説明

グレーチングの取付構造

【課題】グレーチングの受枠に支持される部分にゴミが入って溜り、ゴミの腐食による腐敗臭や不衛生になる、といった問題を解消する。
【解決手段】受枠11に支持されるグレーチング17端に角パイプ18を固着し、角パイプ上面は滑り止めのため凹凸に形成されると共に、下面には支持材9を一定間隔で固定して支持材間に流路を形成する。グレーチング17と受枠11との間の隙間に入り込んだゴミは雨水や洗浄水の流入と共に流路を通って側溝内に押し流され排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の側溝、集排水桝、投雪口、とりわけ調理場の排水溝に装着するのに適したグレーチングの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
グレーチングが装着される主要な用途に道路の側溝、集排水桝、投雪口、調理場の排水溝(これらを以下単に「側溝等」という)があり、グレーチングを通して雨水や調理場を洗浄したときの洗浄水を排水するようにしている。
【0003】
グレーチングは通常、端板間に並設される主部材と、主部材と直交して配置されるツイストバー等の補助部材よりなり、多くの場合、図1に示すようにグレーチング1は側溝等に取付けられるL形断面の受枠2に装着されるか、或いは側溝等に直接又は嵩上げ部材を介して装着されるようになっている。
【0004】
下記特許文献1には、グレーチングの両側に脚付きのサイドカバー部を取付けて受枠に支持させたものが開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3114224号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示す側溝に装着されるグレーチング1のうち、受枠2に支持されるグレーチング端部分1a及びグレーチングの端板と受枠2との間の隙間3には、ごみが溜まって水が滞留し易く、溜まったごみが腐敗し易い。グレーチング端部分やグレーチング端板と受枠との間の隙間に溜まるごみは、食品を扱う調理場ではことに問題で、不衛生となりがちである。
【0006】
この点、特許文献1に開示されるグレーチングでは、グレーチング両端に取付けられるサイドカバー部で受枠が覆われ、これよりゴミが入り込むことはないが、サイドカバー部と受枠との間よりゴミ、ことに水が入り込んで溜り、腐敗臭を漂わすおそれがある。
【0007】
本発明は、グレーチングの受枠に支持される部分のみならず、グレーチングと受枠との間の隙間にごみや水が溜りにくくしたグレーチングの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係わる発明は、側溝等に取付けられる受枠に或いは受枠を介さないで側溝等に直接又は嵩上げ部材を介して装着されるグレーチングの取付構造であって、グレーチング又はグレーチングに取付けられる嵩上げ部材が受枠或いは側溝等に支持材により適当間隔で支持され、支持材間に流路を形成することを特徴とし、
請求項2に係わる発明は、側溝等に取付けられる受枠に或いは受枠を介さないで側溝等に直接装着されるグレーチングの取付構造であって、グレーチングには受枠或いは側溝等への装着部分に角パイプが固着され、角パイプが受枠又は側溝等に支持部材により適当間隔で支持され、支持材間に流路を形成することを特徴とする。
【0009】
上記各発明の支持材は、断面が例えば円形ないし矩形のロッドないし棒状で、中空であってもよい。この支持材はグレーチングや受枠とは固定されていなくてもよいが、好ましくはグレーチングと受枠の一方、より好ましくはグレーチングに固定される。
【0010】
請求項3に係わる発明は、請求項1又は2に係わる発明において、支持材がグレーチング又は嵩上げ部材に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係わる発明によると、支持材間が流路となり、受枠上のグレーチング端部分やグレーチング端と受枠との間にごみが入り込んでも雨水や洗浄水等の流入により一緒に押し流され、溜まったごみの腐敗による悪臭や不衛生を解消することができ、調理場の排水溝に設置されるグレーチングの取付構造に適する。
【0012】
請求項2に係わる発明においては、グレーチング端部分にごみが溜まるのをより確実に防ぐことができ、グレーチングと受枠との間にごみが入り込むようなことがあっても、請求項1に係わる発明と同様、雨水や洗浄水等の流入により一緒に押し流され、溜まったごみの腐敗による悪臭や不衛生を解消することができる。
【0013】
請求項3に係わる発明によると、グレーチングを受枠又は側溝等に装着するだけで受枠または側溝等との間に支持材間の流路を形成することができ、またグレーチング上の車両の走行や歩行により支持材が動き、受枠又は側溝よりはみ出したり、外れるといった問題を生ずることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面により説明する。
図2は、受枠11に装着されたグレーチング5の側面図であり、図3は図2のA−A線断面を示すもので、グレーチング5は、端板6間に細板状の主部材7を定間隔で並設すると共に、主部材7と直交して配設されるツイストバー8よりなり、主部材7には数個ごとに受枠11に支持される箇所に角材よりなる支持材9が溶接にて固着され、グレーチング5を受枠11に装着したとき、グレーチング5が受枠11に支持材9を介して支持され、支持材9間が流路12となり、主部材間に入り込んだゴミが雨水の流入と共に矢印で示すように側溝14内に押し流され、また受枠上のグレーチング5に入り込んだゴミ或いはグレーチング5の端板6と受枠11との間の隙間13に入り込んだゴミも矢印で示すように雨水の流入と共に支持材間の流路12を通って側溝内に排出されるようになっている。図中、15は受枠11を固定するため側溝に埋設されるアンカーである。
【0015】
図4に示す実施形態では、グレーチング17端にグレーチングと同じ高さの角パイプ18が固着され、角パイプ上面は図示していないが、滑り止めのため凹凸に形成され、また角パイプ下面には、前記グレーチング5と同様、各パイプ18の長手方向に一定間隔で前記支持材9が溶接にて固着されている。そしてグレーチング17を受枠11に装着したとき、受枠上に支持材9を介して支持され、支持材間に流路が形成されるようになっている。
【0016】
上記各実施形態では、グレーチング5、17は受枠11に支持材9を介して支持されるようになっているが、受枠を介さないで側溝等に直接取付けるようにしてもよい。またグレーチング5、7に嵩上げ材を取付ける場合、嵩上げ材に受枠又は側溝に支持される支持材を取付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】受枠にグレーチングを装着した側溝の部分断面図。
【図2】側溝の受枠に装着される本発明に係わるグレーチングの側面図。
【図3】図2のA−A線における部分断面図。
【図4】別の実施形態の図2のA−A線における部分断面図。
【符号の説明】
【0018】
1、17・・グレーチング
6・・端板
7・・主部材
8・・ツイストバー
9・・支持材
11・・受枠
12・・流路
13・・隙間
14・・側溝
18・・角パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝等に取付けられる受枠に或いは受枠を介さないで側溝等に直接又は嵩上げ部材を介して装着されるグレーチングの取付構造であって、グレーチング又はグレーチングに取付けられる嵩上げ部材が受枠或いは側溝等に支持材により適当間隔で支持され、支持材間に流路を形成することを特徴とするグレーチングの取付構造。
【請求項2】
側溝等に取付けられる受枠に或いは受枠を介さないで側溝等に直接装着されるグレーチングの取付構造であって、グレーチングには受枠或いは側溝等への装着部分に角パイプが固着され、角パイプが受枠又は側溝等に支持部材により適当間隔で支持され、支持材間に流路を形成することを特徴とするグレーチングの取付構造。
【請求項3】
前記支持材がグレーチング又は嵩上げ部材に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載のグレーチングの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−205117(P2007−205117A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27916(P2006−27916)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000133294)株式会社ダイクレ (65)
【Fターム(参考)】