスケール画像投影の形成は、従来のマップからの反転グレイスケールマップを使用してグレイスケールデータのレンダリングにより実現され、ここでこの処理の第1のステップは、視覚化されるべきデータの体積の個別のボクセルの強度を逆転又は反転することである。この反転は、明るいボクセルを暗くなるようにし、暗いボクセルを明るくなるようにすることである。この反転ステップの後に、以前に記載されたレイキャスト法のような従来の3Dレンダリング技術が、所定の視点から観測された前記3Dデータの投影である2D画像を作成するのに使用される。好ましくは、このレンダリング方法は、前記データ内の"表面"を見つけ、示すように構成され、表面とは、一般に、観測者から前記データの体積内に移動する"放射(ray)"により見られる場合に低い強度(暗い)ボクセルから高い強度(明るい)ボクセルへの遷移を意味する。前記ボクセルデータの強度を反転する前記第1のステップのため、前記レンダリング処理中に見つけられ、表示される表面は、前記体積データに存在する無響領域又は通常は暗い領域に反対する組織の内部表面と同等である。前記体積データが、例えば、胎児心臓を含む場合、見つけられ、表示される表面は、心臓の心室及び心臓に接続する関連した血管の内部表面に対応する。結果として生じる2D画像は、M×Nの画素からなり、各画素は、赤(R)、緑(G)及び青(B)値からなる。典型的には、これらのRGB値は、表示される画素が中立(グレイ)色を持つように全て互いに等しいが、他の色付けが使用されることができる。
【0014】
カラーフロー画像投影の形成は、特定の視点から見られるように、前記体積データ内に目標(移動する血液細胞)に関連付けられたドップラシフトを持つように前記超音波システムにより以前に検出された前記目標の表面を見つけ、表示するのに、レイキャスト法のような、従来の3Dレンダリング方法により実現される。結果として生じる2D画像は、M×Nの画素からなり、各画素は、赤(R)、青(B)及び緑(G)値からなる。前記画素のRGB値は、各画素位置において表示される結果の色が、受信されたエコーのドップラシフトにより決定される速度及び方向を表示される色に関連付けるカラーマップにより決定されるように当該位置における血液細胞の方向及び速度に対応する。
【0015】
上で作成された前記3Dデータの結合されたカラー及びグレイスケール2D投影は、前記結合画像の各画素が、前記グレイスケール画像及び前記カラー画像の対応する位置からの画素(ボクセル)データの組み合わせとして形成される非線形の形で結合又は合成される。2つの画像からの画素データを結合する複数の方法が存在する。1つの方法は、第一にグレイスケール画素値を選択された閾値と比較することである。前記画素値が調整可能な閾値を下回る場合、前記グレイスケール画像からのRGB画素値のみが結合された画像画素に対して使用され、すなわち、前記グレイスケールデータのみが表示される。他方で、前記グレイスケールデータからの画素値が前記調整可能な閾値を超過する場合、当該画素値は、当該位置における前記カラー画像の画素値と合計され(個別に合計されるR、G及びB)、結果として、同じ位置において見つけられた対応する速度で色付けされたグレイスケール画素値を生じる。望ましい場合、範囲確認が、前記合計された画素値を最大輝度に留めるように実行されることができる。この合成方法は、カラーデータがグレイスケールデータの不在時にのみ表示される従来のプロセスと反対である。
【0016】
前記グレイスケール画像及び前記カラー画像を合成する他の方法は、前記カラーデータの速度も考慮されるように前記カラー画素データの値に対する追加の調整可能な閾値を使用することである。この場合、前記カラーデータの速度が前記調整可能な閾値を超過する場合に、前記グレイスケールデータにかかわらず前記カラー画素データを示すことが望ましいかもしれない。
【0017】
前記合成プロセスに作用することができる他の因子は、グレイスケール画像画素及びカラー画像画素により描写されるグレイスケール表面及びカラー表面が生じた前記体積内の位置を考慮することである。体積レンダリングのレイキャスト法を使用する場合、最終結果は、深度次元が標準的に失われた2次元投影である。しかしながら、前記画素が生じた元の体積データセットの深度位置は、前記グレイスケール表面及び前記カラー表面の各々に対して前記表面が発見された放射に沿った位置の経過を追うことにより決定されることができる。この場合、前記合成プロセスの一部として前記グレイスケール画素値及び前記カラー画素値を比較するのに加えて、各画素が遭遇された放射に沿った深度も考慮されることができる。例えば、グレイスケールレンダリングのグレイスケール画素値が、カラーフローレンダリングの対応するカラー画素値より浅い深度から生じた場合、これら2つの値は、体積領域の異なる位置に関するので統合されるべきでない。このような場合、前記グレイスケール値が指定された輝度閾値を超過するが、前記放射に沿った深度が、ある調整可能な閾値だけカラー画素とグレイスケール画素との間で異なる場合、前記グレイスケール画素値のみが、前記結合画像画素に対して使用される。この追加の因子は、空間的に相関がなく、したがって結合されるべきでないレンダリングされたデータの統合を防ぐ。
【0018】
本発明のプロセスの単純化されたフローチャートが、図2に示される。102において、3Dグレイスケールデータセットが収集される。104において、3Dカラーフローデータセットが収集される。106において、前記グレイスケールデータセットが、反転されたグレイスケールマップ又は値の範囲に変換又はマッピングされる。108において、前記反転された3Dグレイスケールデータセット及び前記3Dカラーフローデータセットが体積レンダリングされる。110において、カラーフロー値及びグレイスケール値が、両方のデータセットの特性を含む単一の3D体積レンダリング画像に結合又は合成される。このような画像のシーケンスは、次いで、112においてリアルタイムで表示される。
【0019】
図3及び4は、胎児心臓の2つの超音波画像を示し、第1の画像は心臓拡張期に収集され、第2の画像は心臓収縮期に収集される。これらの画像は、本発明の動作実施により収集され、収集する超音波システム上に黒い背景に対して示されるカラー画像として表示される。しかしながら、特許の説明の目的で、この従来の表示フォーマットは、図面において反転されており、これにより背景が白く、血流経路及び速度がグレイシェーディングである。指摘されることができる第1の特徴は、これらの画像が、心臓自体(心筋)のものではないが、心臓内の血液のものであることである。血流のこれらの領域の周りの心筋組織構造は、米国特許5474073(Schwartz他)に記載されたものと同様の血流の画像を生成するグレイスケールマップの反転により半透明になる又は消えるようにされる。組織が半透明にレンダリングされるのに対し、前記ドップラデータを不透明にレンダリングすることにより血流を視覚化する技術を説明する前述の米国特許5720291(Schwartz)をも参照する。これらの画像において、前記血流経路は、不透明に表示され、これにより前記血流経路及び血液プールの外側表面が、前記レンダリングにおいて強調され、したがって血液の連続的な不透明な"管"として連続的な血管の流れを示す。図3及び4において、臨床医は、大動脈200のような血流経路の場所及び位置に注意することができ、前記大動脈の連続性を検査し、心臓及び血管の適切な形成を診断することができる。図3の心臓拡張期中に、202で示される左心室は、血液が心臓のこの心室を充填するときに高度に色付けされる。心臓がこの位相の間にいっぱいであるときに大動脈200内にほとんど又は全く色が存在しない。図4の心臓収縮期において、心臓の収縮が血液を心臓の外に出し、大動脈及び周囲の脈管構造に入れるので、左心室には比較的少ない色が存在するが、僧帽弁領域及び大動脈200は、明るく色付けされる。臨床医は、したがって、血流の完全な血行動態を示す1つの画像に基づいて診断することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流を分析する超音波診断イメージングシステムにおいて、
血流が存在する体積領域に対して超音波信号を送信及び受信するように動作可能なトランスデューサアレイと、
前記トランスデューサアレイに結合され、前記体積領域のBモードデータを生成するように機能するBモードプロセッサと、
前記トランスデューサアレイに結合され、前記体積領域のフローデータを生成するように機能するドップラプロセッサと、
無響リターン信号を強調するグレイスケールデータの反転されたマッピングを生成するグレイスケールマップと、
前記プロセッサに結合され、前記反転されたBモードデータ及び前記フローデータの体積レンダリングを生成するように機能する体積レンダラと、
前記体積レンダリングされたフローデータ及び前記体積レンダリングされた反転されたBモードデータを、両方のデータセットの特徴を含む合成画像に結合する画像統合プロセッサと、
前記画像統合プロセッサに結合され、前記合成画像を表示するディスプレイと、
を有する超音波診断イメージングシステム。
【請求項2】
前記ドップラプロセッサが、カラーフローデータを生成する、請求項1に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項3】
前記カラーフローデータをカラー値の範囲にマッピングするように動作するカラーマップを更に有する、請求項2に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項4】
前記画像統合プロセッサが、前記反転されたBモードデータを閾値と比較するように動作する比較器を更に含む、請求項1に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項5】
前記画像統合プロセッサが、前記比較器の比較に基づく共通の位置に関連する前記フローデータ及び前記反転されたBモードデータを選択的に結合するように更に動作する、請求項4に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項6】
前記画像統合プロセッサが、前記フローデータを第2の閾値と比較するように動作する比較器を更に含む、請求項5に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項7】
前記閾値が、ユーザ調整可能な閾値を更に有する、請求項4に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項8】
前記第2の閾値が、ユーザ調整可能な閾値を更に有する、請求項6に記載の超音波診断イメージングシステム。
【請求項9】
組織及び血流の3D超音波画像を生成する方法において、
グレイスケール3Dデータセットを収集するステップと、
カラーフロー3Dデータセットを収集するステップと、
前記グレイスケール3Dデータを、強いエコーリターンより大きく無響リターンを強調するグレイスケール値の範囲にマッピングするステップと、
前記マッピングされたグレイスケール3Dデータセット及び前記カラーフロー3Dデータセットを体積レンダリングするステップと、
前記体積レンダリングされたグレイスケールデータ及び前記体積レンダリングされたカラーフローデータを空間に基づいて結合するステップと、
合成グレイスケール及びフロー体積レンダリング画像を表示するステップと、
を有する方法。
【請求項10】
前記マッピングするステップが、反転されたグレイスケール3Dデータを生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記結合するステップが、共通の空間的位置に関連する前記グレイスケールデータ又は前記カラーフローデータの少なくとも一方を閾値と比較するステップを更に有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記結合するステップが、3D領域内の位置におけるグレイスケールデータ値を当該位置におけるフロー特性に対応する色で色付けするするステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
対象内の血流状況の3D超音波画像を生成する方法において、
体積領域内の血液が周囲の組織より不透明に表示される3D超音波画像データセットを生成するステップと、
空間に基づいて前記体積領域内の位置における血流のデータセットを前記3D超音波画像データと統合するステップと、
画素が血液不透明性及び血流特性の両方を描写する前記統合されたデータセットの画像を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項14】
前記3D超音波画像データセットを生成するステップが、Bモードデータを、弱いエコー信号が強いエコー信号より明るく表示される反転された値の範囲にマッピングするステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記統合するステップが、共通の画素位置における前記3D超音波画像データ又は前記血流データの少なくとも一方を閾値と比較するステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記統合するステップが、共通の画素位置における前記3D超音波画像データ及び前記血流データを互いに比較するステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記統合するステップが、前記体積領域内の前記画像データ及び前記血流データの相対的な原点に基づいて行われる、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−505575(P2010−505575A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531947(P2009−531947)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054044
【国際公開番号】WO2008/044173
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】